JP2011189742A - 空隙を有する発泡成形体の製造方法 - Google Patents

空隙を有する発泡成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱性、軽量性及び吸音性に優れ、向上した耐薬品性と曲げ強度とを有する空隙を有する発泡成形体を提供する。
【解決手段】嵩密度が0.012〜0.20g/cm3であると共に、ATR法赤外分光分析により測定された粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる698cm-1及び2850cm-1での吸光度比(D698/D2850)が0.1〜2.5の範囲であり、粒子表面のポリオレフィン量が51〜90重量%であり、ポリオレフィン樹脂成分100重量部に対して、スチレン系樹脂成分を100〜1000重量部含有するスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を発泡成形することにより5〜50%の空隙率を有する発泡成形体を得ることを特徴とする空隙を有する発泡成形体の製造方法による。
【選択図】図8

Description

本発明は、空隙を有する発泡成形体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、断熱性、軽量性及び吸音性に優れ、しかも著しく向上した耐薬品性と曲げ強度とを備えた空隙を有する発泡成形体の製造方法に関する。本発明により得られた発泡成形体は、自動車内装材のような工業部材や建設資材等として好適に利用できる。
一般に、ポリエチレン系樹脂の発泡体は、弾性が高く、耐衝撃性に優れているので、包装資材として使用されている。しかし、剛性が低く圧縮強度が弱い等という短所を有している。一方、スチレン系樹脂の発泡体は、剛性には優れているが、脆いという短所を有している。
このような欠点を改良する方法として、特公昭51−46138号公報(特許文献1)、特公昭52−10150号公報(特許文献2)、特公昭58−53003号公報(特許文献3)、特開昭62−59642号公報(特許文献4)では、ポリエチレン系樹脂にスチレンモノマーを含浸させて重合を行い、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡粒子を得る方法が提案されている。
また、スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡体小片を金型内で加熱発泡させて小片相互を融着させて得られる発泡成形体として、小片間に10〜40%の空隙を有するように小片同士が融着しているスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡成形体が特開平7−80873号公報(特許文献5)に記載されている。
特公昭51−46138号公報 特公昭52−10150号公報 特公昭58−53003号公報 特開昭62−59642号公報 特開平7−80873号公報
特公昭51−46138号公報等に記載された方法で得られた改質樹脂粒子は、特にその表面部付近においてポリオレフィン系樹脂の割合が50重量%より少なくなり易い。このような改質樹脂粒子は、充分な耐薬品性を発揮できないものとなり易い。
また、特開平7−80873号公報に記載された発泡成形体は、暗渠排水材としての使用を目的に、その使用に十分耐え得る圧縮強度と安定的に所望の空隙率を得ることができるとされている。このような空隙率を設けた発泡成形品は、良好な吸音性能も発揮できる。
しかしながら、この公報の発泡成形体でも、上述したとおり耐薬品性が不十分であり、更には所望の空隙率を設けた発泡成形品であるが故に、自動車内装材のような工業部材として使用するには、強度(例えば曲げ強度)が不十分であり、その使用に耐えないことが判明した。
本発明は、上記した課題を解決するためなされたもので、耐薬品性を改善し、更に所望の空隙率を設けて良好な吸音性能を発揮させ、かつ曲げ強度をも向上させた発泡成形品を提供することを目的とする。
かくして本発明によれば、嵩密度が0.012〜0.20g/cm3であると共に、ATR法赤外分光分析により測定された粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる698cm-1及び2850cm-1での吸光度比(D698/D2850)が0.1〜2.5の範囲であり、粒子表面のポリオレフィン量が51〜90重量%であり、ポリオレフィン樹脂成分100重量部に対して、スチレン系樹脂成分を100〜1000重量部含有するスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を発泡成形することにより5〜50%の空隙率を有する発泡成形体を得ることを特徴とする空隙を有する発泡成形体の製造方法が提供される。
本発明で得られる発泡成形体は、以下の構成を有するスチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子から得られた発泡成形体である。すなわち、発泡成形体は、0.1〜2.5の範囲の吸光度比(D698/D2850)を有する予備発泡粒子から得られる。そのため、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂の種類によっても異なるが、予備発泡粒子の表面近傍部におけるポリオレフィン系樹脂の割合は、約50重量%以上とすることができる。予備発泡粒子全体では、ポリオレフィン系樹脂の配合量は、スチレン系樹脂の配合量以下であることから考慮すると、予備発泡粒子表面でポリオレフィン系樹脂がスチレン系樹脂よりも豊富な状態となっていることがわかる。
このように粒子表面部にはポリオレフィン系樹脂の割合は、約50重量%以上となるので、発泡成形体の耐薬品性を改善でき、更に所望の空隙率を設けた発泡成形品であっても、粒子同士の融着強度を上げることができる。よって、従来では発揮できなかった耐薬品性と高い曲げ強度とを備えた空隙を有する発泡成形体を得ることができる。
実施例1で得られたスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の表面をSEMを用いて撮影した電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の表面近傍部断面をTEMを用いて撮影した電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の表面近傍部断面をTEMを用いて撮影した電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られたスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の中心部断面をTEMを用いて撮影した電子顕微鏡写真である。 スチレン系樹脂の抽出処理を施した後のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子(実施例1)の表面をSEMを用いて撮影した電子顕微鏡写真である。 実施例1で用いられた重合容器の概略断面図である。 実施例5で用いられた重合容器の概略断面図である。 スチレン系樹脂量と吸光度比の関係を示す検量線である。 発泡成形機の概略図である。
本発明において発泡成形体は、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と称する)を発泡成形することにより得られ、5〜50%の空隙率を有している。
予備発泡粒子は、ポリオレフィン樹脂成分100重量部に対して、スチレン系樹脂成分を100〜1000重量部含有している。
まず、発泡成形体製造用の予備発泡粒子について説明する。
予備発泡粒子は、改質樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子とし、発泡性樹脂粒子を発泡させることで得られる。
ここで、用語「スチレン改質ポリオレフィン系樹脂」とは、スチレン系樹脂をポリオレフィン系樹脂で改質した樹脂を意味する。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、公知の重合方法で得られた樹脂が使用できる。また、ポリオレフィン系樹脂は、構造中にベンゼン環を含まない樹脂を使用することが好ましい。更に、ポリオレフィン系樹脂は、架橋していてもよい。例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体等のポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂が挙げられる。この内、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。これらの低密度ポリエチレンは、0.91〜0.94g/cm3の密度を有することが好ましく、0.91〜0.93g/cm3の密度を有することがより好ましい。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系モノマーに由来する樹脂が挙げられる。更に、スチレン系樹脂は、スチレン系モノマーと、スチレン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。他のモノマーとしては、ジビニルベンゼンのような多官能性モノマーや、(メタ)アクリル酸ブチルのような構造中にベンゼン環を含まない(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が例示される。これら他のモノマーは、実質的にスチレン系樹脂に対して5重量%を超えない範囲で使用してもよい。
スチレン系樹脂のGPC測定によるz平均分子量は、35万〜110万であることが好ましく、45万〜95万がより好ましい。z平均分子量が、35万より低いと、予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体の強度が低下することがあるため好ましくない。一方、110万より高いと、予備発泡粒子の二次発泡性が低下し、予備発泡粒子同士の融着性が低下して発泡成形体の強度が低下することがあるので好ましくない。
スチレン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して100〜1000重量部の範囲のスチレン系モノマーから形成される。好ましいスチレン系モノマーの配合量は、120〜800重量部であり、130〜700重量部がより好ましい。
配合量が1000重量部より多いと、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡成形体の耐薬品性及び耐衝撃性が低下するため好ましくない。一方、配合量が100重量部より少ないと、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡成形体の剛性が低下するため好ましくない。
予備発泡粒子は、0.012〜0.20g/cm3の嵩密度を有する。好ましい嵩密度は、0.014〜0.15g/cm3である。
嵩密度が0.012g/cm3より小さいと、発泡粒子の独立気泡率が低下して、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の強度が低下するため好ましくない。一方、0.20g/cm3より大きいと、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の重量が増加するので好ましくない。なお、嵩密度の測定法は、実施例の欄で説明する。
更に、予備発泡粒子は、その表面を、ATR法赤外分光分析により測定して得られた赤外線吸収スペクトルから、0.1〜2.5の範囲の698cm-1及び2850cm-1の吸光度比(D698/D2850)を有している。好ましい吸光度比は、0.2〜2.0であり、0.4〜2.0がより好ましい。なお、粒子表面は、表面から深さ数μmまでの領域を含む。
吸光度比が、2.5より高いと、予備発泡粒子の表面におけるポリオレフィン系樹脂の比率が低下する。その結果、予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体の耐薬品性及び耐衝撃性が低下するので好ましくない。吸光度比が0.1より低いと、予備発泡粒子表面からの発泡剤の逸散が顕著になることにより、型内での成形において粒子同士の融着が悪くなって耐衝撃性が逆に低下したり、収縮等による発泡成形体の外観の仕上がり状態が悪くなったりする傾向があるので好ましくない。加えて、予備発泡粒子を製造する際に、スチレン系モノマーのポリオレフィン系樹脂粒子への含浸、重合に要する時間が長くなって製造効率が低下するので好ましくない。
ここで、本発明におけるATR法赤外分光分析とは、全反射吸収(Attenuated Total Reflectance)を利用する一回反射型ATR法により赤外吸収スペクトルを測定する分析方法である。この分析方法は、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外線を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する方法である。
ATR法赤外分光分析は、試料とATRプリズムとを密着させるだけでスペクトルを測定できるという簡便さ、深さ数μmまでの表面分析が可能である等の理由で高分子材料等の有機物をはじめ、種々の物質の表面分析に広く利用されている。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる698cm-1での吸光度D698は、スチレン系樹脂に主に含まれるベンゼン環の面外変角振動に由来する698cm-1付近に現われるピークの高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる2850cm-1での吸光度D2850は、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂の双方に含まれるメチレン基のC−H間伸縮振動に由来する2850cm-1付近に現われるピークの高さをいう。
吸光度比からスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の組成割合を求めることが可能である。即ち、スチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを所定の組成割合に均一に混合してなる複数種類の標準試料を後述の要領で作製する。各標準試料についてATR法赤外分光分析により粒子表面分析を行なって赤外線吸収スペクトルを得る。測定した赤外吸収スペクトルのそれぞれから吸光度比を算出する。
そして、横軸に組成割合(標準試料中のスチレン系樹脂の重量比)を、縦軸に吸光度比をとることで、検量線を描く。この検量線に基づいて、予備発泡粒子の吸光度比から、スチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂のおおよその組成割合を求めることができる。
例えば、ポリオレフィン系樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ポリケム社製商品名「LV−121」)、スチレン系樹脂がポリスチレン(積水化成工業社製商品名「MS142」)の場合、図8に示す検量線を用いることで、おおよその組成割合を知ることができる。例えば、吸光度比が1.0の場合には、ポリオレフィン系樹脂が約76〜82重量%、スチレン系樹脂が約24〜18重量%、吸光度比が2.5の場合にはポリオレフィン系樹脂が約51〜57重量%、スチレン系樹脂が約49〜43重量%であると算出できる。検量線の作成条件は、以下の方法による。
上記標準試料は、次の方法により得られる。まず、組成割合(スチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂)が下記比率になるようにスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を合計2g精秤する。これを小型射出成形機にて下記条件下に加熱混練して、直径が25mmでかつ高さが2mmの円柱状に成形することによって標準試料が得られる。なお、小型射出成形機としては、例えば、CSI社から商品名「CS−183」で販売されているものを用いることができる。
射出成形条件:加熱温度200〜250℃、混練時間10分
組成割合(スチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂;重量比):
0.5/9.5、1/9、2/8、3/7、4/6、5/5、6/4、7/3、9/1
上記比率の標準試料の吸光度比を測定し、ポリスチレン量と吸光度比の関係をグラフ化することで、図8の検量線が得られる。
予備発泡粒子は、0.1〜2.5の吸光度比を有している。よって、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂の種類によっても異なるが、予備発泡粒子の表面近傍部におけるポリオレフィン系樹脂の割合は、約50重量%以上となる。予備発泡粒子全体では、ポリオレフィン系樹脂の配合量は、スチレン系樹脂の配合量以下であることからすると、予備発泡粒子表面でポリオレフィン系樹脂がスチレン系樹脂よりも豊富な状態となっていることがわかる。なお、予備発泡粒子全体におけるポリオレフィン系樹脂とスチレン系樹脂の合計量に対するポリオレフィン系樹脂の重量%は、9〜50重量%である。また、吸光度比が0.1以上であることから、予備発泡粒子表面には、スチレン樹脂が存在し、ポリオレフィン系樹脂が100重量%にはならない。
上記のような全体的にはスチレン系樹脂の配合量が大きく、表面においては、ポリオレフィン系樹脂の配合量が大きい予備発泡粒子は、従来の方法では入手できない、特殊な構造である。
予備発泡粒子の形態は、その後の二次発泡に影響を与えないものであれば、特に限定されない。例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状等が挙げられる。この内、型内への充填が容易である真球状、楕円球状が好ましい。
各予備発泡粒子の平均重量は、0.5〜5.0mgが好ましく、0.5〜3.0mgがより好ましい。0.5mgより軽いと、高発泡化が困難となることがあるため好ましくない。一方、5.0mgより重いと、予備発泡粒子が大きくなり過ぎて型内への充填性が低下するので好ましくない。なお、各予備発泡粒子の重量とは、任意に選択した200個の予備発泡粒子の平均重量をいう。
予備発泡粒子は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、タルク、珪酸カルシウム、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合体等の発泡核剤、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等の充填剤、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、ジイソブチルアジペート、流動パラフィン、グリセリンジアセトモノラウレート、やし油等の可塑剤、カーボンブラック、グラファイト等の着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
次に、予備発泡粒子の製造方法について説明する。
まず、ポリオレフィン系樹脂粒子が分散されている水性媒体中、スチレン系モノマー(使用されるポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して100〜1000重量部)を、ポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸させながら重合開始剤の存在下にて重合させてスチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子(以下、改質樹脂粒子とも称する)を得る(工程(a))。
スチレン系モノマーは、ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させるために、水系媒体に、連続的にあるいは断続的に添加できる。スチレン系モノマーは、水性媒体中に徐々に添加していくのが好ましい。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
更に、各ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量は、製造される予備発泡粒子の成形時の型内への充填し易さを考慮すると、0.10〜1.5mgが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量とは、任意に選択した100個のポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量をいう。また、ポリオレフィン系樹脂粒子の形態は、特に限定されない。例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状等が挙げられる。
スチレン系モノマーの配合量が1000重量部より多いと、ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸されずに、スチレン系樹脂単独の粒子が発生するため好ましくない。加えて、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡成形体の耐薬品性及び耐衝撃性が低下するため好ましくない。一方、スチレン系モノマーの配合量が100重量部より少ないと、ポリオレフィン系樹脂粒子への含浸、重合に要する時間が短くなるが、得られるスチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の発泡剤を保持する能力が低下して、高発泡化できなくなるので好ましくない。加えて、予備発泡粒子を二次発泡させて得られる発泡成形体の剛性が低下するため好ましくない。
なお、上記水性媒体中に分散剤を添加しておくことが好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
ここで、スチレン系モノマーの含浸及び重合工程は、最初に含浸を行いさえすれば別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。
同時に進行させる場合、ポリオレフィン系樹脂粒子中のスチレン系モノマーの含有量が0〜35重量%に維持されるようにスチレン系モノマーの添加速度を調整したり、重合温度を調整して、含浸及び重合することが好ましい。添加、含浸及び重合工程を連続で行う場合、含有量は、0.5〜35重量%であることが好ましく、0.5〜30重量%であることがより好ましい。
なお、上記含有量を算出する場合のポリオレフィン系樹脂粒子とは、ポリオレフィン系樹脂と含浸されたスチレン系モノマー、更に含浸されて既に重合したスチレン系樹脂とから構成された粒子を意味する。
スチレン系モノマーの含有量が35重量%より多いと、後述する範囲内に攪拌所要動力(Pv)を調整しても、所定の範囲の吸光度比の予備発泡粒子を得られない場合があるため好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂粒子及びスチレン系モノマーを含めた水性媒体が所定条件下にて攪拌される。具体的には、ポリオレフィン系樹脂粒子、スチレン系モノマー及び、必要に応じて他の分散物及び溶解物を含めた水性媒体1m3を攪拌させるのに要する攪拌所要動力(Pv)が、0.06〜0.8kw/m3となるように調整された攪拌条件である。攪拌所要動力は、0.08〜0.7kw/m3であることが好ましい。この攪拌所要動力は、反応容器内の内容物が攪拌により受けた、正味の単位体積当たりのエネルギーに対応する。
従来、水性媒体中でスチレン系モノマーをポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させて重合させる場合、水性媒体の攪拌が着目されることはなく、水性媒体を十分攪拌しうる条件下で行われている。従来における攪拌所要動力は、1〜2kw/m3程度であると推測される。これに対して、上記製造方法は、従来より攪拌所要動力を低くすることで、スチレン系モノマーの重合に伴って、ポリオレフィン系樹脂が改質樹脂粒子の表面近傍に局在化し、表面近傍でポリオレフィン系樹脂をリッチに含む改質樹脂粒子が得られることを意外にも見い出すことでなされている。
攪拌所要動力を所定範囲内に調整すると共に、ポリオレフィン系樹脂粒子中におけるスチレン系モノマーの含有量を所定量に調整することによって、スチレン系モノマーをポリオレフィン系樹脂粒子の中心部付近にまで充分に含浸させることが可能となる。その結果、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部にスチレン系モノマーを多く存在させた状態とし、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部から表面に向かってスチレン系モノマー量が徐々に減少した状態とすることができる。
更に、ポリオレフィン系樹脂粒子中に生成したスチレン系樹脂に、スチレン系モノマーが逐次吸収されながら重合していくので、ポリオレフィン系樹脂粒子は、スチレン系樹脂の生成に伴って、中心部に近づけば近づく程、スチレン系樹脂が豊富な状態になりながら大きな径に成長していく。
その結果、後述の要領で得られる予備発泡粒子は、その中心部ではスチレン系樹脂が高比率で含有されており、スチレン系樹脂にポリオレフィン系樹脂が層状に分散している。一方、表面近傍部では、ポリオレフィン系樹脂が高比率で含まれかつスチレン系樹脂がその割合を粒子表面に近づくにつれて徐々に減少させつつ小さくなりながらポリオレフィン系樹脂中に微分散した状態となっており、粒子表面は、スチレン系樹脂が殆どなくポリオレフィン系樹脂がより高い比率で存在した状態となっている。
攪拌所要動力が0.06kw/m3より低いと、水性媒体中におけるスチレン系モノマーの分散が不充分となって、スチレン系モノマーをポリオレフィン系樹脂粒子の中心部に充分に含浸させることが困難である。そのため、ポリオレフィン系樹脂粒子の表面近傍部においてスチレン系モノマーの重合が進行してしまって、得られる改質樹脂粒子の表面近傍部におけるポリオレフィン系樹脂の組成割合が減少することとなる。その結果、改質樹脂粒子を発泡させて得られる発泡成形体の耐薬品性及び耐衝撃性が低下することとなる。
逆に、攪拌所要動力が0.8kw/m3より高いと、改質樹脂粒子中でのスチレン系モノマーとポリオレフィン系樹脂の混合が進み、表面近傍部にポリオレフィン系樹脂をリッチに含む改質樹脂粒子は得難くなる。加えて、スチレン系モノマーを含浸して軟化したポリオレフィン系樹脂粒子が偏平状に変形してしまう場合がある。その場合、充分な二次発泡力を有する予備発泡粒子を得ることが困難となる。
ここで、攪拌所要動力は下記要領で測定したものをいう。
即ち、ポリオレフィン系樹脂粒子、スチレン系モノマー及び必要に応じて他の分散物並びに溶解物を含有する水性媒体を重合装置の重合容器内に供給し、攪拌翼を所定の回転数で回転させて水性媒体を攪拌する。このとき、攪拌翼を回転させるのに必要な回転駆動負荷を電流値A1(アンペア)として計測する。この電流値A1に実効電圧(ボルト)を乗じた値をP1(ワット)とする。
そして、重合装置の攪拌翼を重合容器内が空の状態で、上記と同一回転数で回転させ、攪拌翼を回転させるのに必要な回転駆動負荷を電流値A2(アンペア)として計測する。この電流値A2に実効電圧(ボルト)を乗じた値をP2(ワット)とし、下記式2によって攪拌所要動力を算出できる。なお、V(m3)は、ポリオレフィン系樹脂粒子、スチレン系モノマー及び必要に応じて他の分散物並びに溶解物を含めた水性媒体全体の体積である。
攪拌所要動力(Pv)=(P1−P2)/V・・・式2
重合容器の形状及び構造としては、従来からスチレン系モノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。
また、攪拌翼は、攪拌所要動力を所定の範囲に設定可能であれば、特に限定されない。具体的には、V型パドル翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、ファードラー翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内、パドル翼が好ましく、V型パドル翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、ファードラー翼、プルマージン翼がより好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。
また、攪拌翼の大きさについても、攪拌所要動力を所定の範囲に設定可能であれば、特に限定されない。
更に、重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
また、重合開始剤としては、スチレン系モノマーの重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
上記重合開始剤の水性媒体中への添加要領としては、特に限定されないが、下記要領で行なうことが好ましい。即ち、スチレン系モノマーの使用量が使用総量の90重量%に達するまでに、重合開始剤を、ポリオレフィン系樹脂粒子及びスチレン系モノマーの使用総量の0.02〜2.0重量%添加することが好ましい。重合開始剤は、より好ましくは使用総量の85重量%、特に80重量%に達するまでに添加することが好ましい。また、より好ましい重合開始剤の添加量は、使用総量に対して、0.10〜1.50重量%である。
上記添加要領によれば、ポリオレフィン系樹脂粒子中におけるスチレン系モノマーの重合速度を向上させて、得られる改質樹脂粒子の表面近傍部におけるポリオレフィン系樹脂の組成割合を多くすることができる。その結果、改質樹脂粒子を発泡成形して得られる発泡成形体の強度を向上できる。
更に、重合開始剤の添加は、上記所定量まで、重合開始剤を含有するスチレン系モノマーを介して行うことが好ましい。残りのスチレン系モノマーは、重合開始剤を含まないモノマーを使用できる。
重合開始剤を含有するスチレン系モノマーを使用する理由としては、以下の理由が考えられる。
即ち、重合開始剤をスチレン系モノマーに含有させた上でポリオレフィン系樹脂粒子中に吸収させることによって、重合開始剤をスチレン系モノマーと共にポリオレフィン系樹脂粒子の中心部に効果的に含浸させられる。そのため、スチレン系モノマーの重合工程の早い段階から、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部に、優先的にスチレン系モノマーの重合に必要な量の重合開始剤を供給することができる。その結果、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部において優先的にスチレン系モノマーを重合させることができる。
次に、重合開始剤を含有しないスチレン系モノマーを水性媒体中に添加すると、このスチレン系モノマーがポリオレフィン系樹脂粒子の中心部に形成されているスチレン系樹脂に逐次、吸収されながら、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部に豊富に存在する重合開始剤のもとで円滑に重合される。そのため、得られる改質樹脂粒子は、その表面付近より中心部で、スチレン系樹脂が豊富な状態となる。
重合開始剤を含有しないスチレン系モノマーの添加量は、スチレン系モノマーの使用総量の10〜60重量%が好ましく、15〜60重量%がより好ましく、20〜55重量%が特に好ましい。添加量が10重量%より少ないと、改質樹脂粒子の表面近傍部におけるスチレン系樹脂の比率が大きくなる場合があるので好ましくない。この場合、改質樹脂粒子から得られる予備発泡粒子を二次発泡させた発泡成形体の耐衝撃性及び耐薬品性が低下することがある。一方、60重量%より多いと、スチレン系モノマーの重合速度が低下して、改質樹脂粒子中にスチレン系モノマーが多量に残留することがあるので好ましくない。
重合開始剤を含有するスチレン系モノマーを水性媒体中に添加する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、
(1)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解、含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内の攪拌状態の水性媒体中に供給する方法、
(2)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、溶剤または可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内の攪拌状態の水性媒体に同時に供給する方法、
(3)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内の攪拌状態の水性媒体に同時に供給する方法
等が挙げられる。
また、スチレン系モノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中にて重合させる際の水性媒体の温度は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の融点の−30〜+10℃の範囲であることが好ましい。より具体的には、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。更に、水性媒体の温度は、スチレン系モノマーの重合開始から終了までの間、一定温度であってもよいし、段階的に上昇させてもよい。水性媒体の温度を上昇させる場合には、温度を段階的に0.1〜2℃/分の昇温速度で上昇させることが好ましい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、ポリオレフィン系樹脂粒子中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、ポリオレフィン系樹脂粒子中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の架橋に用いられる架橋剤としては、例えば、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。なお、架橋剤は、単独でも二種以上が併用してもよい。また、架橋剤の使用量は、通常、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して0.05〜1.0重量部が好ましい。
架橋剤を添加する方法としては、例えば、架橋剤をポリオレフィン系樹脂に直接添加する方法、溶剤、可塑剤またはスチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法等が挙げられる。この内、スチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
改質樹脂粒子には発泡剤を含浸させる(工程(b))。改質樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法は、発泡剤の種類に応じて適宜変更可能である。例えば、改質樹脂粒子が分散している水性媒体中に発泡剤を圧入して改質樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法、改質樹脂粒子を回転混合機に供給し、この回転混合機内に発泡剤を圧入して改質樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。なお、改質樹脂粒子に発泡剤を含浸させる温度は、通常、50〜140℃である。
ここで、発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル等の揮発性発泡剤が挙げられる。発泡剤は、単独で用いられても併用されてもよい。発泡剤の添加量としては、改質樹脂粒子100重量部に対して5〜25重量部が好ましい。
更に、発泡助剤を発泡剤と共に用いてもよい。このような発泡助剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、D−リモネン等の溶剤、ジイソブチルアジペート、ジアセチル化モノラウレート、やし油等の可塑剤(高沸点溶剤)が挙げられる。なお、発泡助剤の添加量としては、改質樹脂粒子100重量部に対して0.1〜2.5重量部が好ましい。
また、改質樹脂粒子には、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を添加してもよい。
結合防止剤は、改質樹脂粒子を予備発泡させる際の予備発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、予備発泡粒子の複数個が合一して一体化することをいう。具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
融着促進剤は、予備発泡粒子を二次発泡成形する際の予備発泡粒子同士の融着を促進させる役割を果たす。具体例としては、ステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
なお、上記表面処理剤の総添加量は、改質樹脂粒子100重量部に対して0.01〜2.0重量部が好ましい。
揮発性発泡剤を含浸させた改質樹脂粒子を水蒸気等の加熱媒体を用いて加熱して所定の嵩密度に予備発泡させれば、予備発泡粒子を得ることができる(工程(c))。
更に、予備発泡粒子を発泡成形機の金型内に充填し、再度加熱して予備発泡粒子を発泡させながら、発泡粒同士を熱融着させることで、5〜50%の空隙率を有する発泡成形体を得ることができる。空隙率が5%未満の場合、十分な吸音性を持たない発泡成形体となる。一方、50%より大きい場合、曲げ強度が不十分であり、音波が通過するため吸音性も得られない。好ましい空隙率は、5〜30%の範囲である。
発泡成形機は、特に限定されず、公知の発泡成形機をいずれも使用できる。図9は発泡成形機の一例である。この発泡成形機は、雌金型2と雄金型3を有し、両金型2と3が合わさることによりキャビティ1aが形成される。各金型2と3にはそれぞれ蒸気室2aと3aが内蔵されると共に、各蒸気室2a及び3aとキャビティ1aとをそれぞれ連通する蒸気噴出用スリット孔2bと3bが複数それぞれ穿設されている。一方、各蒸気室2aと3aに蒸気を供給する蒸気供給管2cと3c、及びその蒸気を排出する蒸気排出管2dと3dが配置されている。また、各蒸気供給管2cと3cにはそれぞれ蒸気制御器4が、また各蒸気排出管2dと3dにはそれぞれドレイン弁5が配置されている。
更に、雌金型2には、キャビティ1a内に予備発泡粒子6を充填する充填器7が設けられており、加えて、キャビティ1a内での予備発泡粒子6の発泡圧力を検出する圧力検知装置9が設置されている。そして、圧力検知装置9、各蒸気制御器4及びドレイン弁5等を制御する制御手段10が設けられている。
予備発泡粒子を用いた発泡成形方法は大別して加熱工程と冷却工程に分けることができ、加熱工程は、通常、(1)金型加熱工程、(2)一方加熱工程、(3)逆一方加熱工程、(4)両面加熱工程のように細分化して行われることが多く、加熱工程の後に冷却工程が行われ成形品が取り出される。図9を用いてその一例を説明する。
(1)金型加熱工程において、金型2と3の昇温を主として行う。具体的には、金型間のキャビティ1a内に充填器7により予備発泡粒子6を充填した後に、雌型2、雄型3の双方の金型の蒸気室2aと3aにそれぞれの蒸気供給管2cと3cから蒸気を導入し、かつそれぞれの蒸気排出管2dと3dに設けたドレイン弁5から蒸気室に存在する空気を排出する。
(2)一方加熱工程は、予備発泡粒子6を再発泡させるための前加熱やキャビティ1a内の空気の排除の目的で行われるものであり、蒸気を一方の金型、例えば雄金型3の蒸気室3aからキャビティ1a内に充填された予備発泡粒子6の間隙に流し、これを他方の金型(雌金型2)の蒸気室2aを通して系外に排出する工程である。通常この工程の終点は導入する蒸気の圧力とキャビティ内の発泡圧力とが同等になった時点とされる。
(3)逆一方加熱工程は、前の一方加熱工程により生じた予備発泡粒子6の温度勾配を平衡させるための工程であり、蒸気を逆のルートですなわち雌金型2の蒸気室2aからキャビティ1a内に導入して予備発泡粒子6を加熱し、蒸気は雄金型3の蒸気室3a側から排出される。
(4)両面加熱工程は、予備発泡粒子6を二次発泡させて最終的に発泡粒同志を融着させる工程であり、両金型2と3の蒸気室2aと3aに蒸気を送入し昇圧することによって行われる。
(1)〜(4)の加熱工程にそって成形を進めれば粒子間に空隙のない、発泡粒同士が面で融着された発泡成形体が得られるが、本発明の発泡成形体は空隙を有しており、発泡成形時に粒子間に空間を残すことが要求される。そのため下記のような方法で発泡成形を行うことが好ましい。
(A)金型加熱工程は、上記通常の発泡成形方法と同様にできる。なお、この工程は、3〜12秒程度行うことが好ましい。
(B)一方加熱工程により発泡粒子間の空気を排除する。この工程では、導入する蒸気圧力とキャビティ内の発泡圧力とが同等になるまで加熱を続け、更に加熱し続けることにより、発泡粒子間の空間を適宜埋めることができる。そのため、この工程は、5〜25秒間行うことが好ましい。
なお、逆一方加熱工程は、空隙率を所定の範囲に維持できれば、予備発泡粒子6の温度勾配を平衡させるために行ってもよい。具体的には、0〜1秒程度行うことが好ましい。逆一方加熱工程は、一方加熱工程の前に行ってもよい。
(C)両面加熱は、急激に発泡粒子間の空間を埋める効果があるため、実施しないか、もしくは両面加熱を3秒以下の短い時間実施してもよい。
以上のような成形方法により、発泡粒子同士の点での接着を強固とすることが可能であるため強度を向上させた空隙を有する発泡成形体を得ることができる。
上記予備発泡粒子は、上述したように、その中心部ではスチレン系樹脂を高比率で含有し、表面近傍部ではポリオレフィン系樹脂を高比率で含有している。
従って、予備発泡粒子を二次発泡させる際、その表面に多量に含まれているポリオレフィン系樹脂によって予備発泡粒子同士を強固に熱融着一体化させることができる。加えて、予備発泡粒子の中心に多量に含まれているスチレン系樹脂に起因した優れた発泡成形性をも発現させることができる。
得られた発泡成形体の表面全面は、予備発泡粒子の表面近傍部のポリオレフィン系樹脂に由来するポリオレフィン系樹脂が高比率で含有されている。換言すれば、発泡成形体は、ポリオレフィン系樹脂を高比率で含有した表面を有していることから、優れた耐薬品性及び曲げ強度を備えている。
しかも、発泡成形体を構成する各発泡粒子の内部は、予備発泡粒子の中心部が発泡してなるものであり、スチレン系樹脂を高比率で含有しているから、発泡成形体は優れた剛性をも備えている。
更に、特定の空隙率を有するので、断熱性、軽量性及び吸音性に優れている。
上記のようにして得られた発泡成形体は、車輛用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の車輛用緩衝材、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器等の各種用途に用いることができる。特に、車輛用緩衝材として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例における嵩密度、吸光度比、スチレン系モノマーの最大含有量、スチレン系樹脂のGPC測定によるz平均分子量、空隙率、曲げ強度、吸音率、耐薬品性の測定法を下記する。
(スチレン系モノマーの最大含有量)
スチレン系モノマーを含浸されて重合しつつあるポリオレフィン系樹脂粒子の一部を重合容器内から取り出して水性媒体と分離した後、ポリオレフィン系樹脂粒子表面の水分をガーゼで除去して測定用試料とした。
そして、測定用試料から0.08gを精秤し、トルエン40ミリリットル中に24時間浸漬してスチレン系モノマーを抽出した。このスチレン系モノマーを抽出した溶液に、ウイス試薬10ミリリットル、5重量%ヨウ化カリウム水溶液30ミリリットル及び1重量%でんぷん水溶液約30ミリリットルを入れ、N/40チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して試料の滴定数(ミリリットル)とした。なお、ウイス試薬は、氷酢酸2リットルにヨウ素8.7g及び三塩化ヨウ素7.9gを溶解させることによって作製した。
また、測定用試料をトルエン中に浸漬させることなく上記と同様の要領で滴定を行ってブランクの滴定数(ミリリットル)とした。そして、ポリオレフィン系樹脂粒子中のスチレン系モノマーの含有量を下記式に基づいて算出した。
スチレン系モノマーの含有量(重量%)=0.1322×(ブランクの滴定数−試料滴定数)/測定用試料の重量(g)
上述の測定をスチレン系モノマーを水性媒体中に添加し始めてから20分毎に行い、最も多かったスチレン系モノマーの含有量をスチレン系モノマーの最大含有量とした。
(嵩密度)
予備発泡粒子の嵩密度は下記の要領で測定する。
まず、予備発泡粒子を500cm3メスシリンダ内に500cm3の目盛りまで充填する。
なお、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達しているものがあれば、その時点で予備発泡粒子のメスシリンダ内への充填を終了する。
次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の重量を少数点以下2位の有効数字で秤量し、その重量をW(g)とする。そして、下記式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
(吸光度比)
吸光度比(D698/D2850)は下記の要領で測定される。即ち、無作為に選択した10個の各予備発泡粒子の表面をATR法赤外分光分析により粒子表面分析を行なって赤外線吸収スペクトルを得る。各赤外線吸収スペクトルから吸光度比(D698/D2850)をそれぞれ算出し、最小の吸光度比と最大の吸光度比を除外する。そして、残余の8個の吸光度比の相加平均を吸光度比(D698/D2850)とする。なお、吸光度比(D698/D2850)は、例えば、Nicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光光度計 MAGMA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
(スチレン系樹脂のz平均分子量)
予備発泡粒子を約60mg採取し、各予備発泡粒子をカッターを用いて二分割した上で常温にてクロロホルム10ミリリットルに24時間浸漬した。
しかる後、クロロホルムを非水系0.45μmクロマトディスクで濾過してGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフ)を用いてポリスチレン換算z平均分子量を測定した。
測定装置:Water 社製 商品名「HPLC Detector484,Pump510」
測定条件
カラム:昭和電工社製 商品名「Shodex GPC K−806L(直径8.0×300mm)」2本
カラム温度:40℃、移動相:クロロホルム、移動相流量:1.2ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:室温、測定時間:25分、検出:紫外線254nm
注入量:50マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン
昭和電工社製 商品名「Shodex」分子量:1030000
東ソー社製 分子量:5480000,3840000,355000,102000,37900,9100,2630,495
(空隙率)
見かけのかさ容積(V1)の発泡成形体を一定量の水を張ったメスシリンダー中に浸漬し、その時の増加容積(V2)を測定し、次式により空隙率を求める。
空隙率={(V1−V2)/V1}×100
(曲げ強度)
最大曲げ強さはJIS K9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定する。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用いて、試験体サイズは75×300×15mmとし、圧縮速度を10mm/分、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離は200mmとして測定する。
(吸音率)
吸音率はJIS A 1405:1998「音響−インピーダンス管による吸音率及びインピーダンスの測定−定在波比法」記載の方法により測定する。すなわち、電子測器社製の垂直入射吸音率測定器TYPE10041(フプローブチューブマイクロホン)を用いて1kHzの吸音率を測定する。試料は、30mm厚とし、試料ホルダーの背面板に密着させて測定する。
(耐薬品性)
発泡成形体から縦100mm×横100mm×厚み20mmの平面長方形状の板状試験片を3枚切り出し、23℃、湿度50%の条件で24時間放置した。なお、発泡成形体の成形面を使用して下記試験を行う。
次に、3枚の試験片の成形面毎に別々の薬品(ガソリン、灯油、ジブチルフタレート(DBP))1gを均一に塗布し、23℃、湿度50%の条件で60分放置した。その後、試験片の成形面から薬品を拭き取り、試験片の成形面を目視観察して下記基準に基づいて判断した。
○:良好 変化なし
△:やや悪い 表面軟化
×:悪い 表面陥没(収縮)
(実施例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(日本ユニカー社製 商品名「NUC−3221」、酢酸ビニル含有量:5重量%、融点:107℃、メルトフローレート:0.5g/10分、密度:0.93g/cm3)100重量部及び合成含水二酸化ケイ素0.5重量部を押出機に供給して溶融混練して水中カット方式により造粒して楕円球状(卵状)のポリオレフィン系樹脂粒子を得た。ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量は0.60mgであった。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート及び密度は、JIS K6992−2に準拠して測定した値である。
内径が1800mm、直胴部長さが1890mm、内容積が6.4m3の重合容器3内にV型パドル翼14(攪拌羽根:3枚、攪拌羽根半径d1:585mm、攪拌羽根幅d2:315mm)を備えた重合装置を用意した。この重合装置の重合容器内に、70℃の水100重量部、ピロリン酸マグネシウム0.8重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.02重量部をV型パドル翼14で攪拌しながら供給して水性媒体とした。しかる後、水性媒体中に上記ポリオレフィン系樹脂粒子40重量部をV型パドル翼14で攪拌しながら懸濁させた。そして、水性媒体を85℃に加熱した上で、これ以後の攪拌所要動力が0.20kw/m3を維持するようにV型パドル翼14の回転数を調整した。
なお、上記重合装置の重合容器13は、図7に示したように、断面凸円弧状の底面部31の外周縁から上方に向かって円筒状の周壁部32が突設している。更に、周壁部32の上端開口部は、断面凸円弧状の天井部33によって閉止されている。この重合容器3の天井部33から垂下された回転軸33aの下端部に、攪拌翼としてV型パドル翼14が取り付けられている。
このV型パドル翼14は、回転軸33aに取り付けるための取付部41とこの取付部41の外周面に水平方向に等間隔毎に一体的に設けられた3枚の側面平行四辺形状の攪拌羽根42とからなる。各攪拌羽根42は、上方における斜め外方を指向している。
図7中、61は、V型パドル翼14を回転させるためのモータ、62はモータの回転数を制御するためのインバータ、63はモータの負荷電流値を測定するための電流計、64は電源を意味する。
一方、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.15重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.01重量部、並びに、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.25重量部をスチレンモノマー(St)20重量部に溶解させて第一スチレン系モノマーを作製した。また、スチレンモノマー(St)40重量部に気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド0.05重量部を溶解させて第二スチレン系モノマーを作製した。
そして、第一スチレン系モノマーを一時間当たり10重量部の割合で上記水性媒体中に連続的に滴下し、スチレンモノマー、重合開始剤及び架橋剤をポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸させながら、スチレンモノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中にて重合させた。
次に、第一スチレン系モノマーの水性媒体への添加が終了した後、第二スチレン系モノマーを水性媒体中に一時間当たり20重量部の割合で連続的に滴下して、スチレンモノマー及び気泡調整剤をポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸させながら、スチレンモノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中にて重合させた。
更に、水性媒体を攪拌しつつ、第二スチレン系モノマーの水性媒体への滴下が終了してから1時間放置した後、水性媒体を140℃に加熱して3時間保持した。しかる後、重合容器を冷却して改質樹脂粒子を得た。
続いて、内容積が1m3の耐圧V型回転混合機に、改質樹脂粒子100重量部、水1.0重量部、ステアリン酸モノグリセリド0.15重量部及びジイソブチルアジペート0.5重量部を供給して回転させながら常温でブタン14重量部を圧入した。そして、回転混合機内を70℃に昇温して4時間保持した後に25℃まで冷却して発泡性の改質樹脂粒子を得た。
得られた発泡性の改質樹脂粒子を直ちに予備発泡機(積水工機製作所社製 商品名「SKK−70」)に供給し、0.02MPaの圧力の水蒸気を用いて予備発泡させて嵩密度0.06g/cm3の予備発泡粒子を得た。
次に、予備発泡粒子を室温で7日間放置した後、発泡成形機の金型内に充填し、蒸気圧力0.08MPaの蒸気を使用して、加熱時間:(1)金型加熱7秒、(2)一方加熱17秒、(3)逆一方加熱0.5秒、(4)両面加熱0.5秒を順次行い、その後水冷して発泡成形体を取り出した。
なお、発泡成形には、下記の発泡成形機を使用した。
使用成形機:ACE−3SP(積水工機社製)
金型サイズ:300×400×30mm
得られた発泡成形体は空隙を有する発泡成形体であった。
(実施例2)
攪拌所要動力を0.50kw/m3に維持したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
(実施例3)
水性媒体中に懸濁させたポリオレフィン系樹脂粒子を15重量部としたこと、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.25重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.02重量部、並びに、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.15重量部をスチレンモノマー30重量部に溶解させて第一スチレン系モノマーを作製し、第一スチレン系モノマーを一時間当たり10重量部の割合で水性媒体中に滴下したこと、スチレンモノマー55重量部に気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド0.14重量部を溶解させて第二スチレン系モノマーを作製し、第二スチレン系モノマーを一時間当たり15重量部の割合で水性媒体中に滴下したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子を得た。
次に、予備発泡粒子を室温で7日間放置した後、発泡成形機の金型内に充填し、蒸気圧力0.08MPaの蒸気を使用して、加熱時間:(1)金型加熱7秒、(2)一方加熱17秒、(3)逆一方加熱0.5秒、(4)両面加熱2秒を順次行い、その後水冷して発泡成形体を取り出した。
(実施例4)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(日本ユニカー社製 商品名「TUF−2032」、融点:126℃、メルトフローレート:0.9g/10分、密度:0.923g/cm3)100重量部及びタルク0.3重量部を押出機に供給して溶融混練して水中カット方式により造粒して楕円球状(卵状)のポリオレフィン系樹脂粒子を得た。ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量は0.50mgであった。なお、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート及び密度は、JIS K6767に準拠して測定した。
実施例1と同一の重合装置を用い、この重合装置の重合容器13内に、70℃の水100重量部、ピロリン酸マグネシウム0.8重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.02重量部をV型パドル翼14で攪拌しながら供給して水性媒体とした。しかる後、水性媒体中に上記ポリオレフィン系樹脂粒子35重量部をV型パドル翼14で攪拌しながら懸濁させた。そして、水性媒体を125℃に加熱した上で、これ以後の攪拌所要動力が0.20kw/m3を維持するようにV型パドル翼14の回転数を調整した。
一方、スチレンモノマー20重量部に重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.15重量部を溶解させて第一スチレン系モノマーを作製した。
そして、第一スチレン系モノマーを一時間当たり10重量部の割合で上記水性媒体中に連続的に滴下し、スチレンモノマー及び重合開始剤をポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸させながら、スチレンモノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中にて重合させた。
次に、第一スチレン系モノマーの水性媒体への添加が終了した後、スチレンモノマー45重量部を水性媒体中に一時間当たり20重量部の割合で連続的に滴下して、スチレンモノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸させながら、スチレンモノマーをポリオレフィン系樹脂粒子中にて重合させた。なお、このスチレンモノマーは、表1において、便宜上、第二スチレン系モノマーの欄に記載した。
更に、水性媒体を攪拌しつつ、スチレンモノマーの水性媒体への滴下が終了してから1時間放置した後、水性媒体を140℃に加熱して1時間保持した。しかる後、重合容器を冷却して改質樹脂粒子を得た。
続いて、内容積が1m3の耐圧V型回転混合機に、改質樹脂粒子100重量部、ステアリン酸モノグリセリド0.15重量部及びジイソブチルアジペート0.5重量部を供給して回転させながら常温でブタン14重量部を圧入した。そして、回転混合機内を80℃に昇温して3時間保持した後に25℃まで冷却して発泡性の改質樹脂粒子を得た。発泡性の改質樹脂粒子を水蒸気を用いて直ちに予備発泡させて嵩密度0.06g/cm3の予備発泡粒子を得た。
次に、予備発泡粒子を室温で7日間放置した後、発泡成形機の金型内に充填し、蒸気圧力0.1MPaの蒸気を使用して、加熱時間:(1)金型加熱7秒、(2)一方加熱17秒、(3)逆一方加熱0.5秒、(4)両面加熱0.5秒を順次行い、その後水冷して発泡成形体を取り出した。
なお、発泡成形には実施例1と同様の発泡成形機を使用した。
得られた発泡成形体は空隙を有する発泡成形体であった。
(実施例5)
分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ユニカー社製 商品名「DFDJ−6775」、融点:112℃、メルトフローレート:0.2g/10分、密度:0.92g/cm3)100重量部及び合成含水二酸化ケイ素0.5重量部を押出機に供給して溶融混練して水中カット方式により造粒して楕円球状(卵状)のポリオレフィン系樹脂粒子を得た。ポリオレフィン系樹脂粒子の平均重量は0.75mgであった。なお、分岐状低密度ポリエチレンのメルトフローレート及び密度は、JIS K6767に準拠して測定した。
次に、重合容器内に、V型パドル翼の代わりに、図8に示したような、下降流型45°傾斜パドル翼15(攪拌羽根:4枚、攪拌羽根半径d1:550mm、攪拌羽根幅d2:280mm)を上下二段に備えてなる重合装置を用いたこと、第一スチレン系モノマーを水性媒体中に滴下する直前の傾斜パドル翼15の回転数を、改質樹脂粒子の製造が完了するまで、一定に保持したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
ここで、上記重合装置の重合容器13は実施例1と同一構造を有するものが用いられ、この重合容器3の天井部33から垂下された回転軸33aの下端部及び上下方向の中央部の夫々に、攪拌翼として下降流型45°傾斜パドル翼15が取り付けられている。
この下降流型45°傾斜パドル翼15は、回転軸33aに取り付けるための取付部51とこの取付部51の外周面に水平方向に等間隔毎に一体的に設けられた4枚の側面横長長方形状の攪拌羽根52とからなる。各攪拌羽根52は、水平方向に指向していると共に回転進行方向に対して上端から下端に向かって斜め前方に45°だけ傾斜した状態とされている。
更に、重合容器13には、邪魔板17が設置されている。邪魔板17は、重合容器13の側壁に、重合容器13の上面から見て、互いに90°の位置関係になるように設置されている。邪魔板17の幅は100mmであり、長さは1890mmである。
なお、第一スチレン系モノマーを水性媒体中に滴下させる直前の攪拌所要動力(当初攪拌所要動力)は、0.20kw/m3であり、改質樹脂粒子の製造を完了した時点での攪拌所要動力(最終攪拌所要動力)は、0.29kw/m3であった。
(比較例1)
攪拌所要動力を0.04kw/m3としたこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
(比較例2)
水性媒体中に懸濁させたポリオレフィン系樹脂粒子を8重量部としたこと、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.32重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.02重量部、並びに、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.10重量部をスチレンモノマー30重量部に溶解させて第一スチレン系モノマーを作製し、第一スチレン系モノマーを一時間当たり10重量部の割合で水性媒体中に滴下したこと、スチレンモノマー62重量部に気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド0.14重量部を溶解させて第二スチレン系モノマーを作製し、第二スチレン系モノマーを一時間当たり21重量部の割合で水性媒体中に滴下したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
(比較例3)
発泡性ポリスチレン粒子(積水化成品工業社製 商品名「エスレンビーズHDS」)を実施例1と同様の要領で嵩密度0.06g/cm3 に予備発泡させてポリスチレン予備発泡粒子を得た。そして、ポリスチレン予備発泡粒子を実施例1と同様の要領で二次発泡させて発泡成形体を得た。なお、表1において、ポリスチレンを「PSt」と表現した。
(比較例4)
当初攪拌所要動力が0.04kw/m3となるように調整したこと以外は実施例5と同様にして予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。なお、最終攪拌所要動力は、0.06kw/m3であった。
実施例1〜5及び比較例1〜4において、予備発泡粒子の吸光度比(D698/D2850)、予備発泡粒子中のスチレン系樹脂のGPC測定によるz平均分子量、スチレン系モノマーの重合途上におけるポリオレフィン系樹脂粒子中のスチレン系モノマーの最大含有量、発泡成形体の空隙率、曲げ強度、吸音率及び耐薬品性を表1に示した。
表1から以下のことが分かる。
(1)実施例1〜5と比較例2により、スチレン系樹脂の配合量が、ポリオレフィン系樹脂の配合量に対して、1〜10倍の範囲であれば、良好な特性の発泡成形体が得られることが分かる。
(2)実施例1〜5と比較例1及び4により、吸光度比が0.1〜2.5の範囲であれば、良好な特性の発泡成形体が得られることが分かる。
(3)実施例1〜5により、ポリオレフィン系樹脂粒子の種類を変更しても、良好な特性の発泡成形体が得られることが分かる。
(4)実施例1〜5と比較例3により、ポリオレフィン系樹脂で改質したスチレン系樹脂からなる予備発泡粒子により、良好な特性の発泡成形体を提供できることが分かる。
(電子顕微鏡写真)
図1は、実施例1で得られた予備発泡粒子の表面をSEMを用いて倍率1500倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
図2は、実施例1で得られた予備発泡粒子の表面近傍部断面をTEMを用いて倍率2万倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
図3は、実施例1で得られた予備発泡粒子の表面近傍部断面をTEMを用いて倍率10万倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
図4は、実施例1で得られた予備発泡粒子の中心部断面をTEMを用いて倍率2万倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
図5は、実施例1で得られた予備発泡粒子にスチレン系樹脂の抽出処理を施した後、処理後の予備発泡粒子の表面をSEMを用いて倍率1500倍で撮影した電子顕微鏡写真である。
図2〜4は下記の要領で撮影した。
即ち、実施例1で得られた予備発泡粒子を二分割した。そして、予備発泡粒子の断面を常温硬化型のエポキシ樹脂(包埋樹脂)で全面的に被覆した後、四酸化ルテニウム(RuO4)で染色した。
次に、予備発泡粒子をウルトラミクロトームを用いて薄膜状にスライスして試験片を作製した。この試験片をTEMを用いて所定倍率で撮影した。
また、図5においてスチレン系樹脂の抽出処理は下記の要領で行なった。
予備発泡粒子をテトラヒドロフラン40ミリリットル中に浸漬して23℃で3時間攪拌し、予備発泡粒子からスチレン系樹脂を抽出した。
次に、抽出後の予備発泡粒子をテトラヒドロフラン中から取り出し、予備発泡粒子の表面に付着又は浸透したテトラヒドロフランを自然乾燥させて除去し、スチレン系樹脂を抽出した予備発泡粒子を得た。
図2及び図3に示したように、予備発泡粒子の表面近傍部においては、ポリオレフィン系樹脂1が高比率で含有されている一方、スチレン系樹脂2は、粒子表面に近づくにつれて徐々に減少していると共に大きさも小さくなっている。そして、予備発泡粒子の表面は、概ねポリオレフィン系樹脂1から形成されている。
また、図4に示したように、予備発泡粒子の中心部の気泡膜では、スチレン系樹脂2が高比率で含有されており、ポリオレフィン系樹脂1がスチレン系樹脂2中に層状に分散した状態となっている。
更に、図1及び図5は、実施例1の予備発泡粒子からスチレン系樹脂を抽出した前後の粒子表面を表したものである。
図1及び図5から、実施例1の予備発泡粒子の表面には、スチレン系樹脂抽出後の空隙が僅かに形成されていることが分かる。
1a キャビティ
2 雌金型
2a、3a 蒸気室
2b、3b 蒸気噴出用スリット孔
2c、3c 蒸気供給管
2d、3d 蒸気排出管
3 雄金型
4 蒸気制御器
5 ドレイン弁
6 予備発泡粒子
7 充填器
9 圧力検知装置
10 制御手段
13 重合容器
14 V型パドル翼
15 傾斜パドル翼
17 邪魔板
31 底面部
32 周壁部
33 天井部
33a 回転軸
41、51 取付部
42、52 攪拌羽根
61 モータ
62 インバータ
63 電流計
64 電源

Claims (1)

  1. 嵩密度が0.012〜0.20g/cm3であると共に、ATR法赤外分光分析により測定された粒子表面の赤外線吸収スペクトルから得られる698cm-1及び2850cm-1での吸光度比(D698/D2850)が0.1〜2.5の範囲であり、粒子表面のポリオレフィン量が51〜90重量%であり、ポリオレフィン樹脂成分100重量部に対して、スチレン系樹脂成分を100〜1000重量部含有するスチレン改質ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を発泡成形することにより5〜50%の空隙率を有する発泡成形体を得ることを特徴とする空隙を有する発泡成形体の製造方法。
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