JP2011201116A - インク収納容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部に貯留されたインクの使用効率が向上されたインク収納容器を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ1は、内部にインクを収容可能な可撓性を有する袋であって、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長い辺を少なくとも一方の方向に有するインク収納袋3を有している。また、インクカートリッジ1は、インク収納袋に収容されたインクを封止可能であると共に、記録ヘッドにインクを供給するときにはインクの流路を形成しインクを流通させることが可能なキャップ部材4を有している。また、インクカートリッジ1は、弾性を有して屈曲可能であると共に、インク収納袋の収容するインクの量によって一方の方向への長さを変えるようにインク収納袋の内部に配置された板部材6を有している。そして、板部材6は、インクの収容能力の最大限にインクを収容したときには、インク収納袋3の内面の少なくとも一部に接触し、一方の方向の内側に押されて配置されている。
【選択図】図6
【解決手段】インクカートリッジ1は、内部にインクを収容可能な可撓性を有する袋であって、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長い辺を少なくとも一方の方向に有するインク収納袋3を有している。また、インクカートリッジ1は、インク収納袋に収容されたインクを封止可能であると共に、記録ヘッドにインクを供給するときにはインクの流路を形成しインクを流通させることが可能なキャップ部材4を有している。また、インクカートリッジ1は、弾性を有して屈曲可能であると共に、インク収納袋の収容するインクの量によって一方の方向への長さを変えるようにインク収納袋の内部に配置された板部材6を有している。そして、板部材6は、インクの収容能力の最大限にインクを収容したときには、インク収納袋3の内面の少なくとも一部に接触し、一方の方向の内側に押されて配置されている。
【選択図】図6
Description
本発明は、記録媒体に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドから吐出されるインクを一旦貯留するインク収納容器に関する。
近年、記録ヘッドよりインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置が急速に普及している。このようなインクジェット記録装置は小型化が容易であり、また比較的簡単にカラー記録を行うことができるなどの利点を有している。
インクジェット記録装置においては、インク収納容器から記録ヘッドにインクが供給され、記録ヘッドに供給されたインクを記録媒体に吐出することで記録を行う形式のものが多く採用されている。インク収納容器としては、容器の内部にインクを収容した柔軟なインク収納袋が配置され、インク収納袋から記録ヘッドにインクが供給される形式のものが多く用いられている。
このような柔軟なインク収納袋を内部に収容したインク収納容器においては、インク収納袋内部のインクが使い切られる際のインク収納袋の形状によっては、折り目やシワがインクの流れを阻害し、インクがインク収納袋内に残ってしまうことがある。インク収納袋に残ったインクは通常記録に用いられずに廃棄されるので、残ったインクの量が多くなると廃棄されるインクの量が多くなり、インクジェット記録装置の運転コストが無駄に嵩んでしまう。
そのため、インク収納袋の内部のインクをできるだけ消費するために、インクジェット記録装置におけるインク収納袋の外側に板状の部材が貼り付けられる形式のインク収納容器について特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているインク収納容器においては、インク収納袋に収容されているインクが使い切られる際に板部材とインク収納容器との間にインク収納袋が挟まれるように、板部材がインク収納容器内部に配置されている。これにより、内部のインクが使い切られる際には、インク収納袋が板部材とインク収納容器との間に挟まれることでインク収納袋の形状が偏平状に形成され、インク収納袋におけるインクの使用効率を向上させている。
しかしながら、特許文献1に開示されたインク収納容器においては、インク収納袋内部のインクが使い切られる際には、インク収納袋が板部材とインク収納容器との間に挟まれて圧縮されるが、圧縮される際のインク収納袋の潰れ方は予測できない。圧縮されたときのインク収納袋の形状は一定せず、インク収納袋の圧縮されたときの形状によっては、インク収納袋が変形した際に形成された折り目やシワがインクの流れを阻害することがある。また、これによって、インク収納袋内部のインクを全て使い切ることができない場合がある。そのため、インク収納容器におけるインクの使用効率が低下することがある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、内部に貯留されたインクの使用効率が向上されたインク収納容器を提供することを目的とする。
本発明のインク収納容器は、記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うことが可能なインクジェット記録装置に取り付けられることが可能であって、前記記録ヘッドから吐出されるインクを貯留するインク収納容器において、内部にインクを収容可能な可撓性を有する袋であって、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長い辺を少なくとも一方の方向に有するインク収納袋と、前記インク収納袋に収容されたインクを封止可能であると共に、前記記録ヘッドにインクを供給するときにはインクの流路を形成しインクを流通させることが可能なキャップ手段と、弾性を有して屈曲可能であると共に、前記インク収納袋におけるインクの収容能力の最大限にインクを収容したときの前記一方の方向へのインク収納袋の長さよりも長く、内部のインクを収容していない状態におけるインク収納袋の前記一方の方向への長さ以下の長さを前記一方の方向に有し、前記インク収納袋の内部に配置された可撓性部材とを有し、前記可撓性部材は、インクの収容能力の最大限にインクを収容したときには、前記インク収納袋の内面の少なくとも一部に接触し、前記一方の方向におけるインク収納袋の内側に向かって押された状態で配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、インク使用効率を向上させることが可能なインク収納容器を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係るインク収納容器としてのインクカートリッジ及びそれを装着可能なインクジェット記録装置の構成について、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係るインク収納容器としてのインクカートリッジ及びそれを装着可能なインクジェット記録装置の構成について、図面を参照して説明する。
図1に、第一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を説明するための模式的な斜視図を示す。本実施形態のインクジェット記録装置100は、シリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド軸5,6によって、キャリッジ7が主走査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ7は、不図示のキャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動される。
インクジェット記録装置100は、インクを吐出して記録を行うことが可能な記録手段としての記録ヘッド104を有している。本実施形態における記録ヘッド104は、インクタンク120と一体的に形成されており、インクタンク120に貯留されたインクが記録ヘッド104から吐出されて記録が行われる。なお、記録ヘッド104とインクタンク120とは分離可能に形成されていても良い。インクジェット記録装置100では、記録ヘッド104は、記録媒体Sに向かってインクを吐出可能な姿勢で、キャリッジ107に着脱可能に搭載されている。キャリッジ107は、記録時に、不図示のモータ等の駆動手段により、記録媒体搬送方向(矢印A方向、副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に往復駆動される。このように、本実施形態では、記録装置100はキャリッジ107に搭載された記録ヘッド104が記録媒体Sの搬送方向と交差する主走査方向に移動しながら記録を行ういわゆるシリアルスキャン形式のインクジェット記録装置100である。
インクジェット記録装置100は、記録紙やプラスチックシート等の記録シートからなる記録媒体Sを搬送する搬送手段を備えており、記録媒体Sは搬送手段によって図1の矢印A方向に搬送される。搬送手段は、搬送ローラ101とこれに従動回転するピンチローラ102を有している。複数のピンチローラ102は不図示のピンチローラホルダに回転自在に保持されている。そして、記録媒体Sの搬送の際には、記録媒体Sは搬送ローラ101とピンチローラ102との間に挟まれ、その状態で搬送ローラ101が駆動されて回転することにより、記録媒体Sがプラテン103上に案内支持されながら搬送される。
インクジェット記録装置100は、記録ヘッド104に対向する位置にプラテン103が設けられている。プラテン103は、記録ヘッド104からのインク滴の吐出によって画像が形成されるときの記録媒体Sを支持するものである。プラテン103上には、搬送方向(矢印A)と交差する方向における記録媒体の端部の浮き上がりを抑制するための押さえ部材114が設けられている。プラテン103と押さえ部材114によって、記録ヘッド104の吐出口形成面(吐出口が配列された面)とこれに対向する記録媒体Sの表面と間の距離が所定距離に維持されている。記録ヘッド104を搭載したキャリッジ107は、2本のガイドレール105、106に沿って往復移動可能に案内支持されている。
本実施形態では、記録ヘッド104は、インク吐出のために熱エネルギーを用いる形式を採用している。記録ヘッド104には、発熱素子(電気熱変換素子)が備えられている。発熱素子に通電させ、その発熱素子から熱エネルギーを発生させることにより、発熱素子の周囲のインクが加熱されて膜沸騰により発泡させる。そのときの発泡エネルギーによって吐出口からインク滴が吐出される。なお、本実施形態では、インク吐出のために用いられる記録素子として熱エネルギーを用いる方式について説明したが、本発明はこれに限定されない。記録ヘッドは、この方式の他、例えば通電させることで変形するピエゾ素子を用い、ピエゾ素子が通電に応じて変形することで、記録ヘッド内のインクが吐出口から押し出されて吐出される形式であっても良い。また、吐出口からインク滴を吐出することができるのであれば、その他の吐出方式が用いられても良い。
記録ヘッド104には、複数のチップが形成されており、チップごとに、それぞれ異なる色のインクを吐出するための吐出口列が設けられている。本実施形態では、複数の色のインクを吐出可能なように、複数のチップが記録ヘッド104に設けられている。それぞれのチップに形成された各吐出口列は、複数の吐出口を所定ピッチにより配列されて構成されている。
本実施形態の記録装置100では、記録ヘッド104と一体的に形成されているインクタンク120とは別に、交換可能なインクカートリッジ1がタンク装着ユニット109に着脱可能に装着されている。タンク装着ユニット109に配置された複数のインクカートリッジ1は、記録ヘッド104におけるそれぞれのインクの色ごとに対応する色のチップと供給チューブ110によって接続されている。供給チューブ110は、記録ヘッド104におけるチップにインクを供給できるように、記録ヘッド104とインクカートリッジ1との間に設けられている。タンク装着ユニット109に装着された各インクカートリッジ1に収納されたインクは、それぞれ独立して記録ヘッド104のチップに供給され、記録ヘッド104と一体的に形成されているインクタンクに一旦貯留される。
プラテン103上に搬送された記録媒体Sは、画像を記録された後、記録媒体Sが排出ローラ112とこれに従動回転する拍車113との間に挟持された状態で排出ローラ112が回転することにより、記録媒体Sは記録装置100から排出される。
記録ヘッド104の主走査方向への往復移動範囲内であって、記録媒体Sの搬送範囲外の領域の所定位置(例えばホームポジション)に、吸引回復装置としての回復ユニット111が配設されている。回復ユニット111は、吸引回復を行うことによって、記録ヘッド104からインクの記録に関与しない排出を行う。回復ユニット111は、記録ヘッド104のインク吐出性能を維持回復するために吸引回復を行うことが可能である。回復ユニット111は、記録ヘッド104をキャッピングした状態で吐出口から強制的にインクを吸引するためのチューブポンプを内部に備えている。チューブポンプは、そこで負圧を発生させることが可能である。記録ヘッド104からチューブポンプの駆動によってインクを強制的に吸引することで、記録ヘッド104からインクを排出している。
図2に、本実施形態におけるインクジェット記録装置100のインク供給システム構成について説明するための模式的な説明図を示す。本実施形態におけるインク供給システムでは、インクカートリッジ1から延びたインク流路がバルブを介して記録ヘッド104と一体的に形成されたインクタンク120に接続されている。また、記録ヘッド104と一体的に形成されたインクタンク120から延びたインク流路がバルブを介して記録ヘッド104に接続されている。また、記録ヘッド104に一体的に形成されたインクタンク120と、インクカートリッジ1との間には、空気が流通する空気の流路がさらに形成されている。そして、そのインクタンク120とインクカートリッジ1との間の空気の流路には、二つのバルブが配置されている。このインクタンク120とインクカートリッジ1との間の空気の流路は二つのバルブの間で分岐しており、一方がインクカートリッジ1に接続され、他方がポンプに接続されている。このポンプを駆動させることにより、インクカートリッジ1あるいはインクタンク120へ流路を通じて圧縮空気を供給することが可能である。インクカートリッジ1内部のインクカートリッジケース2とインク収納袋との間の空間に圧縮空気を供給することで、インクカートリッジケース2内部でインク収納袋を圧縮し、インク収納袋の内部から収容されているインクを外部に押し出す。これにより、インク収納袋から押し出されたインクがインク流路を通って、記録ヘッド104に供給される。インクカートリッジ1は、着脱可能にインクジェット記録装置に取り付けられ、記録ヘッドから吐出されるインクを一旦貯留する。
図3(a)〜(e)に、第一実施形態のインク収納容器としてのインクカートリッジ1を示す。図3(a)は、インクカートリッジ1を上側から見た平面図であり、図3(b)はインクカートリッジ1の側面図であり、図3(c)はインクカートリッジ1の正面図である。また、図3(d)には、図3(a)におけるD−D線に沿う断面図が示されており、図3(e)には図3(d)におけるE−E線に沿う断面図が示されている。また、図4には、インクカートリッジ1を分解して示した斜視図が示されている。図3(a)〜(e)及び図4に示されるように、インクカートリッジ1は、直方体形状のインクカートリッジケース2の内部にインクを収納するインク収納袋3が配置されて形成されている。インク収納袋3は、一部がインクカートリッジ1に固定されている。本実施形態では、インク収納袋3は、キャップ部材4によって開口部が封止されて、インクカートリッジケース2に固定されている。
インク収納袋3は可撓性の材料によって形成されており、本実施形態においてはポリプロピレンの薄膜により形成されている。また、キャップ部材4は成形品であり、本実施形態においてはポリプロピレンによって形成されている。このように、インク収納袋3の内側面を形成する材料は、キャップ部材4と同一の材料によって形成されている。本実施形態では、インク収納袋3の全体がキャップ部材4と同じ材料によって形成されている。インク収納袋3は、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長い辺を少なくとも一方の方向に有する。本実施形態では、インク収納袋3は、内部に収容したインクをキャップ部材4に形成されたインクの流路を介して排出可能な方向に関し、内部に収容されているインクの量によってその長さを変える。すなわち、インク収納袋3は、インクの排出方向に関して、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが、内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長く形成されている。
インク収納袋3の内部にインクが十分に充填された際には、インク収納袋3内の空間をインクが占めることで、インク収納袋3の高さ方向にシートが引っ張られる。そのため、インク収納袋3におけるインクを排出可能な方向に関し、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが、内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長く形成される。インク収納袋3内部のインクが排出されると、それまでインク収納袋3の高さ方向に引っ張っていた分のインク収納袋3におけるシートが、インクの排出方向に用いられる。従って、その分インク収納袋3におけるキャップ部材4によって保持されている部分から、インク収納袋3における保持されている側とは逆側の端部までの距離が長くなる。
キャップ部材4には、インク収納袋3内のインクを導出するインク流路としての導管部分が形成されている。その導管部分におけるインク収納袋3の取り付けられている側とは反対側の端部には、ゴム等の弾性部材からなるゴム栓7が圧入されている。また、キャップ部材4よりもインク収納袋3の取り付けられている側とは反対側の外側には、ゴム栓押さえ板8が、超音波溶着等の方法によってキャップ部材4に取り付けられている。これによりゴム栓7がキャップ部材4に押さえられ、インクが封止されている。
インクカートリッジ1が設置されて使用される際には、インク供給針21がキャップ部材4に差し込まれる。インク供給針21の内部には、インク流路が形成されている。そして、インク供給針21内部のインク流路は、インクカートリッジ1と記録ヘッド104に一体的に形成されているインクタンク120との間のインク流路に連通している。従って、インク供給針21がキャップ部材4に差し込まれることで、インク収納袋3の内部と、インクタンク120とがこれらのインク流路を介して連通することになる。
インクカートリッジ1は、インク収納袋3の内部に板部材(可撓性部材)6を有している。板部材6は、インク収納袋3の内側面と同一の材料によって形成されている。板部材6は、インク収納袋3の内部に収納され、一端部がキャップ部材4に固定されて配置されている。本実施形態においては、板部材6は、一端がキャップ部材4に圧入され、インク収納袋3における他端側を製袋する際の熱溶着と同時にキャップ部材4に溶着される。板部材6は、弾性を有して屈曲可能である。また、板部材6は、一方の方向に関し、インク収納袋3におけるインクの収容能力の最大限にインクを収容したときのインク収納袋の長さよりも長く、内部のインクを収容していない状態におけるインク収納袋3の長さ以下の長さを有している。本実施形態では、板部材6は、インク収納袋3が内部に収容したインクをキャップ部材4に形成されたインクの流路を介して排出可能な方向に関し、長さを変化させる。すなわち、板部材6は、インク収納袋3におけるインクの排出方向に関して、インク収納袋3におけるインクの収容能力の最大限にインクを収容したときのインク収納袋3の長さよりも長く、内部のインクを収容していない状態における長さ以下の長さを有している。特に、本実施形態では、板部材6は、インク収納袋3が内部に収容したインクをキャップ部材4に形成されたインクの流路を介して排出可能な方向に関し、内部のインクを収容していない状態におけるインク収納袋3の長さと同じ長さを有している。従って、インク収納袋3の内部のインクを全て排出したときに、板部材6とインク収納袋3が同じ長さとなるので、インク収納袋3が板部材6に沿って張られた状態になり、表面に潰れやシワが形成され難い。
板部材6は、インク収納袋3におけるインクの収容能力の最大限にインクを収容したときには、インク収納袋3の内面の少なくとも一部に接触し、一方の方向におけるインク収納袋3の内側に向かって押された状態で配置されている。特に、本実施形態では、板部材6は、インク収納袋3が内部に収容したインクをキャップ部材4に形成されたインクの流路を介して排出可能な方向に関し、インク収納袋3の内側に向かって押された状態で配置されている。
キャップ手段としてのキャップ部材4は、インク収納袋3に収容されたインクを封止可能であると共に、記録ヘッド104にインクを供給するときには、内部にインクの流路が形成されているので、流路にインクを流通させることが可能に形成されている。また、インク収納袋3の一端部には、中央でキャップ部材4と接続された接続部分が形成されている。インク収納袋3は、熱溶着等の方法によってキャップ部材4に取り付けられている。また板部材6における幅の長さは、インク収納袋3の幅の長さと略同じ長さである。
また、インク収納袋3の外側には、インク収納袋3を覆うようにインクカートリッジケース2(ケース体)が配置されている。そして、板部材6は、一方の方向における一端が、インクカートリッジケース2に対して固定されて配置されている。本実施形態では、インク収納袋3におけるインクの排出方向の一端が、インクカートリッジケース2に対して固定されて配置されている。また、本実施形態では、キャップ部材4は、インクカートリッジケース2に取り付けられ、板部材6は、一端がキャップ部材4に固定されて配置されている。インクカートリッジケース2は、加圧口5を介して空気流路に接続されている。これにより、加圧口5はインクカートリッジ1内部のインク収納袋3とインクカートリッジケース2との間の空間に連通し、本体側のポンプの駆動によって供給される圧縮空気がインク収納袋3とインクカートリッジケース2との間の空間に導入される。その空間に圧縮空気が導入されることで、前述のように、加圧されたインク収納袋からキャップ部材4内部のインク流路を通してサブのインクタンク120にインクが供給される。
図5(a)〜(c)には、内部のインクが部分的に消費された状態のインクカートリッジ1が示されている。図5(a)は内部の板部材6及びその周辺について示した断面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B線に沿う断面図、図5(c)は図5(b)のC−C線に沿う断面図である。インク収納袋3は、内部にインクが十分に充填されて膨らんだ状態にあるときには、カートリッジケース2の形状に沿って略直方体状になるように形成されている。また、図5(c)に示されるように、インク収納袋3は、インクが部分的に消費された際に、上面と底面の間の側面部分が部分RのようにV字形に折り込まれたガゼットと呼ばれる折り方の袋となるように形成されている。本実施形態では、図5(c)におけるインク収納袋3の上面と底面の間の側面が、折り畳まれた際にインク収納袋3の内側に位置するように、インク収納袋3の内側に折り込まれている。このように、本実施形態では、インク収納袋3は、内側に折り込まれた折り込み部分を有するように、内側に折り込まれて形成されている。従って、インク収納袋3内のインクが消費されたときにはインク収納袋3がスムーズに潰れ、インク収納袋3が容積を減少させるときにインク収納袋3の表面に潰れやシワが発生することを抑えている。また、インク収納袋3は、内部のインクが排出されることで、インクが十分に充填されているときと、インクが消費されたときとの間でインク収納袋3の高さが異なる。
次に、内部のインクが消費されるにつれて形状が変化するインク収納袋3について説明する。図6(a)〜(f)は、本実施形態における内部のインクが消費されていく過程のインクカートリッジ1の形状について示した図である。図6(a)は、インクが使用される前であって、インク収納袋3にインクが十分に充填された状態におけるインクカートリッジ1の断面図であり、図6(b)は図6(a)におけるB−B線に沿う断面図である。また、図6(c)は、内部のインクを部分的に使用したときのインクカートリッジ1の断面図であり、図6(d)は、図6(c)におけるD−D線に沿う断面図である。図6(e)は、内部のインクをほぼ使い尽くし、潰れた状態にあるときのインクカートリッジ1における断面図であり、図6(f)は図6(e)におけるF−F線に沿う断面図である。
図6(a)、(b)には、インクが使用される前で内部のインクが消費されていない状態のインク収納袋3が取り付けられたインクカートリッジ1が示されている。インク収納袋3は袋内にインクが十分あるためインク収納袋3の高さはインク収納袋3が畳まれた状態にあるときに比べHだけ高い。このとき、インク収納袋3を形成するポリプロピレンのシートは、上下方向に関して一旦Hだけ上方に延び、それからHだけ下方に延びている。従って、その分、インク収納袋3が折り畳まれた状態に比べ、シートが上下方向に多く用いられている。これにより、インク収納袋3は、インクが使い尽くされて折り畳まれた状態にあるときに比べ、図6(a)におけるインク収納袋3からインクが排出される方向に関し、インク収納袋3の長さが短くなっている。
板部材6は、インク収納袋3の内部に撓んだ状態でインク収納袋3内に収納されている。このとき、板部材6における、インク収納袋3からインクが排出される方向に関する長さは、インクが十分に充填されている状態のインク収納袋3の長さよりも長く形成されている。そのため、インク収納袋3内部にインクが満たされているときには、板部材6がインク収納袋3の内部に収納されるために、板部材6は屈曲させられた状態でインク収納袋3の内部に配置される。このとき、板部材6は、一端がキャップ部材4の一部に取り付けられて固定されているので、板部材6の他端がインク収納袋3の内面によって内側に押圧されながら付勢された状態で板部材6が配置されている。従って、キャップ部材4におけるインク収納袋3を保持している部分と、その逆側のインク収納袋右側面に、板部材6による復元しようとする力(矢印D)が作用する。
図6(c)、(d)に、インクを記録ヘッド側に供給することにより、インク収納袋3内がインクで満たされている場合に比べてインク収納袋3内部のインク量が1/2以下になった状態を示す。インクの供給によりインク収納袋3内部のインクが減少すると、板部材6におけるインク排出方向の中央部にインク収納袋3のシートが貼り付く。それから、板部材6が復元していくに従って、板部材6におけるインク排出方向の中央部から外側に向かって徐々にインク収納袋3のシートが板部材6に貼り付いていく。このとき、板部材6におけるキャップ部材4への取り付け部としての一端側とは逆側の他端側が外側に移動するように付勢されているので、板部材6によってインク収納袋3を形成するシートが外側に押され、インク収納袋3における他端側が外側へ移動する。これにより、板部材6が部分的に復元し、インク収納袋3におけるインクが排出される方向に関する長さが長くなる。
そこから、インク収納袋3のシートは、インク収納袋3内部のインクが排出されるに従い、板部材6の形状に沿うように板部材6の方へ移動する。このとき板部材6が復元しようとする力(図6(a)、(c)、(e)に示す矢印)がキャップ部材4と、それとは逆側のインク収納袋3の側面に作用し、インク収納袋3が内部のインクの排出される方向に引っ張られて広げられる。
図6(e)、(f)に、インク収納袋3内部のインクが使い尽くされて、インク収納袋3内部にインクがなくなったときの状態のインクカートリッジを示す。インク収納袋3内部のインクが使い尽くされた際には、インクが十分に充填されているときよりも、インク収納袋3におけるインクが排出される方向にインク収納袋3の長さが長くなっている。このとき、本実施形態では、板部材6がインク収納袋3内部のインクをインク収納袋3から排出する方向に関しインク収納袋3と略同じ長さを有しているので、インク収納袋3はインクが排出される方向に関してほぼ直線状に延びている。その結果、インク収納袋3の形状が、板部材6に沿って張られたように形成される。これにより、インク収納袋3の内部のインクが減少することによってインク収納袋3が潰れたときに、インク収納袋3にシワが形成され難い。
板部材6は、インク収納袋3内部のインクが排出される方向に略同じ長さを有しているので、その方向に沿った平行なシワがインク収納袋に残ることが抑制される。また、本実施形態では、インク収納袋3内部のインクが排出される方向に直交するインク収納袋の幅方向に関して、インク収納袋3と板部材6とが略同じ長さを有している。従って、インク収納袋3内部のインクが使い尽くされた際には、インク収納袋3は、板部材6に沿って板部材6の幅方向に張られた状態に形成される。従って、インク収納袋3における幅方向に関するシワの発生が抑制される。
また、本実施形態では、板部材6がキャップ部材4に固定されている。従って、キャップ部材4が板部材6の荷重を支持している。そのため、板部材6がインク収納袋3の内部に固定的に取り付けられる構成に比べて、インク収納袋3にかかる荷重が小さく済む。従って、インク収納袋3の内部にインクが収容されている状態ではインク収納袋3の形状が変形し難いので形状が保たれ易く、板部材を収納した状態においてもインクの収容可能な量を維持することができる。以上のように、インクカートリッジにおいて板部材6がキャップ部材4に固定されることで、インク収納量を維持しつつ、インク使用効率を向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係るインクカートリッジについて説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第二実施形態に係るインクカートリッジについて説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のインク収納容器では、第一実施形態とは異なり、インク収納袋3における内部のインクが排出される方向に直交する方向に沿った幅に関して、板部材10の幅の長さがインク収納袋3の幅よりも比較的小さく形成されている。従って、インク収納袋3内部のインクが消費されてインク収納袋3が潰れていく過程で、板部材10とインク収納袋3における折り込まれた部分とが接触せず、インク収納袋3が板部材10に干渉せずに変形することが可能である。
図7(a)〜(c)に、本発明の第二の実施形態に係るインクカートリッジについて示す。図7(a)には、内部のインクが部分的に消費されて部分的に潰れた形状を有している第二実施形態に係るインクカートリッジ1’について、上から見て内部を示した断面図が示されている。図7(b)には、図7(a)におけるB−B線に沿う断面図が示されている。また、図7(c)には、図7(b)におけるC−C線に沿う断面図が示されている。
図7(a)〜(c)に示されるように、インク収納袋3は、第一実施形態のインク収納袋と同様に、インク収納袋3の側面が内側に向かってV字形に折り込まれたガゼットと称される袋が用いられている。インク収納袋3の内部のインクが消費されていくと、内側に折り込まれた部分が潰れて、図7(c)に示される形状となるようにインク収納袋3が形成されている。
図8(a)〜(f)に、第二実施形態における内部のインクが消費されていく過程のインクカートリッジ1’の形状について示した図を示す。図8(a)は、インクが使用される前であって、インク収納袋3にインクが十分に充填された状態のインクカートリッジ1’の断面図であり、図8(b)は図8(a)におけるB−B線に沿う断面図である。また、図8(c)は、内部のインクを部分的に使用したときのインクカートリッジ1’の断面図であり、図8(d)は、図8(c)におけるD−D線に沿う断面図である。図8(e)は、内部のインクをほぼ使い尽くし、潰れた状態にあるときのインクカートリッジ1’における断面図であり、図8(f)は図8(e)におけるF−F線に沿う断面図である。
図8(a)、(b)に示される状態からインク収納袋3内部のインクが消費されると、インク収納袋3は潰れて図8(c)、(d)に示される形状に変形する。そこからさらにインクが消費されると、インク収納袋3の内部のインクが使い尽くされて、図8(e)、(f)に示されるように、板部材10がインクの排出される方向に略直線状に延びた形状になる。また、それと共にインク収納袋3も板部材10に沿って略直線状に延びるような形状となる。このとき、第一実施形態と同様に、インク収納袋3はインクの排出される方向に関して板部材10と略同じ長さを有しているので、インク収納袋3はその方向に引っ張られ、インク収納袋3にシワが生じることが抑えられている。
このとき、第二実施形態に示されるインク収納袋3においては、折り込まれている部分には板部材10が収納されていない。このように、板部材10は、インク収納袋3の内部に、折り込み部分に干渉しないように、インクカートリッジケース2に取り付けられたキャップ部材4に固定されて配置されている。インクの消費によってインク収納袋3が潰れて図8(e)、(f)に示される状態まで変形する過程で、インク収納袋3は内側に折り込まれている部分に沿って折り畳まれて、インク排出方向に沿って略直線状の形状になる。このように、板部材10の幅が、インク収納袋3に形成されている折り目に干渉しない形状を有していても、インク収納袋3の表面でシワの発生を抑制することができる。
また、内部のインクが消費されることでインク収納袋3の形状が潰れていく過程で、板部材10とインク収納袋3の折り込まれた部分とが干渉しないので、インク収納袋3と板部材10との間に隙間が形成されずにインク収納袋3が変形することができる。仮に、内部のインクが消費されてインク収納袋が潰れて変形する際に、インク収納袋と板部材とが干渉してしまうと、そこに隙間が生じてしまい、インクがそこに残ってしまう可能性がある。本実施形態のインクカートリッジ1’では、インク収納袋3と板部材10とが干渉することが抑えられるので、インク収納袋3が変形する際に、板部材10の形状に沿って板部材10により追随するように変形することができる。従って、インク収納袋3と板部材10との間に隙間が生じることが抑えられ、インク収納袋3内部のインクが使い切られた際には、インク収納袋3の内部にインクが残ることが抑えられる。これにより、インク収納袋3に収納されたインクをより効率的に使用することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態及び第二実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態及び第二実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図9(a)〜(c)に、本発明の第三実施形態に係るインクカートリッジについて、内部の構造について示した断面図を示す。図9(a)は、インクカートリッジ1’’を上面から見た断面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線に沿う断面図であり、図9(c)は図9(b)のC−C線に沿う断面図である。また、図10(a)〜(f)に、本発明の第三の実施形態に係るインクカートリッジについての、内部のインクが消費されていく過程のインクカートリッジ1の形状について示した図を示す。図10(a)は、インクが使用される前であって、インク収納袋3にインクが十分に充填された状態のインクカートリッジ1’’の断面図であり、図10(b)は図10(a)におけるB−B線に沿う断面図である。また、図10(c)は、内部のインクを部分的に使用したときのインクカートリッジ1’’の断面図であり、図10(d)は、図10(c)におけるD−D線に沿う断面図である。図10(e)は、内部のインクをほぼ使い尽くし、潰れた状態にあるときのインクカートリッジ1’’における断面図であり、図10(f)は図10(e)におけるF−F線に沿う断面図である。
本実施形態では、インク収納袋11は長方形のシートを半分に折り、折り目部分がインク収納袋における一つの辺を構成するように形成されている。また、残りの三つの辺については、対向するシートの縁部同士が合わせられて溶着されている。このように、本実施形態では、二方袋と呼ばれる形状を有するインク収納袋11が採用されている。本実施形態のインクカートリッジ1’’は、このようにインク収納袋11の折り目部分以外の部分が、対向するシートの縁部同士の溶着によって形成されている。
インク収納袋11にインクが充填された際には、インク収納袋11の高さ方向にシートが用いられる。そのため、インク収納袋11にインクが十分に充填された際には、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、インクの排出可能な方向に対しインク収納袋11の長さが短くなる。本実施形態では、それに加え、インク収納袋11に内側に折り込まれた部分が存在しないので、インク収納袋11にインクが十分に充填された際には、インク排出可能な方向に直交するインク収納袋11の幅方向の長さが短くなる。従って、第三実施形態のインク収納袋11は、インクが十分に充填されている状態では、インクが充填されていない状態に比べてインク収納袋の幅方向への長さが短く形成される。
また、本実施形態では、板部材12のインク排出方向に直交する幅方向の長さは、インクが充填されていない状態のインク収納袋11と略同じ長さに形成されている。従って、インク収納袋11にインクが充填されていない状態でインク収納袋11内に板部材12が配置され、インク収納袋11内にインクが充填されると、板部材12は、インクの排出方向に内側に圧縮されると共に、インク収納袋11の幅方向にも内側に圧縮される。従って、インク収納袋11にインクが充填されているときには、インク収納袋11の内面によって板部材12がインクの排出される方向に内側に押されると共に、板部材12の幅方向に関しても内側に押されてインク収納袋11の内部に収納される。そのため、板部材12は、インク収納袋11の内部に収納されている状態では、図9(b)に示されるようにインクの排出方向に内側に曲げられた状態であると共に、幅方向にも曲げられた状態で収納されている。
図10(a)〜(f)に示されるように、本実施形態のインクカートリッジ1’’においても、インク収納袋11の内部のインクが消費されていく過程で、形状が潰れていく。しかしながら、本実施形態のインクカートリッジ1’’は、インク収納袋11に内側に折り込まれた部分が無く、潰れていく過程においてインク収納袋11が内側に折り込まれない。このように、インク収納袋11における内側に折り込まれた部分が存在しないので、板部材12の幅が比較的大きくても板部材12がインク収納袋11における内側に折り込まれた部分と干渉せずに変形することができる。
また、本実施形態では、板部材12がインクの排出可能な方向に関して内側に押された状態で収納されると共に、インク排出可能な方向に直交する板部材12の幅方向に関しても内側に押された状態で、板部材12がインク収納袋11の内部に収納されている。従って、インク収納袋11の内部のインクが消費されてインク収納袋11が潰れる過程で、板部材12の復元によってインク収納袋11の内面が板部材12によって外側に押されながらインク収納袋11が潰れていく。このとき、本実施形態のインクカートリッジ1’’においては、板部材12によって、インク収納袋11におけるインクの排出方向の外側に押されると共に、インク収納袋11の幅方向にも外側に押されながらインク収納袋11が潰れていく。これにより、インク収納袋11内部のインクが消費されてインク収納袋11が変形する際に、板部材の長さ方向と幅方向の両方に対して、板部材12の形状に沿って板部材12により追随するようにインク収納袋11が変形することができる。これにより、インク収納袋11に収納されたインクをより効率的に使用することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態ないし第三実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第四実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態ないし第三実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図11(a)〜(d)に、本発明の第四実施形態に係るインクカートリッジについて示す。図11(a)には、インク収納袋内部のインクが略消費された状態におけるインクカートリッジを側面から見た断面図について示されており、図11(b)には図11(a)のB−B線に沿う断面図が示されている。また、図11(c)には領域Cについて拡大して示した断面図が示されている。また、図11(d)には、第四実施形態に用いられる板部材の全体について示した斜視図が示されている。
図11(a)〜(d)に示されるように、本実施形態の板部材13は、一端がキャップ部材4に取り付けられ、キャップ部材4によって支持されている部分に近接した位置に、突起14が形成されている。キャップ部材4がケース体としてのインクカートリッジケース2に取り付けられ、板部材13は、その一端がキャップ部材4に固定されて配置されている。本実施形態では、インク収納袋3は、記録ヘッドに供給されるインクを流通させる開口部22を有している。インク収納袋の開口部22は、インク収納袋3からキャップ部材4へインクが流入する際にキャップ部材4にインクが流入する流入口としての供給針21及びキャップ部材4のインク流路の周囲を、インクが外部に漏れないように覆っている。これによって、インク収納袋3の内部にインクが封止可能に形成されている。そして、板部材13が突起14を有していることで、開口部22がキャップ部材4の流入口の周囲を覆うことでインク収納袋3と板部材13との間に形成される隙間を小さくしている。
このように、本実施形態においては、インク収納袋3は、記録ヘッドに供給されるインクを流通させる開口部22を有している。その開口部22がキャップ部材4へインクが流入する流入口の周囲を覆うことで、インク収納袋3の内部に収容されたインクを封止している。そして、板部材6は、開口部22が、インクの流入口の周囲を覆うことで形成される隙間を小さくするための突起14を有している。
突起14によって隙間がより多く埋められることになるので、インク収納袋3内部のインクがほぼ消費され、インク収納袋3が板部材13に沿ってほぼ直線上に延びる形状となったときに、インク収納袋3の内部に残るインクの量がより少なく抑えられる。従って、インク収納袋3内部のインクをより効率的に使用することができ、無駄に廃棄されるインクの量が少なく抑えられ、インクの消費量を少なく抑えることができる。結果的に、インクジェット記録装置の運転コストを低く抑えることができる。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、本発明の第五実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図12(a)、(b)に、本発明の第五実施形態に係るインクカートリッジについて示す。図12(a)は、インク収納袋内部のインクが部分的に消費された状態におけるインクカートリッジを側面から見た断面図が示されている。また、図12(b)には、インク収納袋内部のインクが使用される前の状態におけるインクカートリッジ1’’’’を側面から見た断面図が示されている。
本実施形態のインクカートリッジ1’’’’は、図12(a)に示されるように、インク収納袋の内部のインクが使い尽くされたとしても、板部材15及びインク収納袋16が、インクの排出方向に沿って直線状の形状にはならないように形成されている。本実施形態のインクカートリッジ1’’’’では、板部材15及びインク収納袋16のインクが排出される方向に沿った長さが、インクカートリッジケース2におけるその方向に沿った長さに比べ、相対的に長い形状を有している。
従って、本実施形態では、インク収納袋16内部のインクが全て排出されたとしても、インクカートリッジケース2内部で板部材15が直線状になるのに十分なスペースが確保されていない。そのため、インク収納袋16内部のインクが消費されていく過程で、インク収納袋16内部のインクが全て排出される前に板部材15がインクカートリッジケース2の内面に当接し、それ以上板部材15の一端がインクの排出方向に移動することができない。それから、板部材15は、一端がインクカートリッジケース2の内面に当接した状態で形状が保たれる。そして、インクカートリッジ2は、板部材15の一端がインクカートリッジケース2の内面に当接した形状を保ったまま、インク収納袋16内部のインクが使い尽くされるまでインクが消費されていく。
本実施形態では、このようにインク収納袋16内部のインクが使い尽くされたときも、板部材15がインクの排出方向に沿って直線状の形状にならずに、インクカートリッジケース2の内面によって板部材15の一端が内側に押された状態にある。このような状態になる程度にインク収納袋16及び板部材15が相対的に長く形成されているので、インク収納袋16内部のインクが使用される前の状態のときには、インク収納袋16とインクカートリッジケース2の内面との間の隙間が小さく形成されている。インク収納袋16とインクカートリッジケース2の内面との間の隙間が小さいので、インクカートリッジケース2の有する容積に対してインク収納袋16の容積を比較的大きくすることができる。従って、インクカートリッジ1’’’’を小型化することができる。また、インク収納袋16に収容されたインクの量を多くすることができるので、インクカートリッジ1’’’’の寿命を長くすることができ、インクジェット記録装置の運転コストを低く抑えることができる。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、上述した記録装置では、記録ヘッドの主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って画像を記録するいわゆるシリアルスキャンタイプの記録装置が用いられている。しかし、本発明は記録媒体の幅方向の全域に亘って延在する記録ヘッドを用いるフルラインタイプの記録装置にも適用可能である。
また、「記録装置」とは、プリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置などのプリント機能を有する装置、ならびにインクジェット技術を用いて物品の製造を行なう製造装置を含む。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
1 インクカートリッジ
3 インク収納袋
4 キャップ部材
6 板部材
3 インク収納袋
4 キャップ部材
6 板部材
Claims (8)
- 記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うことが可能なインクジェット記録装置に取り付けられることが可能であって、前記記録ヘッドから吐出されるインクを貯留するインク収納容器において、
内部にインクを収容可能な可撓性を有する袋であって、内部に収容されているインクの量が少ないときの長さが内部に収容されているインクの量が多いときの長さよりも長い辺を少なくとも一方の方向に有するインク収納袋と、
前記インク収納袋に収容されたインクを封止可能であると共に、前記記録ヘッドにインクを供給するときにはインクの流路を形成しインクを流通させることが可能なキャップ手段と、
弾性を有して屈曲可能であると共に、前記インク収納袋におけるインクの収容能力の最大限にインクを収容したときの前記一方の方向へのインク収納袋の長さよりも長く、内部のインクを収容していない状態におけるインク収納袋の前記一方の方向への長さ以下の長さを前記一方の方向に有し、前記インク収納袋の内部に配置された可撓性部材とを有し、
前記可撓性部材は、インクの収容能力の最大限にインクを収容したときには、前記インク収納袋の内面の少なくとも一部に接触し、前記一方の方向におけるインク収納袋の内側に向かって押された状態で配置されていることを特徴とするインク収納容器。 - 前記一方の方向は、前記インク収納袋の内部に収容したインクを前記キャップ手段に形成されたインクの流路を介して排出可能な方向であることを特徴とする請求項1に記載のインク収納容器。
- 前記可撓性部材は、前記一方の方向に関し、内部のインクを収容していない状態における前記インク収納袋の長さと同じ長さを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のインク収納容器。
- 前記インク収納袋の外側に、前記インク収納袋を覆うようにケース体が配置され、
前記可撓性部材は、前記一方の方向の一端が前記ケース体に対して固定されて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク収納容器。 - 前記キャップ手段は、前記ケース体に取り付けられ、
前記可撓性部材は、前記一端が前記キャップ手段に固定されて配置されていることを特徴とする請求項4に記載のインク収納容器。 - 前記インク収納袋は、前記記録ヘッドに供給されるインクを流通させる開口部を有し、前記開口部が、前記キャップ手段へインクが流入する流入口の周囲を覆うことで内部に収容されたインクを封止可能であり、
前記可撓性部材は、前記開口部が前記流入口の周囲を覆うことで前記インク収納袋と前記可撓性部材との間に形成される隙間を小さくするための突起を有することを特徴とする請求項5に記載のインク収納容器。 - 前記インク収納袋は、内側に折り込まれた折り込み部分を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインク収納容器。
- 前記インク収納袋の外側に、前記インク収納袋を覆うようにケース体が配置され、
前記可撓性部材は、前記インク収納袋の内部に、前記折り込み部分に干渉しないように前記ケース体に固定されて配置されていることを特徴とする請求項7に記載のインク収納容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010070119A JP2011201116A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | インク収納容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010070119A JP2011201116A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | インク収納容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011201116A true JP2011201116A (ja) | 2011-10-13 |
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Family Applications (1)
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JP2010070119A Pending JP2011201116A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | インク収納容器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016037017A (ja) * | 2014-08-11 | 2016-03-22 | セイコーエプソン株式会社 | 液体容器およびカートリッジの製造方法 |
-
2010
- 2010-03-25 JP JP2010070119A patent/JP2011201116A/ja active Pending
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