JP2011193891A - ヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いる。
【選択図】図2
Description
即ち、高分子量のヒアルロン酸ナトリウムの溶解を短時間で効率よく行うことが難しいこと、該溶液の粘度が非常に高いため取り扱いにくいこと、熱等に不安定でろ過あるいは滅菌が難しいこと等である。
従って、高分子量のヒアルロン酸ナトリウム注射液を大量に製造する方法については、明らかにされていなかった。
即ち、
(1)被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(2)(1)記載の間接加熱装置が加熱部、ホールド部、冷却部より構成されている間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(3)間接加熱装置のホールド部の温度が115℃〜145℃であることを特徴とする(1)又は(2)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(4)間接加熱装置のホールド部のヒアルロン酸類の含有液の滞留時間が2秒〜30分であることを特徴とする(3)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(5)間接加熱装置の冷却部出口の温度が、60℃以下であることを特徴とする(4)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(6)間接加熱装置の内筒内の圧力が、外筒内の圧力よりも高くすることを特徴とする(5)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(7)間接加熱装置の材質が、ステンレス又はハステロイであることを特徴とする(6)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(8)ヒアルロン酸類の含有液の濃度が、7.5〜12.5g/lであることを特徴とする(7)記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(9)ヒアルロン酸類が、平均分子量150万〜400万であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(10)ヒアルロン酸類が、ストレプトコッカス・エクイFM−100を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法、(11)ヒアルロン酸類が、ストレプトコッカス・エクイFM−300を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のヒアルロン酸類の含有液の加熱滅菌方法である。
本発明の目的は、分子量150万〜400万のヒアルロン酸類から、医薬品に適合したヒアルロン酸類を含有する注射液を製造するに際し、精度よく確実に加熱滅菌する新規な方法を提供することである。
また、滅菌工程の順を入れ換えて、密封した注射用容器入りヒアルロン酸類の注射液を滅菌する方法でもよい。
上記の変異株を用いて培養、精製されたものが用いられる。
従って、該容器は、洗浄性がよく、更に取り扱いが簡便である。
ヒアルロン酸類溶液は高粘度であるが、その脱泡のために真空ポンプ等の通常の減圧手段を用い、5〜20kPa abs程度まで減圧するのが好ましい。温度を上げたり、溶液の撹拌を併用して行うとさらに効果が上がる。
本発明の滅菌工程は、ヒアルロン酸類溶液の滅菌を行い、ヒアルロン酸類の分子量の低下は最小限に抑えなければならない。そのためには、滅菌機内のヒアルロン酸類溶液の温度と滞留時間は重要な要件である。
従って、滅菌工程においては、ヒアルロン酸類溶液を急加熱、急冷却することが必要である。使用される滅菌機としては、例えば、特公平6−15953号に開示されているような間接加熱装置を用いることができる。図1は、この様な場合に使用する間接加熱装置の部分拡大の断面図の1例であり、図2は、間接加熱装置の断面図の1例である。
本発明の滅菌機で均一な滅菌効果を得るために、ヒアルロン酸類溶液を連続的に一定流量で供給することが肝要である。そのためには、常法に従い、定量ポンプ10や流量制御計11を利用する。
滅菌機の材質は、高温の食塩水に耐食性を示すもの、例えばステンレス、ハステロイが選ばれる。
装置としては例えば特開平4−269968号に開示されるような急加熱、急冷却可能な密閉容器入り液体の加熱滅菌方法を使用することができる。
これら注射液用容器は、医療機関で使用される際にヒアルロン酸類を含有する注射液が容器内に残存する量を極力少なくするためにポリジメチルシロキサン等でコーティングしたものを使用するのが好ましい。バイアル又はシリンジを密封するゴム栓の材質は医薬品用として広く使用されているブチルゴム、塩化ブチルゴム、ブタジエンゴムが使用できるがさらにこれらをシリコーンでコーティングしたものが不純物の溶出が少ない等の点から好ましい。
ストレプトコッカス・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号)を用いて発酵法で得られた分子量237万のヒアルロン酸ナトリウム1580gを20lのバタフライ弁のついた気密容器に充填した。内面がテフロン(登録商標)コーティングされているステンレス製の容量200lの溶解槽にディスパータービン型の撹拌羽根を取付け、pH7.3の2mMリン酸ナトリウム緩衝液を含む生理食塩液(注射用溶解液)149lを溶解槽に仕込んだ。前述のヒアルロン酸ナトリウムを充填した容器から、ヒアルロン酸ナトリウムを溶解槽中に投入した。
この液の極根粘度を第十五改正日本薬局方に従って測定すると、33.8dl/gであり、分子量に換算すると237万であった。
冷却部は、出口温度が40℃以下になるように、冷却部外管の水を調節した。
冷却部出口圧力が0.33MPaなるように圧力調節弁で制御し、冷却したヒアルロン酸ナトリウム溶解液を孔径5μmのナイロン製のろ過膜からなる日本ミリポア社製ミリディスク40で流速60l/hrろ過した。
ゴム栓はシリコーンコーティングしたブチルゴムS−2−43−2(大協精工社製)を打栓した。得られた製品は6000本であり、所要時間は100分であった。
製品の品質試験を第十五改正日本薬局方に従って行ったところ、実容量偏差試験の最大充填容量の設定量との差は0.01ml、最小充填容量との差は0.01mlであった。 また不溶性異物試験の合格率は99.7%、無菌試験は陰性、ヒアルロン酸ナトリウムの分子量226万、ヒアルロン酸ナトリウム濃度は1.0%であった。
実施例1において連続滅菌の滅菌温度を110℃とし、ホールド部の滞留時間を20分及び160分にかえて、同様に試験を行った。
20分の時は無菌試験は陽性となり、160分では陰性であった。また滅菌前の分子量237万が滞留時間20分では、分子量160万に、160分では100万に低下した。
2 ヒアルロン酸類溶液
3 加熱部
4 ホールド部
5 冷却部
6 固定撹拌機構
7 加熱部の媒体
8 ホールド部の媒体
9 冷却媒体
10 定量ポンプ
11 流量制御計
12 圧力調整弁
Claims (11)
- 被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、軸方向に長さを有する軸部と、該軸部から径方向外方突出し、軸方向に角度を有する複数の翼片とからなる固定撹拌機構を軸方向に離間して複数設けた間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 請求項1記載の間接加熱装置が加熱部、ホールド部、冷却部より構成されている間接加熱装置を用いることを特徴とするヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 間接加熱装置のホールド部の温度が115℃〜145℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 間接加熱装置のホールド部のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の滞留時間が2秒〜30分であることを特徴とする請求項3記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 間接加熱装置の冷却部出口の温度が、60℃以下であることを特徴とする請求項4記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 間接加熱装置の内筒内の圧力が、外筒内の圧力よりも高くすることを特徴とする請求項5記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- 間接加熱装置の材質が、ステンレス又はハステロイであることを特徴とする請求項6記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- ヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の濃度が、7.5〜12.5g/lであることを特徴とする請求項7記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- ヒアルロン酸及び/又はその塩が、平均分子量150万〜400万であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有液の加熱滅菌方法。
- ヒアルロン酸及び/又はその塩が、ストレプトコッカス・エクイFM―100を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の合有液の加熱滅菌方法。
- ヒアルロン酸及び/又はその塩が、ストレプトコッカス・エクイFM―300を用いて、発酵法により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のヒアルロン酸及び/又はその塩の合有液の加熱滅菌方法。
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