JP2011201972A - 経時変色しないジエン系ゴムおよびその製造方法 - Google Patents

経時変色しないジエン系ゴムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のポリブタジエンゴムの製造方法に起因する経時変色を防止し、かつゲル含量を低減した、簡便かつ低コストなジエン系ゴムの製造方法を提供するものである。
【解決手段】 ジエン系ゴムの製法において、使用されたモノマーの重合の前に、水と有機アルミニウムを3.1分間〜29.9分間熟成した後に、重合させることを特徴とする経時変色しないジエン系ゴムの製造方法およびその製造方法により得られた経時変色しないジエン系ゴムに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、従来のポリブタジエンゴムの製造方法に起因する経時変色を防止するために、製造工程で水と有機アルミニウムを3.1分間〜29.9分間熟成した後に、重合させることで、経時変色を防止する、簡便かつ低コストな方法に関するものである。
通常ブタジエンゴムは、製造工程で各種触媒、助触媒、酸化防止剤等の数多くの化合物を加える事が多い。特に酸化防止剤を添加する事で、製品の劣化を防ぐことから、こうした添加剤は必須となっている。しかしながら、添加剤の種類や量が多いと、着色や臭いなどの副作用が生ずる事が多く、思わぬ問題が起こりうる。
特に着色の副作用が生じると、製品に透明性を求められる用途に関しては、大きな問題となる事が多く、その解決方法がこれまで数多く図られている。
例えば特許文献1では、クロロプレンの重合体の製造に際し、重合停止剤としてジエチルヒドロキシルアミンとフェノール系酸化防止剤を併用して着色防止を行っている。
また、特許文献2では、ブタジエンゴムの重合後に1種類以上のフェノール性化合物を混合し、かつpH値が4〜11の範囲、かつ酸素含有量が0〜0.3ppmになるよう調整する事で、安定かつ無色のポリブタジエンゴムを提供している。
さらに、先行文献3では、ポリマーの重合に際し、酸化防止剤又は重合抑制剤からなる配合物に対して、外配でアリールホスフィン化合物およびシラザン化合物からなる群より選ばれた一種以上の化合物を加える事で着色防止を図っている。
しかしながら、どの着色防止方法も従来の製造工程で使用した添加剤に更に化合物を加える事が多く、また製造工程がより複雑になるなど、コストの面において必ず優位であるとは言い難い。
また、先行文献4では、有機アルミニウムおよびハロゲン含有アルミニウム化合物に対して水をある量の条件下で、0.1〜24時間熟成させることで、ゲル含量の少ない、かつ、線状性の高いポリブタジエンが製造できることが記載されている。
本発明では、有機アルミニウムおよびハロゲン含有アルミニウム化合物の混合液と水との熟成時間をより最適化させることにより経時変色を抑える方法を見出した。
本願発明の目的は、着色問題解決に当たり、製造工程を従来法と殆ど変わらず、かつコスト上昇を抑えた、着色解決方法を提供することにある。
特開平06−345832 特表2003−535926 特開2009−249308 特許第3750341号
本発明の課題は、工業的に簡単な方法で、保存安定性の高い無色のジエン系ゴムならびにその製造方法を提供することである。
本発明は、ジエン系ゴムの製法において、使用されたモノマーの重合の前に、水を有機アルミニウムとのモル比(Al/HO)が、1.00〜2.00の範囲になるように投入し、その後に重合させることを特徴とする経時変色しないジエン系ゴムの製造方法に関する。
ジエン系ゴムがコバルト化合物および有機アルミニウムによる触媒系で重合されたポリブタジエンであることを特徴とする前記の経時変色しないジエン系ゴムの製造方法に関する。
該コバルト化合物がコバルトオクタエートであることを特徴とする前記の経時変色しないジエン系ゴムの製造方法に関する。
前記の製造方法によって得られる経時変色しないジエン系ゴムに関する。
低コストであって、工業的に簡単な方法であり、経時変色しないジエン系ゴムの製造方法を提供することが出来る。
(1)本願発明の重合方法
本願発明のジエン系ゴムの重合方法は、(A)ジエン系モノマーを(B)有機溶媒に溶かし、その中へ(C)水を溶解する。次いで(D)有機アルミニウム助触媒を入れて3.1分間〜29.9分間熟成させ、(E)遷移金属触媒を入れて重合をさせる。反応後、重合を停止させるため、(F)重合停止剤を投入した後、(G)酸化防止剤を入れる。
(A)ジエン系モノマー
ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは、一種単独で用いても、二種以上を混合してもよく、さらに1,3-ヘキサジエンなど他のジエンと共重合して用いてもよい。中でも好ましいのは、1,3−ブタジエンである。
(B)有機溶媒
使用する有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、シス−2− ブテン、トランス−2− ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。
溶媒として好ましくは、非芳香族炭化水素であり、特にシクロヘキサンが好ましい。
(E)遷移金属触媒
使用出来る遷移金属触媒としては、コバルト系触媒があげられる。
コバルト系触媒としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、コバルトオクタエート、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸(エチルヘキサン酸)コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルト塩のピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコール錯体などが挙げられる。
この中でも特にコバルトオクタエートが好ましい。
(E)コバルト化合物の使用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、コバルト化合物が1×10−7〜1×10−4モル、好ましくは1×10−6〜1×10−5モルの範囲である。
上記のポリブタジエンはコバルト系以外の触媒でも製造することができる。
コバルト系以外の触媒としては、ニッケル系或いはネオジウム系、バナジウム系などの触媒をあげることができる。
ニッケル系触媒としては、ニッケル化合物−有機アルミニウム化合物からなる触媒系などが挙げられる。
ニッケル化合物としては、ナフテン酸ニッケル、ギ酸ニッケル、オクチル酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、クエン酸ニッケル、安息香酸ニッケル、トルイル酸ニッケルなどの有機酸塩、ニッケルアセチルアセトナートなどの有機錯化合物、アルキルベンゼンスルホン酸ニッケル、ニッケルオキシボレートなどが挙げられる。
この中でも、オクチル酸ニッケルが好ましい。
さらに、金属触媒の種類に応じたジエン系ポリマーの形態として、リチウム触媒重合−ポリブタジエン(Li−BR)、コバルト触媒重合−ポリブタジエン(Co−BR)、ネオジム触媒重合−ポリブタジエン(Nd−BR)、ニッケル触媒重合−ポリブタジエン(Ni−BR)、チタン触媒重合−ポリブタジエン(Ti−BR)、スチレン−ブタジエンーブロックコポリマー(SB、SBS、SEBS)、ランダムスチレン−ブタジエン−コポリマー(L−SBR)、ブタジエン−イソプレン−コポリマー(BI)、スチレン−ブタジエン−イソプレン−ターポリマー(SIB)などがあげられる。
ここでは特に、コバルト触媒重合−ポリブタジエン(Co−BR)が本願発明の方法では最適である。
(D)有機アルミニウム助触媒
使用出来る有機アルミニウム助触媒としては、トリアルキルアルミニウムやジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド等をあげることができる。
具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのような有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。これらの有機アルミニウム化合物は、単独でも良いし、二種類以上併用することもできるが、有機アルミニウム1モルに対し、有機アルミニウムハロゲン化合物0.1〜99モルが好ましく、0.25〜19モルがより好ましく、1.0〜15モルが更に好ましく、3〜9が最も好ましい。
この中でも特にトリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライドなどが好ましい。
(D)有機アルミニウムの使用量は、(E)遷移金属触媒(例えばコバルト系触媒)1モルに対し、50〜2000モルの範囲である。
(C)水の添加量は、(D)有機アルミニウム助触媒とのモル比のバランスが重要となる。(D)有機アルミニウム助触媒を水とのモル比(Al/HO)が、1.00〜2.00の範囲であると、初期着色を抑制し、かつ、経時変色も抑制し、ゲル含量を低減することが可能であるだけでなく、重合活性の著しい低下を防ぐことが可能であることから、生産性の面においても上記モル比は重要である。
ここに初期着色とは、製造後1週間の着色状態であると定義する。
(D)有機アルミニウム助触媒を水とのモル比(Al/HO)が、1.00〜2.00であれば良好であるが、1.05〜1.90であればより好ましく、1.10〜1.50であると特に好ましく、1.20〜1.40が最も好ましい。
(D)有機アルミニウム助触媒を水とのモル比(Al/HO)が、1.00より小さいあるいは2.00より大きいと、初期着色、経時変色も生じやすく、またゲル含量も増加するので好ましくない。
(C)水と(D)有機アルミニウムの熟成時間は、3.1分間〜29.9分間が良く、4分間〜25分間はより好ましく、4.5分〜15分間が最も好ましい。
熟成時間がない場合、あるいは3.1分間より短いと、初期着色も悪化しかつ経時変色も大きい。またゲル含量も増加する。熟成時間が30分より長い場合も、初期着色も悪化しかつ経時変色も大きい。またゲル含量も増加するだけでなく、ゴム自体の収量が減少し、生産性が好ましくなくなる。
(F)重合停止剤
ジエン系ゴムの重合の停止は、通常の方法で水、アルコール、有機酸または無機酸および/またはフェノールの添加により行われる。
この中でも、分散性が良く、好ましい重合停止剤としては、水や低級アルコールなどがあり、水の使用量としては、トータルの原料混合溶液に対する割合が1.38×10−8〜9.9vol%であることが好ましく、2.76×10−8〜5vol%であることがより好ましく、4.14×10−8〜3vol%であることがさらにより好ましい。トータルの原料混合溶液とは、反応器へ仕込む原料であるブタジエン、溶媒のシクロへキサン、ブテンの混合溶液と、変性前に添加する原料混合溶液との総和量である。
低級アルコールとしては、炭素数が5以下のものがよく、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ter-ブチルアルコール、ペンタノールとそれらの異性体がある。これらを単独で用いても、混合して用いても良い。
本発明には、(F)重合停止剤の後、(G)酸化防止剤を添加する順序により行われるが、(G)酸化防止剤と(F)重合停止剤を添加する順序が逆になってもよい。
また、(F)重合停止剤の添加を省略することもできる。(表現を若干、変えました)
(G)酸化防止剤
重合停止剤としては、フェノール系酸化防止剤として、4,6−ビス(オクチルメチル)−o−クレゾール(CAS−No.110553−27−0)やオクタデシル−3−(3,5−ジtertブチル4ヒドロキシフェニル)プロピオネート(CAS−No.2082−79−3)やペンタエリスリトールテトラキス〔3(3,5ジtertブチル4ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(CAS−No.6683−19−8)等が挙げられる。他には、リン系酸化防止剤等も挙げられる。
この中でも、4,6−ビス(オクチルメチル)−o−クレゾールが好ましい。
(G)酸化防止剤の使用量としては安定させたい期間によって、必要量添加させるのであるが、ブタジエン1モルに対して、5×10−6〜3×10−4モルが好ましく、1×10−5〜2×10−4モルがより好ましい。この酸化防止剤の量が少な過ぎても、耐劣化機能が得られず、また多すぎた場合には、着色原因となってくる。
本発明においては、重合時に公知の分子量調節剤、例えば、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、またはエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。
重合温度は−30〜100℃の範囲が好ましく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は5分〜12時間の範囲が好ましく、10分〜6時間が特に好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲ−ジ圧)程度までの加圧下に行われる。
本発明により、製造できるポリブタジエンのトルエン溶液粘度(Tcp)は、10〜300であり、20〜200がより好ましく、25〜150が更に好ましく、30〜130が最も好ましい。
本発明により、製造できるポリブタジエンの100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4,100℃)は、10〜200である。20〜150がより好ましく、25〜100が更に好ましく、29〜60が最も好ましい。
本発明によりトルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4)が1以上であり、かつゲル含量が0.01wt%以下であるポリブタジエンを製造することが出来る。
トルエン溶液粘度(Tcp)と100℃におけるム−ニ−粘度(ML1+4,100℃)の比(Tcp/ML1+4)は高分子のリニアリティー(直鎖状)の指標であり、この値が大きいほどリニアリティーの高い高分子であることを意味する。一方、当該値が低いほど高分子が分岐状であることを示す。
好ましいTcp/ML1+4の値としては、1.0以上が良く、1.2以上であるとさらに好ましく、1.7以上が特に好ましい。
ゲル含量は、0.01wt%以下であることは望ましいが、0.003wt%以下であるとさらに良く、0.002wt%以下であると特に好ましい。0.01wt%を超える量が発生すると、製品外観が悪くなるだけでなく、樹脂フィルム改質剤に使用した時に、フィッシュアイの問題が発生しやすくなる。
本発明により製造される安定な無色のジエン系ゴムは、全ての種類の加硫物を製造するため、例えば、タイヤ、ホース、履物部材、工業用ベルト、医療用ゴム、スポーツ用品、クローラ又はパッキンを製造するために、ならびにビニル芳香族化合物、例えば、ポリスチレンおよび塊状法により製造されたABS−ポリマーを基礎とするポリマーの耐衝撃性変性のために使用することもできる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、トルエン溶液粘度(Tcp)、着色測定の方法、ゲル含量の測定は、次の通りである。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K 6300に準拠して測定した。
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z 8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
(着色測定)
着色の判断は目視のほか、日本電色工業(株)製NDJ−300Aによりイエローインデックス(YI値)にて定量的に測定を行った。
(ゲル含量の測定)
ゲル含量(トルエン不溶解分)とは、試料ゴム10gと400mlのトルエンを三角フラスコに入れて室温(25℃)にて完全溶解させ、その後200メッシュの金網を設置したろ過器を用いてろ過し、ろ過後に金網に付着したゲル分をいい、ゲルが付着した金網を真空乾燥して付着量を測定し、試料ゴムに対する百分率で計測した値である。
(実施例1)
内容量1.5Lの重合用オートクレーブの内部を窒素置換し、原料混合溶液(シクロヘキサン20wt%、ブタジエン40wt%、ブテン40wt%)を、1Lを仕込んで攪拌する。次いで、水3.64mmolを添加して室温にて30分間攪拌を続けた。その後、10℃まで低下させた後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)3mmol、トリエチルアルミニウム(TEA)1mmol添加し、5分間攪拌させて熟成させた。全有機アルミニウム触媒(4mmol/l)と水とのモル比(Al/HO)は1.10である。その後、分子量調節剤として1,5−シクロオクタジエン(COD)11mmol添加し、溶液の温度を50℃として、オクチル酸コバルト(Co(Oct))7.8μmolを添加し、重合を開始し、30分間重合を行った。反応後、酸化防止剤として4.6−ビス(オクチルメチル)−O−クレゾール(cas−ナンバー110553−27−0)を0.2355mmolをエタノール溶液で添加し、1分間攪拌した。
次にその後、回収したポリブタジエン溶液から、溶媒を100℃、1時間真空乾燥させることによって、ポリブタジエンを得た。
着色測定は製造1週間後、2週間後、1ヵ月後、2ヵ月後に行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
水と全有機アルミニウムの熟成する時間を15分間にした以外は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
水と全有機アルミニウムの熟成する時間を25分間にした以外は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
水と全有機アルミニウムの熟成する時間を3分間にした以外は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
水と全有機アルミニウムの熟成する時間を30分間にした以外は実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
表1の結果より、本願発明の実施例1〜3は比較例1、2と比べ、初期着色が低く、かつ、経時変色(経過日数あたりのYIの変化量)も低く、さらにゲル含量も低い事が分かる。即ち、本願発明の方法で調製したポリブタジエンは、初期着色(表中1週間の時点でのYI)を抑制し、かつ、経時変色も抑制し、さらにゲル含量も低減していることが分かる。
Figure 2011201972

Claims (2)

  1. ジエン系ゴムの製法において、使用されたモノマーの重合の前に、水と有機アルミニウムを3.1分間〜29.9分間熟成した後に、重合させることを特徴とする経時変色しないジエン系ゴムの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られる経時変色しないジエン系ゴム。
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