JP5824431B2 - 光学活性化合物、キラル剤、液晶組成物および光学フィルム - Google Patents

光学活性化合物、キラル剤、液晶組成物および光学フィルム Download PDF

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Description

本発明は、光学活性化合物、キラル剤、液晶組成物および光学フィルムに関する。
光学活性化合物(以下、キラル剤とも言う)は、液晶中のらせんねじれを誘発するか、または増強するドーパントとして使用することができる。
ここで、キラル剤の性能を表す指標として、HTPが一般的に用いられている。HTPは、Helical Twisting Powerの略であり、下記式(1)で表されるらせん配向能力を示すファクターである。詳しくは、『液晶ディスプレー用カラーフィルターのためのコレステリック液晶用光反応性キラル剤の開発』(湯本眞敏、市橋光芳)に説明がある。
式(1) HTP=液晶の屈折率/(反射波長×キラル剤の濃度)
キラル剤を用いた液晶の応用例としては、例えばコレステリック液晶相を利用した特定の位相差フィルムと反射型円偏光板とを積層した赤外線反射フィルムが知られている。性能の高い光反射性フィルムを作製するには、フィルムのヘイズを減少させ、かつ反射波長帯域を精度良く制御する必要がある。
例えば、赤外光領域の長波長の光を反射させるには、コレステリック液晶相を示す液晶化合物(例えば棒状液晶化合物)にキラル剤を添加し、キラル剤の添加濃度を調整して反射帯域の調整が行なう方法が一般的である。この場合、定性的には、反射波長を長波長側にシフトするためにはキラル剤の添加量は少なくする必要がある。次に、フィルムのヘイズを減少させるためには、コレステリック液晶相の配向性を良くすることが必要となる。これにより、光反射性フィルムの配向欠陥を無くし、低へイズ化することができる。よって、赤外光を反射するように反射波長を長波長側にシフトし、かつより配向性の良い光反射性フィルムを作製するには、HTPが高いキラル剤を、少ない添加量で用いて反射波長を調整することが望まれる。
このような光学活性化合物としては、種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が知られている。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。
その中でも、酒石酸を誘導体化したキラル剤は、入手容易であり、安価であることから用いられてきている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、酒石酸イミド骨格を分子内に1つ有する重合性光学活性イミド化合物により、高い螺旋誘起力を有し、液晶組成物に添加することで、液晶組成物の物理的性質、光学的性質を大きく損なうことなく必要なヘリカルピッチ長を達成することができると記載されている。
特開2010−70482号公報
本発明の発明者らが特許文献1に記載の光学活性化合物の特性を検討したところ、HTPの高さ観点からは改善が求められるものであることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、酒石酸由来の骨格を有し、HTPが高い光学活性化合物を提供することにある。
上記課題を解決することを目的に本発明の発明者らが鋭意検討した結果、本発明の発明者らは、酒石酸ジイミド構造を分子内に2つ導入したビス型にすることで、HTPが高くなることを見出し、上記課題を解決できることを見出した。
上記課題を解決するための手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする光学活性化合物。
Figure 0005824431
(一般式(1)〜(3)中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に下記一般式(4)で表される基を表し、X11、X21およびX31はそれぞれ独立にハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、m11、m21およびm31はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
Figure 0005824431
(一般式(4)中、♯は結合手を表す。*は光学活性部位を表す。L41およびL42はそれぞれ独立にCO、COOまたはCONR43(R43は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。R41およびR42はそれぞれ独立に下記一般式(5)で表される基を表す。)
Figure 0005824431
(一般式(5)中、M51はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を表し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基(各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい)で置換されてもよい。L51は単結合、OCO、COOまたはCONR51(R51は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。n51は1〜3の整数を表す。L52は単結合またはC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表し、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい。Pは水素原子または重合性基を表す。)
[2] [1]に記載の光学活性化合物は、下記一般式(1A)で表されることが好ましい。
Figure 0005824431
(一般式(1A)中、RA11およびRA12はそれぞれ独立に前記一般式(4)で表される基を表し、XA11はハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、mA11は0または1を表す。)
[3] [1]または[2]に記載の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが下記の一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
Figure 0005824431
(一般式群(6)中、R511〜R513、R521〜R523、R531〜R533およびR541〜R545はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが(メタ)アクリレート基であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物からなることを特徴とするキラル剤。
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
[7] [1]〜[4]のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする光学フィルム。
本発明によれば、酒石酸由来の骨格を有し、HTPが高い光学活性化合物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書中において、液晶化合物を含む固形物は、液晶化合物の結晶からなる場合もあるし、結晶でないアモルファス状の場合もある。また、重合開始剤やキラル剤など他の成分も含んでいる場合もある。また、これら全てもしくは一部が混合したものの場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。
[光学活性化合物]
本発明の光学活性化合物は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする。
Figure 0005824431
(一般式(1)〜(3)中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に下記一般式(4)で表される基を表し、X11、X21およびX31はそれぞれ独立にハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、m11、m21およびm31はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
Figure 0005824431
(一般式(4)中、♯は結合手を表す。*は光学活性部位を表す。L41およびL42はそれぞれ独立にCO、COOまたはCONR43(R43は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。R41およびR42はそれぞれ独立に下記一般式(5)で表される基を表す。)
Figure 0005824431
(一般式(5)中、M51はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を表し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基(各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい)で置換されてもよい。L51は単結合、OCO、COOまたはCONR51(R51は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。n51は1〜3の整数を表す。L52は単結合またはC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表し、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい。Pは水素原子または重合性基を表す。)
このような構成により、本発明の光学活性化合物は、酒石酸由来の骨格を有し、HTPが高い。いかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明の光学活性化合物は、カイラルソースが増加したことでHTPが高くなったと考えられる。
以下、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物の好ましい構造について説明する。
前記一般式(1)〜(3)中、X11、X21およびX31はそれぞれ独立にハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキルオキシ基であることが好ましい。
11、X21およびX31が表すハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。
11、X21およびX31が表す炭素数1〜8のアルキルオキシ基は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキルオキシ基であることがより好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。
前記一般式(1)〜(3)中、m11、m21およびm31はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、0〜3の整数を表すことが好ましく、0〜2の整数を表すことがより好ましく、0または1を表すことが特に好ましく、0を表すことがより特に好ましい。
前記一般式(1)〜(3)中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に下記一般式(4)で表される基を表す。
Figure 0005824431
(一般式(4)中、♯は結合手を表す。*は光学活性部位を表す。L41およびL42はそれぞれ独立にCO、COOまたはCONR43(R43は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。R41およびR42はそれぞれ独立に下記一般式(5)で表される基を表す。)
前記一般式(4)中、L41およびL42はそれぞれ独立にCO、COOまたはCONR43(R43は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表し、COを表すことがより好ましい。
43は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記一般式(4)中、R41およびR42はそれぞれ独立に下記一般式(5)で表される基を表す。
Figure 0005824431
(一般式(5)中、M51はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を表し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基(各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい)で置換されてもよい。L51は単結合、OCO、COOまたはCONR51(R51は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。n51は1〜3の整数を表す。L52は単結合またはC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表し、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい。Pは水素原子または重合性基を表す。)
前記一般式(5)中、M51はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を表し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基(各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい)で置換されてもよい。
51はそれぞれ独立にフェニレン基であることが好ましい。
51が示す各環を構成する炭素原子の内、1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、0〜3個の炭素原子が窒素原子で置換されていることが好ましく、0または1個の炭素原子が窒素原子で置換されていることがより好ましく、0個の炭素原子が窒素原子で置換されていることが特に好ましい。
51が示す各環上の水素原子はハロゲン原子、あるいは、炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基またはアルキルオキシ基で置換されてもよく、無置換またはハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルキルオキシ基で置換されていることが好ましく、無置換または炭素数1〜8のアルキルオキシ基で置換されていることがより好ましい。
51が示す各環上の水素原子を置換していてもよいハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキルオキシ基は、炭素数1〜4のアルキルオキシ基であることが好ましく、メトキシ基であることがより好ましい。
51が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基もしくはアルキルオキシ基は、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよく、その場合の置換位置に特に制限はないが、置換されていないことが好ましい。
前記一般式(5)中、L51は単結合、OCO、COOまたはCONR51(R51は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表し、後述するn51が1を表す場合は単結合、OCOまたはCOOであることが好ましく、単結合であることがより好ましい。後述するn51が2または3を表す場合は単結合、OCOまたはCOOであることが好ましく、COOまたはOCOであることがより好ましい。
前記一般式(5)中、n51は1〜3の整数を表し、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記一般式(5)中、L52は単結合またはC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表し、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよい。
52は単結合またはC1〜C8のアルキレンオキシ基であることが好ましく、単結合またはC2〜C7のアルキレンオキシ基であることがより好ましく、単結合またはC3〜C6のアルキレンオキシ基であることが特に好ましい。
52がC1〜C8のアルキレン基、アルキレンオキシ基、アルケニレン基、アルケニレンオキシ基、アルキニレン基またはアルキニレンオキシ基を表す場合、各基の中のCH2基はそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOO、COで置換されてもよいが、無置換またはO、SもしくはCOで置換されていることが好ましく、無置換またはOもしくはSで置換されていることがより好ましく、無置換またはOで置換されていることが特に好ましく、無置換であることがより特に好ましい。また、この場合、各基の中の置換されているCH2基の数は0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
前記一般式(5)中、Pは水素原子または重合性基を表す。前記重合性基としては、重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、オキセタン基及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基、エポキシ基およびオキセタン基が好ましい。
本発明の光学活性化合物は、前記一般式(5)中、Pが下記の一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
Figure 0005824431
(一般式群(6)中、R511〜R513、R521〜R523、R531〜R533およびR541〜R545はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
一般式群(6)中、R511及びR513は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R511がメチル基でR513が水素原子、またはR511及びR513が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
一般式群(6)中、R512は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子、低級アルキル基が好ましく、さらに水素原子が好ましい。R511〜R513を含む重合性基は一般には重合活性の高い官能基である無置換のビニルオキシ基が好ましく用いられる。
一般式群(6)中、R521〜R523を含む重合性基は置換または無置換のオキシラン基を表す。R521及びR522は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R521及びR522が共に水素原子が好ましい。
523は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
一般式群(6)中、R531〜R533を含む重合性基は置換または無置換のアクリル基を表す。置換基R531及びR533は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R531がメチルでR533が水素原子、またはR531及びR533が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
532は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子が好ましい。従って、R531〜R533を含む重合性基としては、一般には無置換のアクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニルオキシなどの重合活性の高い官能基が好ましく用いられる。
一般式群(6)中、R541〜R545を含む重合性基は置換または無置換のオキセタン基を表す。R542、R543、R544及びR545は各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R542、R543、R544及びR545が共に水素原子が好ましい。
541は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましく、メチル、エチル、n−プロピルがより好ましく、エチルが特に好ましい。
本発明の光学活性化合物は、HTPを高める観点から、前記一般式(5)中、Pがエチレン性不飽和重合性基であることが好ましく、(メタ)アクリレート基であることがより好ましい。
本発明の光学活性化合物は、前記一般式(1)〜(3)の中でも前記一般式(1)または(2)で表されることが合成容易性およびHTPを高める観点から好ましく、前記一般式(1)で表されることが合成容易性およびHTPを高める観点からより好ましい。
さらに本発明の光学活性化合物は、下記一般式(1A)で表されることが特に好ましい。
Figure 0005824431
(一般式(1A)中、RA11およびRA12はそれぞれ独立に前記一般式(4)で表される基を表し、XA11はハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、mA11は0または1を表す。)
前記一般式(1A)におけるRA11、RA12およびXA11の定義および好ましい範囲は、前記一般式(1)におけるR11、R12およびX11の定義および好ましい範囲と同様である。
前記一般式(1A)におけるmA11は、0であることが好ましい。
前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物は、R体であってもS体であってもよい。ここで、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定して、選択反射特性を示す本発明のフィルムを製造する場合、コレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆の選択反射フィルムが隣接した構造とすることができる。前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物はR体であってもS体であっても高いHTPを示すため、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相のらせんの向きは左でも右でもよい。
以下に前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。なお、以下に前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される光学活性化合物のR体のみまたはS体のみを例示することがあるが、対応するS体およびR体も本発明に用いることができる。
Figure 0005824431
Figure 0005824431
Figure 0005824431
前記液晶組成物中の前記一般式(1)〜(3)で表される光学活性化合物の量は、併用される液晶化合物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。光学活性化合物の使用量は、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、キラル剤として用いられる光学活性化合物は、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。
前記一般式(1)〜(3)で表される光学活性化合物は、公知の文献中に記載されている方法により、またはこれと同様にして合成することができる。例えば、特開2010−70482号公報に記載の方法に、適宜公知の方法を組み合わせて合成することができる。
また、前記一般式(1)〜(3)で表される光学活性化合物のR体とS体は、それぞれ原料としてR体のみまたはS体のみの原料を用いて合成することで、合成することができる。その他、公知の方法によりラセミ体を光学分割してもよい。
[液晶組成物]
本発明の液晶組成物は、本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする。
<液晶化合物>
本発明の液晶組成物は、液晶化合物を含む。
前記液晶化合物は、棒状液晶化合物であることが好ましい。
本発明に使用可能な棒状液晶化合物の例は、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
本発明に利用する棒状液晶化合物は、重合性であっても非重合性であってもよい。重合性基を有しない棒状液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y. Goto et.al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. 1995, Vol. 260, pp.23−28)に記載がある。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1〜2個である。重合性棒状液晶化合物の例は、後述する前記一般式(12)で表される液晶化合物のほか、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
本発明の液晶組成物は、前記液晶化合物として下記一般式(12)で表される液晶化合物を少なくとも1種類含むことが好ましい。
一般式(12)
Figure 0005824431
(一般式(12)中、P1及びP2はそれぞれ独立に水素原子または重合性基を示し、R1及びR2はそれぞれ独立にC1〜C8のアルキレン基、アルキニレン基またはアルケニレン基を示す。L1〜L4はそれぞれ独立に単結合、O、S、COO、OCO、OCOO、CO、NR3、NR4COまたはCONR5(R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)を表す。M1〜M3はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を示し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子、あるいは、炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基またはアルキルオキシ基で置換されてもよい(各環上の置換基の中のCH2基がそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOOまたはCOで置換されてもよい)。nは1〜3の整数を示す。)
前記一般式(12)中、P1及びP2はそれぞれ独立に水素原子または重合性基を示す。前記重合性基としては、重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、前記一般式(12)中、P1およびP2のうち少なくとも一方が下記一般式群(6)のいずれかで表される重合性基であることが好ましい。
一般式群(6)
Figure 0005824431
(一般式群(6)中、R511〜R513、R521〜R523、R531〜R533およびR541〜R545はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
前記一般式(12)における前記一般式群(6)は、前記一般式(1)〜(3)で表される光学活性化合物における前記一般式群(6)と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の液晶組成物は、前記一般式(12)中、P1およびP2のうち少なくとも一方が(メタ)アクリレート基であることが好ましい。
本発明の液晶組成物は、前記液晶化合物として前記一般式(12)で表される液晶化合物を少なくとも2種類以上含むことが好ましく、前記一般式(12)で表される液晶化合物のうちの少なくとも1種類はP1およびP2がともに重合性基であり、かつ、前記一般式(12)で表される液晶化合物のうちの少なくとも1種類はP1またはP2のどちらか一方が水素原子であり他方が重合性基であることがより好ましい。
一般式(12)中、R1及びR2はそれぞれ独立にC1〜C8のアルキレン基、アルキニレン基またはアルケニレン基を示し、C1〜C8のアルキレン基であることが好ましく、C1〜C4のアルキレン基であることがより好ましい。
一般式(12)中、L1〜L4はそれぞれ独立に単結合、O、S、COO、OCO、OCOO、CO、NR3、NR4COまたはCONR5(R3〜R5はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す)を表す。
本発明の液晶組成物は、前記一般式(12)中、L1〜L4はそれぞれ独立にO、S、COO、OCO、OCOOであることが好ましく、O、COOまたはOCOであることがより好ましい。
さらにその中でも、L1およびL4はそれぞれ独立にOであることが特に好ましい。一方、L2およびL3はそれぞれ独立にCOOまたはOCOであることが特に好ましい。
一般式(12)中、M1〜M3はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を示し、各環を構成する炭素原子の内1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、各環上の水素原子がハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基またはアルキルオキシ基で置換されてもよい(各環上の置換基の中のCH2基がそれぞれ独立にO、S、OCO、COO、OCOOまたはCOで置換されてもよい。
1〜M3はそれぞれ独立にフェニレン基またはシクロヘキシレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
1〜M3が示す各環を構成する炭素原子の内、1つ以上の炭素原子が窒素原子で置換されてもよく、0〜3個の炭素原子が窒素原子で置換されていることが好ましく、0または1個の炭素原子が窒素原子で置換されていることがより好ましく、0個の炭素原子が窒素原子で置換されていることが特に好ましい。
1〜M3が示す各環上の水素原子はハロゲン原子、あるいは、炭素数1〜8のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基またはアルキルオキシ基で置換されてもよく、無置換またはハロゲン原子もしくは炭素数1〜8のアルキル基で置換されていることが好ましく、無置換または炭素数1〜8のアルキル基で置換されていることがより好ましい。
1〜M3が示す各環上の水素原子を置換していてもよいハロゲン原子は、フッ素原子または塩素原子であることがより好ましい。
1〜M3が示す各環上の水素原子を置換していてもよい炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
一般式(12)中、nは1〜3の整数を示し、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
以下に前記一般式(12)で表される液晶化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 0005824431
Figure 0005824431
前記一般式(12)で表される液晶化合物以外のその他の本発明に好ましく用いることができる液晶化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 0005824431
<その他の成分>
本発明の液晶組成物は、その他の成分を添加剤として含んでいてもよい。例えば、重合性液晶化合物を用いるときは重合開始剤を含んでいてもよい。配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために、配向制御剤(その中でも水平配向剤)、ムラ防止剤、ハジキ防止剤、及び重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。本発明の液晶組成物は、各成分を2種以上含んでいてもよい。
(重合開始剤)
本発明の液晶組成物は、重合性液晶組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。本発明では、紫外線照射により硬化反応を進行させるので、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
(配向制御剤)
前記液晶組成物中に、安定的に又は迅速にコレステリック液晶相となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、及び下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、コレステリック液晶相の螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
以下、配向制御剤として利用可能な、下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物について、順に説明する。
Figure 0005824431
式中、R101、R102及びR103は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X101、X102及びX103は単結合又は二価の連結基を表す。R101〜R103で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基又はフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X101、X102及びX103で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
Figure 0005824431
式中、R201は置換基を表し、m201は0〜5の整数を表す。m201が2以上の整数を表す場合、複数個のR201は同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R101、R102、及びR103で表される置換基の好ましい範囲として挙げたものと同様である。m201は、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。
Figure 0005824431
式中、R301、R302、R303、R304、R305及びR306は各々独立して、水素原子又は置換基を表す。R301、R302、R303、R304、R305及びR306でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(X1)におけるR101、R102及びR103で表される置換基の好ましいものとして挙げたものと同様である。
本発明において配向制御剤として使用可能な、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の例には、特開2005−99248号公報に記載の化合物が含まれる。
なお、本発明では、配向制御剤として、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記液晶組成物中における、一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される化合物の添加量は、液晶化合物の質量の0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
<溶媒>
本発明の液晶組成物の溶媒としては特に制限は無く、公知の溶媒を用いることができ、その中でも有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、本発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、本発明の液晶組成物を硬化させてなることが好ましい。また、本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物の液晶組成物からなるコレステリック液晶相を固定してなることが好ましい。
本発明の液晶組成物を塗布等の方法により製膜することによりフィルムを形成することができる。液晶組成物を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成することにより光学異方性素子を作製することもできる。本発明のフィルムは、光学異方性を示すことが好ましい。
本発明のフィルムは、塗布方法によって作製されるのが好ましい。製造方法の一例は、
(1) 基板等の表面に、硬化性の液晶組成物を塗布して、コレステリック液晶相の状態にすること、
(2) 前記硬化性の液晶組成物に紫外線を照射して硬化反応を進行させ、コレステリック液晶相を固定した層を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
前記(1)工程では、まず、基板又は下層の塗布層の表面に、前記硬化性液晶組成物を塗布する。前記硬化性の液晶組成物は、溶媒に材料を溶解及び/又は分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
前記基板は自己支持性があり、上記液晶組成物層を支持するものであれば、材料及び光学的特性についてなんら限定はない。用途によっては、紫外光に対する高い透明性が要求されるであろう。前記基板としては、配向膜付きガラス基板であってもよいし、所定の光学特性を満足するように生産工程を管理して製造されるλ/2板等の特殊の位相差板であってもよいし、また、面内レターデーションのバラツキが大きく、具体的には、波長1000nmの面内レターデーションRe(1000)のバラツキで表現すれば、Re(1000)のバラツキが20nm以上、また100nm以上であり、所定の位相差板としては使用不可能なポリマーフィルム等であってもよい。また基板の面内レターデーションについても特に制限はなく、例えば、波長1000nmの面内レターデーションRe(1000)が、800〜13000nmである位相差板等を用いることができる。
可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが挙げられる。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶性分子の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。液晶性分子を水平(平均傾斜角:0〜50゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向膜用ポリマー)を用いる。液晶性分子を垂直(平均傾斜角:50〜90゜)に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させるポリマーを用いる。配向膜の表面エネルギーを低下させるためには、ポリマーの側鎖に炭素数が10〜100の炭化水素基を導入することが好ましい。
具体的なポリマーの種類については、様々な表示モードに対応する液晶性分子を用いた光学補償シートについての文献に記載がある。配向膜の厚さは、0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。なお、配向膜を用いて、光学異方性層の液晶性分子を配向させてから、液晶層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。また、平均傾斜角が5°未満の配向の場合は、ラビング処理をする必要はなく、配向膜も不要である。ただし、液晶性分子と透明支持体との密着性を改善する目的で、界面で液晶性分子と化学結合を形成する配向膜(特開平9−152509号公報記載)を用いてもよい。密着性改善の目的で配向膜を使用する場合は、ラビング処理を実施しなくてもよい。二種類の液晶層を透明支持体の同じ側に設ける場合、透明支持体上に形成した液晶層を、その上に設ける液晶層の配向膜として機能させることも可能である。
液晶層の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがさらに好ましく、2〜20μmであることが最も好ましい。
次に、表面に塗布され、塗膜となった硬化性液晶組成物を、コレステリック液晶相の状態にする。前記硬化性液晶組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、コレステリック液晶相の状態にすることができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前記硬化性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
次に、(2)の工程では、コレステリック液晶相の状態となった塗膜に、紫外線を照射して、硬化反応を進行させる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記液晶組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定された層(光反射層など)が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、コレステリック液晶相が乱れないように、コレステリック液晶相を呈する温度範囲に維持するのが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。紫外線照射によって進行される硬化反応(例えば重合反応)の反応率は、層の機械的強度の保持等や未反応物が層から流出するのを抑える等の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。反応率を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法を用いることもできる。反応率の測定は反応性基(例えば重合性基)の赤外振動スペクトルの吸収強度を、反応進行の前後で比較することによって行うことができる。
上記工程では、コレステリック液晶相が固定されて、本発明のフィルムが形成される。
本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層であることも好ましく、その場合は選択反射特性を示すことがより好ましく、赤外線波長領域に選択反射特性を示すことが特に好ましい。コレステリック液晶相を固定してなる光反射層については、特開2011−107178号公報および特開2011−018037号公報に記載の方法に詳細が記載されており、本発明でも好ましく用いることができる。
ここで、液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定する。
なお、本発明においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に本発明のフィルム中の液晶組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
(積層体)
本発明のフィルムは、本発明の液晶組成物のコレステリック液晶相を固定してなる層を複数積層してなる積層体とすることも好ましい。例えば、右ねじりの光学活性化合物を含む右円偏光を反射できる層と、左ねじりの光学活性化合物を含む左円偏光を反射できる層を積層することにより、光反射性を高めたフィルムとすることができる。
(フィルムの用途)
本発明のフィルムは、波長700nm以上(より好ましくは800〜1300nm)に反射ピークのある選択反射特性を示すフィルムとすることができる。この様な特性のフィルムは、住宅、オフィスビル等の建造物、又は自動車等の車両の窓に、日射の遮熱用の部材として貼付される。又は、本発明の赤外光反射板は、日射の遮熱用の部材そのもの(たとえば、遮熱用ガラス、遮熱用フィルム)として、その用途に供することができる。
本発明の液晶組成物は、上述のフィルムとするほか、その他の用途に用いてもよい。
本発明は、本発明の液晶組成物を、重合させてなる高分子にも関する。
また、本発明は、本発明の液晶組成物からなることを特徴とするコレステリック液晶にも関する。
本発明の高分子や、本発明のコレステリック液晶の用途としては、特表2009−533360号公報に記載のものに用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1:例示化合物(1)の合成]
以下に示すスキームにしたがって、光学活性化合物である例示化合物(1)を合成した。
Figure 0005824431
L−酒石酸から誘導されるジアセチル−L−酒石酸無水物(20g、92.5mmol)、p−フェニレンジアミン(5g、46.3mmol)を酢酸100mLに加え、2時間還流させた。冷却後、精製水を加え、生じた沈殿をろ別し、風乾することで、テトラアセチル中間体を23.3g、収率99%で得た。
テトラアセチル中間体(6.0g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)を滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.8g、収率95%で得た。
テトラオール中間体(1.0g、3.0mmol)、4−ブトキシ安息香酸クロリド(3.2g、15mmol)をTHF20mLに溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(3.1mL、23.0mmol)を滴下し、DMAPを触媒量加え、氷冷下で1時間、室温で4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(1)を1.9g、収率60%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
0.80〜1.00(m,12H)、1.30〜1.80(m,16H)、4.20(m,8H)、5.82(s,2H)、6.12(s,2H)、6.80(d,4H)、7.30〜7.90(m,16H)
[実施例2:例示化合物(2)の合成]
以下に示すスキームにしたがって、光学活性化合物である例示化合物(2)を合成した。
Figure 0005824431
例示化合物1の合成時と同様にして調製したテトラオール中間体(1.0g、3.0mmol)、4−アクリロイルオキシブトキシ安息香酸クロリド(4.2g、15mmol)をTHF20mLに溶解させ、氷冷下でトリエチルアミン(3.1mL、23.0mmol)を滴下し、DMAPを触媒量加え、氷冷下で1時間、室温で4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(2)を2.0g、収率50%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
1.80〜2.00(m,16H)、4.05(m、8H)4.20(m,8H)、5.70(d,4H)、5.82(s,2H)、6.12(m,6H)、6.40(d,4H)6.80(d,4H)7.30〜7.90(m,16H)
[実施例3:例示化合物(3)の合成]
以下に示すスキームにしたがって、光学活性化合物である例示化合物(3)を合成した。
Figure 0005824431
L−酒石酸から誘導されるジアセチル−L−酒石酸無水物(20g、92.5mmol)、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン(6.4g、46.3mmol)を酢酸100mLに加え、2時間還流させた。冷却後、精製水を加え、生じた沈殿をろ別し、風乾することで、テトラアセチル中間体を24.5g、収率99%で得た。
テトラアセチル中間体(6.4g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)を滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.9g、収率90%で得た。
テトラオール中間体(1.1g、3.0mmol)、4−ブトキシ安息香酸クロリド(3.2g、15mmol)をTHF20mLに溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(3.1mL、23.0mmol)を滴下し、DMAPを触媒量加え、氷冷下で1時間、室温で4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(3)を1.6g、収率50%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
0.80〜1.00(m,12H)、1.30〜1.80(m,16H)、3.70(s,3H)、4.20(m,8H)、5.82(s、2H)、6.12(s,2H)、6.80(d,4H)、7.30〜7.90(m,16H)
[実施例4:例示化合物(4)の合成]
以下に示すスキームにしたがって、光学活性化合物である例示化合物(4)を合成した。
Figure 0005824431
L−酒石酸から誘導されるジアセチル−L−酒石酸無水物(20g、92.5mmol)、m−フェニレンジアミン(5g、46.3mmol)を酢酸100mLに加え、2時間還流させた。冷却後、精製水を加え、生じた沈殿をろ別風乾することで、テトラアセチル中間体を23.3g、収率99%で得た。
テトラアセチル中間体(6.0g、11.9mmol)をエタノール(60mL)に加え、氷冷下アセチルクロリド(7.2mL、95.2mmol)滴下し、室温で4時間反応させた。溶媒流去後、酢酸エチルを加えて冷却し、生じた沈殿をろ別し、冷酢酸エチルで洗浄し、その後風乾することでテトラオール中間体を3.8g、収率95%で得た。
テトラオール中間体(1.0g、3.0mmol)、4−[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシ)ブトキシ]安息香酸(9.3g、30mmol)をTHF100mLに溶解させ、氷冷下N−メチルイミダゾール(4.9g、60mmol)を添加し、p−トルエンスルホニルクロリド(5.7g、30mmol)を分割添加し、氷冷下4時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去後カラム精製を行うことで、例示化合物(4)を1.4g、収率30%で得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):
1.00(t,12H)、1.60〜1.80(m,24H)、3.63(t,16H)、4.10〜4.60(m,24H)、5.82(s,2H)、6.12(s,2H)、6.80〜7.90(m,20H)
[実施例11:選択反射特性を示す光学フィルムの形成]
例示化合物(1)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例11の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(1) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
Figure 0005824431
Figure 0005824431
次に、洗浄したガラス基板の表面に、日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この配向膜のラビング処理面に実施例11の液晶組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、90℃で60秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下、UV光の単波長成分を遮断した高圧水銀ランプを用いて60℃にて10秒間光照射して配向を固定し、選択反射特性を示す実施例11の光学フィルム(選択反射膜)を得た。得られた選択反射膜を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く、均一に配向していることを確認した。さらにこの選択反射膜を(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ920nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、液晶の平均屈折率1.5とした場合、HTPは16.0μm-1であった。
[実施例12:選択反射特性を示す光学フィルムの形成]
例示化合物(2)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例12の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(2) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
Figure 0005824431
次に、洗浄したガラス基板の表面に、日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この配向膜のラビング処理面に実施例12の液晶組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、90℃で60秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下、UV光の単波長成分を遮断した高圧水銀ランプを用いて60℃にて10秒間光照射して配向を固定し、選択反射特性を示す実施例12の光学フィルム(選択反射膜)を得た。得られた選択反射膜を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く、均一に配向していることを確認した。さらにこの選択反射膜を(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ1080nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、液晶の平均屈折率1.5とした場合、HTPは17.9μm-1であった。
[実施例13:選択反射特性を示す光学フィルムの形成]
例示化合物(3)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例13の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(3) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
Figure 0005824431
次に、洗浄したガラス基板の表面に、日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この配向膜のラビング処理面に実施例13の液晶組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、90℃で60秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下、UV光の単波長成分を遮断した高圧水銀ランプを用いて60℃にて10秒間光照射して配向を固定し、選択反射特性を示す実施例13の光学フィルム(選択反射膜)を得た。得られた選択反射膜を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く、均一に配向していることを確認した。さらにこの選択反射膜を(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ938nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、液晶の平均屈折率1.5とした場合、HTPは15.2μm-1であった。
[実施例14:選択反射特性を示す光学フィルムの形成]
例示化合物(4)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の実施例14の液晶組成物塗布液を調製した。
例示化合物(4) 10質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE250(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
Figure 0005824431
次に、洗浄したガラス基板の表面に、日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この配向膜のラビング処理面に実施例14の液晶組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、90℃で60秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下、UV光の単波長成分を遮断した高圧水銀ランプを用いて60℃にて10秒間光照射して配向を固定し、選択反射特性を示す実施例14の光学フィルム(選択反射膜)を得た。得られた選択反射膜を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く、均一に配向していることを確認した。さらにこの選択反射膜を(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ1013nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、液晶の平均屈折率1.5とした場合、HTPは14.8μm-1であった。
[比較例1:選択反射特性を示す光学フィルムの形成]
比較化合物(1)と重合性液晶化合物(M−1)を用いて、下記の組成の比較例1の液晶組成物塗布液を調製した。
比較化合物(1) 20質量部
重合性液晶化合物(M−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.04質量部
重合開始剤 IRGACURE819(BASF社製) 3質量部
溶媒 クロロホルム 800質量部
Figure 0005824431
次に、洗浄したガラス基板の表面に、日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この配向膜のラビング処理面に比較例1の液晶組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、90℃で60秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下、UV光の単波長成分を遮断した高圧水銀ランプを用いて60℃にて10秒間光照射して配向を固定し、選択反射特性を示す比較例1の光学フィルム(選択反射膜)を得た。得られた選択反射膜を偏光顕微鏡で観察したところ配向欠陥が無く、均一に配向していることを確認した。さらにこの選択反射膜を(株)島津製作所製の分光光度計UV−3100PCで透過スペクトルを測定したところ1060nmに中心を持つ赤外領域に選択反射ピークがあり、液晶の平均屈折率1.5とした場合、HTPは8.3μm-1であった。
Figure 0005824431
上記表1より、本発明の光学活性化合物は、酒石酸由来の骨格を有し、HTPが高いことがわかった。
一方、一般式(1)〜(3)をいずれも満たさない構造であり、酒石酸由来の骨格を有する比較化合物(1)は、HTPが低いことがわかった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されることを特徴とする光学活性化合物。
    Figure 0005824431
    (一般式(1)〜(3)中、R11、R12、R21、R22、R31およびR32はそれぞれ独立に下記一般式(4)で表される基を表し、X11、X21およびX31はそれぞれ独立にハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、m11、m21およびm31はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
    Figure 0005824431
    (一般式(4)中、♯は結合手を表す。*は光学活性部位を表す。L41およびL42はそれぞれ独立にCO、COOまたはCONR43(R43は炭素数1〜8のアルキル基を表す)を表す。R41およびR42はそれぞれ独立に下記一般式(5)で表される基を表す。)
    Figure 0005824431
    (一般式(5)中、M51はそれぞれ独立にフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基またはシクロヘキセニレン基を表し、各環上の水素原子がハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基で置換されてもよい。L51は単結合、OCOまたはCOOを表す。n51は1を表す。L52は単結合またはC1〜C8のアルキレン基またはアルキレンオキシ基を表。Pは水素原子または下記の一般式群(6)のいずれかで表される重合性基を表す。
    一般式群(6)
    Figure 0005824431
    (一般式群(6)中、R 531 〜R 533 およびR 541 〜R 545 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。))
  2. 下記一般式(1A)で表されることを特徴とする請求項1に記載の光学活性化合物。
    Figure 0005824431
    (一般式(1A)中、RA11およびRA12はそれぞれ独立に前記一般式(4)で表される基を表し、XA11はハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルキルオキシ基を表し、mA11は0または1を表す。)
  3. 前記一般式(5)中、Pが(メタ)アクリレート基であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学活性化合物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の光学活性化合物からなることを特徴とする、液晶中のらせんねじれを誘発するか、または増強するドーパントとして使用するキラル剤。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  6. 請求項に記載の液晶組成物を含有することを特徴とする光学フィルム。
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