JP6730065B2 - 耐凍害性を有する高強度コンクリートの打設方法 - Google Patents

耐凍害性を有する高強度コンクリートの打設方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐凍害性を有する高強度コンクリート(以下「耐凍害性高強度コンクリート」とも言う)の打設方法に関する。本明細書における耐凍害性を有する高強度コンクリート(耐凍害性高強度コンクリート)とは、フライアッシュの添加による強度の向上と、微細気泡の連行による耐凍害性の向上とを、高い水準で両立させたコンクリート硬化体を形成可能なコンクリートのことを言うものとする。
火力発電所の微粉炭燃焼ボイラから副産品として大量に産出されるフライアッシュは、セメント混和材として用いた場合に、コンクリート組織が緻密化して強度(特には長期強度)が増大し、粒径が球形であるため、ボールベアリング効果にてフレッシュ性状についても改善する。このため、フライアッシュを含むセメント材(以下「フライアッシュセメント」とも言う)を用いた高強度コンクリートが、ダムや橋梁等のマスコンクリート構造物等を中心に、様々なコンクリート構造物に広く用いられている(特許文献1参照)。
ここで、例えば、マスコンクリート構造物の代表例たるダムは、寒冷地に建設されることが多い。この場合、上記の高強度コンクリートには、上記の強度の高さに加えて、耐凍害性にも優れるコンクリートであることが求められる。
コンクリートの耐凍害性については、コンクリート中に適切な空気量の範囲で適切な粒径の微細な気泡を形成することにより、耐凍害性に優れるコンクリートとすることができることが知られている(非特許文献1参照)。又、そのような気泡をコンクリート内に形成する方法として、例えば、AE剤又はAE減水剤をフレッシュコンクリートに混入することによって、コンクリート内の微細気泡の径を0.25mm以下程度に調整する方法も開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、フライアッシュセメントを用いた高強度コンクリートを寒冷地において用いる場合には、フライアッシュが、AE剤又はAE減水剤を吸着してしまうことにより、耐凍害性を向上させるための微細な気泡の安定的な形成が阻害されてしまうことが問題となっていた。これは、フライアッシュ中に含まれる未燃炭素とAE剤等との吸着によるものと考えられている。この場合においては、セメント材として普通セメントを用いた場合と比較して、大量のAE剤等を添加しないと同等の耐凍害性能を担保できず、一方で、AE剤等の大量添加は、安定的な気泡形成が困難な状態において結果的に空気量が過大となりコンクリートの強度低下を引き起こすリスクもあった。
特開平9−25143号公報 特開平10−259050号公報
コンクリート工学論文集 第23巻第1号 2012年1月 コンクリートの気泡組織と耐凍害性の関係に関する考察
本発明は、フライアッシュセメントを用いた高強度コンクリートを、寒冷地等において用いる場合において、コンクリートの強度を損なわずに、当該コンクリートの耐凍害性を十分に向上させることができるコンクリートの打設方法を提供することを課題とする。
本発明者は、フライアッシュセメントを含有するフレッシュコンクリートに、微細気泡を連行するためのへのAE剤等の添加を、コンクリート工場でこれをプレミックスする方法に替えて、微細気泡を内包するムース状泡塊を、コンクリート打設現場において、打設直前に、フレッシュコンクリートに混錬添加する方法によって行うことにより、上記の高強度コンクリートの耐凍害性を、安定的に向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は具体的には、以下の各方法等を提供する。
(1) 耐凍害性を有する高強度コンクリートの打設方法であって、フライアッシュを含有するセメント材と、骨材と、水とを含んでなるフレッシュコンクリート材料をコンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬し搬入する工程と、上記搬入後前記コンクリート打設現場において、前記フレッシュコンクリート材料に、微細気泡を内包するムース状泡塊を添加混練して打設用フレッシュコンクリートを得る工程と、前記打設用フレッシュコンクリートを前記コンクリート打設現場内の打設地点に打設する工程と、を行うコンクリートの打設方法。
(1)の発明によれば、フライアッシュセメントを含有する高強度コンクリート用のフレッシュコンクリートの強度を確実に保持したまま、耐凍害性を安定的に向上させることができる。これにより、フライアッシュセメントを含有する高強度コンクリートからなるコンクリート硬化体の強度及び耐凍害性に係る品質安定性を著しく向上させることができる。
(2) 前記骨材がアルカリ骨材反応性を有する骨材である(1)に記載のコンクリートの打設方法。
(2)の発明によれば、フライアッシュの優れた耐アルカリ骨材性能により、寒冷地等において、アルカリ骨材反応を有する骨材の使用をせざるを得ない状況下であっても、尚、(1)の発明の効果を安定的に享受することができる。
(3) 前記コンクリート製造現場がそれぞれ異なる場所に存在する複数の製造プラントからなる(1)又は(2)に記載のコンクリートの打設方法。
(3)の発明によれば、フレッシュコンクリートが複数の製造プラントから搬入される場合においても、最終的に打設する直前のフレッシュコンクリートにおける微細気泡の形成を安定的に制御することができる。これにより、フレッシュコンクリートの製造現場とコンクリート打設現場を結ぶコンクリート運搬、搬入経路の組合せに多大なフレキシビリティが生まれる。これにより、(1)又は(2)の発明の実施に際するフレッシュコンクリートの製造現場とコンクリート打設現場間の地理的制約を解消して、経済性の面でもより有利な形で(1)又は(2)の発明の享受することができる可能性が著しく拡大する。
(4) 前記コンクリート製造現場から前記コンクリート打設現場までの前記フレッシュコンクリート材料の運搬距離が5km以上である(1)から(3)のいずれかに記載のコンクリートの打設方法。
(4)の発明によれば、コンクリート製造現場から前記コンクリート打設現場までの搬送距離が一定以上の長距離となる場合であっても、(1)から(3)のいずれかの発明の実施に際するフレッシュコンクリートの製造現場とコンクリート打設現場間の地理的制約を解消して、その効果を、安定的に享受することができる。特にコンクリート打設現場の近辺にコンクリート製造現場を確保することが困難である山間部等での施工において有利な効果を発揮する。
(5) 前記コンクリート打設現場が、年間最低気温が−5℃以下の寒冷地である(1)から(4)のいずれかに記載のコンクリートの打設方法。
(5)の発明によれば、年間最低気温が所定温度以下の寒冷地である施工現場においても、(1)から(4)のいずれかの発明の奏する効果を、安定的に享受することができる。これにより、寒冷地における巨大ダムの建設等において特段有利な効果を享受することができる。
以上の通り、本発明によれば、フライアッシュセメントを用いた高強度コンクリートを、寒冷地等において用いる場合において、コンクリートの強度を損なわずに、当該コンクリートの耐凍害性を十分に向上させることができるコンクリートの打設方法を提供することができる。
本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法の実施態様を示すチャート図である。 本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法により形成可能な耐凍害性高強度コンクリート硬化体の耐凍害性に係る試験結果を示すグラフ図である。 本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法により形成可能な耐凍害性高強度コンクリート硬化体におけるアルカリ骨材反応の抑制に係る試験結果を示すグラフ図である。 本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法により形成可能な耐凍害性高強度コンクリート硬化体の強度に係る試験結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<耐凍害性高強度コンクリート>
本明細書においては、フライアッシュを含有するセメント材(フライアッシュセメント)を結合材として用いたものであり、尚且つ、直径0.01mm以上0.3mm以下の微細気泡の量が0.2体積%以上のコンクリート硬化体のことを「耐凍害性高強度コンクリート硬化体」と言うものとする。又、この耐凍害性高強度コンクリート硬化体を形成することができるフレッシュコンクリートのことを「耐凍害性高強度コンクリート」と言うものとする。
[耐凍害性高強度コンクリート]
本発明における耐凍害性高強度コンクリートは、フライアッシュセメントを用いたフレッシュコンクリートであって、微細気泡の量が、0.2体積%以上のコンクリート硬化体を形成するために、打設時におけるフレッシュコンクリートの空気量が、3.5%以上6.0%以下であることが好ましい。尚、フレッシュコンクリートにおける気泡部の体積比等を測定する方法については、水中を上昇した気泡による浮力の経時変化より解析を行う浮力法等の従来公知の方法を採用することができる。
(セメント材)
耐凍害性高強度コンクリートにおいて結合剤としては、フライアッシュを含有するセメント材(フライアッシュセメント)を用いる。セメント材中のフライアッシュの含有量は、特に限定されないが、セメントの内割りにて5重量%以上30重量%以下であることが好ましい。又、本発明で使用するフライアッシュは、JIS A 6201に記載のあるコンクリート用フライアッシュI種、II種、III種、及びIV種であることが好ましいが、特段の限定はなく、通常原粉と称される粗粒分も含んだフライアッシュ、及びシンダーアッシュをも含めた、所謂広い意味での石炭灰全般を用いることもできる。フライアッシュのブレーン値は、2,500〜10,000cm/gが好ましく、3,500〜6,500cm/gがより好ましい。2,500cm/g未満では、コンクリートの初期強度が不十分となる可能性があり、10,000cm/gを超えると、強度の向上率が乏しくなり、又、コンクリートに粘性が生じ、打設時の圧送にかかる負荷が大きくなる点で不利となるからである。
(骨材)
本発明で使用する骨材は、通常のコンクリートに使用されている砂、砂利、砕石等の普通骨材、及びフライアッシュ、抗火石、膨張頁岩等を主原料とした人工骨材等を、特に限定なく用いることができる。特に、結合材に必須の成分として含有されるフライアッシュが優れた耐アルカリ骨材性能を持つことにより、寒冷地等において、安山岩、チャート等、アルカリ骨材反応を引き起こす骨材を選択せざるを得ない状況下であっても、尚、本発明の上記効果を安定的に享受することができる。
(ムース状泡塊)
微細気泡を内包するムース状泡塊は、起泡剤溶液と圧縮空気とを気液混合して作製することができる。起泡剤溶液は、少なくとも空気連行剤、カプセル基剤、及び水を含み、更に抑泡剤を含んでいてもよい。
起泡剤溶液に含まれる空気連行剤としては、(1)脂肪酸石鹸、アルケニルコハク酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、天然油脂の硫酸化物の塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル等のポリオキシアルキレン基を有する非イオン界面活性剤、(3)ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート等の多価アルコール部分エステル型の非イオン界面活性剤、(4)アルキルジメチルベタイン、アルキルイミダゾリンのベタイン化合物等の両性界面活性剤、(5)アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩等のカチオン界面活性剤等が挙げられる。中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
起泡剤溶液に含まれるカプセル基剤としては、(1)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子、(2)ゼラチン、カゼイン、でんぷん、グアーガム、キサンタンガム等の天然高分子、(3)メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、可溶性でんぷん、アルギン酸塩等の半合成高分子等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール、メチルセルロースが好ましい。
起泡剤溶液に含まれる抑泡剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系抑泡剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系抑泡剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系抑泡剤、シリコーン系抑泡剤等が挙げられる。中でも、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系抑泡剤が好ましい。
上記の各成分(空気連行剤、及び、カプセル基剤、場合により更に抑泡剤)の含有量を調整した起泡剤溶液を、圧縮空気と混合することにより、所望の性質を有するムース状泡塊を作製することができる。
(配合比)
耐凍害性高強度コンクリートの配合比については、結合材としてフライアッシュセメントを用いたフレッシュコンクリートであって、上記のムース状泡を混錬することにより、微細気泡が連行可能な配合である限りは、特段限定されず、コンクリート硬化体となった時点で要求される用途や品質を考慮して適宜設定すればよい。具体的には、水セメント比40〜60%、細骨材率(s/a)20〜60%、単位水量110〜185kg/m、単位セメント材量210〜450kg/m、単位細骨材量450〜1000kg/mの範囲を、コンクリート製造現場で調合する「フレッシュコンクリート材料」の好ましい配合例として例示することができる。
但し、本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法においては、上記の「ムース状泡塊」を用い、これを、打設直前にコンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬してきた「フレッシュコンクリート材料」に添加し混錬することによって「打設用フレッシュコンクリート」を得る。
尚、微細気泡を形成するための添加剤の添加をコンクリート打設現場においてのみ行うことも可能ではあるが、一般的なAE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等の混和剤は、最終的な打設直前における空気量が過剰となることがないような範囲で、予め適量をフレッシュコンクリート段階で添加しておくことが好ましい。その上で、打設直前に、最終的な空気量の微調整を「微細気泡を内包するムース状泡塊」の添加によって行うことにより、空気量が過剰となることによる強度低下のリスクを回避し、耐凍害性高強度コンクリート硬化体の品質安定性を高めることができる。又、相対的に高価な「微細気泡を内包するムース状泡塊」の使用量を必要最小限の適量に抑えながら、本発明の効果を十分に享受できるため、経済性の面においてもこのような実施態様とすることがより好ましい。
[耐凍害性高強度コンクリート硬化体]
耐凍害性高強度コンクリート硬化体は、上記のフレッシュコンクリートを硬化させて得ることができる。耐凍害性高強度コンクリート硬化体は、セメント内に多数の気泡部が分散形成された所謂気泡コンクリートである。尚、コンクリート硬化体の気泡間隔係数は、0.4mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.2mm以下である。気泡間隔係数を上記範囲とすることによって、耐凍害性高強度コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性を更に向上させることができる。耐凍害性高強度コンクリート硬化体における気泡部の体積比や気泡間隔係数等を測定する方法については、例えば、公知の方法である「ASTM C457 硬化コンクリートの気泡パラメータの顕微鏡による測定方法」等によることができる。
<耐凍害性高強度コンクリートの打設方法>
従来の一般的なフレッシュコンクリートの調合から打設までのプロセスは、以下の通りである。先ずフレッシュコンクリートの調合は、主として、生コン工場等の製造プラント即ち「コンクリート製造現場」で行われる。そして、調合されたフレッシュコンクリートは、アジテータ車によって「コンクリート打設現場」まで運搬される。そして、「コンクリート打設現場」に到着した調合済のフレッシュコンクリートは、当該現場において、何らかの圧送手段により、「打設地点」まで搬送されて打設される。フライアッシュを含有する高強度フレッシュコンクリートについても、従来はこの方法によって調合から打設までのプロセスが実施されていた。
これに対して、本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法は、従来、「コンクリート製造現場」で行われていたフレッシュコンクリートの調合の一部、具体的にはフレッシュコンクリート内に必要な空気を連行するための処理を、「コンクリート打設現場」において、打設直前に「微細気泡を内包するムース状泡塊」を添加混錬する方法によって行う点に特徴がある。以下、図1を参照しながら、本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法の実施態様と各工程の詳細について説明する。
[フレッシュコンクリート材料1をコンクリート製造現場S1からコンクリート打設現場S2に運搬(st1)し搬入(st2)する工程]
フレッシュコンクリート材料1のコンクリート製造現場S1からコンクリート打設現場S2への運搬(st1)及び搬入(st2)は、従来、広範に使用されているアジテータ車によって行うことができる。このアジテータ車は、生コンクリートを撹拌しながら輸送することができる、荷台部分にミキシング・ドラムを備えた貨物自動車であり、その機能に大きな差はないが、最大積載量2〜11t級のものがあり、用途に応じて使い分けられている。
本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法は、打設用フレッシュコンクリート3の最終的な調合を、コンクリート製造現場S1ではなくコンクリート打設現場S2で行うプロセスであるため、コンクリート製造現場S1が、それぞれ異なる場所に存在する複数の製造プラントからなる場合であっても、複数のコンクリート製造現場毎のフレッシュコンクリートの配合比のばらつきを、打設直前の最終的な調合段階で解消することが可能であり、これにより、打設用フレッシュコンクリート3の品質安定性を維持することができる。
又、本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法は、AE剤等をコンクリート製造現場で予め調合したフレッシュコンクリートをコンクリート打設現場まで運搬する場合と異なり、運搬中にフレッシュコンクリート材料1の気泡含有量が減少或いは消失するリスクがない。よって、長距離の運搬が必要となる場合に特に有利な方法でもある。
[コンクリート打設現場S2において、フレッシュコンクリート材料1に、微細気泡を内包するムース状泡塊2を添加混練して打設用フレッシュコンクリート3を得る工程]
運搬(st1)により、コンクリート打設現場S2に搬入(st2)されたフレッシュコンクリート材料1に、ムース状泡塊2を添加(st3)し、これらを混錬(st4)することによって、耐凍害性において優れた効果を発現する微細気泡が分散形成された打設用フレッシュコンクリート3を得ることができる。ムース状泡塊2は、フレッシュコンクリート材料1、1mあたり0.1kg以上20kg以下の割合となるように混合することが好ましく、1kg以上5kg以下となるように混合することがより好ましい。
[(打設用フレッシュコンクリート3をコンクリート打設現場S2内の打設地点SP1に打設する工程]
上記工程で得た打設用フレッシュコンクリート3を、コンクリート打設現場S2内において、何らかの搬送手段により、当該現場内の打設地点SP1まで搬送してこれを打設(st5)する。打設用フレッシュコンクリート3は打設(st5)されて所望のコンクリート硬化体とされる。打設(st5)は従来公知の手法により行うことができ、例えば、予め離型剤を塗布した型枠に打設した後、蒸気養生することによりコンクリート硬化体を得ることができる。
本発明の耐凍害性高強度コンクリートの打設方法は、フライアッシュセメントを用いた高強度コンクリートでありながら、尚且つ、耐凍害性にもおいても優れたコンクリート硬化体の形成が可能であるため、打設現場S2が、年間最低気温が−5℃以下の寒冷地(建築学会JASS5基準)である場合に、更には、当該現場におけるマスコンクリート構造物の建設等において特段に有利な効果を発揮するものである。
以下、本発明の耐凍害性高強度フレッシュコンクリートの打設方法について、実施例を示して詳細に説明する。尚、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(打設用フレッシュコンクリート材料の調合)
実施例及び比較例の打設用フレッシュコンクリートとして、以下に説明する各材料を用いて、下記の表1の組成の通りの調合を行ったものを用いた。空気量に関しては、実施例及び比較例1ではAE剤にて3.5%の空気を連行した後、現場到着時を想定し、ムース状泡塊(Ad1)にて1.0%分の空気を後添加した。又、各フレッシュコンクリート材料のスランプ値は8cmとなるように調整した。尚、表1中、ムース状泡塊(Ad1)の配合比は、コンクリート打設現地到着時点でのフレッシュコンクリート材料全体に対する体積比(%)を示し、AE減水剤(Ad2)及びAE剤(Ad3)の配合比は、セメント(下記のセメント材1又はセメント材2)に対する体積比(%)を示すものである。
水(W):上澄水,密度:1.00g/cm
セメント材1(FB):フライアッシュセメントB種、密度:2.85g/cm
セメント材2(OPC):普通ポルトランドセメント、密度:3.16g/cm
細骨材(S):砕砂 表乾密度2.65g/cm(2.5mm以下)、粗粒率2.67
粗骨材(G):砕石 20mm〜5mm、表乾密度:2.65g/cm、実積率:60.0
ムース状泡塊(Ad1):プレフォーム型AE剤(MACリート、(ミルコン社製))
AE減水剤(Ad2):(主成分:リグニンスルホン酸塩とオキシカルボン酸塩)
AE剤(Ad3):(主成分:変性ロジン酸化合物系陰イオン界面活性剤)
Figure 0006730065
(耐凍害性に関する試験)
実施例及び比較例の各打設用フレッシュコンクリートについて、耐凍害性に係る性能を検証するために、凍結融解抵抗性に関する試験をJIS A 1148−A法に従って実施した。凍結融解サイクルと相対動弾性係数の関係を図2に示す。普通ポルトランドセメントを用い、ムース状泡塊を後添加した比較例1の凍結融解抵抗性が最も高く、普通ポルトランドセメントに通常のAE剤を用いた比較例4と、フライアッシュセメントにムース状泡塊を後添加した実施例のケースの相対動弾性係数は同程度の値であった。普通ポルトランドセメントに通常のAE剤を用いたものでは,300サイクルの相対動弾性係数で65%となった。フライアッシュセメントに通常のAE剤を使用したケースでは,240サイクル時点で相対動弾性係数の測定が不能となり,所定の凍結融解抵抗性を満足しない結果となった。
(アルカリ骨材反応の抑制に関する試験)
実施例及び比較例の各打設用フレッシュコンクリートについて、アルカリ骨材反応に対する抑制効果を検証するために、アルカリシリカ反応性に関する試験を、コンクリート法(JCI AAR−3(1987))に従って実施した。促進期間と膨張率の関係を図3に示す。普通ポルトランドセメントを用いた比較例1及び比較例4では、膨張率が0.1%以上となり、アリカリシリカ反応性を有するものとして判断された。フライアッシュセメントを用いた実施例、比較例2及び比較例3については、いずれも26週で、膨張率0.1%以下となり、アルカリシリカ反応性としては問題ないものと判定された。
(圧縮強度に関する試験)
実施例及び比較例の各打設用フレッシュコンクリートについての、材齢28日における圧縮強度の試験結果を図4に示す。AE剤により空気量を6.5%とした比較例3において、強度低下が著しく、他の例と比較して10%程度、強度が低下することが確認された。
実施例及び比較例の各打設用フレッシュコンクリートについて、上記各試験結果に関する評価結果を下記表2に示す。年間最低気温が−5℃以下の寒冷地(建築学会JASS5基準)において使用する耐凍害性高強度コンクリートとして合格品と判断できる項目は「○」、不合格と判断した項目については「×」を記した。
Figure 0006730065
以上の結果より、本発明によれば、フライアッシュセメントを用いた高強度コンクリートを、寒冷地等において用いる場合において、コンクリートの強度を損なわずに、当該コンクリートの耐凍害性を十分に向上させることができることが分かる。
1 フレッシュコンクリート材料
2 ムース状泡塊
3 打設用フレッシュコンクリート
S1 コンクリート製造現場
S2 コンクリート打設現場

Claims (6)

  1. 耐凍害性を有する高強度コンクリートの打設方法であって、
    フライアッシュを含有するセメント材と、骨材と、水とを含んでなるフレッシュコンクリート材料をコンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬し搬入する工程と、
    上記搬入後に、前記コンクリート打設現場において、前記フレッシュコンクリート材料に、微細気泡を内包するムース状泡塊を添加混練することによって、打設時における空気量が3.5%以上6.0%以下となる打設用フレッシュコンクリートを得る工程と、
    前記打設用フレッシュコンクリートを前記コンクリート打設現場内の打設地点に打設する工程と、を行うコンクリートの打設方法。
  2. 前記ムース状泡塊が、高分子のカプセル基剤を含有する、請求項1に記載のコンクリートの打設方法。
  3. 前記骨材がアルカリ骨材反応性を有する骨材である請求項1又は2に記載のコンクリートの打設方法。
  4. 前記コンクリート製造現場がそれぞれ異なる場所に存在する複数の製造プラントからなる請求項1から3のいずれかに記載のコンクリートの打設方法。
  5. 前記コンクリート製造現場から前記コンクリート打設現場までの前記フレッシュコンクリート材料の運搬距離が5km以上である請求項1からのいずれかに記載のコンクリートの打設方法。
  6. 前記コンクリート打設現場が、年間最低気温が−5℃以下の寒冷地である請求項1からのいずれかに記載のコンクリートの打設方法。
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