JP2011188717A - インバータの冷却装置 - Google Patents

インバータの冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011188717A
JP2011188717A JP2010054555A JP2010054555A JP2011188717A JP 2011188717 A JP2011188717 A JP 2011188717A JP 2010054555 A JP2010054555 A JP 2010054555A JP 2010054555 A JP2010054555 A JP 2010054555A JP 2011188717 A JP2011188717 A JP 2011188717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
duty
inverter
pulse signal
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010054555A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Yamada
隆弘 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010054555A priority Critical patent/JP2011188717A/ja
Publication of JP2011188717A publication Critical patent/JP2011188717A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ケース内の耐熱性の低い電子部品の過熱を素早く検出して冷却ファンを高速で回転させることができ、この高速回転による冷却によって電子部品を過熱による破損から保護すること。
【解決手段】密閉型のケース50内に、直交変換用の複数のIGBT素子16a〜16f及び平滑用のコンデンサ15を有するインバータ10と、ケース50内の電子部品を冷却する冷却ファン28と、モータ12のトルク指令値T1等に応じてインバータ10及び冷却ファン28を制御するインバータ制御部20とを備える。インバータ制御部20は、トルク指令値T1とファン駆動閾値との正又は負の差分に応じてPWMパルス信号P1のデューティを正の差分時に増加又は負の差分時に減少させ、このデューティ増加のパルス信号P1で冷却ファン28の回転数を上げ、デューティ減少のパルス信号P1で回転数を下げる制御を行い、このパルス信号P1で電子部品の冷却を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換用の半導体素子を用いて交流モータやモータジェネレータを駆動するインバータを備え、このインバータを冷却ファンで冷却するインバータの冷却装置に関する。
従来、車載用のインバータは、特許文献1に記載されているように、防塵、防水のための密閉構造を持つケース内に収容されている。このためケース内部の空気が滞留し、インバータの半導体素子であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の電子部品が発する熱を逃がすことが出来ない。このため定格温度の高い電子部品を用いなければならずコストアップに繋がっていた。このようなコストアップを極力回避するために、ケース内に冷却ファン及び温度センサであるサーミスタを備え、ケース内の温度をサーミスタで検出し、この検出温度が高いほどに冷却ファンを速く回転させて電子部品の発熱を抑制することが行われている。
特開2003−127802号公報
しかし、上述した従来のインバータの冷却方式は、サーミスタの温度検出の応答性が悪いため、過渡運転の頻度が高い車両のインバータでは不適当である。何故ならば、モータのトルクが急激に上昇してインバータのIGBTに多量の電流が流れた場合、IGBTが過熱し、この熱がインバータの電源とIGBTとの間に接続された平滑用のコンデンサや、電子部品実装用の基板に伝達される。これらコンデンサや基板は、耐熱性が例えば105°CとIGBTの150°Cに比べて低いので、IGBTの熱が伝達されて破損する虞がある。つまり、ケース内に配設されたサーミスタは温度検出の応答性が悪いため、ケース内の耐熱性の低い電子部品であるコンデンサや基板等が許容温度を超えた場合でも、それを検出することができず、このため冷却ファンを高速回転させて電子部品を冷却するに至らず、電子部品の破損を招くという問題がある。
また、でこぼこ道等でタイヤがスリップした場合、トルク指令値はそのままでモータ回転数のみ一気に上がる。この場合、トルク指令値×モータ回転数がモータ出力となるので、モータ出力が急上昇する。このモータ出力が急上昇した場合、電源からのインバータへの電力供給が追従できないのでコンデンサからインバータへ一気に電力を供給することになり、これによってコンデンサが発熱する。これが最悪の場合、許容温度を超えてコンデンサの破損を招くという問題が生じる。
これらのように、コンデンサが高温となる要因として、(1)コンデンサの周囲が高温となる場合、(2)コンデンサ自体が発熱する場合の2つのケースがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ケース内の耐熱性の低い電子部品の過熱を素早く検出して冷却ファンを高速で回転させることができ、この高速回転による冷却によって電子部品を過熱による破損から保護することができるインバータの冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、密閉型のケース内に、直流電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有し、当該直流電圧の供給端に平滑用のコンデンサが接続されたインバータと、当該インバータを含むケース内の電子部品を冷却する冷却ファンと、前記インバータにより駆動制御されるモータのトルク指令値を含む制御情報に応じて当該インバータ及び当該冷却ファンを制御する制御手段とを有し、当該制御手段によりデューティが可変されるパルス信号で回転数が制御される前記冷却ファンによって前記電子部品を冷却するインバータの冷却装置において、前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との正又は負の差分に応じて前記パルス信号のデューティを正の差分時に増加又は負の差分時に減少させ、このデューティが増加したパルス信号で前記冷却ファンの回転数を上げ、当該デューティが減少したパルス信号で当該冷却ファンの回転数を下げる制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、トルク指令値が閾値よりも大きい場合は正の差分となり、この正の差分でデューティが増加させられたパルス信号で冷却ファンの回転数が上げられる。これによって冷却ファンの風力が強くなるのでコンデンサ等の電子部品の熱が早く冷却される。この際のトルク指令値が閾値よりも大きい場合は、モータのトルクを上げる要求が行われており、この場合、トルクが大なのでインバータの高耐熱性電子部品である半導体素子の温度が上昇しており、コンデンサ等の低耐熱性電子部品の温度も高くなっている。従って、冷却ファンの回転数を上げて風力を強くすることによって、その高温となった電子部品を早く冷却することが出来る。
一方、トルク指令値が閾値よりも小さい場合は負の差分となり、この負の差分でデューティが減少させられたパルス信号で冷却ファンの回転数が下げられる。これによって冷却ファンの風力が弱くなって電子部品の冷却度合が弱くなる。この際のトルク指令値が閾値よりも小さい場合は、モータのトルクが小なのでインバータの半導体素子の温度も低く、コンデンサ等の低耐熱性電子部品の温度も低くなっている。従って、冷却ファンの回転数を下げて風力を弱くすることによって消費電力を抑制する。或いは、負の差分がより大きい場合、冷却ファンの回転数を0として停止させることで、より消費電力の抑制を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記冷却ファンを最大回転数で所定時間回転させることを指示する指示値を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段に前記指示値が記憶されている際に、前記パルス信号のデューティを当該指示値で指示される時間の間前記トルク指令値と前記閾値との差分によって求められる前記パルス信号のデューティよりも大きくすることを特徴とする。
この構成によれば、冷却ファンがより高い回転数で所定時間回転するので、この回転の間、コンデンサ等の電子部品の熱がより早く冷却される。
請求項3に記載の発明は、前記トルク指令値と前記閾値との差分によって求められる前記パルス信号のデューティよりも大きいデューティを100%とすることを特徴とする。
この構成によれば、冷却ファンが最高回転数で所定時間回転するので、この回転の間、コンデンサ等の電子部品の熱が最も早く冷却される。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、今回のタイミングで読み込んだ現在のモータ回転数であるモータ回転数今回値と、前回のタイミングで読み込んだモータ回転数前回値との差分の絶対値に、前記トルク指令値の絶対値を乗算すると共に、当該モータ回転数今回値をモータ回転数前回値として記憶し、前記乗算の結果が、前記コンデンサを発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する所定の出力変動判定値以上の場合に、前記指示値を前記記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、モータ回転数今回値とモータ回転数前回値との差分は、例えば車両のタイヤが、でこぼこ道等でスリップした場合に、トルク指令値はそのままでモータ回転数のみが一気に上がることによって生じる。この場合、トルク指令値×モータ回転数がモータの出力となるので、モータ出力が急上昇する。この急上昇した場合、電源からのインバータへの電力供給が追従できないのでコンデンサからインバータへ一気に電力を供給することになり、これによってコンデンサが発熱して過熱状態となったりする。従って、出力変動判定値は、モータ出力の急上昇によりコンデンサからインバータへ一気に電力供給が行なわれて当該コンデンサを発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する値である。従って、モータ回転数が過渡状態であることを出力変動判定値で判定した場合、コンデンサが発熱して過熱状態となったりするので、冷却ファンを最高回転数で所定時間回転させるための指示値を記憶手段に記憶すればよい。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分が正の場合における前記パルス信号のデューティの増加量が、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分が負の場合で、前記負の差分の絶対値が前記正の差分値と同じ場合における前記パルス信号のデューティの減少量よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、一度高温になると冷めにくいコンデンサに適した形で冷却が可能になる。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分値が正のときに決まる前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の1乗以上に比例することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記半導体素子が絶縁ゲートバイポーラトランジスタの時、前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の1.5乗に比例することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記半導体素子が金属酸化膜半導体トランジスタの時、前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の2乗に比例することを特徴とする。
これら請求項6〜8の構成によれば、使用する半導体素子の発熱特性に応じて冷却ファンがより適した回転数で回転するので、冷却に必要なファンの消費電力が最適化される。
本発明の実施形態に係るインバータ及びその冷却装置の回路構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るインバータ及びその冷却装置を収容するケース内の断面図である。 本実施形態のインバータ制御部の通常動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態のインバータ制御部の出力変動判定動作を説明するためのフローチャートである。 デューティ積算値と差分値並びにデューティゲインマップ値の関係図である。 従来のインバータ及びその冷却装置の回路構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るインバータ及びその冷却装置の回路構成を示すブロック図である。
図1に示すインバータ10は、3相回転電機であるDCブラシレスモータ(以降、モータと称す)12のU相、V相、W相の三相線に接続されている。つまり、インバータ10はU相、V相及びW相の回路からなり、U相、V相及びW相の回路の両端は直流電源14に接続され、また、直流電源14に並列接続された平滑用のコンデンサ15を有する。つまり、コンデンサ15は、蓄電の役割も有するサージ電圧吸収用のものである。
インバータ10のU相は、高圧側の半導体素子である上アーム用のIGBT素子(ここでは、IGBT素子とする)16aと高圧GND側の半導体素子である下アーム用のIGBT素子16bとが直列に接続されてなる。同様に、V相は上アーム用のIGBT素子16cと下アーム用のIGBT素子16d、W相は上アーム用のIGBT素子16eと下アーム用のIGBT素子16fが直列に接続されてなる。UVW各相の中間点に、モータ12の各相が接続されている。各IGBT素子16a〜16fのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードDa〜Dfがそれぞれ接続されている。
また、インバータ10の各IGBT素子16a〜16fのゲート端子はドライブIC(集積回路)18a〜18fを介してマイクロコンピュータによるインバータ制御部(制御手段)20に接続されている。インバータ制御部20は、出力変動履歴カウンタ20aを備える。
インバータ制御部20には、モータ12の出力軸の回転角度を検出する位置センサ22と、U相及びW相に流れる電流を検出する電流センサ24U,24Wと、速度制御器など要求トルクを算出してトルク指令値T1を出力するトルク指令値発生部26とが接続されている。なお、モータ12の回転角度、電流センサ24U,24WからのU相及びW相に流れる電流、トルク指令値発生部26からのトルク指令値T1は、インバータ制御部20がインバータ10及び冷却ファン28を制御するための制御情報となる。
インバータ制御部20は、各電流センサ24U,24WからのU相及びW相に流れる電流を取り込み、V相に流れる電流を、キルヒホッフの法則に基づきU相とW相を流れる電流から算出する。そして、インバータ制御部20は、その3相の電流と、位置センサ22からのモータ20の出力軸の回転角度と、トルク指令値発生部26からのトルク指令値とに基づき、ドライブIC18a〜18fを介して各IGBT素子16a〜16fのオン/オフをスイッチング制御する。この制御は、上アーム用のIGBT素子16a,16c,16eがオンの場合は下アーム用のIGBT素子16b,16d,16fがオフ、上アーム用のIGBT素子16a,16c,16eがオフの場合は下アーム用のIGBT素子16b,16d,16fがオンとなるように行われる。これによってモータ12の回転駆動が制御される。
また、インバータ制御部20やインバータ10等は、図1及び図2に示す通り密閉型のケース50に収容されている。図2に示すケース50内には、マイコン20等が実装された制御基板52と、ドライブIC18a〜18f等が実装されたドライブ基板53と、IGBT素子16a〜16f等を備えて形成されたインバータ10の主回路が絶縁機構(図示せず)を介して接合された冷却器54と、コンデンサ15と、冷却ファン28等が収容されている。また、制御基板52及びドライブ基板53、ドライブ基板53及びIGBT素子16a〜16f等、IGBT素子16a〜16f等及びコンデンサ15、冷却ファン28及び制御基板52は図示せぬ配線で電気的に接続されている。
インバータ制御部20は、PWMパルス信号P1によって冷却ファン28の駆動を次のように制御する。この制御を図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。但し、PWMパルス信号P1は、デューティが大きいほどに冷却ファン28の回転数を上げる制御を行う信号であり、デューティ100%で回転数を最大とし、0%で冷却ファン28を停止する制御を行う。
まず、インバータ制御部20は、図3に示すステップS1において、トルク指令値発生部26からトルク指令値T1を読み込む。次にステップS2において、そのトルク指令値T1からファン駆動閾値を減算し、この減算結果を差分値Dfとする。但し、ファン駆動閾値は、冷却ファン28を駆動するか否かを判別するための値であり、トルク指令値T1がファン駆動閾値よりも大きければ双方の差分値Dfは正の値となって冷却ファン28の回転数を増加させるためのものとなり、差分値Dfが0であれば回転数の増減には寄与しない。一方、トルク指令値T1がファン駆動閾値よりも小さければ双方の差分値Dfは負の値となって冷却ファン28の回転数を減少させるためのものとなる。また、ファン駆動閾値は、インバータ制御部20の図示せぬ記憶メモリに予め記憶されている。
次に、ステップS3において、インバータ制御部20は、上記で得られた差分値Dfに基づくデューティゲインマップ値GMを、予め保有する図示せぬテーブルマップから求める。このテーブルマップは、PWMパルス信号P1のデューティに加算又は減算されるデューティ値である±0〜100の間の所定ステップのデューティゲインマップ値GMが、差分値Dfに対応付けられており、上記で得られた差分値Dfに対応するデューティゲインマップ値GMを求めるようになっている。
次に、ステップS4において、インバータ制御部20は、上記で求めたデューティゲインマップ値GMに現在のPWMパルス信号P1のデューティDy1を加算し、この加算結果を新規のPWMパルス信号P1のデューティDyとする。例えば、現在デューティDy1が50%であり、上記で得られた差分値Dfが+20で、これに対応付けられたデューティゲインマップ値GMが+20であれば、50+20=70%が新規デューティDyと成る。従って、この場合、デューティ50%から70%と増加したPWMパルス信号P1によって、冷却ファン28の回転数は上がるように制御される。この場合、コンデンサ15等の電子部品の熱が早く冷却される。
逆に、差分値Dfが−20で、これに対応付けられたデューティゲインマップ値GMが−20であれば、50−20=30%が新規デューティDyとなり、この場合、デューティ50%から30%と減少したPWMパルス信号P1によって、冷却ファン28の回転数は下がるように制御される。この場合、電子部品の熱は遅く冷却される。
この遅く冷却される場合は、ステップS2において、トルク指令値T1がファン駆動閾値よりも小さい場合であり、この場合、トルクが小さくて済む事からモータ12にあまり負荷が掛かっておらず、コンデンサ15等の電子部品も破損の許容温度未満の低温となっている。従って、冷却ファン28は低速回転、或いは停止状態で済む。
ここで、新規デューティDyは、上記のように現在デューティDy1にデューティゲインマップ値GMが積算されて変更されるが、このデューティ積算値(=新規デューティ)Dyと差分値Df並びにデューティゲインマップ値GMの関係は、図5のようになる。図5は縦軸をデューティ積算値Dy、横軸を差分値Dfとした座標軸にデューティゲインマップ値GMを線分で表したものである。この図から分かるように、差分値Dfの絶対値が大きいほどにデューティ積算値Dyの変化率が大きくなっている。この変化率は、スイッチング素子16a〜16fが例えばIGBT素子の場合は差分値Dfの1.5乗、MOS(金属酸化膜半導体:Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの場合は2乗となる。
また、変化率は、差分値Dfが正の時のデューティ積算値Dyの増分の方が、同じ絶対値で負の場合のデューティ積算値Dyの減分より大きくなっている。これはコンデンサ15等の電子部品が加熱する時間よりも、冷める時間の方が長く冷め難いためである。
次に、ステップS5において、インバータ制御部20は、出力変動履歴カウンタ20aの後述する出力変動履歴カウンタ値(指示値)が0よりも大きいか否かを判定する。この判定結果が0よりも大きくない場合、即ち0の場合は処理を終了する。
一方、出力変動履歴カウンタ値が0よりも大きい場合は、ステップS6において、PWMパルス信号P1のデューティを強制的に100%とする。これによって冷却ファン28が最高回転数で回転するので、コンデンサ15等の電子部品の熱がより早く冷却される。更に、インバータ制御部20は、デューティ100%とした際に、ステップS7において、出力変動履歴カウンタ値をデクリメントする。このデクリメントは、ステップS8で出力変動履歴カウンタ値が0となるまで行われるが、このデクリメントの時間は予め設定された例えば30秒の時間に対応するものである。つまり、冷却ファン28が強制的に30秒間、最大回転数で回転されるようになっている。
なお、ステップS1からステップS7までの処理は例えば4ms周期で実行される。
次に、図4に示すフローチャートを参照して出力変動履歴カウンタ値がセットされる処理を説明する。まず、インバータ制御部20は、ステップS11において、トルク指令値T1と現在のモータ回転数であるモータ回転数今回値を読み込む。次に、ステップS12において、そのモータ回転数今回値と、前回のタイミングで読み込んだモータ回転数前回値との差分の絶対値に、トルク指令値T1の絶対値を乗算し、この乗算結果が予め定められた出力変動判定値(後述で説明)以上か否かを判定する。この判定結果がNOであればステップS14において、ステップS11で読み込んだモータ回転数今回値をモータ回転数前回値として記憶メモリに記憶する。
ここで、モータ回転数今回値とモータ回転数前回値との差分は、例えば車両のタイヤが、でこぼこ道等でスリップした場合に、トルク指令値T1はそのままでモータ回転数のみが一気に上がることによって生じる。この場合、前述したようにトルク指令値T1×モータ回転数がモータ12の出力となるので、モータ出力が急上昇する。このモータ出力が急上昇した場合、直流電源14からのインバータ10への電力供給が追従できないのでコンデンサ15からインバータ10へ一気に電力を供給することになり、これによってコンデンサ15が発熱して過熱状態となったりする。
出力変動判定値は、モータ出力の急上昇によりコンデンサ15からインバータ10へ一気に電力供給が行なわれて当該コンデンサ15を発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する値である。
一方、ステップS12の判定結果がYESであれば、ファン最大出力継続カウント値を出力変動履歴カウンタ20aにセットする。そのファン最大出力継続カウント値は、前述で説明した出力変動履歴カウンタ値となるものであり、冷却ファン28を強制的に所定時間(例えば30秒間)最大回転数で回転させるために予め定められる値である。このファン最大出力継続カウント値を出力変動履歴カウンタ値としてセットした後は、ステップS14の処理を行う。なお、このステップS11からステップS14までの処理周期は、図3のフローチャートの処理周期に比べ大幅に短く、例えば上記4msに対して100μsの周期で行われる。
つまり、インバータ制御部20は、車両のタイヤがでこぼこ道等でスリップした際のモータ回転数上昇によりコンデンサ15が発熱して過熱状態となった場合、これを素早く冷却するために冷却ファン28を最大回転数で回転させる。この回転時間は、コンデンサ15が許容温度を下回るまで冷却できる時間であり、この時間が出力変動履歴カウンタ値として出力変動履歴カウンタ20aに設定される。
このように本実施形態のインバータの冷却装置は、密閉型のケース50内に、直流電圧を交流電圧に変換する複数のIGBT素子16a〜16fを有し、直流電圧の供給端に平滑用のコンデンサ15が接続されたインバータ10と、このインバータ10を含むケース50内の電子部品を冷却する冷却ファン28と、インバータ10により駆動制御されるモータ12のトルク指令値T1を含む制御情報に応じてインバータ10及び冷却ファン28を制御するインバータ制御部20とを有し、インバータ制御部20によりデューティが可変されるPWMパルス信号P1で回転数が制御される冷却ファン28によって電子部品を冷却する構成となっている。
この構成において本実施形態の特徴は、インバータ制御部20が、トルク指令値T1と予め定められたファン駆動閾値との正又は負の差分に応じてPWMパルス信号P1のデューティを正の差分時に増加又は負の差分時に減少させ、このデューティが増加したPWMパルス信号P1で冷却ファン28の回転数を上げ、デューティが減少したPWMパルス信号P1で冷却ファン28の回転数を下げる制御を行うようにしたことにある。
これによって、トルク指令値T1がファン駆動閾値よりも大きい場合は正の差分となり、この正の差分でデューティが増加させられたPWMパルス信号P1で冷却ファン28の回転数が上げられる。これによって冷却ファン28の風力が強くなるのでコンデンサ15等の電子部品の熱が早く冷却される。この際のトルク指令値T1がファン駆動閾値よりも大きい場合は、モータ12のトルクを上げる要求が行われており、この場合、トルクが大なのでインバータ10の高耐熱性電子部品である半導体素子の温度が上昇しており、コンデンサ15等の低耐熱性電子部品の温度も高くなっている。従って、冷却ファン28の回転数を上げて風力を強くすることによって、その高温となった電子部品を早く冷却することが出来る。
このように従来のようなサーミスタ等の温度センサを使わずに、コンデンサ15等が高温となる状況が発生することを検知して、早期に冷却ファン28の回転を制御するので、確実にコンデンサ15等の温度上昇を抑制することができる。
一方、トルク指令値T1がファン駆動閾値よりも小さい場合は負の差分となり、この負の差分でデューティが減少させられたPWMパルス信号P1で冷却ファン28の回転数が下げられる。これによって冷却ファン28の風力が弱くなって電子部品の冷却度合が弱くなる。この際のトルク指令値T1がファン駆動閾値よりも小さい場合は、モータ12のトルクが小なのでインバータ10の半導体素子の温度も低く、コンデンサ15等の低耐熱性電子部品の温度も低くなっている。従って、冷却ファン28の回転数を下げて風力を弱くすることによって消費電力を抑制する。或いは、負の差分がより大きい場合、冷却ファン28の回転数を0として停止させることで、より消費電力の抑制を図ることができる。
また、インバータ制御部20は、冷却ファン28を最大回転数で所定時間回転させることを指示する出力変動履歴カウンタ値(指示値)を記憶する出力変動履歴カウンタ20aを備える。そして、出力変動履歴カウンタ20aに0よりも大きい出力変動履歴カウンタ値が記憶されている際に、PWMパルス信号P1のデューティを当該出力変動履歴カウンタ値で指示される時間の間100%とする。その指示時間は、出力変動履歴カウンタ値がデクリメントされることによって定まる。
これによって、冷却ファン28が最高回転数で所定時間回転するので、この回転の間、コンデンサ15を含むインバータ10等の電子部品の熱がより早く冷却される。
また、インバータ制御部20は、今回のタイミングで読み込んだ現在のモータ回転数であるモータ回転数今回値と、前回のタイミングで読み込んだモータ回転数前回値との差分の絶対値に、トルク指令値T1の絶対値を乗算し、この乗算結果が、コンデンサ15を発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する所定の出力変動判定値以上の場合に、出力変動履歴カウンタ値を出力変動履歴カウンタ20aに記憶すると共に、当該モータ回転数今回値をモータ回転数前回値として記憶する制御を行うようにした。
ここで、前述した通り出力変動判定値は、モータ出力の急上昇によりコンデンサ15からインバータ10へ一気に電力供給が行なわれて当該コンデンサ15を発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する値である。従って、モータ回転数が過渡状態であることを出力変動判定値で判定した場合、コンデンサ15が発熱して過熱状態となったりするので、冷却ファン28を最高回転数で所定時間回転させるための指示を行う出力変動履歴カウンタ値を出力変動履歴カウンタ20aに記憶すればよい。
この他、インバータ制御部20は、トルク指令値T1と予め定められた閾値との差分が正の場合におけるPWMパルス信号P1のデューティの増加量が、トルク指令値T1と予め定められた閾値との差分が負の場合で、負の差分の絶対値が正の差分値と同じ場合におけるPWMパルス信号P1のデューティの減少量よりも大きくしても良い。この構成によれば、一度高温になると冷めにくいコンデンサに適した形で冷却が可能になる。
また、インバータ制御部20は、トルク指令値T1と予め定められた閾値との差分値が正のときに決まるPWMパルス信号P1のデューティの増加量が、上記の差分値の1乗以上に比例するようにしても良い。
また、半導体素子がIGBT素子16a〜16fの時、PWMパルス信号P1のデューティの増加量が、差分値の1.5乗に比例するようにしても良い。
さらに、半導体素子がMOSトランジスタの時、PWMパルス信号P1のデューティの増加量が、差分値の2乗に比例するようにしても良い。
これらの構成によれば、使用する半導体素子の発熱特性に応じて冷却ファン28がより適した回転数で回転するので、コンデンサ15等の電子部品の冷却に必要なファンの消費電力が最適化される。
また、従来のインバータの冷却装置では、図6に示すようにインバータ制御部20に、サーミスタ60が接続されており、サーミスタ60の検出温度に応じて冷却ファン28の駆動を制御する構成となっている。しかし、本実施形態のインバータの冷却装置では、サーミスタ60が不要となるので、その分、インバータの冷却装置の小型化及び低コスト化を図ることが出来る。
また、本実施形態の応用例として、インバータ制御部20がトルク指令値T1に代え、IGBT素子16a〜16fの電流指令値を用いてPWMパルス信号P1のデューティを可変したり、出力変動判定を行ったりして冷却ファン28の制御を行っても良い。更に、トルク指令値T1に代え、アクセル開度センサからのアクセル開度情報を用い、また、車載のナビゲーションシステムがGPS信号から算出した車両加速度又は車両加速度検知装置からの車両加速度を用い、更には、ナビゲーションシステムからの道の勾配値を用いてもよい。これによって、ケース50内の電子部品の温度上昇をより速く抑制又は下げることが出来る。
10 インバータ
14 直流電源
15 平滑用のコンデンサ
16a〜16f IGBT素子
Da〜Df ダイオード
18a〜18f ドライブIC
20 インバータ制御部
20a 出力変動履歴カウンタ
22 位置センサ
24V,24W 電流センサ
26 トルク指令値発生部
28 冷却ファン
P1 PWMパルス信号
T1 トルク指令値
50 ケース

Claims (8)

  1. 密閉型のケース内に、直流電圧を交流電圧に変換する複数の半導体素子を有し、当該直流電圧の供給端に平滑用のコンデンサが接続されたインバータと、当該インバータを含むケース内の電子部品を冷却する冷却ファンと、前記インバータにより駆動制御されるモータのトルク指令値を含む制御情報に応じて当該インバータ及び当該冷却ファンを制御する制御手段とを有し、当該制御手段によりデューティが可変されるパルス信号で回転数が制御される前記冷却ファンによって前記電子部品を冷却するインバータの冷却装置において、
    前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との正又は負の差分に応じて前記パルス信号のデューティを正の差分時に増加又は負の差分時に減少させ、このデューティが増加したパルス信号で前記冷却ファンの回転数を上げ、当該デューティが減少したパルス信号で当該冷却ファンの回転数を下げる制御を行うことを特徴とするインバータの冷却装置。
  2. 前記制御手段は、前記冷却ファンを最大回転数で所定時間回転させることを指示する指示値を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段に前記指示値が記憶されている際に、前記パルス信号のデューティを当該指示値で指示される時間の間前記トルク指令値と前記予め定められた閾値との差分に応じて計算される前記パルス信号のデューティよりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載のインバータの冷却装置。
  3. 前記トルク指令値と前記予め定められた閾値との差分に応じて計算される前記パルス信号のデューティよりも大きくする値が100%であることを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
  4. 前記制御手段は、今回のタイミングで読み込んだ現在のモータ回転数であるモータ回転数今回値と、前回のタイミングで読み込んだモータ回転数前回値との差分の絶対値に、前記トルク指令値の絶対値を乗算すると共に、当該モータ回転数今回値をモータ回転数前回値として記憶し、前記乗算の結果が、前記コンデンサを発熱させるモータ回転数の過渡状態を判定する所定の出力変動判定値以上の場合に、前記指示値を前記記憶手段に記憶する制御を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のインバータの冷却装置。
  5. 前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分が正の場合における前記パルス信号のデューティの増加量が、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分が負の場合で、前記負の差分の絶対値が前記正の差分値と同じ場合における前記パルス信号のデューティの減少量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のインバータの冷却装置。
  6. 前記制御手段は、前記トルク指令値と予め定められた閾値との差分値が正のときに決まる前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の1乗以上に比例することを特徴とする請求項5に記載のインバータの冷却装置。
  7. 前記半導体素子が絶縁ゲートバイポーラトランジスタの時、前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の1.5乗に比例することを特徴とする請求項6に記載のインバータの冷却装置。
  8. 前記半導体素子が金属酸化膜半導体トランジスタの時、前記パルス信号のデューティの増加量が、前記差分値の2乗に比例することを特徴とする請求項6に記載のインバータの冷却装置。
JP2010054555A 2010-03-11 2010-03-11 インバータの冷却装置 Pending JP2011188717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010054555A JP2011188717A (ja) 2010-03-11 2010-03-11 インバータの冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010054555A JP2011188717A (ja) 2010-03-11 2010-03-11 インバータの冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011188717A true JP2011188717A (ja) 2011-09-22

Family

ID=44794333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010054555A Pending JP2011188717A (ja) 2010-03-11 2010-03-11 インバータの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011188717A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015047448A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 株式会社東芝 洗濯機
CN107985045A (zh) * 2017-12-05 2018-05-04 武汉理工大学 一种集成式电驱动动力总成系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015047448A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 株式会社東芝 洗濯機
CN107985045A (zh) * 2017-12-05 2018-05-04 武汉理工大学 一种集成式电驱动动力总成系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5217579B2 (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
JP4722069B2 (ja) 電動機駆動装置および電動機駆動方法並びに冷凍空調装置
US8159162B2 (en) Motor control apparatus, vehicle fan drive apparatus, and motor control method
JP4742989B2 (ja) モータ駆動用半導体装置とそれを有するモータ及びモータ駆動装置並びに空調機
JP5630474B2 (ja) インバータ
JP6776951B2 (ja) 回転電機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置
JP4586034B2 (ja) モータ駆動用半導体装置とそれを有する3相モータ及びモータ駆動装置並びにファンモータ
JP6330219B2 (ja) モータ制御装置
JP6569447B2 (ja) 電動機制御装置
JP6241453B2 (ja) モータ駆動装置
JP2010136472A (ja) 回転電機駆動制御装置及びその制御方法
JP2009178019A (ja) モータ制御回路,車両用ファン駆動装置及びモータ制御方法
JP4899801B2 (ja) 半導体装置とそれを有するモータ及びモータ駆動装置
JP2011188672A (ja) インバータの冷却装置
JP6463966B2 (ja) モータ駆動装置およびモータ駆動用モジュール並びに冷凍機器
JP2011188717A (ja) インバータの冷却装置
JP2008136327A (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
JP2009136061A (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP2745166B2 (ja) サーボアンプ及びサーボモータの駆動制御装置
JP2015136217A (ja) インバータ制御装置
JP2005080349A (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置
JP2022143903A (ja) 制御装置及び制御方法
WO2016092910A1 (ja) 制御装置および制御方法
JP6005451B2 (ja) 電圧制御回路
JP6980077B1 (ja) 回転電機の制御装置