JP2018171833A - 高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法 - Google Patents

高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法 Download PDF

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大輔 木元
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Abstract

【課題】施工現場において、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを用いて、速硬性で、硬化するまでの流動性に優れ、かつ硬化後は凍結融解抵抗性等の耐久性に優れたモルタル硬化体またはコンクリート硬化体を製造することができる高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法を提供する。【解決手段】セメントを含むレディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを施工現場まで運搬し、前記セメントがゲル化する前に、前記レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、前記セメント100質量部に対して10質量部以上60質量部以下の範囲の量の速硬性混和材と、前記セメントと前記速硬性混和材との合計量100質量部に対して0.2質量部以上1.9質量部以下の範囲の量の吸水性ポリマー粒子とを添加して、混合する高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法に関する。
道路や橋などのコンクリート構造物(コンクリート床版、桁、コンクリート床版間の間詰め、壁高欄、橋台、橋脚等)の補修工事は、時間的制約を受ける。このため、セメントの硬化時間を短く、かつ短時間で高い強度を発現させるための速硬材(急硬材ともいう)や凝結調整剤(凝結遅延剤ともいう)を含む超速硬性セメント(例えば、商品名として「ジェットセメント」が挙げられる)を、滑材や水などと施工現場で練り混ぜて、速硬性コンクリートを調製することが行われている。この速硬性コンクリートの調製には、特殊な練り混ぜ装置および材料(超速硬セメント、骨材、水など)を積載した専用のバッチャープラント車が用いられる。しかしながら、バッチャープラント車1台で製造できる速硬性コンクリートの量は2〜3m程度であり、大規模の補修工事に対応するためには、複数台のバッチャープラント車が必要となり、コストが高くなるという課題がある。
このため、速硬材を含まないセメントを用いたレディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを生コンクリート工場で製造し、これを施工現場まで運搬し、そのレディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、速硬材や凝結調整剤あるいはこれらの混合物(速硬性混和材)を添加して、混合する方法が検討されている。
特許文献1には、ポルトランドセメントを用い、急硬性成分を含まないレディーミクストモルタルまたはレディーミクスコンクリートを施工現場まで運搬し、セメントがゲル化する前に、液状の凝結遅延剤を投入した後、セメント急硬材を混和することが記載されている。
また、特許文献2には、レディーミクストモルタルまたコンクリートに、凝結遅延剤及び急硬材として、固体の凝結遅延剤と急硬材とを混合粉砕して得られたブレーン値4500〜6000cm/gの混合物(速硬性混和材)を、二軸式連続練りミキサを用いて混練することが記載されている。
特公昭62−33049号公報 特開平7−24827号公報
レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートなどのレディーミクストセメント組成物を施工現場まで運搬し、速硬材や凝結調整剤あるいはこれらの混合物(速硬性混和材)を添加して、混合する方法は、比較的安価装置を用いて実施することができる。また、速硬材や凝結調整剤の材料や配合量によって、硬化するまでの流動性を保持する時間(可使時間)を調整することが可能となる。このため、多量のモルタルまたはコンクリートを必要とする大規模の補修工事においては有効な方法である。
しかしながら、本発明者の検討によると、レディーミクストモルタルおよびレディーミクストコンクリートに速硬性混和材を添加、混合して得た速硬性モルタルおよび速硬性コンクリートを硬化させたモルタル硬化体およびコンクリート硬化体は、微細な気泡(エントレインドエア)が減少することが判明した。モルタル硬化体やコンクリート硬化体は、気泡が減少し、空気量が少なくなると、凍結融解抵抗性等の耐久性が低下するという問題がある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、施工現場において、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを用いて、速硬性で、硬化するまでの流動性に優れ、かつ硬化後は凍結融解抵抗性等の耐久性に優れたモルタル硬化体またはコンクリート硬化体を製造することができる高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法は、セメントを含むレディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを施工現場まで運搬し、前記セメントがゲル化する(レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの流動性が失われる)前に、前記レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、前記セメント100質量部に対して10質量部以上60質量部以下の範囲の量の速硬性混和材と、前記セメントと前記速硬性混和材との合計量100質量部に対して0.2質量部以上1.9質量部以下の範囲の量の吸水性ポリマー粒子とを添加して、混合することを特徴としている。
このような構成とされた本発明の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法によれば、速硬性混和材を上記の量にて添加しているので、早期に硬化が進みかつ短時間で高い強度を発現させることができ、速硬性と硬化するまでの流動性とに優れたものとなる。また、吸水性ポリマー粒子を上記の量にて添加しているので、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの流動性を低減させずに、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に微細な気泡を形成することができ、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性等の耐久性を向上させることができる。
ここで、本発明の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法においては、前記速硬性混和材が、カルシウムアルミネートと石膏と凝結調整剤を含む組成物であることが好ましい。
この場合は、速硬性混和材が上記の構成の組成物とされているので、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの速硬性と硬化するまでの流動性とを確実に向上させることができる。
また、本発明の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法においては、前記吸水性ポリマー粒子が、吸水後の平均粒子径が10μm以上300μm以下の範囲となる粒子であることが好ましい。
この場合は、吸水性ポリマー粒子の吸水後の平均粒子径が上記の範囲とされているので、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に凍結融解抵抗性等の耐久性の向上に有効とされる気泡径が10〜300μmの微細な気泡(エントレインドエア)と同等サイズの気泡を形成することができ、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性等の耐久性を確実に向上させることができる。
本発明によれば、施工現場において、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを用いて、速硬性で、硬化するまでの流動性に優れ、かつ硬化後は凍結融解抵抗性等の耐久性に優れたモルタル硬化体またはコンクリート硬化体を製造することができる高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法は、セメントを含み、速硬材を含有しないレディーミクストセメント組成物を施工現場まで運搬する工程、前記セメントがゲル化する(レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの流動性が失われる)前に、前記レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、前記セメント100質量部に対して10質量部以上60質量部以下の範囲の量の速硬性混和材と、前記セメントと前記速硬性混和材との合計量100質量部に対して0.2質量部以上1.9質量部以下の範囲の量の吸水性ポリマー粒子とを添加して、混合する工程とを有している。
レディーミクストモルタルは、セメントと細骨材と水を含む組成物である。レディーミクストセメントコンクリートは、セメントと細骨材と粗骨材と水を含む組成物である。セメントとしては、ポルトランドセメントあるいは混合セメントを用いることができる。ポルトランドセメントとしては、普通、早強、中庸熱、白色の各種ポルトランドセメントを用いることができる。また、混合セメントとしては、フライアッシュセメント、高炉セメントを用いることができる。
レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートは、生コンクリート工場(バッチャープラント)で調製される。レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートは流動性が失われる時間が、例えば、20℃の温度で1時間以上、好ましくは1〜3時間の範囲となるように調整される。
レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートは、例えば、アジテータ車によって施工場所に搬送される。そして、施工場所において、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、速硬性混和材と吸水性ポリマー粒子とを添加して、混合する。混合装置としては、パン型強制練りミキサ、二軸式連続練りミキサなどのセメント組成物の調製用として使用されている公知のミキサを使用することができる。
本実施形態において用いる速硬性混和材は、カルシウムアルミネートと石膏と凝結調整剤を含む組成物である。
カルシウムアルミネートと石膏は、速硬材として作用する。すなわち、カルシウムアルミネートと石膏は、水に接したときにカルシウムイオンとアルミニウムイオンを溶出し、これらと石膏から溶出される硫酸イオンとを反応させて、針状結晶のエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)あるいはモノサルフェイト(3CaO・Al・CaSO・12HO)などの水和物を生成させることによって、セメント組成物の硬化時間を短くし、かつ初期強度発現性を向上させる作用を有する。
カルシウムアルミネートとしてじゃ、12CaO・7Al、11CaO・7Al・CaF及びCaO・Alからなる群より選択される一つ以上の組成を有し、ガラス化率が80%以上であるものを使用する。ガラス化率は、80%以上98%以下であることが好ましく、特に90%以上98%以下であることが好ましい。上記の組成とガラス化率とを有するカルシウムアルミネートは、カルシウムイオンとアルミニウムイオンの溶出速度が大きく、反応性が高いので、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの初期強度発現性を確実に向上させることが可能となる。
石膏は、無水石膏であることが好ましく、II型無水石膏であることが特に好ましい。無水石膏(特にII型無水石膏)は、カルシウムアルミネートとの反応性が高いので、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの初期強度発現性をより確実に向上させることが可能となる。
凝結調整剤は、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの凝結が開始するまでの時間を調整する作用、すなわちセメントの硬化時間を遅延させる作用を有する。凝結調整剤によって、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの硬化時間が遅延されることによって、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの可使時間を長くすることができ、その可使時間内のセメント組成物の流動性が向上する。
凝結調整剤としては、無機炭酸塩、オキシカルボン酸、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを用いることができる。これらの薬剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。これら薬剤によるセメントの硬化時間の遅延作用は、これらの薬剤が水に溶解し、カルシウムアルミネートから溶出したカルシウムイオンやアルミニウムイオンとキレート反応して、カルシウムアルミネートの表面に皮膜を形成することによって、カルシウムアルミネートからのカルシウムイオンやアルミニウムイオンの溶出が一時的に抑制されることにより発現すると考えられる。ただし、カルシウムアルミネートの表面に形成される皮膜は、極めて薄いため、比較的短時間で溶解して消失する。そして、この被膜が消失した後は、カルシウムアルミネートからのカルシウムイオン、アルミニウムイオンの再溶出が始まって、セメントの硬化反応が進行する。
無機炭酸塩は、アルカリ金属の炭酸塩あるいは炭酸水素塩であることが好ましい。無機炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウムが挙げられる。これらの無機炭酸塩は、1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を組合せて使用してもよい。オキシカルボン酸の例としては酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸が挙げられる。これらのオキシカルボン酸は、1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を組合せて使用してもよい。
凝結調整剤は、無機炭酸塩、オキシカルボン酸、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムのうちの2つ以上を組合せて使用することが好ましい。2つ以上の組合せは、無機炭酸塩、オキシカルボン酸およびアルミン酸ナトリウムの3つの組合せが好ましく、無機炭酸塩、オキシカルボン酸、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムの4つの組合せがより好ましい。
速硬性混和材のカルシウムアルミネートと無機硫酸塩と凝結調整剤の配合量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、無機硫酸塩が50質量部以上200質量部以下の範囲にあり、凝結調整剤が0.1質量部以上10質量部以下の範囲にあることが好ましい。
レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに対する速硬性混和材の添加量は、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリート中に含まるセメント100質量部に対する量として10質量部以上60質量部以下の範囲の量である。速硬性混和材の添加量が少なくなりすぎると、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの硬化時間を長くなり、初期強度発現性が低下するおそれがある。また、速硬性混和材の添加量が多くなりすぎると、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの硬化時間が短くなり、施工時間を十分に確保するのが困難となるとともに、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの流動性を指標するスランプあるいはフローが低下するおそれがある。また、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の空気量が少なくなり、凍結融解抵抗性等の耐久性が低下するおそれがある。
本実施形態において用いる吸水性ポリマー粒子は、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートに微細な気泡を形成する作用がある。すなわち、吸水性ポリマー粒子が水を含んだ状態のままモルタルまたはコンクリートが硬化して、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に吸水性ポリマー粒子が水を含んだ状態で取り込まれ、その後、吸水性ポリマー粒子が水を放出して収縮することによって、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体と吸水性ポリマー粒子との間に隙間(気泡)が形成される。
本実施形態において、吸水性ポリマー粒子は、吸水後の平均粒子径が10μm以上300μm以下の範囲とされている。この場合、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に取り込まれるときの吸水性ポリマー粒子の平均粒子径が10μm以上300μm以下の範囲となるので、凍結融解抵抗性等の耐久性の向上に有効とされる気泡(エントレインドエア)と同等サイズの気泡を、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に形成することができる。
吸水性ポリマー粒子は、自重の10倍以上の水を吸収・保持できものあることが好ましい。吸水性ポリマー粒子の材料としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
吸水性ポリマー粒子の添加量は、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリート中に含まるセメントと速硬性混和材との合計量100質量部に対する量として0.2質量部以上1.9質量部以下の範囲の量である。吸水性ポリマー粒子の添加量が少なくなりすぎると、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に形成される気泡が少なくなり、凍結融解抵抗性等の耐久性が十分に向上しないおそれがある。一方、吸水性ポリマー粒子の添加量が多くなりすぎると、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートの流動性を指標するスランプあるいはフローが低下するおそれがある。また、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の初期強度発現性が低下するおそれがある。
本実施形態において、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、速硬性混和材と吸水性ポリマー粒子とを添加する順序には、特に制限はない。速硬性混和材を先に添加して混合した後、吸水性ポリマー粒子を添加して混合してもよいし、吸水性ポリマー粒子を先に添加して混合した後、速硬性混和材を添加して混合してもよいし、速硬性混和材と吸水性ポリマー粒子とを同時に添加して混合してもよい。また、速硬性混和材と吸水性ポリマー粒子とを同時に添加する場合は、両者を予め混合して、レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに添加してもよい。
以上のような構成とされた本実施形態の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法によれば、速硬性混和材を前述の量にて添加しているので、早期に硬化が進みかつ短時間で高い強度を発現させることができ、速硬性と硬化するまでの流動性とに優れたものとなる。また、吸水性ポリマー粒子を前述の量にて添加しているので、高耐久速硬性モルタルやコンクリートの流動性を低減させずに、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に微細な気泡を形成することができ、そのモルタル硬化体またはコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性等の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法においては、速硬性混和材が、カルシウムアルミネートと石膏と凝結調整剤を含む組成物であるので、高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの速硬性と硬化するまでの流動性とを確実に向上させることができる。
さらに、本実施形態の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法においては、吸水性ポリマー粒子が、吸水後の平均粒子径が10μm以上300μm以下の範囲となる粒子とされているので、モルタル硬化体またはコンクリート硬化体の内部に凍結融解抵抗性等の耐久性の向上に有効とされる気泡径が10〜300μmの微細な気泡(エントレインドエア)と同等サイズの気泡を形成することができ、そのモルタル硬化体またはコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性等の耐久性を確実に向上させることができる。
以上、本発明の実施形態である高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、速硬性混和材及び吸水性ポリマー粒子と共に、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、防水剤、起泡剤、消泡剤、発泡剤、鉄筋コンクリート用防錆剤、水中不分離性混和材、保水剤、乾燥収縮低減剤、分離低減剤(増粘剤)、防凍・耐寒剤、再乳化粉末ポリマーなどの混和材やシリカフュームなどの各種混和材を添加してもよい。
以下に、本発明を、参考例、本発明例および比較例により説明する。
(使用材料)
参考例、本発明例および比較例にて使用した使用材料を、以下に示す。
i)セメント:普通ポルトランドセメント(三菱マテリアル社製)
ii)細骨材:山砂(千葉県君津産)、表乾密度2.62g/cm、吸水率1.68質量%
iii)粗骨材:硬質砂岩砕石2010(埼玉県両神産、表乾密度2.71g/cm、吸水率0.54質量%)と硬質砂岩砕石1505(埼玉県両神産 、表乾密度2.70g/cm、吸水率0.78質量%)を容積比で6:4の割合で混合したもの
iv)AE減水剤:マスターポゾリスNO.70(BASFジャパン社製)
v)速硬性混和材:カルシウムアルミネートと無水石膏と凝結調整剤を、40:60:1.2(質量比)の割合で混合したもの
Vi)凝結調整剤:炭酸ナトリウムと酒石酸とアルミン酸ナトリウムを、3:1:1(質量比)の割合で混合したもの
Vi)吸水性ポリマー粒子:合成ポリマー系粉末増粘・保水材Starvis S 5514F(BASFジャパン社製)、吸水後の平均粒子径7.2μm
(評価方法)
参考例、本発明例および比較例において、測定された高耐久速硬コンクリートのスランプ量、コンクリート硬化体の空気量、圧縮強度(材齢3時間)、300サイクル相対動弾性係数の測定方法を、以下に示す。
スランプ:JIS A 1101:2014(コンクリートのスランプ試験方法)で規定された方法に準拠して測定した。
空気量:JIS A 1128:2014(フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法)で規定された方法に準拠して測定した。
圧縮強度(材齢3時間):JIS A 1108:2006(コンクリートの圧縮強度試験方法)で規定された方法に準拠して測定した(供試体寸法:φ100×200mm)。
300サイクル相対動弾性係数:JIS A 1148:2010(コンクリートの凍結融解試験方法)で規定された方法に準拠して凍結融解試験を行い、300サイクルにおける相対動弾性係数を求めた。相対動弾性係数は数値が高い方と、凍結融解抵抗性が高い。
(レディーミクストコンクリートの製造)
参考例、本発明例および比較例において使用したレディーミクストコンクリートは配合比、次のとおりである。
セメント:320kg/m
細骨材 :872kg/m
粗骨材 :976kg/m
水 :160kg/m
上記のレディーミクストコンクリートのスランプと空気量を測定した。その結果、スランプ量は17.5cm、空気量は4.8%であった。また、レディーミクストコンクリートを製造してから流動性が失われるまでの時間は、温度20℃で2時間であった。
参考例、本発明例および比較例において、レディーミクストコンクリートは、調製してから30分静置した後、使用した。30分静置したのは、レディーミクストコンクリートを向上で製造してから施工現場での荷卸しまでにかかる平均的な時間を想定したものである。
[参考例1〜9]
(速硬性混和材を添加した速硬性コンクリートの製造)
容量50Lのパン型強制練りミキサに、前記レディーミクストコンクリートを投入し、30秒間再混練した。次いで、そのレディーミクストコンクリートに、上記の速硬性混和材を、レディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対して下記の表1に記載の量(質量部)となるように添加して、180秒間混練して、参考例1〜9の速硬性コンクリートを作製した。作製したセメント組成物のスランプ量、セメント硬化体の空気量、圧縮強度(材齢3時間)、300サイクル相対動弾性係数を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2018171833
表1の結果から、速硬材混和材の添加量が10質量部を超えると、その増加に伴って、速硬性コンクリートのスランプが低下することが分かる。また、速硬材混和材の添加量の増加に伴って、セメント硬化体の空気量と300サイクル後の相対動弾性係数が低下することが分かる。
[本発明例1]
(速硬性混和材・吸水性ポリマー粒子を添加した高耐久速硬性コンクリートの製造)
容量50Lのパン型強制練りミキサに、レディーミクストコンクリートを投入し、30秒間再混練した。次いで、そのレディーミクストコンクリートに、上記の速硬性混和材を、レディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対して30質量部となる割合で添加し、さらに上記吸水性ポリマー粒子を、上記セメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対して0.3質量部となる割合で添加して、パン型強制練りミキサで180秒間混練して、本発明例1の高耐久速硬性コンクリートを作製した。製造した高耐久速硬性コンクリートのスランプ、空気量、圧縮強度(材齢3時間)、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2には、参考例5で製造した速硬性コンクリートの結果を合せて示した。
[本発明例2〜5および比較例1〜3]
吸水性ポリマー粒子の添加量(レディーミクストコンクリート中に含まれるセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対する量)を、下記の表2に示す量としたこと以外は、本発明例1と同様にして、高耐久速硬性コンクリートを製造した。製造した高耐久速硬性コンクリートのスランプ、空気量、圧縮強度(材齢3時間)、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2には、参考例5で製造した速硬性コンクリートの結果を合せて示した。
Figure 2018171833
表2の結果から、速硬性混和材の添加量をセメント100質量部に対する量として30質量部とした速硬性コンクリートにおいて、吸水性ポリマー粒子を本発明の範囲にて添加した高耐久速硬性コンクリート(本発明例1〜5)は、空気量が多く、圧縮強度(材齢3時間)と凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数とがバランスよく向上することが確認された。これに対して、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも少ない速硬性コンクリート(比較例1)は、空気量が少なくなり、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数が低下した。一方、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも多い速硬性コンクリート(比較例2、3)は、スランプが小さく、流動性が低下した。また、比較例2、3の速硬性コンクリートは、圧縮強度(材齢3時間)が低下した。
[本発明例6〜8および比較例4〜6]
速硬性混和材の添加量(レディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対する量)と、吸水性ポリマー粒子の添加量(レディーミクストコンクリート中に含まれるセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対する量)を、下記の表3に示す量としたこと以外は、本発明例1と同様にして、速硬性混和材・吸水性ポリマー粒子を添加した高耐久速硬性コンクリートを製造した。製造した高耐久速硬性コンクリートのスランプ、空気量、圧縮強度(材齢3時間)、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数を測定した。その結果を表3に示す。なお、表3には、参考例6で製造した速硬性コンクリートの結果を合せて示した。
Figure 2018171833
表3の結果から、速硬性混和材の添加量をレディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対する量として40質量部とした速硬性コンクリートにおいても、吸水性ポリマー粒子を本発明の範囲にて添加した高耐久速硬性コンクリート(本発明例6〜8)は、空気量が多く、圧縮強度(材齢3時間)と凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数とがバランスよく向上することが確認された。これに対して、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも少ない速硬性コンクリート(比較例4)は、空気量が少なくなり、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数が低下した。一方、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも多い速硬性コンクリート(比較例5、6)は、スランプが小さく、流動性が低下した。また、比較例5、6の速硬性コンクリートは、圧縮強度(材齢3時間)が低下した。
[本発明例9〜13および比較例7〜9]
速硬性混和材の添加量(レディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対する量)と、吸水性ポリマー粒子の添加量(レディーミクストコンクリート中に含まれるセメントと速硬性混和材の合計量100質量部に対する量)を、下記の表4に示す量としたこと以外は、本発明例1と同様にして、速硬性混和材・吸水性ポリマー粒子添加した高耐久速硬性コンクリートを製造した。製造した高耐久速硬性コンクリートのスランプ、空気量、圧縮強度(材齢3時間)、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数を測定した。その結果を表4に示す。なお、表4には、参考例7で製造した速硬性コンクリートの結果を合せて示した。
Figure 2018171833
表4の結果から、速硬性混和材の添加量をレディーミクストコンクリート中に含まれるセメント100質量部に対する量として50質量部とした速硬性コンクリートにおいても、吸水性ポリマー粒子を本発明の範囲にて添加した高耐久速硬性コンクリート(本発明例9〜13)は、空気量が多く、圧縮強度(材齢3時間)と300サイクル相対動弾性係数とがバランスよく向上することが確認された。これに対して、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも少ない速硬性コンクリート(比較例7)は、空気量が少なくなり、凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数が低下した。一方、吸水性ポリマー粒子の添加量が本発明の範囲よりも多い速硬性コンクリート(比較例8、9)は、スランプが小さく、流動性が低下した。また、比較例8、9の速硬性コンクリートは、圧縮強度(材齢3時間)が低下した。

Claims (3)

  1. セメントを含むレディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートを施工現場まで運搬し、前記セメントがゲル化する前に、前記レディーミクストモルタルまたはレディーミクストコンクリートに、前記セメント100質量部に対して10質量部以上60質量部以下の範囲の量の速硬性混和材と、前記セメントと前記速硬性混和材との合計量100質量部に対して0.2質量部以上1.9質量部以下の範囲の量の吸水性ポリマー粒子とを添加して、混合することを特徴とする高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法。
  2. 前記速硬性混和材が、カルシウムアルミネートと石膏と凝結調整剤を含む組成物であることを特徴とする請求項1に記載の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法。
  3. 前記吸水性ポリマー粒子が、吸水後の平均粒子径が10μm以上300μm以下の範囲となる粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高耐久速硬性モルタルまたはコンクリートの製造方法。
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