JP2011210385A - リレー制御装置 - Google Patents

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Shinjiro Matsukawa
真二郎 松川
Takashi Sawano
敬資 澤野
Yohei Mori
陽平 森
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Abstract

【課題】電磁リレー内のリレー接点に生じた結露に起因する氷粒によって、当該電磁リレーが導通不良となることを未然に防止することが出来るリレー制御装置を提供する。
【解決手段】リレー制御装置100aにおいて、制御部11に車両を駆動するための駆動信号が入力された場合に、連続した直流電圧を駆動電圧として電磁コイル23に印加する。制御部11に車両の駆動を停止するための停止信号が入力された後は、PWM制御されたパルス電圧を駆動電圧として電磁コイル23に印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁リレーを制御するリレー制御装置に関し、特に、接点部の氷結を防止するための技術に関するものである。
従来、電気負荷に対する給電と遮断とを切り替えるためのスイッチング装置の一つとして、電磁リレーが知られている。また、後掲の特許文献1〜4には、種々の電磁リレーが記載されている。尚、以下においては、電気負荷を単に「負荷」と記載する。
電磁リレーの一例を図8および図9に図示する。この電磁リレーは、車両の制御装置に用いられる車載用リレーである。
図8,図9において、電磁リレー61は、基板71に実装されている。基板71は、PCB(Printed Circuit Board)である。電磁リレー61が実装された基板71は金属製のケース81に取り付けられる。
また、電磁リレー61は、接点端子62,63と、電磁コイル64と、筐体65とを備えている。
接点端子62は、導電性の金属部材から成る。この接点端子62は、筐体65を貫通して設けられており、一方(筐体内部側)の端部には、可動接点62aが形成されている。また、接点端子62の他方(筐体外部側)の端部には、表面実装端子62bが形成されている。
可動接点62aは、負荷に対する給電と遮断とを切り替える際に動作する。表面実装端子62bは、基板71面上に形成されたランドL1に半田付けされる。ランドL1は、例えば、銅箔から成る。
接点端子63は、導電性の金属部材から成る。この接点端子63は、筐体65を貫通して設けられており、一方(筐体内部側)の端部には、固定接点63aが形成されている。また、接点端子63の他方の端部(筐体外部側)には、表面実装端子63bが形成されている。
固定接点63aは、可動接点62aと対向して設けられている。表面実装端子63bは、基板71面上に形成されたランドL2に半田付けされる。ランドL2は、例えば、銅箔から成る。
電磁コイル64には、不図示のコイル端子や基板71等を介して、不図示の電源装置から電流が供給される。このため、電磁コイル64は、通電時には励磁され、非通電時には励磁されない。
筐体65は、例えば、熱伝導率の低いプラスチック材料等を箱型に成型したものである。
以上のような構成の電磁リレー61では、電磁コイル64への非通電時において、可動接点62aは、固定接点63aから離間している(図8参照)。よって、図8の状態では、負荷に対する給電が行われない。
また、電磁コイル64への通電時には、電磁コイル64の磁気吸引力に基づいて、可動接点62aが固定接点63aに接触する(図9参照)。よって、図9の状態では、接点62a,63aを介して負荷に対する給電が行われる。
図10は、上述した電磁リレー61の動作および温度変化を示すタイミングチャートである。
時刻t0において、電磁コイル64(図8)に印加されている駆動電圧は、0〔V〕である。この状態では、電磁コイル64に通電されていないため、電磁コイル64は発熱しない。また、可動接点62aは固定接点63aに接触しておらず、両接点62a,63a間に電流が流れないので、接点部分も発熱しない。
この時、電磁リレー61の筐体65内部の温度は、Teであり(破線R2参照)、接点62a,63aの温度は、略Teである(実線C2参照)。
さらに、可動接点62aと固定接点63aが接触していないため、負荷に対する給電は行われていない(給電オフ状態)。
時刻t11で車両を駆動するための操作が行われると、図示しない制御部から、電磁リレー61を動作させるための制御信号が出力され、当該制御信号に基づいて、電磁コイル64に印加される駆動電圧は、X3〔V〕となる。このため、電磁コイル64に通電が行われて、電磁コイル64が発熱を開始する。
時刻t11の時点から、筐体65内部の温度R2は、通電状態の電磁コイル64で発生するジュール熱の影響を受けて、Teから次第に上昇していく。同様に、接点端子62,63の温度C2も、通電状態の電磁コイル64で発生するジュール熱の影響を受けて、略Teから次第に上昇していく。
また、時刻t11では、電磁コイル64の励磁により、可動接点62aが固定接点63aに向かって移動を開始する。しかし、可動接点62aが固定接点63aに接触するまでには、移動時間が必要なため、t11の時点では、可動接点62aはまだ固定接点63aに接触しない。したがって、接点部分は発熱しない。また、負荷に対する給電も行われない。
時刻t11から所定時間が経過した時刻t12になると、可動接点62aが固定接点63aと接触する(図9)。このため、接点62a,63aを介して、負荷に対する給電が行われる(給電オン状態)。また、接点62a,63a間に電流が流れて、接点部分にも発熱が生じる。但し、接点62a,63aにおける発熱量は、コイル64の発熱量に比べて小さい。
時刻t12から時刻t13までは、時間の経過ととともに、筐体65内部の温度と接点62a,63aの温度は、それぞれ破線R2、実線C2のように上昇してゆく。接点の温度C2が筐体内部の温度R2を上回っているのは、接点自体での発熱が影響しているためである。
時刻t13で車両の駆動を停止するための操作が行われると、制御部から、電磁リレー61の動作を停止させるための制御信号が出力され、当該制御信号に基づいて、電磁コイル64に印加される駆動電圧は、0〔V〕となる。
この時、筐体65内部の温度R2は、時刻t0の時の温度であるTeから上昇して、Tfとなっている。また、接点62a,63aの温度C2も、時刻t0の時の温度である略Teから上昇して、Tgとなっている。
また、電磁コイル64に印加される駆動電圧が0〔V〕になると、当該電磁コイル64に磁界が生じなくなるため、可動接点62aと固定接点63aは、再び離間する(図8参照)。このため、負荷に対する給電状態がオン状態からオフ状態に切り替わる。
時刻t13以降では、電磁コイル64は非通電状態であるため、電磁コイル64にジュール熱が発生しなくなる。また、可動接点62aと固定接点63aにも電流が流れないので、接点部分にもジュール熱が発生しなくなる。このため、筐体65内部の温度R2は、時刻t13の時の温度であるTfから下降していく。同様に、接点62a,63aの温度C2も、時刻t13の時の温度であるTgから下降していく。
特開2006−172873号公報 特開2007−165406号公報 特開2007−276552号公報 特開2009−289671号公報
ここで、筐体65は、密閉された構造であるため、筐体65内部の温度は、外気温の影響を受けづらい。しかしながら、接点端子62,63は、筐体65の外部に露出しているため(図8,図9参照)、外気温の影響を受けやすい。
具体的には、筐体65内部は、外気に曝されておらず、また、筐体65自体も、熱伝導率の低い材料から構成されている。このため、電磁リレー61が、例えば、寒冷地等の極低温の環境下で使用される車両等に搭載された場合でも、筐体65内部の温度は、時刻t13の時の温度であるTfから、図10の破線R2で示されるような曲線を描いて、緩やかに下降する。
しかしながら、接点端子62,63における筐体65から外部に露出している部分は、外気に曝されており、これに加えて、表面実装端子62b,63bに直接接しているランドL1,L2や、基板71を介して間接的に接している金属製のケース81から、接点端子62,63に対して外気温が伝導される。このため、電磁リレー61が、例えば、寒冷地等の極低温の環境下で使用される車両等に搭載された場合は、接点62a,63aの温度は、時刻t13の時の温度であるTgから、図10の実線C2で示されるような曲線を描いて、急激に下降する。
この結果、例えば、時刻t14における筐体65内部の温度R2と接点62a,63aの温度C2のように、双方の温度に一定以上の温度差が生じた場合、接点62a,63aに結露(水滴)が生じる。
この接点62a,63aに付着した水滴は、その後、更に冷却されて氷結し、例えば、図11に図示されるような氷粒Frとなる場合がある。
以上説明したような氷結現象が起こると、電磁リレー61の次回動作時において、氷粒Frが、可動接点62aと固定接点63aとの接触を妨げるため、電磁リレー61は、動作不良を起こしてしまう。この結果、負荷に給電を行うことが不可能となる。
尚、上記特許文献1では、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に備えられた2つの電磁リレーの内、一方の電磁リレーが氷結などにより導通不良となった場合に、バックアップとして用意されている他方の電磁リレーを使用することにより、負荷への給電を可能としている。
しかしながら、バックアップ用とはいえ、電磁リレー自体は同じ製品を使用するのが通常であるため、製品ごとのばらつきはあるにせよ、同一条件下で氷結が生じる可能性は高い。したがって、他方の電磁リレーにおいても結露が生じ、ひいては、氷結により導通不良となった場合は、負荷への給電が不可能となる。
上記特許文献2では、電磁リレーにおいて、固定端子の接点近傍などに凍結が生じているか否かを判定し、凍結が生じている場合には、電磁コイルに対する電圧の印加と停止を繰り返して、可動端子を固定端子に対して近接離間する方向に繰り返し移動させる。このようにすることで、凍結が生じている固定端子を振動させて氷粒などを取り除き、凍結の解除を行っている。
また、上記特許文献3では、電動パワーステアリング装置において、電磁リレーの温度を推定し、このリレー温度推定値が、予め設定した所定値(例えば、氷結温度0℃)以下であった場合は、モータ電流の出力制限を行う。そして、モータ電流の出力制限開始後において、電磁リレーの温度を再度推定し、このリレー温度推定値が、予め設定した所定値以上となった場合は、電磁リレーを一旦オフした後に再びオンとするワイピング動作を予め設定した所定回数を行うことで、リレー接点部分や、リレーを構成する可動部材に付着した氷粒等の除去を行っている。
しかしながら、特許文献2や特許文献3の方法では、固定端子の接点近傍などにおいて、氷粒が強固に付着している場合、凍結が生じている固定端子を振動させるだけでは、氷粒が全て除去出来ない恐れがある。また、可動端子を固定端子に対して近接離間する方向に繰り返し移動させなくてはならないため、騒音が発生するという問題もある。
さらに、上述した特許文献1〜3に記載されているのは、電磁リレーの接点に氷結が生じた場合の事後的な対策であって、接点に氷結が生じるのを未然に防止するための技術ではない。
上記特許文献4では、電磁リレーを制御するリレー制御装置において、リレー接点がオンとなった後に、電磁コイルに流れる電流を低減させて、電磁コイルの発熱を低減している。
しなしながら、リレー接点がオフとなった後に、当該リレー接点近傍に氷結が生じた場合は、電磁リレーにおいて、導通不良が生じてしまう恐れがある。
本発明は、上述した問題点に鑑み、電磁リレー内のリレー接点に生じた結露に起因する氷粒によって、当該電磁リレーが導通不良となることを未然に防止することが出来るリレー制御装置を提供することを目的としている。
本発明のリレー制御装置は、電磁コイルと、この電磁コイルへの駆動電圧の印加により切り替わるリレー接点とを有する電磁リレー、および、電磁リレーを制御する制御手段を備えており、リレー接点を介して車両に搭載された負荷へ給電を行う。そして、制御手段は、車両を駆動するための駆動信号が入力された場合に、前記電磁コイルに第1駆動電圧を印加し、車両の駆動を停止するための停止信号が入力された場合に、電磁コイルにおける消費電力が第1駆動電圧印加時の消費電力よりも小さくなるような第2駆動電圧を、電磁コイルに印加する。
このようにすることで、制御手段に対して停止信号が入力した後においても、電磁コイルでは、第2駆動電圧の印加に伴うジュール熱が発生し続ける。このため、例えば、電磁リレーが、寒冷地等の極低温の環境下で使用される車両に搭載された場合でも、車両の駆動停止後に、リレー接点の温度は、従来のように、急激に下降することはない。よって、電磁リレー内部の温度とリレー接点の温度に、一定以上の温度差が生じなくなり、当該リレー接点に結露(水滴)が生じることを未然に防止することが出来る。この結果、水滴がさらに冷却されて出来た氷粒によって、電磁リレーが導通不良となることを防止することが出来る。
本発明のリレー制御装置において、制御手段は、停止信号が入力された場合に、第2駆動電圧を、PWM(Pulse Width Modulation)制御されたパルス電圧として電磁コイルへ印加してもよい。
このようにすることで、PWM信号のデューティー比を調整することにより、電磁リレーのコイルで発生するジュール熱の熱量を容易に調整することが出来る。
デューティー比は必ずしも一定である必要はなく、PWM制御を行っている間に、デューティー比を変化させてもよい。例えば、デューティー比を徐々に減少させると、電磁コイルの発熱量も徐々に減少するので、より精度良く温度を制御することができる。
本発明のリレー制御装置において、制御手段は、停止信号が入力された場合に、第2駆動電圧を、連続した直流電圧として電磁コイルへ印加してもよい。
このようにすることで、車両の駆動を停止するための停止信号が入力された後に、電磁コイルに印加する第2駆動電圧の電圧値を容易に変更することが出来る。
この場合、第2駆動電圧(直流電圧)の電圧値を徐々に低下させるように制御を行ってもよい。
本発明のリレー制御装置において、第2駆動電圧は、リレー接点を閉じた状態に維持することが可能な電圧であることが好ましい。
このようにすることで、第2駆動電圧が電磁コイルに印加されている間、リレー接点は安定した接触状態を維持することができる。また、騒音の発生も防止することができる。
本発明のリレー制御装置において、制御手段は、電磁コイルに対する第2駆動電圧の印加時間が所定時間を経過した場合は、当該第2駆動電圧の印加を停止するのが好ましい。
このようにすることで、必要以上に長時間にわたって電磁コイルに対する第2駆動電圧の印加を行わずに済むため、無駄な電力消費を防止することが出来る。
本発明のリレー制御装置において、電磁リレーの内部温度と外部温度を検出する温度検出部を更に設けてもよい。この場合、制御手段は、温度検出部により検出された内部温度と外部温度との差が所定の閾値以下であれば、第2駆動電圧の印加を停止する。
このようにすることで、リレー接点に結露が生じる恐れのない状態となった以降は、電磁コイルに対する第2駆動電圧の印加を行わずに済むため、無駄な電力消費を防止することが出来る。
本発明のリレー制御装置において、リレー接点と直列に、開閉器を更に設けてもよい。この場合、制御手段は、車両の駆動を停止するための停止信号が入力されると、開閉器を開いて、負荷に対する給電を停止する。
このようにすることで、停止信号が入力された後において、リレー接点の閉じた状態が継続しても、負荷に対する給電は行われないため、停止信号に基づく負荷の制御を確実に行うことが出来る。
本発明は、車両用に限定されない一般的なリレー制御装置としても実現することができる。この場合のリレー制御装置は、電磁コイルと、この電磁コイルへの駆動電圧の印加により切り替わるリレー接点とを有する電磁リレー、および電磁リレーを制御する制御手段を備え、制御手段は、電磁リレーを動作させるための第1信号が入力された場合に、電磁コイルに第1駆動電圧を印加し、電磁リレーの動作を停止するための第2信号が入力された場合に、電磁コイルにおける消費電力が第1駆動電圧印加時の消費電力よりも小さくなるような第2駆動電圧を、電磁コイルに印加する。
このようにすることで、制御手段に対して第2信号が入力された後においても、電磁コイルでは、第2駆動電圧の印加に伴うジュール熱が発生し続ける。このため、例えば、電磁リレーが極低温の環境下で使用される場合でも、電磁リレーの動作停止後に、リレー接点の温度が急激に下降することはない。よって、電磁リレー内部の温度とリレー接点の温度に、一定以上の温度差が生じることに起因して、当該リレー接点に結露(水滴)が生じることを未然に防止することが出来る。
本発明によれば、停止信号の入力後においても、電磁コイルでジュール熱が発生するため、リレー接点に結露(水滴)が生じることを未然に防止することができ、ひいては、この水滴が氷結して出来た氷粒によって電磁リレーが導通不良となることを防止することが出来る。
本発明の第1実施形態によるリレー制御装置の構成を示した図である。 第1実施形態のリレー制御装置による制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態における電磁リレーの動作および温度変化を示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態によるリレー制御装置の構成を示した図である。 第2実施形態のリレー制御装置による制御の流れを示すフローチャートである。 駆動電圧の他の例を説明するためのタイミングチャートである。 図6の駆動電圧を電磁コイルに印加するための要部構成図である。 非通電時の電磁リレーを示した図である。 通電時の電磁リレーを示した図である。 従来の電磁リレーの動作および温度変化を示すタイミングチャートである。 氷粒が付着した接点部分の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるリレー制御装置100aの構成を示した図である。
リレー制御装置100aは、例えば、不図示の車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)である。また、リレー制御装置100aは、負荷200や、図1中に図示されていない複数の負荷に対する給電制御(電源電圧の供給および遮断)を行う。
負荷200は、例えば、車両に搭載された電動パワーステアリング装置であり、不図示の複数の負荷は、例えば、パワーウィンドウや、ワイパー等の車載装置である。尚、以下において、負荷200以外の負荷についての説明は省略する。
リレー制御装置100aと負荷200との間には、開閉器300が設けられている。開閉器300は、後述するリレー接点22と直列に接続されている。
リレー制御装置100aは、制御部11と、電磁リレー21と、半導体スイッチ31とを備えている。
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)から構成されている。また、不図示のイグニッション装置において、車両を駆動するための操作(以下、「駆動操作」と記載)が行われた場合、この駆動操作に基づく駆動信号が、制御部11に入力される。同様に、イグニッション装置において、車両の駆動を停止するための操作(以下、「停止操作」と記載)が行われた場合、この停止操作に基づく停止信号が、制御部11に入力される。
ここで、上述した駆動信号は、本発明における第1信号の一例であり、停止信号は、本発明における第2信号の一例である。
電磁リレー21は、例えば表面実装型リレーであり、可動接点22aおよび固定接点22bからなるリレー接点22と、電磁コイル23と、筐体24とを備えている。
電磁リレー21は、図8の電磁リレー61と同じ構造を有している。可動接点22aは、図8の可動接点62aに対応している。固定接点22bは、図8の固定接点63aに対応している。電磁コイル23は、図8の電磁コイル64に対応している。筐体24は、図8の筐体65に対応している。また、電磁リレー21は、図8のように、ケース81に取り付けられた基板71に実装される。
半導体スイッチ31は、例えば、NPN型トランジスタである。半導体スイッチ31のコレクタ端子は、電磁コイル23を介して、電源Bに接続されている。電源Bは、例えば、車両に搭載されたバッテリ装置である。半導体スイッチ31のベース端子は、制御部11の出力端子に接続されている。半導体スイッチ31のエミッタ端子は、グランドG1に接地されている。
上述した半導体スイッチ31において、制御部11が、半導体スイッチ31のベース端子にHigh(ハイ)電圧を出力すると、半導体スイッチ31は、オン状態となる。その結果、電源Bの電源電圧が電磁コイル23に印加され、これにより電磁コイル23が励磁状態になると、可動接点22aが固定接点22bに接触して、リレー接点22が閉じた状態となる。以下においては、このような電磁リレー21の状態を「オン状態」と記載する。
制御部11が、半導体スイッチ31のベース端子にLow(ロー)電圧を出力すると、半導体スイッチ31は、オフ状態となる。その結果、電源Bの電源電圧が電磁コイル23に印加されず、これにより電磁コイル23が非励磁状態になると、可動接点22aが固定接点22bから離間して、リレー接点22が開いた状態となる。以下においては、このような電磁リレー21の状態を「オフ状態」と記載する。
ここで、上述した制御部11と半導体スイッチ31は、本発明における制御手段の一実施形態である。
負荷200において、一方の端子は、グランドG2に接地されており、他方の端子は、開閉器300の一方の端子に接続されている。また、開閉器300の他方の端子は、リレー接点22の固定接点22bに接続されている。開閉器300は、例えば半導体スイッチから構成され、制御部11から制御信号が入力される。開閉器300は、この制御信号に基づいて開閉動作を行ない、負荷200を動作状態または非動作状態にする。
以上のような構成のリレー制御装置100aにおいて、制御部11は、不図示のイグニッション装置から入力される駆動信号および停止信号に基づいて、負荷200に対する給電と遮断とを切り替える制御を行う。
以下では、リレー制御装置100aによる制御の流れについて、図2のフローチャートを参照しながら説明する。また、フローチャートの各ステップにおける電磁リレー21の動作の詳細については、図3のタイムチャートを参照しながら説明する。
図2に図示されたフローチャートのステップS1では、車両を駆動するための駆動操作の有無を判定する。そして、駆動操作が有った場合(ステップS1:YES)は、ステップS2へ進み、駆動操作が無い場合(ステップS1:NO)は、駆動操作が有るまで、当該ステップS1が繰り返される。
具体的には、図3のタイムチャート中の時刻t0では、駆動操作は行われていない(図2のステップS1:NO)。このため、制御部11(図1)に駆動信号が入力されないので、半導体スイッチ31はオフ状態にある。したがって、時刻t0において、電磁リレー21の電磁コイル23に印加されているコイル駆動電圧は、0〔V〕である。よって、このときの電磁リレー21はオフ状態であり、可動接点22aが固定接点22bから離間しているので、電源Bから負荷200への給電は行われない。
また、時刻t0における、電磁リレー21の筐体24内部の温度はTaであり(破線R1参照)、リレー接点22の温度は略Taである(実線C1参照)。
時刻t1において、運転者がイグニッション装置(図示省略)を駆動操作すると(ステップS1:YES)、リレー制御装置100aの制御部11には、この駆動操作に基づく駆動信号が入力される。
ステップS2では、リレー制御装置100aは、電磁リレー21に対して、以下のような第1制御を開始する。
具体的には、制御部11(図1)は、時刻t1(図3)で入力された駆動信号に基づいて、半導体スイッチ31をオン状態にする。また、制御部11は、半導体スイッチ31をオン状態にすることに加えて、開閉器300を閉じた状態に切り替える。
時刻t1で半導体スイッチ31がオン状態になると、図3のように、連続した直流電圧(以下、「定常電圧」と記載)X1〔V〕が、電磁コイル23に駆動電圧として印加される。この定常電圧X1〔V〕は、本発明における第1駆動電圧の一例である。
この時、電磁コイル23では、駆動電圧の印加に伴い電流が流れるので、ジュール熱が発生し始める。しかし、この時点ではまだ、筐体24内部の温度やリレー接点22の温度は、ジュール熱の影響を受けていない。このため、筐体24内部の温度は、Taのままであり(破線R1参照)、リレー接点22の温度も、略Taのままである(実線C1参照)。
また、この時、リレー接点22はまだ切り替えが完了していないため、電磁リレー21はオフ状態である。つまり、負荷200に対する給電は行われていない。
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2になると、リレー接点22の切り替えが完了して、可動接点22aが固定接点22bに接触する。
この時、電磁コイル23では、駆動電圧の印加に伴うジュール熱が、時刻t1から発生し続けているため、筐体24内部の温度やリレー接点22の温度は、このジュール熱の影響を徐々に受け始めている。このため、筐体24内部の温度は、時刻t1の時のTaから所定温度上昇し(破線R1参照)、リレー接点22の温度も、時刻t1の時の略Taから所定温度上昇している(実線C1参照)。
これとは別に、リレー接点22では、可動接点22aと固定接点22bが接触することで、両接点22a,22b間に電流が流れ、この通電に伴うジュール熱が発生する。このジュール熱は、リレー接点22の温度上昇の一因となる。
また、リレー接点22が切り替わることにより、負荷200には、リレー接点22および閉じた状態の開閉器300を通じて、電源Bから電源電圧が供給される。これにより、負荷200に通電が行われ、負荷200が動作状態となる。
ステップS3では、車両の駆動を停止するための停止操作の有無を判定する。そして、停止操作が有った場合(ステップS3:YES)は、ステップS4へ進み、停止操作が無い場合(ステップS3:NO)は、停止操作が有るまで、当該ステップS3が繰り返される。
具体的には、図3において停止操作が行われるのは時刻t3であり、時刻t1から時刻t3までの間、電磁コイル23には、定常電圧X1〔V〕が印加され続けている。
このため、筐体24内部の温度(破線R1)とリレー接点22の温度(実線C1)は、電磁コイル23で発生したジュール熱の影響を受けて、時間の経過ととともに上昇してゆく。
そして、時刻t3では、筐体24内部の温度はTbとなり、リレー接点22の温度はTcとなる。ここで、Tc>Tbであるのは、リレー接点22では、電磁コイル23の発熱に加えて、接点自体での発熱の影響を受けるからである。
時刻t3において、運転者がイグニッション装置を停止操作すると(ステップS3:YES)、リレー制御装置100aの制御部11には、この停止操作に基づく停止信号が入力される。
ステップS4では、リレー制御装置100aは、電磁リレー21に対して、以下のような第2制御を開始する。
具体的には、制御部11(図1)は、時刻t3(図3)で入力された停止信号に基づいて、開閉器300へ制御信号を送り、開閉器300を閉じた状態から開いた状態に切り替える。これにより、負荷200に対する給電は遮断され、負荷200は非動作状態となる。
また、制御部11は、上記停止信号に基づき、電磁コイル23に印加する駆動電圧に対して、PWM(Pulse Width Modulation)制御を開始する。
具体的には、制御部11は、時刻t3の時点から、予め設定された所定のデューティー比をもつPWM信号を出力する。このPWM信号は、スイッチ素子31のベース端子に与えられる。スイッチ素子31は、PWM信号と同期してオン/オフする。
これにより、スイッチ素子31がオンの期間では、電源Bから電磁コイル23へ駆動電圧が印加され、電磁コイル23に通電が行われる。一方、スイッチ素子31がオフの期間では、電源Bから電磁コイル23へ駆動電圧が印加されず、電磁コイル23に通電は行われない。このため、電磁コイル23に印加される駆動電圧は、PWM制御されたパルス電圧となる。このパルス電圧は、本発明における第2駆動電圧の一例である。
このようにして、図3の時刻t3以降は、PWM制御されたパルス電圧が、駆動電圧として電磁コイル23に印加される。したがって、電磁コイル23における単位時間当たりの消費電力についてみると、時刻t3以降の消費電力は、時刻t1から時刻t3まで定常電圧を連続して印加した場合の消費電力よりも小さくなる。この結果、電磁コイル23による磁気吸引力は低下するが、リレー接点22は、磁気吸引力が一定値以下になるまでは閉じた状態を維持する。そこで、上述のデューティー比は、このリレー接点22の閉じた状態を維持出来るような比率に設定される。これにより、電磁コイル23に間欠的なパルス電圧が印加されても、当該電圧が印加されている間、リレー接点22は安定した接触状態を維持することができる。また、リレー接点22の振動による騒音が発生することもない。
電磁コイル23では、PWM制御された駆動電圧の印加に伴うジュール熱が、時刻t3以降においても発生し続ける。一方、リレー接点22は閉じた状態を維持するが、開閉器300が開いた状態となっているため、リレー接点22には通電がされない。したがって、時刻t3以降は、リレー接点22でジュール熱が発生しなくなる。
時刻t3以前と時刻t3以降において、電磁コイル23で発生するジュール熱の熱量を比較した場合、時刻t3以降において発生する熱量の方が小さい。これは、前述した電磁コイル23での消費電力の差によるものである。
このため、駆動電圧のPWM制御が開始された後、筐体24内部の温度は、時刻t3の時のTbから次第に低下し(破線R1参照)、リレー接点22の温度も、時刻t3の時のTcから次第に低下する(実線C1参照)。
但し、電磁コイル23でジュール熱が発生し続けるため、電磁リレー21が、寒冷地等の極低温の環境下で使用される車両に搭載された場合でも、車両の駆動停止後に、リレー接点22の温度は、従来(図10の実線C2)のように急激に下降することはなく、図3の実線C1のように緩やかに下降する。そして、図3の場合、時刻t3以降のリレー接点22の温度(実線C1)は、筐体24内部の温度(破線R1)を上回っているので、リレー接点22に結露は発生しない。このため、結露が氷結してリレー接点22に氷粒が生じることもない。なお、リレー接点22の温度が筐体24内部の温度を下回った場合でも、両者の温度差が一定値を超えなければ、リレー接点22に結露は発生しない。
ステップS5では、ステップS4において開始された第2制御(駆動電圧のPWM制御)が停止可能か否かを判定する。第2制御が停止可能な場合(ステップS5:YES)は、ステップS6へ進み、停止可能でない場合(ステップS5:NO)は、停止可能となるまで、当該ステップS5が繰り返される。
具体的には、制御部11によって、第2制御開始時(時刻t3)からの経過時間が監視され、時刻t3から所定時間が経過した時刻t5に至ると、第2制御が停止可能と判断して、電磁リレー21に対する第2制御を停止する。また、所定時間が経過していない場合は、第2制御が停止可能でないと判断して、電磁リレー21に対する第2制御を継続する。
ステップS6では、制御部11が、電磁リレー21に対する第2制御を停止する。
具体的には、制御部11は、第2制御開始時(時刻t3)から所定時間が経過した(時刻t5)ことに基づいて、半導体スイッチ31をオフ状態にする。
半導体スイッチ31がオフ状態になると、電磁コイル23に印加される駆動電圧は、0〔V〕となる。これに伴い、電磁コイル23は非励磁状態となるため、可動接点22aが固定接点22bから離間して、リレー接点22が開いた状態に切り替わる。
そして、ステップS6において、電磁リレー21がオン状態からオフ状態に切り替わることで、リレー制御装置100aは、電磁リレー21に対して行っていた第2制御を終了する。これにより、図2のフローチャートの一連の処理が終了する。
尚、時刻t5の時点では、リレー接点22の温度は、時刻t3の時の温度Tcから下降して、Tdとなっており(実線C1参照)、時刻t5以降は、当該温度からさらに下降して、時刻t0の時の温度である略Taに近づいていく。また、筐体24内部の温度(破線R1)も、時刻t0の時の温度であるTaに近づいていく。
このように、本発明の第1実施形態によるリレー制御装置100a(図1)では、制御部11に対して停止信号が入力する前(図3:t1〜t3の間)までは、定常電圧であるX1〔V〕の駆動電圧が、電磁コイル23に印加される(第1制御)。また、停止信号が入力した後(図3:t3以降)は、所定のデューティー比によってPWM制御された駆動電圧が、電磁コイル23に印加される(第2制御)。
これにより、制御部11に対して停止信号が入力した後(t3以降)においても、電磁コイル23では、PWM制御された駆動電圧の印加に伴うジュール熱が発生し続ける。このため、電磁リレー21が、寒冷地等の極低温の環境下で使用される車両に搭載された場合でも、車両の駆動停止後に、リレー接点22の温度が急激に下降することはない。そして、筐体24内部の温度の低下にあわせて、リレー接点22の温度も緩やかに低下させることができる。よって、筐体24内部の温度とリレー接点22の温度に、一定以上の温度差が生じなくなり、筐体24の内部に収容されている可動接点22aや固定接点22bに結露(水滴)が生じることを未然に防止することが出来る。この結果、水滴がさらに冷却されて出来た氷粒によって、可動接点22aと固定接点22bとの接触が妨げられて、電磁リレー21が動作不良を起こすことを防止することが出来る。
また、第1実施形態では、制御部11により、第2制御開始時から所定時間が経過した時点で、電磁リレー21に対する第2制御が停止される。
上述の所定時間は、例えば、筐体24内部の温度やリレー接点22の温度が、Ta(時刻t0における温度)付近の所定温度まで下降するのに要する時間を、実験等の検証によって導出したものである。筐体24内部の温度やリレー接点22の温度が、Ta付近の値となった後は、双方の温度に大きな温度差が生じることはないので、可動接点22aや固定接点22bに結露(水滴)が生じることもない。このため、必要以上に長時間にわたって電磁コイル23に駆動電圧を印加する必要がなく、無駄な電力消費を防止することが出来る。
さらに、停止信号が入力された後(図3:t3以降)は、制御部11(図1)により、開閉器300は、閉じた状態から開いた状態に切り替えられて、負荷200に対する給電は遮断される。
これにより、停止信号が入力された後において、リレー接点22の閉じた状態が継続しても、負荷200に対する給電は行われないため、停止信号に基づく負荷200の制御を確実に行うことが出来る。
なお、以上の説明においては、停止信号が入力された後(図3:t3以降)、デューティー比が一定であるPWM制御を行う例を示したが、デューティー比は必ずしも一定でなくてもよい。例えば、リレー接点22の閉じた状態を維持出来るようなデューティー比の範囲内で、徐々にデューティー比を減少させてもよい。デューティー比を減少させると、電磁コイル23の発熱量は低下する。そのため、デューティー比を徐々に減少させることで、電磁コイル23の発熱量も徐々に減少させることができるので、より精度良く温度を制御することができる。
また、次のようなPWM制御を行ってもよい。停止信号が入力された後(図3:t3以降)の初期段階では、リレー接点22の閉じた状態を維持出来るようなデューティー比でPWM制御を行う。その後、リレー接点22が開いた状態となるようにデューティー比を変更し、PWM制御を行う。こうすることで、電磁コイル23の発熱量を徐々に減少させることができるため、より精度良く温度を制御することができ、かつ、リレー接点22の開閉は1回だけで済むので、騒音の発生も抑えることができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態によるリレー制御装置100bの構成を示した図である。図4において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
リレー制御装置100bは、制御部11と、電磁リレー21と、半導体スイッチ31と、温度検出部51とを備えている。
温度検出部51は、例えば、2つの温度センサから構成されている。そして、一方の温度センサは、電磁リレー21の内部温度(筐体24内部の温度)を検出し、他方の温度センサは、電磁リレー21の外部温度(筐体24外部の温度)を検出する。
第2実施形態は、温度検出部51が設けられている点を除いて、第1実施形態と同じであるので、温度検出部51以外の要素については説明を省略する。
以下では、リレー制御装置100bによる制御の流れと、電磁リレー21の動作について、図5のフローチャートおよび図3のタイムチャートを参照しながら説明する。
なお、図5のフローチャートにおいて、ステップS11〜S14の内容は、図2のフローチャートにおけるステップS1〜S4の内容と同じであるので、説明を省略する。また、図3のタイムチャートのt0〜t3における電磁リレー21の動作も、第1実施形態の場合と同じであるので、説明を省略する。
図5のステップS15では、ステップS14において開始された第2制御(駆動電圧のPWM制御)が停止可能か否かを判定する。第2制御が停止可能な場合(ステップS15:YES)は、ステップS16へ進み、停止可能でない場合(ステップS15:NO)は、停止可能となるまで、当該ステップS15が繰り返される。
具体的には、第2制御の開始(図3のt3)から一定時間が経過した時点で、制御部11によって、温度検出部51により検出された電磁リレー21の内部温度と外部温度から、これらの温度差が算出される。そして、この温度差が所定の閾値以下である場合は、第2制御が停止可能と判断して、電磁リレー21に対する第2制御を停止する。また、温度差が閾値以下でない場合は、第2制御が停止可能でないと判断して、電磁リレー21に対する第2制御を継続する。
ステップS16では、制御部11が、電磁リレー21に対する第2制御を停止する。
具体的には、制御部11は、電磁リレー21の内部温度と外部温度との温度差が閾値以下であることに基づいて、半導体スイッチ31をオフ状態にする。図3の場合、半導体スイッチ31がオフ状態となるのは、時刻t5である。
半導体スイッチ31がオフ状態になると、電磁コイル23に印加される駆動電圧は、0〔V〕となる。これに伴い、電磁コイル23は非励磁状態となるため、可動接点22aが固定接点22bから離間して、リレー接点22が開いた状態に切り替わる。
そして、ステップS16において、電磁リレー21がオン状態からオフ状態に切り替わることで、リレー制御装置100bは、電磁リレー21に対して行っていた第2制御を終了する。これにより、図5のフローチャートの一連の処理が終了する。
尚、時刻t5の時点では、リレー接点22の温度は、時刻t3の時の温度Tcから下降して、Tdとなっており(実線C1参照)、時刻t5以降は、当該温度からさらに下降して、時刻t0の時の温度である略Taに近づいていく。また、筐体24内部の温度(破線R1)も、時刻t0の時の温度であるTaに近づいていく。
以上述べた第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、停止信号が入力した後(図3:t3以降)は、PWM制御された駆動電圧が電磁コイル23に印加される。このため、極低温の環境下でも、リレー接点22の温度は急激に下降せず、緩やかに低下するので、結露に起因する電磁リレー21の動作不良を防止することが出来る。
また、第2実施形態では、制御部11により、温度検出部51で検出された電磁リレー21の内部温度と外部温度から、これらの温度差が算出される。そして、温度差が閾値以下である場合は、電磁リレー21に対する第2制御が停止される。
上述の閾値は、筐体24内部の温度と筐体24外部の温度の温度差が大きく乖離しない範囲(例えば1℃〜2℃程度)の値であり、実験等の検証によって導出された値である。第2制御が開始されてから一定時間経過後に、上記温度差が閾値以下であれば、それ以降に、筐体24内部の温度とリレー接点22の温度に大きな温度差が生じることはないので、可動接点22aや固定接点22bに結露(水滴)が生じることもない。このため、結露が生じる恐れのない状態となった以降は、電磁リレー21に対する第2制御を行わずに済むため、無駄な電力消費を防止することが出来る。
第2実施形態のリレー制御装置100bにおけるその他の効果については、第1実施形態のリレー制御装置100aと同様であるため、説明を省略する。
次に、上述した第1実施形態と第2実施形態における第2制御の他の例について、図6を参照しながら説明する。図6において、時刻t0から時刻t3までの動作については、図3における時刻t0から時刻t3までの動作と同じであるので、説明を省略する。
図6の場合、時刻t3からの第2制御においては、図3のPWM制御に代えて、駆動電圧のレベルを制御する。具体的には、時刻t3になると、電磁コイル23に印加する駆動電圧の電圧値を、それまでのX1〔V〕よりも低いX2〔V〕に切り替える。そして、時刻t3から時刻t5までの間、X2〔V〕の連続した直流電圧(定常電圧)が電磁コイル23に印加される。この直流電圧は、本発明における第2駆動電圧の一例である。なお、X2の値は、リレー接点22の閉じた状態を維持できるような値に設定される。
これによって、PWM制御の場合と同様に、時刻t3以降も電磁コイル23でジュール熱が発生し続けるため、リレー接点22の温度が急激に下降することはなく、リレー接点22に結露が発生するのを未然に防止することができる。
なお、図6のような駆動電圧を電磁コイル23に印加するには、図1や図4のスイッチ素子31に代えて、図7のように、抵抗41と切替回路42を設け、制御部11で切替回路42を制御すればよい。時刻t1〜t3の間は、切替回路42をa側に切り替えた状態にすることで、電磁コイル23にX1〔V〕の駆動電圧が印加される。時刻t3で切替回路42をb側に切り替えると、抵抗41における電圧降下のために、電磁コイル23に印加される駆動電圧はX2〔V〕に下がる。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記第1および第2実施形態では、リレー制御装置100a,100bを、車両に搭載されるECUに適用した例について説明したが、本発明は車載用のリレー制御装置に限定されない。例えば、リレー制御装置100a,100bを、家庭用のエアコンディショナー等に適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、リレー接点22を介して電源Bから負荷200へ給電を行う例を挙げたが、これに限らず、リレー接点を介して所定箇所へ信号を伝送する場合にも本発明は適用が可能である。
また、図3の例では、時刻t3の時点からPWM制御に切り替えたが、時刻t1の時点からPWM制御を行ってもよい。この場合、時刻t1から時刻t3までの間は、制御部11から出力されるPWM信号のデューティ−比を100%とすることで、図3の定常電圧X1〔V〕が得られる。そして、時刻t3の時点から、PWM信号のデューティ−比を100%未満とすればよい。
また、図6の例では、時刻t3以降は、X2〔V〕の駆動電圧を連続して電磁コイル23に印加したが、これに限定されない。例えば、時刻t3から所定時間が経過した時点で、再度駆動電圧の制御を行い、X2〔V〕よりもさらに低いX3〔V〕の駆動電圧を、電磁コイル23に印加してもよい。すなわち、駆動電圧(直流電圧)の電圧値が徐々に低下するように制御してもよい。
11 制御部
21 電磁リレー
22 リレー接点
22a 可動接点
22b 固定接点
23 電磁コイル
24 筐体
51 温度検出部
100a,100b リレー制御装置
200 負荷
300 開閉器

Claims (11)

  1. 電磁コイルと、前記電磁コイルへの駆動電圧の印加により切り替わるリレー接点とを有する電磁リレー、および、
    前記電磁リレーを制御する制御手段、
    を備え、
    前記リレー接点を介して車両に搭載された負荷へ給電を行うリレー制御装置において、
    前記制御手段は、
    車両を駆動するための駆動信号が入力された場合に、前記電磁コイルに第1駆動電圧を印加し、
    車両の駆動を停止するための停止信号が入力された場合に、前記電磁コイルにおける消費電力が前記第1駆動電圧印加時の消費電力よりも小さくなるような第2駆動電圧を、前記電磁コイルに印加する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  2. 請求項1に記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記停止信号が入力された場合に、前記第2駆動電圧を、PWM(Pulse Width Modulation)制御されたパルス電圧として前記電磁コイルへ印加する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  3. 請求項2に記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記PWM制御を行っている間に、当該PWM制御のデューティー比を変化させる、ことを特徴とするリレー制御装置。
  4. 請求項3に記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記デューティー比を徐々に減少させる、ことを特徴とするリレー制御装置。
  5. 請求項1に記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記停止信号が入力された場合に、前記第2駆動電圧を、連続した直流電圧として前記電磁コイルへ印加する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  6. 請求項5に記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記第2駆動電圧の電圧値を徐々に低下させる、ことを特徴とするリレー制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のリレー制御装置において、
    前記第2駆動電圧は、前記リレー接点を閉じた状態に維持することが可能な電圧である、ことを特徴とするリレー制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のリレー制御装置において、
    前記制御手段は、前記電磁コイルに対する前記第2駆動電圧の印加時間が所定時間を経過した場合は、当該第2駆動電圧の印加を停止する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のリレー制御装置において、
    前記電磁リレーの内部温度と外部温度を検出する温度検出部を更に設け、
    前記制御手段は、前記温度検出部により検出された内部温度と外部温度との差が所定の閾値以下である場合は、前記第2駆動電圧の印加を停止する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のリレー制御装置において、
    前記リレー接点と直列に、開閉器を更に設け、
    前記制御手段は、前記停止信号が入力された場合に、前記開閉器を開いて、前記負荷に対する給電を停止する、ことを特徴とするリレー制御装置。
  11. 電磁コイルと、前記電磁コイルへの駆動電圧の印加により切り替わるリレー接点とを有する電磁リレー、および、
    前記電磁リレーを制御する制御手段、
    を備えたリレー制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記電磁リレーを動作させるための第1信号が入力された場合に、前記電磁コイルに第1駆動電圧を印加し、
    前記電磁リレーの動作を停止するための第2信号が入力された場合に、前記電磁コイルにおける消費電力が前記第1駆動電圧印加時の消費電力よりも小さくなるような第2駆動電圧を、前記電磁コイルに印加する、ことを特徴とするリレー制御装置。
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