JP2008016621A - ソレノイド駆動制御装置及びその装置を用いたブレーキ制御装置、並びにソレノイド駆動制御方法 - Google Patents

ソレノイド駆動制御装置及びその装置を用いたブレーキ制御装置、並びにソレノイド駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ソレノイドの駆動方式を適切に切り替えることができる、ソレノイド駆動制御装置及びソレノイド駆動制御方法の提供を目的とする。
【解決手段】ソレノイド8に流れる実電流を検出する実電流検出回路7と、実電流検出回路7によって検出された実電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件とを比較することによりパルス駆動への切り替え要否を判断し、その判断結果に応じて、ソレノイド8に流す電流を制御するマイコン1とを備える、ソレノイド駆動制御装置。ソレノイド8に流れる実電流を検出し、検出された実電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件とを比較することによりパルス駆動への切り替え要否を判断し、その判断結果に応じて、ソレノイド8に流す電流を制御する、ソレノイド駆動制御方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソレノイドに流す電流を制御する技術に関する。
従来から、電磁ソレノイドに流す電流を制御する技術として、電磁ソレノイドに流す電流を作動初期の所定期間では直流の定格電流を流し、その所定期間経過後の保持した状態では電流を制限するためにパルス幅変調制御(PWM制御)を実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示される技術は、作動初期の所定期間まで直流の定格電流を流し、作動後に電流を制限することによって、電磁ソレノイドで消費される電力を低減し、バッテリ直流電源の消耗を少なくしようとするものである。
特開2003−240150号公報
しかしながら、上述の従来技術は、所定期間を経過しただけでPWM制御に切り替わる構成になっているので、当該所定期間の設定を予め適切に設定しておかなければ、必要以上の電流が電磁ソレノイドに流れてしまう可能性がある。適切な所定期間を予め設定することは難しい技術課題と考えられるが、上述の特許文献1にはこの点について特に示唆及び開示がなされていない。
そこで、本発明は、ソレノイドの駆動方式を適切に切り替えることができる、ソレノイド駆動制御装置及びその装置を用いたブレーキ制御装置、並びにソレノイド駆動制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のソレノイド駆動制御装置は、
ソレノイドの通電を定電圧駆動で開始した後にパルス駆動に切り替える、ソレノイド駆動制御装置であって、
前記ソレノイドに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって検出される電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件とを比較することにより定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に応じて定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。すなわち、ソレノイドの流れる実電流に基づき定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断するので、単に所定時間経過後に切り替える場合に比べ、適切な切り替えを実施することができる。
また、前記制御手段は、前記判断手段が前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の次回の制御タイミングで所定の許容電流を超えると推断する場合には、今回の制御タイミングで定電圧駆動からパルス駆動に切り替えるようにしてもよい。
また、前記判断手段は、前記所定の許容電流を超えるか否かの推断を、定電圧駆動で通電開始する場合の前記ソレノイドに流れる電流の立ち上がり特性に基づいて行うのがよい。例えば、前記判断手段は、前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の今回の制御タイミングで前記立ち上がり特性上の電流値を超えている場合に、前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の次回の制御タイミングで前記所定の許容電流を超えると推断するようにすればよい。
また、前記制御手段は、前記ソレノイドのオンに必要な目標電流に収束するようにパルス駆動を行うと好適であり、パルス駆動をパルス幅変調によって制御すると好適である。
また、前記制御手段が前記目標電流に到達した後に前記ソレノイドのオンの維持に必要な前記目標電流より小さい保持電流を流す場合、前記保持電流を流すための前記制御手段の制御周期を、前記保持電流を流す前の制御周期より長くすると好適である。
なお、前記制御手段が前記目標電流に到達した後に前記ソレノイドのオンの維持に必要な前記目標電流より小さい保持電流を流すソレノイド駆動制御装置をブレーキ制御装置に用いた場合、前記保持電流を流すための前記制御手段の制御周期を、当該ブレーキ制御装置の制御周期より長くすると好適である。
また、上記目的を達成するため、本発明のソレノイド駆動制御方法は、
ソレノイドの通電を定電圧駆動で開始した後にパルス駆動に切り替える、ソレノイド駆動制御方法であって、
前記ソレノイドに流れる電流を検出する第1ステップと、
第1ステップで検出される電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件と比較することにより定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断する第2ステップと、
第2ステップの判断結果に応じて定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを制御する第3ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、ソレノイドの駆動方式を適切に切り替えることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明に係るソレノイド駆動制御装置の実施形態を示す図である。本実施形態のソレノイド駆動制御装置は、ソレノイド8を駆動するために、マイコン1とIC(Integrated Circuit)4とを備える。
マイコン1は、CPUやROMやRAMから構成され、ソレノイド8を電流駆動するためのPWM出力部2とソレノイド8に流れる電流(ソレノイド電流)をモニタするためのADコンバータ3とを有する。PWM出力部2は、0〜100%のデューティ比を取り得るPWM駆動信号を出力する。PWM出力部2は、100%のオンデューティ比のPWM駆動信号を出力した場合(100%Duty駆動をした場合)、ソレノイド8に一定電圧を印加する定電圧駆動をすることに相当する。一方、0%より大きく100%未満のオンでユーティ比のPWM駆動信号を出力した場合、ソレノイド8に間欠的な電圧を印加するパルス駆動をすることに相当する。さらに、0%のオンデューティ比のPWM駆動信号を出力した場合、ソレノイド8に電圧は印加されず、非通電の完全オフ状態であることに相当する。
IC4は、トランジスタ5とダイオード6と電流検出回路7とを有する。トランジスタ5は、マイコン1のPWM出力部2からのPWM駆動信号を受けてソレノイド8を駆動する。ダイオード6は、トランジスタ5がオフする時に発生するソレノイド8のインダクタンス分によるサージを吸収し、サージ電圧から各回路を保護するものである。ダイオード6は、ソレノイド8に並列接続される。電流検出回路7は、ソレノイド電流を検出する。検出されたソレノイド電流に応じた電圧がマイコン1のADコンバータ3に対して出力される。なお、トランジスタ5とダイオード6と電流検出回路7は、IC4にすべて集積される必要はなく、独立した回路として構成してもよい。また、トランジスタ5の具体例として、IGBT,MOSFET,バイポーラトランジスタが挙げられる。
ソレノイド8は、コイル(インダクタ)内に可動鉄心が設置され、コイルに電流を流すことによって発生する電磁力によって可動鉄心が直線運動するアクチュエータである。ソレノイド8は、例えば、車両のブレーキや燃料噴射弁などのアクチュエータとして使われる。ソレノイド8のコイルに電流を流すため、ソレノイド8の上流はトランジスタ5を介して定電圧源9につながり、ソレノイド8の下流は電流検出回路7を介してGND(接地)につながる。定電圧源9は、例えば、車両に搭載されるバッテリや発電機である。定電圧源9の電圧は、バッテリや発電機の状態やそれらの電力供給先である電気負荷の動作状態によって変化する。また、ソレノイド8のインダクタンス分や抵抗分は、製造ばらつきや周囲温度等の環境条件によって変化する。
なお、トランジスタ5はソレノイド8の下流側とGNDの間に配置されてもよい。また、ソレノイド8の下流のGNDは、マイコン1のGNDと同一配線でつないでもよいし、ソレノイド8に流れる電流によってマイコン1のGNDに影響を与えないようにマイコン1のGNDと別配線でつないでもよい。
図2は、ソレノイド8の電流制御を説明するための図である。横軸は時間を表し、縦軸は電流を表す。制御周期Tcは、マイコン1の制御周期を表す。制御回数nは、トランジスタ5に対するPWM駆動信号の出力開始タイミングを起点とするマイコン1の制御回数を表し、制御周期Tc毎に番号が振られている。PWM周期Tpは、マイコン1のPWM出力部2からのPWM駆動信号の周期を表し、制御周期Tcより短い。
Imaxは、IC4に流すことができる最大許容電流を表す。すなわち、ソレノイド8に流す電流は、Imax以下にする必要がある。
Itargetは、ソレノイド8のプランジャを動作させるために最低限必要な最低作動電流である。一旦、最低作動電流Itargetを流せば、その後、最低作動電流Itargetより小さい保持電流を流すことによってプランジャは保持可能である。
Ireal[n]は、マイコン1のn回目の制御時における電流モニタ値であって、電流検出回路7及びADコンバータ3を介して検出されるソレノイド8に流れる実電流を示すものである。
Idchange[n]は、詳細は後述するが、マイコン1のn回目の制御時における、100%Duty駆動(定電圧駆動)からパルス駆動に切り替えるための実電流閾値である。
曲線Aは、定電圧源9の取り得る電圧が最も高く且つソレノイド8の取り得るインピーダンスが最も低い条件において、PWM出力部2が100%のオンDuty比で駆動した場合のソレノイド8の時間−電流特性を表す。つまり、曲線Aは、定電圧源9及び周囲温度等の使用範囲内で、設計上、電流の立ち上がり特性(応答性)が一番速い場合のソレノイド8の電流特性を表す。
曲線Bは、PWM出力部2が100%のオンDuty比で駆動した場合のソレノイド8の実電流Irealの変化を表す。曲線Bは、ソレノイド8の駆動時における定電圧源9の電圧や周囲温度によって、その立ち上がり特性が変化する。低電圧源9の実電圧が高くなるほど、また、ソレノイド8の実インピーダンスが低くなるほど、その立ち上がり特性は急峻になる。
曲線Cは、100%のオンDuty比での駆動を初回(n=0)から継続したときに2回目(n=2)の制御時においてソレノイド電流が最大許容電流Imaxに到達すると見込まれる場合のソレノイド8の電流特性である。曲線C上の1回目の制御時の電流値が、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えるための閾値となる(Idchange[1])。1回目の制御時に実電流Ireal[1]が閾値Idchange[1]より大きい場合、そのまま100%Duty駆動を継続してしまうと、2回目の制御時までに最大許容電流Imaxを超えてしまうことになる。したがって、1回目の制御時に実電流Ireal[1]が閾値Idcharge[1]より大きい場合には、パルス駆動に切り替えてソレノイド8に流れる電流を抑える必要がある。一方、1回目の制御時に実電流Ireal[1]が閾値Idchange[1]より小さい場合、そのまま100%Duty駆動を継続しても、2回目の制御時までに最大許容電流Imaxを超えてしまうことはない。
曲線Dは、100%のオンDuty比での駆動を初回(n=0)から継続したときに3回目(n=3)の制御時においてソレノイド電流が最大許容電流Imaxに到達すると見込まれる場合のソレノイド8の電流特性である。上述の曲線Cの場合と同様に、曲線D上の2回目の制御時の電流値が、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えるための閾値となる(Idchange[2])。2回目の制御時に実電流Ireal[2]が閾値Idchange[2]より大きい場合、100%Duty駆動を継続してしまうと、3回目の制御時までに最大許容電流Imaxを超えてしまうことになる。したがって、2回目の制御時に実電流Ireal[2]が閾値Idchange[2]より大きい場合には、パルス駆動に切り替えてソレノイド8に流れる電流を抑える必要がある。一方、2回目の制御時に実電流Ireal[2]が閾値Idcharge[2]より小さい場合、そのまま100%Duty駆動を継続しても、3回目の制御時までに最大許容電流Imaxを超えてしまうことはない。
曲線B’は、2回目の制御時に100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えた場合のソレノイド8の実電流Irealの変化を表す。マイコン1は、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えて、ソレノイド電流が最低作動電流ItargetになるようにPWM駆動信号のDuty比を変化させる。
ところで、図2のように、最低作動電流Itargetが閾値Idchangeより必ずしも大きいとは限らない。図3は、最低作動電流Itargetが閾値Idchangeより小さい場合のソレノイド8の電流制御を説明するための図である。図3において、図2と同一の符号については同一の意味を示すものとして、説明を簡略する。図3における曲線A,C,Dは、図2と同様である。
曲線Eは、PWM出力部2が100%のオンDuty比で駆動した場合のソレノイド8の実電流Irealの変化を表す。曲線Eは、ソレノイド8の駆動時における定電圧源9の電圧や周囲温度によって、その立ち上がり特性が変化する。曲線Eは、図2の曲線Bと異なり、2回目の制御時の実電流Ireal[2]が、『Itarget<Ireal[2]<Idchange[2]』の関係にある場合の特性である。
曲線E’は、2回目の制御時に100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えた場合のソレノイド8の実電流Irealの変化を表す。マイコン1は、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えて、ソレノイド電流が最低作動電流ItargetになるようにPWM駆動信号のDuty比を変化させる。
なお、上述の実電流閾値Idchangeは、マイコン1の制御回数nと関連付けてメモリ10(図1参照)に予め記憶しておく。図4は、制御回数nと実電流閾値Idchangeとの関係を示した表である。100%のオンDuty比での駆動を初回から継続したときに各制御時においてソレノイド電流が最大許容電流Imaxに到達すると見込まれる場合のソレノイド8の電流特性をシミュレーションや実機等による評価試験において算出しておけばよい。すなわち、曲線Cや曲線D上の電流値を算出しておけばよい。
また、マイコン1は、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えて、ソレノイド電流が最低作動電流ItargetになるようにPWM駆動信号のDuty比を、図5に示されるようなマップ設計値に基づいて、変化させる。図5は、PWM駆動信号のDuty設計値Ddesign[m]とそのときのソレノイド8に設計上流れる電流Idesign[m]との関係を示したマップ設計値である。マイコン1は、図5の左記の電流を流す場合には、図5の右記のDuty比のPWM駆動信号を出力する。
それでは、本実施形態のソレノイド駆動制御装置の動作(ソレノイド駆動制御方法)について説明する。図6は、本実施形態のソレノイド駆動制御装置のマイコン1の処理フローの一例である。マイコン1は、図2,3で示した制御周期Tcで、図6に示される処理フローを実行する。図6に示される処理フローは、ソレノイド8の通電を開始した初期通電時に実行する初期電流制御フロー(電流推定制御フロー)を示す。
まず、マイコン1は、ソレノイド8のオン要求(動作要求)があるか否かを確認する(ステップ1)。例えば、車内LAN等の通信回線を介して、他の電子制御装置からのオン要求があった場合に、ソレノイドON要求フラグが立つ。つまり、ソレノイドON要求フラグの状態によって、ソレノイド8のオン要求があるか否かが確認される。マイコン1は、ソレノイド8のオン要求がある場合には、ソレノイドON要求フラグをクリアしON制御中フラグを立てるとともに(ステップ2)、オンDuty比を100%に設定したPWM駆動信号(すなわち、定電圧駆動の信号)を出力する(ステップ3)。定電圧駆動でソレノイド8の通電を開始することで、パルス駆動で通電を開始する場合に比較してソレノイド8がオンするまでの応答性が向上する。ステップ3の実行後に、本制御タイミングにおける処理は終了する。
一方、マイコン1は、ソレノイド8のオン要求がない場合には、ON制御中であるか否かを確認する(ステップ4)。ON制御中フラグの状態によって、ソレノイド8がON制御中であるか否かが確認される。ソレノイド8のON要求がなくON制御中でもなければ(ステップ4;No)、何もせずに本フローは終了し、本制御タイミングにおける処理は終了する。ソレノイド8のオン要求がなくON制御中であれば(ステップ4;Yes)、マイコン1は電流検出回路7及びADコンバータ3を介して検出された実電流Ireal[n]を算出する(ステップ5)。
実電流Ireal[n]が閾値Idchange[n]より小さく(ステップ6;Yes)、最低作動電流Itargetよりも小さければ(ステップ7;Yes)、ステップ3で設定されたDuty比は変わらずに100%Duty駆動が継続したまま本制御タイミングにおける処理は終了する。これは、図3で言えば、制御回数がn=1の場合に相当する。
一方、実電流Ireal[n]が閾値Idchange[n]以上か(ステップ6;No)、または、実電流Ireal[n]が最低作動電流Itarget以上であれば(ステップ7;No)、マイコン1は、まず基準となるDuty設計値Ddesignを算出する(ステップ8)。つまり、図5に示されるマップ設計値に基づいて、少なくとも最低作動電流Itargetを流すためのDuty比であるDuty設計値Ddesignが算出される。
なお、このDuty設計値Ddesignは、あくまで設計値算出のための厳しい条件下で算出されたDuty比であるため、マイコン1は実際の定電圧源9の電圧やソレノイド8のインピーダンスに合わせて補正を行う(ステップ9)。
n回目の制御時における補正後のDuty比Dout[n]は、例えば[数1]にしたがって演算することができる。
[数1]
Dout[n]=k×(Idesign[n]/Ireal[n])×Ddesign[n+1]
ただし、kは比例定数とする。そして、マイコン1は、100%Duty駆動からパルス駆動に切り替えて、Duty比をDout[n]に設定したPWM駆動信号を出力する(ステップ10)。
ところで、図6で示される初期電流制御が終わり、ソレノイド8がオンした後は、通電によるソレノイド8やIC4などの発熱を抑えるために、マイコン1は目標電流をItargetからそれより小さい保持電流に切り替える。この保持電流についてはソレノイド8をオンさせるまでの初期電流より高い応答性は必要ないため、目標電流が保持電流に切り替わったあとは、制御周期は初期電流制御の制御周期Tcから長くすることができる。これにより、マイコン1の演算負荷の軽減が可能となる。
図7は、マイコン1が制御周期Tcで処理する保持電流制御フローである。まず、マイコン1は、ソレノイド8の保持電流制御要求があるか否かを確認する(ステップ11)。例えば、実電流Ireal[n]が最低作動電流Itargetを含む所定電流範囲内に収束していることを所定回数連続して検出された場合に、保持電流制御要求フラグが立つ。つまり、保持電流制御要求フラグの状態によって、ソレノイド8の保持電流制御要求があるか否かが確認される。マイコン1は、保持電流制御要求がある場合には(ステップ11;Yes)、保持電流制御要求フラグをクリアし保持電流制御中フラグを立てるとともに(ステップ12)、保持電流のDuty比の演算、補正、そのDuty比に設定したPWM駆動信号を出力する(ステップ13)。すなわち、図5に示されるマップ設計値と同様に、保持電流用のマップ設計値に基づいて、保持電流を流すためのDuty比であるDuty設計値が算出される。そして、[数1]に示される演算式と同様の演算式で、n回目の制御時における補正後の保持電流のDuty比が演算され、その補正後のDuty比に設定したPWM駆動信号が出力される。
図8は、マイコン1が制御周期Tkで処理する保持電流制御フローである。図7のステップ12において保持電流制御中フラグが立てられると、マイコン1の制御周期は、Tcからそれより長いTkに変更される。マイコン1は、保持電流制御中フラグの状態に基づいて保持電流制御中であるか否かを判断する(ステップ21)。保持電流制御中であり(ステップ21;Yes)、ソレノイドのオフ指令(動作停止指令)などの保持電流制御終了要求がなければ(ステップ22;No)、マイコン1は保持電流を維持するための保持電流フィードバック制御を実行する(ステップ23)。つまり、マイコン1は、電流検出回路7及びADコンバータ3を介して検出されるソレノイド8に流れる実電流を算出し、その算出された実電流と目標とする所定の保持電流との差が零となるように、PWM駆動信号のDuty比を上述と同様の補正を行いながら変化させる。ステップ23の実行後に、本制御タイミングにおける処理は終了する。
一方、保持電流制御終了要求があれば(ステップ22;Yes)、マイコン1は保持電流制御中フラグをクリアし、オンDuty比を0%にすることによりPWM駆動信号の出力を停止する(ステップ24)。ステップ24の実行後に、本制御タイミングにおける処理は終了する。
したがって、本実施例によれば、ソレノイド8に流れる実電流を検出し、検出された実電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件である閾値Idchange[n]とを比較することにより定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断し、その判断結果に応じて、定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを制御するので、精度の良い適切な切り替えを実施することができる。また、最大許容電流Imaxを超えないように、かつ、ソレノイド8の応答性を損なうことなく、ソレノイド8をオンさせることができる。
また、ソレノイドのオン/オフに数mec以内の応答性が要求されるブレーキ制御のアクチュエータに本実施例のソレノイド8を使用した場合、精度の良い適切な切り替えを実施することができるので、ブレーキ性能やブレーキフィーリングの向上が可能となる。
また、回路の部品点数削減、実装面積削減、コスト削減などの観点から、ソレノイドの駆動をICで駆動することがある。ICに大電流を流す場合、ボンディングワイヤを太くしたり、内部配線を太くしたりする必要があるため、ICチップを大きくせざるを得ないことがある。また、パルス駆動する場合には、スイッチングロスによる発熱が定電圧駆動に比べ大きくなる。この点、本実施例によれば、ソレノイドの電流特性に基づいて定電圧駆動からパルス駆動に精度良く適切に切り替えているので、ICに流れる電流を適切な値に制御することができ、ICチップのサイズアップや発熱を抑えることができる。
また、ICに流す電流が最大許容電流を超えると、ボンディングワイヤおよび内部配線抵抗の劣化を助長するおそれがある。しかしながら、本実施例によれば、ICに流れる電流をICの最大許容電流以下に精度よく制御することができる。
また、発熱等を抑えるためにソレノイドの通電電流を制限するためには、コイルの巻線数を増やしてコイルの巻線抵抗を大きくすることも考えられるが、コイルの巻線数が大きくなると、コイル寸法が大きくなるため、アクチュエータの車両への搭載性の問題が生じる場合がある。しかしながら、本実施例によれば、ソレノイドに流れる電流を適切に制限することができるので、コイル寸法が大きくなることを防止することができる。
また、本実施例によれば、パルス駆動切り替え後の保持電流制御中の演算周期が、初期電流制御中の演算周期より長くしているので、演算負荷を軽減することができる。演算周期が短い初期電流制御時はブレーキの制御周期よりも制御期間が十分に短いため、初期電流制御の演算負荷はブレーキ制御全体の演算負荷に対して大きな影響はないが、保持電流制御はブレーキの制御周期よりも制御期間が長いため、制御周期を長くすることによるブレーキ制御全体の演算負荷軽減の効果が顕著に現れる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、スイッチング素子5とダイオード6と電流検出回路7をIC4の集積回路としていたが、独立した素子でよい。スイッチング素子5は、電流の導通・遮断が可能な半導体素子であって、その具体例として、IGBT,MOSFET,バイポーラトランジスタなどのトランジスタが挙げられる。
本発明に係るソレノイド駆動制御装置の実施形態を示す図である。 ソレノイド8の電流制御を説明するための図である。 最低作動電流Itargetが閾値Idchangeより小さい場合のソレノイド8の電流制御を説明するための図である。 制御回数nと実電流閾値Idchangeとの関係を示した表である。 PWM駆動信号のDuty設計値Ddesign[m]とそのときのソレノイド8に設計上流れる電流Idesign[m]との関係を示したマップ設計値である。 本実施形態のソレノイド駆動制御装置のマイコン1の処理フローの一例である。 マイコン1が制御周期Tcで処理する保持電流制御フローである。 マイコン1が制御周期Tkで処理する保持電流制御フローである。
符号の説明
1 マイコン
2 PWM出力部
3 ADコンバータ
4 IC
5 スイッチング素子
6 ダイオード
7 電流検出回路
8 ソレノイド
9 定電圧源
10 メモリ
Imax IC4に流すことができる最大許容電流
Itarget ソレノイド8のプランジャを動作させるために最低限必要な最低作動電流
Ireal[n] n回目の制御時における、ソレノイド8の実電流
Idchange[n] n回目の制御時における、100%Duty駆動(定電圧駆動)からパルス駆動に切り替えるための実電流閾値

Claims (13)

  1. ソレノイドの通電を定電圧駆動で開始した後にパルス駆動に切り替える、ソレノイド駆動制御装置であって、
    前記ソレノイドに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出される電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件とを比較することにより定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に応じて定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを制御する制御手段とを備えることを特徴とする、ソレノイド駆動制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記判断手段が前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の次回の制御タイミングで所定の許容電流を超えると推断する場合には、今回の制御タイミングで定電圧駆動からパルス駆動に切り替える、請求項1記載のソレノイド駆動制御装置。
  3. 前記判断手段は、前記所定の許容電流を超えるか否かの推断を、定電圧駆動で通電開始する場合の前記ソレノイドに流れる電流の立ち上がり特性に基づいて行う、請求項2記載のソレノイド駆動制御装置。
  4. 前記判断手段は、前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の今回の制御タイミングで前記立ち上がり特性上の電流値を超えている場合に、前記電流検出手段によって検出される電流が前記制御手段の次回の制御タイミングで前記所定の許容電流を超えると推断する、請求項3記載のソレノイド駆動制御装置。
  5. 前記制御手段は、パルス駆動をパルス幅変調によって制御する、請求項1から4のいずれかに記載のソレノイド駆動制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記ソレノイドのオンに必要な目標電流に収束するようにパルス駆動を行う、請求項1から5のいずれかに記載のソレノイド駆動制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記目標電流に到達した後に前記ソレノイドのオンの維持に必要な前記目標電流より小さい保持電流を流す、請求項6に記載のソレノイド駆動制御装置。
  8. 前記保持電流を流すための前記制御手段の制御周期を、前記保持電流を流す前の制御周期より長くした、請求項7記載のソレノイド駆動制御装置。
  9. 請求項7に記載のソレノイド駆動制御装置を備えるブレーキ制御装置であって、
    前記保持電流を流すための前記制御手段の制御周期を、当該ブレーキ制御装置の制御周期より長くした、ブレーキ制御装置。
  10. ソレノイドの通電を定電圧駆動で開始した後にパルス駆動に切り替える、ソレノイド駆動制御方法であって、
    前記ソレノイドに流れる電流を検出する第1ステップと、
    第1ステップで検出される電流と定電圧駆動からパルス駆動への切り替え条件と比較することにより定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを判断する第2ステップと、
    第2ステップの判断結果に応じて定電圧駆動からパルス駆動への切り替えを制御する第3ステップとを有することを特徴とする、ソレノイド駆動制御方法。
  11. 前記ソレノイドに流れる電流が次回の制御タイミングで所定の許容電流を超えると推断される場合に、今回の制御タイミングで定電圧駆動からパルス駆動に切り替える、請求項10記載のソレノイド駆動制御方法。
  12. 前記所定の許容電流を超えるか否かの推断を、定電圧駆動で通電開始する場合の前記ソレノイドに流れる電流の立ち上がり特性に基づいて行う、請求項11記載のソレノイド駆動制御方法。
  13. 前記ソレノイドに流れる電流が今回の制御タイミングで前記立ち上がり特性上の電流値を超えている場合に、前記ソレノイドに流れる電流が次回の制御タイミングで前記所定の許容電流を超えると推断する、請求項12記載のソレノイド駆動制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015233054A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 トヨタ自動車株式会社 ソレノイド制御装置
JP2017031979A (ja) * 2016-10-03 2017-02-09 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP2017190780A (ja) * 2017-08-01 2017-10-19 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム

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