JP2011221508A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、チオキサントン化合物及び溶剤を含み、光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、ビイミダゾール化合物及びオキシム化合物含む光重合開始剤であり、チオキサントン化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、80質量部以上160質量部以下である感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
このような感光性樹脂組成物としては、例えば、樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含み、光重合開始剤がα−アミノケトン化合物である組成物が知られている。
[1]樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、チオキサントン化合物及び溶剤を含み、光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、ビイミダゾール化合物及びオキシム化合物含む光重合開始剤であり、チオキサントン化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、80質量部以上160質量部以下である感光性樹脂組成物。
[2]ビイミダゾール化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、50質量部以上400質量部以下である[1]記載の感光性樹脂組成物。
[3]オキシム化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下である[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
[4]樹脂が、環状エーテル構造を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む樹脂である[1]〜[3]のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
[6][5]記載のパターンを含む表示装置。
[7]フォトスペーサを形成するための[1]〜[4]のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物の使用。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる樹脂(A)としては、アルカリ溶解性を示す樹脂であることが好ましい。アルカリ溶解性とは、アルカリ化合物の水溶液である現像液に溶解する性質のことをいう。アルカリ溶解性を示す樹脂としては、
樹脂(A2−1):不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と炭素数2〜4の環状エーテル構造を有する不飽和化合物(b)(以下「(b)」という場合がある)とを重合してなる共重合体、
樹脂(A2−2):(a)及び(b)と共重合可能な単量体(c)(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)(以下「(c)」という場合がある)と、(a)と(b)とを重合してなる共重合体、
樹脂(A2−3):(a)と(c)とを重合してなる共重合体、
樹脂(A2−4):(a)と(c)とを重合してなる共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)としては、樹脂(A2−1)及び樹脂(A2−2)が好ましい。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3‐ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が共重合反応性の点やアルカリ溶解性の点から好ましく用いられる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も同様の意味を有する。
(b1)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体であることが好ましく、オキシラニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましく、(b1−2)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がさらに好ましい。
X1及びX2は、互いに独立に、単結合、−R3−、*−R3−O−、*−R3−S−、*−R3−NH−を表す。
R3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R1及びR2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
X1及びX2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH2CH2−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH2CH2−O−基が挙げられる。
(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;
これらのうち、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が、共重合反応性及びアルカリ溶解性の点から好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%(より好ましくは10〜50モル%)
(b)に由来する構造単位;40〜95モル%(より好ましくは50〜90モル%)
樹脂(A2−1)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性および機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂(A2−1)としては、(b)が(b1)である樹脂が好ましく、(b)が(b1−2)である樹脂がより好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは1〜60モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
樹脂(A2−2)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂(A2−2)としては、(b)が(b1)である樹脂が好ましく、(b)が(b1−2)である樹脂がより好ましい。
樹脂(A2−2)は、樹脂(A2−1)と同様の方法により製造することができる。
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;60〜98モル%(より好ましくは65〜95モル%)
樹脂(A2−3)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性が良好になる傾向がある。
樹脂(A2−3)は、樹脂(A2−1)と同様の方法により製造することができる。
樹脂(A2−4)は、例えば、二段階の工程を経て製造することができる。この場合も、上述した文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法、特開2001−89533号公報に記載された方法等を参考にして製造することができる。
この場合、上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。また、上記と同様のポリスチレン換算の重量平均分子量及び分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]とすることが好ましい。
ただし、(a)及び(c)に由来する構造単位の比率が、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)
(c)に由来する構造単位;50〜95モル%(より好ましくは55〜90モル%)
具体的には、上記に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(a)のモル数に対して、5〜80モル%の(b)、カルボキシ基と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)を(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、60〜130℃で、1〜10時間反応させ、樹脂(A2−4)を得ることができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
また、この場合、(b)のモル数は、(a)のモル数に対して、10〜75モル%とすることが好ましく、より好ましくは15〜70モル%である。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
光重合性化合物(B)は、光重合開始剤(C)から発生した活性ラジカルによって重合しうる化合物であって、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物などであり、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
α−アルコキシケトン化合物としては、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
光重合開始助剤(C1)としては、チオキサントン化合物以外の光重合開始助剤を含んでいてもよいが、感度の点から、含まないことが好ましい。チオキサントン化合物以外の光重合開始助剤としては、公知の光重合開始助剤を用いることができる。チオキサントン化合物以外の光重合開始助剤としては、例えば、アミン化合物、チアゾリン化合物、アルコキシアントラセン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられる。
ビイミダゾール化合物;50〜400質量部(より好ましくは50〜300質量部、さらに好ましくは50〜200、特に好ましくは50〜100)
オキシム化合物;10〜100質量部(より好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは10〜30)
チオキサントン化合物;80〜160質量部(より好ましくは80〜150質量部、さらに好ましくは80〜140)
前記の化合物を前記の量の範囲で含むと、パターンが優れた密着性を有するため、現像時にパターンが基板から剥離しにくくなり、さらに感度が高くなる傾向がある。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
具体的には、フロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
塗布は、上述したように、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、インクジェット、ロールコータ、ディップコーター等の種々の塗布装置を用いて行うことができる。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、1〜6μm程度が例示される。
さらに、得られた未硬化塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して、光、例えば、水銀灯、発光ダイオードから発生する紫外線等を照射する。この際のマスクの形状は特に限定されず、種々の形状が挙げられる。また、マスク透光部の透過率も光源からの光を透すものであれば特に限定されない。パターンの幅や高さ等も、マスクサイズやマスク透光部の透過率等によって、適宜調整することができる。
近年の露光機では、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出して、露光面全体に均一に平行光線を照射したりすることができる。このときマスクと基材との正確な位置合わせを行うために、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用してもよい。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基材を任意の角度に傾けてもよい。
アルカリ性化合物は、無機及び有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。
無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
これらの無機及び有機アルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤のいずれでもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%の範囲、より好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル140質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸40質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物の混合物、モル比=50:50)360質量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル190質量部に溶解して、溶液を調製した。得られた溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル240質量部に溶解した溶液を、別の滴下ポンプを用いて、5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、共重合体(樹脂Aa)の溶液を得た。得られた樹脂Aa溶液の固形分は42.6質量%であり、得られた樹脂Aaの重量平均分子量(Mw)は8.0×103、分子量分布(Mw/Mn)は1.91、酸価は60mg−KOH/g(固形分換算の酸価)であった。
還流冷却器、滴下ロートおよび攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部および3−メトキシブチルアセテート105質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比=50:50)240質量部を、3−メトキシブチルアセテート140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を3−メトキシブチルアセテート225質量部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6質量%、酸価34.3mg−KOH/g(固形分換算の酸価105mg−KOH/g)の共重合体(樹脂Ab)の溶液を得た。得られた樹脂Abの重量平均分子量Mwは、13,400、分子量分布(Mw/Mn)は2.50であった。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
表1の組成物を混合して、感光性樹脂組成物1〜9を得た。
光重合性化合物(Ba);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(A−DPH;新中村化学工業(株)製)
光重合性化合物(Bb);トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMMT;新中村化学工業(株)製)
光重合開始剤(Ca);2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(B−CIM;保土谷化学工業(株)製);ビイミダゾール化合物
光重合開始剤(Cb);2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379EG;チバ・ジャパン社製);α−アミノケトン化合物
光重合開始剤(Cc);オキシム化合物(N−1919;ADEKA社製);オキシム化合物
光重合開始剤(Cd);2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン(IRGACURE 907;チバ・ジャパン社製);α−アミノケトン化合物
光重合開始助剤(C1);2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE DETX−S;日本化薬(株)製);チオキサントン化合物
溶剤(Da);3-メトキシ−1−ブタノール
溶剤(Db);ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
溶剤(Dc);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(Dd);3−エトキシエチルプロピオネート
溶剤(De);3−メトキシブチルアセテート
界面活性剤(E);ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製;SH8400)
溶剤(D)は、感光性樹脂組成物の固形分量が表1の「固形分量(%)」となるように混合し、溶剤(D)中の溶剤成分(Da)〜(De)の値は、溶剤(D)中での質量比を表す。
界面活性剤(E)の含有量は、感光性樹脂組成物全量に対する質量比(%)を表す。
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、感光性樹脂組成物を、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で露光し、現像、水洗、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、80℃で2分間プリベークした。冷却後、この感光性樹脂組成物を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を200μmとし、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。なお、このときの感光性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯からの放射光を、光学フィルタ(UV−33;旭テクノグラス(株)製)を通過させて、使用した。また、フォトマスクとして、パターン(1辺が3μm〜15μmである正方形の透光部を有し、当該正方形の間隔が100μmで、5600個ずつ形成されている)(すなわち透光部)が同一平面上に形成されたフォトマスクを用いた。ここで、フォトマスクに形成されているパターンをフォトマスクパターンという。
光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に前記塗膜を23℃で60秒間スプレー現像し、水洗後、オーブン中、235℃で15分間ポストベークを行い、パターンを得た。
得られたパターンについて、光学顕微鏡(Axio Imager MAT;カール ツァイス(株)製)で、5μm以下のフォトマスクパターンから得られるパターンが、剥離せず基板上に全て残っている場合は○、1個でも剥離している場合は×と、表2に記した。5μm以下のフォトマスクパターンから得られるパターンが、基板上に残っている場合、密着性は良好であると判断できる。
1辺が13μmの正方形の透光部を有し、当該正方形の間隔が100μmであるフォトマスクを用いて、露光量をそれぞれ20mJ/cm2、40mJ/cm2、60mJ/cm2及び80mJ/cm2に代える以外は上記と同様にして、パターンを得た。
得られた各パターンについて、パターン底部の幅を、三次元非接触表面形状計測システム(Micromap MM527N-PS-M100型;(株)菱化システム社製)で測定した。測定された値から直線近似により、幅31μmとなるときの露光量を計算した。この計算値を感度として、表2に記した。
感度は値が小さいほど露光時間が短くできるため好ましいが、20mJ/cm2未満では露光量の振れに伴い、パターンの幅が変化しやすくなるため、逆に好ましくない。
得られた感光性樹脂組成物について、それぞれ、紫外可視近赤外分光光度計(V−650;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。結果を表2に示す。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、それぞれ、硬化後の膜厚が3μmになるように、以下の条件で塗膜を作製した。
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、感光性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、90℃で10分間プリベークした。冷却後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、露光量60mJ/cm2(365nm基準)の光を照射した。なお、このときの感光性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯からの放射光を、光学フィルタ(UV−35;朝日分光(株)製)を通過させて行った。光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に前記塗膜を23℃で60秒間浸漬・揺動して現像し、その後、オーブン中、235℃で15分加熱して塗膜を得た。
得られた膜について、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。透過率が高くなることは、吸収が小さくなることを意味する。結果を表2に示す。
このような感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成し、それらを利用することにより、歩留まりよく表示装置等を製造することが可能となる。
Claims (7)
- 樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、チオキサントン化合物及び溶剤を含み、
光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、ビイミダゾール化合物及びオキシム化合物含む光重合開始剤であり、
チオキサントン化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、80質量部以上160質量部以下である感光性樹脂組成物。 - ビイミダゾール化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、50質量部以上400質量部以下である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- オキシム化合物の含有量が、α−アミノケトン化合物の含有量100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下である請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 樹脂が、環状エーテル構造を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む樹脂である請求項1〜3のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン。
- 請求項5記載のパターンを含む表示装置。
- フォトスペーサを形成するための請求項1〜4のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物の使用。
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