JP2011187938A - トレイ式基板搬送システム、成膜方法及び電子装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一実施形態では、第一のトレイ106に基板102が搭載された際に与圧機構が基板102に圧力を与えて第一のトレイ106が基板102を保持した状態とし、この第一のトレイ106を第二のトレイ107に装着し、第二のトレイ107を斜めの姿勢にして搬送機構がプロセスチャンバー109に搬送する。プロセスチャンバー109では、減圧下でガスが導入され、基板102上に薄膜を堆積させる。
【選択図】図3
Description
尚、「電子装置」とは、電子技術を利用した装置全般を指しており、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種表示用素子、太陽電池等である。
縦型搬送インライン型では、一直線上にロードロックチャンバー408、及び、複数のプロセスチャンバー409を縦設した構成であり、ロードロックチャンバー408、及び、複数のプロセスチャンバー409を貫くようにして、基板402を搬送させる搬送機構が設けられる。また、各チャンバー間には、ゲートバルブ404が設けられる。
本発明の第2の態様は、成膜方法であって、第一のトレイに基板を搭載するステップと、前記第一のトレイに搭載された前記基板の端面に圧力を与えて該第一のトレイに前記基板を保持させるステップと、前記基板を保持した第一のトレイを第二のトレイに装着するステップと、前記第一のトレイが装着された前記第二のトレイを、前記第一のトレイに保持された基板を水平に配置した状態から立てた状態でチャンバー内に搬送するステップと、前記チャンバー内において、前記第二のトレイにより搬送され、該第二のトレイと一体化した前記第一のトレイに保持された基板に対して、所定の処理を施すステップとを有していることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、基板を保持して搬送するためのトレイであって、基板を搭載可能な第一のトレイと、前記第一のトレイに設けられ、前記基板が該第一のトレイに搭載された際に該基板の端面と接触する面を有する与圧機構であって、該面により前記基板の端面に圧力を付与するように構成され、かつ前記面が前記第一のトレイの内側および外側に変位可能に構成された与圧機構と、前記第一のトレイを着脱可能に構成された第二のトレイとを備えることを特徴とする。
尚、図において図4で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付している。
本実施形態に係る基板処理装置は、基板搬送ロボット部103と協働して基板102を第一のトレイ106に移載させるステージ105を持っている。該ステージ105の第一のトレイ106を載置する載置面が水平(重力方向に対して垂直方向)となるようにステージ105は構成されており、第一のトレイ106に基板102を載置する際は、第一のトレイ106はステージ105上に水平に載置されている。従って、カセット部101から基板搬送ロボット部103により搬送された基板102は、該基板搬送ロボット部103により、ステージ105上において、第一のトレイ106に水平に移載される。第一のトレイ106上に基板102が移載されると、後述する与圧機構により、基板102に圧力を与えて該基板102を第一のトレイ106に保持させる。このとき、例えば、ステージ105から延びるピン状の機構で、基板搬送ロボット部103の基板102を一旦、この上に載置してから第一のトレイ106上に移載することもできる。
このように、基板102をトレイ110に搭載する際には、第一のトレイ106を第二のトレイ107から分離できる構造を採用することで、第一のトレイ106において基板102が配置される基板配置領域(図3においては符号111)が水平となるように、第一のトレイ106をステージ105上に配置することができる。従って、水平に保たれた基板配置領域111上に基板102を搬送することができるので、基板102がその厚み方向に撓む場合であっても、容易に基板102を基板配置領域111上に配置することができる。
上記プロセスチャンバー内では、基板102が設置されたトレイ110が該プロセスチャンバー109内に配置されている際に、上記基板102に対して所定の処理を施す。例えば、プロセスチャンバー109内を減圧して所定のガスを導入し、基板102上に所定の位置に薄膜を形成する。
図3(a)に示すように、上記第二のトレイ107は、第一のトレイ106を保持するための保持部304が形成されており、第一のトレイ106が設置されるトレイ設置面305に第一のトレイ106を着脱可能に構成されている。また、上述のように、第二のトレイ107には、搬送ローラー303と係合し、第二のトレイ107(すなわち、トレイ110)を移動させるための搬送レール302が設けられている。本実施形態では、搬送レール302と搬送ローラー303とがトレイ110を搬送するための搬送機構として機能する。また、本実施形態では、図3(b)に示すように、搬送レール302が搬送ローラー303に係合した際に、トレイ設置面305が重力方向上側を向き、かつトレイ設置面305が重力方向に平行に位置する状態から第二のトレイ107のトレイ設置面305と反対側に所定の角度だけ傾いた状態となるように搬送レール302および搬送ローラー303が構成されている。よって、トレイ110による基板102の搬送時おいては、搬送機構は、第一のトレイ106、該第一のトレイ106に配置された基板102、および第二のトレイ107をそれぞれ斜めの姿勢にして搬送することになる。
本実施形態では、トレイ設置面305が傾斜して配置されることになるので、第二のトレイ107に第一のトレイ106を設置する際に、保持部304を用いて第一のトレイ106を第二のトレイ107に立てかけるだけで、第二のトレイ107に第一のトレイ106を設置することができる。すなわち、より簡便であり、より安定に、基板102を斜めの姿勢で搬送することができる。
なお、本実施形態では、トレイ110(すなわち、基板102)を斜めの姿勢で搬送する形態について説明しているが、トレイ110を垂直に立てて搬送するようにしても良い。すなわち、トレイ設置面305(すなわち、第一のトレイ106に設置された基板102)を水平に配置した状態から立てた状態(トレイ設置面305の面内方向が水平方向に対して垂直方向である場合、およびトレイ設置面305の面内方向が該垂直方向に対して傾斜している場合を含む(縦型のトレイ))を確立できれば、第二のトレイ107としてはいずれの構造を適用しても良い。
また、本実施形態では、トレイ設置面305が傾斜するように第二のトレイ107を設置し、該第二のトレイ107に第一のトレイ106を立てかけることにより、第一のトレイ106を第二のトレイ107に設置しているが、この方法に限定されない。例えば、第一のトレイ106に凸部(凹部)を複数設け、第二のトレイ107に該凸部(凹部)と嵌合するような凹部(凸部)を設け、上記凸部と凹部とを嵌合させることにより、第一のトレイ106を第二のトレイ107に設置するようにしても良い。あるいは、ボルトおよびナットを用いて、第一のトレイ106を第二のトレイ107に固定するようにしても良い。このように、トレイ設置面305を水平に配置した状態から立てた状態において、該トレイ設置面305に第一のトレイ106が設置できれば、第一のトレイ106の第二のトレイ107への設置機構はいずれの構造を用いても良い。
図5は、本実施形態に係る与圧機構の一例としての位置決めホルダー202の模式図である。
図5において、位置決めホルダー202は第一のトレイ106上の基板配置領域111よりも外側に設けられており、支持板202a、例えばバネなどの弾性体202b、押圧部としての樹脂202c、および取っ手202dを有している。支持板202aは第一のトレイ106上に固定されており、弾性体202bの一方端は該支持板202aに接続されている。弾性体202bの他方端は樹脂202cに接続されており、該樹脂202cは第一のトレイ106に対して固定されず、該第一のトレイ106上で摺動可能に構成されている。従って、弾性体202bが変形している場合、該弾性体202bの復元力によって、樹脂202cおよび該樹脂202cの端面202eは矢印方向Pに移動可能である。また、樹脂202cには取っ手202dが設けられており、使用者は該取っ手202dにより、樹脂202cおよび端面202eを矢印方向Pに変位させることができる。このように、与圧機構としての位置決めホルダー202は、第一のトレイ106の外側(図5の矢印方向Q)と内側(図5の矢印方向R)に対して樹脂202cおよび端面202eが移動可能(変位可能)に構成され、かつ樹脂202c(すなわち、端面202e)により基板102の端面102aを押圧するように構成されている。
本実施形態では、基板配置領域111に基板102が配置された際に、弾性体202bが縮んでいる状態となるように、支持板202aは設けられている。よって、基板配置領域111に基板102が配置されている時は、縮んだ弾性体202bが元に戻ろうとする復元力が働き、樹脂202c(端面202e)は図5の矢印方向Rに向かって基板102の端面102aを押圧することができる。図2に示すように、位置決めホルダー202のペアを該ペアにより基板配置領域を挟むように設けることにより、基板102にとっては対向する端面102cの両側から圧力を受けることになる。従って、位置決めホルダー202は、端面102aに印加する圧力により基板102を保持することになる。
このような構成において第一のトレイ106上に基板102を設置する場合、使用者は各位置決めホルダー202の取っ手202dに対して矢印方向Qに向かう力を作用させると、樹脂202cは矢印方向Qに沿って移動することになり、基板設置領域111と樹脂202cとの間には空間Kが形成される。該空間Kは、縮んだ弾性体202bが元に戻る際に働く復元力による樹脂202cの矢印方向Rへの移動により消滅することになる。すなわち、樹脂202cの端面202eが基板設置領域111の端部111aと一致するとき(すなわち、図5に示すように、樹脂202cにより基板102を保持するとき)、上記空間Kは無くなる。よって、図6に示すように、例えば第一のトレイ106への基板102の設置時等に樹脂202cを矢印方向Qに移動させることによって、基板設置領域111に上記空間Kだけマージンを設けることができる。
本実施形態では、樹脂202cの端面202eが基板設置領域111の端部111aに位置する場合、基板102の端面102aも上記端部111aに位置することになるので、基板102は、基板設置領域111上に正確に位置することになる。よって、例えば、図6に示す状態で基板102を第一のトレイ106に設置する場合において、端面102aが空間K内に位置するように基板102を基板保持ピン201上に搭載しても、縮んだ弾性体202bの復元力によって樹脂202cを矢印方向Rに向かって移動させることより、樹脂202cの端面202eが空間K内に存在する端面102aと接触し、さらには該端面102a(すなわち、基板102)を矢印方向R側に移動させる。そして、図5に示すように、端面202e、端面102aが基板設置領域111の端部111aと一致すると、樹脂202cは静止し、基板102は基板配置領域111上に正確に配置される。
このように、本実施形態では、基板配置領域111上に基板102を正確に搭載しなくても、樹脂202cが元の位置に戻る過程において、縮んだ弾性体202bの復元力による樹脂202cの移動により、基板102を正確な位置に自動的に位置決めすることができる。すなわち、基板102の端面102aに接触した樹脂202c(端面202e)が該端面102aに圧力を付与することにより生じる一連の動きによって、基板102の正確な位置決め、および該正確な位置での基板102の保持を実現することができる。
よって、第一のトレイ106上に基板102を粗い精度で搭載しても、位置決めホルダー202は、基板102を該基板102が位置すべき領域(すなわち、基板配置領域111)に移動させ、かつその位置で基板102に対して圧力を印加して該基板102を保持することができる。よって、基板搬送ロボット部103の、第一のトレイ106への基板配置精度が高くない場合であっても、基板102を正確に配置し、該正確に配置された位置にて基板102を保持することができる。
また、本実施形態では、従来のように嵌め込みにより基板をトレイに設ける構成ではなく、上記与圧機構としての位置決めホルダー202により基板102の端面102aに圧力を印加して基板102を保持するようにしているので、第一のトレイ106は常に安定して基板102を保持することができる。よって、例えば、トレイ110の搬送速度を速くしたり、基板102の重量を大きくして基板102にかかる慣性が大きくなっても、基板102のずれや脱落を低減することができる。また、弾性体202bの存在により、樹脂202cの端面202eと基板102の端面102aの端面との界面を矢印方向Pに沿ってフレキシブルに変位させることができる。よって、搬送中のトレイ110の振動が大きくなっても、弾性体202bの変形により該振動を緩和することができ、基板の破損を低減することができる。
なお、本実施形態で重要なことは、与圧機構により、第一のトレイ106上に一旦配置された基板102を基板配置領域111上に正確に位置決めし、かつ該基板配置領域111に位置決めされた基板102の端面102aに所定の圧力を付与することである。このような作用を奏することができるのであれば、与圧機構は上記位置決めホルダー202に限定されない。例えば、位置決めホルダー202に電磁的な駆動機構で樹脂202cを移動できる構成(例えば、アクチュエータ等の駆動機構を設け、該駆動機構を制御装置により制御する構成など)を採用しても良い。
尚、位置決めホルダー202は、基板102の端面102aとの接触部分には樹脂202cを用い、更に、弾性体202bを組み合わせて基板102に対し圧力を与えており、完全に固定を行っているわけではないため、搬送時の振動等による基板102の損傷を抑制することが可能となる。
さらに、基板変位防止プレート203は、基板102の変位によって発生する第一のトレイ106との摩擦も同時に軽減することができ、成膜後の品質に影響を与えるパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
更に、第一のトレイ106は、搬送時の振動による基板102の非処理面方向への振動を抑制する基板変位防止バー204を具備していてもよい。
上述のように、本実施形態では、押圧部が第一のトレイ106の内側および外側に向かって移動可能であり、かつ基板102の端面102aを押圧可能に構成された位置決めホルダー202は、基板102を正確に位置決めする機能と、基板を保持する機能とを担っている。従って、基板搬送ロボット部103が、第一のトレイ106の設置すべき領域(基板配置領域111)に正確に基板102を配置しなくても、位置決めホルダー202により該基板102を基板配置領域111上に位置させることができる。
さて、トレイを水平に配置した状態から立てた状態で基板をトレイに配置しようとする場合、基板搬送ロボット部103により基板を垂直に保持した状態でトレイに設置しなければならない。よって、本発明に特徴的な位置決めホルダー202を用いても基板をトレイに正確に配置することは難しいこともある。
これに対して、本実施形態では、搬送機構と接続する第二のトレイ107と、該第二のトレイ107と着脱可能な第一のトレイ106とを用い、該第二のトレイ107を、基板を立てた状態で保持するように搬送機構と関連付けた状態にしておく。よって、基板配置時においては第一のトレイ106を搬送機構と係合している第二のトレイ107から分離することができる。従って、基板102を配置する際に、第一のトレイ106を水平に配置することができ、基板搬送ロボット部103により第一のトレイ106に対して基板102を簡単に配置することができる。そして、第一のトレイ106と着脱可能な第二のトレイ107は、第一のトレイ106を水平から立てた状態で保持するように予め搬送機構に関連付けられているので、第一のトレイ106を第二のトレイ107に装着するだけで、基板102を斜めの姿勢あるいは垂直の姿勢で搬送することができる。すなわち、第一のトレイ106への基板配置時においても、第一のトレイ106とは別個の第二のトレイ107を、トレイ配置面305を水平に配置した状態から立てた状態を維持するように、搬送機構に連結させている。よって、トレイへの基板配置時毎に、基板が所望の角度で立つようにトレイを搬送機構に連結する必要が無い。
このように、本実施形態では、トレイを、基板を水平でも設置できるようにする第1の機能と、基板を立てて保持させるための第2の機能とに分離し、第1の機能については第一のトレイ106により実現し、第2の機能については第二のトレイ107により実現するようにしている。
730mm×920mmの大きさの基板に、図1、図2、図3、図5、および図6で説明した本発明の一実施形態に係る基板処理装置を用いて、成膜方法の一例として、表示用素子のITO透明導電膜作製を以下の条件の範囲内で行った。
なお、成膜処理は、それぞれマグネトロン方式のカソードを用いたスパッタリングにより行われ、いずれの条件の範囲内においても電子装置として良好な特性が得られた。
・圧力 :0.3〜0.7 [Pa]
・電力 :36 [kW]
・基板温度:室温〜120[℃]
なお、電子装置の製造方法の一例としては、上記表示用素子の製造方法が挙げられるが、上記成膜方法の部分以外については、通常の方法により製造することができる。
107 第二のトレイ
201 基板保持ピン
202 位置決めホルダー
202a 支持板
202b 弾性体
203c 樹脂
204d 取っ手
302 搬送レール
303 搬送ローラー
Claims (5)
- トレイを使用して基板を搬送するトレイ式基板搬送システムであって、
前記基板を搭載可能な第一のトレイと、
前記第一のトレイに前記基板が搭載された際に該基板の端面に圧力を与えて前記第一のトレイに該基板を保持させる与圧機構と、
前記第一のトレイが着脱される第二のトレイと、
前記第一のトレイが装着された前記第二のトレイを、前記第一のトレイに搭載された基板を水平に配置した状態から立てた状態で搬送する搬送機構と
を備えていることを特徴とするトレイ式基板搬送システム。 - 請求項1に記載のトレイ式基板搬送システムを備えることを特徴とする基板処理装置。
- 第一のトレイに基板を搭載するステップと、
前記第一のトレイに搭載された前記基板の端面に圧力を与えて該第一のトレイに前記基板を保持させるステップと、
前記基板を保持した第一のトレイを第二のトレイに装着するステップと、
前記第一のトレイが装着された前記第二のトレイを、前記第一のトレイに保持された基板を水平に配置した状態から立てた状態でチャンバー内に搬送するステップと、
前記チャンバー内において、前記第二のトレイにより搬送され、該第二のトレイと一体化した前記第一のトレイに保持された基板に対して、所定の処理を施すステップと
を有していることを特徴とする成膜方法。 - 請求項3記載の成膜方法を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
- 基板を保持して搬送するためのトレイであって、
基板を搭載可能な第一のトレイと、
前記第一のトレイに設けられ、前記基板が該第一のトレイに搭載された際に該基板の端面と接触する面を有する与圧機構であって、該面により前記基板の端面に圧力を付与するように構成され、かつ前記面が前記第一のトレイの内側および外側に変位可能に構成された与圧機構と、
前記第一のトレイを着脱可能に構成された第二のトレイと
を備えることを特徴とするトレイ。
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