JP5549936B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関し、より詳しくは、1つの半導体層に異なる種類の半導体素子が搭載された半導体装置に関する。
近年、スイッチング用の半導体素子と還流用の半導体素子が1つの半導体層に搭載された半導体装置が開発されている。例えば直流電力を交流電力に変換するインバータ回路は、この種の半導体素子の複数個が接続されることによって構成されている。
特許文献1には、インバータ回路に用いられる半導体装置の一例が開示されている。この半導体装置では、横型のIGBT(Lateral Insulated Gate Bipolar Transistor:以下、LIGBTと称する)と還流用ダイオード(Free Wheeling Diode:以下、FWDと称する)が1つのSOI(Semiconductor on Insulator)基板に隣接するよう形成されている。
上記FWDの構成とLIGBTの構成とは部分的に共通しているため、同一の基板上に隣接して形成することが好ましい。このようなFWDとLIGBTとから成るインバータ回路を1つの基板上に集積して形成するべく、本件出願人は、特願2010−221534号において、以下の提案をしている。
図10は、特願2010−221534号に係る半導体装置の一実施例を示す平面レイアウト図である。図10に示される半導体装置は、半導体基板上において四角環状に絶縁体領域で他の領域と区切られた素子形成領域中において、LIGBT301およびFWD302がトレンチ絶縁仕切り部350を挟み交互に配置された構成となっている。なお、LIGBT301およびFWD302を区切るトレンチ絶縁仕切り部350は、当該半導体装置を平面視した場合に、素子形成領域の四辺を垂直に分断するよう、各々形成されている。すなわち、半導体装置を平面視した場合に、LIGBT301およびFWD302は、角部を除き長方形領域となるよう形成されている。
特開2005−64472号公報
しかしながら、上記特願2010−221534号に係る半導体装置には以下の課題が存在した。
具体的には、LIGBT301がオン状態となった際、ドリフト領域のエミッタ側においてキャリア濃度が低下してしまう。このようなキャリア濃度の低下は、LIGBT301がオン状態となった際に、エミッタ_ボディコンタクトホールを介して少数キャリアがエミッタ_ボディ電極から排出されることに起因する。より詳細には、LIGBT301がオン状態となった際には、コレクタ領域から少数のキャリアがドリフト領域へ注入され、注入された少数キャリアとボディP-領域の極性とが同一であるため当該少数キャリアが上述の通り排出されてしまうのである。
上記のようなドリフト領域におけるキャリア濃度の低下が発生すると、LIGBT301の電気抵抗が高くなるため、オン電圧が増加するという問題があった。
またLIGBT301と同様に、FWD302も順バイアス時にドリフト領域のカソード側においてキャリア濃度が低下することによって抵抗が大きくなり、順方向電圧降下量が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、従来に比してオン電圧性能に優れた横型IGBT、および順方向電圧特性に優れた横型FWDを同一基板上に構成可能とする半導体装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するため、本願は以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明は、半導体基板上において、横型IGBTと、横型FWDとが、絶縁体であるトレンチ絶縁仕切り部を挟むように横方向に隣接配置されて成る半導体装置であって、横型IGBTは、平面視した場合に、エミッタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅がコレクタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、横型FWDは、平面視した場合に、カソード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅がアノード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されていることを特徴とする、半導体装置である。
さらに、第1の発明は、横型IGBTのコレクタ領域、および横型FWDのカソード領域は、第1導電型で各々トレンチ絶縁仕切り部を挟んで隣接するよう形成され、横型IGBTのエミッタ領域、および横型FWDのアノード領域は、第2導電型で各々トレンチ絶縁仕切り部を挟んで隣接するよう形成されていることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、トレンチ絶縁仕切り部が半導体装置を平面視した場合に階段状に形成されることによって、エミッタ領域、横型IGBTのドリフト領域、およびコレクタ領域は、平面視矩形領域として形成され、横型IGBTを平面視した際に、キャリアの移動方向に対して垂直方向のエミッタ領域の幅は、当該横型IGBTのドリフト領域の幅に比べて狭くなるよう形成され、横型FWDを平面視した際に、キャリアの移動方向に対して垂直方向のカソード領域の幅は、当該横型FWDのドリフト領域の幅に比べて狭くなるよう形成されていることを特徴とする。
の発明は、第の発明において、トレンチ絶縁仕切り部が、表裏面で横型IGBTおよび横型FWDと各々に接する板状の領域部として形成され、半導体装置を平面視した際に、横型IGBTおよび横型FWDのキャリアの移動方向に対して所定の角度で傾斜するよう配置されることを特徴とする。
の発明は、半導体基板上において、横型IGBTと、横型FWDとが、絶縁体であるトレンチ絶縁仕切り部を挟むように横方向に隣接配置されて成る半導体装置であって、横型IGBTは、平面視した場合に、エミッタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅がコレクタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、横型FWDは、平面視した場合に、カソード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅がアノード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、半導体装置を平面視した場合に、横型IGBTの形成領域内において、エミッタ領域のみを、横型IGBTのキャリアの移動方向に対して垂直に挟むように形成された絶縁体であるエミッタ領域制限トレンチ絶縁部をさらに備えることによって、エミッタ領域と横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅が、コレクタ領域と横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、FWDの形成領域内において、カソード領域のみを、横型FWDのキャリアの移動方向に対して垂直に挟むように形成された絶縁体であるカソード領域制限トレンチ絶縁部をさらに備えることによって、カソード領域と横型FWDのドリフト領域との境界面の幅が、アノード領域と横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、従来に比してオン電圧性能に優れた横型IGBT、および順方向電圧特性に優れた横型FWDを同一基板上に構成することができる。より具体的には、横型IGBTのエミッタ領域とドリフト領域の境界面の大きさをコレクタ領域とドリフト領域の境界面の大きさより小さくすることによって、エミッタ側の少数キャリアの排出量を減少させて、ドリフト領域内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。同様に、横型FWDのカソード領域とドリフト領域の境界面の大きさをアノード領域とドリフト領域の境界面の大きさより小さくすることによって、カソード側の少数キャリアの排出量を減少させて、ドリフト領域内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。したがって、キャリア濃度の低下に伴う抵抗の増加を抑制し、横型IGBTのオン電圧、横型FWDの順方向電圧降下量を低減することができる。
また、の発明によれば、横型IGBTと横型FWDの構成のうち同様の導電型で構成される領域を隣接形成することができるため、当該半導体装置を容易に製造可能である。また、横型IGBTと横型FWDを効率良く配置することができるため、半導体装置を高集積化することが可能である。
の発明によれば、エミッタ領域の幅に対してドリフト領域の幅を大きく形成されるため、エミッタ側のキャリア排出量に対するドリフト領域のキャリアの蓄積量を大きくすることができる。また、ドリフト領域の幅に対してコレクタ領域の幅が大きく形成されるため、コレクタ領域からドリフト領域へ注入されるキャリアの注入効率を増大することができる。故に、ドリフト領域におけるキャリア濃度の低下をさらに抑制することができる。すなわち、横型IGBTのオン抵抗をさらに低減することができる。同様に、横型FWDについても、カソード側のキャリアの排出量を抑制し、アノード側からキャリアの注入効率を増大させて、ドリフト領域におけるキャリア濃度の低下をさらに抑制することができる。すなわち、横型FWDの順方向電圧降下量をさらに低減することができる。
また、平面視矩形領域を階段状のトレンチ絶縁仕切り部で仕切って横型IGBTの形成領域と横型FWDの形成領域を構成することによって、上記効果を奏する横型IGBTおよび横型FWDを同一基板上において容易に構成することが可能である。
の発明によれば、トレンチ絶縁仕切り部を簡素な形状および配置で構成できるため、本発明に係る半導体装置を簡単な加工で形成することができる。
第4の発明によれば、従来に比してオン電圧性能に優れた横型IGBT、および順方向電圧特性に優れた横型FWDを同一基板上に構成することができる。より具体的には、横型IGBTのエミッタ領域とドリフト領域の境界面の大きさをコレクタ領域とドリフト領域の境界面の大きさより小さくすることによって、エミッタ側の少数キャリアの排出量を減少させて、ドリフト領域内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。同様に、横型FWDのカソード領域とドリフト領域の境界面の大きさをアノード領域とドリフト領域の境界面の大きさより小さくすることによって、カソード側の少数キャリアの排出量を減少させて、ドリフト領域内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。したがって、キャリア濃度の低下に伴う抵抗の増加を抑制し、横型IGBTのオン電圧、横型FWDの順方向電圧降下量を低減することができる。また、の発明によれば、従来の半導体装置にエミッタ領域制限トレンチ絶縁およびカソード領域制限トレンチ絶縁部を追加加工するだけで、容易にドリフト領域におけるキャリア濃度の低下を抑制し、横型IGBTのオン電圧特性および横型FWDの順方向電圧降下特性を向上することができる。
第1の実施形態に係る半導体装置1000の構成を示す平面レイアウト図の一例 図1のAA’線に対応した断面であって、LIGBT1のXZ平面における構成を示す図 図1のBB’線に対応した断面であって、FWD2のXZ平面における構成を示す図 図1の領域F1を拡大し、第1の実施形態に係るLIGBT1およびFWD2のXY平面における構成を示した図 半導体装置1000を用いて構成可能な電気回路の一例を示す図 第2の実施形態に係る半導体装置2000の構成を示す平面レイアウト図の一例 図6の領域F2を拡大し、第2の実施形態に係るLIGBT3およびFWD4のXY平面における構成を示した図 第3の実施形態に係る半導体装置3000の構成を示す平面レイアウト図の一例 図8の領域F3を拡大し、第3の実施形態に係るLIGBT5およびFWD6のXY平面における構成を示した図 従来の半導体装置の一実施例を示す平面レイアウト図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置1000について説明する。先ず、図1を参照して半導体装置1000の構成について説明する。なお、図1は、半導体装置1000の構成を示す平面レイアウト図の一例である。図1に示すように、半導体装置1000は、半導体基板上において第1トレンチ絶縁分離部12を外周端部とし、第2トレンチ絶縁分離部14を内周端部とする四角環状の素子形成領域中において、複数のLIGBT1およびFWD2がトレンチ絶縁仕切り部50を挟み交互に配置されて構成される。なお、トレンチ絶縁仕切り部50は、第1トレンチ絶縁分離部12から第2トレンチ絶縁分離部14にかけて素子形成領域を横断し、LIGBT1の形成領域とFWD2の形成領域とを分離するよう形成されている。以下では、図1に示した平面をXY平面とし、XY平面に垂直な方向をZ方向成分として半導体装置1000の構成について説明する。また、上記素子形成領域のうち、第1トレンチ絶縁分離部12、第2トレンチ絶縁分離部14、およびトレンチ絶縁仕切り部50に囲まれ、LIGBT1が形成されている領域を第1素子領域16と称する。また、上記素子形成領域のうち、第1トレンチ絶縁分離部12、第2トレンチ絶縁分離部14、およびトレンチ絶縁仕切り部50に囲まれ、FWD2が形成されている領域を第2素子領域18と称する。
次に、図2を参照してLIGBT1の構成について説明する。図2は、図1のAA’線に対応した断面であって、LIGBT1のXZ平面における構成を示す図である。図2に示されるように、SOI基板20は、半導体支持層22と埋込み絶縁層24と半導体層26を備えている。半導体支持層22は、単結晶のシリコンで形成されている。埋込み絶縁層24は、酸化シリコンで形成されている。半導体層26は、n型の不純物が低濃度に導入された単結晶のシリコンで形成されている。
図2に示されるように、LIGBT1は、第1トレンチ絶縁分離部12と第2トレンチ絶縁分離部14で挟まれた第1素子領域16に形成されている。第1トレンチ絶縁分離部12は、半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えている。第2トレンチ絶縁分離部14も同様に、半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜14aとその酸化膜14aで被覆されたポリシリコンの芯部14bとを備えている。
図2に示されるように、LIGBT1は、p+型のボディコンタクト層31と、n+型のエミッタ層32と、p型のボディ層33と、n-型のドリフト層34と、n+型の埋込み層35と、n型のバッファ層36と、p+型のコレクタ層37を備えている。
ボディコンタクト層31、エミッタ層32およびボディ層33は、半導体層26の表層部のうちの第2トレンチ絶縁分離部14側に設けられている。特に、ボディコンタクト層31およびボディ層33は、第2トレンチ絶縁分離部14の側面に接している。エミッタ層32は、ボディ層33によってドリフト層34から隔てられている。ドリフト層34は、ボディ層33とバッファ層36の間に設けられており、LIGBT1がオフしたときに電位差を保持する領域である。埋込み層35は、半導体層26の裏層部に設けられており、第1トレンチ絶縁分離部12と第2トレンチ絶縁分離部14の間に亘って設けられている。バッファ層36およびコレクタ層37は、半導体層26の表層部のうちの第1トレンチ絶縁分離部12側に設けられている、特に、バッファ層36およびコレクタ層37は、第1トレンチ絶縁分離部12の側面に接している。コレクタ層37は、バッファ層36によってドリフト層34から隔てられている。なお、これらの断面構造は、第1素子領域16の全体に亘って共通している。したがって、ボディコンタクト層31、エミッタ層32およびボディ層33は、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14の側面に沿って第1素子領域16の全体に亘って設けられている。同様に、バッファ層36とコレクタ層37は、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12の側面に沿って第1素子領域16の全体に亘って設けられている。
なお、以下では、上記ボディコンタクト層31、エミッタ層32、およびボディ層33が形成されている領域をエミッタ領域REと称する。また、バッファ層36およびコレクタ層37が形成されている領域をコレクタ領域RCと称する。また、ドリフト層34のうちボディ層33とバッファ層36とに挟まれている領域をドリフト領域RDLと称する。
図2に示されるように、LIGBT1はさらに、層間絶縁膜41と、コレクタ電極42と、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜43と、ゲート電極44と、プレーナゲート部47と、エミッタ電極48を備えている。
層間絶縁膜41は、SOI基板20の表面を被覆しており、酸化シリコンで形成されている。コレクタ電極42は、第1トレンチ絶縁分離部12側の層間絶縁膜41の表面に配設されている。特に、コレクタ電極42は、第1トレンチ絶縁分離部12の上方にも配設されている。コレクタ電極42は、SOI基板20を平面視したときに、少なくとも第1トレンチ絶縁分離部12に沿って第1トレンチ絶縁分離部12の上方に配設されている。さらに、コレクタ電極42は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにコレクタ層37に接触部42aを介して接している。接触部42aは、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12に沿って第1素子領域16の全体に亘って設けられている。また、コレクタ電極42は、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12から第2トレンチ絶縁分離部14の向き(図2の場合、左向き)において、バッファ層36を超えて配設されていないのが望ましい。
LOCOS酸化膜43は、ドリフト層34の表面に設けられており、酸化シリコンで形成されている、ゲート電極44は、コレクタ電極42とエミッタ電極48の間の層間絶縁膜41の表面に配設されている。ゲート電極44は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにプレーナゲート部47に接している。プレーナゲート部47は、プレーナ電極45とゲート絶縁膜46を有しており、エミッタ層32とドリフト層34を隔てているボディ層33の表面に対向している。プレーナ電極45は、ゲート絶縁膜46の表面とLOCOS酸化膜43の表面の一部を被覆しており、不純物が高濃度に導入されたポリシリコンで形成されている。ゲート絶縁膜46は、酸化シリコンで形成されている。
エミッタ電極48は、第2トレンチ絶縁分離部14側の層間絶縁膜41の表面に配設されている、特に、エミッタ電極48は、第2トレンチ絶縁分離部14の上方にも配設されている。エミッタ電極48は、SOI基板20を平面視したときに、少なくとも第2トレンチ絶縁分離部14に沿って第2トレンチ絶縁分離部14の上方に配設されている。さらに、エミッタ電極48は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにボディコンタクト層31およびエミッタ層32に接触部48aを介して接している。接触部48aは、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14に沿って第1素子領域16の全体に亘って設けられている。トレンチ絶縁仕切り部50において、コレクタ電極42とエミッタ電極48はx軸方向に間隔を置いて配置されており、ゲート電極44はその間隔内に配置されている。
次いで、図3を参照してFWD2の構成について説明する。図3は、図1のBB’線に対応した断面であって、FWD2のXZ平面における構成を示す図である。図3に示されるように、FWD2では、いくつかの構成がLIGBT1の構成と共通している。以下では、LIGBT1と相違する構成のみを説明し、共通する構成には共通の符号を付し、その説明を省略する。FWD2は、p+型のアノードコンタクト層131と、p型のアノード層133と、n型のカソード層136と、n+型のカソードコンタクト層137と、カソード電極142と、アノード電極148を備えている点で、LIGBT1と相違する。
アノードコンタクト層131およびアノード層133は、半導体層26の表層部のうちの第2トレンチ絶縁分離部14側に設けられている。特に、アノードコンタクト層131およびアノード層133は、第2トレンチ絶縁分離部14の側面に接している。また、アノード層133は、LIGBT1のボディ層33と同一の製造工程で作製されており、ボディ層33と同一のドーパント、濃度および拡散深さを有している。カソード層136およびカソードコンタクト層137は、半導体層26の表層部のうちの第1トレンチ絶縁分離部12側に設けられている。特に、カソード層136およびカソードコンタクト層137は、第1トレンチ絶縁分離部12の側面に接している。また、カソード層136は、LIGBT1のバッファ層36と同一の製造工程で作製されており、バッファ層36と同一のドーパント、濃度および拡散深さを有している。なお、これらの断面構造は、第2素子領域18の全体に亘って共通している。したがって、アノードコンタクト層131およびアノード層133は、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14の側面に沿って第2素子領域18の全体に亘って設けられている。同様に、カソード層136およびカソードコンタクト層137は、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12の側面に沿って第2素子領域18の全体に亘って設けられている。
また、LIGBT1のボディ層33とFWD2のアノード層133は、図1に示されるトレンチ絶縁仕切り部50を挟んで隣接している。このため、これらのp型層33,133は、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14の側面に沿って素子領域16,18内を一巡している。さらに、LIGBT1のバッファ層36とFWD2のカソード層136も、図1に示されるトレンチ絶縁仕切り部50を挟んで隣接している。このため、これらのn型層36,136も、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12の側面に沿って素子領域16,18内を一巡している。
カソード電極142は、第1トレンチ絶縁分離部12側の層間絶縁膜41の表面に配設されている。特に、カソード電極142は、第1トレンチ絶縁分離部12の上方にも配設されている。カソード電極142は、SOI基板20を平面視したときに、少なくとも第1トレンチ絶縁分離部12に沿って第1トレンチ絶縁分離部12の上方に配設されている。さらに、カソード電極142は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにカソードコンタクト層137に接触部137aを介して接している。接触部137aは、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12に沿って第2素子領域18の全体に亘って設けられている。また、カソード電極142は、平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12から第2トレンチ絶縁分離部14の向き(図3の場合、左向き)において、カソード層136を超えて配設されていないのが望ましい。
なお、以下では、上記アノードコンタクト層131、およびアノード層133が形成されている領域をアノード領域RAと称する。また、カソード層136およびカソードコンタクト層137が形成されている領域をコレクタ領域RKと称する。また、FWD2のドリフト層34のうちアノード層133とカソード層136とに挟まれている領域をドリフト領域RDFと称する。
アノード電極148は、第2トレンチ絶縁分離部14側の層間絶縁膜41の表面に配設されている。特に、アノード電極148は、第2トレンチ絶縁分離部14の上方にも配設されている。アノード電極148は、SOI基板20を平面視したときに、少なくとも第2トレンチ絶縁分離部14に沿って第2トレンチ絶縁分離部14の上方に配設されている。さらに、アノード電極148は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにアノードコンタクト層131に接触部148aを介して接している。接触部148aは、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14に沿って第2素子領域18の全体に亘って設けられている。また、アノード電極148は、一部が層間絶縁膜41を貫通して伸びているとともにプレーナ電極45にも接しているのが望ましい。さらに、アノード電極148は、平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14から第1トレンチ絶縁分離部12の向き(図3の場合、右向き)において、プレーナ電極45を越えて配設されていないのが望ましい。トレンチ絶縁仕切り部50において、カソード電極142とアノード電極148はX軸方向に間隔を置いて配置されている。
また、LIGBT1のエミッタ電極48の接触部48aとFWD2のアノード電極148の接触部148aは、図1に示されるトレンチ絶縁仕切り部50を挟んで隣接している。このため、これらの接触部48a、148aは、SOI基板20を平面視したときに、第2トレンチ絶縁分離部14に沿って一巡している。さらに、LIGBT1のコレクタ電極42の接触部42aとFWD2のカソード電極142の接触部142aも、図1に示されるトレンチ絶縁仕切り部50を挟んで隣接している。このため、これらの接触部42a、142aは、SOI基板20を平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12に沿って一巡している。
LIGBT1のコレクタ電極42、ゲート電極44、エミッタ電極48、およびFWD2のカソード電極142、アノード電極148は、蒸着技術を利用して、同一の製造工程で作製されている。これら電極の材料には、アルミニウムが用いられている。図3に示されるように、LIGBT1のコレクタ電極42とFWD2のカソード電極142は、平面視したときに、第1トレンチ絶縁分離部12の内側の範囲に設けられている。すなわち、LIGBT1のコレクタ電極42とFWD2のカソード電極142は、1つの共通電極(第1共通電極)で構成される。この第1共通電極上にコレクタ・カソード用ボンディングパッド71が設けられる。また、LIGBT1のエミッタ電極48とFWD2のアノード電極148は、第2トレンチ絶縁分離部14の外側の範囲に設けられている。すなわち、LIGBT1のエミッタ電極48とFWD2のアノード電極148も、1つの共通電極(第2共通電極)で構成される。この第2共通電極上にエミツタ・アノード用ボンディングパッド72が設けられる。なお、複数のLIGBT1ゲート電極44についても1つの共通電極(第3共通電極)で構成され、当該第3共通電極上にゲート用ボンディングパッド73が設けられる。
次いで、図4を参照して半導体装置1000を平面視した場合における、上記LIGBT1およびFWD2の形成領域を区切るトレンチ絶縁仕切り部50の構成について説明する。図4は、図1の領域F1を拡大し、第1の実施形態に係るLIGBT1およびFWD2のXY平面における構成を示した図である。トレンチ絶縁仕切り部50は、第1トレンチ絶縁分離部12および第2トレンチ絶縁分離部14と同様に、半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えた絶縁体領域である。図4において、LIGBT1aはトレンチ絶縁仕切り部50aを挟んでFWD2の一方端と隣接し、FWD2は他方端においてトレンチ絶縁仕切り部50cを挟んでLIGBT1bと隣接している。
図4に示すようにトレンチ絶縁仕切り部50aは、半導体装置1000を平面視した際に、LIGBT1aのキャリアの移動方向(図4においてはX軸)に対して所定の角度で傾斜するよう配置されている。ここで、図4において、エミッタ領域REとLIGBT1aのドリフト領域RDLとが接する境界面(以下、エミッタ側境界面と称する)のY軸方向の幅をエミッタ側境界面幅WE1として示す。また、コレクタ領域RCとドリフト領域RDLとが接する境界面(以下、コレクタ側境界面と称する)のY軸方向の幅をコレクタ側境界面幅WC1として示す。上述の通り、トレンチ絶縁仕切り部50aが傾斜して配置されていることによって、エミッタ側境界面幅WE1がコレクタ側境界面幅WC1より小さくなるようLIGBT1aは構成されている。なお、図4では、図10の従来の半導体装置におけるトレンチ絶縁仕切り部の位置を一点鎖線JT1およびJT2にて示す。従来の半導体装置においてはエミッタ側境界面幅およびコレクタ側境界面幅は同じ大きさWJLで形成される。
上記のようにエミッタ側境界面幅WE1およびコレクタ側境界面幅WC1が形成されていることによって、LIGBT1aのオン抵抗を低減することができる。具体的には、半導体装置1000では、LIGBT1aのエミッタ側境界面幅WE1が従来の境界面幅WJLに比べて小さく、すなわちエミッタ側境界面が従来構成に比して狭く構成されている。したがって、LIGBT1aがオン状態になった際にエミッタ側境界面を通過して排出される単位時間当たりのキャリア数を、従来構成に比して少なくすることができる。
さらに、半導体装置1000では、LIGBT1aのコレクタ側境界面幅WC1が従来の境界面幅WJLに比べて大きく、すなわちコレクタ側境界面が従来構成に比して広く構成されている。したがって、LIGBT1aがオン状態になった際にコレクタ側境界面を通過してドリフト領域RDLへ注入される単位時間当たりのキャリア数を、従来構成に比して多くすることができる。すなわち、ドリフト領域RDLにおけるキャリア濃度の低下を抑制することができる。
以下、図2を参照し、ドリフト領域RDLにおいてキャリア濃度の低下が抑制される様子について説明する。図2下方のグラフは、LIGBT1aがオン状態になった場合のドリフト領域RDLにおけるキャリア濃度Mを表したものである。図2下方のグラフは、横軸で図2上方に示したLIGBT1aの構成領域の位置(X軸成分)を示し、縦軸で各位置におけるキャリア濃度Mを示す。図2のグラフの系統線L1は本発明に係るLIGBT1aのキャリア濃度Mを示す。系統線L2は従来構成(図10)のLIGBTのキャリア濃度を示す。系統線L2に示すように、従来構成のLIGBTでは、オン状態となった際にドリフト領域RDLのエミッタ領域RE側においてキャリア濃度が低下し、電気抵抗が高くなってしまっていた。一方、LIGBT1aによれば、系統線L1に示すようにドリフト領域RDL内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。
このように、本発明第1の実施形態に係る半導体装置1000によれば、LIGBT1オン時のドリフト領域RDLにおけるキャリアの排出量および注入量を最適化し、キャリア濃度の低下を抑制することによって、いわゆるオン抵抗を低減することができるのである。すなわち、LIGBT1のオン電圧を低減することができる。
なお、上述トレンチ絶縁仕切り部50aのキャリア移動方向に対する傾斜角度は任意の値に設定して良い。また、エミッタ側境界面幅WE1がコレクタ側境界面幅WC1より小さく設定されていれば、LIGBT1aを形成する第1素子領域16を囲むトレンチ絶縁仕切り部50aおよびトレンチ絶縁仕切り部50bのうち一方は、LIGBT1aのキャリア移動方向に沿って配置しても構わない(例えば、図4のトレンチ絶縁仕切り部50b)。
半導体装置1000によれば、LIGBT1のオン抵抗を低減可能であるだけでなく、FWD2の順方向電圧降下量を低減する効果を得ることができる。図4に示すようにトレンチ絶縁仕切り部50a、50bは、半導体装置1000を平面視した際に、FWD2のキャリアの移動方向(X軸)に対して傾斜するよう配置されている。ここで、カソード領域RKとFWD2のドリフト領域RDFとが接する境界面(以下、カソード側境界面と称する)のY軸方向の幅をカソード側境界面幅WK1として示す。また、アノード領域RAとドリフト領域RDFとが接する境界面(以下、アノード側境界面と称する)のY軸方向の幅をアノード側境界面幅WA1として示す。上述の通り、トレンチ絶縁仕切り部50a、50bが傾斜して配置されていることによって、カソード側境界面幅WK1はアノード側境界面幅WA1より小さくなるようFWD2が構成されている。なお、図4の一点鎖線JTは、図10の従来の半導体装置におけるトレンチ絶縁仕切り部の位置を示す。従来の半導体装置においてはカソード側境界面幅およびアノード側境界面幅は同じ大きさWJで形成される。
上記のようにカソード側境界面幅WK1およびアノード側境界面幅WA1が形成されていることによって、FWD2の順方向電圧抵抗を低減することができる。より詳細には、半導体装置1000では、FWD2のカソード側境界面幅WK1が従来の境界面幅WJに比べて小さく、すなわちカソード側境界面が従来構成に比して狭く構成されている。したがって、FWD2が順バイアス状態になった際にカソード側境界面を通過して排出される単位時間当たりのキャリア数を、従来構成に比して少なくすることができる。
さらに、半導体装置1000では、FWD2のアノード側境界面幅WA1が従来の境界面幅WJに比べて大きく、すなわちアノード側境界面が従来構成に比して広く構成されている。したがって、FWD2がオン状態になった際にアノード側境界面を通過してドリフト領域RDFへ注入される単位時間当たりのキャリア数を、従来構成に比して多くすることができる。
以下、図3を参照し、ドリフト領域RDFにおけるキャリア濃度について説明する。図3下方のグラフは、FWD2がオン状態になった場合のドリフト領域RDFにおけるキャリア濃度Mを表したものである。図3下方のグラフは、横軸で図2上方に示したFWD2の構成領域の位置(X軸成分)を示し、縦軸で各位置におけるキャリア濃度Mを示す。図3のグラフの系統線L3は本発明に係るFWD2のキャリア濃度Mを示す。系統線L4は従来構成(図10)のFWDのキャリア濃度を示す。系統線L4に示すように、従来構成のFWDでは、オン状態となった際にドリフト領域RDFのカソード領域RE側においてキャリア濃度が低下し、電気抵抗が高くなってしまっていた。一方、第1の実施形態に係るFWD2によれば、系統線L3に示すようにドリフト領域RDF内のキャリア濃度の低下を抑制することができる。
このように、本発明第1の実施形態に係る半導体装置1000によれば、FWD2の順バイアス時のドリフト領域RDFにおけるキャリアの排出量および注入量を最適化し、キャリア濃度の低下を抑制することによって、順方向抵抗を低減することができるのである。すなわち、FWD2の順方向電圧降下量を低減することができる。
上記のような構成の半導体装置1000は、例えば、図5に示すような、入力された直流電力を交流電力へ変換して出力するインバータ回路を構成する際に用いると好適である。図5は、半導体装置1000を用いて構成可能な電気回路の一例を示す図である。図5のようなインバータ回路を上述の半導体装置1000が備えるLIGBT1およびFWD2によって構成することによって、当該回路の電力損失を低減することが可能である。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態に示したトレンチ絶縁仕切り部の構成は一例であり、エミッタ側境界面幅WE1がコレクタ側境界面幅WC1より小さくなるよう形成されていれば、他の構成として構わない。例えば、トレンチ絶縁仕切り部を平面視階段状に形成することも有効である。以下、図6および図7を参照して第2の実施形態に係る半導体装置2000の構成について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る半導体装置2000の構成を示す平面レイアウト図の一例である。図6に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置2000は、平面視した場合のレイアウトが第1の実施形態に係る半導体装置1000と異なっている。具体的には、半導体装置2000は、平面視した場合に階段状を成すよう形成されたトレンチ絶縁仕切り部51を備え、当該トレンチ絶縁仕切り部51を挟むようLIGBT3およびFWD4が形成されている。以下、図7を参照して第2の実施形態に係るトレンチ絶縁仕切り部51、LIGBT、3およびFWD4の構成について詳細に説明する。なお、第2の実施形態に係るLIGBT3のXZ方向の構成は上述図2に示した第1の実施形態に係るLIGBT1の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態に係るFWD4のXZ方向の構成は上述図3に示した第1の実施形態に係るFWD2の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、トレンチ絶縁仕切り部51は、トレンチ絶縁仕切り部50と同様に、半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えた絶縁体領域である。
図7は、図6の領域F2を拡大し、第2の実施形態に係るLIGBT3およびFWD4のXY平面における構成を示した図である。図7において、LIGBT3aはトレンチ絶縁仕切り部51aを挟んでFWD4の一方端と隣接しており、FWD4は他方端においてトレンチ絶縁仕切り部51cを挟んでLIGBT3bと隣接している。
上記のようにトレンチ絶縁仕切り部51aが平面視階段状に形成されていることによって、LIGBT3のエミッタ領域RE、ドリフト領域RDL、およびコレクタ領域RCは、各々平面視矩形領域として形成されている。ここで、エミッタ領域REのY軸方向(LIGBT3のキャリアの移動方向に対して垂直方向)の幅をエミッタ領域幅HEとする。同様に、ドリフト領域RDLのY軸方向の幅をドリフト領域幅HDL、コレクタ領域RCのY軸方向の幅をHCとする。エミッタ領域RE、ドリフト領域RDL、およびコレクタ領域RCは、各々、エミッタ領域幅HEよりドリフト領域幅HDLの方が大きく、ドリフト領域幅HDLよりコレクタ領域幅HCの方が大きくなるよう形成されている。
上記のような構成により、第2の実施形態に係るLIGBT3は、エミッタ側境界面幅WE2がコレクタ側境界面幅WC2より小さくなるよう構成されている。したがって、第2の実施形態に係るLIGBT3も第1の実施形態と同様に、オン時におけるドリフト領域RDLにおけるキャリア濃度の低下を抑制し、オン電圧を低減することができる。
さらに、第2の実施形態に係るLIGBT3は、第1の実施形態に係るLIGBT1に比べ、エミッタ側境界面幅WE2に対するドリフト領域幅HDLが大きい構成となっている。すなわち、LIGBT3は、エミッタ側のキャリア排出量に対するドリフト領域RDLのキャリアの蓄積量をLIGBT1に比べ多くすることが可能である。故に、第2の実施形態に係るLIGBT3は、第1の実施形態に係るLIGBT1よりも、さらに好適にオン時における抵抗増加を抑制し、オン電圧を低減することができる。
また、上記のようにトレンチ絶縁仕切り部51aが平面視階段状に形成されていることによって、FWD4のカソード領域RK、ドリフト領域RDF、およびアノード領域RAは、各々平面視矩形領域として形成されている。ここで、カソード領域RKのY軸方向(FWD4のキャリアの移動方向に対して垂直方向)の幅をカソード領域幅HKとする。同様に、ドリフト領域RDFのY軸方向の幅をドリフト領域幅HDF、アノード領域RAのY軸方向の幅をHAとする。カソード領域RK、ドリフト領域RDF、およびアノード領域RAは、各々、カソード領域幅HKよりドリフト領域幅HDFの方が大きく、ドリフト領域幅HDFよりアノード領域幅HAの方が大きくなるよう形成されている。
上記のような構成により、第2の実施形態に係るFWD4は、カソード側境界面幅WK2がアノード側境界面幅WA2より小さくなるよう構成されている。したがって、第2の実施形態に係るFWD4も第1の実施形態と同様に、順バイアス時におけるドリフト領域RDFにおけるキャリア濃度の低下を抑制し、順方向電圧降下量を低減することができる。
さらに、第2の実施形態に係るFWD4は、第1の実施形態に係るFWD2に比べ、カソード側境界面幅WK2に対するドリフト領域幅HDFが大きい構成となっている。すなわち、FWD4は、カソード側のキャリア排出量に対する、ドリフト領域RDFのキャリアの蓄積量をFWD2に比べ多くすることが可能である。故に、第2の実施形態に係るFWD4は、第1の実施形態に係るFWD2よりも、さらに好適に順方向バイアス時における抵抗増加を抑制し、順方向電圧降下量を低減することができる。
なお、第1の実施形態に係る半導体装置1000は、トレンチ絶縁仕切り部50の加工が容易である点においては第2の実施形態に係る半導体装置2000に比べ優れていると言える。
(第3の実施形態)
上記実施形態の他にも、例えば、エミッタ領域およびカソード領域のY軸方向(キャリアの移動方向に対して平面視垂直方向)の幅を制限するトレンチ絶縁領域を形成することによっても、LIGBTおよびFWDの性能を向上させることができる。以下、図8および図9を参照して第3の実施形態に係る半導体装置3000について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る半導体装置3000の構成を示す平面レイアウト図の一例である。図8に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置3000は、トレンチ絶縁仕切り部52、および、これを挟むよう平面視矩形領域で形成されたLIGBT5およびFWD6を備える。トレンチ絶縁仕切り部52は、平面視した場合に第1トレンチ絶縁分離部12および第2トレンチ絶縁分離部14の各々に対して垂直に形成されている。なお、第3の実施形態に係るトレンチ絶縁仕切り部52も、第1の実施形態に係るトレンチ絶縁仕切り部50と同様に、半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えた絶縁体領域である。
図9は、図8の領域F3を拡大し、第3の実施形態に係るLIGBT5およびFWD6のXY平面における構成を示した図である。図9において、LIGBT5aはトレンチ絶縁仕切り部52aを挟んでFWD6の一方端と隣接しており、FWD6は他方端においてトレンチ絶縁仕切り部52cを挟んでLIGBT5bと隣接している。LIGBT5aの形成領域内には、エミッタ領域REのみをY軸方向(キャリアの移動方向に対して平面視垂直方向)に挟むようにエミッタ領域制限トレンチ絶縁部60が形成されている。エミッタ領域制限トレンチ絶縁部60は、トレンチ絶縁仕切り部52と同様にXZ平面においては半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えた絶縁体領域である。エミッタ領域制限トレンチ絶縁部60は、XY平面においては、LIGBT5を挟むトレンチ絶縁仕切り部52a、52bと平行に、第2トレンチ絶縁分離部14からエミッタ側境界面にかけて延設されている。
このように、半導体装置3000においては、エミッタ領域制限トレンチ絶縁部60によりエミッタ領域REのY軸方向の幅が従来構成に比して小さく制限されていることによって、エミッタ側境界面幅WE3がコレクタ側境界面幅WC3より小さくなるよう構成されている。したがって、第3の実施形態に係るLIGBT5も第1の実施形態と同様に、オン時におけるドリフト領域RDLにおけるキャリア濃度の低下を抑制し、オン電圧を低減することができる。
同様に、FWD6aの形成領域内には、カソード領域RKのみをY軸方向(キャリアの移動方向に対して平面視垂直方向)に挟むようにカソード領域制限トレンチ絶縁部61が形成されている。カソード領域制限トレンチ絶縁部61は、トレンチ絶縁仕切り部52と同様にXZ平面においては半導体層26を貫通して埋込み絶縁層24まで達しており、酸化シリコンの酸化膜12aとその酸化膜12aで被覆されたポリシリコンの芯部12bとを備えた絶縁体領域である。カソード領域制限トレンチ絶縁部61は、XY平面においては、FWD6を挟むトレンチ絶縁仕切り部52a、52bと平行に、第1トレンチ絶縁分離部12からカソード側境界面にかけて延設されている。
このように、半導体装置3000においては、カソード領域制限トレンチ絶縁部61によりY軸方向の幅が従来構成に比して小さく制限されていることによって、カソード側境界面幅WK3がアノード側境界面幅WA3より小さくなるよう構成されている。したがって、第3の実施形態に係るFWD6も第1の実施形態と同様に、順バイアス時におけるドリフト領域RDFにおけるキャリア濃度の低下を抑制し、順方向電圧降下量を低減することができる。
また、半導体装置3000は、従来の半導体装置にエミッタ領域制限トレンチ絶縁部60およびカソード領域制限トレンチ絶縁部61を形成することで容易に製造することができる。
本発明に係る半導体装置は、従来に比してオン電圧性能に優れた横型IGBT、および順方向電圧特性に優れた横型FWDを同一基板上に構成可能とする半導体装置などとして有用である。
1000、2000、3000 半導体装置
1、3、5 LIGBT
2、4、6 FWD
12 第1トレンチ絶縁分離部
14 第2トレンチ絶縁分離部
50、51、52 トレンチ絶縁仕切り部
60 エミッタ領域制限トレンチ絶縁部
61 カソード領域制限トレンチ絶縁部

Claims (4)

  1. 半導体基板上において、横型IGBTと、横型FWDとが、絶縁体であるトレンチ絶縁仕切り部を挟むように横方向に隣接配置されて成る半導体装置であって、
    前記横型IGBTは、平面視した場合に、エミッタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅がコレクタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、
    前記横型FWDは、平面視した場合に、カソード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅がアノード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、
    前記横型IGBTのコレクタ領域、および前記横型FWDのカソード領域は、第1導電型で各々前記トレンチ絶縁仕切り部を挟んで隣接するよう形成され、
    前記横型IGBTのエミッタ領域、および前記横型FWDのアノード領域は、第2導電型で各々前記トレンチ絶縁仕切り部を挟んで隣接するよう形成されていることを特徴とする、半導体装置。
  2. 前記トレンチ絶縁仕切り部が前記半導体装置を平面視した場合に階段状に形成されることによって、前記エミッタ領域、前記横型IGBTのドリフト領域、および前記コレクタ領域は、平面視矩形領域として形成され、
    前記横型IGBTを平面視した際に、キャリアの移動方向に対して垂直方向の前記エミッタ領域の幅は、当該横型IGBTのドリフト領域の幅に比べて狭くなるよう形成され、
    前記横型FWDを平面視した際に、キャリアの移動方向に対して垂直方向の前記カソード領域の幅は、当該横型FWDのドリフト領域の幅に比べて狭くなるよう形成されていることを特徴とする、請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記トレンチ絶縁仕切り部が、表裏面で前記横型IGBTおよび前記横型FWDと各々に接する板状の領域部として形成され、前記半導体装置を平面視した際に、横型IGBTおよび横型FWDのキャリアの移動方向に対して所定の角度で傾斜するよう配置されることを特徴とする、請求項に記載の半導体装置。
  4. 半導体基板上において、横型IGBTと、横型FWDとが、絶縁体であるトレンチ絶縁仕切り部を挟むように横方向に隣接配置されて成る半導体装置であって、
    前記横型IGBTは、平面視した場合に、エミッタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅がコレクタ領域と当該横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、
    前記横型FWDは、平面視した場合に、カソード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅がアノード領域と当該横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、
    前記半導体装置を平面視した場合に、
    前記横型IGBTの形成領域内において、前記エミッタ領域のみを、前記横型IGBTのキャリアの移動方向に対して垂直に挟むように形成された絶縁体であるエミッタ領域制限トレンチ絶縁部をさらに備えることによって、前記エミッタ領域と前記横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅が、前記コレクタ領域と前記横型IGBTのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されており、
    前記横型FWDの形成領域内において、前記カソード領域のみを、前記横型FWDのキャリアの移動方向に対して垂直に挟むように形成された絶縁体であるカソード領域制限トレンチ絶縁部をさらに備えることによって、前記カソード領域と前記横型FWDのドリフト領域との境界面の幅が、前記アノード領域と前記横型FWDのドリフト領域との境界面の幅より狭くなるよう形成されていることを特徴とする、半導体装置。
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