JP2011210800A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IGBT領域とダイオード領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置において、ダイオード領域の逆回復時にダイオード領域へキャリアが集中することを抑制し、リカバリ破壊を抑制し、スイッチング損失を低減する。
【解決手段】半導体装置は、ダイオード領域と、IGBT領域と、ダイオード領域とIGBT領域との間に設けられた境界領域とを含む。境界領域には、半導体基板の表面から深さ方向に延びており、ポリシリコンとアモルファスシリコンの少なくとも一方を材料とするライフタイム制御層が形成されており、半導体基板のライフタイム制御層以外の部分は、ライフタイム制御層の材料よりキャリアのライフタイムが長い材料によって形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)領域とダイオード領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置に関する。
特許文献1に、IGBT領域とダイオード領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置が開示されている。特許文献1には、IGBT領域とダイオード領域との間でキャリアが移動することを抑制するために、IGBT領域とダイオード領域との間の境界領域に絶縁トレンチを形成する方法や、ダイオード領域の表面側に設けられたアノード層よりも深い位置に結晶欠陥層を形成する方法が開示されている。また、絶縁トレンチと結晶欠陥を組み合わせて、ダイオード領域の結晶欠陥層を絶縁トレンチに達するまで伸ばす方法が開示されている。
特開2008−192737号公報
IGBT領域とダイオード領域とが同一半導体基板に形成された半導体装置では、ダイオード領域の順方向動作時に、ダイオード領域のみならず、IGBT領域と境界領域にもキャリアが蓄積する。このため、ダイオード領域の逆回復時に大きな逆回復電流が流れ、スイッチング損失が大きくなる。また、ダイオード領域の順方向動作時に蓄積されたキャリアは、ダイオード領域の逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部に集中する。このため、リカバリ破壊が発生し易くなる。
特許文献1のように、境界領域に絶縁トレンチを形成する場合、絶縁トレンチによってダイオード領域とIGBT領域との間のキャリアの移動を抑制できるが、絶縁トレンチの下方ではダイオード領域とIGBT領域とがドリフト層で接続されている。このため、ダイオード領域の順方向動作時に、絶縁トレンチよりもIGBT領域側の境界領域にキャリアが蓄積されることを完全には防止できない。その結果、順方向動作時に蓄積されたキャリアが、ダイオード領域の逆回復時にダイオード領域側に移動する。さらに、半導体基板の表面近傍では、IGBT領域側に蓄積したキャリアが半導体基板の表面近傍の絶縁トレンチの端部に集中して、絶縁トレンチが破壊される場合があり、この場合、半導体基板の表面近傍を通過してキャリアがダイオード領域側に移動する。絶縁トレンチ自体にはキャリアを減衰させる機能がないため、ダイオードの逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部にキャリアが集中することによるリカバリ破壊を十分に抑制することはできない。また、ダイオード領域の表面側に設けられたアノード層よりも深い位置に結晶欠陥層を形成しても、順方向動作時に蓄積されたキャリアが結晶欠陥層の上方を通過すると、その通過するキャリアを減衰することはできない。このため、ダイオードの逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部にキャリアが集中することによるリカバリ破壊を十分に抑制することはできない。また、絶縁トレンチと結晶欠陥とを組み合わせる方法によっても、IGBT領域側に蓄積したキャリアが半導体基板の表面近傍の絶縁トレンチの端部に集中して破壊されることを防止することはできない。半導体基板の表面近傍のキャリアによって発生するリカバリ破壊を十分に抑制することはできない。
そこで、本願では、ダイオードを逆回復時からオフ状態に切り替える際のスイッチング損失を低減しつつ、ダイオード領域の逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部にキャリアが集中することを抑制して、半導体装置のリカバリ破壊を十分に抑制することを目的とする。
本願は、ダイオード領域と、IGBT領域と、ダイオード領域とIGBT領域との間に設けられた境界領域とを有する半導体基板を備えた半導体装置であって、境界領域には、半導体基板の表面から深さ方向に延びており、ポリシリコンとアモルファスシリコンの少なくとも一方を材料とするライフタイム制御層が形成されており、半導体基板のライフタイム制御層以外の部分は、ライフタイム制御層の材料よりキャリアのライフタイムが長い材料によって形成されている半導体装置を提供する。
上記の半導体装置の境界領域には、ポリシリコンとアモルファスシリコンの少なくとも一方を材料とするライフタイム制御層が形成されている。半導体基板のライフタイム制御層以外の部分は、ライフタイム制御層の材料よりキャリアのライフタイムが長い材料によって形成されている。境界領域の半導体基板の表面の近傍は、ダイオード領域のアノード層と、IGBT領域との間でのキャリアの移動経路となっている。ライフタイム制御層は、境界領域の半導体基板の表面側から深さ方向に延びており、キャリアの移動経路に形成されている。キャリアの移動経路にキャリアのライフタイムが短いライフタイム制御層を備えているため、ダイオードの順方向動作時には、ダイオード領域から境界領域、IGBT領域へ移動しようとするキャリアがライフタイム制御層によって減衰され、境界領域、IGBT領域にキャリアが蓄積することが抑制される。また、ダイオード領域の逆回復時には、境界領域、IGBT領域からダイオード領域へ移動しようとするキャリアが、ライフタイム制御層によって減衰される。これによって、ダイオード領域の逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部にキャリアが集中することが抑制される。その結果、ダイオードのリカバリ破壊を抑制し、ダイオードを逆回復時からオフ状態に切り替える際のスイッチング損失を低減することができる。
上記の半導体装置では、ダイオード領域は、半導体基板の表面に露出しているp型のアノード層と、アノード層の裏面側に形成されているn型のダイオードドリフト層と、ダイオードドリフト層よりn型の不純物濃度が高く、ダイオードドリフト層の裏面側に形成されているn型のカソード層と、を備えており、IGBT領域は、半導体基板の表面に露出しているn型のエミッタ層と、エミッタ層の側方及び裏面側に形成されており、エミッタ電極に接しているp型のボディ層と、ボディ層の裏面側に形成されているn型のIGBTドリフト層と、IGBTドリフト層の裏面側に形成されているp型のコレクタ層と、エミッタ層とIGBTドリフト層を分離している範囲のボディ層に絶縁膜を介して対向しているゲート電極と、を備えており、ライフタイム制御層は、アノード層とボディ層との間に形成されていてもよい。
アノード層とボディ層との間は、ダイオード領域とIGBT領域との間でキャリアが移動する場合のキャリアの移動経路である。このキャリアの移動経路にライフタイム制御層が形成されているため、より効果的に、ダイオード領域とIGBT領域との間で移動するキャリアを減衰することができる。また、アノード層のIGBT領域側の端部とIGBT領域の間にライフタイム制御層が形成されているため、アノード層のIGBT領域側の端部にキャリアが集中することを抑制することができる。
ライフタイム制御層の下端は、アノード層の下端およびボディ層の下端よりも深いことが好ましい。より効果的に、ダイオード領域とIGBT領域との間で移動するキャリアを減衰することができる。
ライフタイム制御層は、アノード層のIGBT領域側の側面の全体を覆うように形成されていることが好ましい。より効果的に、ダイオード領域とIGBT領域との間で移動するキャリアを減衰することができる。
本発明によれば、ダイオード領域の逆回復時のスイッチング損失を低減しつつ、ダイオード領域の逆回復時に、アノード層のIGBT領域に最も近い側の端部にキャリアが集中することを抑制することができる。
実施例1の半導体装置の平面図。 図1のII−II線断面図。 実施例1の半導体装置に係るシミュレーションモデル図。 ライフタイム制御層の深さとホール濃度との関係を示す図。 ライフタイム制御層の幅とホール濃度との関係を示す図。 実施例1の半導体装置の製造方法を説明する図。 実施例1の半導体装置の製造方法を説明する図。 実施例1の半導体装置の製造方法を説明する図。 実施例1の半導体装置の製造方法を説明する図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の断面図。 変形例の半導体装置の平面図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を以下に列記する。
(特徴1)半導体基板の材料は、単結晶シリコンであり、ライフタイム制御領域の材料は、多結晶シリコンである。
以下、本発明の実施例1について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施例に係る半導体装置100は、半導体基板10と、半導体基板10の表面に形成されている電極、絶縁膜等を備えている。半導体基板10は、ダイオード領域1と、IGBT領域2と、ダイオード領域1とIGBT領域2との間の境界領域3と、半導体基板10の周辺部に設けられた周辺領域9とを備えている。半導体基板10は、平面視すると長方形状であり、その中央部に略長方形状のダイオード領域1が形成されている。ダイオード領域1の外縁を取り囲むように、半導体基板10の内側から外側に向けて順に、境界領域3、IGBT領域2、周辺領域9が形成されている。IGBT領域2と周辺領域9の境界部分には、半導体基板10の表面から深さ方向に延びる周辺耐圧層8が形成されている。IGBT領域2の表面には、IGBT領域2に流れる電流の検知等に用いる小信号パッド45が形成されている。尚、図1では、小信号パッド45を除いて、半導体基板100の表面に形成されている電極および絶縁膜の図示を省略している。
図2に示すように、半導体基板10の裏面には、裏面電極40が形成されている。半導体基板10は、単結晶シリコン基板を材料として形成されている。半導体基板10は、n型のカソード層11と、カソード層11に隣接するp型のコレクタ層12と、カソード層11およびコレクタ層12の表面に積層されたn型のドリフト層14とを備えている。
図2に示すように、ダイオード領域1は半導体基板10のカソード層11とその上面側の層で構成されている。ダイオード領域1の裏面側には裏面電極40が設けられており、ダイオード領域1の表面側にはダイオード表面電極41が設けられている。ダイオード領域1では、ダイオードドリフト層としてのドリフト層14の表面に、p型のアノード層(151,171)が積層されている。アノード層は、第1アノード層151と第2アノード領域171によって構成されている。第2アノード領域171の濃度は、第1アノード層151の濃度より高い。第2アノード領域171は、半導体基板10の表面に縞状に形成されている。第1アノード層151は、第2アノード領域171の側方及び下方に設けられている。
図2に示すように、IGBT領域2は半導体基板10のコレクタ層12とその上面側の層で構成されている。IGBT領域2の裏面側には裏面電極40が設けられており、IGBT領域2の表面側にはIGBT表面電極42が設けられている。IGBT領域2では、IGBTドリフト層としてのドリフト層14の表面にp型のボディ層152が積層されている。ボディ層152の表面には、n型のエミッタ層162が設けられている。エミッタ層162は、ボディ層152によってドリフト層14と隔離されている。
IGBT領域2では、半導体基板10の上表面からドリフト層14に向けて、複数のトレンチゲート19が設けられている。トレンチゲート19の下端部の深さは、ボディ層152の下端部よりも深い。トレンチゲート19は、ゲートトレンチ191内に形成されたゲート絶縁膜192、およびその内部に充填されているゲート電極193を備えている。ゲート電極193とIGBT表面電極42との間には、層間絶縁膜182が設けられている。エミッタ層162はトレンチゲート19に接している。
境界領域3は、ダイオード領域1とIGBT領域2との間に設けられている。境界領域3においては、半導体基板10の表面側には、絶縁膜182が形成されており、表面電極とのコンタクトが形成されていない。本実施例においては、境界領域3内には、カソード層11とコレクタ層12との境界があり、その境界の上層側には、ドリフト層14が積層されている。
境界領域3には、半導体基板10の表面側からドリフト層14まで伸びるライフタイム制御層30が設けられている。ライフタイム制御層30は、境界領域3とダイオード領域1との境界、および、境界領域3とIGBT領域2との境界に沿って、半導体基板10の表面側から裏面側へと伸びている。ライフタイム制御層30は、カソード層11とコレクタ層12との境界の上方に位置している。ライフタイム制御層30のダイオード領域1側は、第1アノード層151と接しており、ライフタイム制御層30のIGBT領域2側は、ボディ層152と接している。すなわち、ライフタイム制御層30は、第1アノード層151とボディ層152との間に設けられており、ライフタイム制御層30の下端は、第1アノード層151の下端およびボディ層152の下端よりも半導体基板の深い位置まで延びている。また、図1に示すように、半導体基板10を平面視したとき、ライフタイム制御層30は、ダイオード領域1の周囲を囲むように形成されている。これによって、ライフタイム制御層30は、アノード層(151,171)のIGBT領域側の側面の全域に接して、この側面を覆った状態となっている。
ライフタイム制御層30の材料は、ポリシリコンとアモルファスシリコンとの少なくともいずれか一方である。ポリシリコンは、単結晶シリコンよりもキャリアのライフタイムが短い材料であり、アモルファスシリコンは、ポリシリコンよりもさらにキャリアのライフタイムが短い材料である。半導体基板10のライフタイム制御層30以外の領域は、ポリシリコンよりもキャリアのライフタイムが長い単結晶シリコンを材料としている。すなわち、半導体基板10のライフタイム制御層30以外の領域は、ライフタイム制御層30の材料よりも、キャリアのライフタイムが長い材料によって形成されている。ライフタイム制御層30は、ポリシリコンとアモルファスシリコンの少なくとも一方を材料としており、単結晶シリコンによって形成されているダイオード領域1やIGBT領域2等よりもキャリアのライフタイムが短い。
境界領域3の半導体基板10の表面の近傍は、アノード層(151,171)と、境界領域3、IGBT領域2との間でのキャリアの移動経路となっている。ライフタイム制御層30は、境界領域3の半導体基板10の表面側から深さ方向に延びており、キャリアの移動経路に形成されている。
キャリアのライフタイムが短いライフタイム制御層30がこのキャリアの移動経路に形成されているため、ダイオード領域1の順方向動作時には、ダイオード領域1から境界領域3、IGBT領域2へ移動しようとするキャリアがライフタイム制御層30によって減衰され、境界領域3、IGBT領域2にキャリアが蓄積することが抑制される。また、ダイオード領域1の逆回復時には、境界領域3、IGBT領域2からダイオード領域1へ移動しようとするキャリアが、ライフタイム制御層30によって減衰される。このため、IGBT領域2に最も近い側のアノード層(151,171)の端部にキャリアが集中することを効果的に抑制することができる。その結果、ダイオードのリカバリ破壊を抑制し、ダイオードを逆回復時からオフ状態に切り替える際のスイッチング損失を低減することができる。ライフタイム制御層30は、半導体基板10の表面から深さ方向に延びているので、半導体基板10の表面近傍を通過しようとするキャリアを減衰することもできる。
さらに、実施例1では、ライフタイム制御層30は、アノード層のIGBT領域側の側面の全域に接して形成されている。アノード層のIGBT領域側の側面は、アノード層と、IGBT領域2、境界領域3との間でキャリアが移動する場合に、キャリアが集中し易い。この側面全体にライフタイム制御層30が形成されているため、より効果的に、アノード層のIGBT領域側の端部にキャリアが集中することを抑制することができる。アノード層のIGBT領域側の側面の下端部分は、特にキャリアが集中し易い。さらに、実施例1では、ライフタイム制御層30の下端は、アノード層の下端およびボディ層の下端よりも深い位置まで延びているため、アノード層のIGBT領域側の側面の下端部分を十分に保護することができ、さらに効果的に、アノード層IGBT領域側の端部にキャリアが集中することを抑制することができる。
図3は、実施例1の半導体装置に係るシミュレーションモデル図である。図2と同様に、半導体基板910は、半導体基板10と同様に、ダイオード領域91と、IGBT領域(図示していない)と、ダイオード領域91とIGBT領域との間に形成されている境界領域93とを備えている。半導体基板910の材料は単結晶シリコンである。境界領域93にはポリシリコンを材料とするライフタイム制御層930が形成されている。半導体基板910のダイオード領域91の表面には、アノード電極941が形成されており、半導体基板910のIGBT領域の表面には、エミッタ電極(図示しない)が形成されている。半導体基板910の裏面には、裏面電極940が形成されている。図3に示すように、半導体基板910の厚さは250μmであり、半導体基板910のアノード電極の境界領域側の端部から1μmの位置から、境界領域93に向かって幅100μmの領域を対象にシミュレーションを行う。図示していないが、アノード層の深さは4μmである。
図3に示すシミュレーションモデルを用いて、ライフタイム制御層930の幅wと、半導体基板910の表面からの深さdを変化させて、半導体装置に順方向に通電したときに拡散するホール濃度を図3に示す点Aにおいて評価するシミュレーションを行った。点Aは、半導体基板910の表面からの深さが20μmであり、幅方向には、半導体基板910のアノード電極の境界領域側の端部から1μmの位置から境界領域93に向かって95μmの位置である。シミュレーション結果を図4および図5に図示する。図4は、幅wをw=90μmで固定して深さdを変化させた場合の結果を示しており、横軸は深さdであり、縦軸は点Aにおけるホール濃度(d=0の場合のホール濃度を1として規格化したホール濃度)である。図5は、深さdをd=5μmで固定して幅wを変化させた場合の結果を示しており、横軸は幅wであり、縦軸は点Aにおけるホール濃度(w=0の場合のホール濃度を1として規格化したホール濃度)である。図4、図5に示すように、ライフタイム制御層30が存在することによって、点Aにおけるホール濃度が低減されることがわかった。点Aにおいてホール濃度が低減されたという結果は、境界領域からダイオード領域のアノード層へのホールの移動が抑制されたということを示している。すなわち、実施例に説明したようなライフタイム制御層を半導体装置に形成することによって、境界領域からダイオード領域へのキャリアの移動を抑制することが可能であることが明らかになった。図3に示すシミュレーションモデルでは、図4および図5に示すように、ライフタイム制御層が無い場合と比較して、幅wが90μm、深さdが5μmのライフタイム制御層が存在する場合には、ホール濃度が半減することが明らかになった。
実施例1に係る半導体装置100において、ライフタイム制御層30およびゲート電極193の材料が同一のポリシリコンであり、ライフタイム制御層30の深さとゲートトレンチ191の深さが同一である場合には、以下に図6〜図10を用いて例示的に説明するように、トレンチゲート19を形成する工程において同時にライフタイム制御層30を形成することができ、好ましい。
図6は、n型のドリフト層814とp型のボディ層815とを備えた、単結晶シリコンを材料とする半導体基板810と、半導体基板の表面に形成されたマスク881とを示している。マスク881は、シリコン酸化物(SiO)であり、ダイオード領域1となる領域81、IGBT領域2となる領域82、境界領域3となる領域83、に合わせてパターニングされている。領域82のトレンチゲート19を形成する部分と、領域83のライフタイム制御層30を形成する部分においてマスク881は開口しており、半導体基板810が露出している。
図6の状態の半導体基板810に対してエッチングを行うと、図7に示すように、ゲートトレンチ891を形成すると同時にライフタイム制御層用のトレンチ831を形成することができる。ライフタイム制御層用トレンチ831の深さは、ゲートトレンチ891の深さと同じ深さとなる。次に、熱酸化等によってゲート絶縁膜を形成する工程を行うと、図8に示すように、絶縁膜883が半導体基板810の表面に形成される。ゲートトレンチ891の内壁面に絶縁膜883が形成されると同時に、ライフタイム制御層用トレンチ831の内壁面にも絶縁膜883が形成される。絶縁膜883のうち、ゲートトレンチ891の内壁面に形成されている絶縁膜892は、ゲート絶縁膜192となる絶縁膜である。次に、図9に示すように、ライフタイム制御層用トレンチ831に形成された絶縁膜883を除去する。図9の状態で、ライフタイム制御層用トレンチ831およびゲートトレンチ891にポリシリコンを充填すると、図10の状態になる。ライフタイム制御層30となるポリシリコン層830は、半導体基板810のボディ層815およびドリフト層814と接している。ゲートトレンチ891に充填されたポリシリコン層893(ゲート電極となる層)は、絶縁膜892(ゲート絶縁膜となる絶縁膜)によって、半導体基板810と隔離されている。
上記のとおり、半導体基板にゲートトレンチを形成するとともに、半導体基板の境界領域の表面側を除去してライフタイム制御層用トレンチを形成するエッチング工程と、ゲートトレンチおよびライフタイム制御層用トレンチに、同一材料を充填する充填工程とを含む、半導体装置の製造方法によって形成することができる。トレンチゲートを形成する工程を利用して、ライフタイム制御層を形成することができる。トレンチゲートを形成する工程において同時にライフタイム制御層を形成することができるため、半導体装置の製造工程の工数を簡略化できる。
尚、図6〜図10は、実施例1に係る半導体装置の製造方法の一例を例示的に示すものであって、これに限定されない。また、ライフタイム制御層30の材料とゲート電極193の材料が異なっており、ライフタイム制御層30の深さとゲートトレンチ191の深さが異なっている場合であっても、実施例1の半導体装置のライフタイム制御層は、エッチング等の従来の半導体装置の製造技術を用いて形成することができる。特に、エッチングによってライフタイム制御層用トレンチを形成し、これにライフタイム制御層の材料を充填する製造方法を用いれば、ライフタイム制御層の位置、形状、大きさを容易に調整することができる。
(変形例)
ライフタイム制御層の形状、位置、大きさは、実施例1で説明した半導体装置100に限定されない。ライフタイム制御層が半導体基板の境界領域の表面から深さ方向に延びていれば、ライフタイム制御層によってキャリアが減衰されるため、境界領域からダイオード領域へキャリアが移動することを抑制することができる。
例えば、図11に示す半導体装置101のように、ライフタイム制御層30と半導体基板10aの一部が絶縁層185によって隔離されていてもよい。絶縁層185は、例えば、ライフタイム制御層30の底面に形成されていてもよい。
また、例えば図12に示す半導体装置102のように、半導体基板10bには、複数のライフタイム制御層321,322が形成されていてもよい。図12に示すように、ライフタイム制御層321の材料とライフタイム制御層322と材料が同じであれば、製造工程が簡便となるが、複数のライフタイム制御層が互いに異なる材料によって形成されていてもよい。
また、例えば図13に示す半導体装置103のように、ドリフト層14に達しない深さのライフタイム制御層34が形成された半導体基板10cであってもよい。
また、例えば図14および図15に示す半導体装置104,105のように、半導体基板10d,10eの境界領域3の表面側には、ライフタイム制御層とは異なる半導体層が形成されていてもよい。図14に示すように、境界領域3のダイオード領域1に近い側にライフタイム制御層361が形成されており、IGBT領域に近い側にp型の半導体層362が形成されていてもよい。図15に示すように、境界領域3のダイオード領域1に近い側にp型の半導体層372が形成されており、IGBT領域に近い側にライフタイム制御層371が形成されていてもよい。
また、実施例1では、図1に示すように、半導体基板を平面視すると、ダイオード領域1の周囲の境界領域3の平面方向の全域にライフタイム制御層30が形成されており、ライフタイム制御層30によってダイオード領域1が囲まれていたが、半導体基板を平面視したとき、ライフタイム制御層がダイオード領域1を取り囲んでいなくてもよい。図16に示す半導体装置106のように、半導体基板10fには、長方形状の境界領域3の角部にライフタイム制御層381が形成されており、直線部にライフタイム制御層382が形成されており、ライフタイム制御層381とライフタイム制御層382が連続した層でなくてもよい。さらに、例えば図16において、ライフタイム制御層381のみを形成して、ライフタイム制御層382は形成しないようにしてもよい。ライフタイム制御層を小さくし、限られた個数だけ形成する場合には、ライフタイム制御層381のように、境界領域3を角部に形成することが好ましい。キャリアが集中し易い角部にライフタイム制御層381が形成されているため、効果的にキャリアの集中を抑制することができる。
尚、半導体基板としては、実施例1において用いた単結晶シリコンを材料とする基板の他に、単結晶シリコンカーバイド(SiC)を材料とする基板を好適に用いることができるが、これに限定されない。半導体基板は、ライフタイム制御層の材料よりキャリアのライフタイムが長い材料によって形成されていればよい。ライフタイム制御層が複数の材料によって形成されている場合には、そのいずれの材料よりもキャリアのライフタイムが長い材料によって、半導体基板が形成されていればよい。また、実施例1では、図1に示すように、半導体装置を平面視した場合に、半導体基板の中央部がダイオード領域であり、周辺部がIGBT領域である場合を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、半導体基板の中央部がIGBT領域であり、周辺部がダイオード領域であり、その間に境界領域が形成されていてもよい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 ダイオード領域
2 IGBT領域
3 境界領域
8 周辺耐圧層
9 周辺領域
10,10a〜10f 半導体基板
11 カソード層
12 コレクタ層
14 ドリフト層
19 トレンチゲート
30,34,321,322,361,371,381,382 ライフタイム制御層
32 層間絶縁膜
40 裏面電極
41 ダイオード表面電極
42 IGBT表面電極
45 小信号パッド
100,101,102,103,104,105,106 半導体装置
151 アノード層
152 ボディ層
162 エミッタ層
171 アノード層
182 層間絶縁膜
183 絶縁膜
185 絶縁層
191 ゲートトレンチ
192 ゲート絶縁膜
193 ゲート電極
362,372 半導体層

Claims (4)

  1. ダイオード領域と、IGBT領域と、ダイオード領域とIGBT領域との間に設けられた境界領域とを有する半導体基板を備えた半導体装置であって、
    境界領域には、半導体基板の表面から深さ方向に延びており、ポリシリコンとアモルファスシリコンの少なくとも一方を材料とするライフタイム制御層が形成されており、
    半導体基板のライフタイム制御層以外の部分は、ライフタイム制御層の材料よりキャリアのライフタイムが長い材料によって形成されている半導体装置。
  2. ダイオード領域は、
    半導体基板の表面に露出しているp型のアノード層と、
    アノード層の裏面側に形成されているn型のダイオードドリフト層と、
    ダイオードドリフト層よりn型の不純物濃度が高く、ダイオードドリフト層の裏面側に形成されているn型のカソード層と、
    を備えており、
    IGBT領域は、
    半導体基板の表面に露出しているn型のエミッタ層と、
    エミッタ層の側方及び裏面側に形成されており、エミッタ電極に接しているp型のボディ層と、
    ボディ層の裏面側に形成されているn型のIGBTドリフト層と、
    IGBTドリフト層の裏面側に形成されているp型のコレクタ層と、
    エミッタ層とIGBTドリフト層を分離している範囲のボディ層に絶縁膜を介して対向しているゲート電極と、
    を備えており、
    ライフタイム制御層は、アノード層とボディ層との間に形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. ライフタイム制御層の下端は、アノード層の下端およびボディ層の下端よりも深い、請求項2に記載の半導体装置。
  4. ライフタイム制御層は、アノード層のIGBT側の側面の全体を覆うように形成されている、請求項2または3に記載の半導体装置。
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