以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<<第1実施形態>>
図1は本実施形態における電子部品試験装置の平面図、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態における電子部品試験装置1は、電子部品ハンドリング装置(以下、ハンドラとも称する。)10と、テストヘッド300と、テスタ20とを備え、テストヘッド300とテスタ20とはケーブル21を介して接続されている。
この電子部品試験装置1では、ハンドラ10の供給トレイ用ストッカ401に格納された供給トレイ上の試験前の被試験電子部品100をYZ移動装置310に搬送し、YZ移動装置310によってテストヘッド300の第2のソケット301に押し付けて、このテストヘッド300及びケーブル21を介して被試験電子部品100の試験を実行した後、試験が終了した被試験電子部品100を試験結果に従って分類トレイ用ストッカ402に格納された分類トレイ上に搭載する。なお、図2では、図1に示すテストヘッド300に近い側の分類用ストッカ402について図示を省略している。
ハンドラ10は、テスト部30と、IC格納部40と、ローダ部50と、アンローダ部60と、を有している。
ハンドラ10の各部の詳細について説明する前に、このハンドラ10で取り廻す被試験電子部品100について説明する。
図3は本実施形態における被試験電子部品の側面図、図4は本実施形態における被試験電子部品の平面図、図5は本実施形態における被試験電子部の底面図である。
被試験電子部品100は、図3に示すように、第1の主面(表面)101と、第2の主面(裏面)103と、を有している。この被試験電子部品100の第1の主面101には、図4に示すように、外縁部101aに第1のデバイス端子102が配置されている。なお、本実施形態では、20個の第1のデバイス端子102が実質的に等間隔で矩形を描くように配列されている。これに対して、第1の主面101の中央部101bには、第1のデバイス端子102が配置されておらず、平坦な領域が確保されている。因みに、この中央部101bに、後述するコンタクトアーム315の吸着パッド317cが接触する(図12参照)。
一方、第2の主面103には、図5に示すように、その全面に第2のデバイス端子104がマトリックス状に配置されている。本実施形態における第1及び第2のデバイス端子102,104は、いずれもバンプで形成されているが、特にバンプに限定されない。また、第1及び第2のデバイス端子の数や配置についても特に限定されない。このような被試験電子部品100としては、例えばロジックICを挙げることができる。
次に、ハンドラ10の各部の詳細な構成について説明する。
<IC格納部40>
IC格納部40は、試験前及び試験後の被試験電子部品100を格納する手段であり、主に供給トレイ用ストッカ401と、分類トレイ用ストッカ402と、空トレイ用ストッカ403と、トレイ搬送装置404とから構成される。
供給トレイ用ストッカ401には、試験前の複数の被試験電子部品100が搭載された複数の供給トレイが積載されて収納されている。本実施形態におけるハンドラ10には、図1に示すように、2つの供給トレイ用ストッカ401が具備されている。
分類トレイ用ストッカ402は、試験後の複数の被試験電子部品100が格納された複数の分類トレイが積載されて収納されている。本実施形態におけるハンドラ10には、図1に示すように、5つの分類トレイ用ストッカ402が具備されている。これら5つの分類トレイ用ストッカ402を設けることにより、試験結果に応じて、最大5つの分類に被試験電子部品100を仕分けして格納できるように構成されている。つまり、良品と不良品の分類のみではなく、良品の中でも動作速度が高速なもの、中速なもの、低速なもの、或いは不良の中でも再試験が必要なものと不要なもの等に仕分けされる。
なお、例えば、図1の5つの分類トレイ用ストッカ402において、テスト部30に近い2つの分類トレイ用ストッカ402は比較的発生頻度の低い試験結果の被試験電子部品100が分類され、テスト部30から遠い3つの分類トレイ用ストッカ402には比較的発生頻度の高い試験結果の被試験電子部品100が分類されてもよい。
空トレイ用ストッカ403は、空トレイを収容するストッカである。この空トレイ用ストッカ403は、図1に示す平面視において、供給トレイ用ストッカ401と分類トレイ用ストッカ402との間に配置されている。
トレイ搬送装置404は、図2に示すように、X軸及びZ軸方向に移動可能な搬送手段であり、主にX軸方向レール404aと、可動ヘッド部404bと、を有している。このトレイ搬送装置404は、供給トレイ用ストッカ401と、一部の分類トレイ用ストッカ402と、空トレイ用ストッカ403とを包含する範囲を動作範囲としている。
そして、当該トレイ搬送装置404は、ハンドラ10の基台12に固定されたX軸方向レール404aがX軸方向に移動可能に可動ヘッド部404bを片持ち支持しており、当該可動ヘッド部404bには、図示しないZ軸方向アクチュエータと、吸着パッド404cと、が具備されている。
当該トレイ搬送装置404は、供給トレイ用ストッカ401にて空になった空トレイを吸着パッド404cにより吸着して保持し、Z軸方向アクチュエータにより上昇させ、X軸方向レール404a上で可動ヘッド部404bを移動させることにより空トレイ用ストッカ403に搬送する。同様に、分類トレイ用ストッカ402において分類トレイ上に試験後の被試験電子部品100が満載された場合に、空トレイ用ストッカ403から空トレイを吸着して保持し、Z軸方向アクチュエータにより上昇させ、X軸方向レール404a上で可動ヘッド部404bを移動させることにより、分類トレイ用ストッカ402に搬送する。
ここで、図示は省略するが、各ストッカ401、402、403には、Z軸方向に昇降可能なエレベータが具備されている。なお、以上に述べたストッカの数は、それぞれの数を必要に応じて適宜設定することができる。
<ローダ部50>
図6は図1のVI−VI線に沿った断面図、図7は図6のVII部の拡大断面図である。
ローダ部50は、図1に示すように、被試験電子部品100を、IC格納部40の供給トレイ用ストッカ401からテスト部30に供給するための手段である。このローダ部50は、ローダピックアンドプレース501と、2つのローダ用バッファ部502と、ヒートプレート503と、バッファピックアンドプレース504と、CCDカメラ505と、を有している。
ローダピックアンドプレース501は、IC格納部40の供給トレイ用ストッカ401の供給トレイ上の被試験電子部品100をヒートプレート503に搬送する手段であり、図1及び図2に示すように、2つのY軸方向レール501aと、X軸方向レール501bと、可動ヘッド部501cと、を有している。
2つのY軸方向レール501aは、ハンドラ10の基台12上に架設されており、図1に示す平面視のように、供給トレイ用ストッカ401とヒートプレート503を間に挟むように配置されている。X軸方向レール501bは、2つのY軸方向レール501aにY軸方向に移動可能に支持されている。当該X軸方向レール501bは、Z軸方向アクチュエータ(不図示)を有する可動ヘッド部501cをX軸方向に移動可能に支持している。さらに、当該可動ヘッド部501cは、下端部に4つの吸着パッド501dを有しており、具備されたZ軸方向アクチュエータを駆動させることにより、当該4つの吸着パッド501dをZ軸方向に昇降させる。
このローダピックアンドプレース501は、当該4つの吸着パッド501dを供給トレイ上の4つの被試験電子部品100上に位置させ、一度に4つの被試験電子部品100を吸着し、ヒートプレート503上に移動させ、ヒートプレート503の表面に形成された凹部503aに位置決めし、解放する。なお、1つの吸着パッド501dは1つの被試験電子部品100を吸着することが可能となっている。
ヒートプレート503は、被試験電子部品100に所定の熱ストレスを印加するための加熱源であり、例えば下部にヒータ(不図示)が取り付けられた金属製プレートである。このヒートプレート503は、図1に示す平面視において、供給トレイ用ストッカ401とローダ用バッファ部502との間に配置されており、ローダピックアンドプレース501の動作範囲内に位置している。ここで、ヒートプレート503においてX軸正方向及びY軸正方向の角に区画された領域503cは、ローダピックアンドプレース501の動作範囲と、バッファピックアンドプレース504の動作範囲と、が重複した位置となっている。
また、当該ヒートプレート503の上部表面には、被試験電子部品100を落とし込む複数の凹部503aが形成されている。因みに、この凹部503aのうち、領域503cに配置された4つの凹部503bから、バッファピックアンドプレース504に被試験電子部品100が受け渡される。
なお、後述するように試験前にアライメント装置320により被試験電子部品100の位置のアライメントが行われるため、ヒートプレート503上に凹部503a,503bを具備させずに、当該ヒートプレート503の表面を単なる平面とし、当該平面にローダピックアンドプレース501が被試験電子部品100を載置するようにしてもよい。また、ヒートプレートの表面を、鉛直上向きに吸着面が向いた吸着パッドを具備した平面とし、当該吸着パッド上にローダピックアンドプレース501が被試験電子部品100を載置し、当該ヒートプレートに具備された吸着パッドにより吸着してもよい。
バッファピックアンドプレース504は、ヒートプレート503の凹部503bに収容されている被試験電子部品100をローダ用バッファ部502の可動部502aに搬送する手段である。このバッファピックアンドプレース504は、2つのY軸方向レール504aと、X軸方向支持部材504bと、可動ヘッド部504cと、を有しており、ヒートプレート503において凹部503bが位置する部分からローダ用バッファ部502に亘る範囲を動作範囲としている。
図1及び図6に示すように、バッファピックアンドプレース504の2つのY軸方向レール504aは、ハンドラ10の基台12上に架設されており、この2つのY軸方向レール504a上にX軸方向支持部材504bがY軸方向に移動可能に支持されている。このX軸方向支持部材504bの下部には、Z軸方向アクチュエータ(不図示)を有する可動ヘッド部504cが固定されている。可動ヘッド部504cは、下端部に4つの吸着パッド504dを有しており、具備されたZ軸方向アクチュエータを駆動させることにより、当該4つの吸着パッド504dをZ軸方向に昇降させる。
このバッファピックアンドプレース504は、当該4つの吸着パッド504dでヒートプレート503の4つの凹部503bに収容された4つの被試験電子部品100を吸着して、図中Y軸負方向のローダ用バッファ部502上に移動させ、当該ローダ用バッファ部502の可動部502aに形成された2つの凹部502c上で、2つの被試験電子部品100を開放する。次いで、吸着している残りの2つの被試験電子部品100を、図中Y軸正方向のローダ用バッファ部502上に移動させ、当該ローダ用バッファ部502の可動部502aに形成された2つの凹部502c上で、2つの被試験電子部品100を開放する。
ローダ用バッファ部502は、バッファピックアンドプレース504の動作範囲からYZ移動装置310の動作範囲へ、被試験電子部品100を搬送する手段であり、図6に示すように、バッファピックアンドプレース504の下方に位置している。このローダ用バッファ部502は、可動部502aと、X軸方向アクチュエータ502bと、を有している。
X軸方向アクチュエータ502bは、ハンドラ10の基台12上に固定されており、可動部502aは、X軸方向アクチュエータ502bの片側端部に支持されている。また、可動部502aの上部表面には、被試験電子部品100を収容可能な2つの凹部502cが形成されている。この凹部502cの底面502dは、図7に示すように、被試験電子部品100の外形に応じた形状となっており、凹部502cの内面502eは、底面502dに向かって内側に傾斜している。
このため、バッファピックアンドプレース504から開放された被試験電子部品100は、この内面502eに案内されて位置決めされる。このように位置決めされた被試験電子部品100は、可動部502aの移動中においても、可動部502aにおける所定位置(凹部502c内)に保持される。このため、本実施形態では、この凹部502cによって被試験電子部品100が予め位置決めされているので、アライメント装置320による被試験電子部品100のアライメント時間が比較的短くなっている。
可動部502aで2つの被試験電子部品100を保持したローダ用バッファ部502は、X軸方向アクチュエータ502bを伸長させることにより、被試験電子部品100をバッファピックアンドプレース504の動作範囲からYZ移動装置310の動作範囲内に移動させる。
以上のように、ローダ用バッファ部502及びバッファピックアンドプレース504を設置することにより、ローダピックアンドプレース501とYZ移動装置310とが互いに干渉することなく同時に動作することが可能となる。また、本実施形態のように、2つのローダ用バッファ部502を具備させることにより、テストヘッド300に効率良く被試験電子部品100を供給し、テストヘッド300の稼働率を高めることが可能となる。なお、ローダ用バッファ部502の数は2つに限定されず、後述する被試験電子部品100の位置のアライメントに要する時間と、被試験電子部品100のテストに要する時間等から適宜に設定することが可能である。
CCDカメラ505は、ローダ用バッファ部502の可動部502aに保持された被試験電子部品100の第1の主面101を撮像する装置であり、ローダ用バッファ部502の動作範囲の上方に位置している。このCCDカメラ505は、例えば、図1及び図6に示すように、光軸がZ軸負方向に向くように、バッファピックアンドプレース504のY軸方向レール504aを支持するフレームに取付アーム505aを介して取り付けられている。因みに、このCCDカメラ505で撮像された画像は、後述する画像処理装置70に送信されて、被試験電子部品100と第1のソケット319とを位置合わせするために画像処理される。なお、このCCDカメラ505が本発明の第1の撮像装置の一例に相当する。
<テスト部30>
図8は図2のVIII部の拡大断面図、図9は本実施形態における第2のソケットの平面図、図10は本実施形態における第2のソケットの変形例を示す平面図、図11は図6のXI-XI線に沿った概略断面図、図12は図11のXII部の拡大断面図、図13は本実施形態における第1のソケットの底面図、図14は本実施形態における第1のソケットの変形例を示す底面図、図15は本実施形態におけるロックアンドフリー機構の上部平面図である。図16は図15のXVI−XVI線に沿った断面図、図17は図15のXVII−XVII線に沿った断面図、図18は本実施形態におけるアライメント可動部駆動装置、図19は図18のXIX−XIX線に沿った断面図、図20は本実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図、図21は本実施形態におけるCCDカメラのキャリブレーションの変形例を示す概略断面図である。
テスト部30は、被試験電子部品100の位置のアライメントを行い、被試験電子部品100を第1のソケット319及び第2のソケット301に接触させることによりテストを行う手段である。このテスト部30は、YZ移動装置310と、2つのアライメント装置320と、を有している。
ここで、本実施形態におけるテストヘッド300には、図8に示すように、2つの第2のソケット301が装着されている。なお、2つの第2のソケット301のうち1つの第2のソケット301については図示を省略する。この第2のソケット301は、例えば被試験電子部品100の品種交換等が行われた場合に、その品種に適したソケットに交換される。
この2つの第2のソケット301は、YZ移動装置310の可動ヘッド部312に具備されたコンタクトアーム315の配列に実質的に一致するように配置されている。また、ソケット301は、図8及び図9に示すように、凹形状を有しており、当該凹形状の底面には、被試験電子部品100の第2のデバイス端子104の配列に実質的に一致するようにマトリックス状に配置された複数のコンタクトピン302が具備されている。さらに、当該凹形状の上端には、コンタクトアーム315に装着された第1のソケット319の接続端子319cと電気的に接続される接続端子303が具備されている。
なお、図10に示すように、この第2のソケット301の上面にアライメントマーク301aを付与してもよい。これにより、後述する画像認識手段70による画像認識の際に、このアライメントマーク301aの位置からソケットの位置を認識することも可能となる。
図2に示すように、テスト部30におけるハンドラ10の基台12には、開口部11が形成されている。この開口部11から、テストヘッド300の第2のソケット301がハンドラ10内に露出しており、コンタクトアーム315が被試験電子部品100を第2のソケット301に押し付けることが可能となっている。
YZ移動装置310は、アライメント装置320とテストヘッド300の間で被試験電子部品100を移動させる手段であり、アライメント装置320において被試験電子部品100の位置のアライメントの支援を行うとともに、テストヘッド300において被試験電子部品100のテストの支援を行う。
このYZ移動装置310は、ハンドラ10の基台12上に架設された2つのY軸方向レール311にY軸方向に移動可能に2つのX軸方向支持部材311aを支持している。さらに、各X軸方向支持部材311aの実質的に中央部には、第2のソケット301の配列に対応するように、2つの可動ヘッド部312が支持されている。この可動ヘッド部312は、後述するアライメント装置320と、テストヘッド300と、を包含する範囲を動作範囲としている。なお、一組のY軸方向レール311上で動作する2つのX軸方向支持部材311aは、互に干渉しないように制御されている。
各可動ヘッド部312は、図6に示すように、Z軸方向アクチュエータ313と、基底部314と、コンタクトアーム315と、を具備しており、当該コンタクトアーム315に保持された被試験電子部品100をY軸方向及びZ軸方向に移動させることが可能となっている。さらに、可動ヘッド部312は、図11に示すように、カメラ支持部材312aと、CCDカメラ312bと、をさらに備えている。なお、図6においては、説明の便宜上、CCDカメラ312bについて図示を省略している。また、このCCDカメラ312bが、本発明の第4の撮像装置の一例に相当する。
このZ軸方向アクチュエータ313の一端は、X軸方向支持部材311aに固定されており、他端は、基底部314に固定されている。さらに、Z軸方向アクチュエータ313は、CCDカメラ312bが設置されたカメラ支持部材312aを支持している。
このCCDカメラ312bは、テストヘッド300に装着された第2のソケット301を撮像するカメラである。CCDカメラ312bは、カメラ支持部材312aにおいてテストヘッド300に近い側の端部に、光軸がZ軸負方向に向くように設置されている。なお、上記の設置方法に限定されず、Z軸方向アクチュエータ313の先端に支持された基底部314のテストヘッド300に近い側の端部にCCDカメラ312bを取り付けてもよい。CCDカメラ312bをZ軸方向アクチュエータ313でZ軸方向に移動可能することにより、当該CCDカメラ312bのフォーカスの調整が可能となる。
基底部314は、コンタクトアーム315とZ軸方向アクチュエータ313との間に介在して、両者を接続させている。この基底部314は、上端でZ軸方向アクチュエータ313と接続されている。一方、この基底部314の下端は、コンタクトアーム315の基底側コンタクトアーム316と接続されている。
コンタクトアーム315は、図11に示すように、保持側コンタクトアーム317と、ロックアンドフリー機構318と、基底側コンタクトアーム316と、を有している。
基底側コンタクトアーム316は、基底部314と接続されており、基底部314を介してZ軸方向アクチュエータ313に固定されている。また、基底側コンタクトアーム316の下端面には、ロックアンドフリー機構318を介して保持側コンタクトアーム317が取り付けられている。
保持側コンタクトアーム317の中央部分には、図12に示すように、被試験電子部品100の第1の主面101と実質的に直交する方向に沿って吸引孔317eが形成されている。また、保持側コンタクトアーム317は、吸着パッド317cを有している。この吸着パッド317cは、端部が第1のソケット319の挿入孔319dから突出した状態で、吸引孔317eに取り付けられている。この吸着パッド317cは、吸引孔317eを介して特に図示しない真空ポンプと接続されており、吸着パッド317cが被試験電子部品100の第1の主面101の中央部101bと接触した状態で、真空ポンプが吸着パッド317c内を減圧すると、被試験電子部品100の第1の主面101が吸着パッド317cに吸着されて、被試験電子部品100が保持側コンタクトアーム317に保持される。
また、当該保持側コンタクトアーム317には、図11に示すように、ヒータ317aと温度センサ317bとが埋め込まれており、ヒートプレート503で印加された高温の熱ストレスをヒータ317aで維持し、温度センサ317bが保持側コンタクトアーム317の温度を検出することで被試験電子部品100の温度を間接的に検出し、ヒータ317aのON/OFF制御などに供される。
さらに、保持側コンタクトアーム317の底面端部には、後述するアライメント可動部321の係合部材321dと係合可能なピン状の当接用部材317dが具備されている。この当接用部材317dがアライメント可動部321の係合用部材321dと係合すると、ロックアンドフリー機構318が非拘束状態の際に、当該保持側コンタクトアーム317をアライメント可動部321の運動に追従させることが可能となる。
また、この保持側コンタクトアーム317の下面には、図12に示すように、ボルト317fによって第1のソケット319が着脱可能に固定されている。なお、保持側コンタクトアーム317への第1のソケット319の装着方法は、特に限定されず、例えば磁石等を用いてもよい。
この第1のソケット319は、図12及び図13に示すように、コンタクトピン319aと、配線319bと、接続端子319cと、を有している。なお、図14に示すように、この第1のソケット319の上面にアライメントマーク319eを付与してもよい。これにより、後述する画像認識手段70による画像認識の際に、このアライメントマーク319eの位置から第1のソケット319の位置を認識することも可能となる。
コンタクトピン319aは、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102と接触可能なように、第1のデバイス端子102の配列と実施的に同一の配列で、第1のソケット319の図中下面に配置されている。すなわち、本実施形態では、図13に示すように、20個のコンタクトピン319aが矩形を描くように配置されている。なお、このコンタクトピン319aの数や配置は、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102の数や配置に応じて適宜変更することができる。
配線319bは、コンタクトピン319aと接続端子319cを電気的に接続している。
接続端子319cは、テストヘッド300に装着された第2のソケット301の接続端子303と接触する端子であり(図37参照)、第2のソケット301の接続端子303の配列と実質的に同一の配列で配置されている。この接続端子319cが第2のソケット301の接続端子303と接触すると、第2のソケット301を介して、コンタクトピン319aとテストヘッド300とが電気的に接続される。
すなわち、本実施形態では、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102に入出力される試験信号が、テストヘッド300→第2のソケット301の接続端子303→第1のソケット319の接続端子319c→第1のソケット319のコンタクトピン319a→被試験電子部品100の第1のデバイス端子102の経路で入力される。一方、当該入力信号に対する応答信号は、被試験電子部品の第1のデバイス端子102→第1のソケット319のコンタクトピン319a→第1のソケット319の接続端子319c→第2のソケット301の接続端子303→テストヘッド300の経路で出力される。なお、この第1のソケット319は、第2のソケット301と同様に、例えば、被試験電子部品100の品種変更等が行われた場合に、その品種に適したソケットに交換される。
また、この第1のソケット319の中央部分には、保持側コンタクトアーム317の吸引孔317eと連通する挿入孔319dが形成されており、この挿入孔319dには吸着パッド317cが挿入されている。
本実施形態における保持側コンタクトアーム317は、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102をコンタクトピン319aに電気的に接続させた状態で、吸着パッド317cよって被試験電子部品100の第1の主面101を保持することが可能となっている。
ロックアンドフリー機構318は、保持側コンタクトアーム317の基底側コンタクトアーム316に対する相対的な平面運動を拘束又は非拘束とする手段である。なお、ここでいう平面移動の方向は、テストヘッド300に装着された第2のソケット301の複数のコンタクトピン302の先端が位置する仮想平面L(図8参照)と実質的に平行な平面方向である。すなわち、ロックアンドフリー機構318は、この仮想平面Lと平行な平面上のX軸方向及びY軸方向のスライド移動と、仮想平面Lと直交するZ軸を中心としたθ回転の回転運動と、を拘束な状態にし、或いは非拘束な状態にする。
さらに、被試験電子部品100の開放後に、保持側コンタクトアーム317の中心線が基底側コンタクトアーム316の中心線に実質的に一致するように、保持側コンタクトアーム317をX軸、Y軸方向及びZ軸を中心としたθ回転に復帰させるセンタリング機能を備えている。
図15〜図17に示すように、当該ロックアンドフリー機構318は、ロックアンドフリー固定部3181と、ロックアンドフリー可動部3182と、拘束用ピストン3183と、センタリング用ピストン3184と、センタリング用ボール3185とから構成されている。
ロックアンドフリー固定部3181は、略角柱状の外形を有し、ロックアンドフリー可動部3182の一部を受け入れるために、その下側内部に中空部が形成されている。また、受け入れたロックアンドフリー可動部3182を平面運動可能に保持するために当該ロックアンドフリー固定部3181の下面中央部には円形状の開口部3181aが具備されている。
さらに、当該ロックアンドフリー固定部3181の内部には、2つの拘束用ピストン3183と、2つのセンタリング用ピストン3184と、2つのセンタリング用ボール3185とを取り付けるための中空部が形成されている。そして、当該ロックアンドフリー固定部3181の一側面には拘束用ピストン3183にエアーを供給するための拘束用エアー供給口3181bが形成されており、当該拘束用エアー供給口3181bから2つの拘束用ピストン3183までの間に拘束用エアー通路3181cが形成されている。
また同様に、ロックアンドフリー固定部3181の一側面にセンタリング用ピストン3184にエアーを供給するためのセンタリング用エア供給口3181dが形成されており、当該センタリング用エアー供給口3181dから2つのセンタリング用ピストン3184までの間にセンタリング用エアー通路3181eが形成されている。なお、拘束用エアー通路3181cとセンタリング用エアー通路3181eとがそれぞれが交わることはない。
ロックアンドフリー可動部3182は、側面中間部が括れた概略円柱の形状を有しており、当該括れた部分から上の部分がロックアンドフリー固定部3181の下側内部の中空部に受け入れられ、当該括れた部分が開口部3181aに位置することにより、ロックアンドフリー可動部3182がロックアンドフリー固定部3181に保持され、Z軸方向の運動が抑制され、X軸、Y軸方向及びZ軸を中心としたθ回転方向の運動が許容される。
また、当該ロックアンドフリー可動部の上部にはセンタリング用ボール3185を支持するための、上部表面が凹円弧形状の2つのボール受け部3182aが形成されている。これらのボール受け部3182aの凹円弧形状の中心は、センタリング時において、センタリング用ピストン3184の中心線と一致するように設けられている。
拘束用ピストン3183は、ロックアンドフリー固定部3181の内部に形成された中空部に取り付けられ、当該拘束用ピストン3183の下端面はロックアンドフリー可動部3182の上面に接触している。
また、センタリング用ピストン3184は、ロックアンドフリー固定部3181の内部に形成された中空部に取り付けられており、その下部でセンタリング用ボール3185と当接している。センタリング用ボール3185は、実質的に球体の形状を有し、ロックアンドフリー固定部3181にX軸、Y軸方向の運動を拘束されている。そして、当該センタリング用ボール3185の上部はセンタリング用ピストン3184と当接しており、その下部はロックアンドフリー可動部3182のボール受け部3182aと当接している。
ロックアンドフリー機構318を非拘束にする場合は、全てのピストン、即ち2つの拘束用ピストン3183及び2つのセンタリング用ピストン3184へのエアーの供給を行わず、ロックアンドフリー可動部3182をロックアンドフリー固定部3181に対して平面運動可能な状態にする。
ロックアンドフリー機構318を拘束する場合は、2つの拘束用ピストン3183にエアーを供給して、ロックアンドフリー可動部3182をロックアンドフリー固定部3181に対して固定する。なお、2つのセンタリング用ピストン3184へのエアーの供給は行わない。
ロックアンドフリー機構318をセンタリングする場合は、2つの拘束用ピストン3183へのエアーの供給を止め、ロックアンドフリー可動部3182を一旦非拘束な状態にし、次に2つのセンタリング用ピストン3184ヘエアーを供給してセンタリング用ボール3185を押圧し、ボール受け部3182aの上部表面に形成された凹円弧形状に倣わせ、当該凹円弧形状の中心に位置するように移動させる。2つのセンタリング用ボール3185の動作により、ロックアンドフリー可動部3182は、ロックアンドフリー固定部3181と中心が一致するようにセンタリングされる。
なお、ロックアンドフリー固定部3181の上端面が基底側コンタクトアーム316の下端面に取り付けられており、ロックアンドフリー可動部3182の下端面が保持側コンタクトアーム317の上端面に取り付けられる。
アライメント装置320は、本実施形態では、保持側コンタクトアーム317を平面移動させることにより、保持側コンタクトアーム317に装着された第1のソケット319を被試験電子部品100に対して位置合わせする手段であると共に、保持側コンタクトアーム317に保持された被試験電子部品100を第2のソケット301に対して位置合わせする手段でもある。本実施形態では、このアライメント装置320は、図6に示すように、ハンドラ10の基台12に設けられている。
また、本実施形態では、1つのX軸支持部材311a(2つのコンタクトアーム315)に対して1つのアライメント装置320が割り当てられており、ハンドラ10全体として、合計2つのアライメント装置320が具備されている。
従って、YZ移動装置310の一方のX軸支持部材311aに支持されている2つのコンタクトアーム315がテストを遂行している問に、他方のX軸方向支持部材311aに支持されている2つのコンタクトアーム315では、アライメント装置320によって2つの被試験電子部品100のアライメントを順番に行うことにより、テストヘッド300に効率良くアライメント済みの被試験電子部品100を供給し、テストヘッド300の稼働率を高めることが可能となっている。なお、アライメント装置320の数は上記の数に限定されず、被試験電子部品100のアライメントに要する時間と、被試験電子部品100のテストに要する時間、第2のソケット及び第1のソケットの数等から適宜に設定することが可能である。
また、後述する電子部品試験方法において詳細に説明するが、本実施形態におけるアライメント装置320は、被試験電子部品100に対する第1のソケット319のアライメントと、第2のソケット301に対する被試験電子部品100のアライメントと、の両方行うことが可能となっている。このため、2種類のアライメントに必要なアライメント装置を別々に設けた場合と比較して、ハンドラ10の低コスト化を図ることができる。
このアライメント装置320は、図11に示すように、アライメント可動部321と、アライメント可動部駆動装置322と、被試験電子部品側照明327aと、アライメント用反射鏡327bと、CCDカメラ側照明327cと、CCDカメラ327と、を有している。なお、図6に示すように、アライメント可動部321及びアライメント可動部駆動装置322は、一つだけであるのに対し、CCDカメラ327については、コンタクトアーム315の配列に合わせて2つ設けられている。なお、同図において、被試験電子部品側照明327a、アライメント用反射鏡327b及びCCDカメラ側照明327cについては図示が省略されているが、2つのCCDカメラ327に合わせてそれぞれ2つづつ設けられている。なお、これらの数や組み合わせについては、適宜変更することができ、特に限定されない。
CCDカメラ327とアライメント用反射鏡327bは、CCDカメラ327の光軸OP(以下、単に光軸OPともいう。)がアライメント用反射鏡327bに反射して、光軸OPがZ軸正方向に向くように設置されている。このように、CCDカメラ327の光軸OP上にアライメント用反射鏡327bを設けることにより、CCDカメラ327をXZ平面に対して横置きで設置することが可能となり、ハンドラ10自体の高さを低く抑えることが可能となる。
そして、被試験電子部品100の第2のデバイス端子104や第1のソケット319のコンタクトピン319aを視認するのに十分な明るさを確保するために、環状の被試験電子部品側照明327a及び環状のCCDカメラ側照明327cが、光軸OPの進行を妨げず、且つCCDカメラ327が少なくとも被試験電子部品100の全ての第2のデバイス端子104及び第1のソケット319のコンタクトピン319aを視認可能なような視認範囲を確保するように設置されている。
このように配置されたCCDカメラ327は、保持側コンタクトアーム317に保持された被試験電子部品100の第2の主面103を撮像する。さらに、このCCDカメラ327は、保持側コンタクトアーム317に装着された第1のソケット319も撮像する。このように、本実施形態では、CCDカメラ327が、被試験電子部品100の第2の主面103と、第1のソケット319と、の両方を撮像可能としている。
このため、被試験電子部品100の第2の主面103を撮像する専用のCCDカメラと、第1のソケット319を撮像する専用のCCDカメラと、を設けた場合と比較して、ハンドラ10の低コスト化を図ることができるが、特にこれに限定されない。なお、このCCDカメラ327が、本発明における第2の撮像装置及び第3の撮像装置の一例に相当する。
被試験電子部品側照明327aの上部には、第1の開口部321aを有するアライメント可動部321が具備されている。第1の開口部321aは、被試験電子部品100が通過するのに十分な大きさで、且つ、上述の可動ヘッド部312の各保持側コンタクトアーム317の底面端部に具備された当接用部材317dを通過させない大きさとなっている。このため、アライメント可動部321がコンタクトアーム315を支持した状態で、被試験電子部品100の全ての第2のデバイス端子104と、第1のソケット319の全てのコンタクトピン319aと、をCCDカメラ327が視認可能となっている。
アライメント可動部321は、アライメント可動部支持部材321bを介して、後述するアライメント可動部駆動装置322の可動平面323に接続されており、X軸、Y軸方向の移動及びZ軸を中心としたθ回転の回転運動が可能となっている。このアライメント可動部321には、第1の開口321aの周囲に、コンタクトアーム315の当接用部材317dと係合する係合部材321dが設けられている。係合部材321dの上面には、当接用部材317dと係合可能な凹部321eが形成されている。この凹部321eと当接用部材317dの先端が係合することで、コンタクトアーム315がアライメント可動部321に対して位置決めされる。
アライメント可動部支持部材321bには、光軸OPの進行を妨げず、且つCCDカメラ327が少なくとも被試験電子部品100の全て第2のデバイス端子104及び第1のソケット319の全てのコンタクトピン319aを視認可能なような視認範囲を確保するように第2の開口部321cが具備されている。なお、被試験電子部品側照明327a、アライメント用反射鏡327b、CCDカメラ側照明323c及びCCDカメラ327は、アライメント可動部駆動装置322の駆動により可動しないように、アライメント可動部321、アライメント可動部支持部材321b及びアライメント可動部駆動装置322とは別個独立に支持されている。
保持側コンタクトアーム317がZ軸方向アクチュエータ313によりアライメント可動部321に押し付けられ、且つロックアンドフリー機構318が非拘束な状態となると、アライメント可動部駆動装置322が保持側コンタクトアーム317をX軸、Y軸方向及びZ軸を中心とするθ回転の平面移動させることができる。
アライメント可動部駆動装置322は、図6に示すように、アライメント可動部321をXY平面上でX軸及びY軸方向に移動させ、Z軸を中心としたθ回転させる手段であり、ハンドラ10の基台12に設けられている。
このアライメント可動部駆動装置322は、図11及び図18に示すように、可動平面323と、第1のY軸方向移動装置324と、第2のY軸方向移動装置325と、X軸方向移動装置326と、を有している。なお、アライメント可動部駆動装置322の構成は、以下に説明するものに限定されない。
可動平面323は、板状の部材であり、アライメント可動部支持部材321bを支持した状態で、第1のY軸方向移動装置324、第2のY軸方向移動装置325及びX軸方向移動装置326にそれぞれ固定されている。
第1のY軸方向移動装置324は、図中Y軸方向に沿って配置され、可動平面323及びアライメント可動部支持部材321bを介して、アライメント可動部321をY軸方向に移動させる装置である。
この第1のY軸方向移動装置324は、図18及び図19に示すように、モータ324aと、ボールネジ324bと、ボールナット324cと、ガイド324dと、ガイドブロック324eと、直交ガイド324fと、直交ガイドブロック324gと、回転支持部材324hと、を有している。
モータ324aのシャフトとボールネジ324bの間には、ベルト324iが巻きかけられており、モータ324aの駆動力がボールネジ324bに伝達されるようになっている。なお、モータ324aの駆動力を、ギアを介してボールネジ324bに伝達してもよいし、或いはモータ324aのシャフトとボールネジ324bとを回転軸を一致させた状態で接合させてもよい。
ボールネジ324bは、両端が軸受部材324jで回転可能に支持されている。また、このボールネジ324bにはボールナット324cが螺合されている。このため、モータ324aの駆動力によってボールネジ324bが回転すると、ボールナット324cがボールネジ324bの軸方向に沿って移動する。
ガイド324dは、ボールネジ324bと平行に配置されたレール状の部材である。ガイドブロック324eは、このガイド324d上に移動可能に設けられている。ガイドブロック324eは、ボールナット324cと連結しており、ボールナット324cの移動に伴って移動する。
直交ガイド324fは、ガイド324dと直交する方向に沿ったレール状の部材であり、ガイドブロック324e上に固定されている。直交ガイドブロック324gは、この直交ガイド324fの長手方向(ガイド324dと直交する方向)に沿って移動可能に直交ガイド324f上に設けられている。
回転支持部材324hは、上端が可動平面323に固定された状態で、Z軸方向を軸として回転可能に直交ガイド324fに支持されている。
本実施形態における第1のY軸方向移動装置324は、モータ324a、ボールネジ324b及びボールナット324cによって、可動平面323をY軸方向に沿って任意の位置に移動可能としている一方で、直交ガイド324f及び直交ガイドブロック324gによって可動平面323のX軸方向への自由なスライド移動を許容し、且つ回転支持部材324hによって可動平面323のZ軸を中心とした自由な回転運動を許容している。
第2のY軸方向移動装置325は、図18に示すように、第1のY軸方向移動装置324と十分な間隔をおいて、第1のY軸方向移動装置324と平行に配置されている。この第2のY軸方向移動装置325は、第1のY軸方向移動装置324と同一の構成となっており、モータ325aと、ボールネジと、ボールナットと、ガイドと、ガイドブロックと、直交ガイドと、直交ガイドブロックと、回転支持部材と、を有している。
すなわち、この第2のY軸方向移動装置325も、モータ325a、ボールネジ及びボールナットによって、可動平面323をY軸方向に沿って任意の位置に移動可能としている一方で、直交ガイド及び直交ガイドブロックによって可動平面323のX軸方向への自由なスライド移動を許容し、且つ回転支持部材によって可動平面323のZ軸を中心とした自由な回転運動を許容している。
X軸方向移動装置326は、図18に示すように、第1及び第2のY軸方向移動装置324,325の間において、X軸方向に沿って配置されている。このX軸方向移動装置326も、第1のY軸方向移動装置324と同一の構成となっており、モータ326aと、ボールネジと、ボールナットと、ガイドと、ガイドブロックと、直交ガイドと、直交ガイドブロックと、回転支持部材と、を有している。
すなわち、このX軸方向移動装置326も、モータ326a、ボールネジ及びボールナットによって、可動平面323をX軸方向に沿って任意の位置に移動可能としている一方で、直交ガイド及び直交ガイドブロックによって可動平面323のY軸方向への自由なスライド移動を許容し、且つ回転支持部材によって可動平面323のZ軸を中心とした自由な回転運動を許容している。
本実施形態におけるアライメント可動部駆動装置322では、可動平面323を介してアライメント可動部321をY軸方向に沿って移動させる場合には、第1及び第2のY軸方向移動装置324,325のモータ324a,325aを同じ方向に回転させる。また、可動平面323を介してアライメント可動部321をX軸方向に沿って移動させる場合には、X軸方向移動装置326のモータ326aを回転させる。
また、アライメント可動部321をZ軸を中心として回転運動させる場合には、第1のY軸移動装置324のモータ324aと、第2のY軸移動装置325のモータ325aと、を相互に異なる方向に回転させ、X軸方向移動装置326のモータ326aを回転させる。
次に、図20に示されるCCDカメラ312b,327,505による被試験電子部品100のアライメントのためのシステムのブロック図について説明する。当該システムは、主に、CCDカメラ312b,327,505と、画像処理装置70と、YZ移動装置310の制御を行うYZ移動装置用制御装置80と、アライメント可動部駆動装置322の制御を行う可動部駆動装置用制御装置90とから構成されている。
CCDカメラ312b,327,505は、撮像した画像情報を画像処理装置70に送信するように接続されている。画像処理装置70は、CCDカメラ312b,327により撮像された画像情報に対して画像処理を行い、画像上におけるソケット301,319からコンタクトピン301,319aの位置を認識し、第1のソケット319及び被試験電子部品100のアライメント量(後述する第1及び第2の相対位置)を算出する手段である。
画像処理装置70の第1のコンタクトピン抽出部71は、CCDカメラ327により撮像され送信された第1のソケット319の画像情報から、コンタクトピン319aの位置を抽出する画像処理を行う。これにより、被試験電子部品100の品種変更等に伴って第1のソケット319を交換しても、第1のソケット319の位置及び姿勢の変化を認識することが可能となる。同様に、第2のコンタクトピン抽出部74は、CCDカメラ312bにより撮像され送信された第2のソケット301の画像情報から、コンタクトピン302の位置を抽出する画像処理を行う。これにより、被試験電子部品100の品種変更等に伴って第2のソケット301を交換しても、第2のソケット301の位置及び姿勢の変化を認識することが可能となる。
画像処理装置70の第1のデバイス端子抽出部72は、CCDカメラ505から受信した被試験電子部品100の画像情報に対して、画像処理を行い、画像上における被試験電子部品100の第1のデバイス端子102の位置を抽出する。同様に、第2のデバイス端子抽出部75は、CCDカメラ327から受信した被試験電子部品100の画像情報に対して、画像処理を行い、画像上における被試験電子部品100の第2のデバイス端子104の位置を抽出する。
画像処理装置70の第1の算出部73は、第1のソケット319のコンタクトピン319aの位置と、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102の位置と、を比較して、被試験電子部品100に対する第1のソケット319の第1の相対位置を算出する。
一方、第2の算出部76は、第2のソケット301のコンタクトピン302の位置と、被試験電子部品100の第2のデバイス端子104の位置と、を比較して、第2のソケット301に対する被試験電子部品100の第2の相対位置を算出する。
画像処理装置70は、図20に示すように、YZ移動装置用制御装置80及び可動部駆動装置用制御装置90に各種信号等を送受信可能に接続されており、算出した相対位置の情報を可動部駆動装置用制御装置90に送信する。可動部駆動装置用制御装置90は、受信した相対位置の情報に基づいてアライメント可動部駆動装置322のモータ324a,325a,326aの制御を行い、第1のソケット319又は被試験電子部品100の位置のアライメントを遂行する。
ここで、画像処理装置70において、CCDカメラ312b,327,505により撮像される画像上の座標系は、当該CCDカメラ312b,327,505同士のキャリブレーションにより対応付けされている。
具体的なキャリブレーションの方法の一例としては、X座標軸及びY座標軸が描かれた透明なキャリブレーション用ゲージを、被試験電子部品100と同様にハンドラ10内を取り廻して、当該キャリブレーション用ゲージをCCDカメラ312b,327,505でそれぞれ撮像して画像処理し、キャリブレーション用ゲージのXY座標軸を、CCDカメラ312b,327,505の間の基準のX-Y座標系とする方法を挙げることができる。
また、CCDカメラ312b,327の間のキャリブレーションについては、図21に示すように、第2のソケット301に位置合わせされた撮像治具304をコンタクトアーム315の吸着パッド317cで吸着して保持し、CCDカメラ327で当該撮像治具304を撮像して、撮像治具304の画像情報と、CCDカメラ312bで撮像した第2のソケット301の画像情報と、からCCDカメラ312b,327間で基準となるX−Y座標を作成してもよい。
<アンローダ部60>
アンローダ部60は、テスト部30から試験済みの被試験電子部品100をIC格納部40に排出するための手段であり、図1に示すように、アンローダピックアンドプレース601と、2つのアンローダ用バッファ部602と、バッファピックアンドプレース604と、イグジットステージ605と、アンソークプレート606と、とを有している。
アンローダ用バッファ部602は、YZ移動装置310の動作範囲からバッファピックアンドプレース604の動作範囲に被試験電子部品100を移動させる手段である。このアンローダ用バッファ部602は、可動部602aと、X軸方向アクチュエータ602bとを有している。
X軸方向アクチュエータ602bは、ハンドラ10の基台12上に固定されている。このX軸方向アクチュエータ602bの先端部には、可動部602aが支持されている。また、可動部602aの上部表面には、被試験電子部品100を収容可能な2つの凹部602cが形成されている。
YZ移動装置310は、YZ移動装置310の動作範囲内に移動したアンローダ用バッファ部602の可動部602aの凹部602cに試験済みの被試験電子部品100を落とし込む。次いで、アンローダ用バッファ部602は、X軸方向アクチュエータ602bを縮めることにより、可動部602aをバッファピックアンドプレース604の動作範囲内に移動させる。なお、可動部602a上に凹部602cを具備させずに、例えば、当該可動部602aの表面を、鉛直上向きに吸着面が向いた吸着パッドを具備した平面としてもよい。
バッファピックアンドプレース604は、アンローダ用バッファ部602の可動部602aに収容されている被試験電子部品100をイグジットステージ505に移動させる手段であり、2つのY軸方向レール604aと、X軸方向支持部材604bと、可動ヘッド604cと、を有しており、アンローダ用バッファ部602からイグジットステージ605に亘る範囲を動作範囲としている。
バッファピックアンドプレース604の2つのY軸方向レール604aは、ハンドラ10の基台12上に架設されており、この2つのY軸方向レール604a上にX軸方向支持部材604bがY軸方向に移動可能に支持されている。このX軸方向支持部材604bの下部には、Z軸方向アクチュエータ(不図示)を有する可動ヘッド部604cが固定されている。また、可動ヘッド部604cは、下端部に4つの吸着パッド604dを有しており、具備されたZ軸方向アクチュエータを駆動させることにより、当該4つの吸着パッド604dをZ軸方向に昇降させる。
以上のように、アンローダ用バッファ部602及びバッファピックアンドプレース604を設けることにより、YZ移動装置310とアンローダピックアンドプレース601とが互いに干渉することなく同時に動作することが可能となる。
イグジットステージ605は、バッファピックアンドプレース604から4つの被試験電子部品100を受け取ってアンローダピックアンドプレース601に受け渡す手段であり、バッファピックアンドプレース604の動作範囲と、アンローダピックアンドプレース601動作範囲と、が重複する位置に配置されている。このイグジットステージ605には、被試験電子部品100を収容可能な4つの凹部605aが形成されている。
アンソークプレート606は、内部にヒータが設けられており、冷却した状態で試験した被試験電子部品100を加熱して、被試験電子部品100に結露が生じるのを抑制している。また、このアンソークプレート606にも、被試験電子部品を収容可能な4つの凹部606aが形成されている。
アンローダピックアンドプレース601は、被試験電子部品100を、イグジットステージ605から分類トレイ用ストッカ402の分類トレイに搬送する手段であり、主に、2つのY軸方向レール601aと、X軸方向レール601bと、可動ヘッド部601cと、を有しており、イグジットステージ605と、分類トレイ用ストッカ402とを包含する動作範囲を有している。
当該アンローダピックアンドプレース601の2つのY軸方向レール601aは、ハンドラ10の基台12上に架設されており、その間にX軸方向レール601bがY軸方向に移動可能に支持されている。当該X軸方向レール601bは、Z軸方向アクチュエータ(不図示)を具備した可動ヘッド部601cをX軸方向に移動可能に支持している。さらに、当該可動ヘッド部601cは、下端部に4つの吸着パッド601dを有しており、具備されたZ軸方向アクチュエータを駆動させることにより、当該4つの吸着パッド601dをZ軸方向に昇降させる。
以上のように、本実施形態における電子部品試験装置1では、ハンドラ10によって、両面にデバイス端子102,104が配置された被試験電子部品100を試験することが可能となっている。
また、本実施形態におけるハンドラ10は、CCDカメラ312b,327,505と、画像処理装置70と、アライメント装置320と、を備えており、このアライメント装置320が、画像処理装置70の指令に基づいて、第1のソケット319の被試験電子部品100に対する位置合わせと、被試験電子部品100の第2のソケット301に対する位置合わせと、をする。このため、両面にデバイス端子102,104が設けられた被試験電子部品100を試験する場合においても、被試験電子部品100のデバイス端子102,104と、ソケット301,319のコンタクトピン302,319aと、のミスコンタクトの発生頻度を低減させることができる。デバイス端子102,104が狭いピッチで配置されている場合には、上述の効果は特に顕著である。
なお、本実施形態では、被試験電子部品100の第1の主面101を撮像するために、バッファピックアンドプレース504のY軸方向レール504aに取付アーム505aを介してCCDカメラ505を取り付けたが、CCDカメラ505を設けず、YZ移動装置310のCCDカメラ312bで被試験電子部品100の第1の主面101を撮像してもよい。これにより、CCDカメラ505を設ける必要がなくなるため、ハンドラ10の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態におけるコンタクトアーム315は、YZ移動装置310に固定された基底側コンタクトアーム316と、第1のソケット319が装着される保持側コンタクトアーム317と、保持側コンタクトアーム317の基底側コンタクトアーム316に対する相対的な平面移動を拘束又は非拘束とするロックアンドフリー機構318と、を有している。さらに、この保持側コンタクトアーム317は、被試験電子部品100を吸着する吸着パッド317cを有している。
このため、本実施形態では、吸着パッド317cが被試験電子部品100を吸着すると、第1のソケット319と被試験電子部品100との接触状態が維持される。この状態で、ロックアンドフリー機構318を非拘束にすると、第1のソケット319と被試験電子部品100とが一体的に平面移動可能となる。これにより、被試験電子部品100を第2のソケット301に対してアライメントする際においても、被試験電子部品100の第1のソケット319に対する位置ずれが抑制されるので、両面にデバイス端子が配置された被試験電子部品のミスコンタクトの発生頻度を低減させることができる。
また、本実施形態では、ロックアンドフリー機構318によって、保持側コンタクトアーム317の平面移動を許容させ、ハンドラ10の基台12に対して相対的に固定したアライメント装置320によって、当該保持側コンタクトアーム320を移動させて、第1のソケット319及び被試験電子部品100のアライメントを行っている。すなわち、本実施形態では、コンタクトアーム315自体が駆動部を有していないので、コンタクトヘッド315を軽量化することができる。このため、YZ移動装置310を高速移動させることができ、電子部品100の搬送時間を短縮させて、試験の効率を向上させることができる。
次に、本実施形態における電子部品試験方法について説明する。
図22は本実施形態における電子部品試験方法を示すフローチャート、図23は図22の第1の位置合わせステップを示すフローチャート、図24及び図25は図23の第1の撮像ステップを示す断面図、図26は本実施形態における第3の撮像ステップを示す概略断面、図27は図23の第1の位置補正ステップを示す断面図、図28は図27のXXVIII−XXVIII線に沿った概略断面図である。
図22に示すように、本実施形態における電子部品試験方法は、第1の位置合わせステップS10と、第1の接触ステップS20と、第2の位置合わせステップS30と、第2の接触ステップS40と、試験ステップS50と、を備えている。
第1の位置合わせステップS10は、図23に示すように、第1の撮像ステップS11と、第1の認識ステップS12と、第1の位置補正ステップS13と、を含んでいる。
第1の撮像ステップS11では、図24に示すように、ローダ用バッファ部502のX軸方向アクチュエータ502bを伸長させて、可動部502aにおいて図中X軸正方向の凹部502cに収容された被試験電子部品100の第1の主面101を、CCDカメラ505の光軸上に位置させる。次いで、X軸方向アクチュエータ502bを一旦停止させて、CCDカメラ505で、この被試験電子部品100の第1の主面101を撮像する。
次いで、図25に示すように、X軸方向アクチュエータ502bをさらに伸長させて、可動部502aにおいて図中X軸負方向の凹部502cに収容された被試験電子部品100をCCDカメラ505の光軸上に位置させる。そして、上述と同様に、CCDカメラ505で被試験電子部品100の第1の主面101を撮像する。
このようにCCDカメラ505によって撮像された被試験電子部品100の画像情報は、画像処理装置70に送信される。
次いで、第1の認識ステップS12では、第1のソケット319のコンタクトピン319aの位置と、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102の位置と、を抽出して、それらの相対位置を算出する。この第1の認識ステップS12は、図23に示すように、第1のコンタクトピン抽出ステップS121(第1のソケット端子抽出ステップ)と、第1のデバイス端子抽出ステップS122と、第1の算出ステップS123と、を含んでいる。
ここで、少なくとも第1の認識ステップS12の実施前には、図26に示すように、CCDカメラ327で第1のソケット319を撮像し、第1のソケット319の画像情報を画像処理装置70に送信する(第3の撮像ステップ)。なお、この第3の撮像ステップは、被試験電子部品100の品種変更等に伴ってソケット319が交換された場合等に行えばよく、被試験電子部品100の試験ごとに行わなくてもよい。
第1のコンタクトピン抽出ステップS121では、画像処理装置70が、第1のソケット319の画像情報を受信して、画像処理装置70の第1のコンタクトピン抽出部71が、第1のソケット319の画像情報からコンタクトピン319aの位置を抽出する。なお、この第1のコンタクトピン抽出ステップS121は、上述の第3の撮像ステップを行った際に1回行えばよく、被試験電子部品100の試験ごとに行わなくてもよい。なお、図14に示すように、第1のソケット319にアライメントマーク319eが付与されている場合には、この第1のコンタクトピン抽出ステップS121に代えて、このアライメントマーク319eを抽出する第1のマーク抽出ステップとしてもよい。
第1のデバイス端子抽出ステップS122では、画像処理装置70が被試験電子部品100の第1の主面101の画像情報を受信して、画像処理装置70の第1のデバイス端子抽出部72が、上述のCCDカメラ505によって撮像された被試験電子部品100の画像情報から第1のデバイス端子102の位置を抽出する。
次いで、第1の算出ステップS123では、画像処理装置70の第1の算出部73がコンタクトピン319aの位置と、第1のデバイス端子102の位置と、を比較して、被試験電子部品100に対する第1のソケット319の第1の相対位置を算出する。なお、第1のマーク抽出ステップを設けた場合には、アライメントマーク319eの位置と、第1のデバイス端子102の位置と、を比較して被試験電子部品100に対する第1のソケット319の第1の相対位置を算出してもよい。
第1の位置補正ステップS13では、第1の認識ステップS12で認識した第1の相対位置に基づいて、コンタクトアーム315に装着された第1のソケット319の位置を補正する。
まず、YZ移動装置310のX軸方向支持部材311aをY軸方向レール311上で移動させて、第1のソケット319をアライメント装置320の第1の開口321a上に位置させる。
次いで、図27及び図28に示すように、Z軸方向アクチュエータ313によって、コンタクトアーム315を下降させて、コンタクトアーム315の当接用部材317dを、アライメント可動部321の係合部材321dに係合させつつ、所定の圧力を印加する。
次いで、画像処理装置70が、YZ移動装置用制御装置80にロックアンドフリー機構318を非拘束状態にする指令を送信する。これにより、保持側コンタクトアーム317を基底側コンタクトアーム316に対して相対的に平面移動可能な状態にする。なお、アライメント可動部321の係合部材321dとコンタクトアーム315の当接用部材317dとの係合を容易にするために、係合前に当該ロックアンドフリー機構318を非拘束な状態としてもよい。
次に、ロックアンドフリー機構318が非拘束状態となったら、画像処理装置70は、第1の認識ステップS12において算出された第1の相対位置の情報を可動部駆動装置用制御装置90に送信する。第1の相対位置の情報を受信した可動部駆動装置用制御装置90は、この第1の相対位置を相殺するようにアライメント可動部駆動装置322のモータ324a,325a,326aを駆動させて、第1のソケット319のアライメントを行う。可動部駆動装置用制御装置90は、当該駆動が完了したら、その完了信号を画像処理装置70に送信する。
次いで、当該完了信号を受信した画像処理装置70は、再度、被試験電子部品100の位置及び姿勢と、第1のソケット319の位置及び姿勢と、の比較を行い、これらが一致していないと判断した場合は、被試験電子部品100に対する第1のソケット319の第1の相対位置の算出を行って、アライメント装置320に第1の相対位置を送信する。
画像処理装置70は、被試験電子部品100の位置及び姿勢と、第1のソケット319の位置及び姿勢と、が一致していることを確認した後、ロックアンドフリー機構318を拘束状態にする指令をYZ移動装置用制御装置80に送信する。当該指令を受信したYZ移動装置用制御装置80は、当該指令に基づき、当該ロックアンドフリー機構318の拘束用ピストン3183にエアーを供給する制御を行い、ロックアンドフリー機構318を拘束状態とする。これにより、図27中X軸正方向の第1のソケット319のアライメント(第1の位置補正ステップS13)が完了する。アライメントが完了したら、Z軸方向アクチュエータ313によってコンタクトアーム315を上昇させる。
次いで、同様の方法で、図27中X軸負方向の第1のソケット319の位置をアライメントする。アライメントが完了したら、Z軸方向アクチュエータ313によって、当該コンタクトアーム315を上昇させる。
次に、第1の接触ステップ20について説明する。
図29〜図31は、図22の第1の接触ステップを示す断面図である。
図29に示すように、ローダ用バッファ部502のX軸方向アクチュエータ502bを伸長させて、コンタクトアーム315が被試験電子部品100を受け取り可能な受取位置へ可動部502aを移動させる。
一方、YZ移動装置310も、X軸方向支持部材311aをY軸方向レール311上で移動させて、コンタクトアーム315を当該受取位置の上方に位置させる。
次いで、図30に示すように、2つのコンタクトアーム315をZ軸方向アクチュエータ313により下降させて、各コンタクトアーム315に装着された第1のソケット319を、被試験電子部品100に接触させる。既に第1のソケット319がアライメントされているので、第1のソケット319のコンタクトピン319aと、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102とが接触する(図37参照)。この状態で、特に図示しない真空ポンプを作動させて、コンタクトアームに315の吸着パッド317cで被試験電子部品100の第1の主面101(中央部101b)を吸着し、コンタクトアーム315が被試験電子部品100を保持する。
次いで、図31に示すように、2つのZ軸方向アクチュエータ313により2つのコンタクトアーム315をそれぞれ上昇させる。次いで、ローダ用バッファ部502のX軸方向アクチュエータ502bを図中X軸負方向に移動させて、ローダ用バッファ部502の可動部502aをYZ移動装置310の動作範囲外に退避させる。
次に、図22の第2の位置合わせステップS30について説明する。
図32は図22の第2の位置合わせステップを示すフローチャート、図33は図22の第2の位置合わせステップを示す断面図、図34は図33のXXXIV−XXXIV線に沿った概略断面図、図35は本実施形態における第4の撮像ステップを示す概略断面図である。
第2の位置合わせステップS30は、図32に示すように、第2の撮像ステップS31と、第2の認識ステップS32と、第2の位置補正ステップS33と、を含んでいる。
第2の撮像ステップS31では、コンタクトアーム315により保持された被試験電子部品100の第2の主面103をCCDカメラ327で撮像する。
具体的には、まず、YZ移動装置310のX軸方向支持部材311aをY軸方向レール311上で移動させて、図中X軸正方向のコンタクトアーム315の中心線CLと、図中X軸正方向のCCDカメラ327の光軸OPと、を一致させる。
次いで、図33及び図34に示すように、図中X軸正方向のZ軸方向アクチュエータ313を伸長させることにより、コンタクトアーム315をアライメント装置320に向かって所定の圧力で押し付けて、保持側コンタクトアーム317に設けられた当接用部材317dをアライメント可動部321の係合部材321dに係合させる。
なお、アライメント可動部321の係合部材321dとコンタクトアーム315の当接用部材317dとの係合を容易にするために、係合前に当該ロックアンドフリー機構318を非拘束な状態としてもよい。
次いで、図34に示すように、アライメント装置320のCCDカメラ327が被試験電子部品100の第2の主面103を撮像する。CCDカメラ327に撮像された画像情報は、画像処理装置70に送信される。
次いで、第2の認識ステップS32では、テストヘッド300に装着された第2のソケット301のコンタクトピン302の位置と、被試験電子部品100の第2のデバイス端子104の位置と、を抽出して、それらの相対位置を算出する。
この第2の認識ステップS32は、図32に示すように、第2のコンタクトピン抽出ステップS321(第2のソケット端子抽出ステップ)と、第2のデバイス端子抽出ステップS322と、第2の算出ステップS323と、を含んでいる。
ここで、少なくとも第2の認識ステップS32の実施前には、図35に示すように、CCDカメラ312bで第2のソケット301を撮像し、第2のソケット301の画像情報を画像処理装置70に送信する(第4の撮像ステップ)。なお、この第4の撮像ステップは、被試験電子部品100の品種変更等に伴ってソケット301が交換された場合等に行えばよく、被試験電子部品100の試験ごとに行わなくてもよい。
第2のコンタクトピン抽出ステップS321では、画像処理装置70が第2のソケット301の画像情報を受信して、画像処理装置70の第2のコンタクトピン抽出部74が第2のソケット301の画像情報からコンタクトピン302を抽出する。なお、この第2のコンタクトピン抽出ステップS321は、上述の第4の撮像ステップを実施した際に1回行えばよく、被試験電子部品100の試験ごとに行わなくてもよい。なお、図10に示すように、第2のソケット301にアライメントマーク301aが付与されている場合には、この第2のコンタクトピン抽出ステップS321に代えて、このアライメントマーク301aを抽出する第2のマーク抽出ステップを設けてもよい。
第2のデバイス端子抽出ステップS322では、画像処理装置70が被試験電子部品100の第2の主面103の画像情報を受信して、画像処理装置70の第2のデバイス端子抽出部75が、被試験電子部品100の第2の主面103の画像情報から第2のデバイス端子104を抽出する。
第2の算出ステップS323では、画像処理装置70の第2の算出部76が、コンタクトピン302の位置と、第2のデバイス端子104の位置と、を比較して、第2のソケット301に対する被試験電子部品100の第2の相対位置を算出する。なお、第2のマーク抽出ステップを設けた場合には、アライメントマーク301aの位置と、第2のデバイス端子104の位置と、を比較して、第2のソケット301に対する被試験電子部品100の第2の相対位置を算出してもよい。
次いで、画像処理装置70は、YZ移動装置用制御装置80にロックアンドフリー機構318を非拘束状態にする指令を送信する。当該指令を受信したYZ移動装置用制御装置80は、当該指令に基づき、当該ロックアンドフリー機構318の拘束用ピストン3183へのエアーの供給を止める制御を行い、当該ロックアンドフリー機構318を非拘束状態にする。これにより、保持側コンタクトアーム317を基底側コンタクトアーム316に対して相対的に平面移動可能な状態とする。
次いで、第2の位置補正ステップS33では、まず、第1の認識ステップS12において算出された第2の相対位置の情報を可動部駆動装置用制御装置90に送信する。この第2の相対位置の情報を受信した可動部駆動装置用制御装置90は、第2の相対位置を相殺するようにアライメント可動部駆動装置322のモータ324a,325a,326aを駆動させ、被試験電子部品100の位置のアライメントを行う。可動部駆動装置用制御装置90は、当該駆動が完了したら、その完了信号を画像処理装置70に送信する。
当該完了信号を受信した画像処理装置70は、再度、被試験電子部品100の位置及び姿勢と、第2のソケット301の位置及び姿勢との比較を行い、これらが一致していないと判断した場合は、再度、第2のソケット301に対する被試験電子部品100の第2の相対位置を算出して、算出された第2の相対位置を可動部駆動装置用制御装置90に送信する。
画像処理装置70は、被試験電子部品100の位置及び姿勢と、第2のソケット301の位置及び姿勢と、が一致していることを確認した後、被試験電子部品100を保持しているロックアンドフリー機構318を拘束状態にする指令をYZ移動装置用制御装置80に送信する。YZ移動装置用制御装置80は、当該指令に基づき、当該ロックアンドフリー機構318の拘束用ピストン3183にエアを供給する制御を行い、当該アライメントが終了する。アライメントが終了したら、Z軸方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を上昇させる。
次いで、同様の方法で、図33中のX軸負方向の被試験電子部品100の第2の主面103を撮像して、被試験電子部品100の位置をアライメントする。アライメントが完了したら、Z軸方向アクチュエータ313により、コンタクトアーム315を上昇させる。
次に、第2の接触ステップS40について説明する。
図36は第2の接触ステップを示す概略断面図、図37は図36のXXXVII部の拡大断面図である。
第2の接触ステップS40では、YZ移動装置310のX軸方向支持部材311aをY軸方向レール311上で移動させて、コンタクトアーム315をテストヘッド300の第2のソケット301上に位置させる。次いで、図36に示すように、X軸方向アクチュエータ313により、コンタクトアーム315を下降させて、当該コンタクトアーム315に保持された被試験電子部品100を第2のソケット301に接触させる。
これにより、図37に示すように、第2のソケット301のコンタクトピン302と、被試験電子部品100の第2のデバイス端子104と、が接触する。また、これと同時に、第1のソケット319の接続端子319cと、第2のソケット301の接続端子303と、が接触する。ここで、コンタクトピン319aが配線319bを介して接続端子319cと電気的に接続されていることから、被試験電子部品100の第1のデバイス端子102が、第1のソケット319を介して第2のソケット301に電気的に接続される。
試験ステップS50では、図37に示すように、ソケット301,319の間に被試験電子部品100を挟み込んだ状態で、テストヘッド300がソケット301,319を介してデバイス端子102,104に試験信号を入出力する。
試験が終わったら、YZ移動装置310のZ方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を上昇させる。次いで、アンローダ用バッファ部602のX軸方向アクチュエータ602bを伸長させて、可動部602aをYZ移動装置310の動作範囲内に移動させる。次いで、YZ移動装置310のX軸方向支持部材311aをY軸方向レール上で移動させて、コンタクトアーム315を可動部602a上に位置させる。次いで、Z軸方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を下降させ、保持している被試験電子部品100を開放する。
次いで、Z軸方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を上昇させる。次いで、ロックアンドフリー機構318をセンタリングする。これにより、第1のソケット319が、アライメント前の初期位置に戻される。
以上のように、本実施形態における電子部品試験方法では、両面にデバイス端子102,104が配置された被試験電子部品100を試験することが可能となっている。
また、CCDカメラ505がローダ用バッファ部502の可動部502aに保持された被試験電子部品100を撮像し、画像処理装置70が、CCDカメラ505によって撮像された画像情報に基づいて、被試験電子部品100に対する第1のソケット319の第1の相対位置を認識し、アライメント装置320が第1の相対位置に基づいて第1のソケット319の位置の補正を行うことにより、被試験電子部品100と第1のソケット319とのミスコンタクトの発生頻度を減少させることが可能となる。
さらに、CCDカメラ327がコンタクトアーム315に保持された被試験電子部品100を撮像し、画像処理装置70が、CCDカメラ327によって撮像された画像情報に基づいて、第2のソケット301に対する被試験電子部品100の第2の相対位置を認識し、アライメント装置320が第2の相対位置に基づいて被試験電子部品100の位置の補正を行うことにより、被試験電子部品100と第2のソケットとのミスコンタクトの発生頻度を減少させることが可能となる。
被試験電子部品100のデバイス端子102,104が狭いピッチで配置されている場合には、上述の効果は、特に顕著である。
ここで、被試験電子部品と第1のソケットの位置合わせと、被試験電子部品と第2のソケットの位置合わせと、を同時に実施するのは現実的に困難である。
これに対して、本実施形態では、第1のソケット319と被試験電子部品100を接触させた状態で、保持側コンタクトアーム317の吸着パッド319cが被試験電子部品100を保持している。そして、アライメント装置320が、この保持側コンタクトアーム317を平面移動させて、第2のソケット301に対して被試験電子部品100を位置合わせしている。
すなわち本実施形態では、被試験電子部品100と第1のソケット319を一体的に移動させて、被試験電子部品100と第2のソケット301とを位置合わせしている。
このため、被試験電子部品100と第1のソケット319との位置ずれが抑制された状態で、被試験電子部品100と第2のソケット301とが位置合わせされるため、被試験電子部品100と第1のソケット319とのミスコンタクトの発生頻度を減少させることができると共に、被試験電子部品100と第2のソケット301とのミスコンタクトの発生頻度を減少させることが可能となる。
≪第2実施形態≫
図38は本実施形態における電子部品ハンドリング装置の断面図、図39は図38のXXXIX−XXXIX線に沿った断面図、図40は本実施形態における電子部品ハンドリング装置の作用を説明する断面図である。
本実施形態では、ハンドラ10aが、さらに支持部材340を備えた点と、アライメント装置320aの構成と、において第1実施形態と相違しているが、それ以外の構成については第1実施形態と同様である。以下に、第1実施形態と相違する点についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるハンドラ10aのアライメント装置320aは、図38に示すように、アライメント可動部3211と、アライメント可動部駆動装置322と、把持装置328と、被試験電子部品側照明と、アライメント用反射鏡と、CCDカメラ側照明と、CCDカメラ (第2の撮像装置)と、を有している。なお、被試験電子部品側照明と、アライメント用反射鏡と、CCDカメラ側照明と、CCDカメラと、については、特に図示しないが、第1実施形態と同様に、第1のソケット319及び被試験電子部品100を撮像可能なように配置されている。
本実施形態におけるアライメント可動部3211には、切り欠き3212が形成されている。この切り欠き3212は、図39に示す平面視において、X軸方向支持部材311aに支持されている2つのコンタクトアーム315を挿入可能な大きさを有しており、テストヘッド300側に向かって開口している。
アライメント可動部322は、第1及び第2のY軸移動装置324,325と、X軸移動装置326と、がアライメント可動部3211を直接支持していること以外は、第1実施形態と同様である。なお、このアライメント可動部322は、第1実施形態と同様に、アライメント可動部支持部材を介してアライメント可動部3211を支持してもよく、特に限定されない。
把持装置328は、本体部328aと、2つの爪部328bと、を有しており、2枚の爪部327bがアライメント可動部3211の切り欠き3212からテストヘッド300側に向かって突出するようにアライメント可動部3211の上面に固定されている。この把持装置328は、本体部328aが2つの爪部を接近させることで、コンタクトアーム315の保持側コンタクトアーム317を把持する。本実施形態では、X軸方向支持部材311aに支持されている2つのコンタクトアーム315の配置に合わせて、2つの把持装置328が設けられている。
この把持装置328が保持側コンタクトアーム317を把持することで、アライメント装置320aが保持側コンタクトアーム317を平面移動させることが可能となる。
支持部材340は、図40に示すように、コンタクトアーム315が被試験電子部品100をローダ用バッファ部502から受け取る受取位置よりも高い位置Hで、アライメント装置320aを支持している。この支持部材340は、支持プレート341と、支持柱342と、を有している。
支持プレート341は、アライメント可動部322が取り付けられるプレートであり、切り欠き341aが形成されている。なお、この切り欠き341aは、アライメント可動部3211の切り欠き3212と同様に形成されており、2つのコンタクトアーム315を挿入可能な大きさで、テストヘッド300側に向かって開口するようになっている。
支持柱342は、ローダ用バッファ部502と干渉しない位置でハンドラ10の基台12に取り付けられており、支持プレート341を支持している。本実施形態では、3つの支持柱342が支持プレート341を支持しているが、特に限定されない。
なお、支持部材340は、アライメント装置320aをローダ用バッファ部502よりも高い位置で支持できればよく、支持柱342を設けず、YZ移動装置310を支持するフレームに支持プレート341を取りけることで構成してもよい。
本実施形態では、アライメント装置320aがローダ用バッファ部502よりも高い位置に設けられているため、図40に示すように、第1の位置補正ステップS13から第1の接触ステップS20に移行する際の動作において、アライメントが完了したコンタクトアーム315を、すぐにZ軸方向アクチュエータ313で下降させることができる。すなわち、第1実施形態(図29参照)のように、一旦コンタクトアーム315を上昇させる必要がないので、電子部品試験装置を効率よく稼動させることができる。
≪第3実施形態≫
図41は本実施形態におけるローダ用バッファ部の側面図、図42は本実施形態における電子部品ハンドリング装置の概略断面図、図43〜図45は本実施形態における電子部品ハンドリング装置の動作を示す概略断面図、図46は本実施形態におけるローダ用バッファ部の変形例を示す側面図である。
本実施形態におけるハンドラ10bでは、ローダ用バッファ部507の構成と、アライメント装置320を上下動させるZ軸方向アクチュエータ330をさらに備えた点と、において第1実施形態と相違しているが、それ以外の構成については第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と相違する点についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるローダ用バッファ部507は、図41に示すように、可動部507aが2つに分割されており、それぞれの可動部507aに凹部507cが1つづつ形成されている。このローダ用バッファ部507は、各可動部507aとX軸方向アクチュエータ507bとの間にロックアンドフリー機構508と、可動プレート509と、当接用部材510と、を有している。
ロックアンドフリー機構508は、X軸方向アクチュエータ507bと可動プレート509の間に配置されており、可動プレート509に固定された可動部507aのX軸方向アクチュエータ507bに対する相対的な平面移動を拘束又は非拘束としている。なお、このロックアンドフリー機構508は、第1実施形態におけるロックアンドフリー機構318と同様の構成となっている。
可動プレート509及び当接部材510は、アライメント装置320による駆動力を可動部507aに伝達する部材であり、上端面で可動部507aと接続している。また、可動プレート509は、図42に示すように、Y軸方向における幅がロックアンドフリー機構508及びX軸方向アクチュエータ507bよりも広くなっており、Y軸方向において、ロックアンドフリー機構508及びX軸方向アクチュエータ507bから突出している。
当接用部材510は、アライメント装置320の係合部材321dと係合可能なピン状の部材であり、可動プレート509において、ロックアンドフリー機構508及びX軸方向アクチュエータ507から突出している部分の下端面に固定されている。
Z軸方向アクチュエータ330は、アライメント装置320を支持し、アライメント装置320をZ軸方向に移動可能にしている。
次に、本実施形態における電子部品試験装置の動作について説明する。
本実施形態における第1の位置補正ステップS13では、図43に示すように、ローダ用バッファ部507のX軸方向アクチュエータ507bを伸長させて可動部507aをコンタクトアーム315の下方に位置させた後、アライメント装置320を支持するZ軸アクチュエータ330を伸長させて、係合用部材321dをローダ用バッファ部507の当接用部材510に当接させる。
次いで、ロックアンドフリー機構509を非拘束状態にして、可動部507aのX軸方向アクチュエータ507bに対する相対的な平面移動を許容させる。
次いで、アライメント装置320が、可動部507aを平面移動させて、可動部507aに保持された被試験電子部品100を第1のソケット319に対してアライメントする。
次いで、第1の接触ステップS20では、図44に示すように、YZ移動装置のZ軸方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を下降させて、被試験電子部品と第1のソケット319を接触させて、把持側コンタクトアーム317の吸着パッドで被試験電子部品を吸着する。
次いで、図45に示すように、YZ移動装置のZ軸方向アクチュエータ313によりコンタクトアーム315を上昇させると共に、Z軸方向アクチュエータ330によりアライメント装置320を下降させる。次いで、ローダ用バッファ部507をYZ移動装置の動作範囲から退避させる。
このように、本実施形態では、ローダ用バッファ部とアライメント装置により、被試験電子部品を第1のソケットに対して位置合わせするので、コンタクトアームが他の被試験電子部品をテストヘッドに押し付けて、当該被試験電子部品のテストしている状態においても、次にテストする被試験電子部品をアライメントすることができる。このため、電子部品試験装置を効率よく稼動させることができる。
なお、本実施形態では、ローダ用バッファ部507にロックアンドフリー機構508を設けたが、図46に示すように、ローダ用バッファ部507の可動部507aと、X軸方向アクチュエータ507bと、の間に、X軸及びY軸方向に平面移動可能であると共に、Z軸方向に回転運動可能な平面移動装置511を介在させてもよい。これにより、アライメント装置320によらず、ローダ用バッファ部507が被試験電子部品100を直接的にアライメントできるので、さらに電子部品試験装置を効率よく稼動させることができる。
また、このような平面移動装置511としては、例えば、上述のアライメント可動部駆動装置322と同じ構造のものを用いることができる。
以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。