JP2011187510A - 金属微細構造体及びその製造方法並びに樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

金属微細構造体及びその製造方法並びに樹脂成形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】母型の凹凸パターンにクラックの無い金属膜を形成し、母型の凹凸パターンの破損を抑制するとともに凹凸パターンが反映された金属膜を支持部材に転写して金属微細構造体を製造することができる方法を提供する。
【解決手段】凹凸パターン14が形成された母型10の表面に下記式(I)で表されるシランカップリング剤の膜16を形成する。シランカップリング剤の膜上に金属膜18を形成した後、金属膜と該金属膜を支持する支持部材20とを一体化させる。金属膜を支持部材とともに母型から剥離させることにより、母型の凹凸パターンが反映された金属膜と、該金属膜と一体化した前記支持部材とを有する金属微細構造体30を得る。

【選択図】図1

Description

本発明は、微細な配線パターンを有する配線基板、プラズモンセンサーなどに用いられる金属微細構造体及びその製造方法並びに樹脂成形物の製造方法に関する。
従来から、配線基板、プラズモンセンサーなどに使用可能な、μmオーダーあるいはnmオーダーの微細な配線パターンを有する金属微細構造体が期待されているが、未だ実現されていない。
ガラスや樹脂等の基板上にμmオーダー、あるいはnmオーダーの金属からなる微細な配線パターンを形成する方法の一つとして、形成すべき微細なパターンに対応した型(原版)を用いて転写を行う方法がある。例えば、ガラス基板上に導電性膜を形成し、導電性膜上にフォトレジストで所定のパターンを形成した後、導電性膜が露出する部分にめっき膜を形成し、さらにそのめっき膜にベースフィルムを貼り合わせてめっき膜を転写させる方法が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、このような方法では、μmオーダーあるいはnmオーダーのレベルの微細なパターンを有する配線基板を作製することは困難である。
特開2004−63694号公報
本発明は、母型の凹凸パターンにクラックの無い金属膜を形成し、母型の凹凸パターンの破損を抑制するとともに凹凸パターンが反映された金属膜を支持部材に転写して金属微細構造体を製造することができる方法を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 表面に凹凸パターンが形成された母型を用い、該母型の前記凹凸パターンが形成された表面に、下記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成する工程と、
前記シランカップリング剤の膜上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜と該金属膜を支持する支持部材とを一体化させる工程と、
前記金属膜を前記支持部材とともに前記母型から剥離させることにより、前記母型の前記凹凸パターンが反映された前記金属膜と、該金属膜と一体化した前記支持部材とを有する金属微細構造体を得る工程と、
を含むことを特徴とする金属微細構造体の製造方法。

(式(I)中、nは8、10、12、又は14の整数を示し、mは3又は4の整数を示し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はハロゲン原子を表す加水分解性基である。)
<2> 前記金属膜を形成する工程において、前記金属膜を蒸着法によって形成することを特徴とする<1>に記載の金属微細構造体の製造方法。
<3> 前記金属膜を形成する工程において、前記シランカップリング剤の膜上に金属インクを付与した後、加熱することによって前記金属膜を形成することを特徴とする<1>に記載の金属微細構造体の製造方法。
<4> 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記支持部材として樹脂フィルムを用い、該樹脂フィルムを前記金属膜に押し付けた状態で加熱して接着させることにより、前記金属膜と前記支持部材とを一体化させることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<5> 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記金属膜に熱硬化性樹脂または光硬化製樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設けた後、加熱または紫外線照射をして前記樹脂層を硬化させることにより前記支持部材とすることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<6> 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記金属膜に熱硬化性樹脂または光硬化製樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設け、該樹脂層上に樹脂フィルムを配置した後、加熱または紫外線照射をして前記樹脂層を硬化させることにより、前記硬化した樹脂層と前記樹脂フィルムとを含む前記支持部材とすることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<7> 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程において、前記母型として前記凹凸パターンの凸部が配線パターンに相当する母型を用い、
前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記支持部材として片面に粘着層を有するシート部材を用い、該シート部材の前記粘着層を前記金属膜に圧接させることにより、前記凹凸パターンの前記凸部に相当する前記金属膜の一部を前記粘着層に接着させ、
前記金属微細構造体を得る工程において、前記シート部材とともに前記金属膜の一部を剥離させることにより、前記金属微細構造体として配線基板を製造することを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<8> 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程の前工程として、表面に前記凹凸パターンが形成された母型を用意する工程をさらに含むことを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<9> 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程において、前記母型の前記凹凸パターンが形成された表面に前記シランカップリング剤を含む液を付与した後、加熱処理を行い、該加熱処理の前又は後に、前記シランカップリング剤を含む液が付与された前記母型の表面をリンスすることを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の金属微細構造体の製造方法。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の方法によって製造される金属微細構造体。
<11> 高さが1μm未満であり、アスペクト比が2以上の微細な突起群を含む凹凸パターンを有する金属膜と支持部材とからなることを特徴とする金属微細構造体。
<12> <10>又は<11>に記載の金属微細構造体を金型として用い、前記金属微細構造体の前記金属膜に前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成する工程と、
前記シランカップリング剤の膜上に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与した後、加熱または紫外線照射をして前記付与した樹脂を硬化させる工程と、
前記硬化した樹脂を前記金属膜から剥離することにより凹凸パターンを有する樹脂組成物を得る工程と、
を含むことを特徴とする樹脂成形物の製造方法。
本発明によれば、母型の凹凸パターンにクラックの無い金属膜を形成し、母型の凹凸パターンの破損を抑制するとともに凹凸パターンが反映された金属膜を支持部材に転写して金属微細構造体を製造することができる方法、金属微細構造体、並びに樹脂成形物の製造方法が提供される。
本発明により金属微細構造体を製造する工程の一例を示す図である。 微細な凹凸パターンを有する母型の作製に使用するECR型のイオンビーム加工装置の一例を示す概略構成図である。 グラッシーカーボン基板をECRにより加工時間を変えて加工した表面を観察したSEM画像である。 10F2P3S3MのNMRスペクトルである。 10F2P3S3MのIRスペクトルである。 10F2P3S3MのMassスペクトルである。 各シランカップリング剤の加熱温度と接触角との関係を示すグラフである。 実施例1における真空蒸着により形成したAu膜の表面を示すSEM画像である。 実施例1におけるPET基板に転写されたAu膜を示すSEM画像である。 実施例2におけるAu蒸着膜を観察したSEM画像であり、(A)は転写前のモールド上のAu膜を、(B)は転写後のPET基板上のAu膜を示す。 実施例2におけるAu膜のパターンの転写状態を観察したSEM画像であり、(A)は凹凸パターンにAu蒸着膜を設けたモールドを、(B)はAu膜をPET基板に転写した状態を示す。 比較例1におけるAu蒸着膜を観察したSEM画像であり、(A)は転写前のモールド上のAu膜を、(B)は転写後のPET基板上のAu膜を示す。 比較例1におけるAu膜のパターンの転写状態を観察したSEM画像であり、(A)は凹凸パターンにAu蒸着膜を設けたモールドを、(B)はAu膜をPET基板に転写した状態を示す。 実施例3におけるグラッシーカーボン基板に形成された凹凸パターンを示すSEM画像である。 実施例3におけるPET基板の表面に転写されたAu膜を示すSEM画像である。 実施例3における図15のAu膜のパターンが再転写された樹脂層を示すSEM画像である。 比較例2における真空蒸着により形成したAu膜の表面を示すSEM画像である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明について具体的に説明する。
本発明者らの検証結果によれば、母型に高さが数μm以下、特にnmオーダーで、しかも、アスペクト比が高い微細な凹凸パターンが密に形成されていると、母型の転写パターン面に予め離型剤を付与した後に、蒸着によって金属膜を形成し、その後に剥離を試みても種々の問題が生じることが確認された。具体的には、既存の離型剤は耐熱性が低く、金属膜を真空蒸着する際の高温に対して分解などしてしまうため、金属膜を形成できない、金属膜を他の部材に転写できない、金属膜が他の部材に転写されても母型の凹凸パターンが忠実に反映されない(すなわち解像度が悪い)、金属膜にクラックが発生する、あるいは、金属膜を無理に剥離させると母型の凹凸パターンが破壊されてしまい、繰り返して使用することができない、といった問題が生じる。
本発明者らは、先にガラス状炭素(グラッシーカーボン)を基材とし、これにECR(電子サイクロトン共鳴)によるイオンビーム加工を施せば、針状、円錐状、角錐状等、根元から先端に向けて縮径する形状を有する微細な突起群からなり反射率が1%以下の微細な凹凸パターンが形成された反射防止構造体を開発し、先に特許出願を行った(特開2008−233850号公報及びWO2008/018570 A1号公報参照)。そして、上記凹凸パターンが形成された構造体を母型として用い、樹脂や金属等の他の汎用の被転写材料に凹凸パターンを転写させて、良好な反射防止効果を付与することを狙いとして、微細構造の転写技術について研究を重ねた。
しかし、母型の転写パターンが、例えば、高さが1μm未満のnmオーダーで、アスペクト比が2以上となるような微細な凹凸が密に形成されたパターン(本明細書において、母型に形成され、転写すべき凹凸を、適宜、「凹凸パターン」、「転写パターン」ともいう。)であって、しかも被転写材料が金属膜である場合には、母型の凹凸パターンが前記の反射防止構造体のように高精度に形成されたものであっても、そのパターンを忠実に転写して凹凸を反映させる方法を見出すのは困難であった。その理由として、凹凸パターン上に離型剤の膜を形成し、その後に真空蒸着法によって金属膜を形成することを試みたが、例えば、一般的な離型剤として知られている、オプツール(ダイキン工業社製)、デュラサーフ1101Z(ハーベス社製)などの従来の市販品は、真空蒸着の際の高温に耐えうる特性(高温耐熱性)を有していないために、本発明者らは上記問題を解決できないことを認識した。
一方、本発明者らは、上記問題を解決し得る離型剤として、下記一般式(I)で表されるシランカップリング剤を開発し、繰り返し実験を行なった。その結果、該シランカップリング剤が高温耐熱性であるため、真空蒸着によって金属膜を形成でき、撥水性(剥離性)が高いために、凹凸パターンを破壊せずに金属膜と母型とが容易に剥離して転写することができ、母型の凹凸パターンが忠実に反映された金属膜を有する所期の金属微細構造体を作製でき、しかも、繰り返しの転写において母型の耐久性を長期間にわたって維持できることを見出した。

上記式(I)中、nは8、10、12、又は14の整数を示し、mは3又は4の整数を示し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はハロゲン原子を表す加水分解性基である。なお、X、Y、Zは、全てが同じであることが好ましく、また、X、Y、Zは母型の基材との反応性が高い点で、メトキシ基又は塩素原子が好ましく、表面反応時に塩酸が発生するおそれがあることを除けば、基質表面への反応性から見て特に塩素原子が好ましい。
図7は、一般式(I)において、X、Y、Zが全てメトキシ基であり、ペルフルオロアルキル鎖(F(CF)がF(CF10のもの(10F2P3S3M)、F(CFのもの(8F2P3S3M)、F(CFのもの(6F2P3S3M)について本発明者らが検証した温度と接触角との関係を示している。各温度での加熱時間は120分である。なお、本明細書では、前記一般式(I)で表される化合物として、例えば「10F2P3S3M」と表記する場合は、「10F」はF(CFのnが10、「2P」はビフェニレン基、「3S」は(CHSiのmが3、「3M」は3つのメトキシ基、すなわちX、Y、Zが全てメトキシ基である化合物を意味する。
図7に見られるように、本発明者らの検証結果によれば、前記一般式(I)においてnが6のものは、200℃では100度程度の接触角を示すものの、それ以上の温度では接触角が急激に小さくなり、耐熱性が十分ではない。また、nが4以下のものは接触角も耐熱性もさらに低下することから、nが6以下のものでは、高温の工程を有する場合の凹凸パターンの転写に適用するには不十分であることが確認された。
一方、本発明に用いられる前記一般式(I)で表されるnが8以上のシランカップリング剤は、表面エネルギーが低く、水に対して100度以上の接触角を示し、しかも300℃程度、あるいはそれ以上の耐熱性を有し、nが10以上のシランカップリング剤は、400℃程度の高温でも極めて高い耐熱性を有することを特徴とする。
本発明において金属膜を高い解像度で転写して金属微細構造体を作製することができたのは、本発明者等が凹凸パターンを設けた母型の作製を可能としたことと、高温耐熱性の前記シランカップリング剤を開発できたことに因るものである。
本発明に用いる前記シランカップリング剤が、微細な凹凸パターンの転写に極めて有効な理由について理論的に明らかではないが、次のようなことが考えられる。
微細な凹凸パターンの転写では、微細な突起間の空間が離型剤で埋まってしまうとその後の転写が不可能となるため、可能な限り薄く、しかも、転写パターン上に可能な限り同じ厚さの離型剤層を形成することが不可欠と考えられる。本発明で用いられるシランカップリング剤は、母型を構成する基材(母型の凹凸パターン表面)との間に厚さ0.25nm程度の単分子層を形成しやすいものと推察されるため、上記の条件を満足し、しかも表面自由エネルギーが小さいので、高い離型性を有し、熱的にも安定で種々の物理的刺激に対する破壊が少ないことが、凹凸パターンの転写に有効であると考えられる。
また、本発明で用いられる前記シランカップリング剤は、撥水撥油性のフッ素鎖を有するので高い耐水性を有し、母型の基材との間で安定な結合を形成し、さらに、シロキサン結合の他にビフェニル環の相互作用によって、シラン分子が互いに接近して結合してシランカップリング剤の膜が密になることと、それによって最表面のCFが密になることが離型剤としての高い性能をもたらす要因になるものと推察される。
図1は、本発明に係る金属微細構造体を製造する方法の工程の一例を示す図である。
本発明による金属微細構造体の製造方法は、
表面に凹凸パターンが形成された母型を用い、該母型の前記凹凸パターンが形成された表面に、下記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成する工程と、
前記シランカップリング剤の膜上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜と該金属膜を支持する支持部材とを一体化させる工程と、
前記金属膜を前記支持部材とともに前記母型から剥離させることにより、前記母型の前記凹凸パターンが反映された前記金属膜と、該金属膜と一体化した前記支持部材とを有する金属微細構造体を得る工程と、
を含む。

式(I)中、nは8、10、12、又は14の整数を示し、mは3又は4の整数を示し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はハロゲン原子を表す加水分解性基である。
前記シランカップリング剤の膜を形成する工程では、凹凸パターン(転写パターン)が形成された前記母型の表面に前記シランカップリング剤を含む液を付与した後に、加熱処理を行ってもよいし、加熱処理を行わなくてもよい。また、必要に応じて前記加熱処理の前又は後にリンスを行うことが好ましい。
加熱処理を行う目的は、シロキサン結合と基材表面へのシランカップリング剤の結合を促進させ、かつフッ素鎖を安定な状態に持っていくことである。一般式(I)においてX、Y、Zが全てメトキシ基の場合を例にとって説明すると、シランカップリング剤は空気中で基材表面に塗布されると、空気中の湿気が作用してメトキシ基がOH基になってメタノールが離脱し、OH基に変わると別分子のメトキシ基と反応してシロキサン結合が形成される。また、基材表面のOH基あるいは吸着水と反応して水素結合による比較的弱い結合が生じる。このような種々の結合形成に対して熱による熟成が行われて、OH基同士の縮合を促進し、Si−O−Si、あるいはSi−O−基材の結合を強固な共有結合に変えるため、表面に強い結合が形成される。なお、これらの目的は、加熱処理を行わなくとも、塗布後時間をおくことで達することもできる。
シロキサン結合が完了すると、分子間距離が小さくなって基材表面をフッ素系シランカップリング剤が密に覆うことになって離型性を向上させる効果を発揮するものと考えられる。
離型剤を塗布した後の加熱処理は、水素結合を共有結合に変えて、水をあるいはメタノールを除去することが主目的である。一般的な離型剤の場合は130〜150℃で熱処理を行うが、本発明者らの実験によれば、一般式(I)で表されるシランカップリング剤の場合は、好ましくは130℃以下、より好ましくは80〜100℃で熱処理を行うか、熱処理を行わないことが、転写回数が増しても剥離性の低下が抑制される。
一方、リンスを行う目的は、基材表面に共有結合で強固に結合したシランカップリング剤の外側に単に物理吸着し、結合方向がバラバラで空気側に必ずしもフッ素鎖が向いてなく、表面自由エネルギーの低下を邪魔する余計なシランカップリング剤を洗い除くことである。
リンス液としては、有機溶媒、水などを用いることができ、例えば、HFE−7100(住友スリーエム社製)等のフッ素系溶媒を用いることができる。フッ素溶媒でリンスした後、さらに水でリンスし、メトキシ基をOH基に変えることでカップリング効果を向上させることもできる。
以下、各工程及び部材についてより具体的に説明する。
<母型>
表面に凹凸パターンが形成されている母型10を用意する。
母型10の本体となる基材12の材質、形状、サイズ、凹凸パターン14は、特に限定されず、転写すべき材料や用途等に応じて選択すればよい。
基材12の材質(モールド材料)としては、凹凸パターン14の形成性、母型10としての機械的強度、耐熱性、金属膜の成膜性などの観点から、例えば、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)、シリコン、SOG、石英、セラミックス、又は、ニッケル、特にめっきで作製されるニッケル板、タンタルのような金属、あるいはクロム、ニッケル、アルミナ、チタニア等の金属の酸化物を挙げることができ、また、非可撓性である材料が好ましく用いられる。
また、基材の形状は、通常シート状の平板状であるが、ロール形状のものでも使用することができ、さらに、凹凸パターンを設けた薄膜平板状のものをロールに巻きつけて、ロール・トウ・ロール転写方式に用いることもできる。
基材12の表面における凹凸パターン14は目的に応じて形成すればよく、例えば、リソグラフィ、電子ビーム加工、イオンビーム加工などによって基材12の表面に所望の凹凸パターン14を形成すればよい。
例えば、シリコン基板等の基材12の表面(片面)に、リソグラフィ(フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィなど)とエッチングにより所望の配線パターンを形成することができる。また、シリコン基板等の平坦な基板上に、SOG(Spin on Glass)を焼成した後、所定の凹凸パターンに成形することもできる。
また、基材12の表面にnmオーダーの微細な突起群を形成することによって、金属膜18に反射防止効果を付与したり、金属膜18の表面積を広くする場合には、例えば、グラッシーカーボン等の基材12を用い、これにイオンビーム加工を施すことで、基材12の表面(加工面)に、nmオーダーの微細な突起群を形成させてもよい。例えば、グラッシーカーボン基材にECR(電子サイクロトン共鳴)によるイオンビーム加工を施せば、高さが1μm未満であり、アスペクト比が2以上の針状、円錐状、角錐状等、根元から先端に向けて縮径する形状を有する微細な突起群からなるパターンを形成することができる。このような根元から先端に向けて縮径する形状(例えば、先端が尖った形状)の突起群からなる転写パターンであれば、円柱状などの径がほぼ一定の突起群からなる転写パターンよりも転写(剥離)が容易となる点で有利となる。なお、ECRの加工では、加工時間、加速電圧、ガス流量を調節することで、基材の表面に形成される突起の高さやピッチPをある程度制御することができる(特開2008−233850号公報参照)。
図2は、本発明に係る母型の製造に使用することができるECR(電子サイクロトン共鳴)型のイオンビーム加工装置(プラズマエッチング装置)の構成の一例を概略的に示している。このイオンビーム加工装置50は、基板52を保持するためのホルダ66、ガス導入管54、プラズマ生成室56、エクストラクター58、電磁石60、イオンビーム引き出し電極62、ファラデーカップ64等を備えている。なお、例えば500V以下の低加速電圧では電流密度が小さくなるので、エクストラクター58は、電流密度を上げるために引き出し電極62よりプラズマ側でイオンを引き出すためのグリッドである。エクストラクター58を用いれば、加速電圧が低くても、電流密度が大きくなり加工速度を高めることができる。
このようなECR型のイオンビーム加工装置50を用いて母型を製造するには、まず、原料となるガラス状炭素(グラッシーカーボン)からなる基材52を用意し、これをホルダ66にセットする。用いるガラス状炭素基材は板状はもちろん、イオンビーム加工を施す面が曲面となっているものでもよい。なお、イオンビーム加工を施す面は研磨されていることが好ましい。研磨面であれば、エッチング前は滑らかな面となっており、加工により微細な突起を均一に形成し易い。
ガラス状炭素基材を装置50内に設置した後、反応ガスを導入するとともに所定の加速電圧をかけて基材52の表面にイオンビーム加工を施す。
反応ガスとしては酸素を含むガスを用い、酸素のみでもよいし、酸素にCF4等のCF系のガスを混ぜたガスも用いることができる。
このようにECR型のイオンビーム加工装置50を用いて基材52の表面にイオンビーム加工を施すことで、先端に向けて縮径する形状を有する微小な突起群(微細構造)を形成することができる。ガラス状炭素基材52の表面に形成される突起の形状及びピッチは、イオンビーム加工の際の加速電圧、加工時間、及びガス流量により大きく影響される。従って、加速電圧、加工時間、及びガス流量の少なくともいずれか1つを制御することにより、基材の表面に形成する突起の形状及びピッチを制御することができる。また、加速電圧、加工時間、ガス流量等を調節することで、例えば、突起の形状については、先端に向けて縮径する形状を有する形状として、針状のみならず、円錐状、多角錐状、円錐台状、多角錐台状、放物形状等の微細な突起群を形成することもできる。
また、ECR型のイオンビーム加工装置50を用いれば、比較的大きい面であっても一括して加工することができる。そして、このような方法によれば、ガラス状炭素基材を容易に表面加工することができ、無反射に近い反射防止効果を発揮することができる母型を製造することができる。
本発明者らの研究によれば、特に、加速電圧を300V以上、かつ、加工時間を18分以上としてグラッシーカーボン基板にECR加工を施すことにより、根元部分から先端部まで縮径した針状又は円錐状の突起を確実に形成することができ、反射率を20%以下にすることができる。なお、加速電圧を大きくし過ぎると突起が細くなって転写時に折れ易くなり、加工時間を長くすると生産性の低下を招くおそれがあるため、加速電圧は1000V以下、加工時間は30分以下とすることが好ましい。
そして、ガラス状炭素基材において、上記のような先端に向けて縮径する形状を有する微細突起群が形成された表面は、柱状体の突起が形成されている場合に比べて入射光が反射し難く、より高い反射防止効果を奏するものと考えられる。
本発明に係る母型10の表面に形成された先端に向けて縮径する形状の微細突起14は、200nm〜3000nm、より好ましくは720nm〜1370nmの平均高さ(H)を有し、各突起14の根元の直径、すなわち平均最大径が50nm〜300nmの範囲内、より好ましくは80nm〜220nmであり、50nm〜300nm、より好ましくは120nm〜220nmのピッチ(P)で形成されていれば、極めて高い反射防止効果を発揮することがわかった。特に、突起の高さが200nm以上であり、かつ、140nm以下のピッチで形成されていれば、無反射の構造とすることができる。
さらに本発明者らは、突起先端部の角度と反射率との関係について調査を行った。根元部分から先端部までテーパ状に縮径している突起14が所定のピッチで形成されている場合、突起14の先端部の角度(頂角)を2θ、根元部分の半径(D/2)をr、高さをhとすると、tanθ=r/hより、θ=tan-1(r/h)となる。
そして、無反射構造となるには、理論上、突起のピッチ(P)<137nm、高さ(h)>200nmが条件となる。これより、2θ<37.8°の場合に無反射構造となる。従って、突起14の先端部分の角度が上記の関係を満たすときに無反射又はそれに近い反射率を達成できると考えられる。ただし、突起先端部の角度が小さすぎる場合は、転写時に突起が折れ易く、また、径が均一な柱状に近づいて反射率が上昇してしまうものと考えられる。従って、突起14が針状又は円錐状の場合、先端部の角度は好ましくは3°以上、より好ましくは10°以上、特に好ましくは15°以上である。
このようなガラス状炭素の基材の表面に、針状等、先端に向けて縮径する形状を有する微細な突起群を有する母型は、無反射に近い反射防止構造の転写パターンを有するものとなる。そして、このようなガラス状炭素から作製した母型は、耐熱性が極めて高いほか、グラファイトのような炭素素材とは異なり機械的強度も高いため、例えば、樹脂材料だけでなく、石英ガラスや金属のような融点の高い部材に対しても繰り返し転写することができる。
また、グラッシーカーボンの加工面にニッケル、金等の金属でめっきあるいは蒸着を施して母型を製造してもよい。このように製造した型には、グラッシーカーボンの加工面に形成した凹凸パターンが反映される。従って、この母型を用いれば、例えば樹脂材料からなるフィルムなど融点(軟化点)が比較的低い部材に対して反射防止構造を間接的に転写させることができ、無反射に近い反射防止機能を有する樹脂フィルム等を製造することができる。
さらに、本発明に係る母型は、ガラス状炭素の基材の表面に反射防止構造を構成する微細な突起の5倍以上の幅と高さを有し、先端に向けて縮径する形状を有する大型の突起が点在するものとしてもよい。このような大型の突起を形成させるためには、例えば、ガラス状炭素の基材の表面に大型の突起を形成するためのマスク材料を点在させた状態でイオンビーム加工を施せばよい。その結果、マスク部分以外は加工され、マスクされた部分が大型の突起として残る。なお、マスク材料としては、例えば、シロキサンポリマー等を用いることができ、フォトリソグラフィや電子ビームリソグラフィ等によりガラス状炭素基材上の所定の位置にマスクを点在させることができる。
そして、このようにガラス状炭素基材の表面上に針状等の微細な突起とともに大型の突起が点在している、反射防止構造パターンを有する母型を用い、例えば石英ガラス等の光学基板に転写すれば、ナノオーダーの微細な突起群とともに、マイクロオーダーの切り欠き部(マイクロプリズムアレイ等と呼ばれる)を有する表面構造に加工することができる。このような表面構造を有するガラスとすれば、より高い反射防止効果を有する光学部材を得ることができる。
以上、母型10を構成する基材12の材質(モールド材料)として、ガラス状炭素(グラッシーカーボン)を用いた場合を中心に説明したが、ガラス状炭素に限定されるわけではなく、前述のように、シリコン、SOG、石英、セラミックス、又は、ニッケル特にめっきで作製されるニッケルあるいはタンタルのような金属等も用いることができる。
<離型剤>
本発明では、離型剤として、下記一般式(I)で表されるペルフルオロビフェニルアルキル鎖を有するシランカップリング剤(以下、適宜、「シランカップリング剤」、あるいは、「離型剤」という。)を用い、前記母型10の凹凸パターン14が形成されている表面に、該シランカップリング剤の膜16を形成する(図1(A))。


(式(I)中、nは8、10、12、又は14の整数を示し、mは3又は4の整数を示し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はハロゲン原子を表す加水分解性基である。)
上記シランカップリング剤は、表面エネルギーが低く水に対して100度以上の接触角を示し、しかも300℃程度あるいはそれ以上の耐熱性を有する。特に、nが10以上のシランカップリング剤は、350℃以上の雰囲気に4時間以上、あるいは400℃の雰囲気に10時間晒しても前記接触角の値を維持することができる。すなわち、このシランカップリング剤は、それによる改質表面の接触角の低下が見られないというほどの優れた耐熱性を有し、さらに、耐久性、離型性、および防汚性にも優れている。
上記一般式(I)で表されるシランカップリング剤は、例えば以下の方法によって製造することができる。
下記一般式(2)で表される4,4’−ジブロモビフェニルを、
下記一般式(3)で表されるペルフルオロアルキルヨージドと極性溶媒中で、銅ブロンズ粉触媒を用いて反応させて、
F(CFI (3)
(式中、nは8〜14の正数である。)
下記一般式(4)で表される4−ペルフルオロアルキル−4’−ブロモビフェニルを合成する。
次に、上記4−ペルフルオロアルキル−4’−ブロモビフェニルを、下記一般式(5)で表される不飽和アルキルブロミドと極性溶媒中でCuI触媒を用いて反応させて、
CH=CH(CH−Br (5)
(式中、pは1〜4の正数である。)
下記一般式(6)で表される4−ペルフルオロアルキル−4’−ビニルアルキルビフェニルを合成する。
その後、上記4−ペルフルオロアルキル−4’−ビニルアルキルビフェニルを、下記シラン類から選択される1種と、有機溶媒中で塩化白金酸触媒を用いて反応させて、前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤を製造することができる。
シラン類:トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロピルシラン、トリイソプロピルシラン、メチルジメトキシシシラン、メチルジエトキシシシラン、メチルジプロポキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン
上記シランカップリング剤を母型の転写パターン面に付与する方法は特に限定されないが、ナノサイズの凹凸パターンの場合には、付与したシランカップリング剤の膜が厚過ぎるとパターンが埋まってしまう。一方、シランカップリング剤の付与が不十分であると、凹凸パターン(特に高アスペクト比のものなど)の底部(凹部)まで離型剤が十分に行き渡らないおそれがある。これらの問題が発生しないように、例えば、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、それらの重ね塗り、ロールコート、スクリーン印刷、蒸着等、公知のコーティング方法から選択することができる。
例えば、転写パターンが、突起(凸部)の高さが1μm未満で、アスペクト比が2以上のnmオーダーとなる微細な構造の場合、シランカップリング剤をコートする際、加圧による転写パターンの破壊を防ぎ、パターン面にできるだけ均一に付与するため、上記シランカップリング剤を溶媒に溶かしてスピンコートによって付与することが好ましく、大型のモールドの場合にはディッピングが好ましい。さらに、シランカップリング剤をモールドの底部(凹部)まで届かせるには、対流や超音波振動を加えることが効果的である。
なお、離型剤層は、凹凸パターン上全体に形成してもよいし、凹凸パターンの大きさ、密度、転写されたパターンの用途、被転写部材の材質などによっては、パターンの一部、例えば凸部のみに形成してもよい。
シランカップリング剤を溶かす溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、フッ素系溶剤(例えば、住友3M社製のHFE−7100、HFE−7200[(CFCFCF−O−CHCH]、フルオロポリエーテル系溶剤、代替フロンなど)、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられる。これらの中から選択した溶媒に、シランカップリング剤を0.01〜10%、さらに0.1〜1.0%の濃度(重量%)で用いることが好ましい。
また、母型10の転写パターン面に形成するシランカップリング剤の膜16は、その膜厚が大き過ぎると、パターン14の微細な凹凸間に離型剤16が充填され、被転写材料(金属)18が深く埋め込まれ難くなる結果、母型の転写パターン14が金属膜18に十分反映されない可能性もある。そのため、母型の転写パターン面に形成する離型剤16の膜厚は、好ましくは単分子層〜50nmであり、より好ましくは単分子層〜10nmである。
シランカップリング剤の膜厚は、例えば、転写パターン面に塗布する際に用いる溶液中のシランカップリング剤の濃度で調整することができるほか、転写パターン面にシランカップリング剤を含む溶液を塗布した後、溶媒でリンスすることによって薄膜化を図ることもできる。
次に、シランカップリング剤の膜16が形成された母型10を、必要に応じて加熱処理してベークする。また、母型10の凹凸パターン14が形成された表面に前記シランカップリング剤を含む液を付与した後、加熱処理の前又は後に、前記シランカップリング剤(離型剤)を含む液が付与された母型の表面をリンスすることが好ましい。特に加熱処理後にリンスを行うことが好ましい。加熱処理条件としては、限定的でなく、例えば、オーブン中で130℃で30分間、150℃で20〜30分間、あるいは120〜160℃で15〜35分間行えばよい。
本発明で用いるシランカップリング剤は、ペルフルオロアルキル基及びビフェニルアルキル基を有するため、上記離型剤膜16はモノレーヤー(分子一層)となり、しかも加熱処理によって、2次元ないし3次元の網状のシロキサン結合を形成するシロキサンネットワークが構築されるので、凹凸パターン14の転写に効果的であると推察される。
<金属膜>
次に、シランカップリング剤の膜16上に金属膜18を形成する(図1(B))。
シランカップリング剤の膜16が形成された母型10の表面に金属膜18を付与する方法は限定されないが、真空蒸着法、めっき法、あるいは金属インクを付与後、加熱する方法などが好ましく用いられ、製造する金属微細構造体の使用目的あるいは母型10の材質等に応じて選択することができる。
特に、本発明で用いるシランカップリング剤は高い耐熱性を有するために、該シランカップリング剤の膜16を形成した母型10の凹凸パターン14上に、通常、200℃〜400℃の温度条件で行なう真空蒸着法を使って金属膜18を形成することができる。
また、金属インクを用いる前記方法においても、シランカップリング剤の高耐熱性を活かすことができる。母型10の凹凸パターン14が形成されている表面に金属インク分散液を塗布した後に、分散液に含まれる、例えばバインダーなどの金属以外の材料を加熱によって昇華除去する。このように加熱によってバインダー等の材料を昇華除去する際、母型に予め付与されているシランカップリング剤が分解などを起こさずに、主として金属からなる膜を形成することができる。
金属膜18は、通常、母型の凹凸パターン14が形成されている面全体に形成されるが、凸部のみに形成してもよい。
製造する金属微細構造体の用途が、例えば、触媒あるいはプラズモンセンサー(SPR)の場合には、母型10の凹凸パターン14が形成された面全体に金属膜18を形成した後、金属膜全体を支持部材20と一体化させる。
一方、金属微細構造体として配線基板を製造する場合には、母型に形成した金属膜の一部を支持部材と一体化させればよく、例えば、次のような方法が適用することができる。
凹凸パターンの凸部が配線パターンに相当する母型を用意し、凹凸パターンが形成されている面に金属膜を形成する。次いで、支持部材として片面に粘着層を有するシート部材を用い、好ましくは該シート部材に張力をかけながら、シート部材の粘着層を金属膜に圧接させることにより、凹凸パターンの凸部に相当する金属膜の一部を粘着層に接着させる。その後、シート部材とともに金属膜の一部を剥離させることにより、母型の凸パターンに対応した金属膜の一部を配線として有する配線基板を製造することができる。
また、母型の凹凸パターンの凸部分のみに金属膜を形成した後、支持部材を金属膜と一体化し、母型から剥離することによって、配線基板を作製することもできる。
粘着シートのような厚みが薄くかつフレキシブルな支持部材を用いて作製される配線基板は、例えば、携帯電話機の狭い内部の屈曲部などに使用される。
金属膜の厚さは、母型の凹凸パターンの深さに影響されるが、金属膜の厚みが薄過ぎると配線の高抵抗化や断線を招き易く、厚過ぎると成膜に時間を要し、製造コストの上昇を招いてしまう。これらの観点から、金属膜の厚みは20〜1000nm程度であることが好ましい。
金属膜を構成する金属材料としては、製造すべき金属微細構造体の用途、目的等に応じて選択すればよく、例えば、AU、Ag、Cu、Al、Co、Ni、W、Ptなどを用いることができる。
<支持部材>
次に、金属膜18と一体化させる支持部材20について説明する。
支持部材20は、製造すべき金属微細構造体に応じて選択すればよく、ガラス、セラミック、プラスチックなどが用いられ、例えば、PETのような樹脂フィルムを用いることもできる。例えば、熱可塑性の樹脂フィルムを金属膜18に押し付けた状態で加熱すると、該樹脂フィルムが軟化して金属膜18と接着し、必要に応じて、その後冷却して再度硬化させる(図1(C))。これにより金属膜18と支持部材20とが接着する。
このように金属膜18に樹脂フィルム20を接着させて一体化した合体物をシランカップリング剤の膜16から剥離することで、金属微細構造体30を得ることができる(図1(D))。
支持部材として用いる樹脂フィルムの材質及び厚さは限定されないが、厚さが薄過ぎると支持体としての強度が不十分となり、厚過ぎるとフレキシブル性が低下する。樹脂フィルムの材質、金属微細構造体の用途等にもよるが、例えば10〜200μm程度の厚みを有する樹脂フィルムを用いることができる。
また、先述したように、粘着テープのような、片面に粘着層が設けられた樹脂フィルムを支持部材20として用いて、凹凸パターンの凸部上に形成された金属膜18と接着した後、剥離させることで、配線基板を作製することもできる。
また、金属膜18に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設けた後、加熱または紫外線照射をして樹脂層を硬化させることにより支持部材としてもよい。樹脂層を硬化させて得た支持部材は金属膜と一体化し、得られた合体物を母型から剥離して金属微細構造体を作製する。金属膜18に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与する方法は特に限定されないが、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂の樹脂材料を含む溶液を、スプレーコート、スピンコート、ロールコート等、公知のコーティング方法により塗布する方法が好適である。
なお、熱硬化性樹脂を用いて支持部材を得る際、母型なども含めて全体が加熱されるが、本発明に用いるシランカップリング剤は高い耐熱性を有するため、加熱しても特に問題ない。
さらに、金属膜18に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設け、該樹脂層上に樹脂フィルムを配置した後、加熱または紫外線照射をして樹脂層を硬化させることにより、硬化した樹脂層と樹脂フィルムとを含む支持部材とすることもできる。例えば、金属膜18に硬化性樹脂を塗布して塗布膜とした後、この塗布膜に樹脂フィルムを押し当てながら硬化させる。これにより、金属膜は硬化した硬化膜と接合するとともに、硬化した樹脂膜と樹脂フィルムとからなる支持部材が得られる。
なお、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、紫外線を透過する樹脂フィルムを用い、樹脂フィルム側から紫外線を照射して硬化させることが好ましい。
凹凸パターン14に前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜16が設けられた母型10は、上記のような支持部材20と金属膜18との合体物(金属微細構造体)を繰り返し作製するのに有利に使用することができる。
また、金属膜18との接合強度を向上させるため、支持部材20、特に樹脂フィルムの表面を粗面化してもよい。例えば、支持部材20の表面に微粒子を付着させる方法、微粒子を高圧で吹き付ける方法(ブラスト)、などによって支持部材20の表面を荒らすことで、凹凸が形成され、被転写材料(金属膜)18との接合強度を向上させることができる。
<離型>
前記金属膜18を前記支持部材20とともに前記母型12から剥離させることにより、前記母型12の前記凹凸パターン14が反映された前記金属膜18と、該金属膜18と一体化した前記支持部材20とを有する金属微細構造体30を得る(図1(D))。
金属膜18と一体化した支持部材20を保持して母型10から引き離せばよい。これにより、シランカップリング剤の膜16と金属膜18とが剥離し、母型10の微細パターン14が精度良く反映された金属膜18と支持部材20とを有する金属微細構造体30が得られる。本発明では、前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤を離型剤として用いているため、母型10の凹凸パターン14が反映された金属膜18(被転写部材)を母型10から容易に剥離することができるとともに、母型10の微細パターン14の破壊を効果的に抑制することができる。
なお、シランカップリング剤の膜16は母型10の材質にもよるが、例えば、母型10としてグラッシーカーボンを用いた場合、金属膜18の剥離後においても転写パターン面に強固に結合しているため、剥離後、シランカップリング剤を再度付与せずに、金属膜18の形成(図1(B))、金属膜18と支持部材20との一体化(図1(C))、支持部材20と一体化した金属膜18の剥離(図1(D))を繰り返し行うことができる。従って、本発明を適用すれば、例えば、無反射に近い反射防止機能を有する金属膜と、樹脂フィルムやガラス基板等の支持部材とが一体化した金属微細構造体を低コストで量産することも可能である。
特に、グラッシーカーボンの基材にECRによるイオンビーム加工を施せば、高さが1μm未満であり、アスペクト比が2以上の針状、円錐状、角錐状等、根元から先端に向けて縮径する形状を有する微細な突起群からなるパターンを形成することができるので、これを母型として用いて本発明の製造方法を適用すれば、高さが1μm未満であり、アスペクト比が2以上の微細な突起群を含むパターンを有する金属膜と支持部材とからなる金属微細構造体を製造することができる。
また、本発明によって製造された金属微細構造体を金型として用い、母型の凹凸パターンが反映された金属膜のパターンを他の部材に繰り返し転写することで、凹凸パターンを有する多数の複写体を繰り返し製造することができる。
例えば、金属微細構造体の凹凸パターンを有する金属膜上に、前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成した後、先述したような方法で、樹脂フィルム又は、熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂からなる硬化樹脂に凹凸パターンを再転写する。例えば、シランカップリング剤の膜上に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与した後、加熱または紫外線照射をして前記付与した樹脂を硬化させ、硬化した樹脂を金属膜から剥離する。これにより凹凸パターンを有する樹脂組成物を得る。これを繰り返すことで、凹凸パターンを有する樹脂成形物を大量に生産することもできる。
以上のように、本発明によれば、母型の凹凸パターン上に金属膜を形成することができ、該金属膜と一体化させた支持部材とともに容易に剥離することができ、剥離する際に母型の凹凸パターンの破壊が抑制される。このようにして支持部材に転写された金属膜は、母型のパターンが忠実に反映され、すなわち解像度が良く、しかも、支持部材に転写された金属膜にはクラックが発生し難い。また、母型を繰り返して使用することができ、母型の耐久性を長期間にわたって維持することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
‐基材の表面加工‐
表面が研磨されたグラッシーカーボン(東海カーボン株式会社製)の基板(厚さ:1mm、縦横:10mm×10mm)を、図2に示したような構成のECR(電子サイクロトン共鳴)型のイオンビーム加工装置(株式会社エリオニクス製、商品名:EIS−200ER)を用いて表面にイオンビーム加工を施した。
このイオンビーム加工装置50は、基板52を保持するためのホルダ66、ガス導入管54、プラズマ生成室56、エクストラクター58、電磁石60、イオンビーム引き出し電極62、ファラデーカップ64等を備えている。なお、例えば500V以下の低加速電圧では電流密度が小さくなるので、エクストラクター58は、電流密度を上げるために引き出し電極62よりプラズマ側でイオンを引き出すためのグリッドである。エクストラクター58を用いれば、加速電圧が低くても、電流密度が大きくなり加工速度を高めることができる。
グラッシーカーボン基板52をホルダ66にセットし、反応ガスとして酸素を導入するとともに所定の加速電圧をかけてグラッシーカーボン基板52の表面にイオンビーム加工を施した。加工条件は以下の通りである。
ビーム照射角度:加工面に対して垂直(基板の転写パターン面に対して90°)
反応ガス:酸素
ガス流量:3.0SCCM
マイクロ波:100W
加速電圧:500V
加工時間:45分
真空度: 1.3×10−2Pa
図3は加工時間を変化させて加工したグラッシーカーボン基板の表面状態を示すSEM画像である。図3に見られるように、グラッシーカーボン基板の表面(加工面)には先端に向けて縮径する形状を有する微小な突起群からなるパターン形成され、加工時間に応じて突起の高さ及びピッチが変化した。
‐離型剤の製造‐
以下の工程により、一般式(I)において、X、Y、Zが全てメトキシ基であり、(1)RがF(CFのもの(8F2P3S3M)、(2)F(CF10のもの(10F2P3S3M)、(3)F(CF12のもの(12F2P3S3M)をそれぞれ合成した。
(1)F(CF(CCHCHCHSi(OCH [8F2P3S3M]は以下の工程(1−1)〜(1−3)を経て合成した。
(1−1) F(CF(CBr [8F2PB]の合成

還流冷却器と滴下漏斗を装備した500mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、銅ブロンズ粉 23.0g(362mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル 25.0g(80.1mmol)、さらに溶媒としてDMSO 120mlを加えた後、120℃で加熱撹拌した。2時間後、ペルフルオロオクチルヨージド 23.6ml(80.5mmol)をゆっくりと滴下し、引き続き120℃、24時間加熱撹拌した。還流終了後、溶液を室温まで冷却し,桐山ロートを用いて過剰の銅粉と白色固体を濾別した。得られた銅粉と白色固体の混合物から酢酸エチルを溶媒に用いソックスレー抽出した。抽出液中に存在するCuBr、CuIを飽和NaCl水で洗浄除去し、さらに抽出液を硫酸マグネシウムで脱水、酢酸エチルを減圧留去した。残留物を減圧蒸留により精製して、留出物を得た。
得られた留出物についてH−NMR、FT−IR、Massの各スペクトルにより分析を行った。得られた留出物は、H−NMR、FT−IR、Mass(m/z 651)の各スペクトルにより、8F2PBであると同定した。
収量 22.9g(35.2mmol)
収率 44%
沸点 134−135℃/30Pa
性状は、白色固体であった。
(1−2) F(CF(CCHCH=CH [8F2PA]の合成

滴下ロートを装備した200mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、ドライアイス/メタノール冷媒(−78℃)で冷却した後、2.66Mのn−ブチルリチウム/へキサン溶液6.79ml(18.1mmol)を加え、続いて0.76Mのイソプロピルマグネシウムブロミド/THF溶液11.9mml(9.04mmol)を加え1時間攪拌した。その後、50mlのジエチルエーテルに溶解させた8F2PB 4.80g(7.40mmol)をゆっくりと滴下し、−78℃で1時間攪拌した。
黄褐色に変化した溶液に触媒CuI0.42g(22.2mmol)を加えた後、アリルブロミド3.82ml(45.18mmol)を滴下し、2時間攪拌後、飽和NHCl水溶液を沈殿が生じなくなるまで加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出後、硫酸マグネシウムで脱水し、酢酸エチルを減圧除去した。残留物を減圧蒸留により精製して留出物を得た。
得られた留出物についてH−NMR、FT−IR、Massの各スペクトルにより分析を行った。得られた留出物は、H−NMR、FT−IR、Mass(m/z 612)の各スペクトルにより、8F2PAであると同定した。
収量 1.86g(3.04mmol)
収率 41%
沸点 164−167℃/80Pa
性状は、白色固体であった。
(1−3) F(CF(CCHCHCHSi(OCH [8F2P3S3M]の合成

還流冷却器を取り付けた200mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、THF 10ml、8F2PA 1.86g(3.04mmol)、トリメトキシシラン 0.77g(6.08mmol)、触媒として0.1M HPtCl/THF溶液0.1ml(0.01mmol)を採取し、50℃で48時間撹拌した。放冷後、THF、トリメトキシシランを減圧留去した。残留物を減圧蒸留により精製して留出物を得た。
得られた留出物についてH−NMR、FT−IR、Massの各スペクトルにより分析を行った。得られた留出物は、H−NMR、FT−IR、Massの各スペクトルにより、8F2P3S3Mであると同定した。
収量 1.50g(2.04mmol)
収率 67%
沸点 160−165℃/30Pa
性状は、白色固体であった。
(2)F(CF10(CCHCHCHSi(OCH (10F2P3S3M)は、以下の工程(2−1)〜(2−3)を経て合成した。
(2−1) F(CF10(CBr [10F2PB]の合成

還流冷却器と滴下漏斗を装備した500mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、銅ブロンズ粉20.0g(315mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル20.0g(64.1mmol)、さらに溶媒としてDMSO 120mlを加えた後、120℃で加熱撹拌した。2時間後、ペルフルオロデシルヨージド42.6g(66mmol)をゆっくりと滴下し、引き続き120℃、24時間加熱撹拌した。還流終了後,溶液を室温まで冷却し、桐山ロートを用いて過剰の銅粉と白色固体を濾別した。得られた銅粉と白色固体の混合物から酢酸エチルを溶媒に用いソックスレー抽出した。抽出液中に存在するCuBr、CuIを飽和NaCl水で洗浄除去し、さらに抽出液を硫酸マグネシウムで脱水し、酢酸エチルを減圧留去した。残留物を減圧蒸留して、留出物を得た。得られた留出物についてMassスペクトルの分析結果、m/z(分子量)751により、10F2PBであると同定した。
収量 28.2g(37.5mmol)
収率 59%
沸点 139−143℃/32Pa
性状は、白色固体であった。
(2−2) F(CF10(CCHCH=CH [10F2PA]の合成

滴下ロートを装備した200mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、ドライアイス/メタノール冷媒(−78℃)で冷却した後、2.66M n−ブチルリチウム/へキサン溶液7.2ml(19.2mmol)を加え、続いて0.76M イソプロピルマグネシウムブロミド/THF溶液12.3mml(9.3mmol)を加え1時間攪拌した。その後、50mlのジエチルエーテルに溶解させた10F2PB 5.27g(7.40mmol)をゆっくりと滴下し、−78℃で1時間攪拌した。黄褐色に変化した溶液に触媒CuI 0.5g(1.6mmol)を加えた後、アリルブロミド5.4g(45mmol)を滴下し、2時間攪拌後、飽和NHCl水溶液を沈殿が生じなくなるまで加え反応を停止した。酢酸エチルで抽出後、硫酸マグネシウムで脱水し、酢酸エチルを減圧除去した。残留物を減圧蒸留して、留出物を得た。
得られた留出物についてMassスペクトルの分析結果、m/z(分子量)712により、10F2PAであると同定した。
収量 2.16g(3.04mmol)
収率 41%
沸点 169−173℃/77Pa
性状は、白色固体であった。
(2−3) F(CF10(CCHCHCHSi(OCH [10F2P3S3M]の合成

還流冷却器を取り付けた200mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、THF10ml、10F2PA 2.16g(3.04mmol)、トリメトキシシラン1.0g(8.2mmol)、触媒として0.1M HPtCl/THF溶液0.1ml(0.01mmol)を採取し、50℃で48時間撹拌した。放冷後、THF、トリメトキシシランを減圧留去した。残留物を減圧蒸留して留出物を得た。
得られた留出物についてNMR、FT−IR、Massの各スペクトルに分析を行った。FT−IR、Massの各スペクトルを図4、図5、図6に示す。
各スペクトルの分析結果、得られた留出物は、10F2P3S3Mであると同定された。HRMS=834.1083(計算値:834.5323)。
収量 1.65g(1.98mmol)
収率 65%
沸点 164−167℃/28Pa
性状は、白色固体であった。
(3) F(CF12(CCHCHCHSi(OCH [12F2P3S3M]の合成

還流冷却器を取り付けた200mlナス型フラスコを窒素雰囲気に置換し、THF10ml、12F2PA 2.50g(3.07mmol)、トリメトキシシラン1.0g(8.2mmol)、触媒として0.1M HPtCl/THF溶液0.1ml(0.01mmol)を採取し、50℃で48時間撹拌した。放冷後、THF、トリメトキシシランを減圧留去した。残留物を減圧蒸留して留出物を得た。
得られた留出物について、Massスペクトルを分析した結果、m/z(分子量)934により、12F2P3S3Mであると同定した。
収量 1.96g(2.09mmol)
収率 65%
沸点 172−174℃/26Pa
性状は、白色固体であった。
‐ガラスの表面改質‐
スライドガラス(マツナミ製S−7214)を1N水酸化カリウム水溶液(pH>9)に2時間浸した後に取り出し、蒸留水で十分に洗浄した。その後、スライドガラスをデシケーター中で乾燥し、次の表面改質に使用した。
各種のペルフルオロアルキル鎖を有するシランカップリング剤をiso−COCH(3M製HFE−7100)溶媒に濃度15mmol/lとなるように調製してガラスの表面改質に用いた。
200ml広口受器に前記の方法で洗浄済みのスライドガラスを入れ、窒素置換を行った。これに対して、前記で調製した改質溶液を広口受器に加え、改質溶液中にスライドガラスを完全に浸し、2時間、加熱還流を行った。冷却後、取り出したガラスを改質溶媒、次いで蒸留水で洗浄し、メトキシ基をOH基に変えた。その後、隣接するシランカップリング剤同士のOH基と縮合反応させて、2次元ないし3次元の網状のシロキサン結合を形成するシロキサンネットワークを構築する目的で、オーブン中150℃で30分間加熱処理を行った。加熱処理後は、デシケーター中で室温まで冷却し、改質ガラスとした。
‐改質ガラスの接触角の測定‐
改質ガラスに対する水の接触角を測定した。接触角の測定は、協和界面科学社製CA−X型接触角測定装置を使用し、0.9μlの水滴を水平なガラス板上に滴下して接触角を測定する液滴法を用いた。
‐8F2P3S3Mを用いた改質ガラスの耐熱性試験‐
シランカップリング剤として8F2P3S3Mを用いた場合について、その特性試験結果を示す。
前記ガラスの表面改質の方法で、試料の改質ガラスを作製した。
次に、この改質ガラスを、所定温度(200、250、300、350、370、400℃)のオーブン中で2時間、加熱処理した。加熱処理後はデシケーター中で室温まで冷却し、改質ガラスに対する水の接触角を測定した。接触角の測定は、前記した方法で行った。結果を表1に示す。

この結果から、シランカップリング剤8F2P3S3Mにより改質されたガラス表面は、350℃の温度において2時間後も高い接触角を示していることが分かる。
‐8F2P3S3Mを用いた改質ガラスの耐久性試験‐
前記と同様にして、8F2P3S3M溶液を用いて作製した改質ガラスに対し、350℃の熱曝露時間に対する改質ガラス表面の接触角(水)変化を調べ、耐熱耐久性を調べた。その結果を表2に示す。

この結果から、シランカップリング剤8F2P3S3M溶液を用いた改質ガラスは、350℃で、8時間後も高い接触角を維持していることが分かる。
‐シランカップリング剤の構造の違いによる耐熱性‐
比較のために、シランカップリング剤として、8F2P3S3M、8F2P2S3M、及び8F2S3Mを用いて調製した各改質溶液を用いて作製した改質ガラスに対し、前記と同様にして、350℃の熱曝露時間に対する改質ガラス表面の接触角(水)について、各時間経過後の接触角を測定した。その結果を表3に示す。
この結果から、シランカップリング剤8F2P3S3Mは、8F2P2S3Mよりも耐熱性が高いことが分かる。
‐10F2P3S3Mを用いた改質ガラスの耐熱性試験‐
シランカップリング剤として10F2P3S3Mを用いた場合について、その特性試験結果を示す。
前記ガラスの表面改質の方法で、試料の改質ガラスを作製した。
次に、この改質ガラスを、所定温度(250、300、350、400、450℃)のオーブン中で2時間、加熱処理した。加熱処理後はデシケーター中で室温まで冷却し、改質ガラスに対する水の接触角を測定した。接触角の測定は、前記した方法で行った。8F2P3S3Mを用いた場合と比較した結果を表4に示す。

この結果から、シランカップリング剤10F2P3S3Mにより改質されたガラス表面は、400℃の温度において2時間後も高い接触角を示していることが分かる。
‐10F2P3S3Mを用いた改質ガラスの耐久性試験‐
前記と同様にして、10F2P3S3M溶液を用いて作製した改質ガラスに対し、400℃の熱曝露時間に対する改質ガラス表面の接触角(水)の変化を調べ、耐熱耐久性を調べた。その結果を表5に示す。

この結果から、シランカップリング剤10F2P3S3M溶液を用いた改質ガラスは、400℃で、10時間後も高い接触角を維持していることが分かる。
以上のデータに示した水との接触角が高いということは、表面自由エネルギーが低いことを示しており、離型性及び防汚性が高いことを示している。
<実施例1>
Si基板上にSOG(Honeywell社製のAcuglass512B)により高さが180nm、スペース幅が270nmの凹凸パターンを有するモールドを下記条件で作製した。
EB露光条件
・加速電圧:10KV ・ビーム電流:10pA ・ドーズ量:800μC/cm
現像条件
・現像液:BHF ・現像時間:1分間
この凹凸パターンを有するモールドを8F2P3S3Mのシランカップリング剤を含む0.1%溶液(溶媒:住友スリーエム社製、「HFE−7100」)で24時間液相処理し、次にハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム社製、 HFE−7100)で1分間リンスした後、100℃、30分間加熱した。
次に、加熱処理された前記シランカップリング剤層上に、VPC−260F(ULVAC KIKO社製)の装置を使って真空蒸着により膜厚約330nmのAu膜を形成した。 この表面をSEMで観察したところ、図8に示すように、表面にクラックの無いAu膜が形成されていた。
次いで、Au膜上にPET基板を押し当てるとともに90℃で10分間加熱した後、PET基板を剥離してAu膜とPET基板からなる金属微細構造体を作製した。
該金属微細構造体をSEMで観察したところ、図9に示すように、PET基板の表面にはモールドの凹凸が反映されたAu膜が転写されていた。
<実施例2>
実施例1と同様にして、Si基板上に凹凸パターンを有するモールドを作製した。
この凹凸パターンを有するモールドを、先ずアセトンで、その後エタノールでそれぞれ15分間超音波洗浄した後、約1時間オゾン洗浄した。次に、該モールドを前記10F2P3S3Mのシランカップリング剤を含む0.1%溶液(溶媒:住友スリーエム社製、「HFE−7100」)に約30分間ディッピングで液相処理した後、ハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム社製、 HFE−7100)とテトラヒドロフランとを8対1の割合で混合したリンス液で約45分間超音波をかけながらリンスした。
こうして処理したモールドの前記シランカップリング剤の層上に、実施例1と同様にして真空蒸着によって、膜厚約330nmのAu膜を形成した。
次いで、Au膜上にPET基板を押し当てるとともに90℃で10分間加熱した後、PET基板を剥離して、Au膜とPET基板からなる金属微細構造体を作製した。
図10は、このAu膜の表面を観察したSEM写真である。(A)は転写前のモールド上のAu膜、(B)は転写後のPET基板上のAu膜を示している。いずれも表面にクラックがないことがわかる。
図11は、パターンの転写状態を観察したSEM画像である。(A)はパターンを設けたモールド自体であり、(B)はAuをパターンの凹凸部全体に蒸着後、PET基板に転写した状態を観察したSEM画像である。Au膜をPET基板上に転写した後も当初のパターン線が転写されていることが確認できる。
<比較例1>
離型剤としてオプツールを用いた以外、実施例2と同様にして実験を行なった。
図12は、このAu膜の表面を観察したSEM画像である。(A)は転写前のモールド上のAu膜、(B)は転写後のPET基板上のAu膜を示している。いずれも表面にクラックが入っていることがわかる。
図13は、パターンの転写状態を観察したSEM画像である。(A)はパターンが設けたモールド自体であり、(B)はAuをパターンの凹凸部全体に蒸着後、PET基板に転写した状態を観察したSEM画像である。Au膜をPET基板上に転写した後ではパターン線が転写されていないことが確認できる。
<実施例3>
図2に示した構成の装置を用い、以下の条件によりグラッシーカーボン基板(GC基板)の表面を微細加工した。
ビーム照射角度:加工面に対して垂直(基板の転写パターン面に対して90°)
反応ガス:酸素
ガス流量:3.0SCCM
マイクロ波:100W
加速電圧:500V
時間:30分
真空度:1.3×10−2Pa
この微細加工面を図14に示す。錐状の微細突起群(ピッチ62nm、高さ540nm)からなる微細構造パターンが形成されたものである。
次いで、真空蒸着装置VPC−260F(ULVAC KIKO社製)を使って、この凹凸パターン上に厚さ30nmのCr膜を形成し、さらに該Cr膜上に厚さ340nmのAu膜を形成した。
さらに、このAu膜上にPET基板を押し当てるとともに90℃で30分間加熱した後、PET基板を剥離してSEMで観察したところ、図15に示すように、PET基板の表面にはモールドの凹凸が反映された高さ550nm、ピッチが122nmのAu膜が転写されていた。
次いで、こうして作製された、モールドの凹凸が反映されたAu膜とPET基板からなる金属微細構造体を金型として用い、この金型を8F2P3S3Mのシランカップリング剤を含む0.1%溶液(溶媒:住友スリーエム社製、「HFE−7100」)で24時間液相処理し、以後、実施例1と同様にリンス処理と加熱処理を行い、凹凸を有する金属膜上にシランカップリング剤の層を形成した。
加熱処理されたシランカップリング剤層上に、光硬化性樹脂(PAK−01、東洋合成工業社製)を塗布した後、5J/cmの条件で紫外線照射して樹脂を硬化させた後、剥離して、表面に凹凸パターンを有する樹脂成型物を作製した。
この樹脂成型物の表面には、図16に示されるように、最初のグラッシーカーボン基板に形成されたモールドの凹凸形状が反映されており、突起の平均高さは217nm、平均ピッチ91nmであった。
<比較例2>
実施例3と同様にしてGC基板の表面を微細加工し、Cr膜を形成した。次いで、離型剤としてオプツールを用い、Cr膜の表面に離型剤層を設けた後、真空蒸着によってAu膜を形成したところ、図17に示すようにAu膜の表面にクラックが多数形成されていた。蒸着時の熱で離型剤にクラックが入ってAu膜にもクラックが生じたと推察される。
10・・・母型
12・・・基材
14・・・凹凸パターン(転写パターン)
16・・・シランカップリング剤(離型剤)
18・・・金属膜
20・・・支持部材
30・・・金属微細構造体
50・・・ECR型イオンビーム加工装置
P・・・ピッチ

Claims (12)

  1. 表面に凹凸パターンが形成された母型を用い、該母型の前記凹凸パターンが形成された表面に、下記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成する工程と、
    前記シランカップリング剤の膜上に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜と該金属膜を支持する支持部材とを一体化させる工程と、
    前記金属膜を前記支持部材とともに前記母型から剥離させることにより、前記母型の前記凹凸パターンが反映された前記金属膜と、該金属膜と一体化した前記支持部材とを有する金属微細構造体を得る工程と、
    を含むことを特徴とする金属微細構造体の製造方法。

    (式(I)中、nは8、10、12、又は14の整数を示し、mは3又は4の整数を示し、X、Y、Zは、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はハロゲン原子を表す加水分解性基である。)
  2. 前記金属膜を形成する工程において、前記金属膜を蒸着法によって形成することを特徴とする請求項1に記載の金属微細構造体の製造方法。
  3. 前記金属膜を形成する工程において、前記シランカップリング剤の膜上に金属インクを付与した後、加熱することによって前記金属膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の金属微細構造体の製造方法。
  4. 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記支持部材として樹脂フィルムを用い、該樹脂フィルムを前記金属膜に押し付けた状態で加熱して接着させることにより、前記金属膜と前記支持部材とを一体化させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  5. 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記金属膜に熱硬化性樹脂または光硬化製樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設けた後、加熱または紫外線照射をして前記樹脂層を硬化させることにより前記支持部材とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  6. 前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記金属膜に熱硬化性樹脂または光硬化製樹脂を付与して未硬化の樹脂層を設け、該樹脂層上に樹脂フィルムを配置した後、加熱または紫外線照射をして前記樹脂層を硬化させることにより、前記硬化した樹脂層と前記樹脂フィルムとを含む前記支持部材とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  7. 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程において、前記母型として前記凹凸パターンの凸部が配線パターンに相当する母型を用い、
    前記金属膜と前記支持部材とを一体化させる工程において、前記支持部材として片面に粘着層を有するシート部材を用い、該シート部材の前記粘着層を前記金属膜に圧接させることにより、前記凹凸パターンの前記凸部に相当する前記金属膜の一部を前記粘着層に接着させ、
    前記金属微細構造体を得る工程において、前記シート部材とともに前記金属膜の一部を剥離させることにより、前記金属微細構造体として配線基板を製造することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  8. 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程の前工程として、表面に前記凹凸パターンが形成された母型を用意する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  9. 前記シランカップリング剤の膜を形成する工程において、前記母型の前記凹凸パターンが形成された表面に前記シランカップリング剤を含む液を付与した後、加熱処理を行い、該加熱処理の前又は後に、前記シランカップリング剤を含む液が付与された前記母型の表面をリンスすることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の方法によって製造される金属微細構造体。
  11. 高さが1μm未満であり、アスペクト比が2以上の微細な突起群を含む凹凸パターンを有する金属膜と支持部材とからなることを特徴とする金属微細構造体。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の金属微細構造体を金型として用い、前記金属微細構造体の前記金属膜に前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の膜を形成する工程と、
    前記シランカップリング剤の膜上に熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を付与した後、加熱または紫外線照射をして前記付与した樹脂を硬化させる工程と、
    前記硬化した樹脂を前記金属膜から剥離することにより凹凸パターンを有する樹脂組成物を得る工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂成形物の製造方法。
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