JPH06292827A - ウイルスの通過を阻止する物質からなる濾過助剤およびそれを使用した濾過方法 - Google Patents

ウイルスの通過を阻止する物質からなる濾過助剤およびそれを使用した濾過方法

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JPH06292827A
JPH06292827A JP5097594A JP5097594A JPH06292827A JP H06292827 A JPH06292827 A JP H06292827A JP 5097594 A JP5097594 A JP 5097594A JP 5097594 A JP5097594 A JP 5097594A JP H06292827 A JPH06292827 A JP H06292827A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 生体に安全な、かつ、それ自体ではメンブラ
ンフィルターを通過するがウイルスと接触するとウイル
スのメンブランフィルターの通過を阻止する物質からな
る濾過助剤、ならびに、その濾過助剤の存在下、被処理
液をメンブランフィルターで処理する濾過方法。上記物
質として、ヒアルロン酸、アルギン酸等の水溶性粘質高
分子化合物が使用される。好ましくは、ヒアルロン酸を
被処理液中に終濃度がヒアルロン酸ナトリウム5mg/
ml以上となるように存在させて該メンブランフィルタ
ーで処理する。 【効果】 公知のフィルターによる微生物の分離方法が
もつ利点をすべてそなえたままで、非常に簡便かつ迅速
に、ウイルスを除去あるいは濃縮することができる。例
えばヒアルロン酸は生体への毒性もなく、また蛋白とも
吸着しないことから、濾液中の目的成分の回収は容易に
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウイルスの通過を阻止
する物質からなる濾過助剤およびそれを使用した濾過方
法に関する。詳細には、本発明は、生体に安全な、か
つ、それ自体ではメンブランフィルターを通過するがウ
イルスと接触するとウイルスのメンブランフィルターの
通過を阻止する物質からなる濾過助剤およびそれを使用
した濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウイルスの除去や不活性化は生物由来の
製剤や遺伝子組換え技術を用いて製造される医薬品の製
造プロセスにおいて重大な問題になっており、そのため
の研究や開発が色々行われている。従来法としてのウイ
ルス不活化法は、1)有機溶媒(エーテル、クロロホル
ム)によるエンベロープの脂質膜破壊,2)フェノー
ル、ホルマリン、界面活性剤等によるウイルス蛋白の変
性,3)物理的条件(熱,乾燥,浸透圧変化など)によ
るエンベロープの破壊,4)放射線や紫外線によるウイ
ルス核酸の傷害などがある。これらのウイルス不活化法
は、多くの場合、ウイルスのみならず他の成分の蛋白変
性や核酸傷害を伴い、有効成分の生理活性の保持が十分
ではない。
【0003】微生物を捕捉するために、メンブランフィ
ルターを用いて微生物の大きさにより分離する方法があ
る。細菌や酵母などの微生物を捕捉するには、例えば孔
径0.22μmであるとか0.45μmのものが通常使
用されている。こうしたフィルターによる微生物の分離
は、使用法が簡単である、短時間で操作できる、化学変
化がない、処理液へのケミカルの添加がなく組成が変わ
らない、熱変性がない等の利点がある。しかしながら、
よりサイズの小さなウイルスやマイコプラズマなどは膜
を透過してしまい捕捉できないことが多い。
【0004】そのため最近では、孔径を小さくしたり孔
構造を工夫することにより、サイズの小さなウイルスを
分離可能な多孔質膜が提案されている(例えば特開昭6
0−142860号公報、特開昭63−236501号
公報、特開平1−22305号公報)。これらの技術に
おいては、サイズの小さいウイルスをその大きさにより
捕捉しようとするものであり、基本的には膜の孔径を小
さくしている。
【0005】上記方法は、極めて微小なウイルスを分離
するにはフィルターの孔径を20nm(0.02μm)
程度の極めて小さな孔にする必要がある。こうしたウイ
ルス粒子の除去法は、ポアサイズが通常のメンブランフ
ィルターの1/10〜1/20とさらに小さくなるた
め、濾過圧を高くする必要性や、濾過時間の増大などが
考えられる。そのために濾過速度が遅くなり、目詰まり
を生じ易い。また、フィルターに大孔径のピンホール等
が存在するとウイルスが通り抜けて除去できず、ウイル
スの除去方法として充分満足のゆくものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、公知
のフィルターによる微生物の分離方法がもつ利点をすべ
てそなえたままで、非常に簡便かつ迅速に、ウイルスを
除去あるいは濃縮することができる方法を提供すること
を目的とする。そして、医薬品製剤の製造に適用する場
合、製剤中からの感染性粒子の消失という目的を達成す
るためには、ウイルスのみが除去あるいは不活化され、
製剤中の有効成分は出来る限り傷害もしくは損失を受け
ないような条件の確立が望まれる。従って、本発明は、
簡便で効率的にウイルスを除去或いは捕捉でき、かつ有
効成分の回収が容易な方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウイルスが混
入している製剤やウイルスが存在している試料中より迅
速かつ有効にウイルスを除去し或いは濃縮し、そして有
効成分を損失することなく、また十分に回収出来ること
を目的とする。この目的は、ウイルスが夾雑する試料
を、生体に安全な、かつ、それ自体ではメンブランフィ
ルターを通過するがウイルスと接触するとウイルスのメ
ンブランフィルターの通過を阻止する物質、即ち安全
な、かつ、水溶性粘質高分子化合物である物質、例えば
ヒアルロン酸またはアルギン酸の存在下において、メン
ブランフィルターによって濾過することにより達成され
る。
【0008】したがって本発明は、生体に安全な、か
つ、それ自体ではメンブランフィルターを通過するがウ
イルスと接触するとウイルスのメンブランフィルターの
通過を阻止する物質からなる濾過助剤、ならびに、その
濾過助剤の存在下、被処理液をメンブランフィルターで
処理する濾過方法を提供する。
【0009】(1)出発原料(被処理液) 本発明で適用される出発原料は、当該ウイルスが混入し
ている水または蛋白質やその他の有用成分を含有する溶
液である。例えば、人血漿蛋白質,尿由来蛋白等を含有
する生体由来の溶液が例示される。また、遺伝子工学的
にウイルスをベクターとして用いて発現させた蛋白質を
含有する溶液も、蛋白質回収液中にウイルスを含有する
という点で例示される。更に、ウイルスの研究試料等も
含まれる。本発明の処理対象は、これら記述したものに
限定されるものではなく、広く当該ウイルスの混入が考
えられる試料或いはウイルスを含有する試料である。そ
して、本発明の処理は、原料を溶液状態とすることが必
須である。
【0010】(2)対象とされるウイルス 本発明において除去あるいは濃縮の対象とされるウイル
スは、ヘルペスウイルス,バキュロウイルス,ワクチニ
アウイルス,センダイウイルス,ニューカッスル病ウイ
ルス(NDV)等が例示される。
【0011】(3)メンブランフィルター 本発明で使用されるメンブランフィルターのポアサイズ
(孔径)と膜の材質は対象とされるウイルス並びに生体
に安全な、かつ、それ自体ではメンブランフィルターを
通過するがウイルスと接触するとウイルスのメンブラン
フィルターの通過を阻止する物質の種類により最適の組
合せが選択される。すなわち、メンブランフィルターの
孔径と膜の材質は使用する濾過助剤がウイルスと接触す
るとウイルスの通過を阻止するかどうか実験的追試によ
り決定される。例えばウイルスの除去を目的とする場
合、有効なウイルス除去効率を得るために、ポアサイズ
は0.45μm以下のものが好ましい。
【0012】たとえば、被処理液に蛋白が共存せず、対
象ウイルスが単純ヘルペス1型ウイルス(ヘルペスシン
プレックスtype−1)等のヘルペスウイルスであっ
て、膜のポアサイズが0.45〜0.22μmの場合、
膜の材質はセルロース混合エステルがよい結果を与え
る。被処理液に蛋白が共存する場合は、ポアサイズ0.
22μm以下のセルロース混合エステルあるいはポリ弗
化ビニリデンにより良好なウイルス除去ができる。
【0013】(4)濾過助剤 生体に安全な、かつ、それ自体ではメンブランフィルタ
ーを通過するが、ウイルスと接触するとウイルスのメン
ブランフィルターの通過を阻止する物質は、そのような
特性を有する物質であれば何でもよい。そのような物質
としては生体に安全であることが知られた水溶性粘質高
分子化合物が挙げら、本発明は、生体に安全な、かつ、
それ自体ではメンブランフィルターを通過するがウイル
スと接触するとウイルスのメンブランフィルターの通過
を阻止する水溶性粘質高分子化合物からなる濾過助剤、
ならびに、被処理液を、上記水溶性粘質高分子化合物か
らなる濾過助剤の存在下、メンブランフィルターで処理
する濾過方法を提供する。
【0014】上記水溶性粘質高分子化合物としては、水
溶性粘質多糖類が例示され、本発明は、生体に安全な、
かつ、それ自体ではメンブランフィルターを通過するが
ウイルスと接触するとウイルスのメンブランフィルター
の通過を阻止する水溶性粘質多糖類からなる濾過助剤、
ならびに、被処理液を、上記水溶性粘質多糖類からなる
濾過助剤の存在下、メンブランフィルターで処理する濾
過方法を提供する。水溶性粘質多糖類としては、後に詳
述するクリコサミノグリカン、グリクロナン(ポリウロ
ン酸)のほか、メチルセルロース、デキストラン、ペク
チン、デンプン、アラビアガム、グアーガム等が例示さ
れる。
【0015】上記水溶性粘質多糖類としては、水溶性粘
質酸性多糖類が例示され、本発明は、生体に安全な、か
つ、それ自体ではメンブランフィルターを通過するがウ
イルスと接触するとウイルスのメンブランフィルターの
通過を阻止する水溶性粘質酸性多糖類からなる濾過助
剤、ならびに、被処理液を、上記水溶性粘質酸性多糖類
からなる濾過助剤の存在下、メンブランフィルターで処
理する濾過方法を提供する。
【0016】上記水溶性粘質酸性多糖類としては、特に
グリコサミノグリカン(ムコ多糖)が生体に対する安全
性およびウイルスを捕捉する効果が高い点で好ましい。
したがって本発明は、生体に安全な、かつ、それ自体で
はメンブランフィルターを通過するがウイルスと接触す
るとウイルスのメンブランフィルターの通過を阻止する
グリコサミノグリカンからなる濾過助剤、ならびに、被
処理液を、上記グリコサミノグリカンからなる濾過助剤
の存在下、メンブランフィルターで処理する濾過方法を
提供する。
【0017】本発明で使用するグリコサミノグリカンと
しては、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、ヒアル
ロン酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケ
ラタン硫酸、ケラトポリ硫酸またはその誘導体(アシル
化体、硫酸化体、脱アシル化体、脱硫酸化体等)等が例
示される。これらは、好ましくはその生理的に許容され
る塩であって水溶性のものが使用される。これらは軟
骨、鶏冠、臍帯などのような生体成分から抽出して得ら
れるもの、発酵法で生産されるもの、酵素的もしくは化
学的に合成もしくは修飾されたものなど公知の方法で得
られるものなどその由来、製法には限定されない。その
分子量も特に限定されない。
【0018】また、水溶牲粘質酸性多糖類が例えばアル
ギン酸等のグリクロナン(ポリウロン酸)である場合、
本発明は、生体に安全な、かつ、それ自体ではメンブラ
ンフィルターを通過するがウイルスと接触するとウイル
スのメンブランフィルターの通過を阻止するアルギン酸
等のグリクロナンからなる濾過助剤、ならびに、被処理
液を、上記アルギン酸等のグリクロナンからなる濾過助
剤の存在下、メンブランフィルターで処理する濾過方法
を提供する。
【0019】本発明では、最も好ましくは水溶性粘質高
分子化合物としてヒアルロン酸またはその塩が使用さ
れ、ヒアルロン酸のアルカリ金属(ナトリウム、カリウ
ム等)塩、アミン(トリ−n−ブチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン等)塩等が使用される。ヒアルロン
酸の分子量は特に限定されないが、通常、平均分子量が
約50万〜350万、より好ましくは80〜120万の
もので、精製されたものを使用する。精製度が低いもの
だと、不純物の濾液中への混入が危惧されるため、精製
された生体に安全なものを使用する。
【0020】したがって本発明は、生体に安全な、か
つ、それ自体ではメンブランフィルターを通過するがウ
イルスと接触するとウイルスのメンブランフィルターの
通過を阻止するヒアルロン酸からなる濾過助剤、ならび
に、被処理液を、上記ヒアルロン酸からなる濾過助剤の
存在下、メンブランフィルターで処理する濾過方法を提
供する。
【0021】以下、ヒアルロン酸ナトリウム(以下、単
に「ヒアルロン酸」ということもある。)またはアルギ
ン酸ナトリウム(以下、単に「アルギン酸」ということ
もある。)を使用した場合について説明をする。 (5)処理条件 ウイルス除去を目的とする場合、対象となる試料へ、あ
らかじめヒアルロン酸を加え、ヒアルロン酸の終濃度が
5mg/ml以上、粘度として、ズリ速度(S−1)1
〜40のとき、みかけ粘度1500〜150mPa・s
を示す条件となるようにする。このヒアルロン酸含有試
料を、メンブランフィルターにて濾過する。加圧の程度
はヒアルロン酸の分子量、濃度、粘度によって異なる。
たとえば、0.45μmでは、ヒアルロン酸:10mg
/mlまで低圧で濾過可能であり、0.22μmでは、
ヒアルロン酸:10mg/mlでは高圧が必要となる。
【0022】特に、本発明は、生体に安全な、かつ、そ
れ自体では0.45μm以下のセルロース混合エステル
膜またはポリ弗化ビニリデン膜からなるメンブランフィ
ルターを通過するがウイルスと接触するとウイルスの該
メンブランフィルターの通過を阻止するヒアルロン酸ま
たはアルギン酸からなる濾過助剤;ならびに、被処理液
を、生体に安全な、かつ、それ自体では0.45μm以
下のセルロース混合エステル膜またはポリ弗化ビニリデ
ン膜からなるメンブランフィルターを通過するがウイル
スと接触するとウイルスの該メンブランフィルターの通
過を阻止するヒアルロン酸またはアルギン酸からなる濾
過助剤の存在下、該メンブランフィルターで処理する濾
過方法を提供する。
【0023】被処理液が蛋白が存在するものである場
合、メンブランフィルターとして0.22μm以下のセ
ルロース混合エステル膜あるいはポリ弗化ビニリデン膜
を用いることが好ましい。その場合、ヒアルロン酸を終
濃度としてヒアルロン酸ナトリウム5mg/ml以上添
加して行う。または、アルギン酸を終濃度としてアルギ
ン酸ナトリウム10mg/ml以上添加して行う。メン
ブランフィルターで処理後、メンブランフィルターを通
過した濾過助剤を分離もしくは分解して除去することが
できる。
【0024】したがって本発明は、蛋白が存在する被処
理液用濾過助剤であって、生体に安全な、かつ、それ自
体では0.22μm以下のセルロース混合エステル膜ま
たはポリ弗化ビニリデン膜からなるメンブランフィルタ
ーを通過するが、ウイルスと接触するとウイルスの通過
を阻止するアルギン酸からなる濾過助剤;ならびに、蛋
白が存在する被処理液を、生体に安全な、かつ、それ自
体ではウイルスと接触すると0.22μm以下のセルロ
ース混合エステル膜またはポリ弗化ビニリデン膜からな
るメンブランフィルターを通過するがウイルスと接触す
るとウイルスの該メンブランフィルターの通過を阻止す
るアルギン酸を濾過助剤として、アルギン酸を終濃度と
してアルギン酸ナトリウムを10mg/ml以上添加し
て該メンブランフィルターで処理する濾過方法を提供す
る。
【0025】また本発明は、蛋白が存在する被処理液用
濾過助剤であって、生体に安全な、かつ、それ自体では
0.22μm以下のセルロース混合エステル膜またはポ
リ弗化ビニリデン膜からなるメンブランフィルターを通
過するがウイルスと接触するとウイルスの該メンブラン
フィルターの通過を阻止するヒアルロン酸からなる蛋白
が存在する被処理液用濾過助剤;ならびに、蛋白が存在
する被処理液を、生体に安全な、かつ、それ自体では
0.22μm以下のセルロース混合エステル膜またはポ
リ弗化ビニリデン膜からなるメンブランフィルターを通
過するがウイルスと接触するとウイルスの該メンブラン
フィルターの通過を阻止するヒアルロン酸を濾過助剤と
して、ヒアルロン酸を終濃度としてヒアルロン酸ナトリ
ウム5mg/ml以上添加して該メンブランフィルター
で処理する濾過方法を提供する。
【0026】濾過条件は、含有ウイルス量や回収目的の
蛋白質の性質に応じて、適宜設定することが出来る。す
なわち、ヒアルロン酸の終濃度と、膜のポアサイズにつ
いて、ヒアルロン酸の濃度あるいは分子量を上げるとウ
イルスの除去効率は上がるが濾過時間が延長し、ポアサ
イズを小さくするとウイルスの除去効率は上がるが濾過
時間が延長する、という関係を参考にしながら、最適条
件を決める。ウイルスの種類によっても異なることはい
うまでもない。
【0027】(6)精製 メンブランフィルターを通過した水溶性粘質高分子化合
物は、目的物質との分子量、電荷の差によって分画除去
したり、濾過助剤のみを特異的に分解する手段(たとえ
ば、固定化酵素を用いた酵素分解)によって分解除去す
ることも可能である。特に、ヒアルロン酸は、非常に分
子量サイズの大きな高分子多糖体であり、特殊な蛋白
(ヒアルロネクチンなどごく少数の蛋白)を除き、通常
の蛋白質はゲル濾過法等により容易に分画できる。ヒア
ルロン酸を酵素分解するためにはヒアルロニダーゼ、コ
ンドロイチナーゼABC、コンドロイチナーゼAC等を
使用することができる。
【0028】したがって本発明は、被処理液を、生体に
安全な、かつ、それ自体ではメンブランフィルターを通
過するがウイルスと接触するとウイルスのメンブランフ
ィルターの通過を阻止するヒアルロン酸からなる濾過助
剤の存在下、メンブランフィルターで処理し、その後メ
ンブランフィルターを通過した濾過助剤を濾液から分離
もしくは分解して除去する濾過方法を提供する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。本
発明は、実施例によって限定されるものではない。
【0030】実施例1 単純ヘルペス1型ウイルス(HSV−1)を含有する培
地〔2%牛血清含有イーグル(Eagle) MEM培
地〕とヒアルロン酸ナトリウム水溶液(5mg/ml,
リン酸緩衝食塩水,pH7.4)を1:9の割合で混合
したもの(なお、この被処理液中には、ウイルス溶液中
の牛血清が、終濃度として0.2%存在)を、メンブラ
ンフィルター(0.45μm:マイレックスHA,ミリ
ポア社)にて濾過した。この濾液中のウイルス量を、宿
主細胞としてVero細胞を用い、ブラーク形成法によ
りその感染価を測定した。この結果を表1(ウイルス含
有試料の濾過前と濾過後におけるウイルス量の変動)に
示した。表に示したように、ウイルス含有培地中へヒア
ルロン酸が添加されない場合と添加された場合におい
て、その両者の間で、ウイルスの膜透過量に著しい差が
認められた。なお、ヒアルロン酸自身によるウイルスの
不活化はまったく認められなかった。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 ウイルス膜透過量に対するヒアルロン酸濃度とメンブラ
ンフィルターのポアサイズ並びに材質について表2(ウ
イルス除去効率に及ぼす膜のポアサイズと材質、並びに
ヒアルロン酸添加濃度の影響)に示したごとく検討し
た。実験操作は、実施例1と同様に行った。その結果、
ポアサイズを0.22μm,0.45μm,0.88μ
mで比較すると、0.22μmがウイルスの膜透過量が
最も少なかった。ヒアルロン酸添加濃度については、そ
の終濃度が高い程有効であると考えられた。膜の材質に
ついて同一ポアサイズ(0.45μm)で、セルロース
混合エステルとポリ弗化ビニリデンで比較した結果、セ
ルロース混合エステルの方がウイルスの膜透過量は顕著
に少なかった。
【0033】
【表2】
【0034】以上の結果から、蛋白が共存しない被処理
液について、ウイルス除去を行う好適な条件として以下
に記載する条件が考えられる。 1)ヒアルロン酸添加濃度:終濃度5mg/ml以上 2)ポアサイズ:0.22〜0.45μm 3)膜の材質:セルロース混合エステル 4)pH:中性付近,温度;室温で可, 5)圧:特別な高圧を必要としない。 (0.22μmでヒアルロン酸10mg/ml以上の場
合のみ、高圧が必要となる)
【0035】実施例3 ヒアルロン酸濃度のウイルスの膜透過量へ及ぼす影響
を、牛血清(以下、「血清」と略す。)存在下(終濃度
1.0と5.0%)において、セルロース混合エステル
膜(0.22μm:マイレックスGS,ミリポア社)と
ポリ弗化ビニリデン膜(0.22μm:マイレックスG
V,ミリポア社)を用いて、図1(血清1%存在下にお
けるウイルスの膜透過量へ及ぼすヒアルロン酸濃度の影
響)および図2(血清5%存在下におけるウイルスの膜
透過量へ及ぼすヒアルロン酸濃度の影響)に示したごと
く検討した。図1においてGS(血清1.0%)は0.
22μmのセルロース混合エステル膜(マイレックスG
S)、GV(血清1.0%)は0.22μmのポリ弗化
ビニリデン膜(マイレックスGV)を用いた場合の結果
を表す。図2においてGS(血清5.0%)は0.22
μmのセルロース混合エステル膜(マイレックスG
S)、GV(血清5.0%)は0.22μmのポリ弗化
ビニリデン膜(マイレックスGV)を用いた場合の結果
を表す。なお、これらの実験に用いたウイルス含有試料
の濾過前のウイルス濃度は4×10PFU/mlであ
った。実験操作は、実施例1と同様に行った。
【0036】その結果、セルロース混合エステル膜なら
びにポリ弗化ビニリデン膜は、ともにヒアルロン酸の添
加濃度が増加するに伴って、ウイルスの膜透過量は減少
した。血清蛋白の存在下の影響については、セルロース
混合エステル膜で血清蛋白量の増加に伴って、ウイルス
の膜透過量の増加が認められたが、牛血清5%において
も、ヒアルロン酸2.5mg/ml以上で、ウイルス除
去効果は維持された。ポリ弗化ビニリデン膜において
は、血清蛋白によるウイルスの膜透過量の変動は認めら
れなかった。
【0037】実施例4 血清蛋白濃度のウイルスの膜透過量へ及ぼす影響を、ヒ
アルロン酸非存在下ならびに存在下において、セルロー
ス混合エステル膜(0.22μm:マイレックスGS,
ミリポア社)とポリ弗化ビニリデン膜(0.22μm:
マイレックスGV,ミリポア社)を用いて、図3(ウイ
ルスの膜透過量に及ぼす血清濃度の影響)に示したごと
く検討した。図3において、GS(ヒアルロン酸5mg
/ml存在下)は0.22μmセルロース混合エステル
膜(マイレックスGS)、GV(ヒアルロン酸5mg/
ml存在下)は、0.22μmのポリ弗化ビニリデン膜
(マイレックスGV)をヒアルロン酸5mg/ml存在
下で、膜濾過を行った結果を表し、GS(ヒアルロン非
存在下)は、0.22μmセルロース混合エステル膜
(マイレックスGS)、GV(ヒアルロン酸非存在下)
は、0.22μmポリ弗化ビニリデン膜(マイレックス
GV)をヒアルロン酸非存在下で膜濾過を行った結果を
表す。実験操作は、実施例1と同様に行った。
【0038】その結果、セルロース混合エステル膜なら
びにポリ弗化ビニリデン膜の0.22μmのポアサイズ
を用いた場合、両者の膜において、ヒアルロン酸非存在
下のものと比べヒアルロン酸(終濃度5mg/ml)存
在下のものは、血清蛋白が高濃度存在しても、ウイルス
の膜透過量を顕著に減少させた。
【0039】実施例5 他の粘質多糖類としてアルギン酸(アルギン酸ナトリウ
ム:500〜600cp,和光純薬工業)を用いて、ヒ
アルロン酸との比較検討を0.22μmのポリ弗化ビニ
リデン膜を用いて、図4(ウイルスの膜透過量へ及ぼす
アルギン酸の影響を、ヒアルロン酸と比較した結果)に
示したごとく行った。図4において、GV(アルギン
酸)は、アルギン酸(0,1.0,2.5,5.0,
7.5mg/ml)存在下での膜濾過を行った結果を表
し、GV(ヒアルロン酸)は、ヒアルロン酸を同様の濃
度の存在下で膜濾過を行った結果を表す。なお、濾過膜
としては、両者ともに0.22μmのポリ弗化ビニリデ
ン膜(マイレックスGV)を用いた。実験操作は、実施
例1と同様に行った。
【0040】その結果、アルギン酸においても、ヒアル
ロン酸と同様のウイルス除去効果が認められた。ウイル
スの膜透過量が、ヒアルロン酸に比べ、アルギン酸にお
いて高いのは、両者は同一濃度においては、アルギン酸
の方がヒアルロン酸より粘性が低いためと考えられる。
アルギン酸においても、十分な粘性を与える濃度とすれ
ば、良好なウイルス除去における濾過助剤となり得ると
考えられる。
【0041】
【発明の効果】公知のフィルターによる微生物の分離方
法がもつ利点をすべてそなえたままで、本発明は、非常
に簡便かつ迅速に、ウイルスを除去あるいは濃縮するこ
とができる。処理液へ添加する生体に安全な水溶性粘質
高分子化合物、例えばヒアルロン酸は、生体への毒性も
なく、また蛋白とも吸着しないことから、濾過助剤とし
て使用しても、濾液中の目的成分の回収は容易にでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】血清1%存在下におけるウイルスの膜透過量へ
及ぼすヒアルロン酸濃度の影響を示した説明図である。
【図2】血清5%存在下におけるウイルスの膜透過量へ
及ぼすヒアルロン酸濃度の影響を示した説明図である。
【図3】ウイルスの膜透過量に及ぼす血清濃度の影響を
示した説明図である。
【図4】ウイルスの膜透過量へ及ぼすアルギン酸の影響
を、ヒアルロン酸と比較した結果を示した説明図であ
る。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に安全な、かつ、それ自体ではメン
    ブランフィルターを通過するがウイルスと接触するとウ
    イルスのメンブランフィルターの通過を阻止する物質か
    らなる濾過助剤。
  2. 【請求項2】 上記物質が水溶性粘質高分子化合物であ
    る請求項1記載の濾過助剤。
  3. 【請求項3】 上記水溶性粘質高分子化合物が水溶性粘
    質多糖類である請求項2記載の濾過助剤。
  4. 【請求項4】 上記水溶性粘質多糖類が水溶性粘質酸性
    多糖類である請求項3記載の濾過助剤。
  5. 【請求項5】 上記水溶生粘質酸性多糖類がグリコサミ
    ノグリカンまたはグリクロナンである請求項4記載の濾
    過助剤。
  6. 【請求項6】 上記グリコサミノグリカンがヒアルロン
    酸である請求項5記載の濾過助剤。
  7. 【請求項7】 上記グリクロナンがアルギン酸である請
    求項5記載の濾過助剤。
  8. 【請求項8】 被処理液を、生体に安全な、かつ、それ
    自体ではメンブランフィルターを通過するがウイルスと
    接触するとウイルスのメンブランフィルターの通過を阻
    止する物質からなる濾過助剤の存在下、メンブランフィ
    ルターで処理する濾過方法。
  9. 【請求項9】 上記物質が水溶性粘質高分子化合物であ
    る請求項8記載の濾過方法。
  10. 【請求項10】 上記水溶性粘質高分子化合物が水溶性
    粘質多糖類である請求項9記載の濾過方法。
  11. 【請求項11】 上記水溶性粘質多糖類が水溶性粘質酸
    性多糖類である請求項10記載の濾過方法。
  12. 【請求項12】 上記水溶性粘質酸性多糖類がグリコサ
    ミノグリカンまたはグリクロナンである請求項11記載
    の濾過方法。
  13. 【請求項13】 上記グリコサミノグリカンがヒアルロ
    ン酸である請求項12記載の濾過方法。
  14. 【請求項14】 メンブランフィルターとしてポアサイ
    ズ0.22μm以下のセルロース混合エステル膜または
    ポリ弗化ビニリデン膜を用いる請求項13記載の濾過方
    法。
  15. 【請求項15】 被処理液は蛋白を含有するものである
    請求項14記載の濾過方法。
  16. 【請求項16】 ヒアルロン酸を被処理液中に終濃度が
    ヒアルロン酸ナトリウムとして5mg/ml以上となる
    ように存在させて行う請求項15記載の濾過方法。
  17. 【請求項17】 上記グリクロナンがアルギン酸である
    請求項12記載の濾過方法。
  18. 【請求項18】 メンブランフィルターとしてポアサイ
    ズ0.22μm以下のセルロース混合エステル膜または
    ポリ弗化ビニリデン膜を用いる請求項17記載の濾過方
    法。
  19. 【請求項19】 被処理液は蛋白を含有するものである
    請求項18記載の濾過方法。
  20. 【請求項20】 アルギン酸を被処理液中に終濃度がア
    ルギン酸ナトリウムとして10mg/ml以上となるよ
    うに存在させて行う請求項19記載の濾過方法。
  21. 【請求項21】 メンブランフィルターで処理後、メン
    ブランフィルターを通過した濾過助剤を濾液から分離も
    しくは分解して除去する請求項8記載の濾過方法。
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