JP2011212174A - 血液浄化装置 - Google Patents

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英幸 立花
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【課題】患者体内への血液回路中のエア混入や血栓の混入のおそれを除去するために、血液ポンプの入口側におけるエアの残存や血液の滞留を確実に防止できるようにした血液浄化装置を提供する。
【解決手段】チューブセグメントをしごくローラを旋回させることによりチューブセグメント内への導入流体を圧送するチューブポンプからなる血液ポンプを備え、動脈側から血液を採取し血液を浄化した後静脈側に返血する血液回路を有する血液浄化装置において、血液ポンプの入口側の血液回路を形成する回路チューブと血液ポンプ内に配置されたチューブセグメントとを接続するコネクタの内部流路を、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路に構成するとともに、該漸拡流路の流路拡がり角θを3度〜10度の範囲内としたことを特徴とする血液浄化装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、血液透析装置等の血液浄化装置に関し、とくに装置の血液回路中に設けられた血液ポンプへの回路接続部におけるエア残存の問題を解消するようにした血液浄化装置に関する。
患者の動脈側から採血し、透析器(ダイアライザー)を用いて血液透析を行った後、浄化された血液を静脈側に戻す血液透析装置等の血液浄化装置は広く実用化されている。このような血液浄化装置においては、例えばダイアライザーの血液流れ方向上流側に、血液ポンプを設け、それによって患者の体内との間で血液を循環させるようになっている。この血液ポンプは、チューブポンプから構成されることが多く、チューブポンプ内には、例えば、血液回路の一部を構成するチューブセグメントが円弧状に湾曲配置されており、そのチューブセグメントをローラ(例えば、一対のローラ)によってしごきながらそのローラをチューブセグメントに沿って旋回させることにより、チューブセグメント内への導入流体を所定の方向に送り出す(圧送する)ことができるように構成されたものである。
このような血液ポンプを備えた血液浄化装置においては、例えば、血液ポンプを作動させ生理食塩水等の洗浄液を血液回路中に流して血液回路を洗浄するプライミングを行ったり、例えば血液ポンプを逆回転させ透析液を透析器内の透析膜を通して血液回路中に送り込む逆濾過操作により血液回路を洗浄するプライミングを行ったりすることが可能であり(例えば、特許文献1)、さらに透析液の逆濾過方向への導入により血液回路中の血液を動脈側へ返血することも可能であることが知られている。
上記のような血液ポンプを血液回路中に設置する場合には、通常、チューブポンプ内に配置されるチューブセグメントの径とポンプ前後の血液回路中の回路チューブの径が異なることが多いので、チューブセグメントと回路チューブとを専用のコネクタにより接続することが多い。体外循環させる血液量は抑えるべきであることから、「回路チューブ」には必要な血流量を確保しつつ最小径であることが望まれる一方、「チューブセグメント」にはローラのしごき動作によって圧迫されても、何度でも良好に復元でき、破損しないだけの弾力性と耐久性が要求され、これら二つのチューブ要求仕様を同時に満たすことは困難であることから、これら二種類のチューブをつなぎ合わせる方式が一般的となっており、上記のようなコネクタは、体外血液回路を構成する上で重要な部品となっている。
特開2008−12210号公報
上記のようなコネクタを有する、チューブポンプからなる血液ポンプ内のチューブセグメントと血液回路との接続部においては、次のようなおそれが生じることがある。
すなわち、チューブポンプ内に配置されているチューブセグメントとそれに接続される血液回路中の回路チューブとの径の差が比較的大きい場合、これらチューブセグメントと回路チューブとを接続するコネクタの内部流路の径が比較的急激に変化することとなり、この内部流路径変化部において、プライミング時や逆濾過プライミング時に、流路内面にエアが付着しやすくなったり、気泡が滞留したりするおそれがある。また、透析中、血液の滞留箇所になり、血栓の発生が危惧される。とくに、後述の比較試験の結果から、血液ポンプの入口側のコネクタにこのような現象が生じるおそれがあることが明らかになっている。もし、上記のようなエアの残存が発生すると、血液浄化時や動脈側への返血時に、残存していたエアが血液中に混入するおそれがある。静脈側へ接続される血液回路中には、通常、ドリップチャンバーが設けられることが多いので、静脈側へ戻されようとする血液中に混入した気泡等は比較的容易に除去されるが、血液ポンプの入口側と患者の動脈側との間の血液回路中には通常ドリップチャンバーは設けられないので、この回路中でのエアの混入は、とくに動脈側への返血を伴う動作時には防止される必要がある。また、もし血栓が発生した状態で返血を行った時には、血栓が患者体内へ押し戻される可能性もある。
そこで本発明の課題は、上記のようなエア混入や血栓の混入のおそれを除去するために、とくに、血液ポンプの入口側におけるエアの残存や血液の滞留を確実に防止できるようにした血液浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る血液浄化装置は、チューブセグメントをしごくローラを旋回させることによりチューブセグメント内への導入流体を圧送するチューブポンプからなる血液ポンプを備え、患者の動脈側から血液を採取し血液を浄化した後患者の静脈側に返血する血液回路を有する血液浄化装置において、前記血液ポンプの入口側の血液回路を形成する回路チューブと血液ポンプ内に配置されたチューブセグメントとを接続するコネクタの内部流路を、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路に構成するとともに、該漸拡流路の流路拡がり角θを3度〜10度の範囲内としたことを特徴とするものからなる。
このような本発明に係る血液浄化装置においては、血液ポンプの入口側において、回路チューブと血液ポンプ内に配置されれたチューブセグメントとの径差(内径差)(回路チューブの径<チューブセグメントの径)に対応するために、これらを接続するコネクタの内部流路が、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路に構成され、その漸拡流路の流路拡がり角θが3度〜10度の特定の範囲内の角度とされる。このような緩やかな角度で流路が拡がることにより、この径変化を伴う流路内面にはエアが付着しにくくなるとともに、エアが滞留しなくなる。また、血液も滞留しなくなる。回路チューブとチューブセグメントとの径差が比較的大きい場合には(例えば、2mm程度以上ある場合には)、通常、特別な意図を持たないかぎり、上記のような緩やかな流路拡がり角には設定されない。何故なら、仮にこのような緩やかな流路拡がり角に設定されると、コネクタの全長が必然的に長くなってしまうからである。しかし本発明では、流路内のエア残存防止や血液の滞留防止という特別な意図を持って、コネクタの全長がある程度長くなるのを承知の上で、つまり格別の技術思想をもって、上記のような緩やかな流路拡がり角を採用するのである。より確実にコネクタの内部流路内のエア残存防止や血液の滞留防止を達成するためには、上記漸拡流路の流路拡がり角θが5度〜8度の範囲内とされていることが好ましく、さらに一層確実にエア残存防止や血液の滞留防止を達成するためには、後述の試験において確実にエア残存防止効果が得られたという結果に基づき、流路拡がり角θは、7度±1度の範囲内とされることが望ましい。
また、本発明に係る血液浄化装置においては、上記コネクタとしては、コネクタの内部流路内の流体の流れを外部から透視可能なコネクタ、例えば、少なくとも部分的に透明または半透明のコネクタに構成できる。このようにすれば、流路内の流体の流れやエア残存状態を外部から確認できるので、不具合の発生をより確実に未然に防止できるようになる。このような透明のコネクタは、適切な透明樹脂やガラス等により、容易に製作できる。なお、チューブの材質としては、とくに限定されず、例えば、ポリ塩化ビニールなどを採用できる。
また、本発明は、上記のような血液ポンプを備えたあらゆる血液浄化装置に適用可能であるが、とくに、上記血液回路を流通される血液と透析液回路を流通される透析液との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析装置に適用して好適なものであり、中でも、透析液を血液回路中に導入可能で、それによって動脈側への返血まで可能な構成を有する血液透析装置に適用して特に好適なものである。
このように、本発明に係る血液浄化装置によれば、血液ポンプの入口側における回路チューブと血液ポンプ内のチューブセグメントとを接続するコネクタの内部流路を、特定の緩やかな流路拡がり角θを有するテーパー状の漸拡流路に構成したので、確実にコネクタの内部流路内へのエアの残存血液の滞留を防止できるようになる。これにより、とくに、血液ポンプの入口側と患者の動脈側との間で不具合が発生することが確実に防止され、所望の正常なプライミングや返血動作が確保される。
本発明の一実施態様に係る血液浄化装置としての血液透析装置の全体構成を示す概略構成図である。 図1の装置のコネクタ部の拡大概略断面図である。 比較のために示した本発明の範囲外となるコネクタ部の概略断面図である。 本発明の実施例における試験結果を示す、流れ状態の説明図である。 比較例における試験結果を示す、流れ状態の説明図である。 本発明で規定した角度範囲の妥当性の根拠の一つとなる漸拡損失係数(Gibsonの実験値)を示すグラフである。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明するとともに、とくに本発明における角度規定の適正さを実証するために行ったエア残存防止効果確認試験について説明する。
まず、本発明の適用対象の装置代表例として血液透析装置を採り上げ、その基本構成例について、図1を参照しながら説明する。図1に示す血液浄化装置としての血液透析装置100においては、患者の動脈側2からの血液を血液透析後に静脈側3へと戻すように循環される血液回路1中の血液は、一対のローラ4aを備えたチューブポンプからなる血液ポンプ4によって定量送液され、血液透析要素としてのダイアライザー5内で、血液回路1と透析液回路6との間で透析膜7を介して血液透析される。透析膜7は、実際には、例えば多数の中空糸膜からなるが、図1では模式的に示してある。透析液は、例えば図1に示したように、調製済透析液供給装置8から供給された透析液を、計量チャンバー9の一方の室9aから膜10の押圧を介して吐出し、フィルター11を介してダイアライザー5に供給される。血液透析済みの透析液は、循環ポンプ12によって計量チャンバー9の他方の室9bに戻されるとともに、除水ポンプ13を介して一部が除水される。透析液回路6にはバイパス流路14が設けられており、ダイアライザー5内へ透析液を送液しない場合には、バイパス流路14を介して循環ないし排出できるようになっている。
図1に示す例では、血液回路1における、血液流れ方向に見て、ダイアライザー5の下流側に、混入気泡を分離、除去可能なドリップチャンバー15が配置されており、ドリップチャンバー15でエアを除去することにより、静脈側3へのエアの流入が防止されるようになっている。チューブポンプからなる血液ポンプ4内には、血液回路1の一部を構成するチューブセグメント1bが半円状に湾曲されて配置されており、回転自在の一対のローラ4aを矢印の方向に旋回させてチューブセグメント1bをしごいていくことにより、チューブセグメント1bに導入された血液が下流側に圧送されるようになっている。この血液ポンプ4の入口側の血液回路を形成する回路チューブ1aと血液ポンプ4内に配置されているチューブセグメント1bとが、コネクタ16によって接続されている。このコネクタ16の内部流路が、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路に構成されており、該漸拡流路の流路拡がり角θが3度〜10度の範囲内とされている。
このコネクタ16およびその回路チューブ1a、チューブセグメント1bとの接続部は、例えば図2に示すように構成されている。図2において、血液ポンプ4の入口側において血液回路を形成する回路チューブ1aの先端部が、コネクタ16の血液送り方向(矢印方向)に見て入口側の嵌合部16aに、チューブ先端が入口側嵌合部16aの内奥端の段部16bに突き当たるまで、嵌入されている。血液ポンプ4内に配置されるチューブセグメント1bの先端部は、コネクタ16の血液送り方向(矢印方向)に見て出口側嵌合部16cに、チューブセグメント先端が出口側嵌合部16cの内奥端の段部16dに突き当たるまで、嵌入されている。各段部16b、16dにおいては、それらの部分における流路最内径と嵌入されている回路チューブ1a、チューブセグメント1bの先端の内径とが実質的に一致するように、各段差が設定されている。これら段部16b、16d間のコネクタ16の内部流路が、本発明で言う、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路16eに構成されている。この漸拡流路16eの流路拡がり角θが3度〜10度の範囲内の角度θ1とされており、図示例では、θ1は、後述の試験で採用した7度に設定されている。
図3は、図2の構成との比較のために示した、漸拡流路の流路拡がり角θ2が本発明で規定した範囲内にないコネクタを示している。すなわち、回路チューブ1aとチューブセグメント1bを接続するコネクタ21の内部流路としての漸拡流路21eの流路拡がり角θが,本発明で規定した上記角度範囲から大きい方へ外れた角度θ2とされており、図示例では、θ2は約55度に設定されている。
図1および図2に示したような本発明に係る血液透析装置100においては、血液ポンプ4の入口側において、径差(内径差)(回路チューブ1aの径<チューブセグメント1bの径)を有する回路チューブ1aと血液ポンプ4内のチューブセグメント1bとが、コネクタ16を介して接続され、コネクタ16の内部流路がテーパー状に拡がる漸拡流路16eに構成されているので、チューブ間に径差がある場合にあっても、径変化を伴う内部流路(漸拡流路16e)の内面にエアが付着することが回避され、エアの滞留が防止される。
このエア残存防止効果が、コネクタ16の内部流路を、上記のような特定の緩やかな流路拡がり角を有する漸拡流路に構成することによって得られることを実証するために、以下のような比較試験を行った。
試験では、図2に示したような本発明の実施例としてのコネクタ16を接続した場合と、図3に示したような比較例としてのコネクタ21を接続した場合とを比較した。試験においては、コネクタ16、コネクタ21およびそれらの前後のチューブを透明な材質で構成し、同じ条件で試験した時の接続部の内部の流れ状態および滞留状態を目視で確認した。試験装置および試験条件は以下の通りである。
1.試験装置
(1)血液透析装置:東レ・メディカル社製「TR-3000MA」
(2)血液ポンプ入口側の回路チューブの内径:3.7mm
(3)血液ポンプのチューブセグメントの内径:6.3mm
(4)実施例のコネクタ16 :漸拡流路の流路拡がり角:7度
全長:38mm
(5)比較例のコネクタ21 :漸拡流路の流路拡がり角:55度
全長:21mm
(6)穿刺針:メディキッド社製、クランプキャス 19G(17G相当)(内径:1.10 mm、長さ38 mm)
(7)ダイアライザー:東レ・メディカル社製「CS-1.6U」
(8)試験液:キサンタンガム(XG)溶液 12L(300 mg/RO水1L(Ht 30 %相当))、
XG溶液は作成後、1時間以上加温(37℃)、静置
(9)プライミング液:RO水
(10)流れ状態確認液:墨汁
(11)墨汁注入器具:針、シリンジ
(12)確認手法:ビデオ(撮影)
2.試験条件
(1)血液透析停止工程
(2)血液ポンプ速度(流量QB):200 ml/min
(3)穿刺針:動脈側:17G、静脈側 :17G
(4)血液ポンプカバー開の可視状態で運転する。
(5)墨汁の注入:パルス注入(注入量:約1 ml)
(6)ビデオ撮影
3.試験方法
(1)TR-3000MAに血液回路、ダイアライザーをセッティングする。
(2)血液回路、ダイアライザーをRO水でプライミングする。このとき十分に空気を除去する。
(3)穿刺針17Gをつけて、QB:200 ml/minで血液回路内をXG溶液に置換する。
(4)血液ポンプIN側の200 mm上流から空気が入らないように注意しながら、墨汁をパルス注入する。
(5)上記の様子をビデオに撮影する。
(6)墨の流れ方観察:溜まりやすい位置、流れの速い箇所、遅い箇所を観察する。
4.試験結果
図4に本発明の実施例に係るコネクタ16を用いた場合の観察状態、図5に比較例に係るコネクタ21を用いた場合の観察状態を、それぞれ示す。流れの速い箇所 はチューブの中心部であり、流れの遅い箇所はチューブの壁付近となっているが、とくに図5に示したコネクタ21を用いた場合では、流路径が拡大する部分Aからローラでしごきが開始される位置までが、滞留しやすい(溜まりやすい)位置となっていた。これに対し、本発明の実施例に係るコネクタ16を用いた場合では、滞留しやすい箇所は実質的に発生しなかった。墨汁が除去されるまでの時間は、コネクタ21を用いた場合では50秒、コネクタ16を用いた場合では21秒であった。
このように、この部分におけるコネクタの内部流路の流路拡がり角θを、55度から7度と、本発明における特定の緩やかな角度範囲内の角度とすることにより、全体的に均一な流れが確認され、液の滞留部分がなくなり、短い時間でスムーズに置換された。また、本発明の実施例に係るコネクタ16を用いた場合では、エアが除去されない状態には至らなかったが、比較例に係るコネクタ21を用いた場合では、図5の部分Aにエアの残存が確認された。
コネクタ16の内部流路を漸拡流路16eに構成することによって得られる上記のようなエア残存防止効果は、漸拡流路16eの流路拡がり角θを上記のような特定の緩やかな流路拡がり角の範囲(3度〜10度)内に設定することによって得られると考えられる。この角度範囲の妥当性は、例えば次のような漸拡流路を有する管路における漸拡損失係数と関連させて考えることが可能と考えられる。すなわち、漸拡損失係数が小さいほど、管路内の流れ状態がスムーズになり、エア残存はより確実に防止されるようになると考えられる。例えば、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・農村工学研究所出版:農業研究所技報 、第203号「拡径接合工法による鋼管継手部の性能評価」より引用した、流体の配管形状による管路損失に関して、管路が緩やかに拡張する「漸拡形状」の損失を求めた『漸拡損失係数(Gibsonの実験値)』のグラフを、図6に示す。図6における最小漸拡損失係数 f= 0.135となる漸拡角度はθ = 5°30′であり、グラフの曲線の立ち上がり度合いはこの最小値の左側の方が急であるから、この最小漸拡損失係数となる漸拡角度θ = 5°30′の前後の、漸拡損失係数の小さい角度範囲として3度〜10度を設定することは極めて妥当である。そして、前述の試験結果より、現実に、流路拡がり角7度のコネクタ16の使用により、エア残存が発生しない極めて優れた結果が確認されたことより、この角度7度を含む角度範囲5度〜8度、さらには、7度±1度の範囲は、現実に優れた効果が得られる極めて妥当な範囲と言える。また、図6の漸拡損失係数のグラフと前述の試験とを関連させて考慮することは、漸拡のための流路内径比が、前述の試験では6.3/3.7=1.7であり、図6における二つの曲線D2/D1=1.5とD2/D1=3.0の間に入っていることからも、妥当であると言える。
本発明に係る血液浄化装置は、血液ポンプを備えたあらゆる血液浄化装置に適用可能であり、とくに血液透析装置に好適なものである。
1 血液回路
1a 回路チューブ
1b チューブセグメント
2 動脈
3 静脈
4 血液ポンプ
4a ローラ
5 ダイアライザー
6 透析液回路
7 透析膜
8 調製済透析液供給装置
9 計量チャンバー
10 膜
11 フィルター
12 循環ポンプ
13 除水ポンプ
14 バイパス流路
15 ドリップチャンバー
16 コネクタ
16e 漸拡流路
100 血液浄化装置としての血液透析装置

Claims (5)

  1. チューブセグメントをしごくローラを旋回させることによりチューブセグメント内への導入流体を圧送するチューブポンプからなる血液ポンプを備え、患者の動脈側から血液を採取し血液を浄化した後患者の静脈側に返血する血液回路を有する血液浄化装置において、前記血液ポンプの入口側の血液回路を形成する回路チューブと前記血液ポンプ内に配置されたチューブセグメントとを接続するコネクタの内部流路を、血液送り方向に向けてテーパー状に徐々に拡がる漸拡流路に構成するとともに、該漸拡流路の流路拡がり角θを3度〜10度の範囲内としたことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記流路拡がり角θが、5度〜8度の範囲内とされている、請求項1に記載の血液浄化装置。
  3. 前記流路拡がり角θが、7度±1度の範囲内とされている、請求項2に記載の血液浄化装置。
  4. 前記コネクタが、前記内部流路内の流体の流れを外部から透視可能なコネクタからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の血液浄化装置。
  5. 前記血液回路を流通される血液と透析液回路を流通される透析液との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析装置からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の血液浄化装置。
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