JP2011193891A - ヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分子量150万〜400万のヒアルロン酸類から、医薬品に適合したヒアルロン酸類を含有する注射液を製造するに際し、精度よく確実に加熱滅菌する新規な方法を提供する。
【解決手段】被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、「ヒアルロン酸及び/又はその塩」の含有液から、医薬品に適合した「ヒアルロン酸及び/又はその塩」(以下、総称してヒアルロン酸類という)の注射液を製造するにあたり、ヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法に関するものである。
ヒアルロン酸は、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸とが結合した2糖単位がくりかえし連鎖してなる、分子量が500万にもおよぶと言われている高分子量の多糖類である。一般に、そのグルクロン酸がナトリウム塩の形となったヒアルロン酸ナトリウムとして分離精製される。分子量約200万のヒアルロン酸ナトリウムは、分子量約80万のものに比べて医薬品として、変形性膝関節症、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ等の治療に優れた効果を発揮することが知られている(薬理と治療 Vol.22 No.9 289(1994);薬理と治療 Vol.22 No.9 319(1994))。
更に、外科手術後の癒着防止用として、また皮膚科領域、眼科領域においても医薬品としての効果が知られており、実用化されているものもある。微生物発酵法により製造されるヒアルロン酸ナトリウムは、例えばある種のストレプトコッカス属を用いて培養し、得られた培養液を希釈し、種々の精製工程を経て、粉末状で取得される。
薬理と治療 Vol.22 No.9 289(1994) 薬理と治療 Vol.22 No.9 319(1994)
微生物発酵法によれば、ヒアルロン酸ナトリウムを高分子量のまま精製取得することができるが、ヒアルロン酸ナトリウム注射液を大量製造するに際しては、種々の困難な問題があった。
即ち、高分子量のヒアルロン酸ナトリウムの溶解を短時間で効率よく行うことが難しいこと、該溶液の粘度が非常に高いため取り扱いにくいこと、熱等に不安定でろ過あるいは滅菌が難しいこと等である。
従って、高分子量のヒアルロン酸ナトリウム注射液を大量に製造する方法については、明らかにされていなかった。
本発明者はヒアルロン酸類の注射液を大量製造するに際して、ヒアルロン酸類の注射液を精度よく確実に加熱滅菌し、無菌性の高い医薬品グレードのヒアルロン酸類の含有液を取得する方法について鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。
本発明は、以下に記す方法に関するものである。
即ち、
(1)被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(2)(1)記載の間接加熱装置が加熱部、ホールド部、冷却部より構成されている間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(3)間接加熱装置のホールド部の温度が115℃〜145℃であることを特徴とする(1)又は(2)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(4)間接加熱装置のホールド部のヒアルロン酸類の含有液の滞留時間が2秒〜30分であることを特徴とする(3)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(5)間接加熱装置の冷却部出口の温度が、60℃以下であることを特徴とする(4)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(6)間接加熱装置の内筒内の圧力が、外筒内の圧力よりも高くすることを特徴とする(5)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(7)間接加熱装置の材質が、ステンレス又はハステロイであることを特徴とする(6)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(8)ヒアルロン酸類の含有液の濃度が、7.5〜12.5g/lであることを特徴とする(7)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(9)ヒアルロン酸類が、平均分子量150万〜400万であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(10)ヒアルロン酸類が、ストレプトコッカス・エクイFM−100を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(11)ヒアルロン酸類が、ストレプトコッカス・エクイFM−300を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法である。
本発明により、分子量150万〜400万のヒアルロン酸類注射液の大量スケールでの製造が可能となる。
図1は本発明の一実施例を示す間接加熱装置の部分拡大の断面図を示す。 図2は本発明の一実施例を示す間接加熱装置の断面図を示す。
以下、更に本発明について詳しく説明する。
本発明の目的は、分子量150万〜400万のヒアルロン酸類から、医薬品に適合したヒアルロン酸類を含有する注射液を製造するに際し、精度よく確実に加熱滅菌する新規な方法を提供することである。
ヒアルロン酸類からなる注射液を製造する方法は、(1)生理食塩液等の注射用溶解液に溶解して後、(2)該ヒアルロン酸類の含有液を滅菌し、(3)該滅菌液を異物濾過し、(4)該異物濾過液を注射用容器に充填してこれを密封する工程からなる。
また、滅菌工程の順を入れ換えて、密封した注射用容器入りヒアルロン酸類の注射液を滅菌する方法でもよい。
本発明に用いられるヒアルロン酸類は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、又はヒアルロン酸とヒアルロン酸の塩との混合物を包含している。ヒアルロン酸類は、遊離の形でもよく又その塩でもよく例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。更に本発明で使用するヒアルロン酸類含有液は動物組織から抽出したものでも、また発酵法で製造したものでも使用できる。好ましくは、発酵法で製造したものである。
発酵法によるヒアルロン酸類は例えばストレプトコッカス属のバクテリアを使用して既知の方法で得ることができる。
発酵法で使用する菌株は自然界から分離されるストレプトコッカス属等のヒアルロン酸生産能を有する微生物、又は特開昭63−123392号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号)、特開平2−234689号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−300(微工研菌寄第2319号)のような高収率で安定にヒアルロン酸を生産する変異株が望ましい。
上記の変異株を用いて培養、精製されたものが用いられる。
本発明に使用されるヒアルロン酸類の分子量は150万〜400万のものが適している。平均分子量が150万〜400万より小さい場合には医薬品としての効能が低下する。また、該範囲より大きいものをこの方法で得ることは、困難である。
ヒアルロン酸類を溶解する工程で用いる注射用溶解液としては、注射用水、生理食塩水及びそれに酸、アルカリ、リン酸塩のような緩衝剤を含むpH調整剤等を加えた日本薬局方の製剤総則注射剤の項で、認められているものを使用することができる。
溶解工程でのヒアルロン酸類の添加量としては、ヒアルロン酸類濃度が7.5〜12.5g/lとなるように設定する。ヒアルロン酸類濃度7.5g/l以下では、ヒアルロン酸類溶液の粘度は低く、製造が容易である。また12.5g/l以上は、ヒアルロン酸類の溶解度から大量に調製することは難しい。高粘度の溶液となるヒアルロン酸類濃度7.5が本発明の製造条件に該当する。
溶解するヒアルロン酸はバルブ付の気密容器に充填しておく。気密容器の投入シュートの角度は地面に対して、50°以上の急勾配にしてあり、接続面は曲面にしてある。それは該容器を逆さにして、ヒアルロン酸類を投入するとき、ロスが少ないようにするためである。
バルブは、バタフライ弁を用い、その切り換えによりヒアルロン酸類を外気にふれさせることなく、無菌的に溶解用の撹拌槽に添加することができる。このバルブ付の気密容器の内面の材質は、ステンレス鋼もしくはそのテフロン(登録商標)コーティングしたものが好ましい。
従って、該容器は、洗浄性がよく、更に取り扱いが簡便である。
溶解には、撹拌装置を具備した撹拌槽を使用する。ヒアルロン酸類の注射用溶解液への溶解性がよくないことと、溶液が高粘度であることから、撹拌装置としては、タービン型及び/またはディスパー型の撹拌羽根を有するものが好ましく、しかも羽根は偏芯させた位置に取り付けるのが特に溶解速度を速めるのに効果がある。
撹拌羽根は一段もしくは多段にしてもよい。該撹拌羽根の回転数は100〜5000rpm、好ましくは、800〜2000rpmが適当である。回転数が該範囲より小さい場合は、ヒアルロン酸類の注射用溶解液への浸透が悪く、完全に溶解するまでに長時間を要する。回転数が該範囲より大きい場合はヒアルロン酸類の注射用溶解液への分散が不良になり、撹拌槽内の界面上部への飛散が大きくなり、溶解が円滑に進まない。好ましい回転数であれば、溶解速度を上げるために撹拌槽外部から加温をする必要はなく、短時間で、溶解することができる。このように短時間で穏和な条件で溶解できるため、ヒアルロン酸類の分子量低下のような物性変化は少ない。
溶解操作に於て、適宜撹拌槽内を減圧することが好ましい。それはヒアルロン酸類及び液中の気泡を除去するためで、溶解速度を速めるためにも有効である。
ヒアルロン酸類溶液は高粘度であるが、その脱泡のために真空ポンプ等の通常の減圧手段を用い、5〜20kPa abs程度まで減圧するのが好ましい。温度を上げたり、溶液の撹拌を併用して行うとさらに効果が上がる。
溶解用撹拌槽内面の材質は、食塩水に対する耐食性、溶解後の内面の洗浄性などから、ステンレス、ガラス、テフロン(登録商標)等が挙げられるが、ヒアルロン酸類溶液の材質表面への付着の点から、テフロン(登録商標)、テフロン(登録商標)ライニングまたはテフロン(登録商標)コーティングが好ましい。テフロン(登録商標)は他の材質に比べ、ヒアルロン酸類溶液の付着が少ないので、撹拌槽から溶解液を排出したり、撹拌槽を洗浄するのに適している。
ヒアルロン酸類溶液の滅菌は、異物除去の前、又はバイアル等の容器に充填した後で行う。
本発明の滅菌工程は、ヒアルロン酸類溶液の滅菌を行い、ヒアルロン酸類の分子量の低下は最小限に抑えなければならない。そのためには、滅菌機内のヒアルロン酸類溶液の温度と滞留時間は重要な要件である。
従って、滅菌工程においては、ヒアルロン酸類溶液を急加熱、急冷却することが必要である。使用される滅菌機としては、例えば、特公平6−15953号に開示されているような間接加熱装置を用いることができる。図1は、この様な場合に使用する間接加熱装置の部分拡大の断面図の1例であり、図2は、間接加熱装置の断面図の1例である。
間接加熱装置は二重管1からなり、内側にヒアルロン酸類溶液2を連続的に通液でき、外側に加熱媒体又は冷却媒体を通液できる構造のものであり、ヒアルロン酸類溶液を加熱する部分3(以下加熱部という)、一定時間その温度を維持する部分4(以下ホールド部という)及び急冷する部分5(以下冷却部という)から構成される。
滞留時間は、滅菌機内のホールド部4の温度との組合せで2秒〜30分の範囲で選定できる。滅菌機内のホールド部4の温度は115℃〜145℃、好ましくは135℃〜136℃である。ヒアルロン酸類溶液のホールド部4での温度がその範囲より低い場合は、充分な滅菌効果が期待できず、またその範囲より高い場合は、ヒアルロン酸類の熱による分解をおこし、分子量が大きく低下する。ヒアルロン酸類溶液と加熱媒体及び冷却媒体との熱交換効率を上げるために、ヒアルロン酸類溶液が通る加熱部3、ホールド部4及び冷却部5の内側に、固定撹拌機構6が内蔵されている。滅菌機の加熱部3の媒体7、ホールド部4の媒体8としては、通常の水蒸気や熱水が使用され、冷却媒体9としては、水が適当である。
加熱部3ではヒアルロン酸類溶液の温度がホールド部4の温度に到達するように加熱し、冷却部5ではヒアルロン酸類溶液がホールド部4の温度から60℃以下になるように冷却する。ホールド部4は理論的には加熱を必要としないが、周囲への放熱による温度効果を防ぐために若干加熱するのが適当である。
本発明の滅菌機で均一な滅菌効果を得るために、ヒアルロン酸類溶液を連続的に一定流量で供給することが肝要である。そのためには、常法に従い、定量ポンプ10や流量制御計11を利用する。
本発明の滅菌操作条件においてヒアルロン酸類溶液の滅菌機の出口に取り付けられた圧力調節弁12により、滅菌機内のヒアルロン酸類溶液の内圧が常に加熱媒体または冷却媒体の圧力より大きく維持することが必須の条件である。これは万一、設備上の障害があっても加熱媒体や冷却媒体がヒアルロン酸類溶液中に混入するのを防止できるからである。
滅菌機の材質は、高温の食塩水に耐食性を示すもの、例えばステンレス、ハステロイが選ばれる。
または、滅菌の順を入れ換えて密封した注射容器入りのヒアルロン酸類を含有する注射液を滅菌することもできる。その場合には、日本薬局方記載の高圧蒸気滅菌法・間接滅菌法を適用することができる。
装置としては例えば特開平4−269968号に開示されるような急加熱、急冷却可能な密閉容器入り液体の加熱滅菌方法を使用することができる。
本発明において異物ろ過はろ過処理により行われる。ろ過で使用されるろ過膜は孔径0.2〜50μmが好ましい。孔径がその範囲より小さい場合は、前工程で得られた滅菌液が非常に高粘度液のため膜を通液させるのが困難であり、また孔径がその範囲より大きい場合は、異物ろ過が不完全になり、注射液中に目視で判別できる不溶性異物が混在するので好ましくない。
ろ過膜の材質はポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン及びナイロン等の中から選定できる。
ろ過膜の形状としては、平膜、フィルターカートリッジ、ディスポーザブルフィルターのいずれも可能であるが、大量に処理する場合には、フィルターカートリッジ又はディスポーザブルフィルターが好ましい。
本発明で使用できるろ過膜の具体例としては日本ミリポア社製ミリパックやデュラポアミリディスク等がある。
ヒアルロン酸類含有液のpHは2〜10、温度は5〜100℃の中で任意の条件が選択される。通液時の流量及び圧力については、フィルターの種類に応じて耐圧性を考慮して設定するが、圧力をかけるとフィルターから異物が流出することもあるので注意しなければならない。日本ミリポア社製ミリディスク40では、流速50〜300l/hr、処理圧0.01〜0.50MPaが好ましい。ろ過液は注射用溶解液で希釈し、濃度調整することもできる。
本発明の充填工程で使用される充填機としては、ヒアルロン酸類の含有液を容器に充填する部分と充填後の容器にゴム栓を打栓あるいは容器を熔封する密封部分からなる充填機が使用される。
充填ポンプとしては、当分野で周知のウェートバルブ型、スプリングボールバルブ型、ピンチバルブ型及び回転式ピストンポンプ型、ダイアフラム型等が使用できるが、ヒアルロン酸類の含有液は例えば300〜600ポアズの高粘度液であるので、充填精度がよく且つヒアルロン酸類の含有液に特有な糸曳き防止に効果があるダイアフラム型の使用が好ましい。
注射液用容器としては、一般のアンプル、バイアル、デュファージョクト型やプレフィルドシリンジが使用できる。
これら注射液用容器は、医療機関で使用される際にヒアルロン酸類を含有する注射液が容器内に残存する量を極力少なくするためにポリジメチルシロキサン等でコーティングしたものを使用するのが好ましい。バイアル又はシリンジを密封するゴム栓の材質は医薬品用として広く使用されているブチルゴム、塩化ブチルゴム、ブタジエンゴムが使用できるがさらにこれらをシリコーンでコーティングしたものが不純物の溶出が少ない等の点から好ましい。
本発明をさらに説明するために以下に実施例をあげるが、これらの実施例はいかなる意味においても本発明を制限するものではない。
実施例1
ストレプトコッカス・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号)を用いて発酵法で得られた分子量237万のヒアルロン酸ナトリウム1580gを20lのバタフライ弁のついた気密容器に充填した。内面がテフロン(登録商標)コーティングされているステンレス製の容量200lの溶解槽にディスパータービン型の撹拌羽根を取付け、pH7.3の2mMリン酸ナトリウム緩衝液を含む生理食塩液(注射用溶解液)149lを溶解槽に仕込んだ。前述のヒアルロン酸ナトリウムを充填した容器から、ヒアルロン酸ナトリウムを溶解槽中に投入した。
次にディスパータービン型撹拌羽根を用いて、1800rpmで撹拌を50分間行い、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解した。液中の気泡を除去するため、溶解槽内圧力を20分間、真空度15kPa abs以下に維持して気泡を除去した後、常圧に戻した。ヒアルロン酸ナトリウム濃度をカルバゾール硫酸法により測定したところ、1.00%となった。
この液の極根粘度を第十五改正日本薬局方に従って測定すると、33.8dl/gであり、分子量に換算すると237万であった。
この溶解液をキッコーマン社製キッズクッカー連続滅菌機で連続滅菌した。この装置は、二重管からなり、内管は内径23mmで、固定の撹拌機が内蔵され、加熱部の容積3.4l、ホールド部容積0.6l、冷却部容積2.6lであった。ホールド部の温度が135℃になるように、加熱部外管の熱水を調節し、ホールド部での滞留時間が34秒になるように加熱部入口の定量ポンプを制御した。
冷却部は、出口温度が40℃以下になるように、冷却部外管の水を調節した。
冷却部出口圧力が0.33MPaなるように圧力調節弁で制御し、冷却したヒアルロン酸ナトリウム溶解液を孔径5μmのナイロン製のろ過膜からなる日本ミリポア社製ミリディスク40で流速60l/hrろ過した。
ろ過液を、30分間、144rpmで撹拌混合した。次いで、その液をダイアフラム型の充填ポンプを有する充填部、ゴム栓の打栓、巻締め機構を有するバイアル充填密封機で、シリコーンコーティングした3mlのバイアル瓶に2.85lずつ充填した。
ゴム栓はシリコーンコーティングしたブチルゴムS−2−43−2(大協精工社製)を打栓した。得られた製品は6000本であり、所要時間は100分であった。
製品の品質試験を第十五改正日本薬局方に従って行ったところ、実容量偏差試験の最大充填容量の設定量との差は0.01ml、最小充填容量との差は0.01mlであった。 また不溶性異物試験の合格率は99.7%、無菌試験は陰性、ヒアルロン酸ナトリウムの分子量226万、ヒアルロン酸ナトリウム濃度は1.0%であった。
比較例1
実施例1において連続滅菌の滅菌温度を110℃とし、ホールド部の滞留時間を20分及び160分にかえて、同様に試験を行った。
20分の時は無菌試験は陽性となり、160分では陰性であった。また滅菌前の分子量237万が滞留時間20分では、分子量160万に、160分では100万に低下した。
1 二重管
2 ヒアルロン酸類溶液
3 加熱部
4 ホールド部
5 冷却部
6 固定撹拌機構
7 加熱部の媒体
8 ホールド部の媒体
9 冷却媒体
10 定量ポンプ
11 流量制御計
12 圧力調整弁

Claims (11)

  1. 被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  2. 請求項1記載の間接加熱装置が加熱部、ホールド部、冷却部より構成されている間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  3. 間接加熱装置のホールド部の温度が115℃〜145℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  4. 間接加熱装置のホールド部のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の滞留時間が2秒〜30分であることを特徴とする請求項3記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  5. 間接加熱装置の冷却部出口の温度が、60℃以下であることを特徴とする請求項4記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  6. 間接加熱装置の内筒内の圧力が、外筒内の圧力よりも高くすることを特徴とする請求項5記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  7. 間接加熱装置の材質が、ステンレス又はハステロイであることを特徴とする請求項6記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  8. ヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の濃度が、7.5〜12.5g/lであることを特徴とする請求項7記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  9. ヒアルロン酸及び/又はその塩が、平均分子量150万〜400万であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
  10. ヒアルロン酸及び/又はその塩が、ストレプトコッカス・エクイFM―100を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の合有液の加熱滅菌方法。
  11. ヒアルロン酸及び/又はその塩が、ストレプトコッカス・エクイFM―300を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の合有液の加熱滅菌方法。
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