JP2011219504A - 回路基板用熱硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による熱硬化性組成物は、(A)ビスマレイミド化合物と、(B)芳香族ジアミン化合物と、(C)フェノール系化合物とを含んでなることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(1)(A)ビスマレイミド化合物と、(B)芳香族ジアミン化合物と、(C)フェノール系化合物とを含んでなる、熱硬化性組成物。
(2)その(C)フェノール系化合物が、少なくとも一つの疎水性基を有する、(1)に記載の熱硬化性組成物。
(3)その疎水性基が、炭素数4〜10の置換若しくは無置換の炭化水素基である、(2)に記載の熱硬化性組成物。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の熱硬化性組成物を基材に含浸させてなる、プリプレグ。
(5)(4)に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる、積層板。
(6)少なくとも2枚のそのプリプレグが積層されたプリプレグ積層体からなる、(5)に記載の積層板。
(7)(1)から(3)のいずれかに記載の熱硬化性熱硬化性組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる、樹脂シート。
(8)(4)に記載のプリプレグ、(5)若しくは(6)に記載の積層板、又は(7)に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
(9)(8)に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
本発明による熱硬化性組成物は(A)ビスマレイミド化合物と、(B)芳香族ジアミン化合物と、(C)フェノール系化合物とを含んでなり、それらを含むことによって、硬化物の低熱膨張率を達成でき、耐熱性及び導体回路との密着性に優れる。
本発明による熱硬化性組成物に含有される(A)ビスマレイミド化合物は、分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有する化合物である。ビスマレイミド化合物のマレイミド基は、5員環の平面構造を有し、マレイミド基の二重結合が分子間で相互作用しやすく極性が高いため、マレイミド基、ベンゼン環、その他の平面構造を有する化合物等と強い分子間相互作用を示し、分子運動を抑制することができる。そのため、本発明による熱硬化性組成物は、硬化物の熱膨張率を下げることが可能となり、さらに、耐熱性に優れることとなる。
本発明による熱硬化性組成物に含有される(B)芳香族ジアミン化合物は、分子内に少なくとも2つ以上のアミノ基を有し、かつ、芳香族環構造を有する化合物である。(A)ビスマレイミド化合物と(B)芳香族ジアミン化合物とを反応させることにより、本発明による熱硬化性組成物は、硬化物の熱膨張率を更に下げることが可能となり、また、耐熱性を更に向上させることが可能となる。
本発明による熱硬化性組成物に含有される(C)フェノール系化合物は、少なくとも一つのフェノール性水酸基を有する化合物であり、(A)ビスマレイミド化合物と(B)芳香族ジアミン化合物の反応を促進させることができる。
そうすると(B)芳香族ジアミン化合物の窒素原子が(A)ビスマレイミド化合物のC−C二重結合を求核攻撃しやすくなりなることから、硬化反応を促進させることができると推定される。したがって、(C)フェノール系化合物存在下において、(A)ビスマレイミド化合物と(B)芳香族ジアミン化合物とは低温でも反応をすることができるため、従来のものと比較して本発明の熱硬化性組成物の硬化物の熱膨張率をさらに下げることが可能となり、また耐熱性を更に向上させることが可能となる。
本発明によるプリプレグは、本発明の熱硬化性組成物を基材に含浸させてなるものである。本発明によるプリプレグは、耐熱性等の特性に優れる。
本発明による積層板は、本発明のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなるものか、又は少なくとも2枚の本発明のプリプレグが積層されたプリプレグ積層体の少なくとも片面上に金属層を配置してなるものである。本発明の積層体は、誘電率及び誘電正接が低く、耐熱性及びと密着性に優れる。
本発明による樹脂シートは、本発明の熱硬化性熱硬化性組成物を支持フィルム及び/又は金属箔上に配置してなるものである。本発明の熱硬化性組成物を用いた樹脂シートは、樹脂ワニスからなる絶縁層を支持フィルム、又は金属箔上に形成することにより得られる。
本発明によるプリント配線板は、本発明のプリプレグ、本発明の積層板又は本発明の樹脂シートから形成されるものである。
本発明による半導体装置は、本発明のプリント配線板に半導体素子を搭載してなるものである。
(1)樹脂ワニスの調製
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン(ケイアイ化成製BMI−80、二重結合当量285)を82.3質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(アミン当量49.5)を14.3質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興化学製ノクラックNS−30)を3.4質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部にN−メチルピロリドンを加え不揮発分65%となるように調整し、樹脂ワニスを得た。
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100質量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80質量部含浸させて、190℃の乾燥炉で7分間乾燥させ、樹脂含有量44.4質量%のプリプレグを作製した。
上記プリプレグを2枚重ね、上下に厚さ18μmの電解銅箔(日本電解製YGP−18)を重ねて、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。
前記で得られた樹脂ワニスを、剥離可能なキャリア箔層と0.5〜5.0μmの厚みの電解銅箔層とを張り合わせた銅箔(三井金属鉱山社製、マイクロシンEx−3、キャリア箔層:銅箔(18μm)、電解銅箔層(3μm))の電解銅箔層に、コンマコーターを用いて乾燥後の樹脂層が40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを製造した。
前記で得られた積層板に、0.1mmのドリルビットを用いてスルーホール加工を行った後、メッキによりスルーホールを充填した。さらに、両面をエッチングにより回路形成し、内層回路基板として用いた。前記内層回路基板の表裏に、前記で得られたプリプレグを重ね合わせ、これを、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。これを、熱風乾燥装置にて170℃で60分間加熱し硬化させて、積層体を得た。
最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を厚さ20μm形成しプリント配線板を得た。
プリント配線板は、前記で得られたプリント配線板であって、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを83.5質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを13.0質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.5質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを81.1質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを15.5質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.4質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを84.6質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.4質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を1.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを81.8質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.2質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を4.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを82.6質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.3質量部、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興製ノクラックNS−6)を3.1質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを83.5質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.5質量部、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(川口化学製アンテージDBH)を2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを81.8質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.2質量部、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(大内新興製ノクラック200)を4.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを82.4質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.3質量部、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新興製ノクラック300)を3.3質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを85.2質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.8質量部、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバガイギー製IRGANOX1035)を3.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(ケイアイ化成製BMI−70、二重結合当量221)を78.5質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを17.5質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を4.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを77.6質量部、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5‘−ジメチルジフェニルメタン(イハラケミカル製キュアハードMED アミン当量70.5)を19.2質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.2質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを79.1質量部、3,3’−ジエチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(日本化薬製カヤハードA−A アミン当量63.5)を17.6質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.3質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを79.4質量部、4,4−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン製4,4‘−DAS アミン当量62)を17.3質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.3質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを74.4質量部、4,4−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン(三井化学ファイン製BISANILINE−P アミン当量86)を22.5質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.1質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを71.3質量部、2,2‘−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製BAPP アミン当量103)を25.7質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを84.4質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを13.7質量部、4,4’−イソプロピリデンビスフェノールを1.9質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを84.3質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを13.7質量部、4,4’−チオビスフェノールを2.0質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを84.2質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを13.7質量部、2,4,6−トリメチルフェノールを2.1質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを85.2質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを14.8質量部、水酸化アルミニウムを150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを89.3質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを10.7質量部、水酸化アルミニウムを150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを79.7質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを20.3質量部、水酸化アルミニウムを150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンを80.1質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを19.9質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC製エピクロンN−690、エポキシ当量220)を70.5質量部、4,4‘−ジアミノジフェニルメタンを25.7質量部、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を3.8質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工製HP−360)を150質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
(1)ゲルタイム
JIS C6521に準拠して、固形質量が0.15gとなる量のワニスを170℃に加熱したキュアプレート上に載せ、ストップウォッチで計時を開始する。棒の先端にて試料を均一に攪拌し、糸状に試料が切れてプレートに残るようになった時、ストップウォッチを止める。この試料が切れてプレートに残るようになるまでの時間をゲルタイムとした。
前記実施例、及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、6mm×25mmの試験片を作製し、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
前記実施例、及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から5mm×20mmの試験片を作製し、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて5℃/分の条件で、面方向(X方向)の線膨張係数を測定した。
得られた積層板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、エッチングにより銅箔を1/4だけ残した試料を作製し、JIS C 6481に準拠して評価した。評価は、121℃、100%、2時間、PCT吸湿処理を行った後に、260℃及び288℃の半田槽に30秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
評価基準:異常なし
:フクレあり(全体的にフクレの箇所がある)
:微小フクレ(ガラスクロスの上にできる小さなフクレ、初期段階)
前記実施例、及び比較例で得られた厚さ0.4mmの両面銅張積層板から100mm×20mmの試験片を作製し、23℃におけるピール強度を測定した。
尚、ピール強度測定は、JIS C 6481に準拠して行った。
表1から明らかなように、実施例1〜19は、本発明の熱硬化性組成物を用いた積層板であり、ガラス転移温度も高く、熱膨張係数も低い値であり、半田耐熱性も問題なく、密着性に優れていた。さらに、ゲルタイムが短いことから、生産性に優れるものであった。
Claims (9)
- (A)ビスマレイミド化合物と、(B)芳香族ジアミン化合物と、(C)フェノール系化合物とを含んでなる、熱硬化性組成物。
- 前記(C)フェノール系化合物が、少なくとも一つの疎水性基を有する、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
- 前記疎水性基が、炭素数4〜10の置換若しくは無置換の炭化水素基である、請求項2に記載の熱硬化性組成物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を基材に含浸させてなる、プリプレグ。
- 請求項4に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属箔を配置してなる、積層板。
- 少なくとも2枚の前記プリプレグが積層されたプリプレグ積層体からなる、請求項5に記載の積層板。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性熱硬化性組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる、樹脂シート。
- 請求項4に記載のプリプレグ、請求項5若しくは請求項6に記載の積層板、又は請求項7に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
- 請求項8に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
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