JP2011207941A - 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム - Google Patents
重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011207941A JP2011207941A JP2010074759A JP2010074759A JP2011207941A JP 2011207941 A JP2011207941 A JP 2011207941A JP 2010074759 A JP2010074759 A JP 2010074759A JP 2010074759 A JP2010074759 A JP 2010074759A JP 2011207941 A JP2011207941 A JP 2011207941A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- group
- polymerizable liquid
- compound
- polymerizable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K19/00—Liquid crystal materials
- C09K19/04—Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
- C09K19/06—Non-steroidal liquid crystal compounds
- C09K19/08—Non-steroidal liquid crystal compounds containing at least two non-condensed rings
- C09K19/10—Non-steroidal liquid crystal compounds containing at least two non-condensed rings containing at least two benzene rings
- C09K19/24—Non-steroidal liquid crystal compounds containing at least two non-condensed rings containing at least two benzene rings linked by a chain containing nitrogen-to-nitrogen bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F20/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K19/00—Liquid crystal materials
- C09K19/04—Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
- C09K2019/0444—Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
- C09K2019/0448—Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the end chain group being a polymerizable end group, e.g. -Sp-P or acrylate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K2323/00—Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Liquid Crystal Substances (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Abstract
【解決手段】式(I)で表される重合性液晶化合物である。R0及びR1はそれぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表し、但し、R0及びR1の少なくとも一方は、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を表し;A0、A1、B0及びB1はそれぞれ独立して、単結合、又は置換基を有していてもよい環状構造を有する2価の基を表し;X0、X1、Y0及びY1はそれぞれ独立して、単結合、又は所定の二価の基を表し;Q0及びQ1はそれぞれ独立して、単結合、もしくは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族基を表し;Z0及びZ1はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は重合性の基を表し、Z0、Z1の少なくともどちらか一方は、重合性の基を表し;n及びmはそれぞれ独立して、0から2の整数を表す。
【選択図】なし
Description
本発明は、高いΔn及び高い耐光性を示すとともに、他の液晶材料との相溶性も良好な新規な重合性液晶化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記重合性液晶化合物を利用した、種々の用途に有用な、重合性液晶組成物、及び高分子を提供することを課題とする。
また、本発明は、前記重合性液晶化合物を利用した、種々の用途に有用なフィルムを提供することを課題とする。
[1] 式(I)で表される重合性液晶化合物:
[3] 前記式中、B0及びB1がそれぞれ独立して、置換基を有してもよい芳香環の2価基である[1]又は[2]の重合性液晶化合物。
[4] 前記式中、R0及びR1がそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である[1]〜[3]のいずれかの重合性液晶化合物。
[5] 前記式中、n及びmが1である[1]〜[4]のいずれかの重合性液晶化合物。
[8] 前記式中、Z0及びZ1がそれぞれ、(メタ)アクリレート基である[1]〜[7]のいずれかの重合性液晶化合物。
[9] 前記式中、Y0及びY1が、−O−である[1]〜[8]のいずれかの重合性液晶化合物。
[10] [1]〜[9]のいずれかの重合性液晶化合物の少なくとも1種を含有する重合性液晶組成物。
[11] さらに、少なくとも1種のキラル化合物を含有する[10]の重合性液晶組成物。
[12] [1]〜[9]のいずれかの重合性液晶化合物又は[10]もしくは[11]の重合性液晶組成物を、重合させてなる高分子。
[13] [10]又は[11]の重合性液晶組成物を硬化させてなるフィルム。
[14] [11]の重合性液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなるフィルム。
[15] 光学異方性を示す[13]又は[14]のフィルム。
[16] 選択反射特性を示す[13]〜[15]のいずれかのフィルム。
[17] 赤外線波長域に選択反射特性を示す[16]のフィルム。
また、本発明によれば、前記重合性液晶化合物を利用した、種々の用途に有用な、重合性液晶組成物、及び高分子を提供することができる。
また、本発明によれば、前記重合性液晶化合物を利用した、種々の用途に有用なフィルムを提供することができる。
1.重合性液晶化合物
本発明は、下記式(I)で表される重合性液晶化合物に関する。本発明の化合物は、従来のアジン誘導体の液晶性化合物と比較して、高いΔn、及び高い耐光性を示す。他の液晶材料との相溶性も良好であり、重合性で硬化可能であることから、光学部材等の種々の用途に有用である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−及びiso−プロピル基、並びにn−、iso−及びtert−ブチル基が挙げられる。前記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基の例には、ハロゲン原子(F原子、Cl原子、Br原子)、炭素数1〜5のアルキルオキシカルボニル基が含まれる。
以下に、A0、A1、B0及びB1の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Y0及びY1が、上記いずれの基であっても高いΔnとなる。Y0及びY1はいずれも−O−であるのが好ましい。
例えば、以下の式(III)で表されるアジン誘導体の中間体を合成し、該中間体と任意の試薬とを反応させることで合成することができる。
例えば、対照型のアジン化合物の合成は、任意の溶媒中、ヒドラジンと2等量のアルデヒド化合物を室温で混合することで合成できる。もしくは、任意の溶媒中、ヒドラジンと2等量のケトン化合物を、酢酸触媒をもちいて加熱条件で反応することで合成できる。
非対称型のアジン化合物を合成する場合も、同様に、Journal of the American Chemical Society 1946年版の1983ページを参考に合成できる。
具体的には、過剰量のヒドラジンと第一のケトン化合物を用いて対応するヒドラゾンを合成した後、もう一方のケトン化合物もしくはアルデヒド化合物と、先ほどのヒドラゾンを反応することで合成可能である。
さらに必要なら、反応性の基(例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基など)を保護基により不活性化することで、アジン化合物の合成収率を向上することもできる。
(i)式:Q1−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))で表される化合物とを混合して縮合させる。なお、式中、Q1及びQ2は任意の有機基Bを表す(以下、同様である。)。この反応は一般的にウイリアムソン合成と呼ばれる。
(ii)式:Q1−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iii)式:Q1−E(Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して縮合させる。
(iv)式:Q1−OFN(OFNは不飽和結合を有する基を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、混合して付加反応させる。
(v)式:Q1−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q2−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))で表される化合物とを銅あるいは塩化第一銅存在下、混合して縮合させる。この反応は一般的にウルマン縮合と呼ばれる。
(i)式:Q1−COOHで表される化合物と、式:Q2−OH又はQ2−NH2で表される化合物とを、脱水縮合剤(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在下に脱水縮合させる。
(ii)式:Q1−COOHで表される化合物にハロゲン化剤を作用させることにより、式:Q1−COX(Xはハロゲン原子を表す。)を得、このものと式:Q2−OH又はQ2−NH2で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる。
(iii)式:Q1−COOHで表される化合物に酸無水物もしくは酸ハロゲン化物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものに、式:Q2−OH又はQ2−NH2で表される化合物を反応させる。
(iv)式:Q1−COOHで表される化合物と、式:Q2−OH又はQ2−NH2で表される化合物とを、酸触媒あるいは塩基触媒の存在下に脱水縮合させる。
(i)式:Q1−COOHで表される化合物に三塩化リンあるいは五塩化リンを作用させる。
(ii)式:Q1−COOHで表される化合物に塩化チオニルを作用させる。
(iii)式:Q1−COOHで表される化合物に塩化オキサリルを作用させる。
(iv)式:Q1−COOAg(Ag:銀元素)で表される化合物に塩素又は臭素を作用させる。
(v)式:Q1−COOHで表される化合物に赤色酸化第二水銀の四塩化炭素溶液を作用させる。
式:Q1−CHOで表される化合物と、式:Q2−NH2で表される化合物とを脱水縮合させる。
(i)式:Q1Q2Q3−Si−X(Xはハロゲン原子を表す。以下にて同じ。)で表される化合物と、式:Q4−OHで表される化合物とを、イミダゾール、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。なお、式中、Q1からQ4は任意の有機基Bを表す(以下、同様である。)。
(ii)3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのビニルエーテルと式:Q2−OHで表される化合物とを、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素等の酸存在下に反応させる。
(iii)式:Q1−C(C=O)−Xで表される化合物と式:Q4−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
(iv)式:Q1−C(C=O)−O−C(C=O)−Q2で表される酸無水化合物と、式:Q3−OHで表される化合物とを、必要に応じ、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下に反応させる。
(v)式:Q1−Xで表される化合物と式:Q2−OHで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下に反応させる。
(vii)式:Q1−O−CH2−C(C=O)−Xで表される化合物と、
式:Q4−OHで表される化合物とを、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下に反応させる。
(viii)式:Q1−O−C(C=O)−Xで表される化合物と式:Q2−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下に反応させる。
(i)テトラブチルアンモニウムフルオライドなどのフッ素イオンを混合して脱保護させる。
(ii)パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素、酢酸等の酸存在下、混合して脱保護させる。
(iii)水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、混合して脱保護させる。
(iv)Pd−Cなどの触媒存在下、水素添加することにより脱保護させる。
これらの方法は、保護基の構造、種類に応じて適宜選択採用することができる。
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
本発明は、前記式(I)の化合物の少なくとも1種を含有する重合性液晶組成物、及び当該組成物からなるフィルムにも関する。本発明の組成物は、位相膜、反射膜等の種々の光学フィルムの材料として有用である。
本発明の組成物の一態様は、前記式(I)の化合物の少なくとも1種と、少なくとも1種のキラル化合物とを含有する重合性液晶組成物である。本態様の組成物をコレステリック液晶相とした後、それを固定して形成された膜は、その螺旋ピッチに応じて、所定の波長の光に対して、選択反射特性を示し、反射膜(例えば、赤外線反射膜)として有用である。本発明の高いΔnを示す重合性液晶化合物を利用することにより、より低いΔnの液晶性化合物を利用した同一の厚みの膜と比較して、反射波長域が広帯域化されるという利点がある。
本発明の組成物をコレステリック液晶相を示す組成物として調製するためには、キラル化合物を添加するのが好ましい。キラル化合物は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。前記キラル化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物も用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。キラル化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性キラル化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、前記式(I)の化合物とともに、他の1種以上の液晶性化合物を含有していてもよい。前記式(I)の化合物は、他の液晶性化合物との相溶性も高いので、他の液晶性化合物を混合しても、不透明化等が生じず、透明性の高い膜を形成可能である。他の液晶性化合物を併用可能であることから、種々の用途に適する種々の組成の組成物を提供できる。併用可能な他の液晶化合物の例には、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、実施例で効果が確認されている様に、空気界面配向剤の存在下ではじめて水平配向を達成し、それ単独では均一な水平配向状態にならない液晶化合物に、本発明の前記式(I)の重合性液晶化合物を添加すると、空気界面配向剤が存在しなくても、均一な水平配向が達成できる。この効果を得るためには、本発明の液晶性化合物の割合を、全ての液晶化合物の総質量に対して10質量%以上とするのが好ましい。但し、実施例で確認されているように、膜厚を調整すれば、同様の効果を、より低い割合で達成できるので、この範囲に限定されるものではない。
本発明の組成物は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。例えば、紫外線照射により硬化反応を進行させて硬化膜を形成する態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
本発明の液晶組成物中に、安定的に又は迅速に液晶相(例えば、コレステリック液晶相)となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、及び下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなる。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、例えば、コレステリック液晶相とする場合は、その螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
なお、本発明では、配向制御剤として、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、位相差フィルム、反射フィルム等の種々の光学フィルムの材料として有用である。当該フィルムの製造方法の一例は、
(i) 基板等の表面に、本発明の重合性液晶組成物を塗布して、液晶相(コレステリック液晶相等)の状態にすること、
(ii) 前記硬化性の液晶組成物に紫外線を照射して硬化反応を進行させ、液晶相を固定して硬化膜を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
(i)及び(ii)の工程を、複数回繰り返して、複数の上記硬化膜が積層されたフィルムを作製することもできる。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
なお、本発明においては、液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に硬化膜中の液晶組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
なお、実施例で効果が確認されているように、本発明の式(I)の化合物を、他の液晶性化合物の水平配向促進剤としても機能させる態様では、膜厚はある程度厚いほうが好ましく、2μm以上であるのが好ましい。但し、式(I)の化合物の割合を増加する等によって、より薄膜でも同様の効果が得られるので、この範囲に制限されるものではない。
本発明のフィルムは、基板を有していてもよい。当該基板は自己支持性があり、上記硬化膜を支持するものであれば、材料及び光学的特性についてなんら限定はない。用途によっては、紫外光に対する高い透明性が要求されるであろう。可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが挙げられる。ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが好ましい。
本発明のフィルムは、基板と前記硬化膜との間に、配向層を有していてもよい。配向層は、液晶化合物の配向方向をより精密に規定する機能を有する。配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面に、ラビング処理により形成するのが好ましい。
本発明のフィルムの一態様は、本発明の重合性液晶組成物の、液晶相の配向(例えば、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向等)を固定したフィルムであって、光学異方性を示すフィルムである。当該フィルムは、液晶表示装置等の光学補償フィルム等として利用される。
本発明のフィルムの一態様は、本発明の重合性液晶組成物のコレステリック液晶相を固定したフィルムであって、所定の波長域の光に対して選択反射特性を示すフィルムである。赤外線波長域に選択反射特性を示す当該フィルムは、例えば建物又は車両の窓ガラスに貼付され、もしくは合わせガラスに組み込まれて、遮熱部材として利用される。
本発明は、前記式(I)の重合性液晶化合物の1種又は2種以上を重合してなる高分子、及び本発明の重合性液晶化合物を重合してなる高分子にも関する。該高分子は、液晶性であっても、非液晶性であってもよい。前記式(I)の重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位を含むことから、高いΔnを示し、種々の光学要素の材料として有用である。
以下のスキームに従って、例示化合物G−4を合成した。
4−ヒドロキシ−3−メトキシ−アセトフェノン(10g)のメタノール(50mL)溶液に、ヒドラジン1水和物(1.4mL)を加え、さらに触媒として酢酸(0.2mL)を加え、3時間加熱還流を行った。反応液を室温まで冷却し、生じた結晶をろ過することで化合物G−4Aを7.5g得た(収率82%)。合成した化合物の同定は、1H―NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ2.3(s、6H)、δ4.0(s、6H)、δ5.8(s、2H)、δ6.95(d、2H)、δ7.3(d、2H)、δ7.65(s、2H)。
特許第4397550号公報の18ページ[0085]〜[0087]に記載の方法を参照して、4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸を合成した。
メタンスルホニルクロリド(0.59mL)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸(2.7g)とジイソプロピルエチルアミン(2.0mL)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を、内部温度が−5℃以下になるように滴下した。同温度にて1時間攪拌を行い、G−4A(1.67g)を加え、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(2.0mL)を内部温度が0℃以下となるように滴下した。滴下後、p−メトキシフェノール(0.1g)を加え、室温にて3時間攪拌を行った。反応液にメタノール(100mL)を加え、生じた結晶をろ過し、ろ取した結晶にメタノール(10mL)及びp−メトキシフェノール(0.05g)を加えて30分加熱還流し、室温に冷却して結晶をろ過することで、例示化合物G−6を3.0g得た(収率71%)合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.9−2.0(m、8H)、δ2.3(s、6H)、δ3.9(s、6H)、δ4.1−4.15(m、4H)、δ4.25−4.3(m、4H)、δ5.85(d、2H)、δ6.15(dd、2H)、δ6.4(d、2H)、δ7.0(d、4H)、δ7.2(d、2H)、δ7.4(d、2H)、δ7.7(s、2H)、8.2(d、4H)
下記スキームに従って、例示化合物G−1を合成した。
前記G−4Aの製造方法において、原料の4−ヒドロキシ−3−メトキシ−アセトフェノンの代わりに、等モル量の4−ヒドロキシアセトフェノンを用いた以外は、同様の方法でG−1Aを得た(収率80%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ2.25(s、6H)、δ6.95(d、4H)、δ7.8(d、4H)、δ9.85(bd、2H)。
前記G−4の製造方法において、原料のG−4Aの代わりに、等モル量のG−1Aを用いた以外は同様の方法でG−1を得た(収率68%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.9−2.0(m、8H)、δ2.35(s、6H)、δ4.1−4.15(m、4H)、δ4.25−4.3(m、4H)、δ5.85(d、2H)、δ6.15(dd、2H)、δ6.4(d、2H)、δ7.0(d、4H)、δ7.3(d、2H)、δ8.0(d、4H)、8.2(d、4H)。
下記スキームに従って、例示化合物G−2を合成した。
前記G−4Aの製造方法において、原料の4−ヒドロキシ−3−メトキシ−アセトフェノンの代わりに、等モル量の4−ヒドロキシプロピオフェノンを用いた以外は、同様の方法でG−2Aを得た(収率87%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ1.0(t、6H)、δ2.8(q、4H)、δ6.85(d、4H)、δ7.8(d、4H)、δ9.85(bd、2H)。
前記G−4の製造方法において、原料のG−4Aの代わりに、等モル量のG−2Aを用いた以外は同様の方法でG−2を得た(収率64%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.15(t、6H)δ1.9−2.0(m、8H)、δ2.95(q、4H)、δ4.1−4.15(m、4H)、δ4.3−4.35(m、4H)、δ5.85(d、2H)、δ6.15(dd、2H)、δ6.4(d、2H)、δ7.0(d、4H)、δ7.3(d、2H)、δ8.0(d、4H)、8.2(d、4H)。
以下のスキームに従って、例示化合物G−7を合成した。
前記G−4Aの製造方法において、原料の4−ヒドロキシ−3−メトキシ−アセトフェノンの代わりに、等モル量の4−アミノアセトフェノンを用いた以外は、同様の方法でG−1Aを得た(収率93%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ2.25(s、6H)、δ4.2(bd、4H)、δ6.65(d、4H)、δ7.8(d、4H)。
特許第4397550号公報の18ページ[0085]〜[0087]に記載の方法を参照して、4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)ベンズアルデヒドを合成した。
4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)ベンズアルデヒド(5.0g)と、G−7A(2.6g)と、p−メトキシフェノール(0.1g)とを、メタノール(50mL)中に仕込み、4時間加熱還流を行った。反応液を室温まで冷却し、生じた結晶をろ過し、ろ取した結晶に酢酸エチル(10mL)メタノール(20mL)及びp−メトキシフェノール(0.05g)を加えて30分加熱還流し、室温に冷却して結晶をろ過することで、例示化合物G−7を4.5g得た(収率64%)合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.9−2.0(m、8H)、δ2.25(s、6H)、δ4.1−4.15(m、4H)、δ4.25−4.3(m、4H)、δ5.85(d、2H)、δ6.15(dd、2H)、δ6.4(d、2H)、δ7.0(d、4H)、δ7.3(d、2H)、δ7.85(d、4H)、8.0(d、4H)、8.6(s、2H)。
下記スキームに従って、例示化合物G−12を合成した。
特許第4397550号公報の18ページ[0085]〜[0087]に記載の方法を参照して、メタンスルホン酸4−アクリロイルオキシブチルを合成した。
G−2A(2.8g)と、炭酸カリウム(4.0g)と、p−メトキシフェノール(0.1g)をジメチルアセトアミド(50mL)中に仕込み、激しく攪拌しながらメタンスルホン酸4−アクリロイルオキシブチル(4.4g)を滴下し、内温75℃で4時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)、水(50mL)を加え有機層を抽出し、水(20mL)で2回洗浄操作を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、p−メトキシフェノール(0.05g)を加えた後に溶媒を減圧留去した。濃縮後、酢酸エチル(20mL)と、メタノール(60mL)を加えて30分加熱還流し、室温に冷却して生じた結晶をろ過することで、例示化合物G−12を2.1g得た(収率83%)。合成した化合物の同定は、1H−NMRを用いて行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.15(t、6H)δ1.9−2.0(m、8H)、δ2.9(q、4H)、δ4.0−4.1(m、4H)、δ4.2−4.3(m、4H)、δ5.85(d、2H)、δ6.15(dd、2H)、δ6.4(d、2H)、δ6.95(d、4H)、7.85(d、4H)
上記実施例で合成した例示化合物(G−1)を用いて、下記の組成の液晶性組成物塗布液(1)を調製した。
化合物(G−1) 33質量部
重合性液晶化合物(M−1) 67質量部
空気界面配向剤(1) 0.1質量部
重合開始剤IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
この液晶組成物を配向固定して得られた位相膜1を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く均一に一軸配向していることが確認できた。また、日本電飾社製ヘイズメータNHD2000を用いて測定したヘイズは0.09であった。さらにこの膜をAXOMETRIX社製のAxoScanを用いてTip−Tiltモードで測定した結果、この装置が算出した液晶の平均傾斜角度は1度であり、A−plate型の位相差膜が形成できていることを確認した。また、この装置を用いて測定した位相差と、共焦点レーザー膜厚測定装置(キーエンス社製FV−7510)を用いて測定した位相差膜1の膜厚から算出した波長550nmにおけるΔnは0.199であった。
さらにイーグルエンジニアリング社製キセノン褪色試験装置を用いてHOYA社製の干渉フィルターWG320を介して、製作した位相差膜1に150時間光照射を行い、島津社製の分光光度計UV−3100PCを用いて照射前後での膜吸収スペクトルを比較した。350nm〜800nmの範囲において、膜の透過特性に変化の無いことを確認できた。
上記実施例でそれぞれ合成した例示化合物を、例示化合物(G−1)の代わりに用いた以外は、実施例5と同様にして、液晶性組成物塗布液(2)〜(4)を調製した。表1に示した重合温度で実施例5と同様の方法に従って位相差膜2〜4を形成した。これらの位相差膜はいずれも良好な配向性を示し、0.1以下の低いヘイズであった。同様に求めた位相差膜のΔnを表1にまとめた。
実施例5と同様にして下記の組成の液晶性組成物塗布液(9)を調製した。
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.1質量部
重合開始剤IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
実施例6と同様な方法よって測定した位相膜6の波長550nmにおけるΔnは0.17であった。また実施例5と同様な方法で褪色性評価を行ったところ、350nm〜480nm波長領域で吸収増大の変化が認められた。
例示化合物(G−1)の代わりに下記化合物M−2を用いた以外は、実施例5と同様にして、液晶性組成物塗布液(10)を調製した。実施例6と同様な方法によって位相差膜6を形成した。但し、この液晶組成物の液晶上限温度が実施例1よりも低いため、配向熟成の温度は100℃とした。実施例5と同様な方法よって測定した位相膜6の波長550nmにおけるΔnは0.195であった。また実施例5と同様な方法で褪色性評価を行ったところ、350nm〜380nm波長領域で吸収低下の変化が認められた。
上記実施例で合成した例示化合物(G−1)を用いて、下記の組成の液晶性組成物塗布液(5)を調製した。
化合物(G−1) 50質量部
重合性液晶化合物(M−1) 50質量部
キラル剤Paliocolor LC756 (BASF社製) 3.2質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 300質量部
得られた選択反射膜1を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く均一に配向していることを確認した。さらにこの膜を島津社製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ1000nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、その半値幅が138nmであった。ピークの半値幅と液晶組成物の螺旋周期とを用いて算出した波長1000nmにおけるΔnは0.218であった。また、日本電飾社製ヘイズメータNHD2000を用いて測定したヘイズは0.11であった。
上記実施例で合成した例示化合物のそれぞれを、例示化合物(G−1)の代わりに用いた以外は、実施例9と同様にして、液晶性組成物塗布液(6〜8)を調製し、表2に示した温度条件で重合した以外は実施例9と同様な方法によって選択反射膜2〜4を形成した。これらの選択反射膜はいずれも良好な配向性を示し、0.15以下の低いヘイズであった。同様に求めた選択反射膜のΔnとピーク半値幅を表2にまとめた。
(選択反射膜5膜の形成)
実施例9と同様にして下記の組成の液晶性組成物塗布液(11)を調製した。
上記重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
キラル剤Paliocolor LC756 (BASF社製) 2.8質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 300質量部
1000nm付近に中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、その半値幅が106nmであった。ピークの半値幅と液晶組成物の螺旋周期とを用いて算出した波長1000nmにおけるΔnは0.168であった。また、日本電飾社製ヘイズメータNHD2000を用いて測定したヘイズは0.88であった。
重合性液晶化合物として、例示化合物(G−2)と上記重合性液晶化合物(M−1)とを用いて、重合性液晶の総和質量部100に対して、重合開始剤IRGACURE819 (チバジャパン社製)を3質量部と溶媒としてのクロロホルムを用いて、例示化合物(G−2)と重合性液晶化合物(M−1)との混合比率を種々代えた塗布液をそれぞれ調製した。それぞれの塗布液を用い、重合温度を40℃で行った以外は、実施例5と同様な条件で配向及び重合固定化して、厚さ1.5μmの位相差膜をそれぞれ形成した。
これらの液晶組成物を配向固定して得られた各位相膜を、偏光顕微鏡で観察したところ重合性液晶質量の総和に対する例示化合物(G−2)の質量が、10%以上の組成の塗布液を用いると、配向欠陥が無く均一に一軸配向していることが確認できた。一方、重合性液晶質量の総和に対する例示化合物(G−2)の質量が、5%以下の組成の塗布液を用いて作製された位相差膜では、リバースチルトドメインの生成による配向欠陥が発生していた。
Claims (17)
- 式(I)で表される重合性液晶化合物:
- 前記式中、A0及びA1がそれぞれ独立して、置換基を有してもよい芳香環の2価基である請求項1に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、B0及びB1がそれぞれ独立して、置換基を有してもよい芳香環の2価基である請求項1又は2に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、R0及びR1がそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、n及びmが1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、Z0及びZ1がそれぞれ独立に、前記構造式(II)で表されるいずれかの基を表す請求項6に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、Z0及びZ1がそれぞれ、(メタ)アクリレート基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物。
- 前記式中、Y0及びY1が、−O−である請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物の少なくとも1種を含有する重合性液晶組成物。
- さらに、少なくとも1種のキラル化合物を含有する請求項10に記載の重合性液晶組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性液晶化合物又は請求項10もしくは11に記載の重合性液晶組成物を、重合させてなる高分子。
- 請求項10又は11に記載の重合性液晶組成物を硬化させてなるフィルム。
- 請求項11に記載の重合性液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなるフィルム。
- 光学異方性を示す請求項13又は14に記載のフィルム。
- 選択反射特性を示す請求項13〜15のいずれか1項に記載のフィルム。
- 赤外線波長域に選択反射特性を示す請求項16に記載のフィルム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010074759A JP5411770B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム |
US13/073,619 US8262932B2 (en) | 2010-03-29 | 2011-03-28 | Polymerizable liquid crystal compound, polymerizable liquid crystal composition, polymer and film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010074759A JP5411770B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011207941A true JP2011207941A (ja) | 2011-10-20 |
JP5411770B2 JP5411770B2 (ja) | 2014-02-12 |
Family
ID=44657179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010074759A Active JP5411770B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8262932B2 (ja) |
JP (1) | JP5411770B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012169424A1 (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-13 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性化合物、重合性組成物、高分子、及び光学異方体 |
JP2015522085A (ja) * | 2012-06-28 | 2015-08-03 | エルジー・ケム・リミテッド | 重合性液晶化合物、これを含む液晶組成物及び光学異方体 |
WO2015122385A1 (ja) * | 2014-02-12 | 2015-08-20 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性化合物、重合性組成物、高分子、及び光学異方体 |
JP2018145192A (ja) * | 2015-11-09 | 2018-09-20 | Dic株式会社 | 重合性化合物及び光学異方体 |
US11186669B2 (en) | 2015-01-16 | 2021-11-30 | Dic Corporation | Polymerizable composition and optically anisotropic body using same |
US11261378B2 (en) | 2014-12-25 | 2022-03-01 | Dic Corporation | Polymerizable compound and optically anisotropic object |
US11697695B2 (en) | 2015-01-16 | 2023-07-11 | Dic Corporation | Polymerizable composition and optically anisotropic body using same |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5411769B2 (ja) * | 2010-03-29 | 2014-02-12 | 富士フイルム株式会社 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム |
CN106967094B (zh) * | 2012-05-30 | 2019-11-15 | 日本瑞翁株式会社 | 肼化合物、光学各向异性体的制造方法、以及聚合性化合物的制造方法 |
CN110582709A (zh) * | 2017-05-11 | 2019-12-17 | 日本化药株式会社 | 滤蓝光膜用紫外线硬化型树脂组合物及使用此组合物的滤蓝光膜 |
CN107879999A (zh) * | 2017-10-19 | 2018-04-06 | 华晨汽车集团控股有限公司 | 一种液晶环氧树脂及其制备方法和应用 |
CN116474745B (zh) * | 2023-06-14 | 2023-09-05 | 明硕环境科技集团股份有限公司 | 一种基于多孔聚合物的氧化铁脱硫剂及其制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002341126A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Fuji Photo Film Co Ltd | 選択反射膜及び液晶カラーフィルター |
JP2008250541A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 赤外線反射パターン印刷透明シート |
JP2008291218A (ja) * | 2007-04-24 | 2008-12-04 | Nippon Zeon Co Ltd | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体 |
WO2010001725A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3931995B2 (ja) | 1996-11-19 | 2007-06-20 | 大日本インキ化学工業株式会社 | アルケニルアジン類 |
CN101631769A (zh) | 2007-02-23 | 2010-01-20 | 日本瑞翁株式会社 | 液晶化合物,液晶组合物,光学膜和光学层合材料 |
JP5401823B2 (ja) | 2007-12-19 | 2014-01-29 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体 |
JP2009022318A (ja) | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Aruze Corp | 遊技機 |
JP5411769B2 (ja) * | 2010-03-29 | 2014-02-12 | 富士フイルム株式会社 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム |
-
2010
- 2010-03-29 JP JP2010074759A patent/JP5411770B2/ja active Active
-
2011
- 2011-03-28 US US13/073,619 patent/US8262932B2/en active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002341126A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Fuji Photo Film Co Ltd | 選択反射膜及び液晶カラーフィルター |
JP2008250541A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 赤外線反射パターン印刷透明シート |
JP2008291218A (ja) * | 2007-04-24 | 2008-12-04 | Nippon Zeon Co Ltd | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体 |
WO2010001725A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012169424A1 (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-13 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性化合物、重合性組成物、高分子、及び光学異方体 |
JPWO2012169424A1 (ja) * | 2011-06-10 | 2015-02-23 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性化合物、重合性組成物、高分子、及び光学異方体 |
JP2015522085A (ja) * | 2012-06-28 | 2015-08-03 | エルジー・ケム・リミテッド | 重合性液晶化合物、これを含む液晶組成物及び光学異方体 |
WO2015122385A1 (ja) * | 2014-02-12 | 2015-08-20 | 日本ゼオン株式会社 | 重合性化合物、重合性組成物、高分子、及び光学異方体 |
US11261378B2 (en) | 2014-12-25 | 2022-03-01 | Dic Corporation | Polymerizable compound and optically anisotropic object |
US11186669B2 (en) | 2015-01-16 | 2021-11-30 | Dic Corporation | Polymerizable composition and optically anisotropic body using same |
US11697695B2 (en) | 2015-01-16 | 2023-07-11 | Dic Corporation | Polymerizable composition and optically anisotropic body using same |
JP2018145192A (ja) * | 2015-11-09 | 2018-09-20 | Dic株式会社 | 重合性化合物及び光学異方体 |
US10919870B2 (en) | 2015-11-09 | 2021-02-16 | Dic Corporation | Polymerizable compound and optically anisotropic body |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20110237768A1 (en) | 2011-09-29 |
US8262932B2 (en) | 2012-09-11 |
JP5411770B2 (ja) | 2014-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5411770B2 (ja) | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム | |
JP5411769B2 (ja) | 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム | |
JP5718260B2 (ja) | 重合性液晶化合物、重合性組成物、高分子材料、及びフィルム | |
JP6343348B2 (ja) | 重合性化合物、ポリマー、重合性組成物、およびフィルム | |
WO2011162291A1 (ja) | 重合性組成物、高分子、及びフィルム | |
JP6499758B2 (ja) | 重合性化合物を含む重合性組成物、フィルム、投映像表示用ハーフミラー、および重合性化合物 | |
US8765235B2 (en) | Polymerizable compound | |
JP5824431B2 (ja) | 光学活性化合物、キラル剤、液晶組成物および光学フィルム | |
JP5813295B2 (ja) | 重合性組成物、高分子、及びフィルム | |
JP2012184168A (ja) | 化合物、重合性組成物、高分子材料、及びフィルム | |
JP5411771B2 (ja) | 化合物、重合性組成物、高分子、及びフィルム | |
JP5721484B2 (ja) | 重合性液晶組成物、それを用いた高分子材料および光学異方性フィルム、並びに重合性液晶化合物 | |
JP5705465B2 (ja) | 重合性組成物、高分子、及びフィルム | |
JP5889031B2 (ja) | 重合性液晶組成物、高分子材料とその製造方法及びフィルム | |
JP5723641B2 (ja) | 重合性化合物、重合性液晶組成物、高分子化合物およびフィルム | |
JP6511407B2 (ja) | 重合性化合物、重合性組成物、およびフィルム | |
JP5824432B2 (ja) | 光学活性化合物、液晶組成物および光学フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130618 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130812 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131022 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5411770 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |