JP2011217673A - 牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置 - Google Patents

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Masato Nagai
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Abstract

【課題】本発明の目的は、昇降調節とともに傾動動作するいわゆる2Pリンク式のヒッチに装着された対地作業機について、その耕耘作業部の昇降誤差を抑えて所要の耕深を確保することができる牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置を提供する。
【解決手段】牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置は、傾動制御可能なリフトアーム2によって後部ヒッチ3を一体に支持し、この後部ヒッチ3に検出橇13を圃場面に追従可能に軸支し、その傾動角度と対応する圃場面からの高さに基づいて、上記後部ヒッチ3からその後方に延出して一体装着した作業機フレーム4aを昇降作動制御することにより、同作業機フレーム4aに支持される耕耘作業部6を耕深設定具24によって設定した目標の耕深Dに調節するように構成され、上記検出橇13の圃場面に対する角度dと対応する耕耘作業部6の高さを作業機フレーム4aの昇降角度値Δによって補正するものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、傾動制御可能なリフトアームによって一体に支持された後部ヒッチの昇降制御により、この後部ヒッチに一体的に装着した中耕除草機等の対地作業機を目標の耕耘深さに保持する牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置に関するものである。
特許文献1の牽引作業車両は、昇降動作可能に構成した後部ヒッチに中耕除草機を一体に装着し、後部ヒッチを昇降調節することによって中耕培土ディスクの耕耘深さ(以下、耕深という。)の量を調節することができ、中耕除草機を含む対地作業機について目標の耕深で耕耘作業部による対地作業を行うことができる。
この場合において、中耕培土ディスク等の耕耘作業部による対地作業の際に、圃場面より下方の土壌中に下降した耕耘作業部の侵入深さを直接的に検出することが困難なことから、対地作業機が目標の作業高さになるように後部ヒッチを昇降調節するためには、試行錯誤による煩雑な調節操作を要するという問題があり、その解決のために、耕耘作業部の昇降動作と近似して昇降動作する後部ヒッチの下降量を検出するデプスセンサを設け、このデプスセンサによる後部ヒッチ高さを目安にして耕耘作業部を昇降制御することができる。
実開昭62−116601号公報
しかしながら、上記デプスセンサで後部ヒッチの下降量を検出しても、それが対地作業機の耕耘作業部の下降量と一致するとは限らず、特に、傾動を伴って昇降動作するいわゆる2Pリンク式のヒッチにあっては、ヒッチの昇降に伴って対地作業機が一体的に傾動することから、耕深検出の誤差を抑えることができないという問題があった。
本発明の目的は、昇降調節とともに傾動動作するいわゆる2Pリンク式のヒッチに装着された対地作業機について、その耕耘作業部の昇降誤差を抑えて所要の耕深を確保することができる牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、走行機体に設けた傾動制御可能なリフトアームによって後部ヒッチを一体に支持し、この後部ヒッチには、圃場面に追従して傾動動作可能に検出橇を軸支し、この検出橇の圃場面に対する角度と対応する圃場面からの高さに基づいて、上記後部ヒッチからその後方に延出して一体装着した作業機フレームを昇降作動制御することにより、同作業機フレームに支持される耕耘作業部を耕深設定具によって設定した目標の耕深に調節する牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置において、上記検出橇の圃場面に対する角度と対応する耕耘作業部の高さを作業機フレームの昇降角度値によって補正することを特徴とする。
上記後部ヒッチは、走行機体に設けた傾動制御可能なリフトアームによって一体に昇降可能に支持され、この後部ヒッチに軸支した検出橇が圃場面に追従して傾動動作することにより、この検出橇の圃場面に対する角度と対応する圃場面からの高さに基づいて、後部ヒッチから後方に延出して一体装着した作業機フレームを上記対地作業機昇降制御装置が昇降作動制御することにより、作業機フレームに支持される耕耘作業部が耕深設定具によって設定した目標の耕深に調節され、この場合において、作業機フレームの昇降角度により検出橇の圃場面に対する検出角度を補正することにより、地表面変化に対する作業機フレームの角度変化による影響が抑えられる。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記検出橇の圃場面に対する角度を検出するデプスセンサと、作業機フレームの昇降角を検出するリフトアームセンサを設け、リフトアームセンサの基準値を設定し、該基準値と前記リフトアームセンサの検出値との差に基づき、前記デプスセンサの検出値の補正を行い、このデプスセンサ補正値と予め設定してあるデプスセンサ基準値との差を耕深とすることを特徴とする。
上記デプスセンサによって検出されるヒッチ高さ変化によって耕深量が算出され、リフトアームセンサによって検出される作業機フレームの昇降角変化によって耕深量を補正することにより、耕深量に対する作業機フレームの角度変化による影響が抑えられる。
請求項3に係る発明は、請求項2の構成において、補正に使用する前記リフトアームセンサの基準値を、所定耕深時のセンサ値と前記耕深設定具の設定値の一方および前記耕耘作業部の耕深が「0」の時のセンサ値により算出する構成とすることを特徴とする。
リフトアームセンサの基準値を決定する際に、耕深が「0」の状態を基準とするとともに、所定耕深時のセンサ値と耕深設定具の設定値のいずれかを反映することにより、リフトアームセンサの基準値が適正化される。
請求項1に係る発明の対地作業機昇降制御装置により、作業機フレームの昇降角度値によって検出橇の圃場面に対する角度を補正して対応する耕耘作業部の高さを算出することにより、地表面変化に対する作業機フレームの角度変化による影響を少なくし、適正な耕深制御を行うことができるので、地表面変化に対する作業機フレームの角度変化によることなく、適正な耕深制御を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1による効果に加え、デプスセンサおよびリフトアームセンサを設けることにより、デプスセンサによって検出されるヒッチ高さ変化によって耕深量が算出され、リフトアームセンサによって検出される作業機フレームの昇降角変化によって耕深量を補正することにより、耕深量に対する作業機フレームの角度変化による影響が抑えられるので、作業機フレームの昇降角変化によることなく、耕深制御の精度向上および圃場条件への適応性向上を図ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2の効果に加え、耕深が「0」の状態のセンサ値を基準とするとともに、所定耕深時のセンサ値と耕深設定具の設定値のいずれかを反映してリフトアームセンサの基準値を決定することにより、リフトアームセンサの基準値を適切な値に設定することができるので、デプスセンサ値の補正を適切に行うことができる。
中耕除草機をトラクタに連結した中耕作業状態の全体側面図 ヒッチ部の拡大側面図 デプスセンサ収納状態の側面図 対地作業機昇降制御装置のシステム構成例 フローチャート例1 対地作業機の昇降動作図 フローチャート例2 フローチャート例2A フローチャート例3 フローチャート例4 フローチャート例4A フローチャート例4B フローチャート例5 モード別ソレノイド電流特性図 耕深別ソレノイド電流規制特性図 フローチャート例6
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の対地作業機昇降制御装置を備えた牽引作業車両に中耕除草機を装着した例について説明する。
図1は、牽引作業状態の全体側面図である。牽引作業車両1には、圃場走行可能に構成した機体の後部でリフトアーム2の傾動によって一体に昇降動作するいわゆる2Pリンク式の後部ヒッチ3と、この後部ヒッチ3に一体的に装着されて昇降調節により対地作業動作する中耕除草機等の耕耘作業用の対地作業機4と、この対地作業機4の耕深を調節するためにリフトアーム2の傾動制御を行う後述の対地作業機昇降制御装置21とから構成される。
中耕除草機による対地作業機4は、作業機フレーム4aに耕耘作業部6として前列ディスク6a、チゼル6b、後列ディスク6cを備え、調節ネジ部7によって後部ヒッチ3に対する装着姿勢を設定した上で、車幅方向に延びるクロスフレーム7aによって並列配置された他の対地作業機4とともに、それぞれの弾発調整部8による反力規制下で所要の耕深Dによって培土中耕を行う。
前記リフトアーム2は、前記作業車両1の構成部材、例えば後車軸ケースに対して支軸12回りに上下に回動自在に設けられ、又、このリフトアーム2にはその傾動角を検出するリフトアームセンサ2aを設け、また、後部ヒッチ3にはその昇降高さを検出するデプスセンサ3aを設け、両センサ2a,3aの信号に基づき、対地作業機4を所要の耕深に保持するべくリフトアーム2を傾動制御可能に対地作業機昇降制御装置を構成する。
リフトアーム2は、図2のヒッチ部の拡大側面図をに示すように、油圧シリンダ11と連結して傾動可能に軸支されたL字状部材であり、その後端部に後部ヒッチ3を一体に構成し、前記支軸12について傾動角を検出するロータリ型ポテンショメータ等によってリフトアームセンサ2aを構成する。
後部ヒッチ3は、対地作業機4の前端部を一体に装着可能に構成するとともに、2つの平行リンクを屈曲状に直列構成した伸縮機構13aを介して圃場面に追従可能にソリ状の接地部材13を設け、平行リンクと連結した傾動アーム13bを軸支し、この傾動アーム13bを介して伸縮機構13aの伸縮による平行リンクの傾斜角変化を検出するロータリ型ポテンショメータ等によってデプスセンサ3aを構成する。また、図3のデプスセンサ収納状態の側面図に示すように、後部ヒッチ3の上昇によって伸縮機構13aを短縮するようにワイヤ14を連結して前記平行リンク及び接地部材13を折畳み可能に構成する。
対地作業機昇降制御装置21は、牽引作業車両1の後部ヒッチ部3の位置において、地表面に追従する接地部材13と対応して傾動動作する傾動アーム13bの変位角をデプスセンサ3aで検出し、その検出値が耕深調整ダイヤル24による目標値と一致するように昇降出力し、デプスセンサ3aと耕深調整ダイヤル値との偏差が感度調整ダイヤルで設定した不感帯以下になれば昇降出力を停止する。
この場合において、耕深調整ダイヤル設定値Dを換算してデプスセンサ値dの目標値としての耕深調整ダイヤル変換値Dnを決め、これを用いてデプスセンサ3aの検出値dと比較することにより、デプスセンサ3aの検出領域に対する耕耘作業部6の深さを整合でき、安定した耕深制御が可能となる。
そのシステム構成例を図4に示すように、リフトアーム2を昇降する電磁油圧制御弁22、表示報知部23を制御する制御部によって構成し、制御条件として、リフトアームセンサ2a、デプスセンサ3a、耕深目標の設定具である耕深調整ダイヤル24、感度調整ダイヤル25等の信号を入力し、牽引作業車両1に対地作業機4としてディスク式中耕除草機を装着して除草作業をする際に、後部ヒッチ3に取付けたデプスセンサ3aで地表面(高さ)を検出し、対地作業機4がダイヤル設定深さになるようにリフトアーム2を昇降制御する。
詳細な制御処理は、図5のフローチャート例1に示すように、まず、耕深調整ダイヤル読込み処理のステップ1(以下において、「S1」の如く略記する。)により目標耕深Dを読込み、次いで耕深調整ダイヤル換算処理(S2)により、耕深調整ダイヤル24から読み込んだ目標値Dを耕耘作業部6であるディスク部位の深さに換算して耕深調整ダイヤル変換値Dnを算出する。この耕深調整ダイヤル変換値Dnは、「D*a+b」の算式により算出する。ただし、a,bは変換係数、Dはダイヤル値、*は積算記号である。この換算処理により、センサ位置と耕耘作業部6の位置が異なることに対応して耕深量を整合させることができる。
なお、耕深調整ダイヤル24の一例を図9に示すが、デプスセンサ3aに基づく耕深制御範囲は「オート」を表示した「浅」から「深」の範囲で任意に設定できる構成とし、「オート」の「深」から更に操作することで「ポジション」表記位置に達する構成としている。この「ポジション」位置では、所謂ポジション制御が行われ、リフトアームセンサ2aの角度がポジションレバー(図示せず)で設定された角度となるよう油圧シリンダ11を伸縮制御する構成である。
次いで、感度調整ダイヤル25およびデプスセンサ3aの各読込処理(S3,S4)によって調整感度k、デプスセンサ値dを読込むことにより、「(Dn−d)の絶対値」の算式により偏差hを算出(S5)し、デプスセンサ値dが耕深調整ダイヤル変換値Dnと一致するように、偏差hが調整感度k以下となるまでの間(S6a)について、デプスセンサ値dと耕深調整ダイヤル変換値Dnを比較して電磁油圧制御弁22を制御して昇降出力を行い(S6b,S7a,S7b)、偏差hが感度調整ダイヤル25で設定した不感帯以下になれば、昇降出力を停止(S7)する。
また、傾動制御可能に設けたリフトアーム2によって一体に後部ヒッチ3を支持することにより、この後部ヒッチ3によって昇降動作可能に一体支持した対地作業機4を目標の耕深に調節する牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置において、上記後部ヒッチ3には、圃場面と対応して追従動作可能に軸支した傾動アーム13bを介して圃場面からの高さを検出するデプスセンサ3aを設け、このデプスセンサ3aによる対地作業機の高さ検出値を作業機フレームの昇降角度変化値Δによって補正する。
すなわち、図6の対地作業機の昇降動作関係図に示すように、傾動アーム13bによって圃場面の高さ変化を検出するデプスセンサ3aを支持する後部ヒッチ3のロワリンクの角度が対地作業機4の耕深Dにより変化することから、角度変化値Δに対応してデプスセンサ値dを補正したデプスセンサ補正値deを用いて昇降制御を行う。
このように、上記制御処理において、デプスセンサ3aの入力値をリフトアームセンサ2aの入力値(リンク角度)で補正することにより、対地作業時の地表面高さ変化によるセンサ値変化に対するリンク角度変化の影響を無くして適正な耕深制御を行うことができる。
詳細には、図7のフローチャート例2に示すように、感度調整ダイヤル25、デプスセンサ3aの読込みに加えてリフトアームセンサ入力値LFの読込みを行い(S11)、「d+K*(LF−LFk)」の算式によりロワリンクの角度変化に対応するデプスセンサ補正値deを算出する(S12)。但し、上記「LF−LFk」は、リフトアームセンサ2aの変化角Δである。Kは補正係数。このデプスセンサ補正値deを用いて上記同様にリフトアーム2の昇降制御を行う。
この場合において、上記デプスセンサ補正値deに代えて、デプスセンサの基準値と補正値との差を耕深量として昇降制御することにより、耕深精度向上および圃場条件への適応性向上が可能となる。詳細には、図8のフローチャート例2Aに示すように、リフトアームセンサの基準値LFkを決めてその値と検出値LFの差でデプスセンサ値の補正を前記同様に行った上で、デプスセンサの基準値dekを決めてその値とデプスセンサ補正値deの差を耕深量desとし(S13)、予め設定している耕深調整ダイヤル変換値Dnとの比較(S14)により昇降制御を行う。
上記デプスセンサ耕深量desは、「dek−de」の算式により、リフトアームセンサ基準値LFkと検出値LFの差Δで補正したデプスセンサ補正値deとデプスセンサ基準値dekとの差から算出()する。このように、リフトアームセンサ2aの基準値LFkを決めてその値と検出値LFの差Δでデプスセンサ値dを補正することにより、耕深制御の精度向上および圃場条件への適応性向上を図ることができる。
上記補正処理においては、デプスセンサ値をリフトアームセンサ入力値により補正する場合に、補正量の最大値を定めることにより、デプスセンサ補正値の変化を抑えることができ、耕深設定値との偏差が大きくなることによる対地作業機の上昇、下降のハンチングを抑えることができる。また、デプスセンサの基準値と補正値の差を耕深量として耕深調整ダイヤル変換値と比較して制御を行うときに、耕深量の最大値を設けることにより、耕深設定値との偏差が大きくなることによる対地作業機の上昇、下降のハンチングを抑えることができる。
上記基準値の設定については、リフトアームセンサ2aの基準値を決めてその値と検出値の差でデプスセンサ3aの補正を行うときに、コントローラへの電源供給後に耕深調整ダイヤル24が手動昇降操作用の「ポジション」以外の位置で、かつ、コントロールレバー26がフリーフロー値以下になったときの最初のリフトアームセンサ2aの値を基準値LFkとする。このように、自動的にリフトアームセンサ2aの値を基準とすることでデプスセンサ値dの補正を適切に行うことができる。
詳細には、図9のフローチャート例3に示すように、耕深調整ダイヤル24がオート(耕深制御)になっている状態(S21,S22)でコントロールレバー26の状態を検出し(「オート」による自動耕深制御時は基本的にはレバー下げで使用する)、一定値以下になった時点(S23,S24)でリフトアームセンサを読込み(S25)、基準値として設定する(S26)。なお、前記のように耕深調整ダイヤル24を構成するから、S22のリフトアーム2角度を一定角度に制御する「ポジション」は、「オート(耕深制御)」とは区別して選定できる。
この場合において、リフトアームセンサ基準値LFkは、コントロールレバー26がフリーフロー値以下で耕深調整ダイヤル24が「ポジション」から「オート」の位置に切替え時のリフトアームセンサ入力値を用いることにより、適切なリフトアームセンサ基準値LFkが確保されてデプスセンサ値dの補正を適切に行うことができる。
詳細には、図10のフローチャート例4に示すように、耕深制御開始時にコントロールレバー26の位置判定により一定の下げ位置になり(S31,S32)、かつ耕深調整ダイヤル24が「ポジション」でなく「オート」の位置にあるという条件が整うと(S33〜S36)、リフトアームセンサ2aの値を基準値LFkとして設定する。
また、リフトアームセンサ基準値LFkの決定については、耕深が0のときの値と制御に使用するセンサ値領域の両方の値から決定することにより、適切なリフトアームセンサ基準値LFkが確保されてデプスセンサ値dの補正を適切に行うことができる。
詳細には、図11のフローチャート例4Aに示すように、耕深調整ダイヤル24が最浅設定(S71〜S73)でコントロールレバー26が一定値以下(S74、S75)になったらリフトアームセンサ2aの値を検出(S76)し、その値と予め設定している耕深制御に使用するリフトアームセンサ2aの変化域とからリフトアームセンサ基準値LFkを「LF0―k*LFA」の算式により決定する(S77、S78)。ただし、LF0は耕深0の時のリフトアームセンサ値、LFAはリフトアームセンサ変化値、kは係数である。
また、別法によるリフトアームセンサ基準値LFkの決定については、耕深が0のときの値と耕深目標値の両方の値から決定することにより、適切なリフトアームセンサ基準値LFkが確保されてデプスセンサ値dの補正を適切に行うことができる。
詳細には、前記同様に耕深調整ダイヤル24が最浅設定でコントロールレバー26が一定値以下になったらリフトアームセンサ2aの値LF0を検出した上で、図12のフローチャート例4Bに示すように、その後に読込んだ耕深調整ダイヤル値D(S81、S82)から算出した耕深調整ダイヤル変換値Dn(S83)とからリフトアームセンサ基準値LFkを「LF0―c*Dn」の算式により決定する(S84)。ただし、LF0は耕深0時のリフトアームセンサ値、Dnは耕深調整ダイヤル変換値、cは変換係数である。
次に、デプスセンサ補正の基準値は、走行開始時のリフトアームセンサ値を用いることにより、以降の耕深制御の適切な補正が可能となる。すなわち、耕深制御状態において車速パルスを読込んで走行開始かどうかの判定を行い、走行開始と判定したときにリフトアームセンサを読込んでその値を基準値として設定し、デプスセンサ耕深量desを「dek―(d+K*(LFk−LF))」の算式によって算出する。ただし、dekは耕深0のときのデプスセンサ基準値、dはデプスセンサ入力値、LFkはリフトアームセンサ基準値、LFはリフトアームセンサ入力値、Kは補正係数である。
この場合において、走行開始時に車速パルスが検出できないときは、予め設定している値をリフトアームセンサの基準値としてデプスセンサの補正を行うことにより、車速センサ異常に対応してデプスセンサの補正を行うことができるので、適切な耕深制御が可能となる。
詳細には、図13のフローチャート例5に示すように、走行開始時に車速パルスの読込みを行い、一定時間を経過しても車速パルスが検出できない場合(S41〜S44)は、予め設定している基準値データをメモリから読出し、その値をリフトアームセンサ値の基準値として設定(S45,S46)する。
また、走行開始の検出まではリフトアームセンサ値によるデプスセンサの補正を行わず、そのまま走行開始することにより、デプスセンサの基準値を適切化することが可能となる。すなわち、耕深制御において走行開始していないときは、補正項なしにデプスセンサ耕深量desを算出し、走行開始してから補正項を用いて算出する。
昇降シリンダの油圧制御は、デプス(耕深)制御時とポジション制御時を区別してソレノイド電流を制御することにより、自動昇降と手動昇降のそれぞれに適応した昇降速度を実現することができる。例えば、図14のモード別ソレノイド電流特性図に示すように、耕深調整ダイヤル24とデプスセンサ3aの値の偏差を算出し、その値に基づいて駆動する電流データを変更するときに、予めメモリ内に保存している耕深制御用のデータにより電流値を決定する。
また、上記ソレノイド電流は、耕深目標値に応じて補正することにより、浅い耕深について上昇速度を遅くするようにして地面から対地作業機の浮上がりを防止することができる。例えば、図15の耕深別ソレノイド電流規制特性図に示すように、耕深調整ダイヤル24の指示が浅いときは、電流値を小さくして変化速度を抑えるように油圧制御を行う。
次に、デプスセンサ3aによる自動耕深制御の適用範囲ついて説明する。対地作業機4の上昇中にデプスセンサ3aの接地部材13が圃場面から離れた後にデプスセンサ値dが減少し始めた時は、自動耕深制御を中止するように制御処理を構成することにより、自動耕深制御の継続による誤動作を防止することができる。
詳細には、自動耕深制御と手動昇降制御のミックス制御中において、対地作業機4の上昇中に接地部材13が圃場面から離れてフリー状態となることによりデプスセンサ値dが最大値となり、その後にデプスセンサ値dが減少し始めた時点でデプスセンサ3aの折り畳みのためのリンク機構の収納状態と判断して自動耕深制御を停止し、手動昇降によるポジション制御に移行する。
また、対地作業機4の下降中にデプスセンサ値dが増加し、最大値になったら自動耕深制御に切換えるように制御処理を構成することにより、適切な位置で自動的に制御の切換えを行うことができる。詳細には、図16のフローチャート例に示すように、耕深調整ダイヤル24の位置が「オート」のままでコントロールレバー操作によるポジション制御により対地作業機4を上昇させて再び下降させる場合は、、下降中におけるデプスセンサ値dが最大値になった時点で自動耕深制御の追加によるミックス制御に移行(S51〜S55)する。
自動耕深制御は、デプスセンサdが変化し始めるときのリフトアームセンサ2aになったときに中止することにより、自動耕深制御の継続による誤動作を防止することができる。詳細には、自動耕深制御中にリフトアームセンサの値を検出し、予め設定している値以上になったときは、自動耕深制御を中止して手動昇降によるポジション制御に移行する。自動耕深制御を中止するリフトアームセンサの値はデプスセンサ値が変化し始めるリフトアームセンサ値により決定する。
上述の補正係数は、各種の対地作業機4についてそれぞれの補正係数を使用することにより、装着する作業機に適合したセンサーの補正が可能となり、例えば、作業機判定手段による機種判定と対応して補正係数を選択適用するように制御処理を構成することにより、作業性能を向上することができる。
1 牽引作業車両
2 リフトアーム
2a リフトアームセンサ
3 後部ヒッチ
3a デプスセンサ
4 対地作業機
4a 作業機フレーム
6 耕耘作業部
11 油圧シリンダ
12 支軸
13 検出橇(接地部材)
13b 傾動アーム
21 対地作業機昇降制御装置
22 電磁油圧制御弁
24 耕深調整ダイヤル(耕深設定具)
26 コントロールレバー
d デプスセンサ値
D 耕深調整ダイヤル設定値(目標耕深)
de デプスセンサ補正値
dek デプスセンサ基準値
des デプスセンサ耕深量
Dn 耕深調整ダイヤル変換値
h 偏差
LF リフトアームセンサ入力値
LF0 耕深0時リフトアームセンサ値
LFA リフトアームセンサ変化値
LFk リフトアームセンサ基準値
Δ 昇降角度値(変化角)

Claims (3)

  1. 走行機体に設けた傾動制御可能なリフトアーム(2)によって後部ヒッチ(3)を一体に支持し、この後部ヒッチ(3)には、圃場面に追従して傾動動作可能に検出橇(13)を軸支し、この検出橇(13)の圃場面に対する角度と対応する圃場面からの高さに基づいて、上記後部ヒッチ(3)からその後方に延出して一体装着した作業機フレーム(4a)を昇降作動制御することにより、同作業機フレーム(4a)に支持される耕耘作業部(6)を耕深設定具(24)によって設定した目標の耕深(D)に調節する牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置において、
    上記検出橇(13)の圃場面に対する角度(d)と対応する耕耘作業部(6)の高さを作業機フレーム(4a)の昇降角度値(Δ)によって補正することを特徴とする牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置。
  2. 前記検出橇(13)の圃場面に対する角度(d)を検出するデプスセンサ(3a)と、作業機フレーム(4a)の昇降角(LF)を検出するリフトアームセンサ(2a)を設け、リフトアームセンサ(2a)の基準値(LFK)を設定し、該基準値(LFK)と前記リフトアームセンサ(2a)の検出値(LF)との差(Δ)に基づき、前記デプスセンサ(3a)の検出値(d)を補正した補正値(de)を算出し、このデプスセンサ補正値(de)と予め設定してあるデプスセンサ基準値(dek)との差を耕深(des)とすることを特徴とする請求項1記載の牽引作業車両の対地作業機の検出装置。
  3. 補正に使用する前記リフトアームセンサ(3a)の基準値(LFK)を、所定耕深時のセンサ値(LFA)と前記耕深設定具(24)の設定値(Dn)の一方および前記耕耘作業部(6)の耕深が「0」の時のセンサ値(LF0)により算出する構成とすることを特徴とする請求項2記載の牽引作業車両の対地作業機昇降制御装置。
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