JP2011200583A - 物干し装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物干し装置1は、上下に長尺に形成され、壁面7に対して固定される竿収納本体10と、前記竿収納本体に沿うように収納される収納位置と前方に向けて突出した状態で保持される物干し位置とに変位自在とされた竿体31,41と、前記竿収納本体に対して当該竿収納本体の幅方向にスライド開閉自在に取り付けられ、かつ閉止状態で、前記収納位置とされた竿体及び前記竿収納本体の前面側を覆い隠すように配置されるとともに、該竿収納本体の上端面及び下端面をそれぞれに覆い隠す上片部53及び下片部54を有した扉体50とを備えている。
【選択図】図1
Description
例えば、下記特許文献1では、縦長の収納フレームに、前方に向けて起倒自在に取り付けられたハンガー掛け部材を備えた収納式ハンガー掛けが提案されている。
また、下記特許文献2では、左右方向に長尺のケース本体の前面に、蓋を設けた開口部を有し、この開口部から斜め前下方に操作ひもの引き操作で出し入れ自在とされ、下端部間に竿を架設した左右一対の吊り下げアームを備えた物干し装置が提案されている。上記蓋は、上記開口部の上部付近を回動支点として回動自在とされるとともに、蓋開閉用ばねによって閉方向に付勢されている。
このものでは、操作ひもを、吊り下げアーム及び竿の開口部からの出し方向に操作することで、これに連動して、上記蓋が蓋開閉用バネの付勢に抗して開放される。一方、操作ひもを、吊り下げアーム及び竿の開口部への収納方向に操作することで、上記蓋が蓋開閉用ばねの付勢により閉止される構造とされている。
一方、上記特許文献2に記載された物干し装置では、開口部を閉止する蓋を備えているので、このような問題は低減されるものの、操作ひもの引き操作に伴う蓋の開閉動作によって、比較的、大きな音が発生することが考えられる。
また、本発明においては、前記扉体の下片部及び前記竿収納本体の下端部に、戸車と他方に設けられた戸車に係合するレール部材とがそれぞれに設けるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記扉体の戸車を、当該扉体の開放方向終端部に設ける一方、前記竿収納本体の戸車を、前記扉体の全開状態において前記扉体の開放方向終端部の背面に位置する側部に付設されるように設けるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記扉体の閉止状態において開放方向へのスライドを規制する第1規制部と前記扉体の全開状態において閉止方向へのスライドを規制する第2規制部とを更に備えたものとしてもよい。
図1〜図11は、第1実施形態に係る物干し装置について説明するための説明図である。
なお、以下の各実施形態では、当該物干し装置が壁面に取り付けられた状態において、壁面側を後方、壁面に向く側を背面(後面)とし、その逆をそれぞれ前方、前面として説明する。
この竿収納本体10の上部には、図1(b)、(c)に示すように、上段竿体31を有した上段竿部30が出し入れ自在に設けられ、また、この竿収納本体10の下部には、下段竿体41を有した下段竿部40が出し入れ自在に設けられている。なお、以下では、図1(b)に示すように、これら竿部30,40が竿収納本体10に沿うように収納された状態をこれらの収納位置とし、図1(c)に示すように、これら竿部30,40が竿収納本体10の前面から前方に突出した状態をこれらの物干し位置として説明する。
また、物干し装置1は、図1(a)、(b)に示すように、上記収納位置とされた上段竿部30及び下段竿部40並びに竿収納本体10の前面側を覆い、竿収納本体10に対して開閉自在に設けられた扉体50を備えている。
ガイド溝12には、上段竿部30の後記する支持アーム35の一端部が係合し、このガイド溝12が支持アーム35の一端部の上下方向に沿う移動をガイドする案内部を構成する。
これら各ガイド溝12,12の上側部位(上記案内部としてのガイド溝12の上端部近傍部位)には、上段竿部30の支持アーム35の一端部を保持する保持部としての保持金具12a,12aがそれぞれに設けられている。
この保持金具12aは、竿収納本体10の平板状部に固着され、側面視して上方に向けて開口する略L字状の金具とされている(図7も参照)。図例では、この保持金具12aは、その底片部が上記平板状部から斜め前上方に傾斜した形状とされている。
図例では、これら固定部は、竿収納本体10の上端部近傍部位に設けられた位置決め孔11と、中間部位及び下端部近傍部位のそれぞれに設けられた止具挿通孔11A,11Aとされている。位置決め孔11は、下部側が木ねじ等の固定止具9(図2(b)参照)の頭部の挿通が可能な大径部とされ、上部側が固定止具9の締め付けが可能な小径部とされたダルマ孔状とされている。各止具挿通孔11A,11Aは、固定止具9の締め付けが可能な丸孔状とされている。
また、一本の木軸8を取付下地とできるので、複数本の間柱等の木軸を取付下地として探す必要がなく、図例のように、壁材の背面に木軸等が配設された壁構造とされた壁面を取付対象とする場合には特に施工性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上下方向に沿って複数箇所に設けられた固定部のうちの最上段のものを、ダルマ孔状の位置決め孔11としている。従って、位置決め用の最上段の固定止具9を仮止めし、この位置決め用の固定止具9を位置決め孔11に挿通させて物干し装置1を仮保持させることができるので、竿収納本体10の位置決めが容易となり、より施工性を向上させることができる。
竿収納本体10の下端部近傍部位の幅方向略中央部には、物干し位置とされた下段竿体41の基端部に係止する係止部としてのストッパー部16が設けられている。また、竿収納本体10の上端部には、図2及び図4に示すように、上レール20と上戸車22とが設けられ、下端部には、下レール21と下戸車23とが設けられている。
なお、これら羽根状パネル18、ストッパー部16並びに各レール20,21及び各戸車22,23の詳細については後述する。
また、竿収納本体10は、ステンレスや鋼板等の金属板を折り曲げ加工やプレス加工、切削加工等することによって形成し、各保持金具や各レール等を溶接等によって固着するようにしてもよい。または、この竿収納本体10を、硬質の合成樹脂系材料から形成するようにしてもよい。
上段竿体31は、竿収納本体10の上端部に基端部が連結されるとともに、竿収納本体10に沿うように収納される収納位置とこの収納位置から基端部を回動支点として回動されて前方に突出した状態で保持される物干し位置とに変位自在とされている。
この上段竿体31は、収納位置では、図5に示すように、上段竿体31の長手方向が竿収納本体10の上下方向に沿うように基端部から垂れ下がるように収納され、その先端部が竿収納本体10の下端部近傍に位置する。一方、物干し位置では、図3(a)及び図4に示すように、竿収納本体10の上端部から前方に向けて突出し、その基端部及び先端部が略同高さに位置し、当該上段竿体31が略水平に保持される。
また、本実施形態では、上段竿体31は、図3(b)に示すように、中空とされており、上面側部が多面形状(図例では、三面)とされた扁平の断面形状とされている。このように、上段竿体31を中空のものとすることで、軽量化を図ることができる。また、扁平の断面形状とすることで、断面円形状や断面正方形状等とした場合と比べて、当該上段竿体31の幅寸法を確保しながらも、当該上段竿体31が収納される竿収納本体10の薄型化を図ることができる。
この上段竿体31は、アルミニウム等の金属系材料から例えば、押出成型によって中空に形成されており、図6(a)に示すように、その基端部及び先端部には、金属製または樹脂製のキャップが取り付けられている。または、この上段竿体31を、硬質の合成樹脂系材料から形成するようにしてもよい。
この羽根状パネル18は、図3に示すように、平板状に形成されており、その一側部に、上段竿体31の形状に合わせた係合部18aを有している。図例では、上段竿体31を把持するように係合する断面鉤状の形状とされ、一側部の両端部から突出するように設けられた一対の係合部18a,18aを示している。この係合部18aは、竿収納本体10に収納された状態では、竿収納本体10の左右側部に形成されたガイド溝12の一方に係合する。このガイド溝12への係合部18aの係合と上記した保持金具17に下端部が係合保持されることで、当該羽根状パネル18が竿収納本体10に対して着脱自在に係合保持される(図2(a)及び図7も参照)。なお、図3では、一方の羽根状パネル18のみを示しているが、他方の羽根状パネル18についても同様の構成である。
さらに、この羽根状パネル18の中間部には、上段竿体31に係合保持された状態で、上段竿体31の長手方向に沿って長尺とされた長孔と括れ部とが形成されており、これらを利用して、ハンガー等のフック部を引っ掛けることができるようになっている。
なお、この羽根状パネル18は、アルミニウム等の金属系材料や、硬質の合成樹脂系材料で形成するようにしてもよい。
また、一側部に設けられた係合部の形状は、図例のものに限られず、上段竿体を挟むようにばね部材等で付勢されたクリップ状のものとしてもよい。さらに、枚数や形状等は、図例のものに限られず、一枚のみ、または三枚以上の羽根状パネルを着脱自在に竿収納本体に設けるようにしてもよく、片持ち状に係合保持される態様に代えて、羽根状パネルの中間部等に係合部を設けたものとしてもよい。
これら一対の上段竿体31,31間の幅寸法W1は、図3に示すように、下段竿体41の幅寸法W2よりも大きく形成されている。
また、これら一対の上段竿体31,31は、図3及び図4に示すように、当該一対の上段竿体31,31及び下段竿体41が物干し位置において、下段竿体41の先端部41bよりも前方に向けて突出する先端物干し部32,32をそれぞれに有している。つまり、図4に示すように、これら一対の上段竿体31,31の長さ寸法L1は、下段竿体41の長さ寸法に、先端物干し部32の長さ寸法L3を加えた長さとしている。
竿体連結部材34は、本実施形態では、平板状とされており、図7に示すように、幅方向に貫通する複数の中空部を有している。このように、竿体連結部材34を平板状のものとすることで、当該竿体連結部材34を利用して洗濯物等を平干しすることもできる。
この竿体連結部材34の両側部の適所には、図6(a)及び図7に示すように、各上段竿体31,31を当該竿体連結部材34の各側部に連結固定する止具の止着孔部が形成されている。また、この竿体連結部材34の先端部には、支持アーム回動軸36が挿通される軸挿通孔部が幅方向に貫通して形成され、各上段竿体31,31の対応する箇所にも、この支持アーム回動軸36が挿通される軸挿通孔部が幅方向に貫通して形成されている。
なお、この竿体連結部材34は、アルミニウム等の金属系材料から例えば、押出成型によって中空に形成されたものとしてもよく、または、硬質の合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。
この支持アーム35の長手方向の一端部には、図2(b)及び図6に示すように、外方側に向けて突出し、竿収納本体10のガイド溝12に係合する係合突起37が設けられている。この支持アーム35の係合突起37がガイド溝12に設けられた保持金具12aに係合保持される。
これら各支持アーム35は、収納位置とされた上段竿体31の物干し位置への変位動作に連動して、当該支持アーム35の一端部の係合突起37が竿収納本体10のガイド溝12に沿って上方に移動し、保持金具12aに係合保持される構成とされている。
さらに、上段竿体31の先端部に100〔N〕程度の垂直下方の外力が負荷された際におけるたわみが200mm程度以下、除荷された後に残留するたわみが3mm程度以下となるようにしてもよい。
なお、この支持アーム35は、アルミニウム等の金属系材料から例えば、鋳造成型(ダイキャスト)されたものとしてもよい。または、硬質の合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。また、図6(b)に示すように、低コスト化や軽量化を図る観点から適宜、肉盗み状の凹部を設けたものとしてもよい。
このアーム連結部材39は、竿収納本体10の幅方向に長尺の平板状とされている。なお、このアーム連結部材39は、上記同様の金属系材料や硬質の合成樹脂系材料で形成されたものとしてもよい。
上記のように保持金具12aを係合突起37が乗り越えれば、上記のように付勢部材38によって背面側に向けて回動する方向に支持アーム35が付勢されているので、その係合突起37がガイド溝12の背面側の面に向けて移動する。この状態で、上段竿体31の先側部位を降下させる、または手放すことで、上記のように付勢された支持アーム35は、その係合突起37が保持金具12aに係合し、保持され、当該上段竿部30が物干し位置とされる。
また、本実施形態では、上段竿体31を複数本とし、これら複数本の上段竿体31,31の基端部側部位を竿体連結部材34によって連結している。従って、いずれかの上段竿体31を物干し位置(または収納位置)に向けて回動させれば、その他の上段竿体も連動して、物干し位置(または収納位置)へと回動されるので、使い勝手が良い。また、各上段竿体31,31に掛けられた洗濯物等の荷重にバラつきがあるような場合や、いずれかの上段竿体31を把持して昇降させる場合にも、上段竿体31,31同士が捩れるようなことを防止できる。
さらに、竿体連結部材34によって連結された基端部側部位の先側は、互いに非連結とされているので、物干し位置では、竿収納本体10から前方に向けて複数本の上段竿体31,31が、言わばフォーク状に突出したような状態となる。これにより、複数のハンガー等を各上段竿体31,31に掛けた場合にも、手前側に向けて抜き取るようにして洗濯物等を取り込むことができ、使い勝手が良い。
この下段竿体41は、竿収納本体10の下端部から前方に向けて突出した状態で略水平に保持される物干し位置と、竿収納本体10に沿うように略垂直状態で収納される収納位置とに変位自在とされている。このように、本実施形態では、当該下段竿体41及び一対の上段竿体31,31を、物干し位置と収納位置とに変位自在とされたものとしているので、一方を収納させることで、他方を選択的に利用することもできる。
また、この下段竿体41は、図8に示すように、物干し位置において上方に向けて開口する比較的に浅い凹部を有したトレー状に形成されており、その凹部底面には、複数本の突条41dが当該下段竿体41の長手方向に沿って、概ね全長に亘って設けられている。このような突条41dを設けることで、細長円柱状のペンやリップスティック等の化粧品などを下段竿体41の上面に載置した際に転がるようなことを防止できる。
また、この下段竿体41の幅方向両側部には、羽根状パネル18の係合部18a(図3(b)参照)の形状に対応させた断面形状の係止凹部41e,41eが形成されており、この下段竿体41の幅方向両側部にも羽根状パネル18の一側部の係合保持が可能とされている。これによれば、下段竿体41に羽根状パネル18を係合保持させることで、洗濯物等を平干しするスペースを大きくすることができる。
この下段竿体41の幅寸法W2(図3(a)参照)は、一対の上段竿体31,31の間の幅寸法W1よりも小さい幅寸法とすればよいが、本実施形態のように、上面が載置部となる板状体とされたものでは、100mm〜200mm程度の幅寸法としてもよい。また、この下段竿体41の長さ寸法は、上段竿体31の長さ寸法L1及びこれの先端物干し部32の長さ寸法L3に応じて設定可能であるが、350mm〜500mm程度の長さ寸法としてもよい。つまり、上段竿体31の半分程度の長さ寸法としてもよい。さらに、下段竿体41の厚さ寸法は、上段竿体31の厚さ寸法と同程度の寸法としてもよい。
これら各高さ寸法は、900mm前後とすることが好ましい。これによれば、物干し位置とされた上段竿体31が、成人の手を伸ばして作業できる程度の高さ(1800mm前後)となる。また、物干し位置とされた下段竿体41が、成人の腰高さ程度(900mm前後)となり、各竿体31,41を変位させる動作や各竿体31,41への物干し作業などの際に、使い勝手が良い。
これら第1ガイドアーム42及び第2ガイドアーム45は、それぞれが、図8に示すように、板状体とされた下段竿体41の幅方向両側に設けられた一対のガイドアームとされている。
この第1回動軸43は、竿収納本体10の幅方向に架け渡されるように設けられており、その両端部が竿収納本体10の上記左右側壁部に設けられた軸挿通孔14,14にそれぞれ挿通されて回動自在に支持されている。この第1回動軸43は、図4に示すように、物干し位置とされた下段竿体41の基端部41aよりも上方に回動自在に設けられている。
このような構成とされた第1ガイドアーム42は、第1回動軸43を回動支点として竿収納本体10に対して回動自在とされ、また、下段竿体41がこの第1ガイドアーム42に対して相対的に回動自在に連結された構成とされる。
この第2回動軸46は、竿収納本体10の幅方向に架け渡されるように設けられており、その両端部が竿収納本体10の上記左右側壁部に設けられた軸挿通孔15,15にそれぞれ挿通されて回動自在に支持されている。この第2回動軸46は、図4に示すように、物干し位置とされた下段竿体41の基端部41aよりも下方に回動自在に設けられている。
このような構成とされた第2ガイドアーム45は、第1ガイドアーム42と同様、第2回動軸46を回動支点として竿収納本体10に対して回動自在とされ、また、下段竿体41がこの第2ガイドアーム45に対して相対的に回動自在に連結された構成とされる。
これら各ガイドアーム42,45によって、当該下段竿体41が略水平状の物干し位置に支持される。
このような四節リンク機構状の構造により、下段竿体41は、これら各ガイドアーム42,45にガイド、規制されて略一定の移動軌跡を描くように揺動する構成とされている。
引っ掛け部48は、図4及び図8に示すように、本実施形態では、軸受部49の幅方向両側から垂れ下がるように設けられた一対の引っ掛け部48とされており、これら各引っ掛け部48,48は、軸受部49に回動自在に支持されている。これにより、下段竿体41が収納位置とされた際に、引っ掛け部48を回動させて収納できるので、この引っ掛け部48が邪魔になるようなことを防止できる。
また、この引っ掛け部48は、第1ガイドアーム42の第1連結軸44の近傍部位において垂れ下がるように支持されている。これにより、引っ掛け部48の耐荷重を、例えば先側に設けた場合と比べて、大きくすることができる。
この下段竿体41の基端部41aは、物干し位置とされた状態では、ストッパー部16によって、その上方への移動が規制される。
このストッパー部16は、竿収納本体10の下端部近傍部位の幅方向略中央部に設けられ、このストッパー部16の背面側には、当該ストッパー部16の弾性変形を許容するスペースが設けられている。
また、本実施形態では、このストッパー部16は、最下段の固定部としての止具挿通孔11Aに重合するように設けられており、これに一致する止具挿通孔乃至は止具の締め付けが可能な止着孔が形成されている。
下段竿体41の基端部41aに設けられたキャップには、このストッパー部16に対応させた係合切欠部41c(図5参照)が設けられている。
なお、このストッパー部16は、弾性変形可能な合成樹脂系材料または金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
収納位置とされた下段竿体41を物干し位置とする際には、下段竿体41の先端部41b(収納位置における下端部)を把持し、前方に向けて引き出すように移動させる。この際、第1ガイドアーム42が第1回動軸43を回動支点として、また第2ガイドアーム45が第2回動軸46を回動支点として斜め前下方に向けて回動しながら、これら各ガイドアーム42,45によって下段竿体41の移動がガイド、規制される。また、この際、下段竿体41の基端部41aが下方に向けて移動するとともに、その先端部41bが前方に向けてせり出すように変位する。そして、物干し位置に変位する下段竿体41の基端部41aによってストッパー部16が後方に向けて弾性変形し、さらなる変位を伴って、このストッパー部16の係止爪16aが下段竿体41の基端部41aの上面に係止し、当該下段竿部40が物干し位置とされる。
この収納位置では、当該下段竿体41の基端部41aが上方側、先端部41bが下方側にそれぞれ位置し、載置部となる物干し位置における上面が前方に向くように露出する。
なお、当該下段竿部40の収納位置を保持する保持部を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、物干し位置における下段竿体41の基端部41aに係止し、その上方への移動を規制するストッパー部16を備えているので、下段竿体41の物干し位置を強固に保持することができる。つまり、物干し位置とされた下段竿体41は、各ガイドアーム42,45によって支持されるが、その軸受部49付近を回動支点として収納方向側への衝撃などによる回転モーメントが作用すれば、収納方向に向けて回動することが考えられる。本実施形態では、このような衝撃による回動をストッパー部16によって防止することができる。
さらに、収納位置では、物干し位置における上面が前方に向く構成とされているので、その下面に設けられた軸受部49等が露出せず、見栄えを向上させることができる。
また、本実施形態では、下段竿体41を、略一定の移動軌跡を描くように、物干し位置と収納位置とに第1ガイドアーム42及び第2ガイドアーム45によってガイド、規制しながら変位させる構造としているが、このようなものに限られない。下段竿体が、物干し位置と収納位置とを変位する際に、その基端部が上下に移動するように、かつ、その先端部が前後に移動するように竿収納本体に連結部材を介して連結されたものとすればよい。
この扉体50は、図2〜図5に示すように、上記前面側を覆う平板状の前面部51と、この前面部51の一側部に設けられた側片部52と、この前面部51の上端部及び下端部のそれぞれに設けられた上片部53及び下片部54とを備えている。つまり、扉体50は、後方及び他側部が開口した薄い箱状のような形状とされており、側片部52によって竿収納本体10の一側端面を覆い、上片部53によって竿収納本体10の上端面を覆い、下片部54によって竿収納本体10の下端面を覆う構成とされている。このような構成によれば、当該扉体10を閉止させた状態では、竿収納本体10の他側端面以外が概ね露出せず、より見栄えを向上させることができる。
また、このような構成によれば、扉体50を開放させ、下段竿部40を物干し位置とすることで、上面が載置部となる板状体とされた下段竿体41に、化粧品等を載置して扉体50の前面部51を鏡台のように利用して化粧等をすることもできる。さらには、扉体50を開放させ、各竿部30,40に衣類等を掛けて着替え等をする際に、扉体50の前面部51を姿見のように利用することもできる。
なお、扉体50の前面部51の前面などを鏡とする態様に代えて、適宜の模様や着色等を施すようにしてもよい。
本実施形態では、扉体50は、当該扉体50及び竿収納本体10の上端部及び下端部のそれぞれに設けられた戸車とそれに係合するレール部材とによって、竿収納本体10に対してスライド開閉自在に取り付けられている。これにより、レール部材に沿う戸車の転動によって扉体50をスムーズに開閉させることができ、開閉時における音の発生をより効果的に低減することができる。
また、竿収納本体10の上端部及び下端部のそれぞれに設けられた上戸車22及び下戸車23は、扉体50の全開状態において扉体50の開放方向終端部の背面に位置する側部に設けられた戸車取付部19を介して、該側部に付設されるように設けられている(図2(a)も参照)。つまり、これら各戸車22,23は、竿収納本体10のこれらが設けられた側の側壁部よりも外方側に位置するように設けられている。
上戸車22は、図7に示すように、前後方向において、上レール20の前方に位置するように設けられ、下戸車23は、図9に示すように、前後方向において、下レール21の前方に位置するように設けられている。
この扉体50の上レール55及び下レール56は、上片部53の下面及び下片部54の上面にそれぞれ当接するように固定されており、当該扉体50の幅方向に沿って、概ね全長に亘って設けられている。上レール55は、図2(a)及び図7に示すように、竿収納本体10の上レール20と並列するように、その前方に設けられ、この上レール55に竿収納本体10の上戸車22が係合し、この上戸車22に規制され、この上戸車22の転動を伴いながら開閉方向に移動する。下レール56は、図2(a)及び図9に示すように、竿収納本体10の下レール21と並列するように、その前方に設けられ、この下レール56に竿収納本体10の下戸車23が係合し、この下戸車23に規制され、この下戸車23の転動を伴いながら開閉方向に移動する。
上戸車57は、図7に示すように、前後方向において、上レール55の後方に位置するように設けられ、竿収納本体10の上レール20にガイドされて転動する。下戸車58は、図9に示すように、前後方向において、下レール56の後方に位置するように設けられ、竿収納本体10の下レール21にガイドされて転動する。
なお、これらストッパー部26,27は、竿収納本体10に設ける態様に代えて、竿収納本体10の各戸車22,23の転動を上記のように防止するように、扉体50の上端部及び下端部に設ける態様としてもよい。
なお、これら規制部は、上記各方向への扉体のスライドを完全に防止するものではなく、手動操作でスライド開閉が可能な程度の規制を付与し、また、閉止する際及び全開する際に節度感を付与するものとすればよい。
また、第2規制部25は、竿収納本体10の上端部及び下端部のそれぞれに設けられ、全開状態とされた扉体50の各戸車57,58の閉止方向への転動を規制するように設けられている。
本実施形態では、これら各規制部24,25は、片持ち状に一端部が支持され、自由端側に突部を有した板ばね状とされている。
また、本実施形態では、第1規制部を竿収納本体の上端部に設け、第2規制部を竿収納本体の上端部及び下端部に設けた態様としているが、少なくとも一箇所に第1規制部及び第2規制部を設けるようにしてもよい。
さらに、竿収納本体にこれら各規制部を設ける態様に代えて、扉体の適所にこれら各規制部を設ける態様としてもよい。
閉止状態では、図11(a)に示すように、扉体50の上戸車57が、竿収納本体10の上端部に設けられた第1規制部24によって開放方向への転動が規制された状態である。
この閉止状態とされた扉体50を開放させる際には、扉体50の各戸車57,58が竿収納本体10の各レール20,21に沿って転動する。この際、扉体50の上戸車57は、第1規制部24の弾性変形を伴い、この第1規制部24を乗り越えるようにして転動する。
また、全開状態近傍においては、扉体50の各戸車57,58が竿収納本体10に設けられた第2規制部25,25の弾性変形を伴い、これら第2規制部25,25を乗り越えるように転動して、当該扉体50が全開状態とされる。
一方、全開状態とされた扉体50を閉止させる際には、上記とは逆に、当該扉体50のスライド移動がなされる。
また、このように扉体50が開閉される際、扉体50に設けられた各レール55,56には、竿収納本体10の開放方向終端部に設けられた各戸車22,23が係合し、安定して当該扉体50がスライド開閉される。
また、扉体の前面部や側片部等の適所に取っ手部を設けるようにしてもよい。
さらに、扉体及び竿収納本体の上端部のみに、戸車と他方に設けられた戸車をガイドするレール部材とをそれぞれ設ける態様としてもよい。このような態様によっても、上側のレール部材に沿う上戸車の転動によって扉体をスムーズに開閉させることができ、開閉時における音の発生を効果的に低減することができる。
図12は、第2実施形態に係る物干し装置について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
竿収納本体10Aは、上記した戸車及びレール部材に代えて、その上端部及び下端部に、案内ロッド28,29をそれぞれに備えている。
これら各案内ロッド28,29は、竿収納本体10Aの幅方向の全長に渡って架け渡すように設けられ、さらに、扉体50の開放方向終端部の背面に位置する側部から突出するように設けられている。また、これら各案内ロッド28,29の長手方向両端部近傍部位には、上記同様のストッパー部26,27並びに第1規制部24,24及び第2規制部25,25がそれぞれ設けられている。
これら各摺動部材60,60は、扉体50Aの上片部53A及び下片部54Aに止具等によって固着されており、略直方体形状とされている。また、これら各摺動部材60,60には、各規制部24,25に当接して規制される突起部61,61が設けられている。
なお、これら各摺動部材60,60は、各案内ロッド28,29の軸方向に沿う摺動性を高めるために、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂系材料に油を含有させた含油POMなどの含油プラスチックから形成するようにしてもよい。
本実施形態においても上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、当該物干し装置1Aの上端部及び下端部のそれぞれに一つの摺動部材60と一本の案内ロッド28(29)を設ける態様としているので、簡易な構造とできる。
なお、上端部及び下端部のいずれか一方のスライド開閉構造を、上記第1実施形態で説明した戸車とレール部材とを備えたスライド開閉構造とするようにしてもよい。
図13は、第3実施形態に係る物干し装置について説明するための説明図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
下段竿部40Aは、上記同様の板状体とされた下段竿体41Aを備え、この下段竿体41Aは、幅方向両側に設けられた一対のガイドアーム42A,42Aによって竿収納本体10に連結されている。
また、下段竿体41Aは、本実施形態では、収納位置において、その先端部41bが上方側、基端部41aが下方側に位置し、物干し位置における下面が前方に向くように露出した構成とされている。
下段竿体41Aの物干し位置における下面(収納位置における前面)には、下段竿体41Aの長手方向に沿う連結軸44Aの移動をガイドするガイド部材49Aが設けられている。
この下段竿体41Aを、収納位置から物干し位置とする際には、下段竿体41Aの先端部41b近傍を把持し、手前側に引き出すように変位させる。この際、ガイドアーム42Aの一端部が回動軸43Aを回動支点として竿収納本体10に対して斜め前下方に向けて回動する。また、ガイドアーム42Aの他端部の連結軸44Aが下段竿体41Aに対して相対的に回動しながら、そのガイド部材49Aに沿って先端部側から基端部側に移動する。また、この際、下段竿体41Aは、ガイドアーム42Aによって連結されているが、その変位が一定の移動軌跡を描くように規制されておらず、揺動しながら物干し位置へと変位する。そして、略水平となるまで下段竿体41Aを移動させることで、物干し位置とされる。この物干し位置では、図示は省略するが、下段竿体41Aが斜後上方から延びるガイドアーム42Aによって支持されるとともに、その基端部41aが上記同様のストッパー部材によって保持される。
なお、物干し位置から収納位置への変位動作については上記とは概ね逆の変位動作となり、その説明を省略する。
また、一対のガイドアーム42Aで下段竿体41Aと竿収納本体10とを連結する構造としているので、簡易な構造とできる。
なお、上記のようなガイドアームによって下段竿体と竿収納本体とを連結する態様に代えて、下段竿体の基端部と竿収納本体の下端部とをヒンジ結合して下段竿体を竿収納本体に対して出し入れ自在とする態様としてもよい。
また、本実施形態に係る物干し装置1Bの扉体50の開閉構造を、上記第2実施形態において説明した開閉構造とするようにしてもよい。
さらに、上記した例では、支持アームを背面側に付勢する付勢部材として、支持アームと上段竿体との連結部にばね部材を設けた例を示しているが、竿収納本体の案内部の保持部に向けて支持アームの一端部を吸着する磁石を付勢部材として設けるようにしてもよい。この場合、支持アームを前方側に付勢するばね部材を支持アームと上段竿体との連結部に設けるようにしてもよい。これによれば、支持アームの一端部を保持部から脱離させる際に、手動によらず、ばね部材の付勢によって脱離させることができる。または、支持アームを背面側に付勢する付勢部材を設けずに、前方側に付勢する付勢部材を設ける態様としてもよい。この場合は、物干し位置とする際に、手動により支持アームの一端部を竿収納本体の案内部の保持部に係合させるようにしてもよい。若しくは、上記のような磁石を保持部に設け、支持アームの一端部を吸着し、係合させる態様としてもよい。
また、上段竿体の変位動作に連動して支持アームの一端部が竿収納本体の案内部に沿って上下に移動し、支持アームの他端部が上段竿体に対して回動する構造とされたものに限られない。例えば、これとは逆に、支持アームの一端部を竿収納本体に回動自在に連結し、支持アームの他端部が上段竿体の長手方向に沿ってスライド移動する構造とされたものとしてもよい。または、支持アームの長手方向の一端部を、一方のみに回動自在に連結し、他方には、他端部を係止する係止部を設ける態様としてもよい。さらには、このような支持アームを設けずに、上段竿体の物干し位置を支持する他の支持手段を設けるようにしてもよい。
さらに、上記した例では、一対の上段竿体の間に納まるように下段竿体を設けた態様としているが、このような態様に限られず、互いの一部が竿収納本体の幅方向において重合するような位置関係となるように設ける態様としてもよい。
さらにまた、上記した例では、竿収納本体に沿うように収納される収納位置と前方に向けて突出した状態で保持される物干し位置とに変位自在とされた竿体として、上段竿体と下段竿体とを設けた態様としているが、いずれか一方のみを設ける態様としてもよい。
さらに、扉体を竿収納本体に対してこの竿収納本体の幅方向にスライド開閉自在に取り付ける態様としては、上記各例に限られない。例えば、扉体、竿収納本体の一方に、スライド溝を設け、他方にこれに摺動する突起部や突条等を設けた態様としてもよい。
さらにまた、扉体は、閉止させた状態で、収納位置とされた竿体及び竿収納本体の前面側、並びに竿収納本体の上端面及び下端面を少なくとも覆い隠すように配置されるものとすればよい。
10,10A 竿収納本体
20 上レール(レール部材)
21 下レール(レール部材)
22 上戸車
23 下戸車
24 第1規制部
25 第2規制部
31 上段竿体(竿体)
41,41A 下段竿体(竿体)
50,50A 扉体
53 上片部
54 下片部
55 上レール(レール部材)
56 下レール(レール部材)
57 上戸車
58 下戸車
7 壁面
Claims (5)
- 上下に長尺に形成され、壁面に対して固定される竿収納本体と、
前記竿収納本体に沿うように収納される収納位置と前方に向けて突出した状態で保持される物干し位置とに変位自在とされた竿体と、
前記竿収納本体に対して当該竿収納本体の幅方向にスライド開閉自在に取り付けられ、かつ閉止状態で、前記収納位置とされた竿体及び前記竿収納本体の前面側を覆い隠すように配置されるとともに、該竿収納本体の上端面及び下端面をそれぞれに覆い隠す上片部及び下片部を有した扉体とを備えていることを特徴とする物干し装置。 - 請求項1において、
前記扉体の上片部及び前記竿収納本体の上端部には、戸車と他方に設けられた戸車に係合するレール部材とがそれぞれに設けられていることを特徴とする物干し装置。 - 請求項2において、
前記扉体の下片部及び前記竿収納本体の下端部には、戸車と他方に設けられた戸車に係合するレール部材とがそれぞれに設けられていることを特徴とする物干し装置。 - 請求項2または3において、
前記扉体の戸車は、当該扉体の開放方向終端部に設けられる一方、
前記竿収納本体の戸車は、前記扉体の全開状態において前記扉体の開放方向終端部の背面に位置する側部に付設されるように設けられていることを特徴とする物干し装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記扉体の閉止状態において開放方向へのスライドを規制する第1規制部と前記扉体の全開状態において閉止方向へのスライドを規制する第2規制部とを更に備えていることを特徴とする物干し装置。
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