JP2011213663A - エチレングリコールの精製方法 - Google Patents
エチレングリコールの精製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011213663A JP2011213663A JP2010083841A JP2010083841A JP2011213663A JP 2011213663 A JP2011213663 A JP 2011213663A JP 2010083841 A JP2010083841 A JP 2010083841A JP 2010083841 A JP2010083841 A JP 2010083841A JP 2011213663 A JP2011213663 A JP 2011213663A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ethylene glycol
- glycol
- containing liquid
- recovered
- heat treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Epoxy Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】回収エチレングリコール含有液を原料とし、高純度のモノエチレングリコールを製造する方法において、回収エチレングリコール含有液をアルカリ性物質の存在下に加熱処理を施し、さらに該加熱処理を施したエチレングリコール含有液に酸性物質を溶解した後、酸存在下でエチレングリコール含有液を精製することにより高純度モノエチレングリコールを製造する。
【選択図】なし
Description
(1)回収エチレングリコール含有液を原料とし、高純度のモノエチレングリコールを製造する方法において、
(a)回収エチレングリコール含有液をアルカリ性物質の存在下に加熱処理を施し、該加熱処理を施したエチレングリコール含有液を蒸留する工程、
(b)蒸留して得られる留出物に酸性物質を溶解した後、エチレングリコール含有液を精製する工程
を含むことを特徴とする高純度モノエチレングリコールの製造方法である。
(2)前記回収エチレングリコール含有液が、エチレンの接触気相酸化によるエチレンオキシドの製造に際し、エチレンオキシドの回収、精製工程において生成する粗グリコールを含有することを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)前記酸性物質が、無機酸および/または有機酸であることをあることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記酸性物質が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものである(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記アルカリ性物質が、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものである(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記アルカリ性物質の使用量が、回収エチレングリコール含有液の全量に対して0.01重量%以上である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
(7)前記加熱処理での処理温度が120〜200℃であり、処理時間が1時間以上である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(実施例1)
回収エチレングリコール含有液には、エチレンの接触気相酸化によるエチレンオキシドの製造に際し、エチレンオキシドの回収、精製工程において生成する粗グリコール水溶液(エチレングリコール類として85重量%を含む)を使用した。この回収グリコール含有液は様々な不純物を含んでおり、従来の手法であるアルカリ加熱処理を行うだけでは、繊維グレードのモノエチレングリコールを取得することができない。この回収エチレングリコール含有液を18リットル/分で配管101を通じて加熱処理装置103へフィードし、配管102を通じて48%水酸化カリウム水溶液を0.08リットル/分で添加して、加熱処理装置103の予熱器により165℃まで予熱し、その後、反応器で165℃のまま、2時間加熱処理した。処理後、回収エチレングリコール含有液(処理液)を配管104を通じてアルカリカット塔105にフィードし、粗蒸留塔105の塔底液の温度を150℃以下に保ちながら、67torrに減圧して粗蒸留を行った。処理液の95重量%を粗蒸留塔105の塔頂よりエチレングリコール及び水の蒸気として留出した。一方、アルカリカット塔105に残る5重量%の固定化した不純物を含む釜液は配管107を通じて抜き出した。アルカリカット塔105の塔頂より留出したエチレングリコール及び水の蒸気は配管106の経路上に設けられた凝縮器により全部凝縮液化し、液の採取を行った。
採取した粗エチレングリコール水溶液にリン酸85重量%水溶液を0.05重量%添加し、酸含有エチレングリコール水溶液を塔底温度125℃、70torrで脱水蒸留を行った。次いで、塔底温度145℃、25torrで精製蒸留を行い、塔頂部から取得したモノエチレングリコール製品につき、220nmでの紫外線透過率及び220nmでの加熱後の紫外線吸光度を吸光光度計(株式会社日立製作所製:U−3200)により測定した。得られた結果およびアルカリ加熱処理条件を下記表1に示す。
実施例1と同様の回収エチレングリコール含有液を用い、この回収エチレングリコール含有液にアルカリ加熱処理を行い、アルカリカット塔にフィードし、粗蒸留を行った。その粗蒸留液に燐酸加熱処理することなく、脱水塔にフィードし、実施例1と同様にして、脱水および精留操作を行って精製し、得られた比較用モノエチレングリコール製品につき、220nmでの紫外線透過率及び220nm加熱後の紫外線吸光度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果およびアルカリ加熱処理条件、燐酸添加濃度を下記表1に示す。
実施例1と同様の回収エチレングリコール含有液を用い、この回収エチレングリコール含有液をアルカリ加熱処理することなく、燐酸加熱処理をして、実施例1と同様にして脱水および精留操作を行って精製し、得られた比較用モノエチレングリコール製品につき、220nmでの紫外線透過率及び220nmでの加熱後の紫外線吸光度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果およびアルカリ加熱処理条件、燐酸添加濃度を下記表1に示す。
実施例1と同様の回収エチレングリコール含有液を用い、この回収エチレングリコール含有液をアルカリ加熱処理、燐酸加熱処理することなく、脱水塔にフィードし、実施例1と同様にして、脱水および精留操作を行って精製し、得られた比較用モノエチレングリコール製品につき、220nmでの紫外線透過率及び220nmでの加熱後の紫外線吸光度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果およびアルカリ加熱処理条件、燐酸添加濃度を下記表1に示す。
結果は下表のとおりとなった。
(比較例4)
実施例1と同様の回収エチレングリコール含有液を用い、この回収エチレングリコール含有液にアルカリ加熱処理を行い、アルカリカット塔にフィードし、粗蒸留を行った。その粗蒸留液に塩酸加熱処理を行い、脱水塔にフィードし、実施例1と同様にして、脱水および精留操作を行って精製し、得られた比較用モノエチレングリコール製品につき、220nmでの紫外線透過率及び220nmでの加熱後の紫外線吸光度を実施例1と同様にして測定した。得られた結果およびアルカリ加熱処理条件、塩酸添加濃度を下記表1に示す。
結果は下表のとおりとなった。
Claims (7)
- 回収エチレングリコール含有液を原料とし、高純度のモノエチレングリコールを製造する方法において、
(a)回収エチレングリコール含有液をアルカリ性物質の存在下に加熱処理を施し、該加熱処理を施したエチレングリコール含有液を蒸留する工程、
(b)蒸留して得られる留出物に酸性物質を溶解した後、エチレングリコール含有液を精製する工程
を含むことを特徴とする高純度モノエチレングリコールの製造方法。 - 前記回収エチレングリコール含有液が、エチレンの接触気相酸化によるエチレンオキシドの製造に際し、エチレンオキシドの回収、精製工程において生成する粗グリコールを含有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記酸性物質が、無機酸および/または有機酸であることをあることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記酸性物質が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものである請求項1〜3項のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記アルカリ性物質が、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものである請求項1〜4項のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記アルカリ性物質の使用量が、回収エチレングリコール含有液の全量に対して0.01重量%以上である請求項1〜5項のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記加熱処理での処理温度が120〜200℃であり、処理時間が1時間以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010083841A JP5511473B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | エチレングリコールの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010083841A JP5511473B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | エチレングリコールの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011213663A true JP2011213663A (ja) | 2011-10-27 |
JP5511473B2 JP5511473B2 (ja) | 2014-06-04 |
Family
ID=44943782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010083841A Active JP5511473B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | エチレングリコールの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5511473B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101527394B1 (ko) * | 2014-01-06 | 2015-06-09 | 한국과학기술원 | 원료 내 회수대상물질을 회수하는 공정에 구비되는 저용해도 염 제거장치 |
JP2019513152A (ja) * | 2016-03-16 | 2019-05-23 | アエロ マグ 2000 エルエルエル インコーポレイテッド | 航空機用除氷液から回収された使用済みエチレングリコールのリサイクル方法及びシステム |
WO2020032279A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-13 | 株式会社日本触媒 | エチレンオキシドおよびエチレングリコールの製造方法 |
CN112028742A (zh) * | 2020-09-27 | 2020-12-04 | 联泓新材料科技股份有限公司 | 以环氧乙烷水合法乙二醇为原料制备聚合级乙二醇的方法 |
JP2021127312A (ja) * | 2020-02-13 | 2021-09-02 | 三菱ケミカル株式会社 | エチレングリコール類の製造方法 |
CN116514637A (zh) * | 2023-03-10 | 2023-08-01 | 南京化学试剂股份有限公司 | 一种高纯高稳定的乙二醇精制工艺及应用 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0428247B2 (ja) * | 1984-02-25 | 1992-05-13 | Mitsubishi Petrochemical Co | |
JPH10218798A (ja) * | 1997-02-07 | 1998-08-18 | Mitsui Chem Inc | 有機溶剤の精製法 |
JP2001031606A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | エチレングリコールの精製方法 |
JP2001031601A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 高純度モノエチレングリコールの製造方法 |
-
2010
- 2010-03-31 JP JP2010083841A patent/JP5511473B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0428247B2 (ja) * | 1984-02-25 | 1992-05-13 | Mitsubishi Petrochemical Co | |
JPH10218798A (ja) * | 1997-02-07 | 1998-08-18 | Mitsui Chem Inc | 有機溶剤の精製法 |
JP2001031606A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | エチレングリコールの精製方法 |
JP2001031601A (ja) * | 1999-07-14 | 2001-02-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | 高純度モノエチレングリコールの製造方法 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101527394B1 (ko) * | 2014-01-06 | 2015-06-09 | 한국과학기술원 | 원료 내 회수대상물질을 회수하는 공정에 구비되는 저용해도 염 제거장치 |
JP2019513152A (ja) * | 2016-03-16 | 2019-05-23 | アエロ マグ 2000 エルエルエル インコーポレイテッド | 航空機用除氷液から回収された使用済みエチレングリコールのリサイクル方法及びシステム |
WO2020032279A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-13 | 株式会社日本触媒 | エチレンオキシドおよびエチレングリコールの製造方法 |
JPWO2020032279A1 (ja) * | 2018-08-10 | 2021-08-10 | 株式会社日本触媒 | エチレンオキシドおよびエチレングリコールの製造方法 |
JP7021357B2 (ja) | 2018-08-10 | 2022-02-16 | 株式会社日本触媒 | エチレンオキシドおよびエチレングリコールの製造方法 |
US11618739B2 (en) | 2018-08-10 | 2023-04-04 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Method of producing ethylene oxide and ethylene glycol |
JP2021127312A (ja) * | 2020-02-13 | 2021-09-02 | 三菱ケミカル株式会社 | エチレングリコール類の製造方法 |
JP7505199B2 (ja) | 2020-02-13 | 2024-06-25 | 三菱ケミカル株式会社 | エチレングリコール類の製造方法 |
CN112028742A (zh) * | 2020-09-27 | 2020-12-04 | 联泓新材料科技股份有限公司 | 以环氧乙烷水合法乙二醇为原料制备聚合级乙二醇的方法 |
CN116514637A (zh) * | 2023-03-10 | 2023-08-01 | 南京化学试剂股份有限公司 | 一种高纯高稳定的乙二醇精制工艺及应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5511473B2 (ja) | 2014-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11932615B2 (en) | Method for recovery of ethylene oxide | |
EP2623501B1 (en) | Improved ethylene oxide recovery process | |
JP5511473B2 (ja) | エチレングリコールの精製方法 | |
JP2010536560A (ja) | 工業用ブラインの精製方法及び精製装置 | |
JP5101710B2 (ja) | エチレングリコールの精製方法 | |
JP4740432B2 (ja) | エチレングリコールの精製方法 | |
US6437199B1 (en) | Method for production of high-purity monoethylene glycol | |
CN110922292B (zh) | 一种氯甲烷的制备方法 | |
TWI720207B (zh) | 醋酸之製造方法 | |
TWI511947B (zh) | 製造碳酸伸烷酯及/或伸烷基二醇之方法 | |
JP4535543B2 (ja) | グリコールの単離 | |
CN112449634A (zh) | 甲基丙烯酸甲酯的制造方法 | |
CN102119136A (zh) | 用于通过蒸馏纯化甲醇的方法 | |
KR101602986B1 (ko) | 모노에틸렌 글리콜 회수 방법 | |
CN113896619A (zh) | 4,4`-二溴二苯醚的制备方法 | |
JP2001031600A (ja) | 高純度モノエチレングリコールの製法 | |
WO2013083512A1 (en) | Process for the production of a mixture comprising cyclohexanol and cyclohexanone | |
EP4031516B1 (en) | Ethylene oxide purification | |
SK892000A3 (en) | Process for the separation of hydroxy acetone from a phenol containing the same | |
TWI825239B (zh) | 用於製備乙二醇之方法 | |
CN116283605A (zh) | 一种利用odpa生产废水制备二甲胺盐酸盐的方法、应用 | |
JP2001031601A (ja) | 高純度モノエチレングリコールの製造方法 | |
CN114315764A (zh) | 一种含水四氢呋喃的精制纯化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121005 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131210 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140304 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5511473 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |