JP2011226402A - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011226402A
JP2011226402A JP2010097788A JP2010097788A JP2011226402A JP 2011226402 A JP2011226402 A JP 2011226402A JP 2010097788 A JP2010097788 A JP 2010097788A JP 2010097788 A JP2010097788 A JP 2010097788A JP 2011226402 A JP2011226402 A JP 2011226402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia
exhaust
reduction catalyst
addition
nox
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010097788A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Watanabe
裕樹 渡辺
Tatsuro Koga
達郎 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010097788A priority Critical patent/JP2011226402A/ja
Publication of JP2011226402A publication Critical patent/JP2011226402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

【課題】排気の温度に関わらず、燃費の悪化および構造の複雑化を招くことなくNOxの浄化を促進する排気浄化装置を提供する。
【解決手段】添加制御部は、排気通路21を流れる排気へ、所要アンモニア量のアンモニアを添加し、その添加したアンモニア量が上限吸着量を超えると、アンモニアの添加を停止する。排気へのアンモニアの添加を停止することにより、還元触媒14に生成したアンモニア化合物は、アンモニアの添加の停止によって分解される。そのため、還元触媒14の温度が低い場合でも、還元触媒14の活性低下の原因となるアンモニア化合物が分解されるので、還元触媒14の活性が維持され、NOxの還元が促進される。その結果、燃料の添加によって排気の温度を高める必要がなく、排気に燃料を添加するための構成が不要となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気浄化装置に関し、特にアンモニアを用いて窒素酸化物(以下、「NOx」)を還元する排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気に含まれるNOxを浄化する排気浄化装置として、SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが広く知られている。このSCRシステムでは、還元剤として尿素やアンモニアを用いている。SCRシステムは、温度の低下とともにSCR触媒における活性が低下し、NOxの還元率が大幅に低下する。そこで、特許文献1では、排気に燃料である炭化水素を添加することにより排気の温度を上昇させ、NOxを酸化触媒で酸化して浄化することが開示されている。
しかしながら、酸化触媒でNOxを酸化する場合、排気への燃料の添加が必要となる。そのため、内燃機関の運転とは別にNOxの酸化のための燃料が必要となり、燃費の悪化を招くという問題がある。また、排気系に燃料を添加する構成が必要となり、構造の複雑化を招くという問題がある。
特開2009−41454号公報
そこで、本発明の目的は、排気の温度に関わらず、燃費の悪化および構造の複雑化を招くことなくNOxの浄化を促進する排気浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、添加制御手段は、アンモニア添加部から排気通路を流れる排気へのアンモニアの添加を断続する。この添加制御手段は、所要アンモニア量算出手段で算出した所要アンモニア量以上のアンモニアを排気へ添加する。この所要アンモニア量は、所要アンモニア量算出手段によって、排気中の窒素酸化物の濃度および還元触媒の温度に基づいて算出され、排気に含まれるNOxを還元するために必要なアンモニアの量である。添加制御手段は、所要アンモニア量のアンモニアを排気に添加し、その添加したアンモニア量が上限吸着量算出手段で算出した上限吸着量を超えると、アンモニアの添加を停止する。このように、アンモニアの添加および添加の停止を繰り返すことにより、還元触媒に吸着したアンモニアに由来するアンモニア化合物は、アンモニアの添加の停止によって迅速に分解される。そのため、還元触媒の温度が低い場合でも、還元触媒の活性が維持され、NOxの還元が促進される。その結果、燃料の添加によって排気の温度を高める必要がなく、排気に燃料を添加するための構成が不要となる。したがって、排気の温度に関わらず、燃費の悪化および構造の複雑化を招くことなくNOxの浄化を促進することができる。
請求項2記載の発明では、上限吸着量は、還元触媒の飽和吸着量よりも小さい。そのため、添加制御手段は、還元触媒がアンモニアで飽和する前にアンモニア添加部から排気への燃料の添加を停止する。これにより、還元触媒は、吸着したアンモニアの飽和による活性低下が回避される。したがって、排気の温度に関わらず、NOxの浄化を促進することができる。
一実施形態による排気浄化装置を適用したディーゼルエンジンシステムの構成を示す概略図 一実施形態による排気浄化装置の構成を示すブロック図 アンモニアの添加量とNOxの浄化率の時間的な変化を示す模式図 (A)はアンモニアの添加量の時間的な変化、(B)は(A)におけるNOx浄化率の時間的な変化、(C)はアンモニアに代えて尿素水を添加したときのNOx浄化率の時間的な変化を示す概略図 一実施形態による排気浄化装置おいて、アンモニア添加の処理の流れを示す概略図 一実施形態による排気浄化装置において、アンモニアの添加を停止したときの処理の流れを示す概略図 (A)はアンモニア添加弁に印加する駆動電圧の時間的な変化、(B)は(A)におけるアンモニア添加量の時間的な変化、(C)は(A)におけるNOx浄化率の時間的な変化、(D)は(A)における還元触媒のアンモニア吸着量の時間的な変化を示す概略図
以下、排気浄化装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
一実施形態による排気浄化装置を適用したエンジンシステムを図1に示す。エンジンシステム10は、内燃機関としてのディーゼルエンジン11を備えている。内燃機関は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンやガスタービンエンジンなどであってもよい。排気浄化装置12は、ディーゼルエンジンの排気側に設けられている。
排気浄化装置12は、排気管部13、還元触媒14、アンモニア添加部15、濃度検出手段としてのNOxセンサ16およびNOxセンサ17、触媒温度検出手段としての温度センサ18、ならびに制御部19を備えている。排気管部13は、内部に排気通路21を形成している。排気通路21は、一方の端部がディーゼルエンジン11に接続し、他方の端部が大気に開放している。ディーゼルエンジン11の排気は、排気管部13が形成する排気通路21を経由して大気中へ放出される。還元触媒14は、排気管部13が形成する排気通路21に設けられている。また、排気通路21には、酸化触媒22が設けられている。酸化触媒22は、排気に含まれる未燃焼の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化する。これにより、ディーゼルエンジン11から排出され排気通路21を流れる排気は、酸化触媒22および還元触媒14を通過する。還元触媒14は、いわゆるSCR触媒である。排気に含まれるNOxは、アンモニア添加部15から排気へ添加されたアンモニアと還元触媒14において反応し、窒素および水に還元される。排気通路21には、酸化触媒22および還元触媒14だけでなく、図示しないアンモニア酸化触媒やDPF(Diesel Particulate Filter)などの各種触媒やフィルタが設けられている。
アンモニア添加部15は、アンモニア添加弁24、アンモニア生成部25、アンモニアタンク26および圧力センサ27を有している。アンモニア添加弁24は、排気通路21を流れる排気へ還元剤であるアンモニアを添加する。アンモニア添加弁24は、排気通路21における排気の流れ方向において還元触媒14の上流側すなわちディーゼルエンジン11側に設けられている。アンモニア添加弁24は、噴射口31および電磁弁32を有している。アンモニア添加弁24の噴射口31は、排気通路21に露出している。電磁弁32は、制御部19からの駆動信号に基づいてこの噴射口31を開閉する。これにより、アンモニア添加弁24に供給されたアンモニアは、噴射口31から排気通路21を流れる排気に噴射される。噴射口31からのアンモニアの噴射は、駆動信号に基づいて駆動される電磁弁32によって断続される。
アンモニア生成部25は、固体の還元剤材料から気体のアンモニアを生成する。固体の還元剤材料は、例えば加熱することにより熱分解する炭酸アンモニウムなどのアンモニア化合物が用いられる。アンモニア生成部25は、この固体の還元剤材料を加熱する加熱手段としてヒータ33を有している。ヒータ33は、制御部19からの通電によって固体の還元剤材料を加熱する。なお、加熱手段は、ヒータ33に限らず、例えばディーゼルエンジン11の排熱を利用するなど任意の手段を用いることができる。
アンモニアタンク26は、アンモニア生成部25で生成した気体のアンモニアを貯える。すなわち、アンモニア生成部25のヒータ33で加熱することにより生成したアンモニアは、アンモニアタンク26に気体のまま貯えられる。アンモニア生成部25とアンモニアタンク26との間は、タンク通路34によって接続されている。アンモニア生成部25で生成した気体のアンモニアは、タンク通路34を経由してアンモニアタンク26へ供給される。アンモニアタンク26とアンモニア添加弁24との間は、供給通路35によって接続されている。アンモニアタンク26に貯えられているアンモニアは、供給通路35を経由してアンモニア添加弁24へ供給される。
圧力センサ27は、供給通路35に設けられている。圧力センサ27は、供給通路35を流れるアンモニアの圧力を検出する。圧力センサ27は、検出したアンモニアの圧力を電気信号として制御部19へ出力する。制御部19は、圧力センサ27で検出した供給通路35におけるアンモニアの圧力からアンモニアタンク26に貯えられているアンモニアの圧力を検出する。
NOxセンサ16およびNOxセンサ17は、排気通路21における排気の流れ方向において還元触媒14の上流側および下流側にそれぞれ設けられている。すなわち、NOxセンサ16は、還元触媒14の上流側つまり排気の入口側に設けられている。NOxセンサ17は、還元触媒14の下流側つまり排気の出口側に設けられている。NOxセンサ16およびNOxセンサ17は、いずれも排気に含まれるNOxの濃度を検出する。NOxセンサ16およびNOxセンサ17は、検出したNOxの濃度を電気信号として制御部19へ出力する。
温度センサ18は、還元触媒14に設けられている。温度センサ18は、還元触媒14の温度を検出する。温度センサ18は、検出した還元触媒14の温度を電気信号として制御部19へ出力する。本実施形態の場合、温度センサ18は、還元触媒14に設けられ、還元触媒14の温度を直接検出する。なお、温度センサ18は、排気通路21に設けてもよい。この場合、制御部19は、排気通路21に設けた温度センサ18で検出した排気の温度に基づいて、還元触媒14の温度を推算する。さらに、制御部19は、ディーゼルエンジン11へ噴射された燃料の噴射量に基づいて、排気の温度および還元触媒14の温度を推算する構成としてもよい。このように、還元触媒14の温度は、温度センサ18で直接検出するだけでなく、排気の温度や燃料の噴射量などから間接的に検出してもよい。
制御部19は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータで構成されている。制御部19は、ROMに記録されているコンピュータプログラムに基づいて排気浄化装置12をはじめとするエンジンシステム10を制御する。制御部19は、図2に示すように所要アンモニア量算出部41、上限吸着量算出部42、添加制御部43および記憶部44を有している。記憶部44は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で構成されている。この記憶部44は、制御部19のROMやRAMと共用してもよい。所要アンモニア量算出部41、上限吸着量算出部42および添加制御部43は、制御部19で実行されるコンピュータプログラムによってソフトウェア的に実現されている。なお、所要アンモニア量算出部41、上限吸着量算出部42および添加制御部43は、ハードウェア的に実現してもよい。
所要アンモニア量算出部41は、還元触媒14において排気に含まれるNOxの還元に必要なアンモニア量を所要アンモニア量として算出する。具体的には所要アンモニア量算出部41は、NOxセンサ16およびNOxセンサ17で検出したNOxの濃度、および温度センサ18で検出した還元触媒14の温度に基づいて所要アンモニア量を算出する。すなわち、所要アンモニア量算出部41は、NOxセンサ16で検出した還元触媒14の入口側におけるNOxの濃度と、NOxセンサ17で検出した還元触媒14の出口側におけるNOxの濃度との差、および還元触媒14の温度から、排気に含まれるNOxの還元に必要な所要アンモニア量を算出する。
上限吸着量算出部42は、還元触媒14に吸着するアンモニアの吸着量の上限を上限吸着量として算出する。上限吸着量算出部42は、温度センサ18から還元触媒14の温度を取得する。そして、上限吸着量算出部42は、温度センサ18で検出した還元触媒14の温度に基づいて、還元触媒14に吸着するアンモニアの最大量、すなわち飽和吸着量を算出する。この飽和吸着量は、還元触媒14の温度に相関する。そのため、上限吸着量算出部42は、還元触媒14の温度に相関するテーブルまたは相関式から飽和吸着量を算出する。そして、上限吸着量算出部42は、算出した飽和吸着量から予め設定された減少幅を減じた値を上限吸着量として設定する。この減少幅は、ディーゼルエンジン11の性能や還元触媒14の性能などに応じて任意に設定される。このように、上限吸着量は、飽和吸着量よりも小さな値として設定される。
添加制御部43は、アンモニア添加部15のアンモニア添加弁24へ駆動信号を出力または出力を停止することにより、アンモニア添加弁24から排気へのアンモニアの添加を断続する。添加制御部43は、アンモニア添加弁24を駆動することにより、排気へのアンモニアの添加と、添加の停止とを繰り返し実行する。添加制御部43は、アンモニア添加弁24から排気へアンモニアを添加するとき、所要アンモニア量算出部41で算出した所要アンモニア量以上のアンモニアを排気へ添加する。すなわち、アンモニア添加弁24から排気へ添加されるアンモニアは、排気に含まれるNOxの還元に必要な所要アンモニア量以上に設定される。そして、添加制御部43は、このアンモニアの添加によって、排気へ添加されるアンモニアの量が上限吸着量を超えると、アンモニア添加弁24から排気へのアンモニアの添加を停止する。
次に、本実施形態の排気浄化装置12によるNOx浄化の機構について説明する。
図3に示すように、還元触媒14の温度が150℃程度の200℃以下の環境において、アンモニア添加弁24から排気へ気体のアンモニアを当量比1で添加すると、NOxの浄化率は、100%に到達しない。すなわち、還元触媒14の温度が低いとき、還元触媒14におけるNOxの還元効率は、100%未満となる。還元触媒14の温度が200℃以下の場合、反応の開始温度が低い式(1)に示すFastSCR反応が還元触媒14におけるNOx還元反応の主となる。
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O 式(1)
しかし、実際には、アンモニアの添加の開始から一定時間経過すると、NO2と同量のNOxが浄化される前にNOの浄化率が飽和し、全体してのNOx浄化率が低下する。これは、式(1)に示すFastSCR反応の中間反応である式(2)に示す中間反応において生成する硝酸(HNO3)が原因である。この式(2)に示す中間反応は、双方向の矢印で示すように可逆反応である。
2NO2+H2O←→HONO+HNO3 式(2)
式(2)に示す中間反応で生成する硝酸は、式(3)で示す反応によって、排気中のアンモニアと反応し窒素に還元される。一方、還元触媒14の温度が低いとき、式(2)に示す中間反応で生成する硝酸は、式(4)で示す副反応によって、アンモニアと直接反応し、アンモニア化合物である硝酸アンモニウム(NH4NO3)を生成する。この式(4)に示す副反応も、双方向の矢印で示すように可逆反応である。
HNO3+NO+NH3→2N2+4H2O+NO2 式(3)
HNO3+NH3←→NH4NO3 式(4)
式(4)に示す副反応で生成したアンモニア化合物は、NOxの浄化に寄与しないだけでなく、固体であるため還元触媒14におけるNOの浄化活性部すなわちNOの吸着部を閉塞させる。そのため、還元触媒14は、NOの浄化率が飽和し、全体としてのNOx浄化率の低下を招く。そこで、温度が低い領域で還元触媒14におけるNOx浄化率を向上するためには、式(4)の副反応で生成するアンモニア化合物を除去することが求められる。
図4(A)に示すように、アンモニア添加弁24から排気へ気体のアンモニアを添加した後、アンモニアの添加を停止すると、図4(B)に示すようにNOxの浄化率はアンモニアの添加の停止とともに上昇する。これは、アンモニアの添加の停止によって、還元触媒14におけるアンモニアの濃度が低下すると、式(4)に示す副反応は可逆反応であるため、左辺側のアンモニア(NH3)の濃度の低下により式(4)の平衡が左辺側へ進むからである。その結果、式(4)の平衡は、還元触媒14に生成したアンモニア化合物である硝酸アンモニウム(NH4NO3)が硝酸およびアンモニアへ分解する側へ移動する。一方、液体の尿素水溶液を排気に添加する場合、尿素からアンモニアの生成に時間が必要となる。そのため、還元触媒14におけるアンモニアの吸着量が低下しにくく、アンモニア化合物の分解が生じない。その結果、尿素水を添加する場合、図4(C)に示すようにNOxの浄化率は、尿素水の添加を停止しても向上しない。本実施形態のように気体のアンモニアを排気に添加することにより、還元触媒14に生成したアンモニア化合物の分解が早期に促進され、還元触媒14の温度に関わらず、NOxの全体的な浄化率が向上する。
次に、上記の構成による排気浄化装置12の作動の流れについて説明する。
上述の通り、本実施形態では、アンモニア添加弁24から排気へのアンモニアの添加と添加の停止とを繰り返すことにより、還元触媒14の温度が比較的低い場合でも、NOxの浄化率の向上を図っている。以下、本実施形態による排気浄化装置12による具体的なNOx浄化の流れについて説明する。
まず、アンモニア添加時の制御について図5に基づいて説明する。制御部19の上限吸着量算出部42は、上限吸着量を算出する(S101)。上限吸着量算出部42は、温度センサ18から還元触媒14の温度を取得する。上限吸着量は、還元触媒14の温度に相関する飽和吸着量から予め設定された減少幅を減じることにより算出される。そのため、上限吸着量算出部42は、温度センサ18で検出した還元触媒14の温度に基づいて、この温度に相関する上限吸着量を算出する。
次に、制御部19の所要アンモニア量算出部41は、排気に含まれるNOxの還元に必要なアンモニア量を所要アンモニア量として算出する(S102)。所要アンモニア量算出部41は、NOxセンサ16で検出した還元触媒14の入口側におけるNOx濃度、NOxセンサ17で検出した還元触媒14の出口側におけるNOx濃度、および温度センサ18で検出した還元触媒14の温度から、所要アンモニア量を算出する。NOxの還元に必要な所要アンモニア量は、排気のNOx濃度および還元触媒14の温度によって変化する。そのため、所要アンモニア量算出部41は、NOxセンサ16およびNOxセンサ17で検出したNOx濃度、ならびに温度センサ18で検出した還元触媒14の温度に基づいて、アンモニア添加弁24から排気への添加が必要な所要アンモニア量を算出する。
S101において上限吸着量を推算し、S102において所要アンモニア量を算出すると、添加制御部43は、所要アンモニア量が上限吸着量よりも小さいか否かを判断する(S103)。S103において所要アンモニア量が上限吸着量よりも小さいと判断されたとき(S103:Yes)、アンモニア添加弁24から添加されたアンモニアは還元触媒14に吸着またはNOxと反応する。そのため、アンモニア添加弁24から排気へアンモニアを添加しても、添加されたアンモニアは還元触媒14に吸着または排気中のNOxと反応する。すなわち、排気にはさらなるアンモニアの添加が可能である。そこで、添加制御部43は、所要アンモニア量が上限吸着量よりも小さいとき、還元触媒14での吸着またはNOxとの反応のために十分なアンモニアの添加量を目標添加量として算出する(S104)。そして、添加制御部43は、算出した目標添加量に基づいてアンモニア添加弁24を駆動し、アンモニアを排気へ添加する(S105)。この目標添加量は、還元触媒14におけるアンモニアの吸着量が上限吸着量となるように設定される。
S103において上限吸着量が所要アンモニア量以下と判断されたとき(S103:No)、アンモニア添加弁24から排気へアンモニアを添加すると、添加されたアンモニアは還元触媒14に吸着されず、排気中のNOxとの反応も進行しにくい。そのため、アンモニアは、還元触媒14において消費されず、還元触媒14を通過し、大気中へ放出されるおそれがある。そこで、添加制御部43は、上限吸着量が所要アンモニア量以下であるとき、アンモニアの添加を停止する(S106)。このように、添加制御部43は、S101で算出した上限吸着量と、S102で算出した所要アンモニア量との大小に基づいて、アンモニア添加弁24からのアンモニアの添加または停止を制御する。
一方、S106においてアンモニアの添加を停止すると、還元触媒14ではアンモニアが供給されることなくNOxの浄化に消費される。そのため、還元触媒14では吸着されたアンモニアでNOxが還元されるとともに、還元触媒14に生成したアンモニア化合物の分解が促進される。このようにNOxの添加が停止しているとき、還元触媒14では、アンモニア化合物の分解によって生成したアンモニアを用いてNOxの還元反応が進行する。そして、分解によって生成するアンモニアの消費が進行すると、NOxの還元に必要なアンモニアが不足し、NOxの浄化率は低下する。
そこで、添加制御部43は、図5に示すS106においてアンモニアの添加を停止すると、アンモニアの添加再開時期を判断するサブルーチンへ移行する(S107)。添加制御部43は、図5に示すS107においてサブルーチンへ移行すると、図6に示すようにNOxの浄化率を算出する(S201)。添加制御部43は、還元触媒14の入口側におけるNOxセンサ16で検出したNOx濃度と、出口側におけるNOxセンサ17で検出したNOx濃度との差からNOxの浄化率を算出する。還元触媒14においてNOxの還元が進行しているとき、すなわちNOxの浄化率が大きいとき、NOxセンサ16で検出したNOx濃度とNOxセンサ17で検出したNOx濃度との差は大きい。一方、還元触媒14におけるNOxの浄化率が小さいとき、NOxセンサ16で検出したNOx濃度とNOxセンサ17で検出したNOx濃度と差は小さくなる。そのため、添加制御部43は、NOxセンサ16およびNOxセンサ17で検出したNOx濃度の差から、NOxの浄化率を算出する。
添加制御部43は、NOxの浄化率を算出すると、NOxの浄化率の低下が予め設定した下限値に到達したか否かを判断する(S202)。ここで、下限値は、NOxの浄化率の最大値よりも小さな値である。NOxの浄化率は、NOxセンサ16で検出したNOx濃度とNOxセンサ17で検出したNOx濃度とから算出される。この算出されたNOxの浄化率は、排気浄化装置12の運転の継続によって記憶部44に蓄積される。添加制御部43は、この蓄積されたNOxの浄化率のうち最大のものを、浄化率の最大値として記憶部44に記憶する。これにより、還元触媒14におけるNOxの浄化がもっとも進行しているとき、NOxの浄化率は最大値に達する。添加制御部43は、この蓄積したNOxの浄化率の最大値から予め設定した低下幅を減じることにより下限値を算出する。すなわち、下限値は、下限値=最大値−低下幅で算出される。そして、添加制御部43は、S201で取得したNOxの浄化率が下限値に到達したか否かを判断する。
添加制御部43は、NOxの浄化率が下限値に到達したと判断する(S202:Yes)、アンモニア添加弁24からのアンモニアの添加を再開する(S203)。アンモニアの添加を再開するとき、添加制御部43は、S104と同様に目標添加量を算出するとともに(S204)、アンモニア添加弁24を駆動して排気にアンモニアを添加する(S205)。一方、添加制御部43は、NOxの浄化率が下限値に達していないと判断すると(S202:No)、S201で取得したNOxの浄化率が過去に蓄積したNOx浄化率の最大値よりも大きいか否かを判断する(S206)。添加制御部43は、S201で取得したNOxの浄化率が過去に蓄積したNOxの浄化率の最大値よりも大きいと判断すると(S206:Yes)、S201で取得したNOxの浄化率を更新した最大値として記憶部44に記憶する(S207)。これにより、これ以降の処理では、更新した最大値がS202およびS206における判断に用いられる。添加制御部43は、S201で取得したNOxの浄化率が過去に蓄積したNOxの浄化率の最大値以下であると判断すると(S206:No)、S201で取得したNOxの浄化率を記憶しない。添加制御部43は、S105においてアンモニア添加弁24を駆動、S205においてアンモニア添加弁24を駆動、S207で更新した最大値を記憶部44に記憶、またはS206でNOxの浄化率が蓄積したNOxの浄化率の最大値以下であると判断すると、図5に示すメインルーチンへリターンし、S101以降の処理を繰り返す。
これにより、図7(A)に示すように、添加制御部43は、アンモニア添加弁24の電磁弁32への電圧の印加を断続する。そのため、アンモニア添加弁24からは、図7(B)に示すようにアンモニアの添加とその停止とが繰り返される。アンモニア添加弁24からアンモニアを噴射することにより、排気に含まれるNOxは、還元触媒14において添加されたアンモニアによって浄化される。このとき、排気にはNOxの浄化の必要量に対し過剰なアンモニアが添加される。排気に添加された過剰なアンモニアは、還元触媒14にアンモニア化合物として蓄積する。その結果、NOxの浄化率は、図7(C)に示すようにアンモニアの添加の継続によって飽和する。また、還元触媒14におけるアンモニアの吸着量は、図7(D)に示すようにアンモニアの添加またはその停止に応じて増減する。
一方、還元触媒14に蓄積したアンモニア化合物は、アンモニアの添加を停止することにより、可逆反応によってアンモニアに分解される。そのため、アンモニアの添加を停止したとき、排気に含まれるNOxは、アンモニア化合物の分解によって生成したアンモニアによって浄化される。そのため、図7(C)に示すように、アンモニアの添加を停止すると、アンモニア化合物の分解が促進され、NOxの浄化率は上昇する。さらにアンモニアの添加の停止が継続すると、NOxの浄化に必要なアンモニアが不足し、NOxの浄化率は低下する。そして、NOxの浄化率が下限値に到達すると、アンモニアの添加が再開される。これにより、還元触媒14では、一時的にNOxの浄化率が低下するものの、アンモニアの添加の再開によって再びNOxの浄化率が上昇する。このように、アンモニアの添加およびその停止を繰り返すことにより、還元触媒14におけるNOxの平均的な浄化率つまり平均浄化率は、アンモニアを一定量で添加した従来浄化率に比較して向上する。
上述の実施形態では、添加制御部43は、排気通路21を流れる排気へ、所要アンモニア量算出部41で算出した所要アンモニア量以上のアンモニアを添加する。添加制御部43は、所要アンモニア量のアンモニアを排気に添加し、その添加したアンモニア量が上限吸着量を超えると、アンモニアの添加を停止する。このように、アンモニアの添加とその停止とを繰り返すことにより、還元触媒14に生成したアンモニア化合物は、アンモニアの添加の停止によって分解される。そのため、還元触媒14の温度が低い場合でも、還元触媒14の活性が維持され、NOxの還元が促進される。その結果、燃料の添加によって排気の温度を高める必要がなく、排気に燃料を添加するための構成が不要となる。したがって、排気の温度に関わらず、燃費の悪化および構造の複雑化を招くことなくNOxの浄化を促進することができる。
また、本実施形態では、上限吸着量は、還元触媒14の飽和吸着量よりも小さい。そのため、添加制御部43は、還元触媒14がアンモニアで飽和する前にアンモニア添加部15から排気への燃料の添加を停止する。これにより、還元触媒14は、吸着したアンモニアの飽和による活性低下およびアンモニアのスリップが回避される。したがって、排気の温度に関わらず、NOxの浄化を促進することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、11はディーゼルエンジン(内燃機関)、12は排気浄化装置、13は排気管部、14は還元触媒、15はアンモニア添加部、16、17はNOxセンサ(濃度検出手段)、18は温度センサ(触媒温度検出手段)、21は排気通路、41は所要アンモニア量算出部(所要アンモニア量算出手段)、42は上限吸着量算出部(上限吸着量算出手段)、43は添加制御部(添加制御手段)を示す。

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気が流れる排気通路を形成する排気管部と、
    前記排気通路に設けられ、前記排気に含まれる窒素酸化物の還元を触媒する還元触媒と、
    前記排気管部に設けられ、前記排気通路を流れる排気にアンモニアを添加するアンモニア添加部と、
    前記排気通路を流れる排気の流れ方向において、前記還元触媒の上流側および下流側にそれぞれ設けられ、前記排気に含まれる窒素酸化物の濃度を検出する濃度検出手段と、
    前記還元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    前記濃度検出手段で検出した窒素酸化物の濃度、および前記触媒温度検出手段で検出した前記還元触媒の温度に基づいて、排気に含まれる窒素酸化物の還元に必要なアンモニア量を所要アンモニア量として算出する所要アンモニア量算出手段と、
    前記触媒温度検出手段で検出した前記還元触媒の温度に基づいて、前記還元触媒に吸着するアンモニアの吸着量の上限を上限吸着量として算出する上限吸着量算出手段と、
    前記アンモニア添加部からのアンモニアの添加を断続して、前記所要アンモニア量以上のアンモニアの添加と、添加したアンモニア量が前記上限吸着量を超えた際のアンモニアの添加の停止とを繰り返す添加制御手段と、
    を備えることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記上限吸着量は、前記触媒温度検出手段で検出した前記還元触媒の温度に基づいて算出される前記還元触媒の飽和吸着量よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の排気浄化装置。
JP2010097788A 2010-04-21 2010-04-21 排気浄化装置 Pending JP2011226402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010097788A JP2011226402A (ja) 2010-04-21 2010-04-21 排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010097788A JP2011226402A (ja) 2010-04-21 2010-04-21 排気浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011226402A true JP2011226402A (ja) 2011-11-10

Family

ID=45042016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010097788A Pending JP2011226402A (ja) 2010-04-21 2010-04-21 排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011226402A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101534714B1 (ko) * 2013-12-23 2015-07-07 현대자동차 주식회사 선택적 환원 촉매에 흡장된 암모니아량 제어 방법 및 이를 사용하는 배기 시스템
JP5880731B2 (ja) * 2012-11-07 2016-03-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2016044591A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 いすゞ自動車株式会社 内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003293743A (ja) * 2002-04-03 2003-10-15 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関のNOx浄化装置
JP2005127256A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2008223670A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Nissan Diesel Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003293743A (ja) * 2002-04-03 2003-10-15 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関のNOx浄化装置
JP2005127256A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2008223670A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Nissan Diesel Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5880731B2 (ja) * 2012-11-07 2016-03-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
KR101534714B1 (ko) * 2013-12-23 2015-07-07 현대자동차 주식회사 선택적 환원 촉매에 흡장된 암모니아량 제어 방법 및 이를 사용하는 배기 시스템
JP2016044591A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 いすゞ自動車株式会社 内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4726926B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4715581B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
CN101725392B (zh) 尿素水喷射量控制器和尿素水喷射控制系统
WO2011118525A1 (ja) エンジンの排気浄化装置
US9238984B2 (en) Exhaust emission prediction system and method
US20100122520A1 (en) System for Controlling Urea Injection Quantity of Vehicle and Method Thereof
JP2008303821A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5812952B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP2014020376A (ja) ディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物を減少させる方法
JP6130619B2 (ja) NOx浄化装置の制御装置
JP2009216019A (ja) NOx浄化システムの制御方法及びNOx浄化システム
JP2017194022A (ja) 排気浄化装置の制御装置
US10145284B2 (en) Exhaust after-treatment system including sliding mode ammonia controller
KR100993364B1 (ko) 차량의 요소 분사량 제어장치 및 방법
JP2011196311A (ja) 排気浄化方法及び排気浄化装置
JP2011196309A (ja) 排気浄化方法及び排気浄化装置
KR20150133407A (ko) 배기가스 처리 장치 및 방법
JP2019152137A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009156159A (ja) 排気ガス浄化システムの異常部位の判定装置
JP6149940B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009293605A (ja) 排気処理装置の制御装置
JP2011226402A (ja) 排気浄化装置
JP5869464B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
WO2017191813A1 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP2015101968A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140715