JP2011197562A - 平版印刷版の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、ポジ型画像記録層を備える平版印刷版原版を画像露光する露光工程、及び、画像露光した平版印刷版原版を、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液を用いて現像する現像工程を、この順で含む平版印刷版の作製方法。 一般式(1)中、R11、R12及びR13は、各々独立にアルキル基を表し、R14はアルキレン基を表し、R15は単結合又はヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立にアルキル基を表す。
【選択図】なし
Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を介して画像様の露光を行う露光工程の後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解除去する現像工程を実施し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
現像処理は、通常、自動現像機中で行われるが、現像液中に溶解した画像記録層が増加すると析出し、現像カスとなる。現像カスの発生が著しい場合、製版後の平版印刷版に付着して画像故障を生じる懸念がある。特に、赤外線レーザ対応の画像記録層には、比較的高分子量の光熱変換剤が用いられていることから、現像カスが発生しやすい傾向にある。
さらに、平版印刷版においては、非画像部の親水性を高め、版面を保護するため、通常、現像、水洗後の版面にガム引き処理と呼ばれる親水化処理を施すことが好ましいが、このガム引き処理も湿式処理であるため、現像工程と同様に廃液の問題を有している。
<1> 支持体上に、ポジ型画像記録層を備える平版印刷版原版を画像露光する露光工程、及び、画像露光した平版印刷版原版を、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液を用いて現像する現像工程を、この順で含む平版印刷版の作製方法。
一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、アルキル基を表す。
<4> 前記(B)赤外線吸収剤が、シアニン染料である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
<6> 前記上層に前記(B)赤外線吸収剤を含む<1>〜<5>のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
<8> 前記現像工程が、前記アルカリ水溶液による1浴処理である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
本発明の平版印刷版の作製方法は、支持体上に、ポジ型画像記録層を備える平版印刷版原版を画像露光する露光工程、及び、画像露光した平版印刷版原版を、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液(以下、適宜「特定現像液」と称する。)を用いて現像する現像工程を、この順で含む。
一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、アルキル基を表す。。
また、本発明の作成方法では、一般的なポジ型平版印刷版原版に用いる現像液に比べ低pHの現像液を用いることや、ポジ型平版印刷版原版が有する画像記録層の上層にポリオルガノシロキサンを含む場合には更に画像記録層の現像液耐性が増すことから、得られた平版印刷版は、画像記録層の強度低下が少なく耐刷性に優れたものとなる。特に、本発明の作製方法を用いることで、現像工程に1浴処理を適用し、得られた平版印刷版を印刷に供する迄に時間を要した場合であっても、耐刷性に優れた平版印刷版が得られる。
本発明の作製方法に用いられる平版印刷版原版は、支持体上に、ポジ型画像記録層を備える平版印刷版原版である。
画像記録層の下層は、(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有する。
下層が含有する(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂としては、水に不溶性で、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものであれば、特に制限はないが、高分子中の主鎖及び/又は側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、又はこれらの混合物であることが好ましい。
このような酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、−COOH、−SO3H、−OSO3H、−PO3H2、−OPO3H2、−CONHSO2、−SO2NHSO2−、フェノール性水酸基、活性イミド基等の官能基(酸性基)を有する樹脂が挙げられ、−COOH、−SO3H、−OPO3H2、−SO2NHSO2−等の官能基を有する樹脂が好ましく、特に好ましくは−COOHを有する樹脂である。
なお、本明細書において、アクリレート及びメタクリレートのいずれか或いは双方を指す場合、(メタ)アクリレートと、アクリル及びメタクリルのいずれか或いは双方を指す場合、(メタ)アクリルと、それぞれ記載することがある。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、等のアルキルアクリレートやアルキルメタクリレート。2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のその他の窒素原子含有モノマー。N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2,6−ジエチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、等のマレイミド類。
これらの他のエチレン性不飽和コモノマー単量体のうち、好適に使用されるのは、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルである。
これらのフェノール性水酸基を有する樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
下層の全固形分中に対する(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂の含有量は、50〜98質量%が好ましく、65〜95質量%がより好ましい。(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂の含有量がこの範囲にあると画像記録層の感度が高く、また耐久性が良好である。
本発明における画像記録層の下層は、(B)赤外線吸収剤を含有する。
(B)赤外線吸収剤としては、赤外光を吸収し熱を発生する染料、又は顔料であれば特に制限はなく、赤外線吸収剤として知られる種々の染料又は顔料を用いることができる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらのうちで、特に好ましい赤外線吸収剤染料は、シアニン染料A及びシアニン染料Fである。
赤外線吸収剤の添加量としては、下層における全固形分に対し0.01〜50質量%
、好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1.0〜30質量%の割合で添加することができる。この範囲の含有量とすることで画像記録時の上層の到達温度を低くしアブレーションを抑えながら充分な感度が得られる。
画像記録層の下層には、さらに後述するその他の添加剤を含有することができる。
本発明における画像記録層の上層は、(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂を含有する。
R1で表される二価の連結基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基である。
また、R1はイソシアナート基と反応しない他の官能基を有していてもよい。
好ましいR2としては水素原子、炭素数1〜8個の無置換のアルキル基、炭素数6〜15個の無置換のアリール基が挙げられる。
R3、R4、又はR5で表される二価の連結基としては、脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。ここで、R3、R4、及びR5は更に置換基を有していてもよい。好ましいR3、R4、及びR5としては、炭素数1〜20個の無置換のアルキレン基、炭素数6〜15個の無置換のアリーレン基が挙げられ、更に好ましいものとしては炭素数1〜8個の無置換のアルキレン基が挙げられる。
また、R3、R4、及びR5はイソシアナート基と反応しない他の官能基を有していてもよい。
2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの二量体、2,6−トリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート等の如き芳香族ジイソシアナート化合物;ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート等の如き脂肪族ジイソシアナート化合物;イソホロンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアナート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアナート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアナート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアナートとの反応物であるジイソシアナート化合物等が挙げられる。
これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートのような芳香族環を有するものが、耐刷性の観点より好ましい。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸等が挙げられる。
これらの中でも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸がイソシアナートとの反応性の観点より好ましい。
使用するジイソシアナートとジオール化合物とのモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアナート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアナート基が残存しない形で合成される。
また、(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂としては、芳香族骨格を有するものが、耐薬品性の観点より好ましい。
また、(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明における画像記録層の上層は、(D)ポリオルガノシロキサンを含有する。
(D)ポリオルガノシロキサンとしては、シロキサンからなる非極性部と、酸素原子などを有する極性部とを含有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、アルコール変性ポリオルガノシロキサン、カルボキシル変性ポリオルガノシロキサンなどを用いることができる。
RSi(OR’)3 (A)
[一般式(A)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、R’はアルキル基を表す。]
一般式(A)におけるRとして好ましいものはフェニル基である。R’として好ましいものは、メチル基、エチル基、及びプロピル基であり、R’は同じものでも異なるものであってもよい。
また、以下の式(a)で示されるグラフトブロックポリシロキサンや式(b)で示されるブロックポリシロキサンも好ましく用いられる。
下記式(a)及び式(b)中、n、p、及びqは、それぞれ独立に1以上の整数である。
また、ポリオルガノシロキサンとしては市販品を用いてもよく、該市販品としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンであるBYK−333(BYKケミー社製)や、ポリシロキサンポリエーテルコポリマーであるTEGO GLIDE 410(TegoChemie Service GmbHから入手可能)などが挙げられる。
(D)ポリオルガノシロキサンの含有量を、この範囲とすることによって、低摩擦係数による耐傷性向上、分散剤としてポリウレタン樹脂の現像液中での分散を促進し経時的な現像カスの抑制効果が得られる。
上層に添加してもよい水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂は、下層で必須成分として記載した(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。上層に含まれる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂は、下層と同一の構造を有するものでもよいし、異なっていてもよい。
また、下層における水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂の含有量としては、前記(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂に対して、質量換算で50%以下であることが好ましい。
画像記録層の上層及び下層には、所望により、目的に応じてその他の添加剤を含有させることができる。
その他の成分としては、種々の添加剤が挙げられ、例えば、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性であり、分解しない状態では(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質が挙げられる。前記添加剤を用いることで、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図ることができる。
オニウム塩としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al, Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、
これらのなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましく、該ジアゾニウム塩としては、特開平5−158230号公報に記載のものが好ましい。
前記フェノール類としては、ビスフェノールA、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
前記環状酸無水物、フェノール類又は有機酸類の画像記録層の上層又は下層に占める割合としては、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像記録層の上層又は下層、又は両層の塗布液組成における含有量としては、0.05〜15質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
これらの染料の含有量としては、画像記録層の上層又は下層、又は両層の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。
本発明の作製方法に用いるポジ型平版印刷版原版は、前記した上層及び下層の各成分を溶媒に溶解させて調製した上層用及び下層用の画像記録層塗布液を、後述する支持体上に下層次いで上層の順に塗布することで形成される。
平版印刷版原版に用いる支持体としては、寸度的に安定な板状物が好ましく、例えば、紙、プラスチックがラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板である。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。前記アルミニウム板の厚みとしては、およそ0.1〜0.6mm程度が好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが特に好ましい。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
本発明に係る平版印刷版原版の画像記録層は、その塗布量としては、支持体に近い側に設けられる下層の乾燥後の塗布量は、耐刷性確保と現像時における残膜発生抑制の観点から、0.5g/m2〜1.5g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7g/m2〜1.2g/m2の範囲である。
また、上層の乾燥後の塗布量は、0.05g/m2〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.07g/m2〜1.0g/m2の範囲である。
塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録層の皮膜特性は低下する。
下塗層の成分としては、種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に前記有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法や、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に前記有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して前記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して設ける方法等である。
有機下塗層の被覆量としては、耐刷性能の観点から、2mg/m2〜200mg/m2が好ましく、5mg/m2〜100mg/m2がより好ましい。
オーバーコート層の成分としては、アルカリ可溶性のポリウレタン樹脂が好ましく、中でもイソシアナート化合物とカルボキシル基を有するジオール化合物との反応生成物であるポリマー主鎖にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂が挙げられる。上記ポリウレタン樹脂を作成するイソシアナートとしてはトリレンジイソシアナートのような芳香族ジイソシアナートが、ジオールとしては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、が好ましい。
本発明の作製方法においては、前記の如くして得られた平版印刷版原版を用い、該平版印刷版原版を画像露光する露光工程(以下、単に「露光工程」とも称する。)、及び、画像露光した平版印刷版原版を、前記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液(特定現像液)を用いて現像する現像工程(以下、単に「現像工程」とも称する。)を実施することにより、平版印刷版を作製する。
露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられる。
画像様露光は、リスフィルム等のマスクを介する露光により行われてもよく、走査露光により行われてもよい。
本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
次に、現像工程について詳述する。
(特定現像液)
現像工程に使用される処理液(特定現像液)は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液である。
一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、アルキル基を表す。
以下、一般式(1)及び一般式(2)について詳細に説明する。
R14で表されるアルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
また、R14で表されるアルキレン基は、アルキレン鎖を構成する炭素原子の1又は2以上が、エステル結合、アミド結合、又はエーテル結合などのヘテロ原子を含む2価の連結基と置き換わっていてもよい。
市販品として入手可能な一般式(1)表される化合物としては、例えば、PioninC157K、タケサーフ C−157−L (以上、竹本油脂(株)製)、レボン2000、レボンLD36(以上、三洋化成工業(株)製)、Texnol R2(日本乳化剤(株)製)AM−301、AM−3130N(以上、日光ケミカルズ(株)製)、アンヒトール20AB、アンヒトール20BS、アンヒトール24B、アンヒトール55AB、アンヒトール86B(以上、花王(株)製)、アデカアンホートAB−35L、アデカアンホートPB−30L(以上、(株)ADEKA製)、アンホレックスCB−1、アンホレックスLB−2(以上、ミヨシ油脂(株)製)、エナジコールC−30B、エナジコールL−30B(以上、ライオン(株)製)、オバゾリンBC、オバゾリンCAB−30、オバゾリンLB−SF、オバゾリンLB(以上東邦化学工業(株)製)、ソフタゾリンCPB−R、ソフタゾリンCPB、ソフタゾリンLPB−R、ソフタゾリンLPB、ソフタゾリンMPB、ソフタゾリンPKBP(以上、川研ファインケミカル(株)製)、ニッサンアノンBDC−S、ニッサンアノンBDF−R、ニッサンアノンBDF−SF、ニッサンアノンBF、ニッサンアノンBL−SF、ニッサンアノンBL(以上、日油(株)製)等が挙げられる。
市販品として入手可能な一般式(2)表される化合物としては、例えば、アンヒトール20N(花王(株)製)、ソフタゾリンLAO−C、ソフタゾリンLAO(以上、川研ファインケミカル(株)製)、ユニセーフA−OM
(日油(株)製)、カチナールAOC(東邦化学工業(株)製)、アロモックスDMC−W(ライオン(株)製)等が挙げられる。
現像液のpHを上記範囲に保つには、緩衝剤として炭酸イオン、炭酸水素イオンが存在することが好ましい。炭酸イオン、炭酸水素イオンの機能により、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できるものと考えられる。炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。
pHの調製に用いうる炭酸塩及び炭酸水素塩としては、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
ここでいう「水溶性高分子化合物」とは、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等の親水性基を有するものが挙げられる。
現像の温度は、通常60℃以下、好ましくは15〜40℃程度である。自動現像機を用いる現像処理においては、処理量に応じて現像液が疲労してくることがあるので、補充液又は新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
通常の現像処理工程においては、アルカリ現像を行い、後水洗工程でアルカリを除去し、ガム引き工程でガム処理を行い、乾燥工程で乾燥するのに対して、本発明においては、炭酸イオン、炭酸水素イオン及びアニオン性界面活性剤を含有する水溶液を用いることにより、前水洗、現像及びガム引きを同時に行うことを特徴としている。よって前水洗工程は特に必要とせず、一液を用いるだけで、更には一浴で前水洗、現像及びガム引きを行ったのち、乾燥工程を行うことができる。現像の後は、スクイズローラ等を用いて余剰の処理液を除去してから乾燥を行うことが好ましい。
回転ブラシロールの外径は30mm〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は0.1m/sec〜5m/secが好ましい。回転ブラシロールは、複数本用いることが好ましい。
本発明により得られた平版印刷版は、現像後の印刷版を非常に強い条件で加熱することもできる。加熱温度は、通常200〜500℃の範囲とすることができる。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる恐れがある。
このようにして得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
<合成例1>
500mlの3つ口フラスコに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート125gと2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸67gをジオキサン290mlに溶解した。N,N−ジエチルアニリン1gを加えた後、ジオキサン還流下6時間攪拌した。反応後、水4L、酢酸40mlの溶液に少しずつ加えポリマーを析出させた。この固体を真空乾燥させることにより185gのポリウレタン樹脂(1)を得た。酸含有量は2.47meq/gであつた。GPCにて分子量を測定したところ重量平均分子量(ポリスチレン標準)は28,000であった。
合成例1において、出発物質を下記表1に記載のジイソシアナート化合物及びジオール化合物に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリウレタン樹脂(2)〜(7)を合成した。
〔実施例1に用いる平版印刷版原版1の作製〕
<支持体の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.014質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金)に対し、以下に示す表面処理を連続的に行った。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2であった。
・β−アラニン 0.5g
・メタノール 95g
・水 5g
上記により得られた支持体に、下記組成の下層用塗布液1を塗布量が1.5g/m2になるようバーコーターで塗布したのち、160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却した。
・N―フェニルマレイミド/メタクリル酸/メタクリルアミドコポリマー 1.0g
(モル比:45/20/35、Mw:50000)
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.017g
・クリスタルバイオレット(保土ヶ谷化学(株)製) 0.015g
・メガファックF−177(DIC(株)製、フッ素系界面活性剤) 0.05g
・γ−ブチルラクトン 10g
・メチルエチルケトン 10g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8g
・合成例1のポリウレタン樹脂(1) 30.0g
・BYK−333(BYKケミー社製ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
0.3g
・エチルバイオレット 0.03g
・メガファックF−177(フッ素系界面活性剤) 0.05g
・3−ペンタノン 60g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8g
平版印刷版原版1における上層用塗布液1で用いたポリウレタン樹脂(1)を、前記合成例で得られたポリウレタン樹脂(2)〜(7)に変更した以外は、平版印刷版原版1と同様にしてそれぞれ平版印刷版原版2〜7を作製した。
平版印刷版原版1における上層用塗布液1で用いたポリオルガノシロキサンを、TEGO GLIDE 410(TegoChemie Service GmbHから入手可能なポリシロキサンポリエーテルコポリマー)に変更した以外は、平版印刷版原版1と同様にして平版印刷版原版8を作製した。
平版印刷版原版1における上層用塗布液を、以下に示す上層用塗布液2に変更した以外は、平版印刷版原版1と同様にして平版印刷版原版9を作製した。
・合成例1のポリウレタン(1) 30.0g
・BYK−333(BYKケミー社製ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
0.3g
・前記構造式で表されるシアニン染料A 1.5g
・エチルバイオレット 0.03g
・メガファックF−177(フッ素系界面活性剤) 0.05g
・3−ペンタノン 60g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8g
平版印刷版原版1における上層用塗布液1の調製において、ポリオルガノシロキサンを添加せずに上層用塗布液を調製し、その他は平版印刷版原版1と同様にして平版印刷版原版10を作製した。
平版印刷版原版1における上層用塗布液1の調製において、ポリウレタン樹脂(1)を下記比較樹脂(1)(アルカリ可溶性ポリマー)に変更して上層用塗布液を調製し、その他は平版印刷版原版1と同様にして平版印刷版原版11を作製した。
平版印刷版原版9における下層用塗布液1の調製において、シアニン染料Aを添加せずに下層用塗布液を調製し、その他は平版印刷版原版9と同様にして平版印刷版原版12を作製した。
得られた平版印刷版原版1〜9を用い、下記の露光工程及び現像工程により製版処理を行った後、以下に示す各評価を行った。露光工程及び現像工程、並びに評価方法の詳細は、以下の通りである。評価結果を表1に示した。
得られた平版印刷版原版1〜12を、露光器(トレンドセッターF、Kodak社製)を用いて、露光(レーザーパワー:8.5W、回転数:185rpm)した。
また、現像カス評価用としては、全面露光を行い、クリア画像を作製した。
露光後の平版印刷版原版に対し、図1に示す自動現像処理機〔現像槽25L、版搬送速度100cm/min、ポリブチレンテレフタレート繊維(毛直径200μm、毛長17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロール1本が搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)、乾燥温度80℃〕を用い、表1に示す現像液の組合せで、温度30℃で、処理量が20m2/Lとなるまで、現像処理を行った。
・水 7772g
・炭酸ナトリウム 143g
・炭酸水素ナトリウム 60g
・タケサーフC−157L(40質量%水溶液) 1875g
(具体例(W−2)に記載の化合物、竹本油脂(株)製)
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 143g
・炭酸水素ナトリウム 60g
・タケサーフC−157L(30質量%水溶液) 2500g
(具体例(W−2)に記載の化合物、竹本油脂(株)製)
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 143g
・炭酸水素ナトリウム 60g
・具体例(W−1)に記載の化合物(30質量%水溶液) 2500g
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 143g
・炭酸水素ナトリウム 60g
・具体例(W−7)に記載の化合物(30質量%水溶液) 2500g
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 143g
・炭酸水素ナトリウム 60g
・具体例(W−9)に記載の化合物(30質量%水溶液) 2500g
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 193g
・炭酸水素ナトリウム 10g
・タケサーフC−157L(30質量%水溶液) 2500g
(具体例(W−2)に記載の化合物、竹本油脂(株)製)
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:8.8)
・水 7147g
・炭酸ナトリウム 10g
・炭酸水素ナトリウム 193g
・タケサーフC−157L(30質量%水溶液) 2500g
(具体例(W−2)に記載の化合物、竹本油脂(株)製)
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 9647g
・炭酸ナトリウム 130g
・炭酸水素ナトリウム 73g
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:9.8)
・水 8576g
・硼酸 74g
・水酸化ナトリウム 126g
・タケサーフC−157L(30質量%水溶液) 1074g
(具体例(W−2)に記載の化合物、竹本油脂(株)製)
・クエン酸三ナトリウム 150g
(pH:8.4)
1.現像カスの評価
前記露光工程において、現像カス評価用に全面露光して作製した平版印刷版原版を、前記現像工程により、自動現像機により現像処理し、現像処理後に、平版印刷版原版に付着したカスの数を目視で計測した。単位は、個/m2である。
前記露光工程において、画像様に露光し、その後、前記現像工程により現像して得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とフュージョンG(N)墨インキ(DIC(株)製)とを用い、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。この時に得られた印刷物の非画像部に地汚れが発生していないか、目視で確認した。
他方、本発明の範囲外の現像液を用いた比較例1、2はいずれも、現像カスの発生や地汚れが観察された。また、耐刷性にも劣るものであった。
6 現像部
10 乾燥部
16 搬送ローラ
20 現像槽
22 搬送ローラ
24 ブラシローラ
26 スクイズローラ
28 バックアップローラ
36 ガイドローラ
38 串ローラ
Claims (8)
- 支持体上に、ポジ型画像記録層を備える平版印刷版原版を画像露光する露光工程、及び、画像露光した平版印刷版原版を、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有するpH8.5〜10.8のアルカリ水溶液を用いて現像する現像工程を、この順で含む平版印刷版の作製方法。
一般式(1)中、R11、R12及びR13は、各々独立にアルキル基を表し、R14はアルキレン基を表し、R15は単結合又はヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。
一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立にアルキル基を表す。 - 前記画像記録層が、(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂、及び(B)赤外線吸収剤を含む下層と、(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂、及び(D)ポリオルガノシロキサンを含む上層と、を有する画像記録層である請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂が、フェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、スルホンアミド基、及び活性イミド基からなる群から選ばれる1種以上を含有する樹脂である請求項1又は請求項2に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記(B)赤外線吸収剤が、シアニン染料である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記(C)水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂が、ポリマー主鎖にカルボキシ基を有するポリウレタン樹脂である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記上層に前記(B)赤外線吸収剤を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記アルカリ水溶液における水溶性高分子化合物の含有量が、10ppm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 前記現像工程が、前記アルカリ水溶液による1浴処理である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
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