WO2023219171A1 - 高粘性溶液の滅菌化・無菌化法 - Google Patents

高粘性溶液の滅菌化・無菌化法 Download PDF

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Abstract

本発明は、高粘性溶液を効率的に無菌化する方法を提供することを課題とする。より具体的には、本発明は、ヒアルロン酸やハイドロゲルなどを含む高粘性溶液を効率的に無菌化・滅菌化する方法を提供することを課題とする。 本発明は、以下の方法:0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階の予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過滅菌による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を無菌化する方法: により、高粘性溶液を効率的に無菌化することができることを明らかにした。

Description

高粘性溶液の滅菌化・無菌化法
 本発明は、高粘度溶液の効率的な滅菌化・無菌化方法に関する。本発明はまた、医薬品や医療機器への使途として、高粘性溶液を滅菌化・無菌化して使用する、滅菌化・無菌化製品の効率的な製造方法にも関する。
 本発明の発明者らは、以前より、放射線治療や抗がん化学療法に抵抗性を示す腫瘍に対して、過酸化水素を併用することが有効であることを確認し、KORTUC療法として研究・開発を行っている。この過酸化水素は、患部への刺激が強く、腫瘍内で分解されやすい性質を有することから、過酸化水素を腫瘍内に投与するために、過酸化水素とヒアルロン酸またはその塩またはハイドロゲルとを併用する方法を開発している(例えば特許文献1、特許文献2)。
 腫瘍の治療に際してヒアルロン酸やハイドロゲルなどを含む過酸化水素溶液を使用するにあたり、体内に投与する前提として、当該溶液を無菌化する必要がある。当該溶液を無菌化するためには、ろ過により滅菌する方法、熱により滅菌する方法、放射線により滅菌する方法があるが、KORTUC療法において使用する溶液が高粘性であるため、滅菌化・無菌化が困難であった。
 これまでは、熱負荷の方法により滅菌化・無菌化してきたが、臨床応用にあたり、滅菌化・無菌化の方法が効率的ではなかった。
WO2008/041514 WO2014/126222
 本発明は、高粘性溶液を滅菌化・無菌化する方法を提供することを課題とする。より具体的には、本発明は、ヒアルロン酸やハイドロゲルなどを含む高粘性溶液を効率的に無菌化・滅菌化する方法を提供することを課題とする。
 本発明は、以下の方法:0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階の予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する方法:
により、高粘性溶液を効率的に滅菌化・無菌化することができることを明らかにした。
 より具体的には、本件出願は、前述した課題を解決するため、以下の態様を提供する:
[1]: 0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階のろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する方法;
[2]: 高粘性の溶液が、ヒアルロン酸またはその塩、アルギン酸またはその塩、キトサン、ゼラチン、グリセロール、ポリグリセリン、ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、タンパク質、抗体などの高分子のいずれかまたは組み合わせを含む溶液である、[1]の方法;
[3]: ろ過により滅菌化・無菌化する工程において、溶液粘度を低下させるために溶液温度を40℃以上に加温する、[1]または[2]に記載の方法;
[4]: ろ過により滅菌化・無菌化する工程において、溶液粘度を低下させるために溶液のpHを7以上に保持する、[1]または[2]に記載の方法;
[5]: 高粘性溶液がヒアルロン酸またはその塩である、請求項2に記載の方法;
[6]: ヒアルロン酸の平均分子量が50 KDa~1200 KDaである、請求項5の方法;
[7]: ヒアルロン酸の濃度が0.1~10%である、請求項5または6の方法;
[8]: 0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階のろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する工程:
を含む、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を含む無菌化・無菌化製品の製造方法。
 本発明の方法を用いることで、これまでは困難とされてきたヒアルロン酸やハイドロゲルなどを含む高粘性溶液を、フィルターによるろ過により、効率的に滅菌化・無菌化することが可能になる。
 本発明は、一態様において、以下の方法:0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階の予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する方法:
を提供する。
 本発明は、別の一態様において、以下の方法:0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階の予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を無菌化・無菌化する工程:
を含む、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を含む無菌化・無菌化製品の製造方法
もまた、提供する。
 高粘性溶液
 本発明において、無菌化・無菌化の対象となる高粘性溶液は、200 mPa・s以上の粘度を有する溶液であり、従来の方法では粘度が高すぎて無菌化・滅菌化が困難であった溶液である。高粘性溶液の粘度が高くなる理由はどのような理由であってもよく、例えば、溶液中に存在することにより粘度が高くなる高分子が存在することによって溶液の粘度が高くなる場合、高分子が溶液中で物理的や静電的な要因により複雑なマトリックスを形成する場合、などがあげられる。
 溶液中に存在することにより粘度が高くなる高分子としては、ヒアルロン酸またはその塩、アルギン酸またはその塩、キトサン、ゼラチン、グリセロール、ポリグリセリン、ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、タンパク質、抗体などの高分子から選択することができる。本発明において好ましい高分子としては、ヒアルロン酸またはその塩、アルギン酸またはその塩などがあげられるが、これらには限定されない。
 本発明において溶液中に存在することにより粘度が高くなる高分子として、特にヒアルロン酸またはその塩の溶液を使用する場合、ヒアルロン酸の平均分子量は、50 KDa~1200 KDaであり、濃度が0.1~10%w/vである。
 滅菌化・無菌化の方法
 本発明の滅菌化・無菌化の方法において、0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階の予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程を行うことを特徴とする。
 滅菌化・無菌化する工程は、第1段階の予備的なろ過と、その後の第2段階のろ過の2段階のろ過工程により行うことを特徴とする。第1段階の予備的なろ過工程は、0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたろ過により行うことを特徴とする。
 一方、その後の第2段階のろ過工程は、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いて行うことを特徴とする。2段階目のろ過により滅菌化・無菌化する工程は、調製した第1段階の予備的ろ過を行ったのちの高粘性溶液を、圧力をかけながら0.45マイクロメートル、0.22マイクロメートルなどの孔径を有するフィルターに通すことにより行う。
 医薬品の製造に際して、日本薬局方の「製品の無菌試験」では、製品のメンブランフィルターによるろ過を「メンブランフィルターは、微生物の捕集効率が確立されてる公称孔径が0.45μm以下のものを用いる」と規定しており、また、「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」においては、「液体ろ過滅菌用フィルターの選定」として、「選定される液体ろ過滅菌フィルターは,孔径0.2/0.22μm以下のものである」としている。従って、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターとしては、孔径0.22μm以下のものを使用することができる。
 本発明において使用することができるメンブランフィルターは、医薬品のろ過滅菌に使用可能であるものであれば、製造者、材質に関わらず、どのようなものを使用してもよい。メンブランフィルターの材質としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PES(ポリエーテルスルホン)、ナイロン、酢酸セルロース、セルロース混合エステル、ポリプロピレンなどが使用されているが、いずれのものであってもよく、材質には限定されない。
 この工程で使用するフィルターはろ過有効面積が高粘性溶液1 Lに対し5 cm2以上であることを特徴とし、それ以上のろ過有効面積を有するもの(例えば、高粘性溶液1 Lに対し10 cm2以上であるもの)を使用することもできる。フィルターのろ過有効面積は、円板状のフィルターの場合にはその直径から決まるものであり、滅菌化・無菌化したい高粘性溶液の量に従って、フィルターのサイズを変更することができることを意味している。
 また、本発明の滅菌化・無菌化する方法を行う場合については、ろ過の対象となる溶液の粘度を低下させることにより、ろ過を実施しやすくなる。ろ過の対象となる溶液の粘度を低下させるため、下記の手順: 
(1)溶液温度を40℃以上に加温しながら、ろ過を実施すること、
(2)溶液のpHを7以上に保持しながら、ろ過を実施すること、
を施すことで、滅菌化・無菌化する工程のろ過により効率的に滅菌化・無菌化を達成できる。
 ここで挙げる(1)および(2)の手順は、それぞれ独立して滅菌化・無菌化する工程に組み合わせることができる工程であり、いずれかの手順を組み合わせてもよく、または複数の手順を組み合わせてもよい。例えば、一例として、手順(1)を滅菌化・無菌化する工程に組み合わせて、滅菌化・無菌化する工程を、「0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有し、ろ過有効面積が高粘性溶液1 Lに対し10 cm2以上であるフィルターを用いて、溶液温度を40℃以上に加温しながら、ろ過により滅菌化・無菌化する工程」として行うことができる。また、別の一例として、手順(1)および(2)を滅菌化・無菌化する工程に組み合わせて、滅菌化・無菌化する工程を、「0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで予備的なろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有し、ろ過有効面積が高粘性溶液1 Lに対し10 cm2以上であるフィルターを用いて、溶液温度を40℃以上に加温しながら、そしてpHを7以上に保持しながら、ろ過により滅菌化・無菌化する工程」として行うことができる。
 無菌化・無菌化製品の製造
 本発明において、上述した滅菌化・無菌化工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する工程を行うことにより、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を含む無菌化・無菌化製品を製造することができる。すなわち、上述した滅菌化・無菌化工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する工程を含む、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を含む無菌化・無菌化製品の製造方法を提供することができる。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示す。下記に示す実施例はいかなる方法によっても本発明を限定するものではない。
 実施例1:ヒアルロン酸を含む高粘性溶液の滅菌化・無菌化方法の検討
 本実施例においては、ヒアルロン酸を含む高粘性溶液を例とし、ろ過による滅菌化・無菌化工程を行う際のろ過有効面積により、ろ過による滅菌化・無菌化工程の工程が効率化するかどうかの観点から、滅菌化・無菌化の方法を検討した。
 1000 mPa・sの粘度の溶液491 mLを2群用意し、両群ともにフィルターサイズが直径25 mm、フィルター材質PVDF、有効ろ過面積4.91 cm2であり、孔サイズが0.45μmのフィルターにて予備ろ過を実施した後、一方の群をフィルターサイズが直径13 mm、フィルター材質ナイロン、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルター(KC01)、もう一方の群をフィルターサイズが直径25 mm、フィルター材質ナイロン、有効ろ過面積4.91 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルター(KC02)にて、ろ過による滅菌化・無菌化工程を完了できるかを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 次に、ろ過による滅菌化・無菌化工程を行う前に予備ろ過を行うことにより、ろ過による滅菌化・無菌化工程の工程の効率が変化するかどうかを確認した。
 1000 mPa・sの粘度のヒアルロン酸溶液133 mLを用意し、5 mLシリンジに5 mL充填し、ろ過フィルターを接続してろ過を実施した。ろ過は、フィルターサイズが直径25 mm、フィルター材質PVDF、有効ろ過面積4.91 cm2であり、孔サイズが0.45μmのフィルターにて第1段階の予備ろ過を実施した後、フィルターサイズが直径13 mm、フィルター材質ナイロン、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルターにてろ過することにより、滅菌化・無菌化工程を完了できるかを確認し(KC04)、具体的には、5 mLずつろ過を実施し、0.22μmフィルターでの第2段階の滅菌ろ過ができなくなるタイミングを評価した。
 対照として、1000 mPa・sの粘度のヒアルロン酸溶液133 mLを用意し、5 mLシリンジに5 mL充填し、ろ過フィルターを接続してろ過を実施した。ろ過は、第1段階の予備ろ過を行わずに、フィルターサイズが直径13 mm、フィルター材質ナイロン、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルターにてろ過による滅菌化・無菌化工程を完了できるかを確認し(KC03)、具体的には、5 mLずつろ過を実施し、0.22μmフィルターでの第2段階の滅菌ろ過ができなくなるタイミングを評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 実施例2:滅菌化・無菌化工程における付加的条件の検討
 本実施例において、実施例1において検討した滅菌化・無菌化工程に対して適用することができる付加的条件として、ろ過による滅菌化・無菌化工程を行う際の溶液のpHの効果を検討した。
 1000 mPa・sの粘度の溶液491 mLを、フィルターサイズが直径25 mm、有効ろ過面積4.91 cm2であり、孔サイズが0.45μmのフィルターにて予備ろ過を実施した後、133 mLずつ3群にわけ、それぞれの溶液のpHを変化させるために塩酸もしくは水酸化ナトリウムを利用して、pH 4(KC05)、pH 7(KC06)、pH 9(KC07)に調整した。続いて、これらの溶液を、フィルターサイズが直径13 mm、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルターにてろ過による滅菌化・無菌化工程にかかる時間を確認する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 実施例3:滅菌化・無菌化に適用するヒアルロン酸を含む高粘性溶液の調製方法の検討
 本実施例において、滅菌化・無菌化の各工程に適用する高粘度溶液の調製方法を検討した。
 本実施例において、滅菌化・無菌化する工程の前の高粘性溶液の調製方法として、以下の工程(i)~(iv):
工程(i): 40℃以上に加温しながら撹拌する
工程(ii): 長時間(2時間以上)撹拌する
工程(iii): 高せん断応力にて撹拌する
工程(iv): 溶液のpHを7以上に保持しながら撹拌する
のいずれかを行った。工程(i)を行った実験群を(i)群、工程(ii)を行った実験群を(ii)群、工程(iii)を行った実験群を(iii)群、工程(iv)を行った実験群を(iv)群と、それぞれ表示する。
 その後、得られた1000 mPa・sの粘度の各溶液133 mLを、フィルターサイズが直径13 mm、フィルター材質PVDF、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.45μmのフィルターにて第1段階の予備的ろ過を実施した後、フィルターサイズが直径13 mm、フィルター材質ナイロン、有効ろ過面積1.33 cm2であり、孔サイズが0.22μmのフィルターにて第2段階のろ過による滅菌化・無菌化工程を完了できるかを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 本発明の方法を用いることで、これまでは困難とされてきたヒアルロン酸やハイドロゲルなどを含む高粘性溶液の、フィルターによるろ過による、効率的な滅菌化・無菌化が可能になる。
 

Claims (8)

  1.  0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階のろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する方法。
  2.  高粘性の溶液が、ヒアルロン酸またはその塩、アルギン酸またはその塩、キトサン、ゼラチン、グリセロール、ポリグリセリン、ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、タンパク質、抗体などの高分子のいずれかまたは組み合わせを含む溶液である、請求項1の方法。
  3.  ろ過により滅菌化・無菌化する工程において、溶液粘度を低下させるために溶液温度を40℃以上に加温する、請求項1または2に記載の方法。
  4.  ろ過により滅菌化・無菌化する工程において、溶液粘度を低下させるために溶液のpHを7以上に保持する、請求項1または2に記載の方法。
  5.  高粘性溶液がヒアルロン酸またはその塩である、請求項2に記載の方法。
  6.  ヒアルロン酸の平均分子量が50 KDa~1200 KDaである、請求項5の方法。
  7.  ヒアルロン酸の濃度が0.1~10%である、請求項5または6の方法。
  8.  0.45マイクロメートル以上の孔径を有するフィルターを用いたフィルターで第1段階のろ過を実施したのち、0.45マイクロメートル以下の孔径を有するフィルターを用いた第2段階のろ過により滅菌化・無菌化する工程による、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を滅菌化・無菌化する工程:
    を含む、高粘性(200 mPa・s以上)の溶液を含む無菌化・無菌化製品の製造方法。
     

     
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