JP2011195544A - 防虫剤及び防虫洗剤 - Google Patents

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Abstract

【目的】化学合成製剤を使用せずに防虫効果を発揮し、且つ健康面や安全性に優れ、更に、保管場所における昇華又は揮散の経時的付着によらずに、洗濯時に洗浄と共に衣類等に防虫成分を担持させることのできる防虫剤及びそれを含有した防虫洗剤を提供することを目的としている。
【構成】この防虫剤は、ユーカリ又はリモネンの液状防虫成分100重量部に対しミツロウ又はラノリンの徐放剤を0.1〜1000重量部添加した防虫剤である。従って、化学合成製剤を使用することなく天然由来物質のユーカリ又はリモネンによる強力な防虫効果を発揮でき、健康面や安全性に優れており、しかも防虫成分の蒸発量を抑制して防虫効果を長期間維持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防虫剤及び防虫洗剤に関し、特には、天然由来物質を防虫成分とした防虫剤及びそれを含有した防虫洗剤に関する。
衣類用防虫剤としては、古くは樟脳が使用されてきたが、これに代わり、化学合成の発達とともに、ナフタリンやパラジクロルベンゼン系の固形防虫剤が使用されている。また、これらの薬剤は防虫剤特有の臭いを発生するため、最近では、ピレスロイド系の無臭防虫剤も使用されている(特許文献1参照)。
特開2008−56605号公報
ナフタリンやパラジクロルベンゼン系防虫剤は昇華性を有するが、化学物資としての人体への影響性や環境汚染性の点で問題となっている。ピレスロイド系防虫剤は常温揮散性薬剤であるため、紙材やプラスチック材に含浸させたりして使用する必要がある。いずれにしても、これらの防虫剤は化学合成による製剤であるため、最近の健康・安全志向の普及に伴って、使用者は洋服ダンス、引き出し、クローゼット等で化学物質を日常的に使用することに嫌気をもよおすおそれがあるといった問題があった。
また、ナフタリンやパラジクロルベンゼン系防虫剤の場合には、防虫成分を昇華して衣類等に一定量付着させるために洋服ダンス、引き出し、クローゼット等の保管場所で一緒に使用する必要があるが、衣類や布類に薬剤が滲みだしたりするおそれがあった。ピレスロイド系防虫剤も同様に衣類等の保管場所で用いるが、目付の大きい生地などによって揮散速度の調整が難しかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、化学合成製剤を使用せずに防虫効果を発揮し、且つ健康面や安全性に優れ、更に、保管場所における昇華又は揮散の経時的付着によらずに、洗濯時に洗浄と共に衣類等に防虫成分を担持させることのできる防虫剤及びそれを含有した防虫洗剤を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ユーカリ又はリモネンが天然由来物質であると共に、優れた防虫効果を有した物質である点に着目してなされたものである。
本発明の第1の形態は、ユーカリ及び/又はリモネンを液状防虫成分とする防虫剤である。
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記液状防虫成分の蒸発率を低減させる徐放剤を添加した防虫剤である。
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記徐放剤がミツロウ又はラノリンである防虫剤である。
本発明の第4の形態は、第2又は第3の形態において、前記液状防虫成分100重量部に対し前記徐放剤を0.1〜1000重量部添加した防虫剤である。
本発明の第5の形態は、第1〜第4の形態のいずれかに係る防虫剤を洗剤成分に配合した防虫洗剤である。
本発明の第6の形態は、第5の形態において、前記洗剤成分100重量部に対し前記防虫剤を0.1〜100重量部添加した防虫洗剤である。
本発明の第7の形態は、第5又は第6の形態において、前記防虫剤の防虫成分を繊維に吸着させるカチオン剤を添加した防虫洗剤である。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、天然由来物質のユーカリ及び/又はリモネンが液状の物質で、優れた防虫効果を発揮する性質を有する点に着目してなされたものである。即ち、本発明の第1の形態によれば、液状防虫成分として、天然由来物質のユーカリ及び/又はリモネンを有するので、化学合成製剤を使用することなく防虫効果を発揮でき、健康面や安全性に優れた防虫剤を提供することができる。特には、液状防虫成分を有した防虫剤であるので、洗剤に混入し、あるいは洗剤と同時に使用して、衣類等を洗濯することにより、従来の保管場所における昇華又は揮散の経時的付着を行わずに、衣類等に防虫成分を簡便に担持させることができる。
天然由来物質のユーカリは、ユーカリ樹木の葉等から抽出される油成分である。従来からユーカリ油成分には殺菌作用や解毒作用があることが知られているが、本発明者らが衣類の虫食い実験を試みたところ、ユーカリには強力な防虫効果があることの知見を得るに至った。
天然由来物質のリモネンは、レモンなどの柑橘類の果皮等に含まれる物質である。従来からリモネンは香料に使用されているが、本発明者らが衣類の害虫実験を試みたところ、リモネンにはユーカリと同様に、強力な防虫効果があることの知見を得るに至った。
ユーカリ及びリモネンは揮発性の高い物質である。そこで、本発明の第2の形態によれば、前記液状防虫成分の蒸発率を低減させる徐放剤を添加したので、前記徐放剤によりユーカリ又はリモネンの液状防虫成分の蒸発量を抑制することができ、防虫効果を長期間維持することができる。
本発明における前記徐放剤には、前記液状防虫成分の粒子性保存の効果に優れたパラフィン等のろう材を使用するのが好ましい。特に、本発明の第3の形態によれば、前記徐放剤として、ろう材であるミツロウ又はラノリンを使用することにより、ユーカリ又はリモネンの蒸発率を大幅に低減させることができる。
本発明の第4の形態によれば、前記液状防虫成分100重量部に対し前記徐放剤を0.1〜1000重量部添加したので、ユーカリ又はリモネンの蒸発率を低減させ、防虫効果を長期間維持することができる。
本発明の第5の形態によれば、第1〜第4の形態のいずれかに係る防虫剤を洗剤成分に配合したので、衣類等を洗濯することにより、従来の保管場所における昇華又は揮散の経時的付着を行わずに、衣類等にユーカリ及び/又はリモネンの防虫成分を簡便に担持させることができる。
前記洗剤成分には、水と繊維等の間での界面張力を低下させるための界面活性剤が主に含まれ、香料等を適宜、添加することができる。
本発明の第6の形態によれば、前記洗剤成分100重量部に対し前記防虫剤を0.1〜100重量部添加したので、衣類等に防虫効果に優れたユーカリ及び/又はリモネンの防虫成分を担持させることができる。
洗濯時に水中に浸した衣類等は電気的にマイナスを帯びるので、洗剤に含む界面活性剤には、水中で解離して陽イオンとなるカチオン剤(カチオン性界面活性剤)を使用するのが好ましい。即ち、本発明の第7の形態によれば、前記防虫剤の防虫成分を繊維に吸着させるカチオン剤(カチオン性界面活性剤)を添加したので、カチオン剤が水中で親水部を外側、親油部を内側にしたミセルを形成し、そのミセルがプラスイオンを帯びて、衣類等に防虫成分のユーカリ又はリモネンを付着させ、洗浄による防虫成分の流失を防止して、衣類等にユーカリ及び/又はリモネンの防虫成分を確実に担持させることができる。特に、本発明者らの検証実験によれば、徐放剤にミツロウを使用するときには、水溶性及び揮発性の低いミツロウが衣類等に付着した防虫成分のユーカリ又はリモネンに接着して脱離させないバインダー効果を有しており、前記防虫成分を繊維に確実に担持させることができる。
カチオン性界面活性剤には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等を使用することができる。
本発明に係るユーカリの防虫効果を検証する虫食い実験の結果を示す写真である。 本発明に係るリモネンの防虫効果を検証する虫食い実験の結果を示す写真である。 クローブの防虫効果を検証する虫食い実験の結果を示す写真である。 ユーカリ、ミツロウ(蜜蝋)との混合液、ラノリンとの混合液の蒸発曲線を示すグラフである。 リモネン、ミツロウ(蜜蝋)との混合液、ラノリンとの混合液の蒸発曲線を示すグラフである。 図4の経過日数を拡大したグラフである。 ミツロウの混合による防虫効果を検証する虫食い実験も結果を示す写真である。 本発明に係る防虫洗剤による防虫効果を検証する虫食い実験の結果を示す写真である。
以下、本発明に係る防虫剤の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明に係る防虫成分物質であるユーカリ及びリモネンの防虫効果検証実験を説明する。
防虫効果の検証にはシャーレ内での閉鎖系虫食い実験を行った。試験布は、素材として、JIS規格に準拠した白布のウールを使用し、そのサイズは、5×5cm角に裁断したものであり、重量は約1.7gである。虫食い実験条件は、温度20℃、湿度65%の環境下での試験時間(15日〜40日)である。害虫には、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等を用いる。
ユーカリ液及び比較用のヒノキチオール液を一定量付着させた試験布をシャーレ(直径8.5cm)内に収めると共に害虫50匹を入れ、シャーレの蓋を被せて暗所にて閉鎖系害虫実験を行った。このとき、無処理の試験布も同様のシャーレに収め、害虫50匹を入れて蓋を被せて放置した。ヒノキチオールはヒノキから抽出される抗菌性のある天然由来物質であり、比較のために同時に虫食い状況を観察した。
図1は、ユーカリを付与した場合と、ヒノキチオールを付与した場合及び無処理の場合の閉鎖系実験の虫食い結果を示す写真である。図1の(1A)、(1B)及び(1C)は夫々、ユーカリを付与した場合と、ヒノキチオールを付与した場合及び無処理の場合の虫食い結果を示す。写真の中で、黒い島状の部分が投与した害虫による虫食いの痕跡である。無処理の場合は略7割程度に虫食い跡が生じている。ヒノキチオールを付与した場合にも、略半分程度の領域に虫食い跡が生じている。一方、図1の(1A)に示すように、ユーカリを付与した場合にはほとんど虫食い跡が生じていない。従って、上記の虫食い実験から、ユーカリに強力な防虫効果が存在することを確認することができる。
リモネンについても、上記のユーカリの場合と同様に、無処理の場合との比較実験を行った。この場合の虫食い実験条件はユーカリの場合と同じ条件である。リモネンには、化学構造式の異なるL−リモネンとD−リモネンを用いた。
図2は、L−リモネンとD−リモネンを付与した場合と、無処理の場合の閉鎖系実験の虫食い結果を示す写真である。図2の(2A)、(2B)及び(2C)は夫々、L−リモネンとD−リモネンを付与した場合及び無処理の場合の虫食い結果を示す。
図2の(2C)に示すように、無処理の場合は略8割程度に虫食い跡が生じている。L−リモネンとD−リモネンを付与した場合には、夫々、(2A)、(2B)に示すように、略1/3より少ない領域に虫食い跡が生じているだけである。従って、上記の虫食い実験から、ユーカリほどではないものの、リモネンにも強力な防虫効果が存在することを確認することができる。
ユーカリ及びリモネンの防虫効果を確認するためにも、滅菌・抗菌作用のある天然由来物質のクローブについての検証実験を試みた。クローブについても、上記のユーカリやリモネンの場合と同様に、無処理の場合との比較実験を同様の虫食い実験条件で行った。クローブは古くは滅菌剤に使用され、現在も香辛料として使用されている天然由来物質である。
図3は、クローブを付与した場合と、無処理の場合の閉鎖系実験の虫食い結果を示す写真である。図3の(3A)及び(3B)は夫々、クローブを付与した場合及び無処理の場合の虫食い結果を示す。クローブを付与した場合には、虫食い領域は拡がっていないものの、比較的大きい領域の虫食い跡が生じている。従って、この虫食い実験の結果からは、ユーカリやリモネンと比較して、クローブの防虫効果が弱いと判断される。
以上の各種虫食い実験によれば、ユーカリ及びやリモネン、あるいはその混合物が液状防虫成分剤として有効であることがわかる。これらの液状防虫成分剤の効力に影響する揮発性を室温での蒸発変化により調べた。
図4は、ユーカリ、ミツロウ(蜜蝋)との混合液、ラノリンとの混合液の蒸発曲線を示す。蒸発曲線は経過日数に対する蒸発量(g)の変化である。図4からわかるように、ユーカリ単独では、2、3日で蒸発してしまう強い蒸発性を有する。
図5は、リモネン、ミツロウ(蜜蝋)との混合液、ラノリンとの混合液の蒸発曲線を示す。図5からわかるように、リモネンも単独では、3日程度で蒸発してしまう強い蒸発性を有する。
ユーカリ及びリモネンの蒸発性を抑制するために、徐放剤として非揮発性のミツロウ又はラノリンを混合し、その徐放効果を検証した。
図5の(5A)は、ユーカリに対してミツロウを25、50、75、100重量%混合した場合の蒸発曲線を示す。図5の(5B)は、ユーカリに対してラノリンを25、50、75、100重量%混合した場合の蒸発曲線を示す。(5A)に示すように、ミツロウの混合比率を増大させていくにつれて、15日以上にユーカリ混合液の残存期間が延びていく。また、(5B)に示すように、ラノリンの混合比率を増大させていくにつれて、5日以上にユーカリ混合液の残存期間が延びていく。
図6は(5A)の経過日数を拡大したグラフである。図6に示すように、ミツロウの混合によりユーカリ混合液は60日以上経過しても蒸発せずに残存する。 以上の検証結果から、水溶性及び揮発性の低いミツロウがユーカリの防虫成分を有効量、定着させるバインダー機能として働いて衣類等の繊維に確実に担持させることができ、徐放剤として極めて有効であることがわかる。
本実施形態に係る防虫剤の一つは、ユーカリの液状防虫成分100重量部に対しミツロウ又はラノリンの徐放剤を0.1〜1000重量部、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは50重量部添加したものである。この防虫剤は、化学合成製剤を使用することなく天然由来物質のユーカリによる強力な防虫効果を発揮でき、健康面や安全性に優れており、しかも液状防虫成分の蒸発量を抑制して防虫効果を長期間維持することができる。同様に、リモネンを液状防虫成分として使用する防虫剤の場合にも、リモネン100重量部に対しミツロウ又はラノリンの徐放剤を0.1〜1000重量部、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは50重量部添加して、化学合成製剤を使用することなく天然由来物質のリモネンによる強力な防虫効果を発揮でき、健康面や安全性に優れており、しかも液状防虫成分の蒸発量を抑制して防虫効果を長期間維持することができる。なお、ユーカリ及びリモネンの混合液を液状防虫成分として構成することにより、同様の強力な防虫効果を具備した発揮できる防虫剤を実現することができる。更に、ヒノキチオール及びクローブの防虫効果はユーカリ又はリモネンと比較して弱いものの、ヒノキチオール又はクローブをユーカリ、リモネン又はこれらの混合物に組成や粘度調整等のために、補助添加するようにしてもよい。
本実施形態におけるミツロウの混合による防虫効果への影響を検証した。
図7は、ユーカリ又はミツロウ単独の場合と、ユーカリ100重量部とミツロウ10重量部の混合液の場合及び無処理の場合における閉鎖系実験の虫食い結果を示す写真である。図7の(7A)、(7B)、(7C)及び(7D)は夫々、ユーカリ単独の場合、ミツロウ単独の場合、ユーカリとミツロウの混合液の場合、無処理の場合の虫食い結果を示す。ユーカリ単独の場合は無論のこと、(7C)に示すように、ユーカリとミツロウの混合液の場合でも防虫効果は十分に発揮されている。
特に、(7B)に示すように、ミツロウ単独の場合でも、ユーカリと同程度の強力な防虫効果があることがわかる。上記の虫食い実験からは、ユーカリとミツロウの混合液でも強力な防虫効果が存在することを確認することができ、ミツロウ自体にも強力な防虫効果が存在していることがわかる。この虫食い実験の検証結果からは、ミツロウを主要な防虫成分とした防虫剤の可能性を内在している。
本実施形態に係る防虫剤はユーカリ又はリモネンの液状防虫成分を有するので、洗剤に混合して衣類等に防虫成分を簡便に担持させることができる洗剤を実現することができる。即ち、本発明においては、粉状洗剤成分100重量部に対し、ユーカリ及び/又はリモネンと、ミツロウ等の徐放剤とを含む防虫剤を0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜20重量部添加した防虫洗剤を得ることができる。また、液体洗剤成分100に対し、ユーカリ及び/又はリモネンと、ミツロウ等の徐放剤とを含む液状防虫剤を0.1〜10重量部、好ましくは5重量部添加した防虫洗剤を得ることができる。
洗剤成分は、水と繊維等の間での界面張力を低下させるための界面活性剤や香料等からなる。特に、カチオン剤(カチオン性界面活性剤)を添加することにより、洗浄時に液状防虫成分のユーカリ又はリモネンが流出するのを防止して、衣類等にユーカリ及び/又はリモネンの防虫成分を確実に担持させることができる。
図8は本発明に係る防虫洗剤による防虫効果を検証する虫食い実験の結果を示す写真である。この検証実験は上記の防虫剤の場合と同様の虫食い実験であり、防虫洗剤として、ユーカリ単独の防虫剤を混合した洗剤と、ユーカリにミツロウを50重量%添加した防虫剤を混合した洗剤を使用した。これらの洗剤液で洗浄した試験布をシャーレ(直径15cm)内に収めると共に害虫50匹を入れ、シャーレの蓋を被せず暗所にて開放系虫食い実験を行った。このとき、無処理の試験布も同様のシャーレに収め、害虫50匹を入れて放置した。
図8の(8A)及び(8B)は夫々、ユーカリ単独の防虫剤を混合した洗剤と無処理の場合の虫食い結果を示す。図8の(8C)及び(8D)は夫々、ユーカリとミツロウの混合防虫剤を混合した洗剤と無処理の場合の虫食い結果を示す。これらの結果から、ユーカリ単独の防虫剤を混合した洗剤及びユーカリとミツロウの混合防虫剤を混合した洗剤のいずれにおいても虫食いはほとんど発生せず、洗濯時に防虫成分が十分に付着、担持されて、防虫効果が発揮されたことがわかる。
図7に示したように、天然由来物質のミツロウが優れた防虫効果を発揮する性質を有しており、これに着目した場合には、本発明の別の形態として、ミツロウを第1防虫成分とする防虫剤を提供することができる。即ち、防虫成分として、天然由来物質のミツロウを有することにより、化学合成製剤を使用することなく強力な防虫効果を発揮することができ、健康面や安全性に優れた防虫剤を実現することができる。特には、ミツロウを第1防虫成分として有する防虫剤の場合には、図4〜図6に示すように、ろう材特有の非揮発性でバインダー機能を有しているので、洗剤に混入し、あるいは洗剤と同時に使用して、衣類等を洗濯することにより、従来の保管場所における昇華又は揮散の経時的付着を行わずに、衣類等に防虫成分を簡便且つ確実に担持させることができる。
更に、ミツロウは図6等に示したように、優れた徐放性能を有しているので、ミツロウを有する防虫剤においては、別途、徐放剤を添加しなくとも、防虫成分の蒸発率が低く、防虫効果を長期間維持することができる。勿論、徐放性能を調整するうえで、他のパラフィン等のろう材あるいはラノリンを添加してもよい。
ミツロウを固形状の第1防虫成分として有する防虫剤は、界面活性剤、香料分散溶剤又は有機溶媒に混合して液状化した形態で提供することができる。有機溶媒には、アセトン、シンナー類、エタノール等のアルコール類を使用することができる。液状化した形態によれば、分散化されたミツロウの第1防虫成分をスプレー噴射等により噴霧して衣類等に付着させることが可能になる。
一方、ユーカリ又はリモネンを、ミツロウを溶解させる第2防虫成分として添加することができる。即ち、ミツロウを第1防虫成分とし、且つミツロウを溶解させる第2防虫成分としてユーカリ及び/又はリモネンを添加した形態に係る複合防虫剤によれば、強力な防虫効果を有する防虫成分により構成された複合防虫剤を実現することができる。しかも、ミツロウは優れた徐放性能を有しているので、第2防虫成分のユーカリ又はリモネンの蒸発率を抑制して、その防虫効果も長持ちする防虫剤を提供することができる。
前記複合防虫剤の好ましい配合として、前記第2防虫成分100重量部に対しミツロウを0.1〜1000重量部添加することができる。また、ユーカリ又はリモネンの場合と同様に、ミツロウを第1防虫成分とする防虫剤を洗剤成分に配合した防虫洗剤を構成することができる。この防虫洗剤の場合には、ミツロウを第1防虫成分としており、そのバインダー機能により衣類等の繊維に担持させやすく、洗濯時に防虫成分の付与を簡便且つ確実に行うことができる。更に、防虫洗剤としては、洗剤成分100重量部に対しミツロウの防虫剤を0.1〜100重量部添加するのが好ましいし、ユーカリ又はリモネンの場合と同様に、前記第1防虫成分を繊維に吸着させるカチオン剤を添加するのがより好ましい。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
この発明によれば、化学合成製剤を使用せずに防虫効果を発揮し、且つ環境汚染や健康面、安全性に優れた防虫剤、及び、係る防虫剤を含有して洗濯時に洗浄と共に衣類等に防虫成分を担持させることのできる防虫洗剤を提供することができる。

Claims (7)

  1. ユーカリ及び/又はリモネンを液状防虫成分とすることを特徴とする防虫剤。
  2. 前記液状防虫成分の蒸発率を低減させる徐放剤を添加した請求項1に記載の防虫剤。
  3. 前記徐放剤がミツロウ又はラノリンである請求項1又は2に記載の防虫剤。
  4. 前記液状防虫成分100重量部に対し前記徐放剤を0.1〜1000重量部添加した請求項2又は3に記載の防虫剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の防虫剤を洗剤成分に配合したことを特徴とする防虫洗剤。
  6. 前記洗剤成分100重量部に対し前記防虫剤を0.1〜100重量部添加した請求項5に記載の防虫洗剤。
  7. 前記防虫剤の防虫成分を繊維に吸着させるカチオン剤を添加した請求項5又は6に記載の防虫洗剤。
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