JP5824431B2 - 光学活性化合物、キラル剤、液晶組成物および光学フィルム - Google Patents
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Description
ここで、キラル剤の性能を表す指標として、HTPが一般的に用いられている。HTPは、Helical Twisting Powerの略であり、下記式(1)で表されるらせん配向能力を示すファクターである。詳しくは、『液晶ディスプレー用カラーフィルターのためのコレステリック液晶用光反応性キラル剤の開発』(湯本眞敏、市橋光芳)に説明がある。
式(1) HTP=液晶の屈折率/(反射波長×キラル剤の濃度)
例えば、赤外光領域の長波長の光を反射させるには、コレステリック液晶相を示す液晶化合物(例えば棒状液晶化合物)にキラル剤を添加し、キラル剤の添加濃度を調整して反射帯域の調整が行なう方法が一般的である。この場合、定性的には、反射波長を長波長側にシフトするためにはキラル剤の添加量は少なくする必要がある。次に、フィルムのヘイズを減少させるためには、コレステリック液晶相の配向性を良くすることが必要となる。これにより、光反射性フィルムの配向欠陥を無くし、低へイズ化することができる。よって、赤外光を反射するように反射波長を長波長側にシフトし、かつより配向性の良い光反射性フィルムを作製するには、HTPが高いキラル剤を、少ない添加量で用いて反射波長を調整することが望まれる。
[1] 下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする光学活性化合物。
[2] [1]に記載の光学活性化合物は、下記一般式(1A)で表されることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが下記の一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが(メタ)アクリレート基であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物からなることを特徴とするキラル剤。
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
[7] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする光学フィルム。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書中において、液晶化合物を含む固形物は、液晶化合物の結晶からなる場合もあるし、結晶でないアモルファス状の場合もある。また、重合開始剤やキラル剤など他の成分も含んでいる場合もある。また、これら全てもしくは一部が混合したものの場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。
本発明の光学活性化合物は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする。
このような構成により、本発明の光学活性化合物は、酒石酸由来の骨格を有し、HTPが高い。いかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明の光学活性化合物は、カイラルソースが増加したことでHTPが高くなったと考えられる。
以下、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物の好ましい構造について説明する。
X11、X21およびX31が表すハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。
X11、X21およびX31が表す炭素数1〜8のアルキルオキシ基は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキルオキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。
R43は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
M51はそれぞれ独立にフェニレン基であることが好ましい。
M51が示す各環上の水素原子を置換していてもよいハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
M51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
M51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキルオキシ基は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基であることが好ましく、メトキシ基であることがより好ましい。
M51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基は、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよく、その場合の置換位置に特に制限はないが、置換されていないことが好ましい。
L52は単結合またはC1〜C8のアルキレンオキシ基であることが好ましく、単結合またはC2〜C7のアルキレンオキシ基であることがより好ましく、単結合またはC3〜C6のアルキレンオキシ基であることが特に好ましい。
L52がC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表す場合、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよいが、無置換またはO、SもしくはCOで置換されていることが好ましく、無置換またはOもしくはSで置換されていることがより好ましく、無置換またはOで置換されていることが特に好ましく、無置換であることがより特に好ましい。また、この場合、各基の中の置換されているCH2基の数は0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
本発明の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが下記の一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
さらに本発明の光学活性化合物は、下記一般式(1A)で表されることが特に好ましい。
前記一般式(1A)におけるmA11は、0であることが好ましい。
また、前記一般式(1)〜(3)で表される光学活性化合物のR体とS体は、それぞれ原料としてR体のみまたはS体のみの原料を用いて合成することで、合成することができる。その他、公知の方法によりラセミ体を光学分割してもよい。
本発明の液晶組成物は、本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする。
本発明の液晶組成物は、液晶化合物を含む。
前記液晶化合物は、棒状液晶化合物であることが好ましい。
本発明に使用可能な棒状液晶化合物の例は、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1〜2個である。重合性棒状液晶化合物の例は、後述する前記一般式(12)で表される液晶化合物のほか、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
一般式(12)
本発明の液晶組成物は、前記一般式(12)中、P1およびP2のうち少なくとも一方が下記一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
一般式群(6)
本発明の液晶組成物は、前記一般式(12)中、L1〜L4はそれぞれ独立にO、S、COO、OCO、OCOOであることが好ましく、O、COOまたはOCOであることがより好ましい。
さらにその中でも、L1およびL4はそれぞれ独立にOであることが特に好ましい。一方、L2およびL3はそれぞれ独立にCOOまたはOCOであることが特に好ましい。
M1〜M3はそれぞれ独立にフェニレン基またはシクロヘキシレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
M1〜M3が示す各環上の水素原子を置換していてもよいハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子であることがより好ましい。
M1〜M3が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
本発明の液晶組成物は、その他の成分を添加剤として含んでいてもよい。例えば、重合性液晶化合物を用いるときは重合開始剤を含んでいてもよい。配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために、配向制御剤(その中でも水平配向剤)、ムラ防止剤、ハジキ防止剤、及び重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。本発明の液晶組成物は、各成分を2種以上含んでいてもよい。
本発明の液晶組成物は、重合性液晶組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。本発明では、紫外線照射により硬化反応を進行させるので、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
前記液晶組成物中に、安定的に又は迅速にコレステリック液晶相となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、及び下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、コレステリック液晶相の螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
なお、本発明では、配向制御剤として、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の液晶組成物の溶媒としては特に制限は無く、公知の溶媒を用いることができ、その中でも有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
本発明の光学フィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、本発明の液晶組成物を硬化させてなることが好ましい。また、本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物の液晶組成物からなるコレステリック液晶相を固定してなることが好ましい。
本発明の液晶組成物を塗布等の方法により製膜することによりフィルムを形成することができる。液晶組成物を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成することにより光学異方性素子を作製することもできる。本発明のフィルムは、光学異方性を示すことが好ましい。
(1) 基板等の表面に、硬化性の液晶組成物を塗布して、コレステリック液晶相の状態にすること、
(2) 前記硬化性の液晶組成物に紫外線を照射して硬化反応を進行させ、コレステリック液晶相を固定した層を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが挙げられる。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層であることも好ましく、その場合は選択反射特性を示すことがより好ましく、赤外線波長領域に選択反射特性を示すことが特に好ましい。コレステリック液晶相を固定してなる光反射層については、特開2011−107178号公報および特開2011−018037号公報に記載の方法に詳細が記載されており、本発明でも好ましく用いることができる。
ここで、液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定する。
なお、本発明においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に本発明のフィルム中の液晶組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層を複数積層してなる積層体とすることも好ましい。例えば、右ねじりの光学活性化合物を含む右円偏光を反射できる層と、左ねじりの光学活性化合物を含む左円偏光を反射できる層を積層することにより、光反射性を高めたフィルムとすることができる。
本発明のフィルムは、波長700nm以上(より好ましくは800〜1300nm)に反射ピークのある選択反射特性を示すフィルムとすることができる。この様な特性のフィルムは、住宅、オフィスビル等の建造物、又は自動車等の車両の窓に、日射の遮熱用の部材として貼付される。又は、本発明の赤外光反射板は、日射の遮熱用の部材そのもの(たとえば、遮熱用ガラス、遮熱用フィルム)として、その用途に供することができる。
本発明は、本発明の液晶組成物を、重合させてなる高分子にも関する。
また、本発明は、本発明の液晶組成物からなることを特徴とするコレステリック液晶にも関する。
本発明の高分子や、本発明のコレステリック液晶の用途としては、特表2009−533360号公報に記載のものに用いることができる。
テトラアセチル中間体(6.0g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)を滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.8g、収率95%で得た。
テトラオール中間体(1.0g、3.0mmol)、4−ブトキシ安息香酸クロリド(3.2g、15mmol)をTHF20mLに溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(3.1mL、23.0mmol)を滴下し、DMAPを触媒量加え、氷冷下で1時間、室温で4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(1)を1.9g、収率60%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
0.80〜1.00(m,12H)、1.30〜1.80(m,16H)、4.20(m,8H)、5.82(s,2H)、6.12(s,2H)、6.80(d,4H)、7.30〜7.90(m,16H)
1.80〜2.00(m,16H)、4.05(m、8H)4.20(m,8H)、5.70(d,4H)、5.82(s,2H)、6.12(m,6H)、6.40(d,4H)6.80(d,4H)7.30〜7.90(m,16H)
テトラアセチル中間体(6.4g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)を滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.9g、収率90%で得た。
テトラオール中間体(1.1g、3.0mmol)、4−ブトキシ安息香酸クロリド(3.2g、15mmol)をTHF20mLに溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(3.1mL、23.0mmol)を滴下し、DMAPを触媒量加え、氷冷下で1時間、室温で4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(3)を1.6g、収率50%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
0.80〜1.00(m,12H)、1.30〜1.80(m,16H)、3.70(s,3H)、4.20(m,8H)、5.82(s、2H)、6.12(s,2H)、6.80(d,4H)、7.30〜7.90(m,16H)
テトラアセチル中間体(6.0g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.8g、収率95%で得た。
テトラオール中間体(1.0g、3.0mmol)、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブトキシ]安息香酸(9.3g、30mmol)をTHF100mLに溶解させ、氷冷下N−メチルイミダゾール(4.9g、60mmol)を添加し、p−トルエンスルホニルクロリド(5.7g、30mmol)を分割添加し、氷冷下4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(4)を1.4g、収率30%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
1.00(t,12H)、1.60〜1.80(m,24H)、3.63(t,16H)、4.10〜4.60(m,24H)、5.82(s,2H)、6.12(s,2H)、6.80〜7.90(m,20H)
例示化合物(1)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例11の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(1) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
例示化合物(2)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例12の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(2) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
例示化合物(3)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例13の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(3) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
例示化合物(4)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例14の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(4) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE250(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
比較化合物(1)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の比較例1の液晶組成物塗布液を調製した。
比較化合物(1) 20質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
一方、一般式(1)〜(3)をいずれも満たさない構造であり、酒石酸由来の骨格を有する比較化合物(1)は、HTPが低いことがわかった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする光学活性化合物。
一般式群(6)
- 前記一般式(5)中、Pが(メタ)アクリレート基であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学活性化合物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性化合物からなることを特徴とする、液晶中のらせんねじれを誘発するか、または増強するドーパントとして使用するキラル剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
- 請求項5に記載の液晶組成物を含有することを特徴とする光学フィルム。
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