JP2011202612A - スターリングエンジン - Google Patents
スターリングエンジン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011202612A JP2011202612A JP2010071644A JP2010071644A JP2011202612A JP 2011202612 A JP2011202612 A JP 2011202612A JP 2010071644 A JP2010071644 A JP 2010071644A JP 2010071644 A JP2010071644 A JP 2010071644A JP 2011202612 A JP2011202612 A JP 2011202612A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- piston
- stirling engine
- heat
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02G—HOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F02G1/00—Hot gas positive-displacement engine plants
- F02G1/04—Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type
- F02G1/043—Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16N—LUBRICATING
- F16N15/00—Lubrication with substances other than oil or grease; Lubrication characterised by the use of particular lubricants in particular apparatus or conditions
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02G—HOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- F02G2270/00—Constructional features
- F02G2270/40—Piston assemblies
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
Abstract
【課題】運転を停止する場合に、シリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、外周面に層が設けられたピストンの信頼性を確保可能なスターリングエンジンを提供する。
【解決手段】スターリングエンジン10Aは、高温側シリンダ22と、高温側シリンダ22との間で気体潤滑として静圧気体潤滑が行われるとともに、母材よりも線膨張率が高く、且つ柔軟性のある材料で形成された層60が外周面に設けられた膨張ピストン21と、を備え、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させない加圧ポンプ70およびECUが接触回避手段として設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】スターリングエンジン10Aは、高温側シリンダ22と、高温側シリンダ22との間で気体潤滑として静圧気体潤滑が行われるとともに、母材よりも線膨張率が高く、且つ柔軟性のある材料で形成された層60が外周面に設けられた膨張ピストン21と、を備え、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させない加圧ポンプ70およびECUが接触回避手段として設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明はスターリングエンジンに関し、特にシリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、外周面に層が設けられたピストンを備えたスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるため、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
スターリングエンジンの運転制御に関する技術や異物対策に関する技術を開示している点で、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1から4までで提案されている。
スターリングエンジンの運転制御に関する技術や異物対策に関する技術を開示している点で、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1から4までで提案されている。
ところで、特許文献1が開示するスターリングエンジンでは、ピストンの往復運動が停止してから、気体潤滑を行うための気体供給を停止するようにしている。そしてこれにより、特許文献1が開示するスターリングエンジンでは、ピストンとシリンダの摩耗を防止するようにしている。
一方、シリンダとの間で気体潤滑を行うピストンを備えたスターリングエンジンでは、シリンダ、ピストン間に異物が介在すると、異物を介したピストンの摺動で面圧が高まることから、異物の凝着が発生し、この結果、性能低下に繋がる虞がある。この点、これに対しては、例えば柔軟性のある材料で形成された層をピストンの外周面に設けることで異物を埋収でき、これにより異物が侵入し、また成長した場合であっても凝着が発生することを抑制できる。
一方、シリンダとの間で気体潤滑を行うピストンを備えたスターリングエンジンでは、シリンダ、ピストン間に異物が介在すると、異物を介したピストンの摺動で面圧が高まることから、異物の凝着が発生し、この結果、性能低下に繋がる虞がある。この点、これに対しては、例えば柔軟性のある材料で形成された層をピストンの外周面に設けることで異物を埋収でき、これにより異物が侵入し、また成長した場合であっても凝着が発生することを抑制できる。
ところが、スターリングエンジンは高温熱源からの熱の供給が停止した後においても既に受熱した熱を有る程度保有している。このため外周面に層が設けられたピストンを備えるスターリングエンジンにあっては、仮に特許文献1が開示するスターリングエンジンと同様、ピストンの往復運動が停止してから、気体潤滑を行うための気体供給を停止した場合であっても、既に受熱した熱がピストンとシリンダとの接触後にピストンに伝わり、この結果、層の温度が耐熱温度を超えることで、ピストンの信頼性が低下する虞がある点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、運転を停止する場合に、シリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、外周面に層が設けられたピストンの信頼性を確保可能なスターリングエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明はシリンダと、前記シリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、母材よりも線膨張率が高く、且つ柔軟性のある材料で形成された層が外周面に設けられたピストンと、を備え、運転を停止する場合に、前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態になるまで、前記ピストンを前記シリンダに接触させない接触回避手段が設けられたスターリングエンジンである。
また本発明は前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を利用して、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに、運転が停止した状態で前記ピストンを前記シリンダに接触させる構成であることが好ましい。
また本発明は前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を最大限利用可能な態様で運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに、運転が停止した状態で、且つ前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態で、前記ピストンを前記シリンダに接触させる構成であることが好ましい。
また本発明は前記ピストンを気体潤滑するにあたり、前記ピストンに対応して形成される作動空間における作動流体の圧力で運転時に前記ピストンを静圧気体潤滑することが可能な逆止弁をさらに備え、前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を利用して、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始することで、運転が停止した状態で前記ピストンを前記シリンダに接触させる構成であることが好ましい。
また本発明は運転停止動作を開始する前の出力と回転数に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられた構成であることが好ましい。
また本発明は高温熱源を内燃機関の排気ガスとし、前記内燃機関が停止する前の所定時間における前記内燃機関の平均負荷に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられた構成であることが好ましい。
また本発明は高温熱源を内燃機関の排気ガスとし、前記内燃機関が停止する前の所定時間における前記内燃機関の平均吸入空気量或いは排気ガスの平均流量と、熱交換が行われる直前の前記内燃機関の排気ガスの平均温度とに基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられた構成であることが好ましい。
前記ピストンに対応して形成される作動空間おける作動流体の温度に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられた構成であることが好ましい。
本発明によれば、運転を停止する場合に、シリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、外周面に層が設けられたピストンの信頼性を確保できる。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本実施例にかかるスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。スターリングエンジン10Aは、2気筒α型のスターリングエンジンである。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向と気筒配列方向Xとが互いに平行になるように直列平行に配置された2つの気筒である高温側気筒20および低温側気筒30を有している。高温側気筒20は膨張ピストン21と高温側シリンダ22とを、低温側気筒30は圧縮ピストン31と低温側シリンダ32とをそれぞれ備えている。圧縮ピストン31は、膨張ピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差が設けられている。
高温側シリンダ22の上部空間は膨張空間となっている。膨張空間は膨張ピストン21に対応して形成される作動空間であり、膨張空間には加熱器47で加熱された作動流体が流入する。加熱器47は本実施例では具体的には車両に搭載された図示しない内燃機関(以下、車両エンジンと称す)の排気管100の内部に配置されている。加熱器47において、作動流体は高温熱源を構成する流体である排気ガスから回収した熱エネルギーにより加熱される。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間は、圧縮ピストン31に対応して形成される作動空間であり、圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H2、N2等の気体を適用することができる。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間は、圧縮ピストン31に対応して形成される作動空間であり、圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H2、N2等の気体を適用することができる。
次にスターリングエンジン10Aの動作について説明する。加熱器47で作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下され、これにより駆動軸(クランクシャフト)113の回動が行われる。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器47を通過して再生器46に移送され、そこで熱を放出して冷却器45へと流れる。冷却器45で冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は再生器46から熱を奪いながら温度を上昇して加熱器47へ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10Aが動作する。
ところで、本実施例ではスターリングエンジン10Aの熱源が車両の内燃機関の排気ガスとなっていることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10Aを作動させる必要がある。そこで本実施例では、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。具体的にはスターリングエンジン10Aの内部フリクションのうち、最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、シリンダ22、32とピストン21、31との間で気体潤滑を行っている。
気体潤滑ではシリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31を空中に浮いた形にする。気体潤滑は摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを大幅に低減させることができる。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑には例えば動圧気体潤滑を適用することもできる。
この点、スターリングエンジン10Aは、ピストン21、31の内部に加圧流体を供給するための加圧流体供給手段である加圧ポンプ70をクランクケース120内に備えており、加圧ポンプ70を利用してピストン21、31を静圧気体潤滑する。加圧ポンプ70は具体的には作動流体を加圧するとともに、加圧した作動流体を加圧流体としてピストン21、31の内部に供給する。そしてピストン21、31の内部に導入された加圧流体は、膨張ピストン21の内部から外周面に貫通させて設けられた複数の給気孔(図示省略)から噴出されるようになっており、これにより静圧気体潤滑が行われる。
気体潤滑が行われるシリンダ22、32とピストン21、31との間のクリアランスは数十μmとなっている。そして、このクリアランスにはスターリングエンジン10Aの作動流体が介在している。ピストン21、31それぞれは、気体潤滑によりシリンダ22、32と非接触の状態、または許容できる接触状態で支持されている。したがってピストン21、31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。気体潤滑では、微小クリアランスにより膨張空間、圧縮空間それぞれの気密が保たれ、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールが行われる。
さらにピストン21、31とシリンダ22、32とはともに金属製であり、本実施例では具体的には対応するピストン21、31およびシリンダ22、32同士で線膨張率が同じ金属(ここではSUS)が適用されている。これにより、熱膨張があっても適正なクリアランスを維持して気体潤滑を行うことができる。
ところで気体潤滑の場合、負荷能力が小さいことから、ピストン21、31のサイドフォースを実質的にゼロにしなくてはならない。すなわち、気体潤滑を行う場合にはシリンダ22、32の直径方向(横方向,スラスト方向)の力に耐える能力(耐圧能力)が低くなるため、シリンダ22、32の軸線に対するピストン21、31の直線運動精度が高い必要がある。
このため、本実施例ではピストン・クランク部にグラスホッパの機構50を採用している。直線運動を実現する機構にはグラスホッパの機構50のほか例えばワットの機構があるが、グラスホッパの機構50は他の機構に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構のサイズが小さくて済むため、装置全体がコンパクトになるという効果が得られる。特に本実施例のスターリングエンジン10Aは、自動車の床下といった限られたスペースに設置されることになるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。またグラスホッパの機構50は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の重量が他の機構よりも軽量で済むため、燃費の点で有利である。さらにグラスホッパの機構50は機構の構成が比較的簡単であるため、構成(製造・組み立て)し易いという利点も有する。
図2はスターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。なお、ピストン・クランク部には高温側気筒20側と低温側気筒30側とで共通の構成を採用しているため、以下では、高温側気筒20側についてのみ説明し、低温側気筒30側についての説明は省略する。近似直線機構は、グラスホッパの機構50と、コネクティングロッド110と、エクステンションロッド111と、ピストンピン112とを備えている。膨張ピストン21は、コネクティングロッド110、エクステンションロッド111およびピストンピン112を介して駆動軸113に接続されている。具体的には、膨張ピストン21はピストンピン112を介してエクステンションロッド111の一端側に接続されている。そして、エクステンションロッド111の他端側にはコネクティングロッド110の小端部110aが接続されている。そして、コネクティングロッド110の大端部110bが駆動軸113に接続されている。
膨張ピストン21の往復運動は、コネクティングロッド110によって駆動軸113に伝達され、ここで回転運動に変換される。コネクティングロッド110はグラスホッパの機構50によって支持されており、膨張ピストン21を直線状に往復運動させる。このように、コネクティングロッド110をグラスホッパの機構50によって支持することにより、膨張ピストン21のサイドフォースFがほとんどゼロになる。このため、負荷能力の小さい気体潤滑を行う場合でも十分に膨張ピストン21を支持することができる。
ところで、冷却器45や再生器46や加熱器47などの熱交換器内には製造時に除去し切れなかった微小な金属片などの異物が残存している場合がある。また、金網を内蔵する再生器46からは、微小な金属片が機関運転中に異物として剥がれ落ちる場合もある。かかる異物はスターリングエンジン10Aの作動の際に、作動流体とともに膨張空間や圧縮空間に流入し、さらにピストン21、31とシリンダ22、32間のクリアランスに侵入、成長して凝着に至ることがある。これに対してスターリングエンジン10Aでは、高温となるが故に熱膨張や温度の影響を考慮する必要があり、クリアランスを管理することが難しい。この高温環境下での凝着対策として膨張ピストン21の外周面に層60が設けられている。
層60は樹脂をコーティングすることによって設けられている。樹脂は金属製の膨張ピストン21の母材よりも線膨張率が高く、且つ柔軟性のある材料となっている。樹脂は本実施例では具体的にはフッ素系の樹脂である。樹脂は一般に金属よりも線膨張率が4倍から10倍程度高いため、半径クリアランスが数十μm程度となる膨張ピストン21の外周面に樹脂を適用することには困難を伴う。層60の線膨張率は温度上昇に応じて高温側シリンダ22との間に形成されるクリアランスを小さくすることが可能な線膨張率となっている。
常温下の層60の厚さは、半径クリアランスの大きさ以上となっている。本実施例では層60の厚さはさらに半径クリアランスの大きさの2倍以上となっている。かかる層60の厚さは、樹脂を複数回に亘って重ねてコーティングすることで実現されている。さらに常温下の層60の厚さは、使用条件下で発生する熱膨張があっても、高温側シリンダ22との間に形成されるクリアランスを維持可能な厚さとなっている。この点、作動流体の温度は大気温度から数百℃まで変化し、常温は最低で例えば−40℃程度、使用温度は最高で例えば400℃程度となる。
膨張ピストン21と高温側シリンダ22とには、前述の通り線膨張率が同じ金属(ここではSUS)が適用されている。このため、金属部半径クリアランスは熱膨張の前後でほぼ変化しない一方で、金属よりも線膨張率が高い層60の厚さは熱膨張後に大きくなることから、半径クリアランスは熱膨張後に小さくなる。
一方、半径クリアランスに侵入可能な異物の大きさは、基本的に常温時の半径クリアランスより小さな異物に限られ、例外的に層60が高温側シリンダ22に接触した状態を想定して最大で半径クリアランスの大きさの2倍程度となる。
一方、半径クリアランスに侵入可能な異物の大きさは、基本的に常温時の半径クリアランスより小さな異物に限られ、例外的に層60が高温側シリンダ22に接触した状態を想定して最大で半径クリアランスの大きさの2倍程度となる。
そして、かかる異物が半径クリアランスに侵入し、膨張ピストン21(より正確には層60)および高温側シリンダ22間に介在した場合であっても、介在した異物は例えば熱膨張の際に層60の柔軟性により層60に食い込み、捕集される。そして、さらにその後の機関運転中に膨張ピストン21(より正確には層60)が高温側シリンダ22に近接、或いは場合によっては接触した場合に柔軟性のある層60に埋収される。これにより、介在した異物で面圧が高まることが防止されるため、凝着が発生することを防止できる。
また、侵入した異物同士が結合して成長する場合でも、異物が半径クリアランスと層60の厚さとを足した大きさになるまで、異物の侵入、成長を許容できる。
また、層60は固体潤滑機能を持つ材料であるフッ素系の樹脂で形成されているため、層60そのものに起因して凝着が発生することも防止される。
また、侵入した異物同士が結合して成長する場合でも、異物が半径クリアランスと層60の厚さとを足した大きさになるまで、異物の侵入、成長を許容できる。
また、層60は固体潤滑機能を持つ材料であるフッ素系の樹脂で形成されているため、層60そのものに起因して凝着が発生することも防止される。
ところで、スターリングエンジン10Aに対してはさらに図3に示すECU80Aが設けられている。ECU80AはCPU81、ROM82、RAM83等からなるマイクロコンピュータと入出力回路85、86とを備えている。これらの構成は互いにバス84を介して接続されている。
ECU80Aにはスターリングエンジン10Aの回転数NSEを検出するための回転数NSE検出センサ91や、膨張空間の作動流体の温度である高温側作動流体温度Thを検出するための温度センサ92や、車両エンジンの回転数Neを検出するための回転数Ne検出センサ93や、車両エンジンの吸入空気量Gaを計測するためのエアフロメータ94や、加熱器47と熱交換が行われる直前の排気ガス温度Tinを検出するための排気ガス温度センサ95などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。
ECU80Aには制御対象として例えば加圧ポンプ70や、冷却器45に冷却水を圧送するための圧送ポンプ75が電気的に接続されている。
なお、回転数Ne検出センサ93やエアフロメータ94や排気ガス温度センサ95は例えば図示しない車両エンジン用のECUを介して間接的に接続されてもよい。また例えば車両エンジン用のECUでECU80Aが実現されてもよい。
ECU80Aにはスターリングエンジン10Aの回転数NSEを検出するための回転数NSE検出センサ91や、膨張空間の作動流体の温度である高温側作動流体温度Thを検出するための温度センサ92や、車両エンジンの回転数Neを検出するための回転数Ne検出センサ93や、車両エンジンの吸入空気量Gaを計測するためのエアフロメータ94や、加熱器47と熱交換が行われる直前の排気ガス温度Tinを検出するための排気ガス温度センサ95などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。
ECU80Aには制御対象として例えば加圧ポンプ70や、冷却器45に冷却水を圧送するための圧送ポンプ75が電気的に接続されている。
なお、回転数Ne検出センサ93やエアフロメータ94や排気ガス温度センサ95は例えば図示しない車両エンジン用のECUを介して間接的に接続されてもよい。また例えば車両エンジン用のECUでECU80Aが実現されてもよい。
ROM82はCPU81が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU81がROM82に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM83の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU80Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
例えばECU80Aでは、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを層60の耐熱温度である所定値γ(例えば300℃)よりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行う制御手段が機能的に実現される。
制御手段は具体的には、高温熱源からの熱の供給が停止した場合に、運転停止動作を開始し、その後、運転が停止した状態で、且つ高温側シリンダ22と接触した後の膨張ピストン21の温度であるピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態で、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
この点、高温熱源からの熱の供給は、具体的には車両エンジンが停止した場合に停止することになる。またピストン温度Tpbは、さらに具体的には高温側シリンダ22との接触後、膨張ピストン21が温度上昇によって到達し得る最も高い温度となっている。
また運転停止動作を開始するにあたり、制御手段は具体的には冷却器45への冷却水の流通を停止するための制御を行うように実現される。
また膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うにあたり、制御手段は具体的には加圧ポンプ70を停止するための制御を行うように実現される。
制御手段は具体的には、高温熱源からの熱の供給が停止した場合に、運転停止動作を開始し、その後、運転が停止した状態で、且つ高温側シリンダ22と接触した後の膨張ピストン21の温度であるピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態で、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
この点、高温熱源からの熱の供給は、具体的には車両エンジンが停止した場合に停止することになる。またピストン温度Tpbは、さらに具体的には高温側シリンダ22との接触後、膨張ピストン21が温度上昇によって到達し得る最も高い温度となっている。
また運転停止動作を開始するにあたり、制御手段は具体的には冷却器45への冷却水の流通を停止するための制御を行うように実現される。
また膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うにあたり、制御手段は具体的には加圧ポンプ70を停止するための制御を行うように実現される。
またECU80Aでは、ピストン温度Tpbを推定する推定手段が機能的に実現される。ピストン温度Tpbは具体的には以下に示す算出方法に基づき推定される。
ここで、加熱器47に溜まった熱の伝導経路は図4に示すようになっている。
Qheaterは加熱器47に溜まった熱量であり、次に示す式(1)で算出される。
Qheater=mheater×cheater×(Theater−T0) ・・・(1)
mheaterは加熱器47の質量、cheaterは加熱器47の比熱、Theaterは加熱器47の平均温度、T0は大気温度である。
ここで、加熱器47に溜まった熱の伝導経路は図4に示すようになっている。
Qheaterは加熱器47に溜まった熱量であり、次に示す式(1)で算出される。
Qheater=mheater×cheater×(Theater−T0) ・・・(1)
mheaterは加熱器47の質量、cheaterは加熱器47の比熱、Theaterは加熱器47の平均温度、T0は大気温度である。
一方、Qheaterは次に示す式(2)で表される。
Qheater=Qheater,h+Qheater。c ・・・(2)
Qheater,hは高温側気筒20側への伝導熱量、Qheater。cは低温側気筒30側への伝導熱量である。
さらに、Qheater,hは次に示す式(3)で表される。
Qheater,h=Qp,h+QCr,h ・・・(3)
Qp,hは膨張ピストン21への伝導熱量、QCr,hはクランクケース120への伝導熱量である。
Qheater=Qheater,h+Qheater。c ・・・(2)
Qheater,hは高温側気筒20側への伝導熱量、Qheater。cは低温側気筒30側への伝導熱量である。
さらに、Qheater,hは次に示す式(3)で表される。
Qheater,h=Qp,h+QCr,h ・・・(3)
Qp,hは膨張ピストン21への伝導熱量、QCr,hはクランクケース120への伝導熱量である。
また、Qp,hは次に示す式(4)で表される。
Qp,h=mp×Cp×ΔTp ・・・(4)
mpは膨張ピストン21の質量、Cpは膨張ピストン21の比熱、ΔTpは膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後の温度上昇である。
そして、ピストン温度Tpbは次に示す式(5)で表される。
Tpb=Tpa+ΔTp ・・・(5)
Tpaは高温側シリンダ22と接触する前の膨張ピストン21の温度である。
Qp,h=mp×Cp×ΔTp ・・・(4)
mpは膨張ピストン21の質量、Cpは膨張ピストン21の比熱、ΔTpは膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後の温度上昇である。
そして、ピストン温度Tpbは次に示す式(5)で表される。
Tpb=Tpa+ΔTp ・・・(5)
Tpaは高温側シリンダ22と接触する前の膨張ピストン21の温度である。
この点、式(2)におけるQheater,hとQheater。cの割合、および式(3)におけるQp,hとQCr,hの割合はスターリングエンジン10Aのハード構成や冷却器45の冷却水温度で決まってくる。このため、Qheater,hとQheater。c割合、およびQp,hとQCr,hの割合は定数、またはマップデータで定義することができる。
したがって、Qheaterがわかれば、式(2)、式(3)からQp,hがわかり、さらに式(4)よりΔTpがわかる。またTheaterがわかれば、式(1)よりQheaterがわかる。またTpaについては、例えばスターリングエンジン10Aの運転状態に応じてマップデータで定義することができる。
そしてこれにより、式(5)に基づきピストン温度Tpbを推定できる。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Aで接触回避手段が実現されている。
したがって、Qheaterがわかれば、式(2)、式(3)からQp,hがわかり、さらに式(4)よりΔTpがわかる。またTheaterがわかれば、式(1)よりQheaterがわかる。またTpaについては、例えばスターリングエンジン10Aの運転状態に応じてマップデータで定義することができる。
そしてこれにより、式(5)に基づきピストン温度Tpbを推定できる。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Aで接触回避手段が実現されている。
次にECU80Aの動作を図5に示すフローチャートおよび図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。ECU80Aは車両エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS11)。否定判定であれば、特段の処理を要しないため本フローチャートを一旦終了する。一方、ステップS11で肯定判定であれば、ECU80Aはスターリングエンジン10Aの停止動作を開始する(ステップS12)。これにより図6に示すように、スターリングエンジン10Aの回転数NSEが時間t11で低下し始める。
続いてECU80Aは膨張ピストン21内の圧力であるピストン内圧Ppが所定値αになるように加圧ポンプ70を作動することで、膨張ピストン21内の加圧を継続する(ステップS13)。すなわち、静圧気体潤滑を継続する。続いてECU80Aはスターリングエンジン10Aの回転数NSEがゼロであるか否かを判定する(ステップS14)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS13に戻る。この間に高温熱源からの熱の供給が停止されたスターリングエンジン10Aでは、図6に示すように膨張ピストン21の温度であるピストン温度Tpが次第に低下し始める。
一方、ステップS14で肯定判定であれば、スターリングエンジン10Aの運転が停止したと判断される。このときECU80Aはピストン温度Tpbを推定する(ステップS15)。なお、ピストン温度Tpbの推定サブルーチンについては実施例5以降で具体的に後述する。続いてECU80Aは、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低いか否かを判定する(ステップS16)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS13に戻る。一方、ステップS16で肯定判定であれば、加圧ポンプ70の作動を停止させることで、膨張ピストン21内の加圧を停止する(ステップS17)。
この点、スターリングエンジン10Aでは、図6に示すように時間t12でスターリングエンジン10Aの運転が完全に停止するとともに、このときに既に推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態であったことから、時間t12で膨張ピストン21内の加圧が停止され、この結果、ピストン内圧Ppが時間t12から低下し始めている。そして、ピストン内圧Ppはその後、時間t13で作動流体平均圧Pmに落ち着き、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触する。
一方、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後には、ピストン温度Tpが上昇し始める。
ところが、スターリングエンジン10Aでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態で、すなわちピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態で、膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Aは、例えば図6に破線で示すように膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後に、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Aは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
ところが、スターリングエンジン10Aでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態で、すなわちピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態で、膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Aは、例えば図6に破線で示すように膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後に、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Aは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Bは、ECU80Aの代わりにECU80Bが設けられている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。ECU80Bは制御手段が以下に示すように実現される点以外、ECU80Aと実質的に同一のものとなっている。このためスターリングエンジン10Bについては図示省略する。
ECU80Bでも、制御手段は、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うように実現される。
一方、ECU80Bでは、制御手段が具体的には、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱である加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに運転が停止した状態で、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御や、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Bで接触回避手段が実現されている。
ECU80Bでも、制御手段は、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うように実現される。
一方、ECU80Bでは、制御手段が具体的には、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱である加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに運転が停止した状態で、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御や、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Bで接触回避手段が実現されている。
次にECU80Bの動作を図7に示すフローチャートおよび図8に示すタイミングチャートを用いて説明する。ECU80Bは車両エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS21)。そして、否定判定であれば本フローチャートを一旦終了し、肯定判定であればスターリングエンジン10Bの運転を継続するとともに(ステップS22)、膨張ピストン21内の加圧を継続する(ステップS23)。この点、車両エンジンの停止により高温熱源からの熱の供給が停止されたことで、図8に示すようにスターリングエンジン10Bの回転数NSEは時間t21で低下し始め、ピストン温度Tpもその後低下し始める。
ステップS23に続き、ECU80Bはピストン温度Tpbを推定し(ステップS24)、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低いか否かを判定する(ステップS25)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS22に戻る。この間、スターリングエンジン10Bは、図8に示すように加熱器47に溜まった熱で運転が継続されることになる。一方、ステップS25で肯定判定であれば、ECU80Bはスターリングエンジン10Bの停止動作を開始する(ステップS26)。これにより図8に示すように、スターリングエンジン10Bの回転数NSEが時間t22でさらに低下し始める。
一方、ECU80Bは、膨張ピストン21内の加圧を継続しつつ(ステップS27)、スターリングエンジン10Bの回転数NSEがゼロであるか否かを判定する(ステップS28)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS27に戻る。一方、ステップS28で肯定判定であれば、ECU80Bは加圧ポンプ70の作動を停止させることで、膨張ピストン21内の加圧を停止する(ステップS29)。この点、スターリングエンジン10Bでは、図8に示すように時間t23でスターリングエンジン10Bの運転が完全に停止するとともに、膨張ピストン21内の加圧が停止される。そしてこの結果、ピストン内圧Ppが時間t23から低下し始めるとともに、時間t24で作動流体平均圧Pmに落ち着き、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触する。
一方、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後には、ピストン温度Tpが上昇し始める。
ところが、スターリングエンジン10Bでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態で膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Bは、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後に、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Bは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Bは、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続することで、加熱器47に溜まった熱をエネルギーとして消費できる。このためスターリングエンジン10Bは、スターリングエンジン10Aと比較して、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することも好適に抑制できる。
ところが、スターリングエンジン10Bでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態で膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Bは、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後に、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Bは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Bは、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続することで、加熱器47に溜まった熱をエネルギーとして消費できる。このためスターリングエンジン10Bは、スターリングエンジン10Aと比較して、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することも好適に抑制できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Cは、ECU80Aの代わりにECU80Cが設けられている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。またECU80Cは、制御手段が以下に示すように実現される点以外、ECU80Aと実質的に同一のものとなっている。このためスターリングエンジン10Cについては図示省略する。
ECU80Cでも、制御手段は、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うように実現される。
ECU80Cでも、制御手段は、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うように実現される。
一方、ECU80Cでは、制御手段が具体的には、高温熱源からの熱の供給が停止された後、加熱器47に溜まった熱を最大限利用可能な態様で運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに運転が停止した状態で、且つピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態で、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
また、加熱器47に溜まった熱を最大限利用可能な態様で運転を継続するにあたって、制御手段は具体的には、回転数NSEが所定値Nstopになるまで運転を継続するための制御を行うように実現される。この点、所定値Nstopは加熱器47に溜まった熱でスターリングエンジン10Cの運転を限界まで継続できるように設定されている。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御や、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Cで接触回避手段が実現されている。
また、加熱器47に溜まった熱を最大限利用可能な態様で運転を継続するにあたって、制御手段は具体的には、回転数NSEが所定値Nstopになるまで運転を継続するための制御を行うように実現される。この点、所定値Nstopは加熱器47に溜まった熱でスターリングエンジン10Cの運転を限界まで継続できるように設定されている。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御や、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例では加圧ポンプ70とECU80Cで接触回避手段が実現されている。
次にECU80Cの動作を図9に示すフローチャートおよび図10に示すタイミングチャートを用いて説明する。ECU80Cは車両エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS31)。そして、否定判定であれば本フローチャートを一旦終了し、肯定判定であればスターリングエンジン10Cの運転を継続するとともに(ステップS32)、膨張ピストン21内の加圧を継続する(ステップS33)。この点、車両エンジンの停止により高温熱源からの熱の供給が停止されたことで、図10に示すようにスターリングエンジン10Cの回転数NSEは時間t31で低下し始め、ピストン温度Tpもその後低下し始める。
ステップS33に続き、ECU80Cはスターリングエンジン10Cの回転数NSEが所定値Nstopであるか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34で否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS32に戻る。一方、ステップS34で肯定判定であれば、ECU80Cはスターリングエンジン10Cの停止動作を開始する(ステップS35)。これにより図10に示すように、スターリングエンジン10Cの回転数NSEが時間t32でさらに低下し始める。
ステップS35に続き、ECU80Cは膨張ピストン21内の加圧を継続しつつ(ステップS36)、スターリングエンジン10Cの回転数NSEがゼロであるか否かを判定する(ステップS37)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS36に戻る。一方、ステップS37で肯定判定であれば、ECU80Cはピストン温度Tpbを推定し(ステップS38)、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低いか否かを判定する(ステップS39)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS36に戻る。一方、ステップS39で肯定判定であれば、ECU80Cは加圧ポンプ70の作動を停止させることで、膨張ピストン21内の加圧を停止する(ステップS40)。
この点、スターリングエンジン10Cでは、図10に示すように時間t33でスターリングエンジン10Cの運転が完全に停止するとともに、このときに既に推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低い状態であったことから、時間t33で膨張ピストン21内の加圧が停止され、この結果、ピストン内圧Ppが時間t33から低下し始めている。そして、ピストン内圧Ppはその後、時間t34で作動流体平均圧Pmに落ち着き、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触する。
一方、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後には、ピストン温度Tpが上昇し始める。
ところが、スターリングエンジン10Cでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γより低い状態で膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Cは、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Cは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Cは、加熱器47に溜まった熱を最大限利用可能な態様で運転を継続することで、スターリングエンジン10Bと比較して、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することをさらに好適に抑制できる。
ところが、スターリングエンジン10Cでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γより低い状態で膨張ピストン21内の加圧を停止し、これにより膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させている。
このためスターリングエンジン10Cは、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できる。
またスターリングエンジン10Cは、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させることで、摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Cは、加熱器47に溜まった熱を最大限利用可能な態様で運転を継続することで、スターリングエンジン10Bと比較して、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することをさらに好適に抑制できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Dは、図11に示すように加圧ポンプ70の代わりに膨張ピストン21および圧縮ピストン31それぞれに逆止弁71を備えている点と、ECU80Aの代わりECU80Dが設けられている点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。
膨張ピストン21に設けられた逆止弁71は、膨張ピストン21内に加圧流体を導入可能であるとともに、導入した加圧流体の加圧状態を保持可能となっており、膨張ピストン21を気体潤滑するにあたり、膨張空間おける作動流体の圧力で運転時に膨張ピストン21を静圧気体潤滑することが可能な導入保持手段となっている。このためスターリングエンジン10Dでは、運転時に逆止弁71を介して膨張空間にある作動流体を加圧流体として膨張ピストン21内に供給することで、静圧気体潤滑が行われる。なお、逆止弁71の代わりに例えば導入保持手段として開閉弁を用いることなども可能である。また圧縮ピストン31についても同様にして静圧気体潤滑が行われる。
膨張ピストン21に設けられた逆止弁71は、膨張ピストン21内に加圧流体を導入可能であるとともに、導入した加圧流体の加圧状態を保持可能となっており、膨張ピストン21を気体潤滑するにあたり、膨張空間おける作動流体の圧力で運転時に膨張ピストン21を静圧気体潤滑することが可能な導入保持手段となっている。このためスターリングエンジン10Dでは、運転時に逆止弁71を介して膨張空間にある作動流体を加圧流体として膨張ピストン21内に供給することで、静圧気体潤滑が行われる。なお、逆止弁71の代わりに例えば導入保持手段として開閉弁を用いることなども可能である。また圧縮ピストン31についても同様にして静圧気体潤滑が行われる。
ECU80Dは、加圧ポンプ70が電気的に接続されていない点と、制御手段が以下に示すように実現される点以外、ECU80Aと実質的に同一のものとなっている。このためECU80Dについては図示省略する。
ECU80Dでは、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うにあたり、制御手段が以下に示すように実現される。
すなわちECU80Dでは、制御手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始することで、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例ではECU80Dで接触回避手段が実現されている。
ECU80Dでは、運転を停止する場合に、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないための制御を行うにあたり、制御手段が以下に示すように実現される。
すなわちECU80Dでは、制御手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始することで、運転が停止した状態で膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させるための制御を行うように実現される。
なお、運転停止動作を開始するにあたり行う制御はECU80Aの場合と同様である。
本実施例ではECU80Dで接触回避手段が実現されている。
次にECU80Dの動作を図12に示すフローチャートおよび図13に示すタイミングチャートを用いて説明する。ECU80Dは車両エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS41)。そして、否定判定であれば本フローチャートを一旦終了し、肯定判定であればスターリングエンジン10Dの運転を継続する(ステップS42)。この点、車両エンジンの停止により高温熱源からの熱の供給が停止されたことで、図13に示すようにスターリングエンジン10Dの回転数NSEは時間t41で低下し始め、ピストン温度Tpもその後低下し始める。
ステップS42に続き、ECU80Dはピストン温度Tpbを推定し(ステップS43)、推定したピストン温度Tpbが所定値γよりも低いか否かを判定する(ステップS44)。否定判定であれば、肯定判定されるまでの間、ステップS42に戻る。この間、スターリングエンジン10Dは、図13に示すように加熱器47に溜まった熱で運転が継続されることになる。一方、ステップS44で肯定判定であれば、ECU80Dはスターリングエンジン10Dの停止動作を開始する(ステップS45)。これにより、図13に示すようにスターリングエンジン10Dの回転数NSEが時間t42でさらに低下し始め、その後、時間t43でスターリングエンジン10Dの運転が停止する。そして、逆止弁71を介して膨張ピストン21内に作動流体を供給することで、静圧気体潤滑を行うスターリングエンジン10Dでは、運転が停止した状態でピストン内圧Ppが作動流体平均圧Pmになり、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触する。
一方、膨張ピストン21と高温側シリンダ22とが接触した後には、ピストン温度Tpが上昇し始める。
ところが、スターリングエンジン10Dでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γより低い状態でスターリングエンジン10Dの停止動作を開始し、運転停止時に膨張ピストン21が高温側シリンダ22に接触するようにしている。
このためスターリングエンジン10Dは、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できるとともに摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Dは、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続することで、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することを好適に抑制できる。
さらにスターリングエンジン10Dは、膨張ピストン21を気体潤滑するにあたり、加圧ポンプ70を必要としないことから、コスト的に有利な構成とすることもできる。
ところが、スターリングエンジン10Dでは、推定したピストン温度Tpbが所定値γより低い状態でスターリングエンジン10Dの停止動作を開始し、運転停止時に膨張ピストン21が高温側シリンダ22に接触するようにしている。
このためスターリングエンジン10Dは、ピストン温度Tpが所定値γを超えることで層60にダメージが及ぶことを防止でき、以って膨張ピストン21の信頼性を確保できるとともに摺動により層60にダメージが及ぶことも防止できる。
さらにスターリングエンジン10Dは、加熱器47に溜まった熱を利用して、ピストン温度Tpbを所定値γよりも低く抑制可能な状態まで運転を継続することで、膨張ピストン21と高温側シリンダ22の接触後にピストン温度Tpが上昇することを好適に抑制できる。
さらにスターリングエンジン10Dは、膨張ピストン21を気体潤滑するにあたり、加圧ポンプ70を必要としないことから、コスト的に有利な構成とすることもできる。
本実施例ではピストン温度Tpbの推定方法の第1の具体例について説明する。なお、本実施例ではスターリングエンジン10Aに係るECU80Aで推定手段を以下に示すように具体的に実現した場合として説明するが、同様の内容は例えばスターリングエンジン10Bなど前述した各スターリングエンジンに対して適用されてよい。
ピストン温度Tpbを推定するにあたって、推定手段は具体的には運転停止動作を開始する前のスターリングエンジン10Aの回転数NSEと正味出力Woutと基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。
さらに具体的には、推定手段は回転数NSEと正味出力Woutと基づき、図14に示す第1のマップデータを参照することで、ピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出するとともに、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づいて、ピストン温度Tpbを算出するように実現される。なお、図14に示す第1のマップデータはROM82に予め格納されている。
ピストン温度Tpbを推定するにあたって、推定手段は具体的には運転停止動作を開始する前のスターリングエンジン10Aの回転数NSEと正味出力Woutと基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。
さらに具体的には、推定手段は回転数NSEと正味出力Woutと基づき、図14に示す第1のマップデータを参照することで、ピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出するとともに、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づいて、ピストン温度Tpbを算出するように実現される。なお、図14に示す第1のマップデータはROM82に予め格納されている。
第1のマップデータでは、回転数NSEと正味出力Woutとに応じて、高温側作動流体温度Thと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)と、加熱器47の平均温度Theaterとが予め設定されている。
なお、第1のマップデータは、加熱器47の平均温度Theaterが高温側作動流体温度Thと、高温側作動流体温度Thがピストン温度Tpと、ピストン温度Tpが正味出力Woutとそれぞれ相関関係を有していることに基づき作成が可能なものとなっている。この点、この場合に温度センサ92や排気ガス温度センサ95は必要とされない。また例えば大気温度T0を一定とみなした上で、実施例1で前述した式(1)を反映させることなどで、加熱器47の平均温度Theaterの代わりに加熱器47に溜まった熱量Qheaterを第1のマップデータに予め設定することも可能であり、これは後述する第2から第4のマップデータについても同様である。
なお、第1のマップデータは、加熱器47の平均温度Theaterが高温側作動流体温度Thと、高温側作動流体温度Thがピストン温度Tpと、ピストン温度Tpが正味出力Woutとそれぞれ相関関係を有していることに基づき作成が可能なものとなっている。この点、この場合に温度センサ92や排気ガス温度センサ95は必要とされない。また例えば大気温度T0を一定とみなした上で、実施例1で前述した式(1)を反映させることなどで、加熱器47の平均温度Theaterの代わりに加熱器47に溜まった熱量Qheaterを第1のマップデータに予め設定することも可能であり、これは後述する第2から第4のマップデータについても同様である。
次にピストン温度Tpbを推定するにあたって、ECU80Aが行う動作を図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートは図5に示すフローチャートにおけるピストン温度Tpbの推定サブルーチンとなっている。
ECU80Aは、運転停止動作を開始する前の回転数NSEを算出するとともに(ステップS51)、正味出力Woutを算出する(ステップS52)。続いてECU80Aは、算出した回転数NSEおよび正味出力Woutに基づき、第1のマップデータを参照し、高温側作動流体温度Th、ピストン温度Tpa、加熱器47の平均温度Theaterをこの順で算出する(ステップS53、S54、S55)。この点、これらは第1のマップデータを用いることなく、例えば相関関係に基づき演算によって算出されてもよい。さらにピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出したECU80Aは、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づき、ピストン温度Tpbを算出する(ステップS56)。
ECU80Aは、運転停止動作を開始する前の回転数NSEを算出するとともに(ステップS51)、正味出力Woutを算出する(ステップS52)。続いてECU80Aは、算出した回転数NSEおよび正味出力Woutに基づき、第1のマップデータを参照し、高温側作動流体温度Th、ピストン温度Tpa、加熱器47の平均温度Theaterをこの順で算出する(ステップS53、S54、S55)。この点、これらは第1のマップデータを用いることなく、例えば相関関係に基づき演算によって算出されてもよい。さらにピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出したECU80Aは、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づき、ピストン温度Tpbを算出する(ステップS56)。
このようにピストン温度Tpbは、具体的には例えば回転数NSEと正味出力Woutと基づき推定することができる。
この点、第1の具体例によれば、回転数NSEと正味出力Woutと基づきピストン温度Tpbを推定することで、高温熱源の種類を問わずピストン温度Tpbを推定できる点で、ピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また第1の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
この点、第1の具体例によれば、回転数NSEと正味出力Woutと基づきピストン温度Tpbを推定することで、高温熱源の種類を問わずピストン温度Tpbを推定できる点で、ピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また第1の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
本実施例ではピストン温度Tpbの推定方法の第2の具体例について説明する。なお、本実施例ではスターリングエンジン10Aに係るECU80Aで推定手段を以下に示すように具体的に実現した場合として説明するが、同様の内容は例えばスターリングエンジン10Bなど前述した各スターリングエンジンに対して適用されてよい。
ピストン温度Tpbを推定するにあたり、推定手段は具体的には車両エンジンが停止する前の所定時間における車両エンジンの平均負荷に基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。
この点、車両エンジンの平均負荷は、具体的には上述の所定時間における車両エンジンの平均回転数Neおよび平均出力Weの組み合わせで特定される。そして平均回転数Neおよび平均出力Weは具体的には、図16に示すように車両エンジンに対する運転停止動作(例えばイグニッションスイッチのOFF)に基づき、車両エンジンが減速を開始する時点を終点とした所定時間において算出される。
ピストン温度Tpbを推定するにあたり、推定手段は具体的には車両エンジンが停止する前の所定時間における車両エンジンの平均負荷に基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。
この点、車両エンジンの平均負荷は、具体的には上述の所定時間における車両エンジンの平均回転数Neおよび平均出力Weの組み合わせで特定される。そして平均回転数Neおよび平均出力Weは具体的には、図16に示すように車両エンジンに対する運転停止動作(例えばイグニッションスイッチのOFF)に基づき、車両エンジンが減速を開始する時点を終点とした所定時間において算出される。
そして、推定手段はさらに具体的には、平均回転数Neおよび平均出力Weに基づき、図17に示す第2のマップデータを参照することで、ピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出するとともに、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づいて、ピストン温度Tpbを算出するように実現される。なお、図17に示す第2のマップデータはROM82に予め格納されている。
第2のマップデータでは、平均回転数Neおよび平均出力Weに応じて、排気ガス温度Texと、加熱器47の平均温度Theaterと、高温側作動流体温度Thと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。この点、この場合に温度センサ92や排気ガス温度センサ95は必要とされない。
第2のマップデータでは、平均回転数Neおよび平均出力Weに応じて、排気ガス温度Texと、加熱器47の平均温度Theaterと、高温側作動流体温度Thと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。この点、この場合に温度センサ92や排気ガス温度センサ95は必要とされない。
次にピストン温度Tpbを推定するにあたって、ECU80Aが行う動作を図18に示すフローチャートを用いて説明する。ECU80Aは、運転停止動作を開始する前の平均回転数Neを算出するとともに(ステップS61)、平均出力Weを算出する(ステップS62)。続いてECU80Aは、算出した平均回転数Neおよび平均出力Weに基づき、第2のマップデータを参照し、排気ガス温度Tex、加熱器47の平均温度Theater、高温側作動流体温度Th、膨張ピストン21の温度Tpaをこの順で算出する(ステップS63、S64、S65、S66)。この点、これらは第2のマップデータを用いることなく、例えば相関関係に基づき演算によって算出されてもよい。さらにピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出したECU80Aは、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づき、ピストン温度Tpbを算出する(ステップS67)。
このようにピストン温度Tpbは具体的には例えば、平均回転数Neおよび平均出力Weに基づき推定することもできる。
この点、第2の具体例によれば、ピストン温度Tpbを平均回転数Neおよび平均出力Weに基づき推定することで、高温熱源を車両エンジンなど内燃機関の排気ガスとする場合にピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また第2の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点や、ECU80Aを車両エンジン用のECUで実現することがより合理的に可能となる点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
この点、第2の具体例によれば、ピストン温度Tpbを平均回転数Neおよび平均出力Weに基づき推定することで、高温熱源を車両エンジンなど内燃機関の排気ガスとする場合にピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また第2の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点や、ECU80Aを車両エンジン用のECUで実現することがより合理的に可能となる点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
本実施例ではピストン温度Tpbの推定方法の第3の具体例について説明する。なお、本実施例ではスターリングエンジン10Aに係るECU80Aで推定手段を以下に示すように具体的に実現した場合として説明するが、同様の内容は例えばスターリングエンジン10Bなど前述した各スターリングエンジンに対して適用されてよい。
ピストン温度Tpbを推定するにあたり、推定手段が具体的には車両エンジンが停止する前の所定時間における車両側エンジンの平均吸入空気量Gaと平均排気ガス温度Tinとに基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。
この点、平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinは図19に示すように、具体的には車両エンジンに対する運転停止動作に基づき、車両エンジンが減速を開始する時点を終点とした所定時間において算出される。なお、排気ガス温度Tinは、排気ガス温度センサ95によって直接的に検出される排気ガスの温度である。また平均吸入空気量Gaの代わりに例えば排気ガスの平均流量を適用することもできる。
この点、平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinは図19に示すように、具体的には車両エンジンに対する運転停止動作に基づき、車両エンジンが減速を開始する時点を終点とした所定時間において算出される。なお、排気ガス温度Tinは、排気ガス温度センサ95によって直接的に検出される排気ガスの温度である。また平均吸入空気量Gaの代わりに例えば排気ガスの平均流量を適用することもできる。
そして、推定手段はさらに具体的には、平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに基づき、図20に示す第3のマップデータを参照することで、ピストン温度Tpa、加熱器47の平均温度Theaterを算出するとともに、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づいて、ピストン温度Tpbを算出するように実現される。なお、図20に示す第3のマップデータはROM82に予め格納されている。
第3のマップデータでは、平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに応じて、加熱器47の平均温度Theaterと、高温側作動流体温度Thと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。この点、この場合に温度センサ92は必要とされない。
第3のマップデータでは、平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに応じて、加熱器47の平均温度Theaterと、高温側作動流体温度Thと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。この点、この場合に温度センサ92は必要とされない。
次にピストン温度Tpbを推定するにあたって、ECU80Aが行う動作を図21に示すフローチャートを用いて説明する。ECU80Aは、運転停止動作を開始する前の平均吸入空気量Gaを算出するとともに(ステップS71)、平均排気ガス温度Tinを算出する(ステップS72)。続いてECU80Aは、算出した平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに基づき、第3のマップデータを参照し、加熱器47の平均温度Theater、高温側作動流体温度Th、膨張ピストン21の温度Tpaをこの順で算出する(ステップS73、S74、S75)。この点、これらは第3のマップデータを用いることなく、例えば相関関係に基づき演算によって算出されてもよい。さらにピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出したECU80Aは、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づき、ピストン温度Tpbを算出する(ステップS76)。
このようにピストン温度Tpbは、具体的には例えば平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに基づき推定することもできる。
この点、第3の具体例によれば、ピストン温度Tpbを平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに基づき推定することで、高温熱源を車両エンジンなど内燃機関の排気ガスとする場合にピストン温度Tpbを好適に推定できる。
また第3の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点や、ECU80Aを車両エンジン用のECUで実現することがより合理的に可能となる点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
この点、第3の具体例によれば、ピストン温度Tpbを平均吸入空気量Gaおよび平均排気ガス温度Tinに基づき推定することで、高温熱源を車両エンジンなど内燃機関の排気ガスとする場合にピストン温度Tpbを好適に推定できる。
また第3の具体例によれば、ピストン温度Tpbを推定するにあたって、例えば温度センサ92など専用に設けなければならない必然性が高いセンサを特段必要としない点や、ECU80Aを車両エンジン用のECUで実現することがより合理的に可能となる点で、コスト的に有利な構成とすることもできる。
本実施例ではピストン温度Tpbの推定方法の第4の具体例について説明する。なお、本実施例ではスターリングエンジン10Aに係るECU80Aで推定手段を以下に示すように具体的に実現した場合として説明するが、同様の内容は例えばスターリングエンジン10Bなど前述した各スターリングエンジンに対して適用されてよい。
ピストン温度Tpbを推定するにあたり、推定手段は具体的には高温側作動流体温度Thに基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。この点、この場合の高温側作動流体温度Thには、具体的には温度センサ92の出力に基づき直接的に検出された温度が適用され、さらに具体的には図22に示すように車両エンジン停止時に測定された温度(高温熱源からの熱の供給が停止したときに測定された温度)が適用される。
ピストン温度Tpbを推定するにあたり、推定手段は具体的には高温側作動流体温度Thに基づき、ピストン温度Tpbを推定するように実現される。この点、この場合の高温側作動流体温度Thには、具体的には温度センサ92の出力に基づき直接的に検出された温度が適用され、さらに具体的には図22に示すように車両エンジン停止時に測定された温度(高温熱源からの熱の供給が停止したときに測定された温度)が適用される。
そして、推定手段はさらに具体的には、高温側作動流体温度Thに基づき、図23に示す第4のマップデータを参照することで、ピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出するとともに、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づいて、ピストン温度Tpbを算出するように実現される。なお、図23に示す第4のマップデータはROM82に予め格納されている。
第4のマップデータでは、高温側作動流体温度Thに応じて、加熱器47の平均温度Theaterと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。
第4のマップデータでは、高温側作動流体温度Thに応じて、加熱器47の平均温度Theaterと、膨張ピストン21の温度Tp(具体的にはTpa)とが予め設定されている。
次にピストン温度Tpbを推定するにあたって、ECU80Aが行う動作を図24に示すフローチャートを用いて説明する。ECU80Aは、車両エンジン運転停止時の高温側作動流体温度Thを測定する(ステップS81)。続いてECU80Aは、測定した高温側作動流体温度Thに基づき、第4のマップデータを参照し、膨張ピストン21の温度Tpa、加熱器47の平均温度Theaterをこの順で算出する(ステップS82、S83)。この点、これらは例えば第4のマップデータを用いることなく、相関関係に基づき演算によって算出されてもよい。さらにピストン温度Tpaおよび加熱器47の平均温度Theaterを算出したECU80Aは、実施例1で前述した式(1)から式(5)に基づき、ピストン温度Tpbを算出する(ステップS84)。
このようにピストン温度Tpbは具体的には例えば、高温側作動流体温度Thに基づき推定することもできる。
この点、第4の具体例によれば、ピストン温度Tpbを高温側作動流体温度Thに基づき推定することで、高温熱源の種類を問わずピストン温度Tpbを推定できる点で、ピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また、第4の具体例によれば、温度センサ92を必要とするものの、マップデータの簡略化を図ることができるとともに、ピストン温度Tpbの推定精度を高めることができる点で好適である。
この点、第4の具体例によれば、ピストン温度Tpbを高温側作動流体温度Thに基づき推定することで、高温熱源の種類を問わずピストン温度Tpbを推定できる点で、ピストン温度Tpbを好適に推定することができる。
また、第4の具体例によれば、温度センサ92を必要とするものの、マップデータの簡略化を図ることができるとともに、ピストン温度Tpbの推定精度を高めることができる点で好適である。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないようにするために、ピストン温度Tpbを推定する場合について説明した。
しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、例えばあらゆる運転条件下、或いは所定の運転条件下で、高温熱源からの熱の供給が停止された後、シリンダと接触した後のピストンの温度を層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態になるまでの所定時間を実験的に予め把握しておくことで、接触回避手段が、当該所定時間が経過するまでの間、ピストンをシリンダに接触させないようにすることなども可能である。
また上述した実施例では、層60が外周面全般に設けられた膨張ピストン21の場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、ピストンは、層が少なくとも部分的に外周面に設けられたピストンであってもよい。
また例えば上述した実施例で各ECUによって機能的に実現される各種の手段は、その他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
例えば上述した実施例では、膨張ピストン21の温度Tpを所定値γよりも低く抑制可能な状態になるまで、膨張ピストン21を高温側シリンダ22に接触させないようにするために、ピストン温度Tpbを推定する場合について説明した。
しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、例えばあらゆる運転条件下、或いは所定の運転条件下で、高温熱源からの熱の供給が停止された後、シリンダと接触した後のピストンの温度を層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態になるまでの所定時間を実験的に予め把握しておくことで、接触回避手段が、当該所定時間が経過するまでの間、ピストンをシリンダに接触させないようにすることなども可能である。
また上述した実施例では、層60が外周面全般に設けられた膨張ピストン21の場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、ピストンは、層が少なくとも部分的に外周面に設けられたピストンであってもよい。
また例えば上述した実施例で各ECUによって機能的に実現される各種の手段は、その他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
10A、10B、10C、10D スターリングエンジン
20 高温側気筒
21 膨張ピストン
22 高温側シリンダ
30 低温側気筒
31 圧縮ピストン
32 低温側シリンダ
47 加熱器
50 グラスホッパの機構
60 層
70 加圧ポンプ
71 逆止弁
80A、80B、80C、80D ECU
20 高温側気筒
21 膨張ピストン
22 高温側シリンダ
30 低温側気筒
31 圧縮ピストン
32 低温側シリンダ
47 加熱器
50 グラスホッパの機構
60 層
70 加圧ポンプ
71 逆止弁
80A、80B、80C、80D ECU
Claims (8)
- シリンダと、
前記シリンダとの間で気体潤滑が行われるとともに、母材よりも線膨張率が高く、且つ柔軟性のある材料で形成された層が外周面に設けられたピストンと、を備え、
運転を停止する場合に、前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態になるまで、前記ピストンを前記シリンダに接触させない接触回避手段が設けられたスターリングエンジン。 - 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を利用して、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに、運転が停止した状態で前記ピストンを前記シリンダに接触させるスターリングエンジン。 - 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を最大限利用可能な態様で運転を継続し、その後、運転停止動作を開始するとともに、運転が停止した状態で、且つ前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態で、前記ピストンを前記シリンダに接触させるスターリングエンジン。 - 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
前記ピストンを気体潤滑するにあたり、前記ピストンに対応して形成される作動空間における作動流体の圧力で運転時に前記ピストンを静圧気体潤滑することが可能な逆止弁をさらに備え、
前記接触回避手段が、高温熱源からの熱の供給が停止された後、既に受熱した熱を利用して、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を前記層の耐熱温度よりも低く抑制可能な状態まで運転を継続し、その後、運転停止動作を開始することで、運転が停止した状態で前記ピストンを前記シリンダに接触させるスターリングエンジン。 - 請求項1から4いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
運転停止動作を開始する前の出力と回転数に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられたスターリングエンジン。 - 請求項1から4いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
高温熱源を内燃機関の排気ガスとし、
前記内燃機関が停止する前の所定時間における前記内燃機関の平均負荷に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられたスターリングエンジン。 - 請求項1から4いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
高温熱源を内燃機関の排気ガスとし、
前記内燃機関が停止する前の所定時間における前記内燃機関の平均吸入空気量或いは排気ガスの平均流量と、熱交換が行われる直前の前記内燃機関の排気ガスの平均温度とに基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられたスターリングエンジン。 - 請求項1から4いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
前記ピストンに対応して形成される作動空間おける作動流体の温度に基づき、前記シリンダと接触した後の前記ピストンの温度を推定する推定手段がさらに設けられたスターリングエンジン。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010071644A JP5418358B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | スターリングエンジン |
US13/073,201 US20110232276A1 (en) | 2010-03-26 | 2011-03-28 | Stirling engine and control method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010071644A JP5418358B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | スターリングエンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011202612A true JP2011202612A (ja) | 2011-10-13 |
JP5418358B2 JP5418358B2 (ja) | 2014-02-19 |
Family
ID=44654782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010071644A Expired - Fee Related JP5418358B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | スターリングエンジン |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20110232276A1 (ja) |
JP (1) | JP5418358B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013065148A1 (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | スターリングエンジン |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103590918B (zh) * | 2012-10-16 | 2015-10-28 | 摩尔动力(北京)技术股份有限公司 | 换气熵循环发动机 |
US9828932B2 (en) * | 2013-03-08 | 2017-11-28 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for controlling a cooling system of an engine equipped with a start-stop system |
JP6296045B2 (ja) * | 2015-12-08 | 2018-03-20 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009121337A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Toyota Motor Corp | ピストン機関及びスターリングエンジン |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04311655A (ja) * | 1991-04-08 | 1992-11-04 | Aisin Seiki Co Ltd | 発電用エンジンの停止制御装置 |
JPH06264818A (ja) * | 1993-03-16 | 1994-09-20 | Osaka Gas Co Ltd | スターリングエンジンの停止制御方法 |
JP3765822B2 (ja) * | 2004-06-03 | 2006-04-12 | シャープ株式会社 | スターリング機関 |
EP1837513A4 (en) * | 2004-12-27 | 2012-10-03 | Toyota Motor Co Ltd | PISTON DEVICE, STIRLING MACHINE AND POWER MACHINE WITH OUTER COMBUSTION |
JP4120643B2 (ja) * | 2005-01-07 | 2008-07-16 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン装置 |
JP2006308213A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Sharp Corp | スターリング機関 |
JP2007218438A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Sharp Corp | スターリング機関 |
JP2008128190A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Toyota Motor Corp | ピストン装置 |
JP4978198B2 (ja) * | 2007-01-09 | 2012-07-18 | トヨタ自動車株式会社 | スターリングエンジン |
JP4858424B2 (ja) * | 2007-11-29 | 2012-01-18 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン機関及びスターリングエンジン |
US8763514B2 (en) * | 2008-12-10 | 2014-07-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gas lubrication structure for piston, and stirling engine |
JP4609577B2 (ja) * | 2008-12-17 | 2011-01-12 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン機関 |
DE112010005625T5 (de) * | 2010-06-01 | 2013-03-21 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gasschmierstruktur einer Stirlingmaschine |
US9097203B2 (en) * | 2011-12-29 | 2015-08-04 | Etagen, Inc. | Methods and systems for managing a clearance gap in a piston engine |
-
2010
- 2010-03-26 JP JP2010071644A patent/JP5418358B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2011
- 2011-03-28 US US13/073,201 patent/US20110232276A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009121337A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Toyota Motor Corp | ピストン機関及びスターリングエンジン |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013065148A1 (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | スターリングエンジン |
JP5316722B1 (ja) * | 2011-11-02 | 2013-10-16 | トヨタ自動車株式会社 | スターリングエンジン |
US9222435B2 (en) | 2011-11-02 | 2015-12-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Stirling engine with humidity control |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20110232276A1 (en) | 2011-09-29 |
JP5418358B2 (ja) | 2014-02-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5110173B2 (ja) | ピストンの気体潤滑構造およびスターリングエンジン | |
CN101454558A (zh) | 废热回收设备 | |
JP5418358B2 (ja) | スターリングエンジン | |
JP2009133246A (ja) | ピストン機関及びスターリングエンジン | |
US20070204611A1 (en) | Exhaust heat recovery apparatus | |
WO2006070832A1 (ja) | ピストン装置、スターリングエンジン、及び外燃機関 | |
JP2008128190A (ja) | ピストン装置 | |
US7805935B2 (en) | Stirling engine and control method therefor | |
JP4609577B2 (ja) | ピストン機関 | |
US7716928B2 (en) | External combustion engine | |
JP2008267258A (ja) | 排熱回収機関及び運転制御装置 | |
JP2010138761A (ja) | ピストン機関 | |
JP2009091959A (ja) | 排熱回収機関及び起動制御装置 | |
JP2012041897A (ja) | スターリングエンジンの制御装置 | |
US20130019595A1 (en) | Control apparatus and control method for stirling engine | |
JP2009293406A (ja) | ピストン機関及びスターリングエンジン | |
JP5304946B2 (ja) | スターリングエンジンの気体潤滑構造 | |
JP4239900B2 (ja) | スターリングエンジン | |
US9003787B2 (en) | Control apparatus and control method for stirling engine | |
JP2009127518A (ja) | ピストン機関及びスターリングエンジン | |
JP4337630B2 (ja) | スターリングエンジンの故障診断装置 | |
JP2013234637A (ja) | スターリングエンジン | |
JP2009127519A (ja) | ピストン機関及びスターリングエンジン | |
JP2011226440A (ja) | スターリングエンジンの気体潤滑構造 | |
JP2006283729A (ja) | ピストン機関 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121206 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131010 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131022 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131104 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |