JP2011207686A - プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 - Google Patents
プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011207686A JP2011207686A JP2010078119A JP2010078119A JP2011207686A JP 2011207686 A JP2011207686 A JP 2011207686A JP 2010078119 A JP2010078119 A JP 2010078119A JP 2010078119 A JP2010078119 A JP 2010078119A JP 2011207686 A JP2011207686 A JP 2011207686A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mortar
- product
- carbon dioxide
- premixed
- production
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
【解決手段】プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法は、プレミクスモルタル製品中、セメントと、低炭素材料が少なくとも2種以上配合されてなる低炭素性複合材とを、質量比が97:3〜70:30の配合で含有することにより、該プレミクスモルタル製品の製造時の二酸化炭素排出量を、低炭素材料を含まないプレミクス製品製造時の二酸化炭素排出量と比較して0.03CO2−kg/kg以上削減する。
【選択図】 なし
Description
一方、地球温暖化を全世界的に抑制する気運が高まり、京都議定書などの国際協定を通じて、多くの国々が、CO2を含む種々のグリーンハウスガスの放出の削減に誓約している。
それに関連してわが国も温暖化ガス(通常はCO2)の削減が義務付けられた。
さらに、本発明の目的は、強度、流動性、分離抵抗性、耐薬品性、耐酸性等の、各セメント製品が適用される用途に応じて本来所望される機能を損なうことなく発現することができるセメント製品を製造する際の、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法を提供することである。
さらに、各セメント製品が用途等に応じて所望される、強度、流動性、分離抵抗性、耐久性等の本来の性能を、当該各セメント製品が損なうことなく発現することも可能である。
本発明のセメント製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法は、プレミクスモルタル製品中、セメントと、低炭素材料が少なくとも2種以上配合されてなる低炭素性複合材とを、質量比が97:3〜70:30の配合とすることにより、該プレミクスモルタル製品の製造時の二酸化炭素排出量を、低炭素材料を用いない場合のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量と比較して0.03CO2−kg/kg以上削減する方法である。
ここで、プレミクスモルタル製品とは、セメント、モルタル、コンクリート及びこれらの関連製品、例えば、注入用モルタル、断面修正材、半たわみ製舗装注入材、セルフレベリング材、左官用モルタル、膨張製セメント、静的破砕剤、止水材等のセメントを用いた任意の製品を意味し、水等の液体を添加混合するだけでモルタルを製造できる製品であって、液体及び粗骨材以外の、セメントを含む砂や混和材料が予め配合されている製品をいう。
また、CO2排出量は、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法によって算出する。該手法は、各プレミクスモルタル製品を製造する際に、原料の調達、運搬、製造、消費、廃棄にいたるまでの一連の製品ライフサイクルにおいて発生する、CO2の排出量を炭素排出量として表す方法であり、セメント系材料群における個々の原材料の排出原単位(排出インベントリCO2−kg/kg)の数値は(社)土木学会(地球環境委員会LCA小委員会)等によって提示されている。
そして、プレミクスモルタル製品製造時のCO2排出量は、プレミクスモルタル製品を製造する際に使用される材料、即ち、セメント、砂を含む各材料の、前記(社)土木学会等の提示によるCO2排出原単位の数値を参考に、各プレミクスモルタル製品の配合から決定できる。
具体的には、低炭素材料とは、該材料の製造時に排出されるCO2の量が0.3CO2−kg/kg以下の材料をいい、低炭素性複合材とは、前記低炭素材料が2種以上混合されてなる材料をいうものである。
本発明において使用できる低炭素材料には、例えば下記の潜在水硬性材料及び/又は混和剤系材料がある。
前記潜在水硬性材料には、天然系水硬性材料、軽量系水硬性材料、バイオマス系水硬性材料及びバイプロ系水硬性材料が含まれる。
これらの材料は、それ自体に水硬性を有するものがあるだけでなく、プレミクスモルタル製品として水と練り合わせた際に、その嵩比重の軽さによってモルタル硬化体の比重を低下させることができる。比重を下げること、即ち軽量化を図ることは、モルタル硬化体の単位容積当たりに使用するプレミクスモルタル製品の重量を減らすことが出来ることとなり、これは即ち使用するセメントの量を低減させることになる。モルタル硬化体に使用されるセメントの重量を減ずることは、炭酸ガスの削減に繋がることから、極めて有益な二酸化炭素削減手段である。
単位水量の低減と流動性向上という機能を向上させるためのバイプロ系材料にはモルタルを混練した際にボールベアリング効果を発揮し得ることが好ましく、フライアッシュとシリカフューム等が例示できる。
・シラスバルーン:住友大阪セメント(株)製;SYB−5005S
・ギ酸カルシウム:試薬、和光純薬(株)製
・硫酸リチウム :試薬、和光純薬(株)製
・高性能減水剤 :ナフタレンスルフォン酸系粉末減水剤(花王(株)製:マイティ100)を150メッシュの炭酸カルシウム粉末(表2参照)で10容量倍に均一に混合した材料
なお、当該減水剤は粉末であり、粉末減水剤はプレミクスモルタル製品製造のための粉末原料工程において均一に混ざりにくいため、炭酸カルシウムのように水硬性を有さず且つモルタルの性能にも影響を及ぼさない材料で嵩高にして使用する。
・ガラスバルーン:水野陶土(株)レックス1200
これにより、下記する配合割合でプレミクスモルタル製品中に低炭素複合材を配合した際には、プレミクスモルタル製品製造時のCO2排出量を、低炭素材料を除いたプレミクス製品製造時のCO2排出量と比較して0.03CO2−kg/kg以上の削減が有効にできることとなる。
上記低炭素材料の水硬性は、一般にポゾラン活性あるいは潜在水硬性と称され、セメントの水和時のアルカリ刺激によって水硬性を発現するが、通常、かかる硬化プロセスは比較的緩慢であり、1週間から数ヶ月に渡って硬化が進行するものであるので、例えば、セメントの一部をかかる低炭素材料に置換えて添加した場合には、初期強度の発現性が悪化する。
かかる場合、前記副産物系のスラグやフライアッシュの単独材料だけで低炭素化を図ることは望ましくない。単独の副産物系低炭素材料のみを添加置換したのでは単に強度が落ちるのみならず、分離抵抗性やポンプ圧送性、流動性などに悪影響が出る場合があるからである。このように「低炭素化以外の機能」を、製品の規格の範囲内で維持し、望ましくはさらに向上させて、セメント製品そのもののCO2排出量を削減するには、種々の上記各カテゴリの低炭素材料を2種以上組み合わせて用いることで初めて達成することができるのである。
さらに、プレミクスモルタル製品中には、各種添加剤を必要に応じて、配合することができる。
各種添加剤としては、モルタルを調製する際に添加される公知の添加剤であれば、用途に応じて添加することができ、例えば、凝結遅延剤、硬化促進剤、消泡剤、防錆剤、防凍剤、着色剤などの上記低炭素材料以外の混和剤や、耐久性を向上させるための炭素繊維、樹脂系繊維や鋼繊維などの補強材を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
・かさ比重:(株)セイシン企業製の連続自動カサ密度測定器;ロボットバルクデンサーRBD−20を使用して、容積が正確に分かっている容器の中にスリキリで各材料粉体を入れ、その重量を測定することで計算した値である。
・粒子比重:(株)セイシン企業製の自動湿式真密度測定器;オートトゥルーデンサーMAT−7000を使用して、液相置換;ピクノメーター法により測定した。
・最大粒径:日機装(株)製のマイクロトラックMT−3000を使用して、粒度分布を測定し、最大粒径は該粒度分布の測定より決定した。
該早強性注入モルタルはポンプ圧送されることより、ポンプ圧送時において閉塞があると施工性に問題が生じる。従って、該注入モルタルには、良好な圧送性が所望されるとともに、材料分離抵抗性も備える必要がある。
上記低炭素性複合材を用いることで、後述する実施例にも記載されているように、プレミクス製品製造時のCO2排出量を削減できるとともに、早強性注入モルタルに、優れた材料不分離性と圧送性を保持させることができる。
該注入モルタルは夜間の急速工事に用いられ、作業中のハンドリングタイムの確保が所望される。従って、該注入モルタルには、良好な流動性を備える必要がある。
上記低炭素性複合材を用いることで、後述する実施例にも記載されているように、プレミクス製品製造時のCO2排出量を削減できるとともに、超速硬性注入モルタルに、優れた流動保持性能を確保させることができる。
該断面修正材モルタルは、例えば天井等への吹付け施工に用いられ、吹付け施工においては、付着性と厚付け性が問題となる。従って、該断面修正材モルタルには、良好な圧縮強度と1回の吹付けでの厚付け性を備える必要がある。
上記低炭素性複合材を用いることで、後述する実施例にも記載されているように、プレミクス製品製造時のCO2排出量を削減できるとともに、断面修正材モルタルに、優れた圧縮強度と厚付け性を保持させることができる。
該半たわみ性舗装注入材モルタルは、アスファルト舗装の空隙に注入浸透させるものであることから、高い流動性が所望される。
上記低炭素性複合材を用いることで、後述する実施例にも記載されているように、プレミクス製品製造時のCO2排出量を削減できるとともに、半たわみ性舗装注入材に、優れた流動保持性能を確保させることができる。
該セルフレベリング材建築構造物の床面を流し込むことで平坦に仕上げる床材であり、温泉等の床材にも適用されることから、耐薬品性を備えることが必要である場合がある。
上記低炭素性複合材を用いることで、後述する実施例にも記載されているように、プレミクス製品製造時のCO2排出量を削減できるとともに、セルフレベリング材に、優れた化学抵抗性を確保させることができる。
但し、各材料は、上記表1及び表2に示す材料を用いた。
(実施例1、比較例1)
早強セメント、乾燥珪砂、更には低炭素材料等を均一に混合し、各早強性注入モルタルプレミクス製品を調製した。
以下の表3及び表4には、早強性注入モルタルプレミクス製品中、CO2排出量の多い早強セメント、砂、低炭素材料についての配合割合を示すとともに、該プレミクスモルタル製品製造時のCO2排出量を、該早強セメント、砂、低炭素材料について計算し、その結果も表3及び表4に示す。
また、比較例1−2は、早強セメントを質量で36質量%低減し、その低減分を低炭素材料を2種以上用いて置き換えて添加配合して調製し、比較例1−3は、早強セメントを質量で10質量%低減し、その代わりに低炭素材料を1種類だけに置き換えて添加配合して調製した、早強性注入モルタルプレミクス製品である。
具体的には、図1に示す装置(直径200mm、高さ1mの円柱)に、上記各実施例及び比較例で得られた早強性注入モルタルを注入充填して硬化させた。各早強性注入モルタルは、元来流動性に優れるため、主として比重の重いセメントと砂が下方に偏った状態となる。
各硬化させた円柱状のモルタルを、図1に示すように、高さ250mmごとに均等に4分割して、各切断部を上部体、中上部体、中下部体、下部体として切断した。硬化モルタル上部体と下部体の比重を測定し、その結果を表5に示す。
◎・・比重差が0.20未満
○・・比重差が0.20〜0.50
×・・比重差が0.5を超える
具体的には、上記各実施例及び比較例で得られた各早強性注入モルタルを、図2に示すような閉塞経路モデル、具体的には閉塞し易いような配管を組んでモルタルの圧送性を評価するためのモデルを用いて、連続的にポンプ圧送した時の累積容積量に対する、閉塞回数によって表した。その結果を表6に示す。
圧送時における閉塞とは、ポンプに急激な負荷がかかってポンプの回転が止まってしまい、モルタルの排出が停止する状態をいう。この時直ちに配管の曲がり部をプラスチックハンマー等で叩く等の外部からの刺激により、配管内部のモルタルを強制的に流動させたり、モルタルが動きやすいように配管を真っ直ぐに伸ばしたり、閉塞して硬くなっている部分を足で踏んで揉みほぐしたりすること等の外部刺激により配管の閉塞を回復させ、圧送を再開した。圧送不能とは、前記例示した外部刺激の作業を行なっても、配管内部のモルタルを再び流動させることが出来なかった状態をいう。
◎・・圧送量が10m3までの場合に合計閉塞回数が1回以下
○・・圧送量が10m3までの場合に合計閉塞回数が2〜10回
×・・圧送量が10m3までの場合に合計閉塞回数が11回以上又は圧送不能
このように、実施例の早強性注入モルタルは、プレミクスモルタル製品の製造時のCO2排出量を0.03CO2−kg/kg以上削減することができるとともに、各早強性注入モルタルが本来所望される材料分離抵抗性及び圧送性に優れるものである。
超速硬セメント、乾燥珪砂、更には低炭素材料等を均一に混合し、各超速硬性注入プレミクスモルタル製品を調製した。
以下の表7及び表8には、超速硬性注入プレミクスモルタル製品中、CO2排出量の多い超速硬セメント、砂、低炭素材料についての配合割合を示すとともに、該プレミクスモルタル製品製造時のCO2排出量を、該超速硬セメント、砂、低炭素材料について計算し、その結果も表7及び表8に示す。
具体的には、上記各実施例及び比較例で得られた各超速硬性注入モルタルの流動性をJ14ロート試験により、モルタル製造直後(各プレミクスモルタル製品と水とを均一に混練した直後)と、モルタル調製から15分経過後にそれぞれ測定した。その結果を表9に示す。
即ち、超速硬性注入モルタルは夜間の急速工事に用いられ、ポンプ圧送等は通常行なわれず、20分以内に流し込み・コテ仕上げに適用される材料として利用される。従って、超速硬性注入モルタルは、作業性を考慮してJ14ロート値が8±2(秒)で、混練直後から15分経過後のJ14ロート値の変化量が3.5秒以内であると、実際の施工において問題とはならない。従って下記の基準を設けて評価した。J14ロート値が8±2(秒)で、混練直後から15分経過後のJ14ロート値の変化量が3.5秒以内のものを流動性が良好とする。
◎・・J14ロート値が8±2(秒)で、混練直後から15分経過後のJ14ロート値の変化量が2.5秒以下
○・・J14ロート値が8±2(秒)で、混練直後から15分経過後のJ14ロート値の変化量が3.5秒以下
×・・混練直後及び/若しくは15分経過後のJ14ロート値が8±2(秒)の範囲外並びに/又は混練直後から15分経過後のJ14ロート値の変化量が3.5秒を超える
このように、実施例の超速硬性注入モルタルは、プレミクスモルタル製品の製造時のCO2排出量を0.03CO2−kg/kg以上削減することができるとともに、超速硬性注入モルタルが本来所望される流動性及び流動保持性(良好なハンドリングタイム・作業性)に優れるものである。
早強セメント、低炭素材料及び乾燥珪砂等を均一に混合し、各断面修正材プレミクス製品を調製した。
以下の表10及び表11には、断面修正材プレミクス製品中、CO2排出量の多い早強セメント、砂、低炭素材料についての配合割合を示すとともに、該プレミクス製品製造時のCO2排出量を、該早強セメント、砂、低炭素材料について計算し、その結果も表10及び表11に示す。
具体的には、上記各実施例及び比較例で得られた各断面修正材を天井面に吹き付けた(背面吹き付け)場合に、1回の吹付けでどれだけの厚付けが可能であるかを試験した。
厚付けが可能な施工可能厚みは、各断面修正材モルタルを天井面に吹き付け、直ちに左官コテ仕上げを行い、その材料の厚み方向に金属製定規を差し込んで目盛りを読み取り、測定した。なお、吹付け可能厚みの限界は、天井面からのモルタルのダレ(コテで押しつけても垂れてしまう状態)または吹付けたモルタルが落下したり若しくは部分的に剥離したりする状態になる直前の限界の厚みとした。
また、各断面修正材モルタルを調製後、20℃水中で28日養生後の圧縮強度をJIS R 5201に準じて測定した。
これらの結果を表12に示す。
即ち、断面修正材は左官コテ施工よりも吹付け施工で用いられ、吹付け施工においては、断面修正材モルタルの付着性と1回の吹付け施工でどれだけの厚付けが可能であるか(厚付け性)、及び強度が重要である。従って、断面修正材モルタルは、天井吹付け1回の施工可能克巳が20mm以上で、かつ材齢28日の圧縮強度が55N/mm2以上であれば、問題とはならず、かかる基準を満たすものを良好とした。
◎・・天井吹付け1回の施工可能厚みが25mm以上で、材齢28日圧縮強度が58N/mm2以上
○・・天井吹付け1回の施工可能厚みが20mm以上25mm未満で、材齢28日圧縮強度が55N/mm2以上58N/mm2未満
×・・天井吹付け1回の施工可能厚みが20mm未満で、材齢28日圧縮強度が55N/mm2未満
このように、実施例の断面修正材モルタルは、プレミクスモルタル製品の製造時のCO2排出量を0.03CO2‐kg/kg以上削減することができるとともに、断面修正材モルタルが本来所望される付着性、厚付け性、強度に優れるものである。
早強セメント、低炭素材料及び乾燥珪砂等を均一に混合し、各半たわみ性舗装注入プレミクス製品を調製した。
以下の表13及び表14には、半たわみ性舗装注入プレミクス製品中、CO2排出量の多い早強セメント、砂、低炭素材料についての配合割合を示すとともに、該プレミクス製品製造時のCO2排出量を、該早強セメント、砂、低炭素材料について計算し、その結果も表13及び表14に示す。
具体的には、上記各実施例及び比較例で得られた各半たわみ性舗装注入材モルタルの流動性をPロート試験により、モルタル製造直後(各プレミクス製品と水とを均一に混練した直後)と、モルタル調製から45分経過後にそれぞれ測定した。その結果を表15に示す。
即ち、半たわみ性舗装注入材モルタルは、アスファルト合材舗装の粗骨材と粗骨材との間の空隙に浸透させて硬化させる極めて高い流動性が所望される注入材であり、注入完了までに流動性を保持する(ハンドリングタイムの確保)が施工上重要である。
従って、半たわみ性舗装注入材モルタルは、流動性(ハンドリング性)を考慮してPロート値が10±2(秒)で、混練直後から45分経過後のPロート値の変化量が3.5秒以内であると、実際の施工において問題とはならない。従って下記の基準を設けて評価した。Pロート値が10±2(秒)で、混練直後から45分経過後のPロート値の変化量が3.5秒以内のものを流動性が良好とする。
なお、表15中、測定不能とは、流動性が低下してしまい、Pロートから流下しないか、または初めは少し流下するが、Pロート内部の材料が全て流下しきれずに途中で流下が止まってしまう状態をいうものである。
◎・・Pロート値が10±2(秒)で、混練直後から45分経過後のPロート値の変化量が2秒以下
○・・Pロート値が10±2(秒)で、混練直後から45分経過後のPロート値の変化量が2秒を越えて、3.5秒以下
×・・Pロート値が10±2(秒)範囲外及び/又は混練直後から45分経過後のPロート値の変化量が3.5秒を超える
このように、実施例の半たわみ性舗装注入材モルタルは、プレミクスモルタル製品の製造時の二酸化炭素排出量を0.03CO2−kg/kg以上削減することができるとともに、半たわみ性舗装注入材モルタルが本来所望される流動性及び流動保持性(良好なハンドリングタイム・作業性)に優れるものである。
早強セメント、低炭素材料及び乾燥珪砂等を均一に混合し、各セルフレベリング材プレミクス製品を調製した。
以下の表16及び表17には、セルフレベリング材プレミクス製品中、CO2排出量の多い早強セメント、砂、低炭素材料についての配合割合を示すとともに、該プレミクス製品製造時のCO2排出量を、該早強セメント、砂、低炭素材料について計算し、その結果も表16及び表17に示す。
具体的には、上記各実施例及び比較例で得られた各セルフレベリング材モルタルを用いて、材齢28日の硬化体を製造した。得られた各硬化体を3%硫酸ナトリウム溶液に浸漬して、浸漬前、7日浸漬後、90日浸漬後、1年浸漬後の圧縮強度の経時変化を測定した。
その結果を表18に示す。
即ち、セルフレベリング材は、建築構造物の床面を流し込むだけで平坦に仕上げる床材料であり、特に広大な酸性泉室の温泉施設の床施工に適用するためのセルフレベリング材として期待されており、そのため酸性の湯水にレベリング材が腐食されないことが重要である。従って、セルフレベリング材は、酸性温泉水に相当する3%硫酸ナトリウム溶液に、各モルタル硬化体を浸漬した場合に、圧縮強度が1年経た後であっても20N/mm2以上であれば、問題とはならず、かかる基準を満たすものを良好とした。
◎・・3%硫酸ナトリウム溶液に、モルタル硬化体を浸漬した場合に、圧縮強度が1年経た後であっても23N/mm2以上
○・・3%硫酸ナトリウム溶液に、各モルタル硬化体を浸漬した場合に、圧縮強度が1年経た後であっても20N/mm2以上で23N/mm2未満
×・・3%硫酸ナトリウム溶液に、各モルタル硬化体を浸漬した場合に、圧縮強度が1年経た後には20N/mm2未満
このように、実施例のセルフレベリング材は、プレミクスモルタル製品の製造時のCO2排出量を0.03CO2−kg/kg以上削減することができるとともに、セルフレベリング材が本来所望される化学抵抗性に優れるものである。
Claims (9)
- プレミクスモルタル製品中、セメントと、低炭素性材料が少なくとも2種以上配合されてなる低炭素複合材とを、質量比が97:3〜70:30の配合で含有することにより、該プレミクスモルタル製品の製造時の二酸化炭素排出量を、低炭素材料を含まないプレミクス製品製造時の二酸化炭素排出量と比較して0.03CO2−kg/kg以上削減することを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項1記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、低炭素性複合材を構成する低炭素材料は、二酸化炭素排出量が0.3kg/kg以下であることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項2記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、前記低炭素材料は、シラス、シラスバルーン、ガラスバルーン、バイオマスボイラ灰、フライアッシュ、シリカフューム、硫酸リチウム、ギ酸カルシウム、高性能減水剤及び高炉スラグからなる群より選ばれることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項1〜3いずれかの項記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品は、早強性注入モルタル、超速硬性注入モルタル、断面修正材、半たわみ性舗装注入材及びセルフレベリング材からなる群より選ばれる用途のプレミクスモルタル製品であることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項4記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品が早強性注入モルタル用プレミクス製品で、セメントが早強セメント、低炭素性複合材がシラスバルーン、バイオマスボイラ灰、シリカフューム、硫酸リチウム及び高性能減水剤からなることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項4記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品が超速硬性注入モルタル用プレミクス製品で、セメントが超速硬性セメント、低炭素性複合材がシラスバルーン、フライアッシュ及び高性能減水剤からなることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項4記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品が断面修正材プレミクス製品で、低炭素性複合材がシラス、シラスバルーン及び高性能減水剤からなることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項4記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品が半たわみ製舗装注入材プレミクス製品で、低炭素性複合材がシラスバルーン、バイオマスボイラ灰、フライアッシュ及び高性能減水剤からなることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
- 請求項4記載のプレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法において、プレミクスモルタル製品がセルフレベリング材プレミクス製品で、低炭素性複合材がシラス、シラスバルーン、シリカフューム及び高性能減水剤からなることを特徴とする、プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量の削減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010078119A JP5712497B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010078119A JP5712497B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011207686A true JP2011207686A (ja) | 2011-10-20 |
JP5712497B2 JP5712497B2 (ja) | 2015-05-07 |
Family
ID=44939174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010078119A Active JP5712497B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5712497B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013220973A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Nippo Corp | セメント組成物 |
JP2014148428A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 長期高強度発現性及び高ひび割れ抵抗性を有する低炭素型3成分混合系結合材及び当該結合材を用いたコンクリート |
JP2021116193A (ja) * | 2020-01-22 | 2021-08-10 | 太平洋セメント株式会社 | セメント用混合材、およびセメント組成物 |
CN116553874A (zh) * | 2023-05-24 | 2023-08-08 | 中建西部建设北方有限公司 | 一种高性能低碳砂浆及其制备方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11140443A (ja) * | 1997-11-06 | 1999-05-25 | Taiheiyo Cement Corp | 高含水土の脱水固化方法及び脱水型固化材 |
JP2001294471A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-23 | Maeta Techno Research Inc | 籾殻灰等を含有するセメント組成物 |
JP2002087867A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-03-27 | Nissan Chem Ind Ltd | セメント材料の製造方法 |
JP2005213085A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Toden Kogyo Co Ltd | 超軽量モルタル |
JP2009113296A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Daiwa-Cres Co Ltd | 高炉スラグ微粉末を結合材の主成分とするプレキャストコンクリート製品の製造方法 |
JP2009132545A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Taiheiyo Cement Corp | セメントプレミックス製品 |
-
2010
- 2010-03-30 JP JP2010078119A patent/JP5712497B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11140443A (ja) * | 1997-11-06 | 1999-05-25 | Taiheiyo Cement Corp | 高含水土の脱水固化方法及び脱水型固化材 |
JP2001294471A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-23 | Maeta Techno Research Inc | 籾殻灰等を含有するセメント組成物 |
JP2002087867A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-03-27 | Nissan Chem Ind Ltd | セメント材料の製造方法 |
JP2005213085A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Toden Kogyo Co Ltd | 超軽量モルタル |
JP2009113296A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Daiwa-Cres Co Ltd | 高炉スラグ微粉末を結合材の主成分とするプレキャストコンクリート製品の製造方法 |
JP2009132545A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Taiheiyo Cement Corp | セメントプレミックス製品 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013220973A (ja) * | 2012-04-17 | 2013-10-28 | Nippo Corp | セメント組成物 |
JP2014148428A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 長期高強度発現性及び高ひび割れ抵抗性を有する低炭素型3成分混合系結合材及び当該結合材を用いたコンクリート |
JP2021116193A (ja) * | 2020-01-22 | 2021-08-10 | 太平洋セメント株式会社 | セメント用混合材、およびセメント組成物 |
JP7514054B2 (ja) | 2020-01-22 | 2024-07-10 | 太平洋セメント株式会社 | セメント用混合材、およびセメント組成物 |
CN116553874A (zh) * | 2023-05-24 | 2023-08-08 | 中建西部建设北方有限公司 | 一种高性能低碳砂浆及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5712497B2 (ja) | 2015-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5165873B2 (ja) | 鉄筋継手用充填材を用いた鉄筋継手充填施工方法 | |
JP2016121030A (ja) | 繊維補強セメント複合材及びその製造方法 | |
JP2015124136A (ja) | 初期及び長期高強度発現性及び高ひび割れ抵抗性を有するコンクリート組成物及び当該組成物を用いたコンクリート体 | |
TWI624445B (zh) | 水泥組成物 | |
JP5712497B2 (ja) | プレミクスモルタル製品製造時の二酸化炭素排出量削減方法 | |
JP2011136863A (ja) | 超高強度グラウト組成物 | |
JP5650925B2 (ja) | 高強度セメント組成物及び高強度セメント質硬化体 | |
JP2012153577A (ja) | 自己修復コンクリート混和材、その製造方法及び該混和材を用いた自己修復コンクリート材料 | |
JP5534932B2 (ja) | プレミックスモルタル組成物及びプレミックス無収縮モルタル組成物 | |
JP6296600B2 (ja) | プレミックスグラウト組成物 | |
JP2019142732A (ja) | 水硬性組成物及びコンクリート | |
JP2006282435A (ja) | 高強度コンクリート | |
JP3806420B2 (ja) | シラスを用いた低強度モルタル充填材 | |
JP5709046B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2018035007A (ja) | モルタル又はコンクリートの表面の黒色化防止方法 | |
JP4617073B2 (ja) | 急硬性材料及び急硬性セメント組成物 | |
JP6730065B2 (ja) | 耐凍害性を有する高強度コンクリートの打設方法 | |
JP5169368B2 (ja) | 自己治癒性水和硬化物及び低反応活性セメント材料 | |
JP6626363B2 (ja) | 無収縮グラウト組成物 | |
JP6300734B2 (ja) | 高強度セメント混和材およびコンクリート製品の製造方法 | |
JP6312298B2 (ja) | 速硬コンクリート及びその製造方法 | |
JP7333019B2 (ja) | セメント組成物、及び、セメント硬化体の製造方法 | |
JP2018162171A (ja) | コンクリート用耐久性改善剤、およびコンクリート | |
JP6983523B2 (ja) | セメント組成物 | |
JP2004315240A (ja) | 水硬性組成物及び高強度コンクリート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120816 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130620 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130702 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130722 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140203 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140827 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141127 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150210 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150223 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5712497 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |