JP2011209883A - 路側通信機及び位置精度推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地上からGPS衛星までの距離は路側通信機と車載通信機との距離に比べて非常に長いため、GPS測位精度に関するGPS情報(捕捉数、DOP値等)に関して、車載通信機3と路側通信機2とは同じ条件であると解される。そこで、GPS衛星S1〜S5から送信される信号を路側通信機2が受信してGPS測位精度に関するGPS情報を取得し、取得したGPS情報に基づいて、車載通信機3のアップリンク信号に含まれる位置情報の精度を推定する。
【選択図】図6
Description
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
上記のように構成された路側通信機では、GPS測位精度に関するGPS情報に基づいて、アップリンク信号に含まれる位置情報の精度を推定する。これにより、車載通信機から送信されて来る位置情報の精度の良否を、路側通信機側で把握できる。
この場合、捕捉数が閾値以上であるときのみの位置情報を採用することにより、位置情報の精度を高めることができる。
この場合、DOP値が閾値以下であるときのみの位置情報を採用することにより、位置情報の精度を高めることができる。
この場合、信号受信強度が閾値以上、及び/又は、信号対雑音比が閾値以上であるときのみの位置情報を採用することにより、位置情報の精度を高めることができる。
この場合、精度の高い位置情報のみに基づいて、通信エリアを、より正確に推定することができるようになる。
この場合、位置情報の精度の良否に応じて適切な内容のダウンリンク情報を提供することができる。
この場合、位置情報の精度が所定レベル以上である場合にのみ、安全運転支援情報を提供することができるので、精度が良くないのに高度な安全運転支援情報を提供して却って安全性を損なうこと等を、防止することができる。
上記のような位置精度推定方法では、路側通信機が、GPS測位精度に関するGPS情報に基づいて、アップリンクに含まれる位置情報の精度を推定する。これにより、車載通信機から送信されて来る位置情報の精度の良否を、路側通信機側で把握できる。
図1は、本発明の実施形態に係る路側通信機を含む高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Ciの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えている。
各路側通信機2は、その周囲に広がる通信エリア(路側通信機2の送信信号が十分に届く範囲)をそれぞれ有し、自身の通信エリアを走行する車両5の車載通信機3との無線通信が可能である。また、各路側通信機2は、他の路側通信機2とも通信可能である。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能となっているが、これらの間も無線通信であってもよい。
また、路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、それらの通信制御を行うCPU等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24と、GPS受信機25とを備えている。記憶部24は、制御部23が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
一方、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うCPU等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33と、通信部31に接続されたGPS受信機34とを備えている。記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。GPS受信機34は、GPSアンテナ35により、複数のGPS衛星(図示せず。)からGPS信号を受信する。また、通信部31には、速度センサ36が接続されている。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
また、車載通信機3の制御部32は、他の車両5から直接受信した車両情報S3や、路側通信機2から受信した他の車両5の車両情報S3に含まれる、位置、速度及び方向に基づいて、右直衝突や出合い頭衝突等を回避するための安全運転支援制御を行うことができる。
図4に示すように、車載通信機3の送信信号には、プリアンブル、ヘッダ、データ、CRC(Cyclic Redundancy Check)が含まれている。
このうち、データには、車両5の位置、方向(進行方向)、速度、車種が含まれるが、路側通信機2からの送信信号を受信した場合の受信レベルを含めることもできる。車両5の位置や方向の情報は、GPS受信機34により、取得することができる。また、速度は、車両5の速度センサ36に基づいた情報である。
次に、本発明の主要部分としての、第1実施形態に係る路側通信機による位置精度推定について説明する。
図5は、路側通信機2から見た通信エリアを示す略図であり、(a)は路側通信機2と、車載通信機3を搭載した車両51,52,54との位置関係を示している。(b)は、路側通信機2から見た全通信エリアのうち、路上の一方向へ拡がる通信エリAの形状イメージを平面的に表した図である。
次に、第2実施形態に係る路側通信機による位置精度推定について説明する。図8は、この位置精度推定に関するフローチャートである。図7との違いは、GPS衛星の捕捉数ではなくDOP値を用いる点である。DOP値は、GPS測位精度に関するGPS情報の一つであり、捕捉できるGPS衛星とGPS受信機とを直線で結んで出来上がる多角錐の体積が大きいほどDOP値は小さく、GPS測位精度は良くなる。逆に、多角錐の体積が小さいほどDOP値は大きく、GPS測位精度は悪くなる。
次に、第3実施形態に係る路側通信機による位置精度推定について説明する。図9は、この位置精度推定に関するフローチャートである。このフローチャートでは、第1実施形態におけるGPS衛星の捕捉数及び、第2実施形態におけるDOP値を共に、位置精度推定の要素としている。また、さらに、GPS衛星から送信される信号の受信強度を示すRSSI(Receive Signal Strength Indication)値及び、S/N比(信号対雑音比)を位置精度推定の要素としている。
また、第1,第2実施形態よりもさらに確実に精度の高い位置情報に基づいて、路側通信機2は、図5の(b)に示すアップリンクエリアを推定することができ、さらに、これを、自己のダウンリンクエリアとして確認し、双方からの通信が可能な通信エリアAとすることができる。
なお、上記各実施形態により位置情報を取捨選択して全体的に位置情報の精度を高めることによって、通信エリアAをより正確に推定することができる。例えば、電波の伝搬環境は、道路周辺の建造物の変化や、道路交通上のインフラの設置あるいは撤去、街路樹の落葉等、種々の条件で変化する。従って、通信エリアも例えば図10に示すように、AからA’へ変化する場合がある。すなわち、図示しているのは、アップリンク信号が届いて来る最遠端が200mから170mに変化した例である。この場合には、路側通信機2の送信電力を増大させることにより、元のエリアAに戻すことができる。逆に、エリアAが拡がった場合には、路側通信機2の送信電力を減少させることにより、元のエリアAに戻すことができる。
上記のように、車両の位置情報は、アップリンクエリアの推定にも用いることができるが、安全運転支援のために利用することができ、車両に対して安全運転に資する情報の提供を行う場合の基礎的なデータとして活用することができる。
精度が不十分な位置情報に基づいて警告を与えようとすると、警告が不要な場面でドライバに警告をしてしまう可能性もあり、かえって安全性の低下を招くことがありうるからである。
3 車載通信機
23 制御部
25 GPS受信機
S1〜S5 GPS衛星
Claims (8)
- 車載通信機のアップリンク信号に含まれる位置情報に基づいて当該車載通信機の位置を検出する路側通信機であって、
GPS衛星から送信される信号を受信してGPS測位精度に関するGPS情報を取得するGPS受信機と、
取得したGPS情報に基づいて、前記位置情報の精度を推定する制御部と
を備えたことを特徴とする路側通信機。 - 前記GPS情報には、GPS衛星の捕捉数が含まれる請求項1記載の路側通信機。
- 前記GPS情報には、DOP値が含まれる請求項1記載の路側通信機。
- 前記GPS情報には、前記GPS衛星からの信号受信強度及び信号対雑音比の少なくとも一方が含まれる請求項1記載の路側通信機。
- 前記位置情報及び、推定した当該位置情報の精度に基づいて、前記アップリンク信号の受信可能な通信エリアを推定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の路側通信機。
- 前記路側通信機は、所定のダウンリンクエリアに対して前記車載通信機が受信可能なダウンリンク情報を送信する送信部を備えており、
前記送信部は、前記位置情報及び推定した当該位置情報の精度に基づいて、当該路側通信機が無線で提供するダウンリンク情報の内容を決定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の路側通信機。 - 前記ダウンリンク情報には、前記車載通信機が車両の安全運転を支援するための安全運転支援情報を含めることができるように構成されており、
前記送信部は、前記位置情報及び推定した当該位置情報の精度が所定レベル以上と判断された場合にのみ、前記ダウンリンク情報に前記安全運転支援情報を含める請求項1〜6のいずれか1項に記載の路側通信機。 - 車載通信機のアップリンク信号に含まれる位置情報の精度を推定する位置精度推定方法であって、
GPS衛星から送信される信号を路側通信機が受信してGPS測位精度に関するGPS情報を取得し、
取得したGPS情報に基づいて、前記位置情報の精度を推定する
ことを特徴とする位置精度推定方法。
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