JP2012041897A - スターリングエンジンの制御装置 - Google Patents

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    • F02G1/04Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type
    • F02G1/043Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines
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Abstract

【課題】 デコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止或いは抑制可能なスターリングエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】 ECU80は、高温側気筒20および低温側気筒30と、気筒20、30間を往復流動する作動流体を逃がすことで、気筒20、30間を往復流動する作動流体が圧縮される度合いを低減するデコンプ作用をもたらすデコンプバルブ71と、を備え、機関起動時にデコンプバルブ71がデコンプ作用をもたらすスターリングエンジン10につき、機関起動後にデコンプ作用を徐々に弱めるようにデコンプバルブ71を制御する。デコンプバルブ71は作動流体を作動空間とクランクケース120内との間で行き来させるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明はスターリングエンジンの制御装置に関し、特に作動流体が圧縮される度合いを低減するデコンプ作用を得るようにしたスターリングエンジンに対して設けられるスターリングエンジンの制御装置に関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、スターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、熱源を問わず、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
スターリングエンジンを起動するにあたり、作動流体をスターリングエンジンの外部に排出することでデコンプ作用を得るようにしている点で、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1で開示されている。
このほかスターリングエンジンの始動に関する技術を開示している点で本発明と関連性があると考えられる技術が特許文献2で、デコンプ作用に関連した技術を開示している点で本発明と関連性があると考えられる技術が特許文献3でそれぞれ開示されている。
特開2009−127476号公報 特開平05−38956号公報 特開2005−299594号公報
特許文献1が開示する技術では、スターリングエンジンが自立運転を開始した場合に、作動流体の排出を停止するようにしている。このためこの技術では、スターリングエンジンの回転速度が高まっている自立運転開始時に、デコンプ作用の停止に伴い作動流体が作動空間に急に保持される。そしてこの結果、この技術では、許容トルク変動を超えるトルク変動の発生を招くことがあると考えられる。具体的には図6に示すように、例えば許容トルク変動が、平均トルクTを中心とした最大トルクTmaxおよび最小トルクTminのトルク変動であるのに対して瞬間的なデコンプ作用の停止(デコンプ作用の停止開始時間T≒停止終了時間T)に伴い、トルクが最大トルクTmaxを超えるトルクT´maxにまで変動するトルク変動が発生することがある。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、デコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止或いは抑制可能なスターリングエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は一対の気筒と、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を逃がすことで、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体が圧縮される度合いを低減するデコンプ作用をもたらすデコンプ手段と、を備え、機関起動時に前記デコンプ手段が前記デコンプ作用をもたらすスターリングエンジンに対して設けられ、機関起動後に、前記デコンプ作用を徐々に弱めるように前記デコンプ手段を制御する制御手段を備えたスターリングエンジンの制御装置である。
また本発明は前記一対の気筒が、高温側シリンダおよび前記高温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる高温側ピストンを備える高温側気筒と、低温側シリンダおよび前記低温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる低温側ピストンを備える低温側気筒とであり、前記スターリングエンジンが、前記高温側ピストンおよび前記低温側ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が設けられるクランクケースと、前記クランクケース内を加圧する加圧手段とを備えており、前記デコンプ手段が、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を前記クランクケース内との間で行き来させる構成であることが好ましい。
また本発明は高温側シリンダおよび前記高温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる高温側ピストンを備える高温側気筒と、低温側シリンダおよび前記低温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる低温側ピストンを備える低温側気筒とからなる一対の気筒と、前記高温側ピストンおよび前記低温側ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が設けられるクランクケースと、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体が存在する作動空間と前記クランクケース内とを連通する連通手段と、前記連通手段に介在するようにして設けられた流量調節弁と、を備えたスターリングエンジンに対して設けられ、前記流量調節弁を機関起動時に開弁するとともに、機関起動後に徐々に閉弁するように制御する制御手段を備えたスターリングエンジンの制御装置である。
本発明によれば、デコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止或いは抑制できる。
ECUをスターリングエンジンとともに示す図である。 ECUの動作をフローチャートで示す図である。 トルク変動を示す図である。 スターリングエンジンの変形例の要部を示す図である。 スターリングエンジンの変形例に対応するECUの動作をフローチャートで示す図である。 瞬間的なデコンプ作用の停止に伴うトルク変動を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本実施例にかかるスターリングエンジンの制御装置であるECU80をスターリングエンジン10とともに示す図である。スターリングエンジン10は2気筒α型のスターリングエンジンである。スターリングエンジン10は、クランク軸線CLの延伸方向と気筒配列方向Xとが互いに平行になるように直列平行に配置された一対の気筒である高温側気筒20および低温側気筒30を有している。高温側気筒20は高温側ピストンである膨張ピストン21と高温側シリンダ22とを、低温側気筒30は低温側ピストンである圧縮ピストン31と低温側シリンダ32とをそれぞれ備えている。低温側シリンダ32内を往復運動する圧縮ピストン31は、高温側シリンダ22内を往復運動する膨張ピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差が設けられている。ピストン21、31の往復運動はコネクティングロッド110を介してクランクケース120内に設けられたクランク軸113に伝達され、回転運動に変換される。
高温側シリンダ22の上部空間は膨張空間となっている。膨張空間には加熱器47で加熱された作動流体が流入する。加熱器47は本実施例では具体的には車両に搭載されたガソリンエンジンの排気管100の内部に配置されている。この点、スターリングエンジン10は、排気ガスの流通方向V1に対してクランク軸線CLの延伸方向(換言すれば気筒配列方向X)が平行になるように配置されている。加熱器47において、作動流体は高温熱源を構成する流体である排気ガスから回収した熱エネルギーにより加熱される。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、作動空間である膨張空間および圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H、N等の気体を適用することができる。
次にスターリングエンジン10の動作について説明する。加熱器47で作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下され、これによりクランク軸113の回動が行われる。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器47を通過して再生器46に移送され、そこで熱を放出して冷却器45へと流れる。冷却器45で冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は再生器46から熱を奪いながら温度を上昇して加熱器47へ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10が動作する。
ところで、本実施例ではスターリングエンジン10の熱源が車両の内燃機関の排気ガスとなっていることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10を作動させる必要がある。そこで本実施例では、スターリングエンジン10の内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。具体的にはスターリングエンジン10の内部フリクションのうち、最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、シリンダ22、32とピストン21、31との間で気体潤滑を行っている。
気体潤滑ではシリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31を空中に浮いた形にする。空中に物体を浮上させる気体潤滑は摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10の内部フリクションを大幅に低減できる。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑には例えば動圧気体潤滑を適用することもできる。
気体潤滑が行われるシリンダ22、32とピストン21、31との間のクリアランスは数十μmとなっている。そして、このクリアランスにはスターリングエンジン10の作動流体が介在している。ピストン21、31それぞれは気体潤滑によりシリンダ22、32と非接触の状態、または許容できる接触状態で支持されている。したがってピストン21、31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。気体潤滑では、微小クリアランスにより膨張空間、圧縮空間それぞれの気密が保たれ、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールが行われる。
ところでスターリングエンジン10では、より大きな出力を得るためにクランクケース120内を加圧している。この点、クランクケース120内を加圧するにあたり、スターリングエンジン10は加圧ポンプ61、加圧用配管62および加圧用開閉弁63をさらに備えている。加圧ポンプ61はクランクケース120内を加圧する加圧手段となっており、加圧用配管62は加圧ポンプ61とクランクケース120とを接続する接続手段となっている。加圧用開閉弁63は加圧用配管62に介在するようにして設けられており、クランクケース120内の加圧の許可、禁止を切り替える切替手段となっている。
そしてスターリングエンジン10では、運転にあたりクランクケース120内を加圧した場合であっても、ピストン21、31およびシリンダ22、32間に形成された微小クリアランスを通じて、膨張空間や圧縮空間に存在する作動流体の平均圧力と、クランクケース120内に存在する作動流体の平均圧力とが時間経過とともにほぼ等しくなるようになっている。このためスターリングエンジン10では、クランクケース120内を加圧することで作動流体を高圧にし、これによってより大きな出力を得られるようにしている。
またスターリングエンジン10では、起動トルクを低減するためにデコンプ作用が得られるようにしている。この点、デコンプ作用が得られるようにするにあたり、スターリングエンジン10はデコンプバルブ71およびバイパス管72をさらに備えている。デコンプバルブ71はバイパス管72に介在するようにして設けられており、気筒20、30間を往復流動する作動流体を逃がすことで、気筒20、30間を往復流動する作動流体が圧縮される度合いを低減するデコンプ作用をもたらすデコンプ手段となっている。この点、デコンプバルブ71は具体的には、気筒20、30間を往復流動する作動流体をクランクケース120内との間で行き来させるようになっている。
バイパス管72は、気筒20、30間を往復流動する作動流体が存在する作動空間(圧縮空間、冷却器45、再生器46、加熱器47および膨張空間によって構成される空間)とクランクケース120内とを連通する連通手段であり、本実施例では具体的には膨張空間とクランクケース120内とを連通している。このため、デコンプバルブ71はさらに具体的には気筒20、30間を往復流動する作動流体を膨張空間とクランクケース120内との間で行き来させるようになっている。
またバイパス管72に設けられたデコンプバルブ71は、さらに気筒20、30間を往復流動する作動流体が存在する作動空間(ここでは膨張空間)とクランクケース120内とを連通、遮蔽可能であることに加えて、連通時の連通状態を変更可能な変更手段となっており、これによりデコンプ作用を弱めることができるようになっている。この点、デコンプバルブ71には開度調節が可能な流量調節弁を適用でき、本実施例では具体的にはバタフライバルブが適用されている。
またスターリングエンジン10に対してはさらにECU80が設けられている。ECU80は図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータと入出力回路とを備えている。ECU80にはスターリングエンジン10の回転数NSEを検出するための回転数NSE検出センサ91や、クランクケース120内の圧力を検出するための圧力センサ92や、加熱器47と熱交換が行われる直前の排気ガス温度Tinを検出するための排気ガス温度センサ93などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。またECU80には加圧ポンプ61や、加圧用開閉弁63や、デコンプバルブ71などの各種の制御対象が電気的に接続されている。
ROMはCPUが実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPUがROMに格納されたプログラムに基づき必要に応じてRAMの一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU80では各種の制御手段や判定手段や検出手段などが機能的に実現される。
例えばECU80では、機関起動時にデコンプ作用をもたらすようにデコンプバルブ71を制御する制御手段が機能的に実現される。デコンプ作用をもたらすにあたって、制御手段は具体的にはデコンプバルブ71を開弁するように制御するよう実現され、さらに具体的には開度が全開になるようにデコンプバルブ71を制御するよう実現される。
また制御手段はデコンプ作用を停止するにあたり、機関起動後にデコンプ作用を徐々に弱めるように、すなわち徐々に閉弁するようにデコンプバルブ71を制御するよう実現される。
この点、制御手段は具体的には回転数NSEが起動回転数(自立運転に必要な最低回転数)になった場合に、デコンプ作用を徐々に弱めるようにデコンプバルブ71を制御するよう実現される。
またデコンプ作用を徐々に弱めるにあたり、制御手段は具体的にはまずデコンプバルブ71の開度が中間開度になるようにデコンプバルブ71を制御するとともに、中間開度で開弁した状態から徐々に全閉状態になるようにデコンプバルブ71を制御するよう実現される。
中間開度は具体的には、スターリングエンジン10が自立運転を開始した場合に、スターリングエンジン10のトルク変動が、許容トルク変動を超えない範囲内でデコンプ作用を維持可能な開度に設定されている。この点、許容トルク変動内のトルク変動は例えば所定の運転時に発生する。所定の運転は具体的には機関起動後、自立運転を開始するスターリングエンジン10が行うことになる運転となっており、本実施例ではさらに具体的には保証される使用限度とされる定格出力を発生させる定格運転となっている。
中間開度はまた、ピストン21、31およびシリンダ22、32間に形成される微小クリアランスによる絞りよりも絞りが大きくなる開度に設定されている。
さらにデコンプ作用を徐々に弱めつつ停止するにあたり、制御手段はデコンプ作用を徐々に弱めるようにデコンプバルブ71を制御し始めてから(ここでは具体的にはデコンプバルブ71の開度が中間開度になるようにデコンプバルブ71を制御してから)、所定時間t1が経過した場合に、全閉状態になるようにデコンプバルブ71を制御するよう実現される。この点、所定時間t1は、デコンプ作用を徐々に弱めつつデコンプ作用を停止するにあたり、スターリングエンジン10のトルク変動が許容トルク変動を超えないようにするために必要な長さに予め設定されている。そして、スターリングエンジン10のトルク変動が許容トルク変動を超えないようにするにあたり、所定時間t1は具体的には回転数NSEに応じて予め設定されている。この点、中間開度についても、トルク変動が許容トルク変動を超えない範囲内でデコンプ作用を維持可能な開度にするにあたり、同様に回転数NSEに応じて予め設定することができる。
次にECU80で行われる動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。ECU80はスターリングエンジン10が起動可能であるか否かを判定する(ステップS1)。スターリングエンジン10が起動可能であるか否かを判定するにあたっては、例えば排気ガス温度Tinが、スターリングエンジン10が自立運転可能になる温度として予め設定された所定温度よりも高いか否かで判定することができる。この点、加熱器47における作動流体の受熱状態が、スターリングエンジン10が内部摩擦や駆動系の慣性質量に打ち勝って出力を発生可能な状態である場合に、スターリングエンジン10は自立運転可能になる。ステップS1で否定判定であれば、スターリングエンジン10を起動できないため、本フローチャートを一旦終了する。
一方、ステップS1で肯定判定であれば、スターリングエンジン10を起動することができる。この場合、ECU80はクランクケース圧の加圧が必要であるか否かを判定する(ステップS2)。具体的にはECU80は圧力センサ92の出力に基づき、クランクケース圧が所定圧力よりも小さいか否かを判定し、所定圧力よりも小さい場合に加圧が必要であると判定する。そしてステップS2で肯定判定であれば、ECU80は加圧用開閉弁63を開くとともに加圧ポンプ61をONにする(ステップS3)。これによりクランクケース120内の加圧が開始される。一方、ステップS2で否定判定であれば、ECU80は加圧用開閉弁63を閉じるとともに加圧ポンプ61をOFFにする(ステップS4)。
続いてECU80は、デコンプバルブ71を全開にする(ステップS5)。さらにECU80はスターリングエンジン10を外部起動により起動する(ステップS6)。この点、スターリングエンジン10を外部起動により起動するにあたっては、例えばエンジンや電動機などの動力源からの動力を用いてクランク軸113を駆動し、これによりピストン21、31を往復運動させることで起動することができる。そしてステップS6に先立ち、ステップS5でデコンプバルブ71を全開にすることで、機関起動時にデコンプ作用が得られるようにすることができる。
ステップS6に続いて、ECU80は起動回転数までスターリングエンジン10の回転数NSEを上昇させる(ステップS7)。続いてECU80は、デコンプバルブ71の開度が中間開度になるようにデコンプバルブ71を閉じるとともに、所定時間t1をかけてデコンプバルブ71を徐々に全閉にする(ステップS8)。続いてECU80はデコンプバルブ71が全閉であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で否定判定であればステップS8に戻る。一方、ステップS9で肯定判定であれば、ECU80は自立運転中であるか否かを判定する(ステップS10)。自立運転中であるか否かは、例えばデコンプバルブ71を全閉にした状態で回転数NSEが起動回転数を超えたか否かで判定することができる。ステップS10で否定判定であればステップS8に戻る。一方、ステップS10で肯定判定であれば、スターリングエンジン10の外部起動動作を終了する(ステップS11)。
次にECU80の作用効果について説明する。ここで、スターリングエンジン10では機関起動時にデコンプバルブ71を開き、作動空間とクランクケース120内との間で作動流体を行き来させることで、デコンプ作用を得るようにしている。このためスターリングエンジン10はデコンプ作用によって起動トルクを抑制でき、この結果、スターリングエンジン10を起動するにあたってより小さな動力でクランク軸113を駆動できる。一方、ECU80は、デコンプ作用を停止するにあたり、機関起動後にデコンプ作用を徐々に弱めるようにデコンプバルブ71を制御する。そしてこれによりECU80は許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止或いは抑制できる。
一方、デコンプ作用を徐々に弱めるにあたっては、例えば全開状態から開度が徐々に小さくなるようにデコンプバルブ71を制御することもできる。これに対してECU80は、まずデコンプバルブ71の開度が中間開度になるようにデコンプバルブ71を制御することで、より早い段階で、且つより大きな度合いでデコンプ作用を低減でき、この結果、出力の早期向上を図ることができる。
またこの場合に、トルク変動が許容トルク変動を超えない範囲内でデコンプ作用を維持可能な開度に中間開度を設定することで、ECU80はデコンプバルブ71の開度を中間開度に変更した場合に許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止でき、さらにピストン21、31およびシリンダ22、32間に形成される微小クリアランスによる絞りよりも絞りが大きくなる開度に中間開度を設定することで、デコンプ作用を有効に機能させることができる。
またデコンプ作用を徐々に弱めつつ停止するにあたり、ECU80はデコンプ作用を弱め始めてから、所定時間t1をかけてデコンプバルブ71を徐々に全閉にすることで、デコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することをより確実に防止できる。
そしてECU80がこのようにしてトルク変動を防止する結果、スターリングエンジン10では、具体的には図3に示すようなトルク変動が得られる。図3に示すようにこのトルク変動は、停止開始時間Tsでデコンプバルブ71の開度を中間開度に変更するとともに、デコンプ作用の停止開始時間Tから停止終了時間Tまでの間に、所定時間t1をかけてデコンプバルブ71を徐々に全閉にした結果、許容トルク変動の範囲内(平均トルクTを中心とした最大トルクTmaxおよび最小トルクTminの範囲内)で時間Tから徐々に大きくなるとともに、時間Tで許容トルク変動内に落ち着くようになっている。すなわちECU80は具体的にはこのようにしてデコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超えるトルク変動が発生することを防止できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、デコンプ作用を徐々に弱めるにあたって、デコンプ作用をより有効に利用できる点で好適であることから、回転数NSEが起動回転数になった場合に、デコンプバルブ71の開度が中間開度になるようにデコンプバルブ71を制御するとともに、所定時間t1をかけて中間開度から徐々にデコンプバルブ71を全閉にする場合について説明した。
しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、デコンプ作用を徐々に弱めるにあたり、制御手段は例えばスターリングエンジン起動後に発生する最初のトルク変動の山を超えた後に、適宜の回転数でデコンプ作用を徐々に弱めるようにデコンプ手段を制御してもよい。
また上述した実施例ではデコンプ手段がデコンプバルブ71である場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、デコンプ手段は例えば図4に示すような複数(ここでは2つ)のバルブであるメインバルブ75およびサブバルブ76で構成されてもよい。図4はデコンプバルブ71およびバイパス管72の代わりに、バルブ75、76および多段バイパス管77を設けたスターリングエンジン10の変形例の要部を示している。多段バイパス管77は、作動空間(具体的にはここでは冷却器45および膨張空間)とクランクケース120内とを連通するにあたり、同じバイパス経路を形成する複数の配管を多段構成で備える多段バイパス手段であり、複数の配管として具体的にはメイン配管77aとサブ配管77bとを備えている。これに対してメインバルブ75はメイン配管77aに、サブバルブ76はサブ配管77bに介在するようにしてそれぞれ設けられており、メイン配管77aはサブ配管77bよりも大きな流路を形成している。
かかる変形例において、バルブ75、76には開度を調節可能な流量調節弁を適用することができ、この場合には例えば図5に示すようにしてデコンプ作用を停止することができる。なお、図5に示すフローチャートはステップS8、S9の代わりにステップS21からS24までが設けられている点以外、図3に示すフローチャートと同一のものとなっている。またかかる変形例においてECU80は、デコンプバルブ71の代わりにバルブ75、76が制御対象としてECU80に電気的に接続されており、且つバルブ75、76を制御するにあたり、図5に示す制御を行うように制御手段が機能的に実現されるものとする。
図5に示すように、ステップS7に続いてECU80は、バルブ75の開度が中間開度になるようにメインバルブ75を制御するとともに、所定時間t2をかけて中間開度から徐々にメインバルブ75を全閉にする(ステップS21)。この点、メインバルブ75につき、中間開度および所定時間t2はデコンプバルブ71にかかる中間開度および所定時間t1と同様にして予め設定することができる。続いてECU80は、メインバルブ75が全閉であるか否かを判定する(ステップS22)。そして否定判定であればステップS21に戻り、肯定判定であれば、ECU80はサブバルブ76の開度が中間開度になるようにサブバルブ76を制御するとともに、所定時間t3をかけて中間開度から徐々にサブバルブ76を全閉にする(ステップS23)。この点、サブバルブ76につき、中間開度および所定時間t3はデコンプバルブ71にかかる中間開度および所定時間t1と同様にして予め設定することができる。続いてECU80は、サブバルブ76が全閉であるか否かを判定する(ステップS22)。そして否定判定であればステップS23に戻り、肯定判定であればステップS10に進む。
この場合にも、デコンプ作用を瞬間的に停止することなく、デコンプ作用を徐々に弱めつつ停止することで、デコンプ作用の停止に伴い、許容トルク変動を超える大きなトルク変動が発生することを防止できる。
また例えば上述した実施例でECU80によって機能的に実現される制御手段は、その他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
10 スターリングエンジン
20 高温側気筒
21 膨張ピストン
22 高温側シリンダ
30 低温側気筒
31 圧縮ピストン
32 低温側シリンダ
61 加圧ポンプ
62 加圧用配管
63 加圧用開閉弁
71 デコンプバルブ
72 バイパス管
80 ECU
120 クランクケース

Claims (3)

  1. 一対の気筒と、
    前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を逃がすことで、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体が圧縮される度合いを低減するデコンプ作用をもたらすデコンプ手段と、
    を備え、機関起動時に前記デコンプ手段が前記デコンプ作用をもたらすスターリングエンジンに対して設けられ、
    機関起動後に、前記デコンプ作用を徐々に弱めるように前記デコンプ手段を制御する制御手段を備えたスターリングエンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載のスターリングエンジンの制御装置であって、
    前記一対の気筒が、高温側シリンダおよび前記高温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる高温側ピストンを備える高温側気筒と、低温側シリンダおよび前記低温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる低温側ピストンを備える低温側気筒とであり、
    前記スターリングエンジンが、前記高温側ピストンおよび前記低温側ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が設けられるクランクケースと、前記クランクケース内を加圧する加圧手段とを備えており、
    前記デコンプ手段が、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を前記クランクケース内との間で行き来させるスターリングエンジンの制御装置。
  3. 高温側シリンダおよび前記高温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる高温側ピストンを備える高温側気筒と、低温側シリンダおよび前記低温側シリンダとの間で気体潤滑が行われる低温側ピストンを備える低温側気筒とからなる一対の気筒と、
    前記高温側ピストンおよび前記低温側ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク軸が設けられるクランクケースと、
    前記一対の気筒間を往復流動する作動流体が存在する作動空間と前記クランクケース内とを連通する連通手段と、
    前記連通手段に介在するようにして設けられた流量調節弁と、を備えたスターリングエンジンに対して設けられ、
    前記流量調節弁を機関起動時に開弁するとともに、機関起動後に徐々に閉弁するように制御する制御手段を備えたスターリングエンジンの制御装置。

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