JP2011200507A - チャックテープ、チャックテープ付包装袋およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のチャックテープは、雄側咬合部3を有する雄側帯状部材1と、雄側咬合部3に咬合可能な雌側咬合部4を有する雌側帯状部材2とを備え、咬合部3,4が形成される帯状部材1,2の反対側がシール面1A,2Aである一対のチャックテープであって、帯状部材1,2は、長尺方向に直交する断面視において対向する両端部が肉厚となっており、前記両端部間が肉薄となっていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
このようなチャックテープにおいては、ヒートシール速度を向上させるといった観点からチャックテープの2層化が進められており、その場合、シール層(基材フィルムのシーラント層とヒートシールされる層)を構成する樹脂材料の融点を、非シール層(咬合部を設ける層)を構成する樹脂材料より低い融点とするのが一般的である。このようなチャックテープは、一般的なヒートシール方法であれば、通常の接着剤などを使用しなくとも実用上問題にならない程度のシール性を達成できる。しかしながら、このようなチャックテープであっても、例えば回転ドラムを用いたヒートシール方法のように、圧着圧力が低いヒートシール方法においては、シール性が不十分である。
チャックテープのシール性を向上させるための技術としては、例えば、チャックテープのシール層の表面に複数のリブ部分が形成されているチャックテープが提案されている(特許文献1参照)。また、チャックテープのシール層の表面に複数の凸条が形成され、チャックテープの非シール層の表面に複数の凸条が形成されているチャックテープが提案されている(特許文献2参照)。
そこで、本発明は、袋体にヒートシールした際の外観が美麗であるにも拘らず、袋体と強固に且つより低い温度でヒートシールすることができるチャックテープ、並びにそれを用いたチャックテープ付包装袋およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のチャックテープは、雄側咬合部を有する雄側帯状部材と、前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部を有する雌側帯状部材とを備え、前記咬合部が形成される帯状部材の反対側がシール面である一対のチャックテープであって、
前記帯状部材は、長尺方向に直交する断面視において対向する両端部が肉厚となっており、前記両端部間が肉薄となっていることを特徴とするものである。
本発明のチャックテープにおいては、前記両端部の肉厚構造が前記帯状部材のシール面の一部を形成すると共に前記断面視で略四角形の凸部であってもよい。このような場合において、前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で平坦であってもよい。また、前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で凹状であってもよい。また、前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で弓なりに湾曲された凹状であってもよい。
本発明のチャックテープにおいては、前記両端部の肉厚構造が、前記帯状部材の咬合部側に突出した凸部であり、前記断面視で略四角形であってもよい。
本発明のチャックテープにおいては、前記両端部の肉厚構造が、前記帯状部材の咬合部側に突出した凸部であり、前記断面視で略三角形であってもよい。
本発明のチャックテープにおいては、前記両端部から、前記断面視で前記帯状部材の中央部に向かって、前記帯状部材の厚みが漸次薄くなっていってもよい。このような場合において、前記両端部の肉厚部分が前記断面視で略三角形状であることが好ましい。
本発明のチャックテープ付包装袋の製造方法は、前記チャックテープ付包装袋の製造方法であって、
前記チャックテープの咬合部が回転ドラムの周方向に沿って形成された咬合部導入溝内に通るように前記チャックテープと袋体用フィルムとを重ね合わせた状態で前記回転ドラムの回転により連続走行させ、前記回転ドラムの周面上において、前記回転ドラムの周面形状に対応する曲面形状の融着面を有するシールバーにより前記チャックテープを袋体用フィルムに連続的に熱融着する
ことを特徴とする方法である。
[チャックテープ]
(チャックテープの構成)
先ず、本発明のチャックテープについて説明する。図1は、本実施形態のチャックテープ100を示す断面図である。
本実施形態のチャックテープ100は、雄側咬合部3を有する雄側帯状部材1と、雄側咬合部3に咬合可能な雌側咬合部4を有する雌側帯状部材2とを備えている。チャックテープ100は、図1に示すように、シール面1A,2Aが反対側となっている帯状部材1,2の一対からなるものである。また、雄側帯状部材1は、雄側咬合部3が一体的に形成される第1の雄側帯状基部11とシール面を含む第2の雄側帯状基部12とから形成されている。雌側帯状部材2は、雌側咬合部4が一体的に形成される第1の雌側帯状基部21とシール面を含む第2の雌側帯状基部22とから形成されている。
そして、チャックテープ10は、雄側咬合部3および雌側咬合部4が咬合または離れることにより、開封または再封が行われることとなる。
さらに、図5および図6に示すように、両端部から、前記断面視で帯状部材1,2の中央部に向かって、前記帯状部材の厚みが漸次薄くなっていくものであってもよい。このような場合において、図5および図6に示すように、両端部の肉厚部分が前記断面視で略三角形状であることが好ましい。また、このような場合において、図5に示すように、シール面1A,2Aを含む第2の帯状基部12,22の厚みが変化していてもよく、図6に示すように、咬合部3,4を含む第1の帯状基部11,21の厚みが変化していてもよく、さらには、第1の帯状基部11,21および第2の帯状基部12,22の両方の厚みが変化していてもよい。
シール面1A,2Aを含む第2の帯状基部12,22の平均厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。平均厚みが前記下限未満では、シール強度が不足する傾向にある。
シール面1A,2Aを含む第2の帯状基部12,22を構成する樹脂としては、密度が920kg/m3以下、メルトフローレート(MFR)が5g/10分以下のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「特定のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン」とすることもある)を、第2の帯状基部12,22全体に対して50質量%以上含有するものであり、好ましくは50質量%以上99質量%以下含有するものであり、より好ましくは70質量%以上99質量%以下含有するものである。密度が920kg/m3を超える、あるいはMFRが5g/10分を超える直鎖状低密度ポリエチレンを50質量%以上含有した場合にあっては、袋体のシーラント層(最内層)との接着性が悪く、このようなシーラント層とヒートシールしても手で簡単に剥離できる程度の接着強度となってしまう。よって、特に、シーラント層がポリプロピレン系樹脂で構成された袋体と良好にヒートシールすることができなくなる。
なお、密度はJIS K7121に記載の方法に準拠して、MFRは、JIS K7210に記載の方法に準拠して(測定温度:190℃、測定荷重:21.18N)測定するようにすればよい。
以上説明した本発明のチャックテープは、袋体にヒートシールした際の外観が美麗であるにも拘らず、袋体と強固に且つより低い温度でヒートシールすることができる。そして、本発明のチャックテープによれば、従来公知の三方製袋機などによりチャックテープ付包装袋の製造が可能であるが、例えば、回転ドラムを用いたヒートシール方法のように、圧着圧力が低いヒートシール方法にも好適である。そのため、本発明のチャックテープは、以下説明する本発明のチャックテープ付包装袋の製造方法においても好適に用いることができる。
次に、本発明のチャックテープ付包装袋の製造方法について説明する。図7はチャックテープ付包装袋の製造装置を示す概略構成図である。
図7において、製造装置1000は、一対の咬合部3,4(図1参照)により嵌合可能な雄側帯状部材1および雌側帯状部材2を互いに分離して供給する帯状部材供給手段101と、袋体用フィルム5,6を供給する第1および第2の袋体用フィルム供給手段211,212と、雄側帯状部材1を第1の袋体用フィルム供給手段211によって供給された袋体用フィルム5に熱融着する第1の融着手段311と、雌側帯状部材2を第2の袋体用フィルム供給手段212によって供給された袋体用フィルム6に熱融着する第2の融着手段312と、これら第1および第2の融着手段311,312によってそれぞれ融着された帯状部材1,2の咬合具3,4を再嵌合する一対のローラ420からなる再嵌合手段410と、この再嵌合手段410によって嵌合された袋体用フィルム5,6を使って製袋する製袋機510とから構成されている。
回転ドラム320はシールバー350との間で帯状部材1,2と袋体用フィルム5,6とを熱融着する時に熱が伝わり難い構造であり、例えば、帯状部材1,2が接する外周部分のみあるいは全体が断熱材から形成されている。ここで、断熱材としては、ゴム、発泡材、多孔質材などが挙げられる。外周部分の断熱材を設けるにあたり、断熱材をシート状にして回転ドラム320の外周面に巻き付ける構造としてもよい。
すなわち、テープ巻取ロール102から引き出されたチャックテープ100は、分離手段103で雄側帯状部材1および雌側帯状部材2に分離されたのち、重合ロール151,152において、各袋体用フィルム供給手段211,212のフィルム巻取ロール220から引き出された袋体用フィルム5,6に重ね合わされた状態で、第1および第2の融着手段311,312に送られる。
帯状部材1,2が回転ドラム320のテープ導入溝330内を通っている状態では、帯状部材1,2の全体がテープ導入溝330に納められていると共に帯状部材1,2のシール面1A,2Aが回転ドラム320の周面と略同一面となっている。
この工程において、各袋体用フィルム5,6とシールバー350との間には無端ベルト360が走行しているから、つまり、各袋体用フィルム5,6がシールバー350に接しながら走行することがないから、各袋体用フィルム5,6に無理な力がかかることがなく、安定走行させることができる。
図1に示した形状のチャックテープについて、第2の帯状基部12,22(シール面1A,2Aを含む)および第1の帯状基部11,21(咬合部3,4を含む)を構成する樹脂を下記のようにして、また、かかる樹脂を2台の押出成形機を用いて共押出成形することにより、チャックテープを得た。なお、得られたチャックテープの幅は12.5mmであり、平均厚みは190μmであり、第2の帯状基部12,22の平均厚みは40μmであり、第1の帯状基部11,21の平均厚みは150μmである。また、帯状部材1,2の最薄部および最厚部の厚みは、それぞれ180μmおよび220μmである。また、帯状部材1,2の最厚部はいずれもその両端部である。
シール面1A,2Aを含む第2の帯状基部12,22を構成する樹脂:
密度が898kg/m3であり、MFRが3.5g/10分であり、融点が90℃であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィンとして、1−ヘキセンを使用したもの)を使用した。
咬合部3,4を含む第1の帯状基部11,21を構成する樹脂:
密度が900kg/m3であり、MFRが7.0g/10分であり、融点が132℃であるランダムポリプロピレンを使用した。なお、このランダムポリプロピレンは、全体100質量%に対してエチレン成分を4質量%含有するものである。
図1に示した形状に代えて、図2に示した形状(実施例2)、図3に示した形状(実施例3)、図4に示した形状(実施例4)、図5に示した形状(実施例5)、または図6に示した形状(実施例6)となるよう共押出成形した以外は、実施例1と同様にしてチャックテープを得た。
図1に示した形状に代えて、図9に示した形状(比較例1)、または図10に示した形状(比較例2)となるよう共押出成形した以外は、実施例1と同様にしてチャックテープを得た。なお、図9に示した形状のチャックテープにおいては、帯状部材の厚みが特に変化していない。また、図10に示した形状のチャックテープにおいては、シール面1A,2Aにそれぞれ12個の凸部12a,22aが形成されている。
ヒートシールした際の外観、シール性および最低シール温度を以下に示す方法により評価した。得られた結果を表1に示す。
(i)ヒートシールした際の外観およびシール性
実施例および比較例で得られたチャックテープを、ヒートシール試験機(テスター産業社製)を用い、下記の条件にて、袋体フィルム(基材層:PET12μm/シーラント層:LLDPE40μm)にシールした。
シール温度:100℃
シール時間:0.5秒間
シール圧力:2MPa
そして、ヒートシールした際の外観を以下の基準に基づいて評価した。
◎:シール部に線跡もなく、また均一に美麗にシールされている。
○:シール部にわずかに線跡があるが、均一に美麗にシールされている。
×:シール部にストライプ状の線跡があるか、あるいは、空気の入り込みが見られる。
また、試料のシール部に厚みが0.5mmで幅が1.5mmの板を差込み、その際にシール部に剥れが生じるか否かを、以下の基準に基づいて評価した。
◎:シール部に板を差込んでも全く剥離が生じない。
○:シール部にわずかに剥離が生じる。
△:シール部に剥離が生じるが、シール部にわずかな力で板を差込んだ場合には、剥離が生じない。
×:シール部にわずかな力で板を差込んだ場合にも、剥離が生じる。
(ii)最低シール温度
実施例および比較例で得られたチャックテープを、三方製袋機(トタニ社製)を用い、シール温度を125℃とすると共に、下記の条件にて、袋体フィルム(基材層:PET12μm/シーラント層:LLDPE40μm)に三方シールして、チャックテープ付包装袋(大きさ:160mm×160mm)を作製した。
シール時間:0.5秒間
シールピッチ:160mm
ショット数:40袋/分
そして、試料のシール部に厚みが0.5mmで幅が1.5mmの板を差込み、その際にシール部に剥れが生じない場合には合格と判定し、シール部に剥れが生じる場合には不合格と判定する。以上の操作を、シール温度を1℃ずつ下げつつ、合格の判定が得られるまで繰り返し、合格の判定が得られた際の温度を最低シール温度とした。
一方、帯状部材の厚みが特に変化していない比較例1で得られたチャックテープを用いたチャックテープ付包装袋は、シール性が不十分なものであった。また、シール面1A,2Aにそれぞれ12個の凸部12a,22aが形成されている比較例2で得られたチャックテープを用いたチャックテープ付包装袋は、袋体にヒートシールした際にストライプ状の線跡が生じると共に空気の入り込みが見られ、外観が悪いものであった。
2…雌側帯状部材
3…雄側咬合部
4…雌側咬合部4
5,6…袋体用フィルム
11,12…第1の帯状基部
21,22…第2の帯状基部
100…チャックテープ
101…帯状部材供給手段
102…テープ巻取ロール
103…分離手段
141,142…中間ロール
151,152…重合ロール
211,212…袋体用フィルム供給手段
220…フィルム巻取ロール
231,232…中間ロール
311,312…融着手段
320…回転ドラム
330…テープ導入溝
340…曲面形状の融着面
350…シールバー
360…無端ベルト
370…無端ベルト用ローラ
381,382…押えローラ
410…再嵌合手段
420…一対のローラ
510…製袋機
Claims (14)
- 雄側咬合部を有する雄側帯状部材と、前記雄側咬合部に咬合可能な雌側咬合部を有する雌側帯状部材とを備え、前記咬合部が形成される帯状部材の反対側がシール面である一対のチャックテープであって、
前記帯状部材は、長尺方向に直交する断面視において対向する両端部が肉厚となっており、前記両端部間が肉薄となっている
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1に記載のチャックテープにおいて、
前記帯状部材は、前記雄側咬合部および前記雌側咬合部のうちのいずれか一方が一体的に形成される第1の帯状基部とシール面を含む第2の帯状基部とから形成され、
前記第1の帯状基部と前記第2の帯状基部は、異なる原料から構成されている
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部の肉厚構造が前記帯状部材のシール面の一部を形成すると共に前記断面視で略四角形の凸部である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項3に記載のチャックテープにおいて、
前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で平坦である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項3に記載のチャックテープにおいて、
前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で凹状である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項3に記載のチャックテープにおいて、
前記略四角形の凸部におけるシールされる表面部位が前記断面視で弓なりに湾曲された凹状である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部の肉厚構造が前記帯状部材のシール面の一部を形成すると共に前記断面視で略三角形の凸部である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部の肉厚構造が、前記帯状部材の咬合部側に突出した凸部であり、前記断面視で略四角形である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部の肉厚構造が、前記帯状部材の咬合部側に突出した凸部であり、前記断面視で略三角形である
ことを特徴とするチャックテープ - 請求項3から請求項9までのいずれか1項に記載のチャックテープにおいて、
前記断面視において前記帯状部材の最薄部と最厚部との厚みの差が5μm以上100μm以下であり、且つ前記断面視において前記最厚部の前記両端部のうちのいずれか近い方からの距離が1mm以下である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部から、前記断面視で前記帯状部材の中央部に向かって、前記帯状部材の厚みが漸次薄くなっていく
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項11に記載のチャックテープにおいて、
前記両端部の肉厚部分が前記断面視で略三角形状である
ことを特徴とするチャックテープ。 - 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載のチャックテープを備えることを特徴とするチャックテープ付包装袋。
- 請求項13に記載のチャックテープ付包装袋の製造方法であって、
前記チャックテープの咬合部が回転ドラムの周方向に沿って形成された咬合部導入溝内に通るように前記チャックテープと袋体用フィルムとを重ね合わせた状態で前記回転ドラムの回転により連続走行させ、前記回転ドラムの周面上において、前記回転ドラムの周面形状に対応する曲面形状の融着面を有するシールバーにより前記チャックテープを袋体用フィルムに連続的に熱融着する
ことを特徴とするチャックテープ付包装袋の製造方法。
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