JP2011221300A - レンズ装置及び光学アクセサリ - Google Patents

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武史 柿沼
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Abstract

【課題】レンズ枠の内部に固定されるレンズの間隔を決める間隔環が反対向きに取り付けられたことを、組み立て完了前に発見し得るレンズ装置及び光学アクセサリを提供する。
【解決手段】第1のレンズ(102)と第2のレンズ(106)との間には間隔環(104)が挿入される。間隔環の後側面(104A)は傾斜面(104C)が設けられ、レンズ枠(100)の第1のレンズを固定する固定部(116)のフランジ面は傾斜形状(118C)が形成されている。レンズ枠に対して間隔環を所定の向きに取り付けると、レンズ枠の傾斜形状と間隔環の傾斜部が嵌合し、間隔環が所定の位置に固定される。一方、間隔環を反対向きに取り付けると間隔環の前側面(略垂直面)がレンズ枠の傾斜形状と間隔環の傾斜部が嵌合せず、間隔環を所定位置まで挿入することができない。かかる構造により間隔環が所定の向きに取り付けられたか否かを目視等により認識することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明はレンズ装置及び光学アクセサリに係り、特にレンズ鏡筒内にレンズを固定する際に該レンズの姿勢を維持して固定するために用いられる間隔環の構造及びレンズ装置の組み立て技術に関する。
一般に、複数のレンズを備えたレンズ装置では、レンズ枠に対してレンズ間の間隔を決める部品としてレンズ間に間隔環と呼ばれるリング形状の部材が挿入される。
特許文献1には、レンズ室に嵌合される第1のレンズと、2枚のレンズを同軸で貼り合わせた構造を有し、該第1のレンズと同軸で嵌合される第2のレンズと、第1のレンズと第2のレンズとの間の空気間隔を所定値に保持すべく両レンズ間でレンズ室に嵌合される間隔環と、を備えたレンズ装置が開示されている。特許文献1に開示されたレンズユニットは、第2のレンズを構成する2つのレンズのうち、第1のレンズ側のレンズを他のレンズよりも径が小さい形状とし、間隔環に小径のレンズの周面とレンズ室との間に挿通させる挿通部を設け、該挿通部により間隔環の軸方向の長さを長くして光軸に対する倒れを少なくするように構成されている。
特開平9−197238号公報
しかしながら、間隔環をレンズ枠に組み付ける際に挿入向きを反対にしてしまうと、レンズ間の間隔が狂ってしまうので、当該レンズ装置の所定の性能を得ることができなくなってしまう。一方、間隔環はレンズ枠の内部とのガタが極力少なくなるように構成されているので、レンズ枠に間隔環を組み付けるときに、作業者が間隔環を反対向きに挿入したことに気付かずに組立を進めてしまうことがあり得る。そうすると、間隔環を組み付ける工程の後の組立工程や検査工程において該間隔環が正しい向き組み付けられていないことが判明し、組み立て途中のレンズ装置や組み上がったレンズ装置を一旦分解して間隔環を正しい向きに入れ直し、再度組み立てを行わなければならない。
一方、特許文献1に係る発明は、間隔環が軸方向について非対称形状であるために、作業者が注意すれば反対向きに挿入してしまうことをある程度防止できるものの、作業者の注意力に委ねられてしまう。仮に、間隔環を反対向きに挿入してしまうと、上述したようにそのまま気が付かずに作業が進められてしまうことが懸念される。すなわち、特許文献1は間隔環を反対向きに挿入することについての対策を開示又は示唆していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、レンズ枠の内部に固定されるレンズの間隔を決める間隔環が反対向きに取り付けられたことを、組み立て完了前に発見し得るレンズ装置及び光学アクセサリを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るレンズ装置は、複数のレンズが光軸方向に並ぶように固定される内部構造を有するレンズ枠と、前記レンズ枠に固定される第1のレンズと、前記レンズ枠に固定される第2のレンズと、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるために前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられる間隔環と、を備え、前記間隔環は、前記第1のレンズを支持する第1の面の前記レンズ枠に支持される位置に傾斜部が設けられるとともに、前記第2のレンズを支持する第2の面が前記レンズ枠の前記第1の面を支持する位置の形状と異なる形状を有し、前記レンズ枠は、前記間隔環の第1の面を支持する位置に前記第1の面の傾斜部に対応する形状が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、第1のレンズと第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるための間隔環の第1のレンズを支持する第1の面に傾斜面が設けられるとともに、レンズ枠の間隔環の第1の面と当接する位置に該第1の面に設けられる傾斜面に対応する傾斜形状が設けられるので、間隔環を反対向きに挿入すると第1のレンズが固定されず、間隔環が反対向きに挿入されたことが認識される。
本発明の実施形態に係るワイドコンバータが搭載された撮影レンズの全体構造を示す斜視図 図1の撮影レンズから本発明の実施形態に係るワイドコンバータを分離した状態を示す斜視図 図1、2に示すワイドコンバータの内部構造を示す断面図 図3に示すワイドコンバータの一部拡大図 図1〜4に示すワイドコンバータに適用されるレンズ枠の立体構造を示す斜視断面図 図1〜4に示すワイドコンバータに適用される間隔環の全体構造を示す斜視図 間隔環が反対向きに組み付けられた状態のワイドコンバータを示す断面図 図1〜4に示すワイドコンバータの組み立て方法を説明する図 レンズ鏡胴から前面アクセサリを取り外した状態を示す図 鏡胴側装着部の係合部を示した斜視図 アクセサリ側装着部の係止爪及び凹部を示した斜視図 アクセサリ側装着部を鏡胴側装着部に装着した状態を示した断面図 アクセサリ装着部のロック機構の構成を示した斜視図 ロック機構のロック解除状態を示した断面図 ロック機構のロック状態を示した断面図 ロック機構のストッパの外観を示した斜視図 ロック機構のロック状態でのストッパとガイド溝との係合状態を示した斜視図
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳述する。
〔撮影レンズの全体構成の説明〕
図1は、本発明に係るレンズ装置(ワイドコンバータ)が適用される撮影レンズの斜視図であり、図2は、図1の撮影レンズからワイドコンバータを分離した状態を示す図である。
図1に示す撮影レンズ10は、放送用又は業務用として取材などで携帯されるENGカメラ等のレンズ装置であり、前面アクセサリとしてワイドコンバータ12が取り付け可能に構成されている。撮影レンズ10は、後端(図中右側端)のマウント部14によりカメラ装置と着脱可能に装着されるレンズ装置であり、主としてレンズ鏡胴16と駆動ユニット18とから構成されている。
レンズ鏡胴16は、前方側(対物側)から入射される被写体光を集光してカメラ装置の撮像面に被写体像を結像する撮影光学系を内部に保持しており、その撮影光学系の構成部品として、図示しないフォーカスレンズ(群)、ズームレンズ(群)、絞り、リレーレンズ(群)等を備えている。
また、レンズ鏡胴16は、外周部に回動可能なフォーカスリング20、ズームリング22、アイリスリング24を備えており、フォーカスリング20を回動操作すると、前記フォーカスレンズが光軸に沿って前後移動してピント位置が変化し、ズームリング22を回動操作すると、前記ズームレンズが光軸に沿って前後移動して焦点距離が変化し、アイリスリング24を回動操作すると、前記絞りが開閉動作して絞り値が変化するようになっている。さらに同図のレンズ鏡胴16は、後部にエクステンダー26を備えており、図示しないレバーを回動操作することによって、例えば、1倍と2倍といったように像倍率を切り替えることができる。
駆動ユニット18は、レンズ鏡胴16の側面に取り付けられており、その駆動ユニット18のケーシング内部には、レンズ鏡胴16のフォーカスリング20、ズームリング22、アイリスリング24の各々を動作させる機構、該動作機構と連結されるモータ、当該モータを駆動制御する制御回路等が内蔵されている。また、説明を省略するが駆動ユニット18のケーシングの外面にはレンズ操作のための各種操作部材(レバー、ボタン等)が設けられており、該操作部材を操作することによりフォーカスレンズ、ズームレンズ、アイリスレンズを動作させることができる。
図1のレンズ鏡胴16の先端部(図中左側端の被写体側)には、ワイドコンバータ12が取り付けられている。ワイドコンバータ12は、レンズ鏡胴16から着脱可能な構造を有し、ワイドコンバータ12の代わりに他の種類の前面アクセサリ(例えば、他のコンバージョンレンズ)をレンズ鏡胴16の先端部に装着することができるようになっている。
前面アクセサリとしてのコンバージョンレンズの一例を挙げると、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、広角側にシフトさせるワイドコンバータの他に、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、望遠側にシフトさせるテレコンバータ、画面のアスペクト比を16:9から4:3にした時に変化する画像サイズを本来のサイズにするレシオコンバータなどが挙げられる。
これらの前面アクセサリとレンズ鏡胴16とは、前面アクセサリ側に設けられたアクセサリ側装着部(図3に符号114を付して図示)と、レンズ鏡胴16の先端に設けられた鏡胴側装着部(図2に符号30を付して図示)と、からなる着脱機構によって着脱できるようになっており、該アクセサリ側装着部は交換可能とする任意の種類の前面アクセサリにおいて同一の基本構造を有して形成され、該鏡胴側装着部も、それらの前面アクセサリを装着可能とする任意の種類のレンズ鏡胴において同一の基本構造を有して形成されている。
図2は、レンズ鏡胴16からワイドコンバータ12を取り外した状態を示す図である。同図に示すように、レンズ鏡胴16は先端部16Aにワイドコンバータ12を取り付けるための鏡胴側装着部30が設けられている。鏡胴側装着部30は、ワイドコンバータ12の後端部に設けられるアクセサリ側装着部(図3に符号114を付して図示)と連結される。
鏡胴側装着部30の構造例を挙げると、レンズ鏡胴16の先端部に円筒状に突出形成された円筒部32と、該円筒部32の外周面上において等間隔の3箇所に同一構造で形成された係合部34とを有している。図2は、3つの係合部34のうちの1つのみが図示されている。一方、ワイドコンバータ12に設けられるアクセサリ側装着部は、係合部34に対応する構造が設けられている。かかる構造を有するワイドコンバータ12の後端部にレンズ鏡胴16の先端部の円筒部32を挿入し、ワイドコンバータ12を所定の方向に回転させると、鏡胴側装着部30とアクセサリ側装着部が連結されるとともにロックされる。
〔ワイドコンバータの説明〕
図3は、図1、2に図示したワイドコンバータ12の内部構造を示す断面図である。図3に示すワイドコンバータ12は、左側が物体(被写体)側であり、右側が像側(レンズ側)である。以降の説明では、ワイドコンバータ12の物体側を「前側」、像側を「後側」と記載することがある。
ワイドコンバータ12は、内部にレンズ等を固定するための構造が設けられたレンズ枠100と、レンズ枠100最も後側に固定される第1のレンズ102と、第1のレンズ102の前側面102Aを支持する間隔環104と、間隔環104によって第1のレンズ102との間の光軸方向における間隔が決められて固定される第2のレンズ106と、第2のレンズ106の前側面106Aを支持する押え環108と、第2のレンズ106の前側に固定される第3のレンズ110と、第3のレンズ110の前側面110Aを支持する押え環112と、を具備している。
レンズ枠100は、後側端部にレンズ鏡胴16(図1参照)と連結するためのアクセサリ側装着部114が設けられるとともに、第1のレンズ102が固定される固定部116と、間隔環104及び第2のレンズが固定される固定部118、押え環108が固定される固定部120、第3のレンズが固定される固定部122、押え環112が固定される固定部124が設けられている。
レンズ枠100の内部に設けられた固定部116〜124は、第1〜第3のレンズ102,106,110及び間隔環104、押え環108,112の外形に対応する凹部として形成されている。すなわち、固定部116の内周の直径は第1のレンズ102の直径と略同一であり、固定部118の内周の直径は間隔環104の外周の直径及び第2のレンズ106の直径と略同一である。さらに、固定部120,122,124の内周の直径は、それぞれ押え環108の外周の直径、第3のレンズ110の直径、押え環112の外周の直径と略同一である。かかる内部構造を有するレンズ枠100に固定される第1のレンズ102、及び第2のレンズ106、第3のレンズ110は、それぞれの光軸が一致するように固定される。
第1のレンズ102は、後側面102Bが固定部116のフランジ面に支持されるとともに、前側面102Aが間隔環104の後側面104Bによって支持される。間隔環104は、第1のレンズ102と第2のレンズ106との光軸方向における間隔を決めるために、第1のレンズ102と第2のレンズとの間に設けられている。この間隔環104は、レンズ枠100の固定部118の内周の直径に対応する外周の直径を有する円環状の部材であり、後側面104Bにより第1のレンズ102の前側面102Aを支持するとともに、前側面(第2の面)104Aにより第2のレンズの後側面106Bを支持する。
間隔環104の後側面104Bにおける開口の直径は、第1のレンズ102の直径未満であり、かつ、間隔環104の前側面104Aおける開口の直径は、第2のレンズ106の直径未満である。すなわち、第1のレンズ102の前側面102Aの外縁部は間隔環104の後側面104Bによって支持され、第2のレンズ106の後側面106Bの外縁部は間隔環104の前側面104Aによって支持される。
第2のレンズ106の前側面106Aは、押え環108によって支持される。押え環108は、第2のレンズ106の前側面106Aにおける外縁部の形状(角形状)に対応する凹形状が設けられている。第2のレンズ106の前側に設けられた固定部122には、第3のレンズ110が支持され、第3のレンズ110の前側面110Aは、押え環112によって支持される。
次に、第1のレンズ102及び第2のレンズ106を支持し、かつ、第1のレンズ102と第2のレンズ106との間隔を決める間隔環104について詳細に説明する。図4は、図3の一部拡大図であり、第1のレンズ102、間隔環104、第2のレンズ106の固定構造が拡大して図示されている。また、図5はレンズ枠100の斜視断面図であり、図6は間隔環104の斜視図である。以下の説明において先に説明した部分と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図4及び図6に示すように、間隔環104は後側面104Bに面取り加工が施され傾斜面104Cが形成されている。一方、間隔環104の前側面104Aは特別な加工が施されていない面(略垂直面)となっている。なお、間隔環104の前側面104Aは後側面104Bと異なる加工が施されてもよい。レンズ枠100は固定部118に間隔環104の傾斜面104Cと嵌合する傾斜形状118Cが形成されており、レンズ枠100に対して間隔環104の後側面104Bが第1のレンズ102に向くように正しい向きに取り付けると、レンズ枠100の傾斜形状118Cと間隔環104の傾斜面104Cが当接して、間隔環104が所定位置まで挿入され、間隔環104の後側面104Bが第1のレンズ102の前側面102Aに当接する。
レンズ枠100に対して正しい向きに間隔環104が取り付けた状態で第2のレンズ106を取り付け、さらに第2のレンズ106の前側に押え環108を取り付けると、押え環108は、固定部120の前側面120Aよりも後側へ引っ込んだ状態で、押え環108は固定部120の前側面120Aよりも後側へ引っ込んだ位置に固定される。
一方、図7に示すように、間隔環104を反対向きに取り付けると、間隔環104の前側面102Aが第1のレンズ102に向き、後側面104Bが第2のレンズ106に向いてしまう。間隔環104の前側面102Aは面取り加工がされていない面(略垂直面)であり、レンズ枠100の傾斜形状118Cと嵌合せず、間隔環104の前側面の角部が固定部118の傾斜形状118Cに突き当たってしまい、間隔環104を所定位置まで挿入することができない。そうすると、第1のレンズ102の前側面102Aを間隔環104が支持することができないために、第1のレンズ102を固定部116に固定することができない。
また、間隔環104を反対向きに挿入した状態で第2のレンズ106及び押え環108がレンズ枠100に組み付けられると、押え環108が固定部120の前側面120Aよりも前側に出張ってしまうので、間隔環104を反対向きに組み付けたことを発見し得る。 レンズ枠100の傾斜形状118Cの光軸方向の長さを、第1のレンズ102の外縁部の厚み(最小厚み)を超える値にすると、第1のレンズ102が固定部116から落下してしまうので、第2のレンズ106及び押え環108を取り付ける前に間隔環104を反対向きに組み付けたことを容易に発見し得る。
また、間隔環104を正しい向きに取り付けたときに、押え環108の前側面108Aが固定部120の前側面120Aから0.5mm程度引っ込んだ位置になり、間隔環104を反対向きに取り付けたときに、押え環108の前側面108Aが固定部120の前側面120Aから1.0mm程度出張った位置になるように、固定部120の光軸方向の長さを決めることで、押え環108が固定部120の前側面120Aから引っ込んでいるか、出張っているかを目視や手で触ることで容易に確認することが可能となる。
間隔環104はアルミなどの金属材料が用いられ、表面に黒色のメッキ処理が施されるために目視による形状の確認が難しく、反対向きに挿入されることがあり得る。また、レンズ枠100と間隔環104とは、取り付けガタが非常に小さくなるように構成されているので、間隔環104のレンズ枠100への挿入する作業において間隔環104が反対向きに挿入されたことを発見することも難しい。したがって、組み立てが完了する前に間隔環104が反対向きに組み付けられたことを発見できると、分解及び再組み立ての手間を大幅に削減し得る。
〔ワイドコンバータの組み立て方法〕
次に、上述したワイドコンバータ12の組み立て方法について説明する。図8は、ワイドコンバータ12の分解斜視図である。以下の説明では、図5に示すレンズ枠100の構造を適宜参照する。図5に示すレンズ枠100の内部には、後側から順に第1のレンズ102が固定される固定部116、間隔環104及び第2のレンズ106が固定される固定部118、押え環108が固定される固定部120、第3のレンズ110が固定される固定部120、及び押え環112が固定される固定部122が設けられている。
レンズ枠100の内部は、後側から前側へ順に直径が大きくなるように段差が設けられている。すなわち、固定部116と固定部118との間には段差がもうけられ、固定部118と固定部120との間、固定部120と固定部122との間、固定部122と固定部124との間にもそれぞれ段差が設けられている。
かかる構造を有するレンズ枠100の前側から、第1のレンズ102が挿入され、次に間隔環104が挿入され、以降、第2のレンズ106、押え環108、第3のレンズ110、押え環112が順に挿入される。レンズ枠100の内部に組みつけられる各部材は、接着剤によりレンズ枠100の各固定部116〜124に固定される。レンズ枠100の内部の組み立てが完了すると、レンズ枠100の後側にアクセサリ側装着部114(図8中不図示、図3参照)が取り付けられる。
なお、本例に示すワイドコンバータ12は、2つの異なる部材からなる2ピース構造を有しており、レンズ枠100はアルミ等の金属部材で構成され、アクセサリ側装着部114はABS樹脂等の樹脂部材で構成される。このような2ピース構造によれば、レンズを保持するために所定の強度を確保しつつ、全体的な軽量化を図ることができ、携帯性や操作性を向上させることが可能となる。
上記の如く構成されたワイドコンバータ12によれば、第1のレンズ102と第2のレンズ106との間に設けられる間隔環104の後側面104Bに傾斜面104Cを備えるとともに、間隔環104の前側面104Aは略垂直面とし、かつ、間隔環104が固定されるレンズ枠100の固定部118に、間隔環104の後側面104Bにおける傾斜面104Cと嵌合する傾斜形状118Cが形成されるので、間隔環104を正しい向きに取り付けると間隔環104の傾斜面104Cとレンズ枠100の傾斜形状118Cが嵌合して、間隔環104が所定位置に取り付けられ、一方、間隔環104を反対向きに取り付けると、間隔環104の前側面104Aとレンズ枠100の傾斜形状118Cが嵌合せずに、間隔環104を所定位置まで挿入することができない。したがって、組み立て途中で間隔環104が反対向きに取り付けられていることを発見することが可能となる。
また、間隔環104を正しい向きに取り付けたときに、第2のレンズ106の前側面106Aを支持する押え環108が固定される固定部120の前側面120Aよりも押え環108が後側へ引っ込み、かつ、間隔環104を反対向きに取り付けたときに、固定部120の前側面120Aよりも間隔環104が出張るように固定部120の光軸方向の長さを決めることで、間隔環104が反対向きに取り付けられていることを目視や手で触ることで容易に発見することが可能となる。
〔撮影レンズとワイドコンバータとの着脱構造の説明〕
次に、本例に示すワイドコンバータ12と撮影レンズのレンズ鏡胴16(図1参照)との着脱構造について説明する。
図9は、レンズ鏡胴16からワイドコンバータ12を取り外した状態における、ワイドコンバータ12のアクセサリ側装着部114と、レンズ鏡胴16の先端部に設けられる鏡胴側装着部30を拡大した拡大平面図である。また、図10は、鏡胴側装着部30の円筒部32を拡大した拡大斜視図であり、図11はアクセサリ側装着部114の円筒部130を拡大した斜視拡大図である。
なお、以下の説明においてレンズ鏡胴16の中心軸(光軸)又はワイドコンバータ12の中心軸から離れる方向を外側方向、該中心軸へ向かう方向を内側方向とし、所定の位置に対して外側方向の位置範囲を外側、外面側、外周側等といい、内側方向の位置範囲を内側、内面側、内周側等というものとする。
鏡胴側装着部30は、レンズ鏡胴16の先端部に円筒状に突出形成された円筒部32と、円筒部32の外周面上における等間隔の3か所に同一構造で形成された係合部34と、を有している。図9に図示された係合部34は3つの係合部のうちの1つである。円筒部32は、係合部34が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を外周面として有している。以下において、円筒部32の外周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
鏡胴側装着部30の係合部34は、ガイド溝36、係止溝38を含んで構成されるとともに、ガイド溝36と係止溝38との連結部分に係止突起40が設けられている。ガイド溝36及び係止溝38は、円筒部32の外周面上に形成された凹状の溝であり、ガイド溝36は円筒部32の先端面32Aの位置から中心軸と略平行に形成され、係止溝38はガイド溝36の後端位置から周方向に形成されている。係止突起40は、ガイド溝36と係止溝38の連結部分において、係止溝38の底面から外側に凸となる形状を有し、ガイド溝36側の面40Aがテーパ面(傾斜面)となっている。
一方、図9に示すように、アクセサリ側装着部114はワイドコンバータ12の後端部に設けられた円筒部130と、円筒部130の内周面上において同一構造で形成された複数の凹部132と、各凹部132に配置された複数の係止爪134とを有している。同図に図示された凹部132及び係止爪134は複数の凹部及び係止爪のうちの1つである。また、アクセサリ側装着部114において実線で図示された部分は、円筒部130の内周面上での部材の輪郭を示す。
円筒部130は、鏡胴側装着部30への装着時に鏡胴側装着部30の円筒部32の外周側に嵌合される。すなわち、アクセサリ側装着部114の円筒部130は、鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面と略同一の直径の内周面を有している。なお、円筒部130は凹部132及び係止爪134が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を内周面として有しており、以下の説明において、円筒部130の内周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
図9及び図11に示すように、凹部132は円筒部130の内周面において外側に凹状に窪む穴であり、上記鏡胴側装着部30の係合部34に対応した位置に形成されている。本例では、円筒部32の周面上に3つの係合部34が等間隔に配置されているので、アクセサリ側装着部114の円筒部130の内周面には、3つの凹部132が等間隔に配置されている。
凹部132に配置される係止爪134は、板状体138と係止突起136とから形成されている。板状体138は、円筒部130の内周面を形成する部材に一体形成されて凹部132内に突出配置されており、板状体138の内周側の面が円筒部130の内周面に沿うような形状及び位置に配置されている。また、板状体138の外周側の面は、凹部132のすべての壁面から離間しており、板状体138は、円筒部130の部材に連結された一端を基点にして弾性変形可能な状態に支持されている。
係止突起136は、板状体138の内周側の面に突出形成されており、円筒部130の内周面の位置よりも内側に突出した状態に配置される。係止突起136の高さ(突出量)は、ワイドコンバータ12の中心軸と、レンズ鏡胴16の中心軸とを一致させた状態において、鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面よりも内側の位置に突出する高さに形成されている。係止突起136の周方向の長さ(幅)は、鏡胴側装着部30の係止溝38と略等しい長さ(幅)に形成されている。なお、鏡胴側装着部30の係止溝38の周方向の幅は、少なくとも係止爪134の係止突起136よりも大きな幅で形成されている。また、係止突起136の後端側の面136Aと、係止爪134の基端側の面136Bはテーパ(傾斜)面で形成されている。
かかる構造を有する鏡胴側装着部30とアクセサリ側装着部114との着脱機構によれば、以下の操作によってレンズ鏡胴16にワイドコンバータ12が装着される。まず、ワイドコンバータ12の中心軸をレンズ鏡胴16の中心軸に合わせ、ワイドコンバータ12を中心軸について回転させてアクセサリ側装着部114に設けられた複数の係止爪134の係止突起136の位置と、レンズ鏡胴16の鏡胴側装着部30に設けられた複数の係合部34のガイド溝36の位置とを合致させる。このとき、アクセサリ側装着部114の係止爪134の外側への微小の弾性変形によって、鏡胴側装着部30の円筒部32のガイド溝36に進入できる状態となる。なお、鏡胴側装着部30の円筒部32の先端面32Aと当接する係止爪134の係止突起136と面136Aはテーパ面で形成されており、ガイド溝36に進入しやすいようになっている。
次に、ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16側へ押し込むと、アクセサリ側装着部114の係止突起136が鏡胴側装着部30のガイド溝36を進行し、アクセサリ側装着部114の円筒部130が鏡胴側装着部30の円筒部32の外側に覆い被さる状態にはめ込まれる。そして、ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16側にそれ以上押し込むことができなくなるまで、即ち、アクセサリ側装着部114の係止突起136が、鏡胴側装着部30のガイド溝36の後端に到達するまで、ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16側に押し込む。
次に、ワイドコンバータ12を前方から見て時計回りに回転可能な位置まで回転させる。このとき、アクセサリ側装着部114の係止突起136は、鏡胴側装着部30の係合部34のガイド溝36と係止溝38の間に設けられた係止突起40に当接するが、係止爪134が外側に弾性変形することによって、係止突起40を乗り越えた後、係止爪134が元の弾性変形の状態に戻ると共に、係止溝38に嵌合した状態となる。なお、係止爪134の係止突起136に当接する係止突起40の面40Aはテーパ面で形成されており、係止突起136の回転移動が完全に抑止されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起40を乗り越えられるようになっている。
以上の操作によって、前面アクセサリの係止爪134の係止突起136が、鏡胴側装着部30の係合部34の係止突起40によって回転を規制された状態で固持されるとともに、係止溝38の壁面によって前後方向への動きも規制され、ワイドコンバータ12がレンズ鏡胴16の先端に固定される。
ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16から取り外す場合には、ワイドコンバータ12を反時計回りに回転させ、ワイドコンバータ12の係止爪134を弾性変形させて係止突起136を鏡胴側装着部30の係合部34の係止突起40を乗り越えさせた後、装着時とは逆の手順の操作を行う。係止突起40に当接する係止爪134の係止突起136の面136Bはテーパ面で形成されており、係止突起136の回転移動が完全に抑止されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起40を乗り越えられるようになっている。
図12は、鏡胴側装着部30とアクセサリ側装着部114の装着状態において、レンズ鏡胴16(及びワイドコンバータ12)の中心軸を含み、かつ、アクセサリ側装着部114の係止爪134を通過する平面での断面図を示す。同図に示すようにアクセサリ側装着部114の円筒部130は、鏡胴側装着部30の円筒部32の外周側を覆う状態に嵌め込まれ、アクセサリ側装着部114の係止爪134の係止突起136が、鏡胴側装着部30の係止溝38に係合した状態となる。
このとき、鏡胴側装着部30に対するアクセサリ側装着部114の前方向(図12中左方向)への移動及びガタは、係止突起136の前側の面と係止溝38の前側の面とが当接した状態となることにより規制される。
また、鏡胴側装着部30に対するアクセサリ側装着部114の後方向(図12中右方向)への移動及びガタは、アクセサリ側装着部114の円筒部130の後端が、鏡胴側装着部30の円筒部32の基端に環状に形成された隆起部33に当接した状態となることにより規制される。一方、鏡胴側装着部30に対するアクセサリ側装着部114の周方向への回転移動及びガタは、係止爪134の係止突起136の周方向の両端面が、図9及び図10に示されている係止溝38の端部と係止突起40に当接した状態となることにより規制される。したがって、鏡胴側装着部30とアクセサリ側装着部114とが装着された状態では、レンズ鏡胴16に対してワイドコンバータ12が規定の位置に固定されるとともに、容易には離脱しない状態に固定されるようになる。
ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16から取り外す場合には、装着時とは逆の手順の操作を行えばよく、前面アクセサリを前方から見て反時計回りに比較的大きな力で回転させて、前面アクセサリの係止突起136が鏡胴側装着部30の係止突起40を乗り越えるようにし、その後、ワイドコンバータ12を前方に引き出せばよい。なお、係止爪134の係止突起136が係止溝38に係止されている状態において係止突起40に当接している係止突起136の面136Bはテーパ面で形成されているため、係止突起136の回転移動が完全に規制されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起40を乗り越えられるようになっている。
〔着脱機構のロック機構の説明〕
次に、図13〜17を用いて、先に説明した着脱機構に具備されるロック機構について説明する。金属部品や複数のレンズを備えたワイドコンバータ12はレンズフードなど前面アクセサリと比較して重量が重く、上記の着脱機構のみでレンズ鏡胴16に装着した場合には、振動、衝撃、加減速動作等によりレンズ鏡胴16からワイドコンバータ12が脱落する恐れがある。そこで、ワイドコンバータ12のように重量の大きい前面アクセサリには、補助的にロック機構を具備する態様が好ましい。
図13は、ワイドコンバータ12のアクセサリ側装着部114の構成を示した斜視図であり、図14、図15は、ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16に装着した状態において、ワイドコンバータ12の中心軸に直交し、且つ、ロック機構の位置を通過する平面での断面図である。
図13に示すようにアクセサリ側装着部114を構成する円筒部130には上記着脱機構における構成部である凹部132及び係止爪134が略等間隔に3か所(鏡胴側装着部30における係合部34の配置も同様)に設けられており、そのうちの1つに隣接する位置にロック機構180が設けられている。
ロック機構180は、図13〜図15に示すように主としてナット保持枠182、操作ネジ184、ナット186、ストッパ収容孔188、ストッパ190から構成されている。ナット保持枠182は、円筒部130の外周面から外側に突出する状態に円筒部130と一体形成されており、内部にナット186を収容保持する空間(ナット収容部192)を有すると共に、ナット186に螺合する操作ネジ184のネジ部202を挿通する挿通孔193を有している。
また、ナット収容部192は、内部にナット186を挿入するための挿入口となる後面部分と、後述のストッパ収容孔188との連結部分が開口されている。ナット保持枠182の後面には、ネジ穴194、194が設けられており、ナット収容部192にナット186を挿入した後にそれらのネジ穴194、194に螺合されるビス196、196により、蓋部材198がナット保持枠182の後面全体を覆うようにして固定される。これによりナット186がナット収容部192内に保持されるようになっている。なお、ナット収容部192の周方向の幅は、六角ナットであるナット186の2面幅よりも大きく、対角距離よりも小さくなっており、ナット収容部192に収納されたナット186は軸周りの回転が規制される。
操作ネジ184は、ツマミ200と、ネジ部202と、先端部203とを有している。ツマミ200は、ネジ部202の頭部となる部分に設けられており、ネジ部202よりも拡径され、操作ネジ184を回転操作する際に操作者がつまむために上記ナット保持枠182の外側に配置される。ネジ部202は、ナット保持枠182の挿通孔193を挿通してのナット収容部192に収容されたナット186のネジ孔に螺合される。
先端部203は、ネジ部202よりも先端側に円柱状に突出して形成されており、後述のようにこの先端部203にストッパ190が回動可能に取り付けられる。ストッパ収容孔188は、円筒部130の内周面から外周面まで貫通する孔であり、円筒部130の後端面から前方に向けて徐々に周方向の幅が狭くなる形状を有している。なお、ストッパ収容孔188の形状は後述のストッパ190の形状に略等しい。このストッパ収容孔188にストッパ190が挿入された後、上記蓋部材198がナット保持枠182に装着されることにより、ストッパ収容孔188の後面側の開口も蓋部材198により覆われるようになっている。
ストッパ190は、上記のようにストッパ収容孔188に収容される。図16は、ストッパ190のみを示した斜視図である。同図に示すようにストッパ190は、前壁204、後壁206、側壁208、上壁210により立体形状を構成しており、各々、隣接する壁と略直交している。なお、前壁204と後壁206の長さ(上壁210に沿った方向の長さ)は相違しており、前壁204より後壁206の方が長くなっている。そして、このストッパ190をストッパ収容孔188に収容する場合には、ストッパ収容孔188の形状に合わせて、前壁204をストッパ収容孔188の前方側、後壁206をストッパ収容孔188の後方側、上壁210をストッパ収容孔188の外側に向けて挿入される。
また、ストッパ190の上壁210には操作ネジ184の先端部203を挿通する挿通孔212が形成されている。そして、図14、図15のようにストッパ190の上壁210と操作ネジ184のネジ部202の先端との間にワッシャ230を挟み込んだ状態でC型止め輪232に操作ネジ184の先端部203が挿通され、上壁210の内側において先端部203にC型止め輪232が取り付けられる。これにより操作ネジ184の先端部203にストッパが回動可能に取り付けられるようになっている。
さらに、ストッパ190の前壁204、後壁206の各々の端面214、216(図16参照)には、段差が形成され、それらの端面214,216に略直交する同一平面上に係止面218、220が形成されている。そして、係止面218、220を含む平面を境にして、図14、図15のように下側に突出した端面部222と上側に凹んだ端面部224とが形成されている。これらの係止面218、220は、後述のようにロック機構180をロック状態にした際に、鏡胴側装着部30のガイド溝36の壁面(立壁)36A付近に配置されるようになっている。
かかる構成を有するロック機構180の作用について図14及び図15を用いて説明すると、操作ネジ184のツマミ200を所定方向に回転させると、ナット収容部192に保持されたナット186と操作ネジ184のネジ部202との作用により操作ネジ184が外側又は内側(図中上下方向)に移動する。これによって操作ネジ184の先端部203に取り付けられたストッパ190も上下方向に移動する。図9のようにストッパ190を上昇させてストッパ190の端面214、216を、鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面から離間させた状態がロック解除状態である。上記着脱機構により、アクセサリ側装着部114を鏡胴側装着部30に装着する際、又は、取り外す際には、ロック機構180をロック解除状態に設定しておく。
一方、アクセサリ側装着部114を鏡胴側装着部30に装着した場合、即ち、アクセサリ側装着部114の係止爪134の係止突起136が、鏡胴側装着部30の係止溝38に係合した状態の場合に図10のように操作ネジ184を回転させてストッパ190を下降させる。ストッパ190は、上記のように前壁204と後壁206の端面214、216に形成された段差(係止面218、220)を境にして、下側に突出した端面部222と、その端面部222よりも上側に凹んだ端面部224とを有している。ストッパ190を下降させていくと、端面部222が、鏡胴側装着部30における円筒部32のガイド溝36の外側(円筒部32の外周面上)に配置された状態で、端面部222がガイド溝36内の底面に当接する。そして、係止面218、220がガイド溝36の壁面36A付近に配置される。これによりロック機構180は、ロック状態に設定される。図17は、ロック状態におけるストッパ190とガイド溝36との係合状態を示した斜視図である。同図のようにロック状態では、ガイド溝36における前後方向の壁面のうち係止溝38が設けられない方の壁面36Aに、ストッパ190の係止面218、220(図16参照)が係合するように固定され、ストッパ190の係止面218、220がガイド溝36の壁面36Aに当接する方向へのアクセサリ側装着部114の回転が規制される。
この回転方向は、アクセサリ側装着部114の係止爪134の係止突起136を鏡胴側装着部30の係止溝38からガイド溝36へと移動させてワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16から取り外す場合の回転方向であり、ロック機構180がロック状態でなければ、比較的容易に回転する回転方向である。従って、その回転がロック機構180のロック状態によって規制されることにより、レンズ鏡胴16へのワイドコンバータ12の装着が強固に保持され、ワイドコンバータ12の不測の脱落が防止されるようになっている。
また、このときロック機構180のストッパ190を鏡胴側装着部30の円筒部32に押圧することによって装着力を増加させているのではなく、主としてワイドコンバータ12の回転を規制するためであるため、ストッパ190を円筒部32に押し当てる必要はなく、アクセサリ側装着部114の円筒部130の撓み等による精度の悪化なども生じない。また、ストッパ190によってワイドコンバータ12の周方向以外の方向への動きも規制させるため、上記装着機構による装着状態が強化され、周方向以外の方向への振動や衝撃等に対してもワイドコンバータ12の脱落を防止する効果がある。
なお、鏡胴側装着部30の複数の係合部34(ガイド溝36及び係止溝38)と、アクセサリ側装着部114の複数の係止爪134を、周方向に等間隔に設けるようにした場合には、ロック機構180に隣接する係止爪134を所望の位置の係止溝38に係合させることが可能であり、その場合には、ロック機構180が駆動ユニット18(図1参照)の近傍に配置されるような回転位置でワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16に装着すれば、ロック機構180が撮影操作等を阻害しない(操作者が意図せずに接触しない)ようにすることができる。もし、ワイドコンバータ12をレンズ鏡胴16に装着する回転位置が決まっている場合には駆動ユニット18の近傍となる係止爪134の近傍にロック機構180を設ければよい。
また、上記実施の形態では、ロック機構180をロック状態にしたときにストッパ190の一部がガイド溝36の底面に当接するようにしたが、ストッパ全体がガイド溝36の底面に当接するような構造であってもよい。
また、上記実施の形態では、ロック機構180をワイドコンバータに設けた場合を示したが、すべての種類の前面アクセサリに設けてもよい。ただし、コストアップ等の問題があるため、重量の軽いレンズフード等のような前面アクセサリにはロック機構を設けず、ワイドコンバータ、テレコンバータ、レシオコンバータのように重量の重い前面アクセサリにのみロック機構を設けると好適である。
〔着脱機構における衝撃分散構造の説明〕
次に、上述した着脱機構に設けられる衝撃分散構造について説明する。
本例に示すワイドコンバータ12のように、金属製のレンズ枠100と樹脂製の円筒部32とからなる2ピース構造を有する前面アクセサリでは、レンズフードなどの前面アクセサリと比較して重量が大きく、円筒部32を構成する樹脂は金属に比べて剛性及び寸法精度が低い。このため、上記の着脱機構のみでレンズ鏡胴16に装着した場合には、ワイドコンバータ12の着脱機構に径方向の外力が加えられると、当該外力による衝撃が分散されずに、アクセサリ側装着部114の円筒部32が変形してしまい、ワイドコンバータ12とレンズ鏡胴16との間にガタが発生しやすく、ワイドコンバータ12とレンズ鏡胴16との光軸に位置ずれが生じ、フォーカス精度の低下を招いてしまう。最悪の場合には、レンズ鏡胴16から脱落してワイドコンバータ12を破損してしまう恐れがある。
そこで本実施形態では、ワイドコンバータ12の着脱機構に加えられた衝撃を分散させるための構造(衝撃分散構造)が設けられている。
具体的には、図3、4に示すように、金属製のレンズ枠100の内周面における後端部(鏡胴側装着部30の円筒部32とのオーバーラップ領域に対応する位置)に周方向全体にわたって内側に突出する円環状の突出部129が設けられている。この突出部129は衝撃吸収構造の構成要素であり、アクセサリ側装着部114の円筒部32の内周面よりも内側に僅かに突出して形成される。
突出部129は、レンズ枠100と一体的に形成された金属部材で構成されており、外力Fが加えられていない場合には、突出部129の先端面と鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面との間に僅かなクリアランスが高精度に設けられている。なお、前記クリアランスは、アクセサリ側装着部114の円筒部32の内周面と鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面とのクリアランスより狭くなっている。
かかる構成により、径方向の外力が加えられると、鏡胴側装着部30の円筒部32の外周面にレンズ枠100の後端部に形成される突出部129が当接する。これにより、アクセサリ側装着部114の円筒部32の変形が防止されるとともに、外力による衝撃が突出部129を通じてレンズ鏡胴16に分散され、突出部129が設けられない場合に比べて前面アクセサリとレンズ鏡胴16との間に発生するガタが抑えられ、前面アクセサリとレンズ鏡胴16との光軸の位置ずれを防止することができる。その結果、前面アクセサリの脱落も防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、レンズ枠100の内周面の周方向全体にわたって突出部129が形成される態様が好ましく採用されるが、これに限らず、複数の突出部129が周方向に沿って所定間隔をあけて等間隔に形成されていてもよい。
本例では、本発明の一態様として光学アクセサリ(ワイドコンバータ)を例示したが、本発明は光学アクセサリに限定されず、複数の固定レンズを具備し、該複数の固定レンズの間に間隔環が設けられる構造を有するレンズ装置に広く適用することができる。
また、本例では、3つのレンズを備えたワイドコンバータを例示したが、2つのレンズの光軸方向の間隔を決めるための間隔環を少なくとも1つ備えるレンズ装置や光学アクセサリに広く適用することが可能である。さらに、本発明の適用範囲は前面アクセサリ(フロントコンバータ)に限定されず、撮影レンズの後側(撮影レンズとカメラの間や、撮影レンズと撮影レンズとの間)に取り付けられるリアコンバータ等の光学アクセサリにも適用可能である。
〔付記〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):複数のレンズが光軸方向に並ぶように固定される内部構造を有するレンズ枠と、前記レンズ枠に固定される第1のレンズと、前記レンズ枠に固定される第2のレンズと、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるために前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられる間隔環と、を備え、 前記間隔環は、前記第1のレンズを支持する第1の面の前記レンズ枠に支持される位置に傾斜部が設けられるとともに、前記第2のレンズを支持する第2の面が前記レンズ枠の前記第1の面を支持する位置の形状と異なる形状を有し、前記レンズ枠は、前記間隔環の第1の面を支持する位置に前記第1の面の傾斜部に対応する形状が設けられることを特徴とするレンズ装置。
本発明によれば、第1のレンズと第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるための間隔環の第1のレンズを支持する第1の面に傾斜面が設けられるとともに、レンズ枠の間隔環の第1の面と当接する位置に該第1の面に設けられる傾斜面に対応する傾斜形状が設けられるので、間隔環を反対向きに挿入すると第1のレンズが固定されず、間隔環が反対向きに挿入されたことが認識される。
また、間隔環を反対向きでレンズ枠に取り付けたときには、レンズ枠と間隔環がはめ合わされないので、間隔環が反対向きに取り付けられたことを容易に発見することが可能となる。
第2の面は、特別な加工が施されない略垂直面とする態様がある。
(発明2):発明1に記載のレンズ装置において、前記レンズ枠の前記間隔環の第1の面を支持する位置の形状は、前記第1の面の傾斜部と嵌合する傾斜形状であることを特徴とする。
かかる態様によれば、間隔環を所定の向きでレンズ枠に取り付けたときには、レンズ枠の傾斜形状と間隔環の傾斜部がはめ合わされて、間隔環はレンズ枠内の所定位置に固定される。
間隔環の傾斜部は、面取り加工により形成される態様が好ましい。
また、前記間隔環の第1の面における傾斜面の光軸方向の長さは、第1のレンズの光軸方向の最小厚み以上である態様が好ましい。
かかる態様によれば、間隔環を反対向きでレンズ枠に取り付けたときには、レンズ枠から第1のレンズが落下するので、間隔環が反対向きに取り付けられたことをより容易に発見することが可能である。
また、前記第2のレンズの間隔環により支持される面の反対側面を支持する押え環を備え、前記レンズ枠は、前記押え環を固定する固定部を具備するとともに、前記間隔環を所定の向きに取り付けたときに前記固定部よりも前記押え環が引っ込む構造を有する態様が好ましい。
かかる態様によれば、第2のレンズを取り付けた後に第2のレンズを支持する押え環を取り付けた際に、間隔環が所定の向きに取り付けられたことを確認することができる。
かかる態様において、間隔環が反対向きに取り付けられたときに押え環が該押え環の固定部よりも出張るようにレンズ枠を構成する態様が好ましい。
(発明3):複数のレンズが光軸方向に並ぶように固定される内部構造を有するとともに、レンズ装置に取り付けるための取付部を具備するレンズ枠と、前記レンズ枠に固定される第1のレンズと、前記レンズ枠に固定される第2のレンズと、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるために前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられる間隔環と、を備え、前記間隔環は、前記第1のレンズを支持する第1の面の前記レンズ枠に支持される位置に傾斜部が設けられるとともに、前記第2のレンズを支持する第2の面が前記レンズ枠の前記第1の面を支持する位置の形状と異なる形状を有し、前記レンズ枠は、前記間隔環の第1の面を支持する位置に前記第1の面の傾斜部に対応する形状が設けられることを特徴とする光学アクセサリ。
本発明に係る光学アクセサリには、撮影レンズの被写体側(前側)に取り付けられるフロントコンバータ(フロントコンバージョンレンズ)や、撮影レンズの像側(後側)に取り付けられるリアコンバータ(リアコンバージョンレンズ)が含まれる。フロントコンバータの一例として、ワイドコンバータやテレコンバータ、レシオコンバータなどが挙げられる。
10…撮影レンズ、12…ワイドコンバータ、100…レンズ枠、102…第1のレンズ、104…間隔環、106…第2のレンズ、114…アクセサリ側装着部

Claims (3)

  1. 複数のレンズが光軸方向に並ぶように固定される内部構造を有するレンズ枠と、
    前記レンズ枠に固定される第1のレンズと、
    前記レンズ枠に固定される第2のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるために前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられる間隔環と、
    を備え、
    前記間隔環は、前記第1のレンズを支持する第1の面の前記レンズ枠に支持される位置に傾斜部が設けられるとともに、前記第2のレンズを支持する第2の面が前記レンズ枠の前記第1の面を支持する位置の形状と異なる形状を有し、
    前記レンズ枠は、前記間隔環の第1の面を支持する位置に前記第1の面の傾斜部に対応する形状が設けられることを特徴とするレンズ装置。
  2. 請求項1に記載のレンズ装置において、
    前記レンズ枠の前記間隔環の第1の面を支持する位置の形状は、前記第1の面の傾斜部と嵌合する傾斜形状であることを特徴とするレンズ装置。
  3. 複数のレンズが光軸方向に並ぶように固定される内部構造を有するとともに、レンズ装置に取り付けるための取付部を具備するレンズ枠と、
    前記レンズ枠に固定される第1のレンズと、
    前記レンズ枠に固定される第2のレンズと、
    前記第1のレンズと前記第2のレンズとの光軸方向における間隔を決めるために前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間に設けられる間隔環と、
    を備え、
    前記間隔環は、前記第1のレンズを支持する第1の面の前記レンズ枠に支持される位置に傾斜部が設けられるとともに、前記第2のレンズを支持する第2の面が前記レンズ枠の前記第1の面を支持する位置の形状と異なる形状を有し、
    前記レンズ枠は、前記間隔環の第1の面を支持する位置に前記第1の面の傾斜部に対応する形状が設けられることを特徴とする光学アクセサリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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