JP2011206241A - 吻合器具及び吻合構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも血管の組織侵襲を抑制しつつ、一方の血管の側壁端部の内壁と、他方の血管の側壁端部の内壁とを容易に吻合させ得る吻合器具及び吻合構造体を提案する。
【解決手段】第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3において、第1吸引孔7及び第2吸引孔8からの吸引により血管v1,v2の内壁vi1,vi2を外部に露出させた状態で保持することができるので、従来のように血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2を針部1本1本に刺して外反させてゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができ、かくして、その分だけ、一方の血管v1の側壁端部ve1の内壁vi1と、他方の血管v2の側壁端部ve2の内壁vi2とを容易に吻合させることができる。また、従来のように血管v1,v2に針部を貫通させることがないので、血管v1,v2の内腔面に異物が露出することを回避でき、従来よりも血管v1,v2の組織侵襲を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、吻合器具及び吻合構造体に関し、例えば半径方向に切断した血管の側壁端部同士を吻合させる際に適用して好適なものである。
近年、半径方向に沿って切断した血管の側壁端部同士を吻合する手法として、図14に示すような血管吻合構造体100を用いる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。実際上、この血管吻合構造体100は、一方の血管v1を保持した第1血管吻合器具101と、他方の血管v2を保持した第2血管吻合器具102とを連結させることにより、半径方向に切断されている血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2同士を吻合し得るように構成されている。
実際上、第1血管吻合器具101は、一端面104a及び他端面104bを貫通した挿通孔105が穿設された円筒状の本体106を備えており、この挿通孔105に一方の血管v1が挿通され得るようになされている。本体106の一端面104aには、先端が鋭角に尖った複数の針部108と、複数の差込用孔109とが、挿通孔105の周辺に所定間隔を空けて順次交互に設けられている。
これにより第1血管吻合器具101では、挿通孔105に挿通させた一方の血管v1の側壁端部ve1を、施術者がピンセットにより摘んで針部108に突き刺してゆくことにより、血管v1の側壁端部ve1の内壁vi1を放射状に広げて外部に露出させた状態で保持し得るようになされている。
一方、第2血管吻合器具102も、第1血管吻合器具101と同様の構成を有し、一端面104a及び他端面104bを貫通した挿通孔105が穿設された円筒状の本体110を備えており、この挿通孔105に他方の血管v2が挿通され得るようになされている。本体110の一端面104aには、先端が鋭角に尖った複数の針部108と、複数の差込用孔(図示せず)とが、挿通孔105の周辺に所定間隔を空けて順次交互に設けられている。
これにより第2血管吻合器具102でも、挿通孔105に挿通させた他方の血管v2の側壁端部ve2を、施術者がピンセットにより摘んで針部108に突き刺してゆくことにより、血管v2の側壁端部ve2の内壁vi2を放射状に広げて外部に露出させた状態で保持し得るようになされている。
そして、血管吻合構造体100では、第1血管吻合器具101において血管v1の側壁端部ve1から突き出た針部108を、第2血管吻合器具102における本体110の一端面104aの差込用孔に差し込むとともに、第2血管吻合器具102において血管v2の側壁端部ve2から突き出た針部108を、第1血管吻合器具101における本体106の一端面104aの差込用孔109に差し込むことにより、第1血管吻合器具101と第2血管吻合器具102とを連結させ、これにより、一方の血管v1の内壁vi1と、他方の血管v2の内壁vi2とを吻合させ得るようになされている。
特開2008−142496号公報
しかしながら、かかる構成でなる第1血管吻合器具101と第2血管吻合器具102において、それぞれ血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2をピンセットで摘んで各針部108にそれぞれ突き刺してゆく作業は煩雑で、かつ熟練を要するという問題があった。また、このような従来の第1血管吻合器具101と第2血管吻合器具102では、血管v1,v2に針部108を貫通させていることから、血管v1,v2の内腔面に針部108(異物)が露出し、血管v1,v2の組織侵襲を伴ってしまうという問題があった。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来よりも血管の組織侵襲を抑制しつつ、一方の血管の側壁端部の内壁と、他方の血管の側壁端部の内壁とを容易に吻合させ得る吻合器具及び吻合構造体を提案することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の請求項1は、対向する一端面及び他端面を有する本体と、前記本体の一端面及び他端面を貫通し、半径方向に切断された管状生体組織のうち、一方の前記管状生体組織が挿通される挿通孔と、前記本体の一端面に穿設され、前記挿通孔の周辺に配列された複数の吸引孔とを備え、前記挿通孔に挿通させた前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2は、前記本体の一端面には、前記吸引孔に吸着した前記管状生体組織の側壁端部に当接する突起部が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3は、前記突起部は、前記挿通孔と前記吸引孔との間に設けられていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4は、前記本体の一端面には、前記挿通孔内から外方に向かうに従って前記挿通孔の幅が広がるように傾斜面が設けられており、前記吸引孔が前記傾斜面に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5は、前記本体には、前記挿通孔の内周側面に内側吸引孔が穿設されており、前記挿通孔に挿通された前記管状生体組織の側壁を、前記内側吸引孔からの吸引により該内側吸引孔に吸着させることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6は、前記本体が生体内で分解される合成樹脂材からなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7は、半径方向に切断された管状生体組織の側壁端部同士を、第1吻合器具及び第2吻合器具によって吻合させる吻合構造体であって、前記第1吻合器具及び前記第2吻合器具は、対向する一端面及び他端面を有する本体と、前記本体の一端面及び他端面を貫通し、前記管状生体組織が挿通される挿通孔と、前記本体の一端面に穿設され、前記挿通孔の周辺に配列された複数の吸引孔とを備え、前記第1吻合器具は、前記挿通孔に挿通させた一方の前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持し、前記第2吻合器具は、前記挿通孔に挿通させた他方の前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持し、前記第1吻合器具により外部に露出させた前記管状生体組織の内壁と、前記第2吻合器具により外部に露出させた前記管状生体組織の内壁とを吻合させた状態で、前記第1吻合器具と前記第2吻合器具とを連結させることを特徴とするものである。
本発明の請求項1の吻合器具によれば、吸引孔からの吸引により血管を外反させて内壁を外部に露出させた状態で保持することができるので、従来のように血管の側壁端部を複数の針部に1本1本に刺して外反させてゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができ、かくして、このように血管を外反させた吻合器具同士を連結させるだけで、一方の血管の側壁端部の内壁と、他方の血管の側壁端部の内壁とを容易に吻合させることができる。また、従来のように血管に針部を貫通させることがないので、血管の内腔面に異物が露出することを回避でき、従来よりも血管の組織侵襲を抑制できる。
本発明の請求項7の吻合構造体によれば、第1吻合器具及び第2吻合器具において、吸引孔からの吸引により血管を外反させて内壁を外部に露出させた状態で保持することができるので、従来のように血管の側壁端部を複数の針部に1本1本に刺して外反させてゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができ、かくして、一方の血管の側壁端部の内壁と、他方の血管の側壁端部の内壁とを容易に吻合させることができる。また、従来のように血管に針部を貫通させることがないので、血管の内腔面に異物が露出することを回避でき、従来よりも血管の組織侵襲を抑制できる。
第1血管吻合器具と第2血管吻合器具とを連結させる前の全体構成を示す概略図である。 第1血管吻合器具と第2血管吻合器具とを連結させたときの全体構成を示す概略図である。 第1血管吻合器具の全体構成を示す概略図である。 第1血管吻合器具の正面構成及び側面構成を示す概略図である。 図4(B)の符号A−A´における断面構成を示す断面図である。 図4(A)の符号B−B´及び符号C−C´における断面構成を示す断面図である。 第2血管吻合器具の全体構成を示す概略図である。 他の実施の形態による第1血管吻合器具の全体構成(1)を示す概略図である。 他の実施の形態による第1血管吻合器具の全体構成(2)を示す概略図である。 他の実施の形態による第1血管吻合器具の全体構成(3)を示す概略図である。 他の実施の形態による第1血管吻合器具の全体構成(4)を示す概略図である。 他の実施の形態による第1血管吻合器具の正面構成及び側面構成を示す概略図である。 他の実施の形態による第2血管吻合器具の全体構成を示す概略図である。 従来の血管吻合構造体により血管を吻合する際の説明に供する概略図である。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)本発明による血管吻合構造体の概略
先ず初めに、本発明の血管吻合構造体の概略について以下説明し、次いで、第1血管吻合器具及び第2血管吻合器具の詳細構成についてそれぞれ説明する。図1及び図2において、1は吻合構造体としての血管吻合構造体を示し、半径方向に沿って切断された血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2同士を、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3によって吻合し得るようになされている。
この場合、第1血管吻合器具2は、図1に示すように、本体4に一体成形された吸引管取付部5に真空ポンプの吸引管(図示せず)が着脱自在に接続され、当該真空ポンプから負圧が与えられることにより、当該吸引管取付部5内の通気路6と連通した第1吸引孔7及び第2吸引孔8から外気が吸引され得る。これにより第1血管吻合器具2は、本体4の挿通孔10に一方の血管v1を挿通させた状態で、真空ポンプから負圧が与えられることにより、第1吸引孔7及び第2吸引孔8に生じる吸引力によって血管v1の側壁端部ve1を第1吸引孔7及び第2吸引孔8に吸着させ、血管v1の側壁端部ve1を外反させ得る。
このように、本発明による第1血管吻合器具2では、挿通孔10に挿通させた一方の血管v1の側壁端部ve1を、施術者がピンセットにより第1吸引孔7及び第2吸引孔8側に向けて僅かに外反させるだけで、あとは第1吸引孔7及び第2吸引孔8に生じる吸引力により血管v1の側壁端部ve1を自動的に外反させることができるとともに、血管v1の内壁vi1を外部に露出させた状態のまま保持することができる。従って、第1血管吻合器具2では、従来のように血管v1の側壁端部ve1をピンセットで摘んで複数の針部に1本1本に刺してゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができる。
同様に、第2血管吻合器具3でも、本体21に一体成形された吸引管取付部22に真空ポンプの吸引管(図示せず)が着脱自在に接続され、当該真空ポンプから負圧が与えられることにより、当該吸引管取付部22内の通気路23と連通した第1吸引孔及び第2吸引孔(第1血管吻合器具2と同一構成であり、詳細については後述する(図7))から外気が吸引され得る。これにより第2血管吻合器具3でも、第1血管吻合器具2と同様に、本体21の挿通孔24に他方の血管v2を挿通させた状態で、真空ポンプから負圧が与えられることにより、第1吸引孔及び第2吸引孔に生じる吸引力によって血管v2の側壁端部ve2を第1吸引孔及び第2吸引孔に吸着させ、血管v2の側壁端部ve2を外反させ得る。
このように、本発明による第2血管吻合器具3でも、第1血管吻合器具2と同様に、挿通孔24に挿通させた他方の血管v2の側壁端部ve2を、施術者がピンセットにより第1吸引孔及び第2吸引孔側に向けて僅かに外反させるだけで、あとは第1吸引孔及び第2吸引孔に生じる吸引力により血管v2の側壁端部ve2を自動的に外反させることができるとともに、血管v2の内壁vi2を外部に露出させた状態のまま保持することができる。従って、第2血管吻合器具3でも、従来のように血管v2の側壁端部ve2をピンセットで摘んで複数の針部に1本1本に刺してゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができる。
そして、血管吻合構造体1は、この状態のまま、第1血管吻合器具2の本体4の一端面9aに形成された嵌合突起部12を、第2血管吻合器具3の本体21の一端面25aに形成された嵌合孔(後述する)に嵌合させることで、図2に示すように、第1血管吻合器具2と第2血管吻合器具3とを連結させ得るように構成されている。
そして、このような血管吻合構造体1では、第1血管吻合器具2と第2血管吻合器具3とを連結させるだけで、第1血管吻合器具2によって外部に露出させた血管v1の内壁vi1と、第2血管吻合器具によって外部に露出させた血管v2の内壁vi2とを容易に、かつ確実に吻合し得るようになされている。
(2)第1血管吻合器具の詳細構成
次に、第1血管吻合器具2の詳細構成について以下説明する。図3に示すように、第1血管吻合器具2は、所定の厚みを有した円筒状の本体4(例えば直径が約3mm、厚みが約1mm)と、当該本体4の外周側面4aに一体成形された吸引管取付部5とから構成されている。このような第1血管吻合器具2は、例えば可視光や紫外線等のレーザ光が照射されることにより硬化する光硬化性合成樹脂材(例えばエポキシ樹脂(JSR株式会社製 デソライト(DeSolite)3次元立体造形用紫外線(UV)硬化型樹脂))からなり、光造形装置により液体状の光硬化性合成樹脂材にレーザ光を照射してゆくことにより製造され得る。
因みに、光造形装置により第1血管吻合器具2と、後述する第2血管吻合器具3とを製造する場合には、当該第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3の形状を示した3次元モデルをCAD等で作成した後、この3次元モデルを基に液体状の光硬化性合成樹脂材の液面にレーザ光を照射して、所定箇所を所定の厚み分だけ硬化させて一層分を製造してゆく。そして、光造形装置では、この一層分を硬化させる製造処理工程を繰り返すことで、一層毎に硬化箇所を積み重ねてゆき、3次元モデルと同じ第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を製造し得る。そして、このような光造形装置を使用した場合には、全体の寸法を小さくした第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を製造することができ、径が小さい血管にも用いることができる。
因みに、この実施の形態の場合、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3について、光硬化性合成樹脂材を原材料とし光造形装置を用いて製造する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3について、例えば熱硬化性合成樹脂材を原材料とし熱造形装置を用いて製造したり、或いは種々の合成樹脂材を原材料とし金型による射出成形により製造したり、チタン等の金属部材を原材料とし種々の成形手法により製造するようにしてもよい。さらに、原材料としては、所定時間経過すると、生体内で分解される生体分解性合成樹脂材(例えばPLLA(Poly-L-lactic acid)により、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を製造するようにしてもよい。
実際上、本体4には、対向する平坦な一端面9a及び他端面9bを貫通するようにして中心軸に挿通孔10が穿設されており、他端面9b側から一端面9a側に向けてこの挿通孔10に一方の血管v1が挿通され得るようになされている。この挿通孔10の直径は、吻合する血管v1の種類に応じて、当該血管v1の直径よりも僅かに大きくなるように選定(例えばφ1.0mm程度)されている。
本体4の一端面9aには、挿通孔10の周辺に複数の第1吸引孔7及び第2吸引孔8が穿設されており、これら第1吸引孔7及び第2吸引孔8からの吸引により血管v1の側壁端部ve1が外反して当該第1吸引孔7及び第2吸引孔8に吸着し得るようになされている。
実際上、この実施の形態の場合、第1吸引孔7は、開口領域が長方形状に形成されており、第2吸引孔8は、第1吸引孔7よりも開口領域が小さく形成されている。そして、第1吸引孔7及び第2吸引孔8は、挿通孔10の全周に亘って所定間隔を空け順次交互に配列されている。ここで、本体4の一端面9aには、挿通孔10内から外部へ向かうに従って挿通孔10の幅が広がるように傾斜面14が設けられており、この傾斜面14を始点として第1吸引孔7が一端面9aの外周縁15に向けて放射状に延びるように形成されている。
かかる構成に加えて、本体4の一端面9aには、挿通孔10と所定の距離を設けて正方形状の第2吸引孔8が穿設されており、当該挿通孔10と第2吸引孔8との間に僅かに突出した円錐状の突起部16が配列されている。因みに、この実施の形態の場合、図4(A)に示すように、第2吸引孔8及び突起部16は、隣接するように配置されており、第1吸引孔7の長手方向の寸法を幅とし、かつ挿通孔10周辺にある円環領域ER1内に収まるように配置されている。
また、本体4の一端面9aには、これら第1吸引孔7及び第2吸引孔8が配列された円環領域ER1と、外周縁15との間の領域に、第2血管吻合器具3と連結するための複数の嵌合突起部12が所定間隔を空けて設けられている。この実施の形態の場合、本体4の一端面9aには、ほぼ正三角形の頂点の位置関係をもって3つの嵌合突起部12が設けられている。また、図4(B)に示すように、各嵌合突起部12は、一端面9aに一体成形された短円柱状の基部12aと、基部12aと一体成形され台形円錐状の先端部12bとからなり、後述する第2血管吻合器具3の嵌合孔に先端部12bから挿入され基部12aが嵌合孔に嵌合し得るようになされている。
かかる構成に加えて、図4(B)の符号A−A´における断面構成を示す図5のように、本体4の内部には、挿通孔10を取り囲むように円環状に形成され、かつ吸引管取付部5内の通気路6と連通した連通路18が形成されている。そして、図4(A)の符号B−B´における断面構成を示す図6(A)と、符号C−C´における断面構成を示す図6(B)のように、この連通路18は、本体4内において第1吸引孔7及び第2吸引孔8とも連通しており、吸引管取付部5内の通気路6から負圧が与えられることにより、当該第1吸引孔7及び第2吸引孔8全てから外気を取り込み、当該外気が連通路18を経由して通気路6まで導かれるように構成されている。
(3)第2血管吻合器具の詳細構成
次に第2血管吻合器具3の詳細構成について以下説明する。図7に示すように、第2血管吻合器具3は、第1血管吻合器具2の嵌合突起部12(図3)の替わりに、当該嵌合突起部12が嵌合される嵌合孔28が穿設されている点と、第1吸引孔29、第2吸引孔30及び突起部31の配列位置とが第1血管吻合器具2とは相違している。
なお、第2血管吻合器具3は、第1血管吻合器具2と同様、図5に示すように、本体21内に円環状の連通路18を有しており、本体21内においてこの連通路18と、第1吸引孔29、第2吸引孔30及び通気部23とが連通した構成を備える。これにより、第2血管吻合器具3は、吸引管取付部22内の通気路23から負圧が与えられることにより、第1吸引孔29及び第2吸引孔30全てから外気を取り込み、当該外気が連通路18を経由して通気路23まで導かれるように構成されている。
因みに、第2血管吻合器具3は、第1吸引孔29、第2吸引孔30、突起部31及び挿通孔24の各形状や、挿通孔24の内周側面24aに傾斜面34が設けられている点については第1血管吻合器具2と同様であるため、その説明は省略し、相違している嵌合孔28の構成や、第1吸引孔29、第2吸引孔30及び突起部31の配列位置についてのみ以下説明する。
実施上、本体21の一端面25aには、第1血管吻合器具2の嵌合突起部12と対応させて複数の嵌合孔28が穿設されている。具体的に、この実施の形態の場合、本体21の一端面25aには、第1血管吻合器具2の各嵌合突起部12と対応させて、ほぼ正三角形の頂点の位置関係をもって3つの嵌合孔28が設けられている。この嵌合孔28は、第1血管吻合器具2における嵌合突起部12の基部12aと同じ外郭形状を有し、嵌合孔28の直径が嵌合突起部12の直径よりも僅かに小さく選定されており、当該基部12aが押し込まれることで嵌合突起部12と嵌合し得るように構成されている。
かかる構成に加えて、本体21の一端面25aにおいて、挿通孔24の周辺に設けられた第1吸引孔29と、第2吸引孔30及び突起部31は、第1血管吻合器具2の嵌合突起部12を第2血管吻合器具3の嵌合孔28に嵌合させた際、第1血管吻合器具2の第1吸引孔7に、第2血管吻合器具3の第2吸引孔30及び突起部31が対向するように配置されているとともに、第1血管吻合器具2の第2吸引孔8及び突起部16に、第2血管吻合器具3の第1吸引孔29が対向するように配置されている。
かくして、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を連結した際には、突起部16,31に第1吸引孔7,29がそれぞれ対向するように配置されることから、突起部16,31が妨げとならずに、第1血管吻合器具2の本体4の一端面9aと、第2血管吻合器具3の本体21の一端面25aとを近接させることもできる。
(4)動作及び効果
以上の構成において、図1に示すように、第1血管吻合器具2では、施術者によって本体4の他端面9b側から一端面9a側に向けて挿通孔10に一方の血管v1の側壁端部ve1が挿通された後、この状態のまま吸引管取付部5に接続された真空ポンプから当該吸引管取付部5内の通気路6に負圧が与えられ、第1吸引孔7及び第2吸引孔8から外気が吸引される。
このとき施術者は、第1血管吻合器具2の挿通孔10から本体4の一端面9a側に露出した血管v1の側壁端部ve1を、ピンセットにより摘んで僅かに外反させるだけで、あとは第1吸引孔7及び第2吸引孔8による吸引力により、第1吸引孔7及び第2吸引孔8に吸着させることができ、かくして当該血管v1の側壁端部ve1を外反させた状態のまま保持させることができる。
そして、この第1血管吻合器具2では、挿通孔10の全周に亘って第1吸引孔7及び第2吸引孔8が配列されていることから、挿通孔10から露出した血管v1の側壁端部ve1の全周を、吸引力により第1吸引孔7及び第2吸引孔8に吸着させることができ、血管v1の側壁端部ve1全周に亘って内壁vi1を外部に露出させた状態のまま保持することができる。従って、第1血管吻合器具2では、従来のように血管v1の側壁端部ve1をピンセットで摘んで外反させ複数の針部に1本1本に刺してゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができる。
また、この第1血管吻合器具2では、本体4の一端面9aにおいて挿通孔10の周辺に突起部16が設けられていることにより、当該血管v1の側壁端部ve1が第1吸引孔7及び第2吸引孔8に吸着した際に、突起部16に当接して掛かり、外反させた血管v1の側壁端部ve1が挿通孔10側に戻ることを抑制させることができる。
実際上、この実施の形態の場合では、挿通孔10と第2吸引孔8との間に突起部16が配置されていることにより、第2吸引孔8による吸引力を利用して血管v1の側壁端部ve1を突起部16に対し確実に当接させて掛けることができ、外反させた血管v1の側壁端部ve1が挿通孔10側に戻ることを一段と確実に抑制させることができる。
また、第1血管吻合器具2では、挿通孔10内から外部へ向かうに従って挿通孔10の幅が広がるように本体4の一端面9aに傾斜面14が設けられており、当該挿通孔10の開口領域が広がっている分だけ、挿通孔10を挿通させた血管v1の側壁端部ve1を放射状に広げ易くすることができる。さらに、この傾斜面14は、第1吸引孔7を有することから、この第1吸引孔7に生じる吸引力を利用して、血管v1の側壁端部ve1を傾斜面14に沿って吸着させ簡単に広げることができる。
一方、第2血管吻合器具3でも、第1血管吻合器具2と同様に、施術者によって本体21の他端面25b側から一端面25a側に向けて挿通孔24に他方の血管v2の側壁端部ve2が挿通された後、この状態のまま吸引管取付部22に接続された真空ポンプから当該吸引管取付部22内の通気路23に負圧が与えられ、第1吸引孔29及び第2吸引孔30から外気が吸引される。
このとき施術者は、第2血管吻合器具3の挿通孔24から本体21の一端面25a側に露出した血管v2の側壁端部ve2を、ピンセットにより摘んで僅かに外反させるだけで、あとは第1吸引孔29及び第2吸引孔30による吸引力により、当該血管v2の側壁端部ve2を第1吸引孔29及び第2吸引孔30に吸着させることができ、かくして当該血管v2の側壁端部ve2を外反させた状態のまま保持させることができる。
そして、この第2血管吻合器具3でも、挿通孔24の全周に亘って第1吸引孔29及び第2吸引孔30が配列されていることから、挿通孔24から露出した血管v2の側壁端部ve2全周を、吸引力により第1吸引孔29及び第2吸引孔30に吸着させることができ、血管v2の側壁端部ve2全周に亘って内壁vi2を外部に露出させた状態のまま保持することができる。
また、図2に示すように、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3では、第1血管吻合器具2の嵌合突起部12を第2血管吻合器具3の嵌合孔28に嵌合させることで、それぞれ本体4,21の一端面9a,25aにおいて外部に露出させた血管の内壁vi1,vi2同士を吻合させた状態で強固に連結させることができる。そして、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3では、吸引管取付部5,22に接続されている真空ポンプの吸引管を取り外し、この状態のまま生体内に収容する。
さらに、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3では、従来のように血管v1,v2に針部を貫通させることなく、本体4,21により当該血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2を挟み込んで、血管の内壁vi1,vi2同士を吻合させることができるので、血管v1,v2の内腔面に針部(異物)が露出することを回避でき、従来よりも血管v1,v2の組織侵襲を抑制できる。
なお、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を、生体内で分解される生体分解性合成樹脂材により製造した場合には、そのまま生体内に収容しても、所定の時間が経過することで、生体内で分解されて消滅させることができる。この場合、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3は、生体内において異物とならずに、切断された血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2同士を吻合させることができる。
以上の構成によれば、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3において、第1吸引孔7及び第2吸引孔8からの吸引により血管v1,v2の内壁vi1,vi2を外部に露出させた状態で保持することができるので、従来のように血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2を複数の針部に1本1本に刺して外反させてゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができ、かくして、その分だけ、一方の血管v1の側壁端部ve1の内壁vi1と、他方の血管v2の側壁端部ve2の内壁vi2とを従来よりも容易に吻合させることができる。
また、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3では、血管の内壁vi1,vi2同士を吻合させる際、従来のように血管v1,v2に針部を貫通させることがないので、血管v1,v2の内腔面に異物が露出することを回避でき、従来よりも血管v1,v2の組織侵襲を抑制できる。
(5)他の実施の形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、例えば第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3の各挿通孔10,24の内周側面10a,24aを、滑らかな表面とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3の各挿通孔10,24の内周側面10a,24aに、連通路18と連通した内側吸引孔をそれぞれ設けるようにしてもよい。
この場合、例えば図3との対応部分に同一符号を付して示す図8のように、第1血管吻合器具40は、上述した第1血管吻合器具2とは挿通孔10の内周側面10aに複数の内側吸引孔41が穿設されている点で相違している。なお、ここでは、第1血管吻合器具40についてのみ説明し、嵌合突起部12に替えて嵌合孔が穿設された点で相違し、同様に内側吸引孔が設けられる第2血管吻合器具についてはその説明を省略する。
実際上、挿通孔10aの内周側面10aに穿設された内側吸引孔41は、挿通孔10aの内周側面10aの全周に亘って所定間隔を空けて設けられている。因みに、この実施の形態の場合、内側吸引孔41は、ほぼ長方形状からなり、その長手方向が本体4の軸方向と平行に配列されている。
また、この内側吸引孔41は、本体4内の連通路18(図5)と連通された構成を有し、吸引管取付部5内の通気路6から負圧が与えられることにより、外気を取り込み、当該外気が連通路18を経由して通気路6まで導かれるようになされている。
以上の構成において、第1血管吻合器具40では、施術者によって本体4の他端面9b側から一端面9a側に向けて挿通孔10に一方の血管v1の側壁端部ve1が挿通された後、この状態のまま吸引管取付部5に接続された真空ポンプから当該吸引管取付部5内の通気路6に負圧が与えられると、第1吸引孔7及び第2吸引孔8から外気が吸引されるとともに、内側吸引孔41からも外気が吸引される。
これにより第1血管吻合器具40では、内側吸引孔41による吸引力により、挿通孔10内に挿通された血管v1の側壁も内側吸引孔41に吸着させることができ、これにより挿通孔10内に血管v1を容易に、かつ確実に位置決めさせることができる。
また、上述した実施の形態においては、本体の一端面に穿設された吸引孔として、開口形状が異なる2種類の第1吸引孔7,29及び第2吸引孔8,30を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は挿通孔10,24に挿通させた血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2を、吸引力により外反させ、血管v1,v2の内壁vi1,vi2を外部に露出させた状態で保持する吸引孔であればよく、例えば開口形状が1種類の吸引孔や、開口形状が異なる3種類の吸引孔等この他種々の吸引孔を設けるようにしてもよく、また開口形状が円形状や三角形状等この他種々の形状からなる吸引孔を適用してもよい。
この場合、図3との対応部分に同一符号を付して示す図9のように、第1血管吻合器具50には、例えば開口形状が釣り鐘形状でなる1種類の吸引孔51が設けられており、当該吸引孔51と、円錐状の突起部16とが挿通孔10の全周に亘って所定間隔を空け順次交互に配列されている。なお、ここでは、第1血管吻合器具50についてのみ説明し、嵌合突起部12に替えて嵌合孔が穿設された点で相違する第2血管吻合器具についてはその説明を省略する。
ここで、吸引孔51は、傾斜面14を始点として長手方向が外周縁15に向けて延びるように形成されており、当該吸引孔51に生じる吸引力を利用して血管v1の側壁端部ve1を傾斜面14に沿って簡単に広げることもできる。また、第1血管吻合器具50では、これら吸引孔51間に突起部16が設けられていることにより、当該吸引孔51により生じる吸引力により吸引孔51に吸着した血管v1の側壁端部ve1が突起部16に当接して掛かり、外反させた血管v1の側壁端部ve1が挿通孔10側に戻ることを抑制させることができる。
さらに、上述した実施の形態においては、傾斜面14にも第1吸引孔7を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、傾斜面14に吸引孔を設けることなく、本体4の一端面9aにだけ吸引孔を設けるようにしてもよい。例えば、図9との対応部分に同一符号を付して示す図10のように、第1血管吻合器具60には、開口形状が円形状でなる複数の吸引孔61が本体4の一端面9aに設けられており、当該吸引孔61と、円錐状の突起部16とが挿通孔10の全周に亘って所定間隔を空け順次交互に配列されている。このように第1血管吻合器具60では、挿通孔10に挿通させた血管v1の側壁端部ve1を、吸引孔61からの吸引により吸引孔61に吸着させることにより外反させ、血管v1の内壁vi1を外部に露出させた状態で保持することができるとともに、吸引孔61の構成を簡略化でき、一段と小型化し得る。
また、図3との対応部分に同一符号を付して示す図11において、70は他の実施の形態による第1血管吻合器具を示し、本体71の外周側面71aに一体成形された吸引管取付部72が、楕円筒状に形成されており、当該本体71の厚みに合わせて吸引管取付部72が扁平化されていることから、上述した実施の形態に比べ、全体として薄型化し得るようになされている。
かかる構成に加えて、この第1血管吻合器具70の本体71には、外周側面71aの対向する両側部に、一端面9a側が切り欠かれ断面L字状の段差を有した段差部73a,73bが設けられている。これにより施術者は、第1血管吻合器具70と後述する第2血管吻合器具とを連結させた後、これら第1血管吻合器具70と第2血管吻合器具とを再び離す際に、段差部73a,73bの空間内に指先を食い込ませ、第1血管吻合器具70と第2血管吻合器具とを簡単に離すことができる。
また、本体71の一端面9aには、複数の吸引孔74が傾斜面14にのみ穿設されているとともに、当該傾斜面14に複数の突起部76が形成されている。実際上、傾斜面14には、図12(A)に示すように、外周側領域ER3に同一の開口形状からなる吸引孔74が等間隔で配列され、当該外周側領域ER3と挿通孔10との間の内周側領域ER4に突起部76が等間隔で配列されている。なお、この実施の形態の場合、内周側領域ER4は、突起部76が吸引孔74に隣接して配置されているとともに、当該吸引孔741つおきに突起部76が配置されている。
この実施の形態の場合、図12(B)に示すように、突起部76は、吸引孔74側に配置される外側壁部76aが一端面9aに対しほぼ垂直に形成されているとともに、挿通孔10側に配置される内側壁部76bが傾斜しており、先端にゆくに従って当該先端の幅が狭くなるように形成されている。これにより、挿通孔10に挿通された血管v1は、突起部76の内側壁部76bの傾斜に沿って外方へ広げ易くなるとともに、一端面9aに対しほぼ垂直に形成された当該突起部76の外側壁部76aに掛かり易く、挿通孔10側へ戻されることを抑制できる。
因みに、この吸引孔74(図11)も、本体71内の連通路18(図5)と連通された構成を有し、吸引管取付部72内の通気路6から負圧が与えられることにより、外気を取り込み、当該外気が連通路18を経由して通気路6まで導かれるようになされている。これにより第1血管吻合器具70でも、挿通孔10に挿通させた血管v1の側壁端部ve1を、吸引孔74からの吸引により吸引孔74に吸着させることにより外反させ、血管v1の内壁vi1を外部に露出させた状態で保持することができる。
また、この本体71の一端面9aには、傾斜面14と、外周縁15との間の領域に、第2血管吻合器具と連結するための複数の係止突起部78が所定間隔を空けて設けられている。この実施の形態の場合、図12(A)に示したように、本体71の一端面9aには、ほぼ正三角形の頂点の位置関係をもって3つの係止突起部78が設けられている。また、図12(B)に示したように、各係止突起部78は、一端面9aに一体成形された板状の基部78aと、基部12aの先端部と一体成形され外方に突出した爪部78bとからなり、図7との対応部分に同一符号を付して示す図13のような第2血管吻合器具80の係止孔85内に、当該爪部78bが係止し得るようになされている。
ここで、第2血管吻合器具80は、第1血管吻合器具70の係止突起部78(図3)が係止される係止孔85が穿設されている点と、突起部84の配列位置とが第1血管吻合器具70とは相違している。なお、第2血管吻合器具80において、本体81に一体成形された吸引管取付部82が楕円筒状からなり、当該本体81の厚みに合わせて扁平化された構成と、本体81の外周側面81aの対向する両側部に、断面L字状の段差を有した段差部83a,83bが形成された構成とについては、第1血管吻合器具70と同一構成である。
因みに、第2血管吻合器具80の段差部83a,83bは、第1血管吻合器具70及び第2血管吻合器具80を連結させた際、第1血管吻合器具70の段差部73a,73bと対向するように形成されている。これにより、施術者は、第1血管吻合器具70と第2血管吻合器具80とを離す際、段差部73a,83bにより形成される空間と、段差部73b,83aにより形成される空間とが大きいことから、段差部73a,83bの空間内と、段差部73b,83aの空間内にそれぞれ指先を食い込ませ易くなり、第1血管吻合器具70と第2血管吻合器具80を一段と簡単に離すことができる。
また、この第2血管吻合器具80は、第1血管吻合器具70の係合突起部78を第2血管吻合器具80の係止孔85に嵌合させた際、第1血管吻合器具70の突起部76が設けられていない内周側領域ER4に、第2血管吻合器具80の突起部84が対向するように配置されている。かくして、第1血管吻合器具70及び第2血管吻合器具80を連結した際には、突起部76,84同士が衝突することがないように配置されることから、突起部76,84が妨げとならずに、第1血管吻合器具70の本体71の一端面9aと、第2血管吻合器具80の本体81の一端面25aとを近接させることもできる。
以上の構成によれば、このような構成を有する第1血管吻合器具70及び第2血管吻合器具80でも、吸引孔74からの吸引により血管v1,v2の内壁vi1,vi2を外部に露出させた状態で保持することができるので、従来のように血管v1,v2の側壁端部ve1,ve2を複数の針部に1本1本に刺して外反させてゆく煩雑で、かつ熟練を要する作業を省くことができ、かくして、その分だけ、一方の血管v1の側壁端部ve1の内壁vi1と、他方の血管v2の側壁端部ve2の内壁vi2とを従来よりも容易に吻合させることができる。
さらに、他の実施の形態としては、半径方向に切断された管状生体組織を吻合する吻合構造体として、半径方向に切断された血管v1,v2を吻合する血管吻合構造体1とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば半径方向に切断されたリンパ管を吻合するリンパ管吻合構造体や、切断されたリンパ管と血管とを吻合する吻合構造体等この他種々の管状生体組織を吻合する吻合構造体としてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、第1血管吻合器具及び第2血管吻合器具を連結させる連結手段として、第1血管吻合器具2に嵌合突起部12を設けるとともに、第2血管吻合器具3に嵌合孔28を設け、これら嵌合突起部12を嵌合孔28に嵌合させることで第1血管吻合器具2と第2血管吻合器具3とを連結するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば第1血管吻合器具2の本体4の外周側面4aに掛合用の爪を設けるとともに、第2血管吻合器具3の本体21の外周側面21aに当該爪が掛合する凹部を設け、これら爪を凹部に掛合させることにより第1血管吻合器具2と第2血管吻合器具3とを連結するようにしてもよく、この他種々の連結手段を第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3に設けるようにしてもよい。
また、連結手段の他の実施の形態としては、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3とは別体からなるコ字状の挟持部材により、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を挟持部材により挟持して連結するようにしてもよく、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3と別体でなるこの他種々の連結手段により、第1血管吻合器具2及び第2血管吻合器具3を連結するようにしてもよい。
1 血管吻合構造体(吻合構造体)
2 第1血管吻合器具(第1吻合器具、吻合器具)
3 第2血管吻合器具(第2吻合器具、吻合器具)
4、21 本体
7、29 第1吸引孔(吸引孔)
8、30 第2吸引孔(吸引孔)
10、24 挿通孔
16、31 突起部

Claims (7)

  1. 対向する一端面及び他端面を有する本体と、前記本体の一端面及び他端面を貫通し、半径方向に切断された管状生体組織のうち、一方の前記管状生体組織が挿通される挿通孔と、前記本体の一端面に穿設され、前記挿通孔の周辺に配列された複数の吸引孔とを備え、
    前記挿通孔に挿通させた前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持する
    ことを特徴とする吻合器具。
  2. 前記本体の一端面には、前記吸引孔に吸着した前記管状生体組織の側壁端部に当接する突起部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の吻合器具。
  3. 前記突起部は、前記挿通孔と前記吸引孔との間に設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の吻合器具。
  4. 前記本体の一端面には、前記挿通孔内から外方に向かうに従って前記挿通孔の幅が広がるように傾斜面が設けられており、
    前記吸引孔が前記傾斜面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の吻合器具。
  5. 前記本体には、前記挿通孔の内周側面に内側吸引孔が穿設されており、前記挿通孔に挿通された前記管状生体組織の側壁を、前記内側吸引孔からの吸引により該内側吸引孔に吸着させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の吻合器具。
  6. 前記本体が生体内で分解される生体分解性合成樹脂材からなる
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の吻合器具。
  7. 半径方向に切断された管状生体組織の側壁端部同士を、第1吻合器具及び第2吻合器具によって吻合させる吻合構造体であって、
    前記第1吻合器具及び前記第2吻合器具は、対向する一端面及び他端面を有する本体と、前記本体の一端面及び他端面を貫通し、前記管状生体組織が挿通される挿通孔と、前記本体の一端面に穿設され、前記挿通孔の周辺に配列された複数の吸引孔とを備え、
    前記第1吻合器具は、前記挿通孔に挿通させた一方の前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持し、
    前記第2吻合器具は、前記挿通孔に挿通させた他方の前記管状生体組織の側壁端部を、前記吸引孔からの吸引により該吸引孔に吸着させることにより外反させ、該管状生体組織の内壁を外部に露出させた状態で保持し、
    前記第1吻合器具により外部に露出させた前記管状生体組織の内壁と、前記第2吻合器具により外部に露出させた前記管状生体組織の内壁とを吻合させた状態で、前記第1吻合器具と前記第2吻合器具とを連結させる
    ことを特徴とする吻合構造体。
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