JP2011186845A - 表面加工データの作成方法および装置 - Google Patents

表面加工データの作成方法および装置 Download PDF

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Abstract


【課題】可展面でない製品形状であっても、製品表面に歪みの少ない、見栄えの良い絞が形成される表面加工データを作成する。
【解決手段】ポリゴンメッシュ化した製品表面を領域分けし、初期領域AにテクスチャGAをマッピングする。隣接領域Bの境界線を外方へ多重化して初期領域との間に重複領域Dを設け、処理中の領域X(重複領域+隣接領域)を2次元平面に射影してテクスチャGBを割り当てる。重複領域で両テクスチャGA、GBの画素値の差が最小となる最適な境界線FSを求め、最適な境界線でテクスチャGAにつなげてテクスチャGBを処理中の領域Xにマッピングする。最適な境界線を中心に画素値の混ぜ合わせもできる。初期領域と隣接領域とを新たな初期領域として上記を繰り返し、全領域にマッピングしたテクスチャに基づいて変位させたポリゴンメッシュの頂点を結び、絞付与ポリゴンデータとする。
【選択図】図21

Description

本発明は、樹脂製品の表面に絞(しぼ)模様を形成するための表面加工データの作成方法および装置に関する。
家電製品、文具、または自動車用内装品などの表面には、見栄えや触感の向上、防眩、滑り止めなど様々な目的で絞が施されている。絞の模様には皮革、木目、岩目、砂目、なし地、幾何学模様などさまざまな微細形状の模様が採用されている。これらの絞を樹脂製品の表面に形成するために、従来はエッチング工法や電気鋳造法などにより成形金型に絞模様が付与されている。
上記エッチング工法は、腐食により形状を生成するため、大型の製品の成形金型にも適用できかつ安価であるが、細かな形状表現が難しく、また繰り返し同一形状を作成することも難しい。
また、絞は製品曲面の法線方向に形成する場合、射出成形金型では、型開き方向にそった面で製品取り出し方向と製品曲面が交差する所謂アンダーが生じると成形品の取り出し時に型の絞の凸凹と成形品に転写された絞の凸凹が引っ掛かることになり、成形品を強引に金型から取り出せば成形品の絞が損傷を受ける。これを避けるために型開き方向にそった抜き勾配(製品曲面の法線方向と製品取り出し方向とのなす角の90°の補角)が0°に近い領域になるほど抜き勾配の変化に応じて絞の深さを浅くしてアンダーの発生を回避する必要があるが、エッチング工法では連続的に絞の深さを変化させることができず、段階的に浅くするとそのつなぎ目が露わになって見栄えを損なうことになる。
一方、電気鋳造法は、製品形状に製作されたモデル表面に絞をエンボス加工した薄い樹脂シートを手作業で貼り合せ、これをマスターモデルとして樹脂反転や電気鋳造工程を経て成形型とする。しかし、立体形状のモデルに樹脂シートを貼る際に伸びや歪みが生じ、あるいはつなぎ目の模様に不整合が生じるのでこれらを目立たないように修正するのに作業者の熟練を要する。さらに、多くの工程を要する結果工期が長くコスト高となるので、専用の設備を持つ専業メーカでしか採用できない。そして、絞の形状、サイズはマスターモデル作成時に貼り合わせる樹脂シートの絞で決定され、あとで任意の部位に追加の模様を付したり、絞模様の拡大、縮小も困難である。
そして両工法とも、薬液処理等が必要であるというデメリットをもつ。
また、より簡便にかつ品質の高い絞形成を可能とするために、例えば特開平7−241909号公報や特開2004−358662号公報で公知なように、皮革モデルなどの表面形状を読み取った表面測定値から表面形状の深さを256階調の濃度で表わした画像データに変換することにより、絞模様の形状データをデジタル化して、これに基づいてコンピュータにより加工データを生成し、この加工データを用いて、例えば、エンボスロールやエンボス板などの平面的なものに絞を付与するものや、切削加工やレーザ加工により絞を金型などの立体的なものに付与するものが近時提案されている。
この絞形状データから加工データを生成するに当って、金型などの3次元形状の立体物表面に投影した加工データとするだけでは、立体物の傾斜面において個々の絞が延びて歪んでしまうので、絞は曲面の製品表面に対してその法線方向に形成される必要がある。
このため、絞を製品表面の法線方向に形成するものとして、例えば画像データにおける絞の深さに対応する濃度に応じて、製品曲面上にボクセルを積み上げて絞を生成するボクセルデータ変換を用いたモデリングソフトなどが提供されている。
このボクセル方式では、製品形状データを小さな球や立方体で構成するボクセルデータに変換し、それぞれのボクセルデータに対応する絞の画像データの画素を決定する。そして、当該画素の濃度を変位量に換算してボクセルデータ上に変位量に相当するボクセルを積み上げる。これをポリゴンデータに変換して最終データとする。
特開平7−241909号公報 特開2004−358662号公報
しかしながら、上述の方式では、先ず製品形状データをボクセルデータに変換するために膨大なデータ量を必要とする。
さらに、一般のコンピュータのデータ処理能力を勘案すると、複数の曲面からなる連続した複雑形状の製品表面に対しては、分割した範囲ごとに絞を生成し、絞生成後に隣接する絞形状とのつなぎ目処理が必要となるが、これに対する満足な処理が未解決である。
すなわち、つなぎ目の絞を同じ形状で合せることが難しく、つなぎ目が目立たないようにするには多大な工数を要する手作業による修正が必要となる。しかも、手作業による修正はつなぎ合わせようとする絞形状を変形させることとなるので、作業者の熟練度により出来栄えが変り、角が丸くなったり、溝や山が太くなったり、曲がったりして、修正の狙いから外れて見栄えの悪いものとなってしまうことも多く、品質が安定しない。したがって従来の手法はその主な適用対象が平面や円筒面に限定されているのが実情である。
そこで、本出願人は、製品形状を自由曲面上でポリゴンメッシュ化し各々の頂点に局所座標を設定することで3次元空間上の方向と実距離を算出し、直接にテクスチャ情報を取得する手法をすでに提案した。これによれば、平面に展開できる可展面はもちろん、可展面ではないがガウス曲率が緩い場合にも対応でき、メータフード部の折り返し等、一価関数として表現できない形状への絞付与が少ない演算時間で可能となる。
しかし、可展面でなくガウス曲率が大きかったり、あるいはガウス曲率が緩くても面積が広くなる多数の曲面で構成されている製品形状の場合には、局所座標の基点から遠ざかるほどテクスチャ上での間隔が広がって歪みが拡大するおそれが残っている。
したがって本発明は、さらなる改良を図り、ガウス曲率が大きかったり、あるいはガウス曲率が緩くても面積が広くなる多数の曲面で構成される製品形状であっても、過大なデータ量を必要としない簡単な処理で製品表面に歪みの少ない絞が形成されるようにした表面加工データの作成方法および装置を提供し、また、データを分割したとしても絞形状のつなぎ目が滑らかな表面加工データの作成方法および装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、
絞付与対象の自由曲面で定義される製品形状データをポリゴンメッシュ化し、
該ポリゴンメッシュを領域分けし、
領域分けした領域の1つを初期領域としてテクスチャデータに基づくテクスチャをマッピングし、
該マッピングされたテクスチャに所定の要求レベルを満たす変化でつながる新たなテクスチャを合成し、
隣接するテクスチャ値を有しない領域に前記新たなテクスチャをマッピングすることを繰り返して前記ポリゴンメッシュのすべての領域にテクスチャをマッピングし、
ポリゴンメッシュの各頂点を当該ポリゴンメッシュにマッピングされたテクスチャに基づいてそれぞれの法線方向に変位させ、
変位させた各頂点に基づいて新たなポリゴンメッシュデータを作成して、
この新たなポリゴンメッシュデータを絞が付与された表面加工データとするものとした。
ポリゴンメッシュの領域分けは、予め定めた基準軸とポリゴンメッシュの法線方向とで算出される所定の角度範囲で分割することが好ましい。
製品表面全体に対して小さく領域分けされた各領域ごとで新たなテクスチャの合成を進めるので、テクスチャデータは製品表面全体をカバーするサイズは必要なく、比較的小サイズのサンプルデータを準備するだけで済む。
上記新たなテクスチャの合成は、初期領域とこれに隣接する隣接領域との間に重複領域を設定し、該重複領域においてパッチ単位で合成し、ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングは、重複領域と隣接領域とからなる処理中の領域にパッチ単位で合成した新たなテクスチャをマッピングし、該マッピングした処理中の領域と初期領域とを新たな初期領域として、新たなテクスチャの合成を繰り返させて行うものとすることができる。
あるいは、上記新たなテクスチャの合成は、ピクセル単位で、テクスチャがマッピングされた領域との境界に隣接するテクスチャ値を有しない頂点別に画素情報を定めることで合成し、ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングは、ピクセル単位で合成した新たなテクスチャを上記頂点にマッピングし、新たなテクスチャの合成をテクスチャ値を有しない頂点ごとに繰り返させて行うものとすることもできる。
さらには、上記パッチ単位の合成とピクセル単位の合成を選択可能なモードとすることもできる。
また、パッチ単位のテクスチャ合成における重複領域の設定は、隣接領域の他の領域との境界線をポリゴンメッシュの頂点を結ぶ線として探索し、境界線を隣接領域の外方へ拡大して多重化し、該多重化した境界線が初期領域と重なる領域を重複領域とすることができる。
この際、領域分けした各領域のポリゴンには、当該ポリゴンが属する領域ごとのIDを付与しておくことにより、境界線の探索をそのIDを参照して行うことができ効率が良くなる。
境界線の多重化は、境界線上の頂点を順番に辿って、各頂点に接続する稜線の他端の頂点を求め、該他端の頂点を順番に繋いで境界線の外側に新たな境界線を拡張することを順次繰り返すことにより、複数の拡張した境界線を得ることができ、多重化の前に最初の境界線を平滑化しておくと、拡張処理が単純化される。
パッチ単位の新たなテクスチャの合成は、処理中の領域を2次元平面に射影し、射影面に処理中の領域をカバーする矩形領域を設定し、該矩形領域に新たなテクスチャを割り当て、重複領域において、初期領域にマッピングされたテクスチャと新たなテクスチャのテクスチャ値の差が最小となる最適な境界線を求め、該最適な境界線で初期領域にマッピングされたテクスチャに上記新たなテクスチャをつなげるイメージキルティング手法を採ることができる。
矩形領域のサイズで比較的まとまったテクスチャをつないで行くので、テクスチャデータが示す絞の特徴を忠実に保持することが可能であるとともに、処理における演算時間も多くを要しない。
矩形領域に割り当てる新たなテクスチャは、初期領域にマッピングしたテクスチャを含むテクスチャデータから、初期領域にマッピングしたテクスチャの重複領域部分と最も類似するテクスチャを切り出して使用するのが好ましく、初期領域にマッピングされたテクスチャと新たなテクスチャ間のズレがとくに小さい最適な境界線が得られる。
したがって 同じく、新たなテクスチャは2次元平面の矩形領域に割り当てるので、テクスチャデータからの切り出しも処理中の領域の複雑な輪郭を辿る必要がなく、処理が簡単である。
最適な境界線は、多重化した境界線のなかの1の境界線を巡りながら、現在の頂点から当該境界線上の次の頂点、あるいは進行方向を逆戻りさせない条件で隣接する内側の境界線または外側の境界線上の頂点のうち、テクスチャ値の差が最も小さい頂点へ移動していくことにより容易に求めることができ、初期領域にマッピングされたテクスチャと新たなテクスチャの滑らかなつながりが得られる。
最適な境界線の探索にあたっては、重複領域における両端の所定本数の境界線を除外して行うことが望ましい。
そして、最適な境界線を中心とする所定範囲において、初期領域にマッピングされたテクスチャと矩形領域に割り当てた新たなテクスチャのテクスチャ値を最適な境界線からの距離でウエイト付けして、混ぜ合わせることにより、両テクスチャの特段に滑らかなつながりが得られる。
ピクセル単位の新たなテクスチャの合成は、画素値を有する領域の頂点と隣接した、画素値を有しない頂点を探索して、画素値を定める対象頂点に設定し、該対象頂点を含む所定領域を2次元平面に射影し、射影面に対象頂点とこれに隣接するテクスチャ値を有する複数の頂点とを含むテンプレートを設定し、テクスチャデータとテンプレートのテクスチャ値との差が最小となるテンプレート位置を探索し、探索したテンプレート位置における当該テンプレート内の対象頂点位置に対応するテクスチャデータのテクスチャ値を対象頂点にマッピングするものとすることができる。
製品形状データのポリゴンメッシュ化は、
製品形状データを複数のパッチに分割し、
各パッチの自由曲面のパラメータ空間において、所定の分割線でグリッド点を生成するとともに、パッチの境界線上に所定の間隔で点列を生成し、
パッチの境界線内側のグリッド点および当該境界線上の点列を用いて、各頂点を自由曲面上に有する3次元のポリゴンメッシュを形成したあと、
すべてのパッチのポリゴンメッシュを1枚のポリゴンメッシュに統合して行なうことができる。
この際、グリッド点を生成する分割線およびパッチの境界線上の点列は、それぞれ所定範囲内に均一化した間隔とし、3次元のポリゴンメッシュの形成は、境界線内側のグリッド点を連結して格子メッシュを形成し、該格子メッシュを三角形ポリゴン化するとともに、格子メッシュの外周におけるグリッド点と境界線上の点列を連結して三角形ポリゴン化して形成するのが好ましい。
そしてとくに、パッチの境界線上の点列は、隣接するパッチ間で同位置として共有されることが望ましい。
また、ポリゴンメッシュの各頂点を変位させる変位量は、テクスチャに基づく基本変位量に金型の抜き勾配に応じた変位量縮小率を乗じたものとするのが好ましい。変位量縮小率を連続的に変化させることにより、アンダーを発生させず、絞の深さを滑らかに変化させて見栄えの良い外観表面が得られる。
ポリゴンメッシュの頂点の基本変位量は、テクスチャの当該頂点に対応するテクスチャ値に所定の変換レートを乗じて求めることができる。
そして、テクスチャデータは、2次元の位置座標に対する絞の深さを濃度階調に割り当てた画素値をテクスチャ値とする画像データが好ましい。
テクスチャデータ自体も少ないデータ量でテクスチャを表現できるので、データ処理が簡単である。
以上のように本発明は、まず、製品形状データをポリゴンメッシュ化し厚みを持たない曲面データとして処理することで、処理データ量が少なくて済む。
ポリゴンメッシュを領域分けして、先にマッピングされた領域のテクスチャと所定の滑らかさでつながるテクスチャを隣接領域にマッピングすることを順次繰り返してポリゴンメッシュ全体にテクスチャをマッピングするので、領域分けの細かさを選択することにより、表面が可展面でない製品形状の場合でも歪みの少ない見栄えの良い絞を付与することができるという効果を有する。
そして、領域分けされた各領域ごとで新たなテクスチャの合成を進めるので、テクスチャデータは製品表面全体をカバーするサイズは必要なく、比較的小サイズのサンプルデータを準備するだけで済む。
実施の形態における表面加工データ作成装置の構成を示すブロック図である。 表面加工データ作成装置における処理の流れを示すメインフローチャートである。 ポリゴンメッシュ領域分けの概念を示す説明図である。 三角形ポリゴンメッシュ作成の詳細を示すフローチャートである。 パッチにおける分割要領を示す概念図である。 グリッド点と境界線を示す図である。 ポリゴンメッシュを形成するグリッド点の抽出要領を示す説明図である。 境界線上の点列の生成要領を示す説明図である。 グリッド点により生成した四角格子メッシュを示す図である。 四角格子メッシュの外周凹部における三角形の形成要領を示す説明図である。 四角格子メッシュと境界線上の点列による三角形ポリゴンの生成要領を示す図である。 パッチ上に生成した三角形ポリゴンメッシュを示す図である。 三角形ポリゴンメッシュの整形要領を示す説明図である。 テクスチャの合成、マッピングの詳細を示すフローチャートである。 テクスチャの合成、マッピングの詳細を示すフローチャートである。 境界線の平滑化要領を示す説明図である。 境界線の平滑化要領を示す説明図である。 矩形領域の設定要領を示す説明図である。 重複領域のテクスチャと最も類似するテクスチャの抽出処理を示すフローチャートである。 テンプレートマッチングの要領を示す説明図である。 「最適な境界線」探索の要領を示す説明図である。 画素値の混ぜ合わせ要領を示す説明図である。 ピクセル単位のマッピング処理を示すフローチャートである。 画素値を定める対象頂点に設定する局所座標系を示す図である。 テンプレートマッチングの要領を示す説明図である。 ディスプレイスメントマッピングの概念を示す説明図である。 絞形状付与の詳細を示すフローチャートである。 抜き勾配による金型と製品の干渉を示す説明図である。 変化式の概念を示す抜き勾配と変位量縮小率の関係図である。 変位量縮小を適用した絞の深さ変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態にかかる表面加工データ作成装置の構成を示すブロック図である。
表面加工データ作成装置10は、製品の表面形状および絞のテクスチャデータとさらに処理ツールデータを入力するデータ入力部11と、入力データ格納部12と、入力データ格納部12に格納されたデータを基に、製品の表面曲面に絞形状を付したポリゴンデータを生成するデータ処理部13と、生成したポリゴンデータを記憶するポリゴンデータ記憶部19と、ポリゴンデータ記憶部19からポリゴンデータを加工データとして出力するデータ出力部20とからなる。
表面加工データ作成装置10には、キーボードやジョグレバーなどからなる操作入力部22と、画像データを表示可能なモニタ23とが接続される。
データ入力部11に入力される製品形状データとしての表面形状データは、CADデータとして多く用いられる各々の座標をパラメータu、vの関数S=F(u、v)とした自由曲面で定義され、あらかじめ自由曲線で表わした境界線により複数の曲面に分割されたパッチ情報として構成され、入力データ格納部12に格納される。
なお、境界線はとくに断らない限り、いわゆるトリムラインを含むものであり製品形状の端縁を画して隣接するパッチのない境界線を含むものである。
表面形状データには、製品の絞を付与する対象部分(以下、絞付与対象という)の全体サイズが含まれている。
テクスチャデータは、絞の深さを濃度に割り当てた256 階調の2次元のグレースケール画像データであり、少ないデータ量でテクスチャを表現でき、データ処理が簡単である。
しかも、後述する領域分けしたポリゴンメッシュ領域の2次元平面への射影面積の2〜4倍程度の面積サイズを有するものでも処理が可能で、この点でもデータ量が少なくて済む。
テクスチャデータはデータ処理部13での処理のため画素値として読み出される。
処理ツールデータには、ポリゴンメッシュ領域分けの分割角度、後述のパッチ単位モードにおける重複領域を形成するための境界線の拡張本数、テクスチャの混ぜ合わせの際に重み付けを行う範囲を定める最適な境界線からの最大距離、最適な境界線探索時の探索除外本数、ピクセル単位モードにおいて射影する所定領域のサイズ、パッチ単位モードおよびピクセル単位モードで用いる各テンプレートのサイズ、そして抜き勾配に応じて変化させる縮小率の算出に用いる射出成形型の型開き方向などがある。
データ処理部13では、とくに、非可展面を含む自由曲面にも任意の精度で滑らかに連続する絞を付与することを目的として、製品表面に適用するテクスチャの決定において、サンプルテクスチャから所定領域をコピーして合成していくイメージキルティングを応用して絞を生成する。
このため、データ処理部13は、ポリゴンメッシュ化部30、ポリゴンメッシュ統合部31、ポリゴンメッシュ領域分け部32、テクスチャ合成部33、絞生成部34、および作業メモリ35を備えている。
ポリゴンメッシュ化部30は、各パッチWごとにその自由曲面上に三角形ポリゴンメッシュを作成し、ポリゴンメッシュ統合部31は表面形状データを構成するすべてのパッチWの三角形ポリゴンメッシュを1つのファイルデータに統合する。
ポリゴンメッシュ領域分け部32は、統合された三角形ポリゴンメッシュを法線方向、例えばz軸からの所定角度で領域分けを行い、初期領域を定める。
テクスチャ合成部33は、初期領域の三角形ポリゴンメッシュにテクスチャをマッピングするとともに、隣接する領域にテクスチャシンセシスにより連続する絞画像を合成してマッピングすることを各領域に順次繰り返す。この際、操作入力部22からの選択により、後述する処理中の領域への新たなテクスチャの割り当てをパッチ単位とするモードと、ピクセル単位とするモードを有する。
絞生成部34は、統合されたポリゴンメッシュの各頂点に対応するテクスチャデータの濃度階調に基づいて、当該各頂点の位置を変位させて、絞が付与されたポリゴンデータを生成する。
統合ポリゴンメッシュの頂点位置変位については、金型の抜き勾配に応じた変位量縮小率を適用して変位量を変化させ、型抜き時のアンダーの発生を防止する。データ処理部13には、変位量縮小率を定める複数の変化式があらかじめ設定されており、成形材料や製品形状の特性等を考慮して、操作入力部22の操作によりいずれかの変化式を選択可能となっている。
作業メモリ35には、データ処理部13内の各部における処理データが一時記憶される。
データ処理部13は絞が付与されたポリゴンデータをポリゴンデータ記憶部19に記憶させる。
モニタ23には、各処理の進捗状態を画像を含めて表示することができる。
次に、上記表面加工データ作成装置における処理の詳細について説明する。
図2は処理の流れを示すメインフローチャートである。
製品の表面形状データ、絞のテクスチャデータ、型開き方向の角度情報、および後述する統合ポリゴンメッシュの間隔上限値b、ポリゴンメッシュ領域分けの分割角度、重複領域を形成するための境界線の拡張本数、最適な境界線からの最大距離、探索除外本数が操作入力部22の操作によりデータ入力部11に入力されると、各データが入力データ格納部12に格納されて、処理が開始される。なお、これらのデータ入力とともに、テクスチャの割り当てモードと変位量縮小率を定める変化式も操作入力部22により選択される。
先ずステップ100において、ポリゴンメッシュ化部30は、入力データ格納部12からパッチWの情報を読み出し、三角形ポリゴンメッシュQcを作成する。
ステップ101では、入力データ格納部12にまだ未処理のパッチ情報が残っていないかどうか、すなわちすべてのパッチWについて三角形ポリゴンメッシュQcの作成が完了したかどうかをチェックする。
すべてのパッチWについて三角形ポリゴンメッシュQcの作成が完了していないときはステップ100に戻る。
すべてのパッチWについて三角形ポリゴンメッシュQcの作成が終わり、入力データ格納部12に残る未処理のパッチ情報がなくなると、ステップ102へ進む。
ステップ102では、ポリゴンメッシュ統合部31がすべてのパッチWの三角形ポリゴンメッシュQcを統合して1枚の曲面を示す1ファイルの統合ポリゴンメッシュQTとする。
ステップ103では、ポリゴンメッシュ領域分け部32が統合ポリゴンメッシュQTの領域分けを行う。
ここでは、基準軸とポリゴンメッシュの法線方向とで算出される角度範囲で分割する。この角度範囲は処理ツールデータの分割角度として与えられる。
図3の(a)はガウス半球を例として、模式的にz軸方向を金型の抜き方向として、z軸上の最大点である北極を中心にメッシュの法線方向についての経度方向に360°を等分に12分割、緯度方向90°を4分割した例を示す。各方向の分割数を多くするほど、すなわち角度範囲を小さくするほど後述の2次元平面に射影したとき三角形ポリゴンメッシュの頂点の位置ずれが小さくなり、精度が高くなる。
ステップ104において、テクスチャ合成部33は領域分けされた各ポリゴンメッシュの領域について、隣接する境界部分が滑らかに変化するようにテクスチャを合成しマッピングする。
ステップ105で、絞生成部34がテクスチャデータおよび処理ツールデータに基づいて、ディスプレイスメントマッピングにより統合ポリゴンメッシュQTの各頂点を移動させ、絞形状を付与されたポリゴンデータとして、ポリゴンデータ記憶部19に格納する。
ポリゴンデータの作成が終わると、ステップ106においてモニタ23に処理が完了した旨を表示して、本処理を終了する。
このあと、データ出力部20は、操作入力部22の操作により、ポリゴンデータ記憶部19からポリゴンデータを読み出し、加工データとして加工装置等へ出力可能となる。
図4は、ステップ100における三角形ポリゴンメッシュQc作成の詳細を示すフローチャートである。
ステップ200において、選択したパッチの図5の(a)に示すような自由曲面Jを格子の間隔が間隔上限値b以下となるように分割するパラメータu、vの分割数を算出する。例えばパッチWのuのパラメータ間隔(最大値−最小値)をある整数mで分割し、パラメータ間隔cを求める。cを用いてパッチを分割し、間隔上限値bと比較し、bより大きい場合にはmを増やす。すべての格子間隔が間隔上限値bより小さくなるまでこの処理を繰り返す。パラメータvに対しても同様の処理を行う。図5の(b)は自由曲面上の分割線を示す。
ステップ201では、上で算出したu、vそれぞれの分割数を用いて各格子点のパラメータ値を算出し、図6に示すように、自由曲面上に点を生成する。この生成した点を以下、グリッド点Caと言う。なお、図6はu−v面にそった拡大図で、簡単化のためアイソパラメトリック曲線を省いてある。
ステップ202において、ポリゴンメッシュ形成用のグリッド点Caを抽出する。
具体的には、グリッド点Caのうち、図7に白抜きで示すように、パッチWの境界線Kを含んで境界線の外部にあるものを削除し、さらに、境界線Kより内部にあっても境界線からの距離が格子間隔の1/100未満のものも削除する。格子間隔は間隔上限値b、あるいは実際に分割した格子間隔でもよい。
なお、境界線Kはトリムラインを含み、B−spline曲線で示される。境界線Kの形状はパッチごとに任意である。
境界線Kからの距離が所定距離未満のグリッド点Caを排除するのは、次に述べる境界線K上の点を用いて形成するポリゴンが極端に小さくなってしまうことを避けるためである。
ステップ203では、境界線Kを間隔上限値b以下の間隔となるように分割する分割数を算出し、ステップ204で、図8に示すように、当該分割数を用いて境界線K上に点列Cbを生成する。なお、以下では点列の個々の点もCbで表す。
なお、分割数についてはグリッド点Caの場合と同様に全周が等分割される値にすることができるが、グリッド点Caおよび点列Cbの分割についてはいずれも間隔上限値bで等分割した上最後の間隔上限値bを越える部分のみを2分してもよい。これにより、グリッド点および点列がそれぞれ所定範囲内に均一化した間隔となる。
隣接するパッチW1、W2がある場合、すなわち境界線を共有するパッチ間では、境界線Kの当該パッチW1、W2が互いに隣接する範囲において、同じ点列Cbが生成されるようにそれぞれにおける境界線K1、K2を同じ曲線式で表現する。
なお、表現式が一致しない場合には、位相的にそれら2つの曲線が一致するものとして、一方のパッチW1の境界線K1上に生成した点列Cbを他方のパッチW2の境界線K2上の点列として共有するものとする。
ステップ205において、先のステップ412で抽出したグリッド点Caを用いて図9に示すように、四角格子メッシュSqcを生成する。なお、各交点がグリッド点Caに対応するが、その黒丸表示は省いている。
ステップ206において、四角格子メッシュSqcの外周形状が階段状になって凹部がある場合には、図10のE1、E2部に示すように、当該凹部の内角を挟む外周の2つのグリッド点を直線で連結して三角形Δ1、Δ2を形成する。ただし、E3部の破線で示すように、2つのグリッド点を連結する直線が境界線Kを横切る場合は三角形を形成しない。
ステップ207において、図11に示すように、四角格子メッシュSqcの各格子における1組の対角位置にあるグリッド点を連結して三角形ポリゴンTpcを生成する。
続いてステップ208において、四角格子メッシュSqcの外周にあるグリッド点Caと境界線K上の点列Cbとの間にも三角形ポリゴンを生成する。
ここでは、図11に示すように、まず外周にあるグリッド点の1つCa1を選び、これに最も近い境界線K上の点Cb1と連結する。この連結直線R0をそれぞれ1辺として、さらに四角格子メッシュSqcの外周にある隣接のグリッド点Ca2とからなる三角形ΔCa1−Cb1−Ca2と、境界線K上の隣接の点Cb2とからなる三角形ΔCa1−Cb1−Cb2とを演算して、これら2つの三角形のうち正三角形に近い方を三角形ポリゴンTpcとして採用する。
正三角形に近いかどうかは、三角形の最大内角度と最小内角度の差が0(ゼロ)に近いほど正三角形に近いとするか、あるいは最長辺の長さと最短辺の長さの比が1に近いほど正三角形に近いとして判断することができる。
つぎに、上記選択したグリッド点Ca1に順次隣接する四角格子メッシュSqcの外周上のグリッド点(例えばCa2)について以上の処理を繰り返す。隣接する方向は左回りまたは右回りを予め定めておけばよい。
以上により、図12に示すように、四角格子メッシュSqcの外周から境界線K上の点列Cbまで拡大した三角形ポリゴンメッシュQcがパッチの自由曲面J上に生成される。
ステップ209において、エッジスワップによる三角形ポリゴンメッシュQcの整形を行う。ステップ208において生成される三角形ポリゴンメッシュはステップごとに形の良い正三角形に近い三角形を選択して生成する処理となっているが、生成された三角形ポリゴンメッシュ全体で見るとエッジスワップすることでより良い三角形を生成できる場合がある。
ここでは、図13に破線で示す四角格子メッシュSqcの外周上のグリッド点Ca3と境界線上の点Cb3を連結してその両側に三角形ポリゴンが存在する1つの稜線R1に対して、太実線で示すように一方の三角形ポリゴンを構成する境界線上の点Cb4と他方の三角形ポリゴンを構成する外周上のグリッド点Ca4とを連結する稜線R2を演算する。そして、この新たな稜線R2の両側に形成される2つの三角形(エッジスワップ後の三角形)を求める。
図13に示されるように、エッジスワップ後の2つの三角形△Ca4−Cb4−Ca3と△Ca4−Cb4−Cb3が、エッジスワップ前の2つの三角形△Ca3−Cb3−Cb4と△Ca3−Cb3−Ca4よりも正三角形に近づく場合には、破線の稜線R1を廃して、エッジスワップ後の三角形△Ca4−Cb4−Ca3と△Ca4−Cb4−Cb3を三角形ポリゴンとして入れ替え採用する。
三角形ポリゴンメッシュQcは四角格子メッシュSqcの外周上の順次隣接するグリッド点について以上の処理を繰り返して整形される。
ステップ204の処理で述べたように、境界線を共有するパッチ間では、当該境界線の点列を共有するので、ステップ102における三角形ポリゴンメッシュQcの統合では各パッチが切れ目なく連続して1枚の統合ポリゴンメッシュQTとなる。
グリッド点Caおよび境界線上の点Cbが統合ポリゴンメッシュQTの頂点pc(図12参照)となる。
図14、15は、図2のフローチャートのステップ104におけるテクスチャの合成、マッピングの詳細を示すフローチャートである。
ステップ300において、先のステップ103で領域分けされた統合ポリゴンメッシュの各領域を構成する三角形ポリゴンに領域固有のIDを割り付けるとともに、1つの領域を初期領域として設定する。
例えば図3の例では、その(b)に示すように、北極を取り囲む領域をz軸方向に射影することを考慮して1つの領域に統合し、これを初期領域Aとする。
ステップ301において、テクスチャ合成部33は、入力データ格納部12に格納されているテクスチャデータから初期領域Aをカバーする任意のテクスチャGAを切リ出して、初期領域Aに基準方向(z軸方向)から射影してテクスチャの画素値情報をマッピング(以下、単にテクスチャのマッピングという)する。
つぎにステップ302で、先に選択されたテクスチャ割り当てがパッチ単位モードであるか、ピクセル単位モードであるかをチェックする。
パッチ単位モードであるときはステップ303へ進み、ピクセル単位モードであるときはステップ320へ進む。
ステップ303では、重複領域設定のための準備として、初期領域Aに隣接する1つの隣接領域B(図3参照)の周縁を一巡する境界線F0を、三角形ポリゴンの頂点を追うことにより探索する。各三角形ポリゴンには領域固有のIDを割り付けてあるので、効率よく探索することができる。
そして、後段で行う境界線の拡張を単純化するため、ステップ304において、上記探索した境界線F0を平滑化する。
具体的には、図16に示すように、境界線F0を構成している連続する2本の稜線が1つの三角形の2辺であれば、その2辺のかわりに当該三角形の残りの1辺の稜線に置き換えて、境界線F1とする。図中の黒丸はポリゴンメッシュの頂点である。
ステップ305では、図17の(a)に示すように、平滑化した境界線F1上の頂点を順番に矢示方向に辿って、各頂点(黒丸)に接続する稜線(破線)の他端の頂点を求め、これを繋いで拡張した境界線F2とする。次には(b)のように、境界線F2を基にして同様に各頂点に接続する稜線の他端を繋いで境界線F3とする。(c)は境界線F3を基にした境界線F4の設定を示す。これらの境界線Fはポリゴンメッシュを構成する三角形の1つ相当分ずつ外方へ拡張したものとなっている。
この境界線Fの拡張を処理ツールデータとして設定してある拡張本数まで順次繰り返すことにより、図3の(c)に示すような多重化された境界線Fmが求められる。
後述する重複領域はその領域内でテクスチャを滑らかにつなげるためのものであるが、境界線Fの拡張本数は、その重複領域をどのような面積範囲とするか、テクスチャの特性やポリゴンメッシュの細かさを勘案して予め設定される。
なお、図3の(c)に示された境界線Fmの最内側が境界線F1である。
そして、ステップ306で、初期領域Aと重なって、多重化された境界線Fmで囲まれた領域を重複領域Dとして設定する。
ステップ307で、上記重複領域Dと境界線F0を探索した隣接領域Bを、領域分割する際の処理ツールデータとして与えられた隣接領域Bの角度範囲の中央値を法線方向として三角形ポリゴンを平面に射影して2次元化する。
境界線F0を探索した隣接領域Bと重複領域Dとをあわせて、これからテクスチャをマッピングする処理対象であるという意味で「処理中の領域」Xとも言う。
ステップ308において、図18に示すように、射影面上の処理中の領域Xをカバーする矩形領域Hを設定する。
ステップ309において、初期領域AにマッピングされたテクスチャGAにおける重複領域D部分と最も類似するテクスチャGBをテンプレートマッチングによりテクスチャデータから探索して定め矩形領域Hに割り当てる。
図19はこの最も類似するテクスチャGBの抽出要領の詳細を示すフローチャートである。
重複領域Dにおける初期領域Aの頂点がn個あるとすると、各頂点はそれぞれテクスチャGAの画素情報を有している。そこで、ステップ330において、図20の(a)に示すように、重複領域Dの当該n個の画素値を含んで矩形領域Hと同サイズのテンプレートPTを設定する。
ステップ331では、図20の(b)に示すように、テクスチャデータ上をx−y方向にずらしながらテンプレートPT内の頂点の画素値GA(g)とテクスチャデータの画素値GS(g)の差の2乗値の合計を次式のように算出する。
テクスチャデータ内の画素値GS(g)と矩形領域Hの画素値GA(g)の差の合計
=(GS(g)−GA(g))+(GS(g)−GA(g))+・・・+
(GS(g)−GA(g))
そして、合計値が最も少ないテンプレートPT位置を定める。
ステップ332において、画素値GS(g)と画素GA(g)の差の合計値が最も少ないテンプレートPT位置のテクスチャを最も類似するテクスチャとし、当該矩形領域H相当面積のテクスチャGBを切り出す。
テクスチャGBを矩形領域Hのサイズで割り当てることにより、処理中の領域Xを埋め尽くすことになる。
これにより、図21の(a)に示すように、重複領域Dには、初期領域AにマッピングされたテクスチャGAと矩形領域H(処理中の領域X)に割り当てられたテクスチャGBとが重なる。図中の折れ線は多重化された境界線Fmである。なお、煩雑を避けるため、ポリゴンメッシュは頂点を境界線上にのみ黒丸で示している。
このあと、図14、15のフローチャートに戻り、ステップ310において、初期領域AのテクスチャGAと処理中の領域Xに割り当てたテクスチャGBとを重複領域Dにおいて滑らかにつなげるための「最適な境界線」FSを探索する。すなわち、互いの画素値の差が最小となる境界線FSを求めるイメージキルティングを行うことになる。
最適な境界線FSの探索は、重複領域Dの両端部それぞれα本の境界線を除外した中間の領域を探索領域Mとして行なう。探索除外本数αについては、入力データ格納部12に処理ツールデータとして格納されているが、詳細は後述する。
ここでは、図21の(b)に実線で示すように、探索領域Mにおける境界線上の1点から順番に頂点を巡りながら、現在i番目の境界線Fi上であれば、同一境界線上の次の頂点、あるいは射影面における進行方向の角度が例えば90°など逆戻りさせない条件で内側のi−1番目の境界線Fi−1または外側のi+1番目の境界線Fi+1上の頂点のうち、画素値の差が最も小さい頂点へ移動していく。図21の(b)におけるaは境界線Fiから境界線Fi−1の頂点へ移動した例、bは境界線Fiから境界線Fi+1の頂点へ移動した例を示している。
探索開始を探索領域Mのすべての境界線から行って、経路全体における画素値の差が最小のものを最適な境界線FSとする。
なお、頂点位置の画素値は、その周囲の4画素の画素値からバイリニア補間して算出する。
また、まだテクスチャのマッピングがなされていない領域(隣接領域B)においては、画素値の差を0(ゼロ)として現在位置の境界線上を辿る。
こうして求めた最適な境界線FSにより、図21の(c)に例示するように、処理中の領域XにマッピングされるべきテクスチャGBの初期領域A側端を区画し、最適な境界線FS上でテクスチャGBを初期領域のテクスチャGAに接続することにより、画素値の小さな変化で両テクスチャを滑らかにつなげることができる。
換言すれば、初期領域Aのテクスチャと新たなテクスチャ(すなわち処理中の領域Xに割り当てたテクスチャ)の画素値の差が最も少ないレベルの変化で、新たなテクスチャが既存のテクスチャにつながっていくことになる。
本実施の形態では、最適な境界線FS上でテクスチャGBとテクスチャGAを突き合わせ接続する代わりに、隣接するテクスチャGA、GBをさらに滑らかにつなげるため、 ステップ311において、最適な境界線FSを中心にした両側で、テクスチャGAとGBの画素値を最適な境界線FSからの距離でウエイト付けして混ぜ合わせる。
ここでは、図22に示すように、混ぜ合わせる対象を最適な境界線FSから両方向それぞれLmaxの範囲にある頂点の画素値とする。最適な境界線FS上ではテクスチャGAの画素値GA(g)とテクスチャGBの画素値GB(g)が各50%ずつとし、最適な境界線FSから隣接領域B側では最適な境界線FSからの距離が大きくなるほど、画素値GA(g)の割合を減じ、画素値GB(g)の割合を増し、Lmaxの位置にある頂点においては画素値GA(g)の割合が0、画素値GB(g)が100%となるようにする。
一方、最適な境界線FSから初期領域A側では最適な境界線FSからの距離が大きくなるほど、画素値GA(g)の割合を増し、画素値GB(g)の割合を減じ、Lmaxの位置にある頂点においては画素値GA(g)の割合が100%、画素値GB(g)が0となるようにする。
すなわち、混ぜ合わせ後の各頂点の画素値GRは、最適な境界線からの距離をLとし、最適な境界線から隣接領域Bと反対方向を正(+)として次式で表わされる。
GR(g)=GA(g)(Lmax+L)/2Lmax
+ GB(g)(Lmax−L)/2Lmax
なお、頂点の最適な境界線からの距離Lは、当該頂点から最適な境界線への最短距離を用いる。
また、最適な境界線FSの探索を重複領域内の両端の探索除外本数αを除いた探索領域Mに限定しているのは、もし最適な境界線FSが重複領域の最外側(初期領域側)の境界線となった場合に、当該最適な境界線FSより初期領域側にはテクスチャGBが割り当ててないので、混ぜ合わせができない場合が生じるのを避ける目的である。
このため、最適な境界線FSが探索領域Mの最端部の境界線上の頂点を通ったときにも、当該最適な境界線FSからLmaxの範囲にある頂点がテクスチャGBが割り当てられている重複領域内に位置して、画素値の混ぜ合わせが可能となるようにしている。したがって、探索除外本数αとしてはLmaxの距離をカバーできる境界線の本数に若干の余裕を持たせた値にするのが好ましい。
同様に、重複領域内で画素値の混ぜ合わせが可能なように、重複領域内の隣接領域側にも探索除外本数αを設定している。
ステップ312で、重複領域D内で画素値が混ぜ合わされた上記テクスチャを、処理中の領域Xにマッピングする。
これにより、初期領域AのテクスチャGAと処理中の領域XにマッピングしたテクスチャGBとが最適な境界線を中心にした2Lmaxの間で一層滑らかにつなげられたことになる。
ステップ313において、領域分けされたすべての領域に対してテクスチャのマッピングが完了したかどうかをチェックする。
未処理の領域が残っている場合には、ステップ314において、初期領域Aと処理中の領域Xを統合して新たな初期領域とし、三角形ポリゴンのIDを再設定したあと、ステップ303へ戻り、ステップ312までの処理を繰り返す。
以上のパッチ単位モードでテクスチャの合成を行う場合には、テクスチャデータから切り取るサイズが大きいため、データ入力部11に入力されたテクスチャデータが示す絞の特徴を忠実に保持することが可能であるとともに、処理における演算時間も多くを要しないという利点がある。
すべての領域に対してテクスチャのマッピングが完了したら、ステップ105へ進む。
一方、ステップ302から分岐したステップ320では、すでにテクスチャがマッピングされて画素値を有する領域(スタートとしては初期領域A)と画素値を有しない領域(隣接領域B)の境界部分について、テンプレートマッチングにより、すでに画素値を有する領域に対して最も小さな変化で滑らかにつながるピクセルをテクスチャデータから抽出して、画素値を有しない領域に頂点別にマッピングする。
図23はこのピクセル単位のマッピングの詳細を示すフローチャートである。
まずステップ340において、画素値を有する領域の頂点と隣接した、画素値を有しない頂点を探索し、画素値を定める対象頂点に設定する。
続いてステップ341で、図24の(a)に示すように、この対象頂点pgbに隣接するポリゴンから求めたその頂点での法線方向をZ座標軸とする局所座標を設定し、ステップ342で、図24の(b)に示すように、対象頂点pgbを含む例えばx方向1mm、y方向1mmなど所定領域Nを局所座標のxy平面に射影することにより2次元化する。
射影される頂点は、対象頂点pgbの周囲の頂点を1層(稜線1本で繋がっている頂点)、2層(稜線2本で繋がっている頂点)、3層と順に探索し指定した範囲内のすべての頂点である。
3次元形状のメッシュでは、頂点は規則正しく並んでいるとは限らないので、適切なテクスチャを得るためには、上述のように頂点位置を局所座標のxy平面に射影し、その位置での画素値を確定させる必要がある。
なお、頂点の画素値GA(g)はxy平面に射影した位置でその周囲の4画素の画素値からバイリニア補間して求める。
ステップ343において、図25の(a)に模式的に示すように、画素値を有する複数の頂点pgaと、設定した画素値を有しない対象頂点pgbを含む領域をテンプレートPPとして設定する。
図24、図25において、黒丸が画素値を有する頂点pgaを示し、白丸が画素値を有しない頂点を示し、とくにテンプレートPPとした領域内にある白丸が画素値を定める対象頂点pgbである。なお、図25に示した頂点の配置は模式化のため図24の(b)とは合致していない。
また、テンプレートPPでは頂点pgaの画素値を白抜き、画素値がない対象頂点部分をハッチングで示している。
テンプレートPP内の対象頂点pgbの位置は、テンプレートのサイズとともに予め処理ツールとして入力されるほか、処理前にも任意に入力が可能である。
ステップ344では、図25の(b)に示すように、テクスチャデータ上をx−y方向にずらしながらテンプレートPP内の頂点の画素値GA(g)とテクスチャデータの画素値GS(g)の差の2乗値の合計を算出して、その合計値が最も少ないテンプレートPP位置を探索する。合計値の算出要領は、ステップ309における重複領域D部分のテクスチャGAと最も類似するテクスチャGBの抽出におけるのと同様である。
それから、ステップ345において、画素値GA(g)と画素値GS(g)の差の2乗値の合計値が最も少ないテンプレートPP位置における、画素値を有しない頂点に対応する位置にあるテクスチャデータの周囲の4画素の画素値からバイリニア補間して算出した画素値GS(g)を対象頂点pgbにマッピングする。
これにより、対象頂点まわりの画素値とテクスチャデータの画素値の差の2乗値の合計が最も少ないレベルの変化で、新たなテクスチャが既存のテクスチャにつながっていくことになる。
図15のフローチャートに戻り、ステップ321において、統合ポリゴンメッシュQTに画素値を有しない頂点が残っているかどうかをチェックする。
画素値を有しない頂点が残っている場合には、ステップ320に戻って、ピクセル単位での画素値の抽出とマッピングを繰り返す。この繰り返し処理はポリゴンメッシュの全面にわたって画素値を有しない頂点がなくなるまで繰り返す。先のステップ103で統合ポリゴンメッシュが領域分けされたID番号順の各領域ごとに順次実行すればよい。
この際、ステップ320で画素値がマッピングされた頂点pgbは次回の処理では当然に画素値を有する頂点pgaに変わる。
以上のピクセル単位モードでテクスチャの合成を行う場合には、画素単位で作っていくため、歪みがなく不連続箇所は発生しないので滑らかな変化を高精度で得ることができ、したがって境界線の拡張や画素値の混ぜ合わせ処理なども不要であるという利点を有する。
ポリゴンメッシュのすべての頂点に対して画素値のマッピングが完了したら、ステップ105へ進む。
つぎに、図2のフローチャートのステップ105におけるディスプレイスメントマッピングによる3次元ポリゴンメッシュ(統合ポリゴンメッシュQT)への絞形状付与の詳細について説明する。
ディスプレイスメントマッピングによって変位する曲面p’は式(1)で表わされる。
p’(u,v)=p(u,v)+h(u,v)q(u,v) ・・・(1)
ここで、図26に示すように、p(u,v)は変位前の曲面(基礎曲面)、h(u,v)は変位量、q(u,v)は変位させる方向の単位ベクトルである。
したがって、ここでは、ポリゴンメッシュQTにおけるp(u,v)の位置にある各頂点pcを上式により変位させることになる。
図27はステップ105の絞生成部32における絞形状付与の詳細を示すフローチャートである。
まずステップ400において、統合ポリゴンメッシュQTの頂点pcの1つを選択して、当該頂点pcの法線方向を算出する。選択する頂点の位置は任意である。
法線方向は、頂点pcのパラメータ値を用いて自由曲面から求めてもよいし、あるいは当該頂点pcを含む周囲のポリゴンの法線方向の平均として求めることもできる。
なお、この法線方向は後で頂点を変位させる際、および抜き勾配算出の際の単位ベクトルqとなる。
続くステップ401において、加工対象金型のあらかじめ設定されて入力データ格納部12に格納されている型開き方向と頂点座標の法線方向とに基づいて、抜き勾配を算出する。
そして、ステップ402において、処理開始の際に選択されている抜き勾配に対する絞深さの変化式に基づいて、頂点位置における変位量縮小率を求める。
図28に示すように、抜き勾配を、頂点の法線方向に対して90°の線と白抜き矢印で示す型開き方向との角度θとすると、抜き勾配が小さいほど大きなアンダーが生じて型開き時の金型と製品側の絞とが干渉することになる。このため、変化式は、図29に示すように抜き勾配θが小さいほど変位量縮小率が大きくなるように、したがって変位量が小さくなるように設定されている。この際、成形後の樹脂収縮により、金型と製品の実際の干渉程度は若干緩和されることも考慮して、変化式が定められる。変位量縮小率は抜き勾配に応じて連続的に変化する。
ステップ403では、作業メモリーに格納された頂点情報から、画素値(濃度)gを読み出す。
ステップ404において、画素値gと絞の深さの変換レートに基づいて、頂点の基準変位量を求める。
絞の最大深さ、すなわち最大変位量をhmax とすると、変換レートはhmax /255となり、画素値gから基準変位量h は式(2)で表される。
h=(g/255)hmax ・・・(2)
例えば、hmax が300μmのとき、画素値gが128であれば基準変位量h は150μmとなる。
ステップ405では、基準変位量hに変位量縮小率を掛けて最終変位量を算出する。
こうして例えば、基準変位量hが200μmのとき、抜き勾配が25°より大きければ変位量縮小率0%として最終変位量hfは200μmのまま、抜き勾配が0°〜25°の範囲では変位量縮小率90〜0%として最終変位量hfを20μm〜200μmのように変化させることができる。
ステップ406において、上に求めた最終変位量hfをh(u,v)とし、単位ベクトルq(法線方向)を用いて、上述した式(1)によりポリゴンメッシュQTの頂点pcを変位させる。
つぎに、ステップ407において、以上の処理を行っていない頂点が残っているかをチェックする。
未処理の頂点が残っている場合は、ステップ400へ戻り、ステップ406までの処理を繰り返す。
すべての頂点についてテクスチャデータに基づく法線方向の変位が終わると、ステップ407からステップ408へ進み、変位した新たな位置の各頂点pcを連結して、絞形状を付与されたポリゴンデータとする。このポリゴンデータはポリゴンデータ記憶部19に格納される。
このポリゴンデータにより、抜き勾配が小さいところでは前述の変位量縮小により、金型と製品との間にアンダーを生じさせることなく、図30に示すように、絞Rsの深さ(高さ)が連続的に変化する製品が得られる。図中、白抜き矢印は型開き方向である。
以上により絞付与ポリゴンデータを作成する処理は終了する。
本実施の形態ではテクスチャ合成にパッチ単位モードとピクセル単位モードを備えているので、例えばパッチ単位モードを選択した場合に、一連の処理終了後、操作入力部22の操作により、ポリゴンデータ記憶部19からポリゴンデータを読み出してモニタ23に表示して確認を行うことができる。
上述したようにパッチ単位でテクスチャの割り当てた場合には、データ入力部11に入力されたテクスチャデータが示す絞の特徴を忠実に保持することが可能で、処理における演算時間の多くを要しないという利点があるが、その一方で、領域分けした各領域の境界部分で不連続な箇所が生じ易いので、モニタ確認した結果、パッチ単位モードで採用したイメージキルティングによっても許容困難な不連続が残っている場合には、処理時間は延びるがあらためてピクセル単位モードを選択すれば、不連続箇所のない絞付与ポリゴンデータを得ることができる。
本実施の形態では、図2のフローチャートにおける100〜102が発明におけるポリゴンメッシュ化手段を構成し、ステップ103がポリゴンメッシュ領域分け手段に該当する。
図14、15のフローチャートにおけるステップ300〜314が請求項24の発明におけるテクスチャ合成・マッピング手段を構成し、とくに、ステップ303〜306が重複領域設定手段を、ステップ307、308が矩形領域設定手段を、ステップ309がテクスチャ割当手段を、そしてステップ310が最適境界線探索手段を構成している。ステップ311、312がイメージキルティング手段を、ステップ313、314が初期領域再設定手段を構成している。
また、処理中の領域Xにマッピングされ、「画素値の差が最小となる「最適な境界線」FSで初期領域AにマッピングされたテクスチャGAとつながる」テクスチャGBが、発明における「所定の要求レベルを満たす変化でつながる」新たなテクスチャに相当する。
また、ステップ300〜302、320、321が請求項25の発明におけるテクスチャ合成・マッピング手段を構成し、とくに、図23のフローチャートにおけるステップステップ340が対象頂点探索手段を、ステップ341〜343がテンプレート設定手段を、ステップ344がテンプレート位置探索手段を、そして、ステップ345がテクスチャマッピング手段を構成している。
「対象頂点を含むテンプレートPP内の頂点の画素値GA(g)とテクスチャデータの画素値GS(g)の差の2乗値の合計が最も少ないテンプレート位置における」対象頂点に対応するテクスチャデータの画素値が、発明における「所定の要求レベルを満たす変化でつながる」新たなテクスチャに相当する。
図27のフローチャートのステップ400〜407が発明における頂点変位手段を構成し、ステップ408が絞付与ポリゴンメッシュ作成手段を構成している。
実施の形態は以上のように構成され、まずデータ入力部11に入力された自由曲面で定義される製品形状データをポリゴンメッシュ化し、これを領域分けした領域の1つを初期領域Aとしてデータ入力部11に入力されたサンプルのテクスチャデータから切り取ったテクスチャGAをマッピングする。そして、マッピングされたテクスチャGAに滑らかな変化でつながるように新たなテクスチャGBを合成し、テクスチャ値を有しない隣接領域にテクスチャGBをマッピングすることを繰り返してポリゴンメッシュのすべての領域にテクスチャをマッピングして、ポリゴンメッシュQTの各頂点をマッピングされたテクスチャに基づいてそれぞれの法線方向に変位させ、変位させた各頂点を結んで作成した新たなポリゴンメッシュデータを絞が付与された表面加工データとするものとした。
これにより、製品形状データをポリゴンメッシュ化し厚みを持たない曲面データとして処理するので、処理データ量が少なくて済む。
そして、製品表面全体に対して小さく領域分けされた各領域ごとで新たなテクスチャの合成を進めるので、表面が可展面でない製品形状の場合でも歪みの少ない見栄えの良い絞を付与することができるとともに、データ入力部11に入力するテクスチャデータとしては比較的小サイズのサンプルデータを準備すればよい。
とくに、パッチ単位モードによる新たなテクスチャの合成では、初期領域Aと隣接領域Bとの間に重複領域Dを設定し、この重複領域Dにおいて矩形領域Hのサイズで準備されるパッチ単位のテクスチャを用いて合成して、重複領域Dと隣接領域Bとからなる処理中の領域Xにマッピングする。そして、このマッピングした処理中の領域Xと初期領域Aとを新たな初期領域として再設定し、重複領域Dの設定以下を繰り返してポリゴンメッシュのすべての領域にテクスチャをマッピングする。
矩形領域Hのサイズで比較的まとまったテクスチャをつないで行くので、データ入力部11に入力されたテクスチャデータが示す絞の特徴を忠実に保持することが可能であるとともに、処理における演算時間も多くを要しない。
重複領域Dの設定は、隣接領域Bの境界線Fをポリゴンメッシュの頂点を結ぶ線として探索し、境界線Fを隣接領域Bの外方へ拡大して多重化して、この多重化した境界線F1、F2、F3、・・が初期領域Aと重なる領域を重複領域Dとするので、多重化する境界線Fの本数により重複領域Dのサイズの設定が容易である。
領域分けした各領域のポリゴンには、当該ポリゴンが属する領域ごとのIDを付与するので、上記境界線Fの探索はIDを参照することにより効率よく行うことができる。
また、多重化する前の境界線F0を、その連続する2本の稜線が1つの三角形の2辺であれば、その2辺のかわりに当該三角形の残りの1辺の稜線に置き換えることにより平滑な境界線F1とするので、多重化の処理も簡単になる。
ポリゴンメッシュQTの領域分けは、予め定めた基準軸とポリゴンメッシュの法線方向とで算出される所定の角度範囲で分割するので、角度範囲の選択によりテクスチャをマッピングする際の精度を制御することができる。
境界線Fの多重化は、境界線F1上の頂点を順番に辿って、各頂点に接続する稜線の他端の頂点を求め、該他端の頂点を順番に繋いで当該境界線F1の外側に新たな境界線を設定することを順次繰り返して、複数の拡張した境界線F2、F3、・・を得るので、ポリゴンメッシュを構成する三角形単位の間隔で簡便に実現できる。
パッチ単位の新たなテクスチャの合成については、処理中の領域Xを2次元平面に射影し、射影面に当該処理中の領域Xをカバーする矩形領域Hを設定し、該矩形領域に新たなテクスチャGBを割り当て、重複領域Dにおいて初期領域AにマッピングされたテクスチャGAと新たなテクスチャGBの画素値の差が最小となる最適な境界線FSを求める。
この際、矩形領域Hに割り当てる新たなテクスチャGBは、初期領域AにマッピングしたテクスチャGAを含むサンプルのテクスチャデータから、初期領域AにマッピングしたテクスチャGAの重複領域D部分と最も類似するテクスチャを切り出して用いるので、画素値の差の最小値としても絶対的に小さな値が得られ、テクスチャGA、GB間のズレがとくに小さい最適な境界線FSが得られる。
とくに最適な境界線FSは、多重化した境界線Fm中の1の境界線を巡りながら、現在の頂点から当該境界線上の次の頂点、あるいは進行方向を逆戻りさせない条件で隣接する内側の境界線または外側の境界線上の頂点のうち、画素値の差が最も小さい頂点へ移動していくことにより求めるので、探索が容易である。
そして、最適な境界線FSの探索は、重複領域D内の両端の探索除外本数αを除いた探索領域Mに限定しているので、探索領域の最端部が最適な境界線FSとなった場合にも、最適な境界線を中心とする所定範囲2Lmaxを確保できる。この所定範囲で初期領域AにマッピングされたテクスチャGAと矩形領域Hに割り当てた新たなテクスチャGBのテクスチャ値を最適な境界線FSからの距離でウエイト付けして、混ぜ合わせることができ、初期領域Aから隣接領域Bへのテクスチャの変化が特段に滑らかとなる。
ピクセル単位の新たなテクスチャの合成については、画素値を有する領域の頂点と隣接した、画素値を有しない頂点を探索して、画素値を定める対象頂点に設定し、該対象頂点を含む所定領域を2次元平面に射影して、射影面に対象頂点とこれに隣接するテクスチャ値を有する複数の頂点とを含むテンプレートを設定する。そして、テクスチャデータとテンプレートのテクスチャ値との差が最小となるテンプレート位置を探索し、探索したテンプレート位置における当該テンプレート内の対象頂点位置に対応するテクスチャデータのテクスチャ値を上記対象頂点にマッピングしていくので、画素値の混ぜ合わせ処理などをしなくても高精度に滑らかな変化で新たなテクスチャを合成することができる。
また、製品形状データのポリゴンメッシュ化は、製品形状データを複数のパッチに分割し、各パッチの自由曲面のパラメータ空間において、所定の分割線でグリッド点を生成するとともに、パッチの境界線上に所定の間隔で点列を生成し、境界線内側のグリッド点および境界線上の点列を用いて、各頂点を自由曲面上に有する3次元のポリゴンメッシュを形成したあと、すべてのパッチのポリゴンメッシュを1枚のポリゴンメッシュに統合して行なう。
表面形状データを分割した複数のパッチWについてそれぞれポリゴンメッシュを形成したあと、すべてのパッチのポリゴンメッシュを1枚のポリゴンメッシュQcに統合するので、パッチごとの少ない演算処理を繰り返すことで表面形状データ全体のポリゴンメッシュ化が簡単に行える。
上記グリッド点を生成する分割線および境界線上の点列は、それぞれ所定範囲内に均一化した間隔とし、3次元のポリゴンメッシュの形成は、境界線内側のグリッド点を連結して格子メッシュを形成し、該格子メッシュを三角形ポリゴン化するとともに、格子メッシュの外周におけるグリッド点と境界線上の点列を連結して三角形ポリゴン化して形成するようにしており、2次元平面への射影とさらに3次元への復元処理とを行わないため、演算負担が少なく、処理時間が短縮される。また同じく2次元化および3次元化の処理に伴う歪の発生もない。
また、境界線上の点列は、隣接するパッチ間で同位置として共有されるので、各パッチが切れ目なく連続して1枚のポリゴンメッシュへの統合が容易である。
絞生成部34における処理については、ポリゴンメッシュの各頂点を変位させる変位量を、テクスチャに基づく基本変位量に金型の抜き勾配に応じた変位量縮小率を乗じたものとしているので、アンダーを発生させず、絞の深さを滑らかに変化させて見栄えの良い外観表面が得られる。
パッチ単位モードでテクスチャの合成を行う場合には、前述のように、データ入力部11に入力されたテクスチャデータが示す絞の特徴を忠実に保持することが可能であるとともに、処理における演算時間も多くを要しないという利点があるが、絞のテクスチャが四角や円といった直線や曲線で構成される幾何学模様であるような場合には画素値の混ぜ合わせを行ってもズレが残ることもあり得る。これに対して、本実施の形態ではピクセル単位モードも選択可能となっているので、目標レベルによっては若干処理時間はかかるがピクセル単位モードによってズレなどの不連続箇所がないテクスチャ合成を得ることができる。
なお、表面形状のパッチWのサイズは表面加工データ作成装置10のコンピュータの処理能力に応じて任意に決めればよい。
実施の形態では、データ入力部11に入力されるパッチ情報で定義される個々のパッチ単位で三角形ポリゴンメッシュ生成を行う例について説明したが、表面形状データが小さくて1つのパッチ相当となる場合には、当然に複数パッチへの分割は不要であり、図2におけるステップ102の統合ポリゴンメッシュ化も不要となる。
実施の形態では、境界線の自由曲線としてB−spline曲線が用いられた例について説明したが、他の自由曲線の場合にも本発明は同様に適用できる。
また、実施の形態では、統合ポリゴンメッシュQTを領域分けした領域のつなぎ部分でのパッチ単位モードのテクスチャ合成において、ステップ311で、最適な境界線FSを中心にした両側でテクスチャGAとGBの画素値を混ぜ合わせるものとしたが、テクスチャの特性やポリゴンメッシュの細かさ等により、図21の(c)のように、最適な境界線FS上でテクスチャGAとGBを接続するだけで、十分滑らかなつながりとなる場合には、画素値の混ぜ合わせ処理を省略することもできる。
テクスチャデータは256階調のグレースケール画像データで提供されるものとしたが、これに限定されず、複数の色成分の濃度に絞の深さ情報を持たせた画像データを用いてもよい。
ポリゴンメッシュQTの各頂点pcを絞のテクスチャデータに基づいて変位させる方向を法線方向としたが、これも任意の方向に設定することができる。
絞模様のディスプレイスメントマッピングにおいて、抜き勾配に対する変位量縮小については縮小率を連続的に変化させるものとしたが、任意のステップで意図的に段階的な変化をなすようにすることも当然に可能である。
また、変位量縮小率を定める変化式は表面形状データおよびテクスチャデータの入力とともに処理開始の際に選択するものとしたが、ディスプレイスメントマッピングの段階になってから、モニタ23に選択を求める表示を行い、選択操作を待ってからディスプレイスメントマッピングの処理を開始するようにしてもよい。
本発明は、製品表面に絞模様を形成する種々の樹脂製品の製造分野において利用して、多大の効果を有する。
10 表面加工データ作成装置
11 データ入力部
12 入力データ格納部
13 データ処理部
19 ポリゴンデータ記憶部
20 データ出力部
22 操作入力部
23 モニタ
30 ポリゴンメッシュ化部
31 ポリゴンメッシュ統合部
32 ポリゴンメッシュ領域分け部
33 テクスチャ合成部
34 絞生成部
35 作業メモリ
A 初期領域
b 間隔上限値
B 隣接領域
Ca、Ca1、Ca2、Ca3、Ca4 グリッド点
Cb 点列
Cb1、Cb2、Cb3、Cb4 点
D 重複領域
F0、F1、F2、F3、F4 境界線
GA、GB テクスチャ
H 矩形領域
J 自由曲面
K、K1、K2 境界線
M 探索領域
N 所定領域
PP、PT テンプレート
pc 頂点
Qc 三角形ポリゴンメッシュ
QT 統合ポリゴンメッシュ
R0 連結直線
R1、R2 稜線
Sqc 四角格子メッシュ
Tpc 三角形ポリゴン
W、W1、W2 パッチ
X 処理中の領域
Δ1、Δ2 三角形

Claims (25)

  1. 絞付与対象の自由曲面で定義される製品形状データをポリゴンメッシュ化し、
    該ポリゴンメッシュを領域分けし、
    領域分けした領域の1つを初期領域としてテクスチャデータに基づくテクスチャをマッピングし、
    該マッピングされたテクスチャに所定の要求レベルを満たす変化でつながる新たなテクスチャを前記テクスチャデータから合成し、
    隣接するテクスチャ値を有しない領域に前記新たなテクスチャをマッピングすることを繰り返して前記ポリゴンメッシュのすべての領域にテクスチャをマッピングし、
    前記ポリゴンメッシュの各頂点を当該ポリゴンメッシュにマッピングされたテクスチャに基づいてそれぞれの法線方向に変位させ、
    変位させた各頂点に基づいて新たなポリゴンメッシュデータを作成し、
    該新たなポリゴンメッシュデータを絞が付与された表面加工データとする
    ことを特徴とする表面加工データの作成方法。
  2. 前記新たなテクスチャの合成は、前記初期領域内に隣接領域と隣接する重複領域を設定し、該重複領域においてパッチ単位で合成し、
    前記ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングは、前記重複領域と隣接領域とからなる処理中の領域に前記パッチ単位で合成した新たなテクスチャをマッピングし、該マッピングした処理中の領域と前記初期領域とを新たな初期領域として、前記新たなテクスチャの合成を繰り返させて行うものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面加工データの作成方法。
  3. 前記新たなテクスチャの合成は、前記テクスチャがマッピングされた領域と隣接する領域内にあり、テクスチャ値を有する頂点と隣接するテクスチャ値を有しない頂点別に、ピクセル単位で合成し、
    前記ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングは、前記ピクセル単位で合成した新たなテクスチャを前記頂点にマッピングし、前記新たなテクスチャの合成をテクスチャ値を有しない前記頂点ごとに繰り返させて行うものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面加工データの作成方法。
  4. 前記新たなテクスチャの合成は、選択可能なパッチ単位モードとピクセル単位モードからなり、
    パッチ単位モードでは、
    前記初期領域内に隣接領域と隣接する重複領域を設定し、該重複領域においてパッチ単位で合成し、
    前記ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングを、前記重複領域と隣接領域とからなる処理中の領域に前記パッチ単位で合成した新たなテクスチャをマッピングし、該マッピングした処理中の領域と前記初期領域とを新たな初期領域として、前記新たなテクスチャの合成を繰り返させて行い、
    ピクセル単位モードでは、
    前記テクスチャがマッピングされた領域と隣接する領域内にあり、テクスチャ値を有する頂点と隣接するテクスチャ値を有しない頂点別に、ピクセル単位で合成し、
    前記ポリゴンメッシュのすべての領域へのテクスチャのマッピングを、前記ピクセル単位で合成した新たなテクスチャを前記頂点にマッピングし、前記新たなテクスチャの合成をテクスチャ値を有しない前記頂点ごとに繰り返させて行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の表面加工データの作成方法。
  5. 前記重複領域の設定は、
    前記隣接領域の他の領域との境界線を前記ポリゴンメッシュの頂点を結ぶ線として探索し、
    前記境界線を前記隣接領域の外方へ拡大して多重化し、
    該多重化した境界線が前記初期領域と重なる領域を重複領域とすることを特徴とする請求項2または4に記載の表面加工データの作成方法。
  6. 前記境界線の探索は前記IDを参照して行うことを特徴とする請求項5に記載の表面加工データの作成方法。
  7. 前記重複領域の設定において、前記境界線を前記多重化の前に平滑化することを特徴とする請求項5または6に記載の表面加工データの作成方法。
  8. 前記境界線の多重化は、前記境界線上の頂点を順番に辿って、各頂点に接続する稜線の他端の頂点を求め、該他端の頂点を順番に繋いで前記境界線の外側に新たな境界線を設定することを順次繰り返して、複数の拡張した境界線を得るものであることを特徴とする請求項5から7のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  9. 前記パッチ単位での新たなテクスチャの合成は、
    前記処理中の領域を2次元平面に射影し、
    射影面に前記処理中の領域をカバーする矩形領域を設定し、
    該矩形領域に新たなテクスチャを割り当て、
    前記重複領域において前記初期領域にマッピングされたテクスチャと新たなテクスチャのテクスチャ値の差が最小となる最適な境界線を探索し、
    該最適な境界線で前記初期領域にマッピングされたテクスチャに前記新たなテクスチャをつなげるものであることを特徴とする請求項2、4から8のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  10. 前記パッチ単位での新たなテクスチャの合成は、
    前記処理中の領域を2次元平面に射影し、
    射影面に前記処理中の領域をカバーする矩形領域を設定し、
    該矩形領域に新たなテクスチャを割り当て、
    前記重複領域において前記初期領域にマッピングされたテクスチャと新たなテクスチャのテクスチャ値の差が最小となる最適な境界線を探索し、
    該最適な境界線を中心とする所定範囲において、前記初期領域にマッピングされたテクスチャと矩形領域に割り当てた新たなテクスチャのテクスチャ値を最適な境界線からの距離でウエイト付けして、混ぜ合わせることを特徴とする請求項2、4から8のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  11. 前記矩形領域に割り当てる新たなテクスチャは、前記初期領域にマッピングしたテクスチャを含むテクスチャデータから、前記初期領域にマッピングしたテクスチャの前記重複領域部分と最も類似するテクスチャを切り出したものであることを特徴とする請求項9または10に記載の表面加工データの作成方法。
  12. 前記最適な境界線は、
    前記多重化した境界線のなかの1の境界線を巡りながら、現在の頂点から当該境界線上の次の頂点、あるいは進行方向を逆戻りさせない条件で隣接する内側の境界線または外側の境界線上の頂点のうち、テクスチャ値の差が最も小さい頂点へ移動していくことにより探索することを特徴とする請求項9から11のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  13. 前記最適な境界線の探索は、前記重複領域における両端の所定本数の境界線を除外して行うことを特徴とする請求項12に記載の表面加工データの作成方法。
  14. 前記ピクセル単位での新たなテクスチャの合成は、
    画素値を有する領域の頂点と隣接した、画素値を有しない頂点を探索して、画素値を定める対象頂点に設定し、
    該対象頂点を含む所定領域を2次元平面に射影し、
    射影面に前記対象頂点とこれに隣接するテクスチャ値を有する複数の頂点とを含むテンプレートを設定し、
    前記テクスチャデータと前記テンプレートのテクスチャ値との差が最小となるテンプレート位置を探索し、
    探索したテンプレート位置における当該テンプレート内の対象頂点位置に対応する前記テクスチャデータのテクスチャ値を前記対象頂点にマッピングするものであることを特徴とする請求項3または4に記載の表面加工データの作成方法。
  15. 前記製品形状データのポリゴンメッシュ化は、
    製品形状データを複数のパッチに分割し、
    各パッチの前記自由曲面のパラメータ空間において、所定の分割線でグリッド点を生成するとともに、パッチの境界線上に所定の間隔で点列を生成し、
    前記境界線内側のグリッド点および境界線上の点列を用いて、各頂点を前記自由曲面上に有する3次元のポリゴンメッシュを形成したあと、
    すべてのパッチの前記ポリゴンメッシュを1枚のポリゴンメッシュに統合して行なうことを特徴とする請求項1から14のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  16. 前記グリッド点を生成する分割線および境界線上の点列は、それぞれ所定範囲内に均一化した間隔であり、
    前記3次元のポリゴンメッシュの形成は、
    前記境界線内側のグリッド点を連結して格子メッシュを形成し、
    該格子メッシュを三角形ポリゴン化するとともに、格子メッシュの外周におけるグリッド点と前記境界線上の点列を連結して三角形ポリゴン化して形成するものであることを特徴とする請求項15に記載の表面加工データの作成方法。
  17. 前記境界線上の点列は、隣接するパッチ間で同位置として共有されることを特徴とする請求項15または16に記載の表面加工データの作成方法。
  18. 前記ポリゴンメッシュの領域分けは、予め定めた基準軸とポリゴンメッシュの法線方向とで算出される所定の角度範囲で分割することにより行うことを特徴とする請求項1から17のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  19. 領域分けした各領域のポリゴンには、当該ポリゴンが属する領域ごとのIDを付与することを特徴とする請求項1から18のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  20. ポリゴンメッシュの各頂点を変位させる前記変位量は、前記テクスチャに基づく基本変位量に金型の抜き勾配に応じた変位量縮小率を乗じたものであることを特徴とする請求項1から19のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  21. 前記ポリゴンメッシュの頂点の基本変位量は、前記テクスチャの当該頂点に対応するテクスチャ値に所定の変換レートを乗じて求めることを特徴とする請求項20に記載の表面加工データの作成方法。
  22. 前記テクスチャデータが、2次元の位置座標に対する絞の深さを濃度階調に割り当てた画素値をテクスチャ値とする画像データであることを特徴とする請求項1から21のいずれか1に記載の表面加工データの作成方法。
  23. 自由曲面で定義される絞付与対象の製品形状データとテクスチャデータを入力するデータ入力部と、
    製品形状データをポリゴンメッシュ化するポリゴンメッシュ化手段と、
    該ポリゴンメッシュを領域分けするポリゴンメッシュ領域分け手段と、
    領域分けした領域の1つを初期領域としてテクスチャをマッピングし、以後、このマッピングされたテクスチャに所定の要求レベルを満たす変化でつながる新たなテクスチャを合成して隣接する隣接領域へのマッピングを繰り返して、前記ポリゴンメッシュのすべての領域にテクスチャをマッピングするテクスチャ合成・マッピング手段と、
    前記ポリゴンメッシュの各頂点を前記マッピングされたテクスチャに基づいてそれぞれの法線方向に変位させる頂点変位手段と、
    頂点変位手段による変位後の頂点を結んで、絞形状を含む絞付与ポリゴンメッシュを作成する絞付与ポリゴンメッシュ作成手段とを有して、
    絞付与ポリゴンメッシュのデータを表面加工データとして出力することを特徴とする表面加工データ作成装置。
  24. 前記テクスチャ合成・マッピング手段は、
    テクスチャがマッピングされた初期領域内に隣接領域と隣接する重複領域を設定する重複領域設定手段と、
    該重複領域と前記隣接領域とからなる処理中の領域を2次元平面に射影し、射影面において前記処理中の領域をカバーする矩形領域を設定する矩形領域設定手段と、
    初期領域にマッピングされたテクスチャの前記重複領域部分に最も類似するテクスチャを前記矩形領域に割り当てるテクスチャ割当手段と、
    前記重複領域において前記初期領域にマッピングされたテクスチャと前記矩形領域に割り当てられたテクスチャのテクスチャ値の差が最小となる最適な境界線を求める最適境界線探索手段と、
    前記最適な境界線で前記初期領域にマッピングされたテクスチャにつなげて、前記矩形領域に割り当てたテクスチャを前記処理中の領域にマッピングするイメージキルティング手段と、
    前記初期領域とテクスチャをマッピングされた前記処理中の領域を、テクスチャがマッピングされた新たな初期領域として設定する初期領域再設定手段とからなることを特徴とする請求項23に記載の表面加工データ作成装置。
  25. 前記テクスチャ合成・マッピング手段は、
    画素値を有する領域の頂点と隣接した、画素値を有しない頂点を探索して、画素値を定める対象頂点に設定する対象頂点探索手段と、
    該対象頂点を含む所定領域を2次元平面に射影して、前記対象頂点とこれに隣接するテクスチャ値を有する複数の頂点とを含むテンプレートを設定するテンプレート設定手段と、
    前記テクスチャデータと前記テンプレートのテクスチャ値との差が最小となるテンプレート位置を探索するテンプレート位置探索手段と、
    探索したテンプレート位置における当該テンプレート内の対象頂点位置に対応する前記テクスチャデータのテクスチャ値を前記対象頂点にマッピングするテクスチャマッピング手段とからなることを特徴とする請求項23に記載の表面加工データ作成装置。
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