JP2011214298A - 透過型砂防堰堤 - Google Patents

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Abstract

【課題】堤高が高い大規模な砂防堰堤に適用可能な鋼製の透過型堰堤を提供する。
【解決手段】金属製材料からなる複数の柱状部材5,6を互いに縦横方向に交差されてなる金属製砂防堰堤本体部2と、土砂流等による外力が金属製砂防堰堤本体部2に付加された場合に、金属製砂防堰堤1の支持用基礎部4とを有してなる透過型砂防堰堤であって、前記金属製砂防堰堤本体部2は、上下に分離された上部堰堤本体部2aと下部堰堤本体部2bとで構成されると共に、前記支持用基礎部4は、前記上部堰堤本体部2aを支持する両側の袖部4a,4aと、前記下部堰堤本体部2bを支持する底部4bとを有し、前記上部堰堤本体部2aを構成する複数の柱状部材5,6のうち、両端の柱状部材5a,5aが前記袖部4a,4aで固定支持される一方、前記下部堰堤本体部2bを構成する柱状部材5,6のうち、縦方向の柱状部材5の下端部5bが前記底部4bに固定支持されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、土石流危険渓流において、土砂調整機能を保持しながら、土石流の発生時に
礫や流木を捕捉する透過型砂防堰堤に関し、特に堤高が30mを越える様な大型の透過型砂防堰堤に関するものである。
格子型堰堤をはじめ、従来例に係る透過型砂防堰堤には土石流対策工として数多くの実績がある。これらの堰堤は、平常時には土砂を下流に供給する一方、土石流発生時には礫や流木を捕捉し、下流での災害を防止する。これは、土石流が発生したとき、その先頭部には巨礫が集まり、絡み合いながら流下して来る性質を利用したものである。
格子型堰堤をはじめとする一般的な鋼製透過型堰堤は、鋼管によって形成された立体格子形状をしており、土石流や土圧による荷重を鋼管部が受け止め、多数の柱で地盤に力を分散させる構造となっている。一方、2007年に土石流対策技術指針が改定されるまでは、鋼製透過型堰堤の堤高は15m未満に事実上制限されていた。
この様な透過型堰堤に係る従来例につき、以下添付図10を参照しながら説明する。図10は、従来例の透過型砂防堰堤に係り、図(a)はその側面図、図(b)は河川下流側からみたその正面図である。
前記従来例に係る透過型堰堤は、河床25に配置する立体状のフレーム21を、縦棒状部材22と横棒状部材23を河川の横断方向、縦断方向に格子状に架設して、河川の縦断方向に沿う河川上流側を下流側より高くし、その最上流側の川床25から横棒状部材23までの高さを巨礫の直径の2〜3倍にすると共に、その高さより上側の横棒状部材23間隔を巨礫の直径以下にするものである(特許文献1参照)。
その結果、後続流によって、巨礫の直径の2〜3倍より上で捕捉された巨礫群の絡みが破壊されることがなくなるので、巨礫群の絡みの破壊に起因する捕捉された礫や土砂が再流出しなくなる。しかしながら、前記従来例に係る透過型堰堤の構造では、改訂後の土石流対策技術指針に対応して、堤高15m以上の堰堤にも適用可能と考えられるが、構造上、堤高30m級の大規模な堰堤には強度的に耐え得ない。
次に、ロープを利用した他の従来例に係る透過型堰堤につき、以下添付図11を参照しながら説明する。図11は、他の従来例に係り、土石流防護ネットの実施例の正面図である。
他の従来例に係るこの土石流防護ネット31は、河川の流れを遮るように張設した主索32の端部を両岸の側壁にアンカーし、左右に間隔をおいて複数の縦ロープ36を配し、各縦ロープ36の上端部を主索32に連結すると共に下端部を川床aにアンカーし、主索32の下方には、上下に間隔をおいて複数の横ロープ37を張設すると共に、それら横ロープ37の端部を両岸の側壁bにアンカーし、それら横ロープ37と縦ロープ36の交差部を結合してネット状にしたものである(特許文献2参照)。
この様な構造による土石流防護ネット31によれば、当該ネット31の強度上の限界から、改訂後の土石流対策技術指針に対応して、堤高15m以上の堰堤に適用することは難しい。
特開平7−82725号公報 特開2009−299321号公報
本発明は、上記背景技術に説明した様な諸問題点を解消するためになしたものであって、その目的は、堤高が高い大規模な砂防堰堤に適用可能な鋼製の透過型堰堤を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明は、以下の構成を備える透過型砂防堰堤からなる。即ち、本発明の請求項1に係る透過型砂防堰堤が採用した手段は、金属製材料からなる複数の柱状部材を互いに縦横方向に交差されてなる金属製砂防堰堤本体部と、土砂流等による外力がこの金属製砂防堰堤本体部に付加された場合に、当該外力を受け止めるための金属製砂防堰堤の支持用基礎部とを有してなる透過型砂防堰堤である。
同時に、前記金属製砂防堰堤本体部は、上下に二つに分離された上部堰堤本体部と下部堰堤本体部とで構成されると共に、前記支持用基礎部は、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と、前記下部堰堤本体部を支持する底部とを有し、前記上部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも両端の縦方向の柱状部材が前記袖部で固定支持される一方、前記下部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも縦方向の柱状部材の下端部が前記底部に固定支持されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る透過型砂防堰堤が採用した手段は、請求項1に記載の透過型砂防堰堤において、前記下部堰堤本体部が、前記堰堤下流側の斜め下方から支持された斜め支持部を有し、この斜め支持部の上端部が、前記下部堰堤本体部を構成する堰堤下流側の縦方向の柱状部材に接合される一方、その下端部が、前記支持用基礎部に固定支持されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る透過型砂防堰堤が採用した手段は、請求項2に記載の透過型砂防堰堤において、前記斜め支持部が、前記堰堤下流側の下方から斜めに配列された複数の斜め方向柱状部材からなり、最外部の斜め方向柱状部材の上面側に保護部材を備えてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る透過型砂防堰堤が採用した手段は、請求項1乃至3の何れか一つの項に記載の透過型砂防堰堤において、前記上部堰堤本体部と前記下部堰堤本体部とが連結されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る透過型砂防堰堤によれば、金属製材料からなる複数の柱状部材を互いに縦横方向に交差されてなる金属製砂防堰堤本体部と、土砂流等による外力がこの金属製砂防堰堤本体部に付加された場合に、当該外力を受け止めるための金属製砂防堰堤の支持用基礎部とを有してなる透過型砂防堰堤であって、前記金属製砂防堰堤本体部は、上下に二つに分離された上部堰堤本体部と下部堰堤本体部とで構成されると共に、前記支持用基礎部は、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と、前記下部堰堤本体部を支持する底部とを有し、前記上部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも両端の縦方向の柱状部材が前記袖部で固定支持される一方、前記下部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも縦方向の柱状部材の下端部が前記底部に固定支持されてなる。
その結果、土砂流等による外力が前記砂防堰堤本体部に付加された場合、外力の伝達経路が、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と、前記下部堰堤本体部を支持する底部とに分散可能なため、土砂流等により多大な外力が生じる大規模な透過型砂防堰堤にも適用できる。また、施工性が良好で、複数年に亘る施工も可能である。
また、本発明の請求項2に係る透過型砂防堰堤によれば、前記下部堰堤本体部が、前記堰堤下流側の斜め下方から支持された斜め支持部を有し、この斜め支持部の上端部が、前記下部堰堤本体部を構成する堰堤下流側の縦方向の柱状部材に接合される一方、その下端部が、前記支持用基礎部に固定支持されてなるので、より大きな外力にも対抗可能な透過型砂防堰堤を実現できる。
更に、本発明の請求項3に係る透過型砂防堰堤によれば、前記斜め支持部が、前記堰堤下流側の下方から斜めに配列された複数の斜め方向柱状部材からなり、最外部の斜め方向柱状部材の上面側に保護部材を備えてなるので、前記金属製砂防堰堤本体部の天端から落下する礫による斜め方向柱状部材の損傷を防止することができる。
また更に、本発明の請求項4に係る透過型砂防堰堤によれば、前記上部堰堤本体部と前記下部堰堤本体部とが連結されてなるので、この堰堤によって捕捉されて堆積した巨礫群の高さが前記下部堰堤本体部の高さを越えなくとも、前記金属製透過型砂防堰堤に負荷される土砂流等による外力は、下部堰堤本体部のみならず上部堰堤本体部にも伝達されるので、結果的には支持基礎部の前記底部と袖部によって、より効果的に分散支持される。
本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図である。 斜め支持部を含めて図1をA−A矢視した矢視図である。 斜め支持部を含めて図1を平面視した平面図である。 本発明の実施の形態2に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図である。 斜め支持部を含めて図4をB−B矢視した矢視図である。 斜め支持部を含めて図4を平面視した平面図である。 本発明の実施の形態3に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図である。 斜め支持部を含めて図7をC−C矢視した矢視図である。 斜め支持部を含めて図7を平面視した平面図である。 従来例の透過型砂防堰堤に係り、図(a)はその側面図、図(b)は河川下流側からみたその正面図である。 他の従来例に係り、土石流防護ネットの実施例の正面図である。
本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤を、以下添付図1〜3を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図、図2は斜め支持部を含めて図1をA−A矢視した矢視図、図3は斜め支持部を含めて図1を平面視した平面図である。
本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤は、金属製砂防堰堤本体部2と後述する金属製砂防堰堤1を支持する支持用基礎部4とを有してなる透過型砂防堰堤である。そして、前記金属製砂防堰堤本体部2は、鋼管等の金属製材料からなる複数の縦方向柱状部材5と横方向柱状部材6とを、互いに縦横方向に交差して接合された構造を有している。
また、前記支持用基礎部4は、土砂流等による外力が金属製砂防堰堤1に付加された場合に当該外力を受け止めるため、金属製砂防堰堤1を固定支持するコンクリート構造物であって、通常渓流や河川の岩盤個所に流れに対して横断状に施工されている。そして、本発明の実施の形態1に係る金属製砂防堰堤1は、金属製砂防堰堤本体部2と後述する斜め支持部3から構成されている。
更に、前記金属製砂防堰堤本体部2は、上下方向に二つに分離された上部堰堤本体部2aと下部堰堤本体部2bとで構成されている。一方、前記支持用基礎部4は、上部堰堤本体部2aを、渓流開口部において両側から支持する袖部4a,4aと、下部堰堤本体部2bの下端を支持する底部4bとを有している。
また更に、上部堰堤本体部2aを構成する複数の柱状部材、即ち縦方向柱状部材5及び横方向柱状部材6のうち、少なくとも両端の縦方向柱状部材5a,5aが前記袖部4a,4aで夫々固定支持される一方、下部堰堤本体部2bを構成する複数の前記柱状部材5,6のうち、少なくとも縦方向柱状部材5の下端部5bが支持用基礎部4の底部4bに固定支持されている。
ここで、上部堰堤本体部2aが袖部4a,4aに夫々固定支持される部位は、両端の縦方向柱状部材5a,5aのみに限定されるものではなく、例えば同時に、上部堰堤本体部2aを構成する横方向柱状部材6の何れか何本かが、両端の縦方向柱状部材5a,5aから突設して袖部4a,4aに夫々固定支持されても良い。また、下部堰堤本体部2bが底部4b,4bに夫々固定支持される部位は、縦方向柱状部材5の下端部5bのみに限定されるものではなく、例えば同時に、下部堰堤本体部2bを構成する横方向柱状部材6の何れか何本かが、両端の縦方向柱状部材5,5から突設して袖部4a,4aに夫々固定支持されても良い。
そして、複数の縦方向柱状部材5と横方向柱状部材6とを、互いに縦横方向に交差して形成された金属製砂防堰堤本体部2の格子状升目は、次に述べる様に一様ではない。即ち、上部堰堤本体部2aにおいては、複数の縦方向柱状部材5と横方向柱状部材6とによって、縦横方向夫々の純間隔w、即ち、隣接する縦方向柱状部材5,5間または横方向柱状部材6,6間の内側寸法は、巨礫の直径dmax以下になる様に配列されて、小格子升目7が形成されている。
下部堰堤本体部2bにおいては、最下段の横方向柱状部材6aは、底部4bから巨礫の直径dmaxの1〜2倍の高さ位置に横架され、縦方向柱状部材5と最下段の横方向柱状部材6aとによって大格子升目8が形成されている。また、最下段の横方向柱状部材6aの上側には、上部堰堤本体部2aと同様に、純間隔wが巨礫の直径dmax以下になる様に複数の横方向柱状部材6が横架されて、大格子升目8より小さい小格子升目7が形成されている。
その結果、本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤は、土砂流等による外力が前記砂防堰堤本体部2の全体に付加された場合、外力の伝達経路が、前記上部堰堤本体部2aを支持する両側の袖部4aと、前記下部堰堤本体部2bを支持する底部4bとに分散可能なため、大きな外力にも対抗できる。また、施工性が良好で、複数年に亘る施工も可能である。
尚、金属製砂防堰堤本体部2を構成する縦方向柱状部材5や横方向柱状部材6は、丸鋼管や角鋼管等の閉断面を有する鋼管が好ましいが、H型鋼やL型鋼等の型鋼を用いることも可能である。
更に、本発明の実施の形態1に係る透過型砂防堰堤は、下部堰堤本体部2bが、前記堰堤下流側の斜め下方から支持された斜め支持部3を有している。そして、この斜め支持部3は、鋼管等の金属製材料からなる複数の斜め方向柱状部材9から構成され、その上端部9aが、下部堰堤本体部2bを構成する堰堤下流側の縦方向柱状部材5に接合される一方、その下端部9bが、支持用基礎部4bに固定支持されている。そのため、より大きな外力にも対抗可能となる。尚、前記斜め支持部3は、複数の斜め方向柱状部材9に限らず、渓流の流れに平行な複数の板状部材等から形成されても良い。
次に、この様な構成に係る透過型砂防堰堤の作用について述べる。先ず、中小規模の洪水の場合は、下部堰堤本体部2bの最下段に形成された大格子升目8を通過して、災害を及ぼさない程度の大きさの礫や泥水が下流に流れる。
一方、土石流発生時は、土石流先頭の巨礫群が、大格子升目8において縦配列された複数の縦方向柱状部材5で捕捉され、下部堰堤本体部2bの上流側に堆積する。その後、礫混じりの泥水からなる後続流が流下して来るが、捕捉されて堆積した巨礫群の高さが巨礫の直径dmaxの1〜2倍になると、後続流中の巨礫が、純間隔wが巨礫の直径dmax以下になる様に横架された横方向柱状部材6で捕捉される。この場合、捕捉されて堆積した巨礫群の高さが下部堰堤本体部2bの高さを越えない限り、金属製透過型砂防堰堤1に付加される土砂流等による外力は、下部堰堤本体部2bのみに作用するので、結果的には支持基礎部4の底部4bによって支持される。
更に、縦方向柱状部材5と横方向柱状部材6とによる格子升目で絡み合う様に捕捉された巨礫群の上を、礫混じりの泥水である後続流が通過すると共に、透過型砂防堰堤を高速で通過するので、この後続流によって巨礫群の絡みが破壊される場合がある。しかしながら、この様な場合でも、本発明に係る透過型砂防堰堤は、上部堰堤本体部2a及び下部堰堤本体部2bの横方向柱状部材6の純間隔wは、巨礫の直径dmax以下になる様に配列されると共に、下部堰堤本体部2bの最下段以外は小格子升目7が形成されているので、捕捉された巨礫群が崩れて捕捉されている土砂等が再流出することがない。
そして更に、この透過型砂防堰堤に捕捉されて堆積した礫群の高さが下部堰堤本体部2bの高さを越えると、金属製砂防堰堤本体部2に付加される土砂流等による外力は、下部堰堤本体部2bのみならず上部堰堤本体部2aにも作用するので、結果的には支持基礎部4の底部4b及び袖部4aに伝達して分散支持される。
尚、前記巨礫の直径dmaxとしては、砂防堰堤設置予定地点より上流の渓床及びダムサイト下流夫々200mの間の渓床堆積物を踏査し、約200個以上の巨礫の頻度分布を調べた累加曲線の95%程度の直径とされる。
次に、本発明の実施の形態2に係る透過型砂防堰堤について、以下添付図4〜6を参照しながら説明する。図4は本発明の実施の形態2に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図、図5は斜め支持部を含めて図4をB−B矢視した矢視図、図6は斜め支持部を含めて図4を平面視した平面図である。
但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、斜め支持部に対する保護部材の有無に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について説明する。
即ち、上記実施の形態1に係る透過型砂防堰堤は、金属製砂防堰堤本体部2を構成する下部堰堤本体部2bが、保護部材が取り付けられていない斜め支持部3を有していたのに対し、本実施の形態2に係る透過型砂防堰堤は、下部堰堤本体部2bを支持する斜め支持部3には保護部材10が取り付けられている。即ち、最外部の斜め方向柱状部材9の上面側に、土石流を透過させ得る透過性の保護部材10が取り付けられている。この様な保護部材10としては、型鋼、鋼管、鉄筋、鋼製ロープ或いは鋼製ネット等を用いて透過的に形成可能である。
この様な透過型砂防堰堤に捕捉されて堆積した礫群の高さが、上部堰堤本体部2aの天端を越えたとしても、最外部の斜め方向柱状部材9の上面側に取り付けられた保護部材10によって、上部堰堤本体部2aの天端からの落石による斜め方向柱状部材9の損傷が防止される。
次に、本発明の実施の形態3に係る透過型砂防堰堤について、以下添付図7〜9を参照しながら説明する。図7は本発明の実施の形態3に係る透過型砂防堰堤の金属製砂防堰堤本体部を渓流の下流側から正面視した立断面図、図8は斜め支持部を含めて図7をC−C矢視した矢視図、図9は斜め支持部を含めて図7を平面視した平面図である。
但し、本発明の実施の形態3が上記実施の形態1と相違するところは、上部堰堤本体部と下部堰堤本体部の連結有無に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について説明する。
即ち、上記実施の形態1に係る透過型砂防堰堤は、前記金属製砂防堰堤本体部2が、上下に少なくとも二つに分離された上部堰堤本体部2aと下部堰堤本体部2bとで構成されていたのに対し、本実施の形態3に係る透過型砂防堰堤は、金属製砂防堰堤本体部2が、上部堰堤本体部2aの下端と下部堰堤本体部2bの上端とが連結して構成されている。
その結果、本発明の実施の形態3に係る透過型砂防堰堤によれば、この堰堤によって捕捉されて堆積した巨礫群の高さが下部堰堤本体部2bの高さを越えなくとも、金属製砂防堰堤本体部2に付加される土砂流等による外力は、下部堰堤本体部2bのみならず上部堰堤本体部2aにも伝達されるので、結果的には支持基礎部4の底部4bと袖部4aによって分散支持されることになる。従って、本発明の実施の形態2に係る透過型砂防堰堤によれば、金属製砂防堰堤1に付加される土砂流等による外力を、より効果的に分散させることができる。
尚、この透過型砂防堰堤に捕捉されて堆積した礫群の高さが上部堰堤本体部2aの天端を越えると、天端から落下する礫で下流側の斜め方向柱状部材9が損傷を被ることになるため、前記実施の形態2に係る透過型砂防堰堤と同様、前記斜め方向柱状部材9の上面側には、透過性の保護部材10を取り付けることもできる。
以上説明した通り、本発明に係る透過型砂防堰堤によれば、金属製材料からなる金属製砂防堰堤本体部とこの金属製砂防堰堤の支持用基礎部とを有してなる透過型砂防堰堤であって、前記金属製砂防堰堤本体部は、上下に二つに分離された上部堰堤本体部と下部堰堤本体部とで構成されると共に、前記支持用基礎部は、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と前記下部堰堤本体部を支持する底部とを有し、前記上部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも両端の縦方向の柱状部材が前記袖部で固定支持される一方、前記下部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも縦方向の柱状部材の下端部が前記底部に固定支持されてなるものである。
その結果、土砂流等による外力が金属製砂防堰堤本体部に付加された場合、外力の伝達経路が、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と、前記下部堰堤本体部を支持する底部とに分散可能なため、大規模な透過型砂防堰堤が実現できる。また、施工性が良好で、複数年に亘る施工も可能である。
w:純間隔,
1:金属製砂防堰堤,
2:金属製砂防堰堤本体部, 2a:上部堰堤本体部, 2b:下部堰堤本体部,
3:斜め支持部,
4:支持用基礎部, 4a:袖部, 4b:底部,
5:縦方向柱状部材, 5a:両端の縦方向柱状部材, 5b:下端部,
6:横方向柱状部材, 6a:最下段の横方向柱状部材,
7:小格子升目, 8:大格子升目,
9:斜め方向柱状部材, 9a:上端部, 9b:下端部,
10:保護部材

Claims (4)

  1. 金属製材料からなる複数の柱状部材を互いに縦横方向に交差されてなる金属製砂防堰堤本体部と、土砂流等による外力がこの金属製砂防堰堤本体部に付加された場合に、当該外力を受け止めるための金属製砂防堰堤の支持用基礎部とを有してなる透過型砂防堰堤であって、
    前記金属製砂防堰堤本体部は、上下に二つに分離された上部堰堤本体部と下部堰堤本体部とで構成されると共に、
    前記支持用基礎部は、前記上部堰堤本体部を支持する両側の袖部と、前記下部堰堤本体部を支持する底部とを有し、
    前記上部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも両端の縦方向の柱状部材が前記袖部で固定支持される一方、
    前記下部堰堤本体部を構成する複数の柱状部材のうち、少なくとも縦方向の柱状部材の下端部が前記底部に固定支持されてなることを特徴とする透過型砂防堰堤。
  2. 前記下部堰堤本体部が、前記堰堤下流側の斜め下方から支持された斜め支持部を有し、この斜め支持部の上端部が前記下部堰堤本体部を構成する堰堤下流側の縦方向の柱状部材に接合される一方、その下端部が前記支持用基礎部に固定支持されてなることを特徴とする請求項1に記載の透過型砂防堰堤。
  3. 前記斜め支持部が、前記堰堤下流側の下方から斜めに配列された複数の斜め方向柱状部材からなり、最外部の斜め方向柱状部材の上面側に保護部材を備えてなることを特徴とする請求項2に記載の透過型砂防堰堤。
  4. 前記上部堰堤本体部と前記下部堰堤本体部とが連結されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つの項に記載の透過型砂防堰堤。
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