JP2011209675A - 光拡散フィルムおよびその製造方法、光拡散性偏光板、ならびに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム101上に積層され、透光性微粒子104が分散された光拡散層102を有し、基材フィルム側から、光拡散フィルムの法線方向に入射する波長543.5nmのレーザー光の強度に対する、光拡散層側の法線方向から40°傾いた方向に透過するレーザー光の強度の比が0.0002〜0.001%、4種の光学くしを通して得られる透過鮮明度の和が70〜180%、全ヘイズおよび内部ヘイズが40〜70%、光拡散層の表面形状に起因する表面ヘイズが2%未満、光拡散層の表面の中心線平均粗さが0.2μm以下である。
【選択図】図1
Description
図1および図2はそれぞれ、本発明の光拡散フィルムの好ましい例を示す概略断面図である。本発明に係る図1および図2に示される光拡散フィルム100,200は、基材フィルム101と、基材フィルム101上に積層された光拡散層102とを備える。光拡散層102は、透光性樹脂103を基材とする層であって、透光性樹脂103中に透光性微粒子104が分散されてなる。本発明の光拡散フィルムは、図1に示される例のように、光拡散層102の表面が平坦面から構成されていてもよく、あるいは図2に示される例のように、後述する中心線平均粗さRaが0.2μm以下である限りにおいて凹凸面から構成されていてもよい。以下、本発明の光拡散フィルムについて、さらに詳細に説明する。
(1)相対散乱光強度
本発明の光拡散フィルムは、基材フィルム101側から、光拡散フィルムの法線方向に入射する波長543.5nmのレーザー光の強度L1に対する、光拡散層102側の法線方向から40°傾いた方向に透過するレーザー光の強度L2の比L2/L1(相対散乱光強度)が0.0002%以上0.001%以下の範囲内である。すなわち、図3を参照して、光散乱フィルムの基材フィルム101側から、光拡散フィルムの法線A1方向に波長が543.5nmであり強度がL1であるレーザー光(He−Neレーザーの平行光)を入射し、光拡散層102側の法線A2方向から40°傾いた方向A3に透過するレーザー光の透過散乱光強度L2を測定することにより得られる相対散乱光強度L2/L1が0.0002%以上0.001%以下の範囲内とされる。透過散乱光強度の測定方向である光拡散層102側の法線A2方向から40°傾いた方向A3は、光拡散フィルムの法線(法線A1およびA2)方向を含む平面内における一方向である。
本発明の光拡散フィルムは、0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmの光学くしを通して得られる透過鮮明度の和(以下、単に「透過鮮明度」という)が70%以上180%以下である。「0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmの光学くしを通して得られる透過鮮明度の和」とは、JIS K 7105に準拠し、暗部と明部との幅の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度(像鮮明度)の和である。したがって、ここでいう「透過鮮明度」の最大値は400%となる。
本発明の光拡散フィルムは、全ヘイズが40%以上70%以下であり、かつ内部ヘイズが40%以上70%以下である。また、光拡散層102の表面形状に起因する表面ヘイズは2%未満とされる。ここで、「全ヘイズ」とは、光拡散フィルムに光を照射して透過した光線の全量を表す全光線透過率(Tt)と、光拡散フィルムにより拡散されて透過した拡散光線透過率(Td)との比から下式(1):
全ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100 (1)
により求められる。
表面ヘイズ(%)=全ヘイズ(%)−内部ヘイズ(%) (2)
より求められる。
本発明の光拡散フィルムにおいて、光拡散層102表面(基材フィルム101とは反対側の表面)のJIS B 0601に従う中心線平均粗さRaは0.2μm以下であり、好ましくは0.1μm以下である。光拡散層102表面の中心線平均粗さRaが0.2μmを超える場合、白ちゃけが顕著となる。JIS B 0601に従う中心線平均粗さRaとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さl(エル)だけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にx軸を、縦倍率の方向にy軸をとり、粗さ曲線をY=f(x)で表したときに、下記式(3):
本発明で使用する基材フィルム101としては透光性のものであればよく、たとえばガラスやプラスチックフィルムなどを用いることができる。プラスチックフィルムとしては適度の透明性、機械強度を有していればよい。具体的には、たとえば、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロースアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。基材フィルム101の層厚は、たとえば10〜500μmであり、好ましくは20〜300μmである。
本発明の光拡散フィルムは、基材フィルム101上に積層された光拡散層102を備える。光拡散層102は、透光性樹脂103を基材とする層であって、透光性樹脂103中に透光性微粒子104が分散されてなる。上述のように、光拡散層102表面(基材フィルム101とは反対側の表面)のJIS B 0601に従う中心線平均粗さRaは0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下とされる。なお、基材フィルム101と光拡散層102との間に他の層(接着剤層を含む)を有していてもよい。
次に、本発明の光拡散フィルムを製造するための方法について説明する。本発明の光拡散フィルムは、好ましくは、次の工程(A)および(B)を含む方法によって製造される。
(A)基材フィルム101上に、透光性微粒子104が分散された樹脂液を塗布する工程、および、
(B)上記樹脂液からなる層の表面に、金型の鏡面または凹凸面を転写する工程。
上述した本発明の光拡散フィルムは、偏光板と組み合わせることにより光拡散性偏光板とすることができる。光拡散性偏光板は、偏光機能と防眩(光拡散)機能とを有する多機能フィルムである。本発明の光拡散性偏光板は、少なくとも偏光フィルムを有する偏光板と、基材フィルム側が該偏光板に対向するように該偏光板上に粘着剤層または接着剤層を介して積層された上記本発明の光拡散フィルムとを備えるものである。偏光板は従来公知の構成であってよく、たとえば、偏光フィルムの片面または両面に保護フィルムを有するものが一般的である。また、偏光板は、偏光フィルムそれ自体であってもよい。図6は、本発明の光拡散性偏光板の好ましい一例を示す概略断面図である。図6に示される光拡散性偏光板600は、偏光フィルム601と、偏光フィルム601の一方の面に貼着された保護フィルム602と、他方の面に貼着された光拡散フィルム100とを備える。光拡散フィルム100は、その基材フィルム101側が偏光板の偏光フィルム601に対向するように貼着されている。光拡散フィルム100および保護フィルム602は、図示しない接着剤層を介して偏光フィルム601に貼着される。このような、偏光フィルムと光拡散フィルムとが接着剤層を介して貼着される構成、すなわち、光拡散フィルムを偏光フィルムの保護フィルムとして使用する構成は、光拡散性偏光板の薄膜化に有利である。
次に、本発明に係る液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、バックライト装置と、光偏向手段と、バックライト側偏光板と、液晶セルと、上記本発明の光拡散性偏光板とをこの順で備えるものである。図7は、本発明の液晶表示装置の好ましい一例を示す概略断面図である。図7の液晶表示装置は、ノーマリーホワイトモードのTN方式の液晶表示装置であって、バックライト装置702、光拡散板703、光偏向手段としての2枚のプリズムフィルム704a、704b、バックライト側偏光板705、一対の透明基板711a、711bの間に液晶層712が設けられてなる液晶セル701、および、視認側偏光板706と本発明に係る光拡散フィルム707とからなる光拡散性偏光板がこの順で配置されてなる。
液晶セル701は、スペーサーにより所定距離を隔てて対向配置された一対の透明基板711a、711bと、この一対の透明基板711a、711bの間に液晶を封入してなる液晶層712を備える。一対の透明基板711a、711bには、それぞれ透明電極や配向膜が積層形成されており、透明電極間に表示データに基づいた電圧が印加されることによって液晶が配向する。液晶セル701の表示方式は、上記の例ではTN方式であるが、IPS方式、VA方式などの表示方式も用いられる。
バックライト装置702は、上面開口の直方体形状のケース721と、ケース721内に複数本並列配置された、線状光源としての冷陰極管722とを備える。ケース721は、樹脂材料や金属材料から成形されてなり、冷陰極管722から放射された光をケース内周面で反射させる観点から、少なくともケース内周面は白色または銀色であることが望ましい。光源としては、冷陰極管の他、線状形状等の各種形状のLED等も使用できる。線状光源を用いる場合、配置する線状光源の本数に特に限定はないが、発光面の輝度ムラの抑制等の観点から、隣接する線状光源の中心間距離が15mmから150mmの範囲であることが好ましい。なお、本発明で使用するバックライト装置702は、図7に示す直下型のものに限定されるものではなく、導光板の側面に線状光源または点状光源を配置したサイドライト型、あるいは平面状光源型などの各種のものが使用できる。
本発明の液晶表示装置は、バックライト装置702と光偏向手段との間に配置される光拡散手段としての光拡散板703を備えることができる。光拡散板703は、基材に拡散剤が分散混合されてなるフィルムまたはシートである。その基材としては、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチルとスチレンの共重合体樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体樹脂、メタクリル酸とスチレンの共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド系樹脂等が使用できる。なお、光拡散手段は、光拡散板と光拡散フィルムとを併用したものであってもよい。
プリズムフィルム704a,704bは、光入射面側(バックライト装置側)が平坦面で、光出射側の面(バックライト側偏光板705に対向する表面)に、断面が先細の多角形状、好ましくは三角形状の線状プリズム741a,741bが平行に複数形成されている。プリズムフィルム704a、704bの材料としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチルとスチレンの共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、あるいは、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの電離放射線硬化型樹脂等が挙げられる。プリズムフィルムは、異形押出法、プレス成形法、射出成形法、ロール転写法、レーザブレーション法、機械切削法、機械研削法、フォトポリマープロセス法などの公知の方法で製造することができる。これらの方法は、それぞれ単独で使用されてもよいし、あるいは2種以上の方法を組み合わせてもよい。プリズムフィルム704a、704bの厚みは、通常、0.1〜15mmであり、好ましくは0.5〜10mmである。
光拡散性偏光板を構成するバックライト側偏光板705は上述したものを用いることができる。また、視認側偏光板706としては、従来公知のものを用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、図9に示されるように、位相差板708を備えることができる。図9において位相差板708は、バックライト側偏光板705と液晶セル701との間に配置されている。この位相差板708は、液晶セル701の表面に対して垂直な方向に位相差がほぼゼロのものであり、真正面からは何ら光学的な作用を及ぼさず、斜めから見たときに位相差が発現し、液晶セル701で生じる位相差を補償するものである。これによって、より広い視野角が得られ、より優れた表示品位および色再現性が得られるようになる。位相差板708は、バックライト側偏光板705と液晶セル701の間、および、視認側偏光板706と液晶セル701の間の一方、または、両方に配置することができる。
光学的に透明な粘着剤を用いて、光拡散フィルムを、その基材フィルム側でガラス基板に貼合した測定用サンプルを用いて測定を行なった。測定用サンプルのガラス基板面側から、光拡散フィルムの法線方向にHe−Neレーザーの平行光(波長543.5nm)を入射し、光拡散層側の法線方向から40°傾いた方向A3に透過するレーザー光の強度L2を測定し、透過散乱光の強度L2を光源の光強度L1で除した値として相対散乱光強度L2/L1を算出した。測定には、横河電機株式会社製の「3292 03 オプティカルパワーセンサー」および同社製の「3292 オプティカルパワーメーター」を用いた。
光学的に透明な粘着剤を用いて、光拡散フィルムを、その基材フィルム側でガラス基板に貼合した測定用サンプルを用いて測定を行なった。測定には、JIS K 7105に準拠した写像性測定器(スガ試験機株式会社製の「ICM−1DP」)を用いた。
光学的に透明な粘着剤を用いて、光拡散フィルムを、その基材フィルム側でガラス基板に貼合した測定用サンプルを用いて測定を行なった。全ヘイズ値および内部ヘイズの測定には、JIS K 7136に準拠したヘイズ透過率計(株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」)を用いた。その結果に基づき、上記式(2)より表面ヘイズを算出した。
JIS B 0601に準拠した共焦点干渉顕微鏡(たとえば、株式会社オプティカルソリューション社製の「PLμ2300」)を用いて測定した。
光拡散フィルムの層厚をNIKON社製 DIGIMICRO MH−15(本体)およびZC−101(カウンター)を用いて測定し、基材厚み80μmを測定層厚から差し引くことにより光拡散層の層厚を測定した。
コールター原理(細孔電気抵抗法)を用いたコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
(1)鏡面金属製ロールの作製
直径200mmの鉄ロール(JISによるSTKM13A)の表面に工業用クロムめっき加工を行ない、ついで表面を鏡面研磨して鏡面金属製ロールを作製した。得られた鏡面金属製ロールのクロムめっき面のビッカース硬度は1000であった。なお、ビッカース硬度は、超音波硬度計MIC10(Krautkramer社製)を用い、JIS Z 2244に準拠して測定した(以下の例においてもビッカース硬度の測定法は同じ)。
ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量部、および多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物)40重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液に混合し、固形分濃度60重量%となるように調整して紫外線硬化性樹脂組成物を得た。なお、該組成物からプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去して紫外線硬化した後の硬化物の屈折率は1.53であった。
透光性微粒子として重量平均粒径が6.0μmであり、標準偏差が2.19μmであるポリスチレン系粒子を35重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
(1)エンボス加工用金属製ロールの作製
直径200mmの鉄ロール(JISによるSTKM13A)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmであった。その銅めっき表面を鏡面研磨し、さらにその研磨面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、ジルコニアビーズTZ−B125(東ソー(株)製、平均粒径:125μm)を、ブラスト圧力0.05MPa(ゲージ圧、以下同じ)、微粒子使用量16g/cm2(ロールの表面積1cm2あたりの使用量、以下同じ)でブラストし、表面に凹凸を形成した。その凹凸面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、ジルコニアビーズTZ−SX−17(東ソー(株)製、平均粒径:20μm)を、ブラスト圧力0.1MPa、微粒子使用量4g/cm2でブラストし、表面凹凸を微調整した。得られた凹凸つき銅めっき鉄ロールに対し、塩化第二銅液でエッチング処理を行なった。その際のエッチング量は3μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工を行ない、エンボス加工用金属製ロールを作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。得られたエンボス加工用金属製ロールのクロムめっき面のビッカース硬度は1000であった。
ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量部、および多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物)40重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液に混合し、固形分濃度60重量%となるように調整して紫外線硬化性樹脂組成物を得た。なお、該組成物からプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去して紫外線硬化した後の硬化物の屈折率は1.53であった。
透光性微粒子として重量平均粒径が6.0μmであり、標準偏差が2.19μmであるポリスチレン系粒子を30重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
透光性微粒子として重量平均粒径が6.0μmであり、標準偏差が2.19μmであるポリスチレン系粒子を10重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
透光性微粒子として重量平均粒径が6.0μmであり、標準偏差が2.19μmであるポリスチレン系粒子を70重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
透光性微粒子として重量平均粒径が7.2μmであり、標準偏差が0.52μmであるポリスチレン系粒子を20重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
透光性微粒子として重量平均粒径が7.2μmであり、標準偏差が0.52μmであるポリスチレン系粒子を40重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
透光性微粒子として重量平均粒径が7.2μmであり、標準偏差が0.52μmであるポリスチレン系粒子を60重量部使用したこと以外は実施例1と同様にして光拡散フィルムを作製した。
乾燥後の基材フィルムの紫外線硬化性樹脂組成物層を、鏡面金属製ロールの鏡面に密着させることなく硬化させたこと以外は実施例2と同様にして光拡散フィルムを作製した。
得られた液晶表示装置を暗室内で起動し、輝度計BM5A型((株)トプコン製)を用いて、黒表示状態および白表示状態における正面輝度を測定し、正面コントラストを算出した。正面コントラストは、黒表示状態における正面輝度に対する白表示状態における正面輝度の比である。
得られた液晶表示装置の表示品位を、視野角(液晶表示装置の正面方向とのなす角度)が、40°、50°および60°である方向から評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:表示品位に異常が全く認められない。
○:表示品位に異常がほとんど認められない。
△:諧調潰れや反転がわずかに認められる。
×:諧調潰れや反転が認められる。
得られた液晶表示装置を起動し、目視にてモアレの程度を評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:モアレが全く認められない。
○:モアレがわずかに観察される。
×:モアレが顕著に観察される。
得られた液晶表示装置を蛍光灯のついた明るい室内で目視観察し、白ちゃけの程度を評価した。評価基準は次のとおりである。
◎:白ちゃけが全く認められない。
○:白ちゃけがわずかに観察される。
×:白ちゃけが顕著に観察される。
(1)水溶性接着剤の調製
水100重量部に対して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製のKL−318〕を3重量部溶解し、その水溶液に、水溶性エポキシ化合物であるポリアミドエポキシ系添加剤〔住化ケムテックス(株)製のスミレーズレジン650(30)、固形分濃度30%の水溶液〕を1.5重量部添加して、水溶性接着剤とした。
アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体にウレタンアクリレートオリゴマーおよびイソシアネート系架橋剤が配合された有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレートフィルム)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工し、乾燥させ、アクリル系粘着剤(セパレートフィルム付き)とした。
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの一方の面に、ケン化処理が施された実施例1で作製した光拡散フィルムを貼合し、もう一方の面には、液晶セル側透明保護フィルムとして、ケン化処理が施された厚さ40μmのトリアセチルセルロース(TAC)からなる透明保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のKC4UEW〕を貼合して光拡散性偏光板を作製した。貼合には、それぞれ上記で調製した水溶性接着剤を用い、貼合後80℃で5分間乾燥することにより、偏光フィルムと光拡散フィルムおよび透明保護フィルムを接着させた。この光拡散性偏光板のTACフィルム側に、上記で調製したアクリル系粘着剤(セパレートフィルム付き)を粘着剤側で貼り合わせ、粘着剤付き光拡散性偏光板とした。
(1)反射防止フィルムの作製
ジペンタエリスリトールトリアクリレート10重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート10重量部、ウレタンアクリレート(共栄社化学株式会社製「UA−306T」)30重量部、光重合開始剤として「イルガキュア184」(チバジャパン株式会社製)2.5重量部、溶媒としてメチルエチルケトン50重量部、酢酸ブチル50重量部を混合し、紫外線硬化性樹脂組成物であるハードコート層形成用塗布液を調製した。この塗布液を、厚さ80μmのTACフィルムである透明樹脂フィルム(屈折率1.49)上にワイヤーバーコーターにより塗布し、80℃に設定した乾燥機中で1分間乾燥させた。乾燥後の透明樹脂フィルムに対し、メタルハイドランプを用い、120Wの出力で20cmの距離から10秒間紫外線照射を行なうことによりハードコート層を形成した。得られたハードコート層の厚さは5μmであり、屈折率は1.52であった。
実施例5で作製した粘着剤付き光拡散性偏光板の光拡散フィルム側に、上記で作製した反射防止フィルムを汎用のアクリル系透明粘着剤を介して積層し、反射防止処理が施された光拡散性偏光板を得た。
Claims (12)
- 基材フィルムと、前記基材フィルム上に積層され、透光性微粒子が分散された光拡散層とを有する光拡散フィルムであって、
前記基材フィルム側から、光拡散フィルムの法線方向に入射する波長543.5nmのレーザー光の強度L1に対する、前記光拡散層側の前記法線方向から40°傾いた方向に透過するレーザー光の強度L2の比L2/L1が0.0002%以上0.001%以下であり、
0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmの光学くしを通して得られる透過鮮明度の和が70%以上180%以下であり、
全ヘイズが40%以上70%以下、内部ヘイズが40%以上70%以下であり、かつ、前記光拡散層の表面形状に起因する表面ヘイズが2%未満であり、
前記光拡散層の表面の中心線平均粗さRaが0.2μm以下である光拡散フィルム。 - 前記透過鮮明度の和が70%以上150%以下である請求項1に記載の光拡散フィルム。
- 前記表面ヘイズが1%以下である請求項1または2に記載の光拡散フィルム。
- 前記中心線平均粗さRaが0.1μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
- 前記光拡散層の層厚が、前記透光性微粒子の重量平均粒径に対して1倍以上3倍以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルム。
- 前記光拡散層上に積層された反射防止層をさらに備える請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散フィルム。
- 請求項1に記載の光拡散フィルムの製造方法であって、
前記基材フィルム上に前記透光性微粒子が分散された樹脂液を塗布する工程と、
前記樹脂液からなる層の表面に、金型の鏡面または凹凸面を転写する工程と、
を含む光拡散フィルムの製造方法。 - 少なくとも偏光フィルムを有する偏光板と、
前記基材フィルム側が前記偏光板に対向するように、前記偏光板上に積層された請求項1〜6のいずれかに記載の光拡散フィルムと、
を備える光拡散性偏光板。 - 前記偏光フィルムと前記光拡散フィルムとが接着剤層を介して貼り合わされてなる請求項8に記載の光拡散性偏光板。
- バックライト装置と、光偏向手段と、バックライト側偏光板と、液晶セルと、請求項8または9に記載の光拡散性偏光板とをこの順で備える液晶表示装置。
- 前記光偏向手段は、前記バックライト側偏光板に対向する表面に線状プリズムを複数有するプリズムフィルムを2枚有し、
一方のプリズムフィルムは、その線状プリズムの稜線の方向が前記バックライト側偏光板の透過軸に略平行となるように配置され、他方のプリズムフィルムは、その線状プリズムの稜線の方向が前記光拡散性偏光板の透過軸に略平行となるように配置される請求項10に記載の液晶表示装置。 - 前記バックライト装置と前記光偏向手段との間に、光拡散手段をさらに備える請求項10または11に記載の液晶表示装置。
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