JP2017215843A - 穴被覆曲面生成装置および穴被覆曲面生成用プログラム - Google Patents

穴被覆曲面生成装置および穴被覆曲面生成用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】表面におけるうねり(曲がり方の変化)や不連続点がない滑らかな形状の穴被覆曲面を生成できるようにする。【解決手段】位置近似および曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件を満たす第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)を求める第1の変形写像確定部13と、位置連続および接連続に関する第2の拘束条件を満たす第2の変形写像Ψ(補間変形写像Ψinterp)を求める第2の変形写像確定部23と、その合成写像Ψinterp〇Ψapproxを用いて、物体形状の穴に対して仮設定した初期曲面の形状変形処理を行うことにより、物体形状の表面にある穴を覆う穴被覆曲面を生成する形状変形部24とを備え、第1の変形写像に基づいて「うねり」のない滑らかな形状への変形を実現するとともに、第2の変形写像に基づいて「不連続点」のない滑らかな形状への変形を実現する。【選択図】図1

Description

本発明は、穴被覆曲面生成装置および穴被覆曲面生成用プログラムに関し、特に、設計ツールにより生成される形状データにより表された物体の形状を変形させることによって、物体形状の表面に存在する穴を覆う穴被覆曲面を生成するための技術に関するものである。
今日、製品の設計を行う際には、CAD(Computer Aided Design)によって製品の形状データを生成することが一般的に行われている。伝統的なCADシステムでは、NURBSあるいはBスプライン関数で表された曲線・曲面を用いて物体形状が表されていた。これに対し、最近では、多数の点の集合である点群データ、または、三角形や四角形の形状をした複数のポリゴンの集合(ポリゴンメッシュ)として物体形状を表す形状モデリングシステムが増えてきている。
ところで、形状モデリングにおいて、モデル表面の穴を、周面形状と滑らかにつながるような曲面(以下、穴被覆曲面という)で覆うというモデリング操作は、モデルのコーナー部分等のモデリングで多用され、従来のCADシステムにおいても、これに対応する機能が提供されていた。
しかしながら、CADシステムの従来の技術では、生成される穴被覆曲面の品質が悪くなってしまうことが多いという問題があった。具体的には、生成される穴被覆曲面の表面にうねりを生じたり、穴の周辺にある既存の曲面と、穴の部分に生成された曲面との境界部分が不連続になったりしてしまうことが多く、このような問題を解消することは極めて困難であった。
なお、RBF(Radial Basis Function:放射基底関数)と呼ばれる関数を用いて曲面形状の変形を行う技術が知られている。RBFは、関数補間、特に多変数における不規則なデータの補間および近似に用いられる技術である。形状処理分野への応用としては、2000年頃に測定点群データからの曲面生成の問題に適用され(例えば、非特許文献1参照)、その後2005年頃にポリゴンおよび曲面の変形処理に適用された(例えば、非特許文献2,3参照)。
曲線や曲面、あるいは点群やポリゴンといったCAD・形状処理で扱う形状データは、3次元ユークリッド空間R内に存在しており、空間の各点についてその「行き先」を指定する変形写像Ψ:R→Rを与えることによって、形状を変形することができる。
しかしながら、非特許文献1〜3に記載されている形状変形処理は、「この点をこの点に動かす」という、点の位置(座標値)が一致するレベルの連続性を表した拘束条件(位置連続あるいはG連続という)から変形写像を求める方法に限定されている。そのため、非特許文献1〜3に記載の技術をそのまま用いても、生成される穴被覆曲面の表面にうねりを生じたり、穴被覆曲面とその周辺の既存曲面との境界部分が不連続になったりしてしまうという問題は解消することができない。
これ以外にも、RBFを用いた形状処理に関する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された発明の目的は、異なるCADシステム間で交換されたCADデータの中に存在する傷(修復すべき部分)を自動的に修復できるようにすることにある。この目的を達成するために、特許文献1に記載のシステムは、CSRBF(compactly supported radial basis functions)技術またはLCSRBF(local compactly supported radial basis functions)技術を使用することにより、CADデータに表される構造を部分に分け、解析に不適な形状を探し出して、スムーズな形状となるよう修正している。
具体的には、特許文献1に記載のシステムは、2次元CADデータに表される2次元画像上の傷の部分を範囲指定する手段と、範囲指定された傷の部分を適度に広げた領域を指定する手段と、当該広げた領域から傷の部分を引いた領域に対して、CSRBF法またはLCSRBF法を用いて関数データを求める手段と、求められた関数データを用いて、傷のついた部分を連続的に滑らかに補間して修復する手段とを備えている。
この特許文献1には、色の変化が比較的滑らかに起こるような2次元CADデータ(2次元画像)上の傷をCSRBF法によって連続的に滑らかに修復することが記載されている。また、テクスチャ模様のように色の変化がシャープに起こるような2次元画像を表している2次元CADデータ上の傷に対しては、LCSRBF法を用いて修復することが有効であることも記載されている。
しかしながら、特許文献1には、生成される曲面の表面の平滑化(フェアリング)や、既存曲面と生成曲面との境界部分との連続性を満足するように形状を変形することについては何ら開示されていない。すなわち、この特許文献1に記載の技術をそのまま用いても、生成される穴被覆曲面の表面にうねりを生じたり、穴被覆曲面と既存曲面との境界部分が不連続になったりしてしまうという問題は解消することができない。
特開2005−190045号公報
J.C.Carr et.al., Reconstruction and Representation of 3D Objects with Radial Basis Functions, Proceedings of SIGGRAPH 2001, pp.67-76, ACM Express, 2001 M.Botsch, L.Kobbelt, Real-Time Shape Editing using Radial Basis Function, Computer Graphics Forum Vol.24, No.3 (EUROGRAPHICS 2005), pp.611-621, 2005 M. Botch et al.,"Polygon Mesh Processing", A K Peters, Ltd., 2010
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、表面におけるうねり(曲がり方の変化)や不連続点がない滑らかな形状の穴被覆曲面を生成できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、放射基底関数(RBF)の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む第1の変形写像式と、形状データにより表された物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、移動元位置を第1の変形写像式で写像した位置と目標の移動先位置との距離を表した「位置近似」および第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した「曲率変化率最小化」に関する第1の拘束条件方程式とを設定し、当該第1の拘束条件方程式を解いて、第1の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、位置近似および曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像を確定させる。
さらに、本発明では、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項およびRBFの1階導関数の1次結合で表わした接連続に関する項を含む第2の変形写像式と、穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、移動元位置から移動先位置への移動を表した「位置連続」および当該移動先位置における「接連続」に関する第2の拘束条件方程式とを設定し、当該第2の拘束条件方程式を解いて、第2の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、位置連続および接連続を満たす第2の変形写像を確定させる。
そして、上記のように確定された第1の変形写像および第2の変形写像を用いて、物体形状の表面に存在する穴に対して仮設定した曲面を変形させる処理を実行することにより、当該穴を覆う穴被覆曲面を生成するようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、位置近似および曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像に基づいて、曲がり方の変化の少ない形状、つまり「うねり」のない滑らかな形状への変形が実現されるとともに、位置連続および接連続に関する第2の変形写像に基づいて、「不連続点」のない滑らかな形状への変形が実現される。これにより、物体形状の表面に存在する穴に対して仮設定した曲面について、第1の変形写像および第2の変形写像に基づく形状変形を行うことにより、表面におけるうねり(曲がり方の変化)がなく、かつ、既存曲面との境界部分に不連続点もない、滑らかな形状の穴被覆曲面を生成することができる。
本実施形態による穴被覆曲面生成装置の基本的な機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態による穴被覆曲面生成装置の具体的な機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態による第2の拘束条件の設定に用いる法線ベクトルを説明するための図である。 本実施形態によるサンプル点の抽出例を示す図である。 本実施形態による近似平面生成部および投影点算出部の処理内容を説明するための図である。 本実施形態によるRBFの中心点の抽出例を示す図である。 本実施形態による第2の拘束条件設定部が設定する移動元位置および移動先位置を説明するための図である。 本実施形態の穴被覆曲面生成装置による処理を実際に適用した画像例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の穴被覆曲面生成装置では、点群データまたはポリゴンメッシュ等の形状データにより表される物体形状の表面に存在する穴を覆う曲面(穴被覆曲面)を、RBFを用いた形状変形処理によって生成する。RBFは、「定点からの距離によって値が定まる関数」である。一般には、3次元ユークリッド空間Rにおけるノルムを||・||と表すときに、以下の形で表される3変数実数値関数Φ(x)をRBFと呼ぶ。
Φ(x)=φ(||x−χ||)
ここで、φは1変数の関数である。また、χ∈Rは3次元空間における固定点で、Φ(x)の中心点と呼ぶ。
例えば、n個の点χ(i=1,・・・,n)について、それらが行き先の新しい点χ~(i=1,・・・,n)に移動するように物体形状を変形させる場合、そのための変形写像Ψを、点χを中心点に持つRBF(Φ(x−χ)=φ(||x−χ||))の1次結合として、次の(式1)のように表す。ここで、係数a∈R(i=1,・・・,n)は未知ベクトルである。
一方、移動元のN個の点が、目標とする行き先の新しい点に移動するものとして、移動後の点で形成される物体形状の構成面が所望の曲面形状となるような拘束条件を与える。そして、この拘束条件を満たす変形写像Ψによって移動元位置の各点を移動先位置の各点に移動させることにより、凹凸や波打ちがなく、不連続点もない滑らかな穴被覆曲面を生成する。
このために本実施形態では、近似変形写像Ψapprox(第1の変形写像に相当)と補間変形写像Ψinterp(第2の変形写像に相当)との合成写像Ψinterp〇Ψapproxを用いて、形状変形処理を行う。すなわち、物体形状の穴に対して仮設定した初期曲面に合成写像Ψinterp〇Ψapproxを適用することにより、拘束条件を満たす穴被覆曲面を生成する。以下に、近似変形写像Ψapproxおよび補間変形写像Ψinterpを順に説明する。
<近似変形写像Ψapprox>
近似変形写像Ψapproxを求める際には、まず、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項を含む第1の変形写像式を、(式1)のように設定する。そして、この(式1)における未知ベクトルaを求めるために、移動元位置のN個の点ξj(j=1,・・・,N)が写像される移動先位置の新しい点を含んで形成される物体形状の構成面が、凹凸や波打ちのない滑らかな曲面となるような第1の拘束条件を与える。
本実施形態において与える第1の拘束条件は2つある。1つは、物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、移動元位置の点ξjを(式1)の変形写像式で写像した位置Ψ(ξj)と、点ξ~j(j=1,・・・,N)で表される目標の移動先位置との距離ができるだけ小さくようにするための「位置近似」に関する拘束条件である。もう1つは、変形後曲面の曲がり方の変化が少なくなるようにするための「曲率変化率最小化」に関する拘束条件である。
前者の位置近似に関する拘束条件は、次の(式2)に示す距離評価値E0によって表す。
また、後者の曲率変化率最小化に関する拘束条件は、変形前の曲面SをS=s(u,v)とするとき、次の(式3)に示す曲率変化率評価値Efairによって表す。
ここで、右辺のs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvは、変形後曲面の移動先位置における3階微分ベクトルであり、それぞれ次の(式4)で表される。
上記(式4)において、DΨは変形写像Ψの1階微分写像、D2Ψは2階微分写像、D3Ψは3階微分写像である。このうち、1階微分写像DΨは、次の(式5)のように定義される。なお、vは任意のベクトルであり、添え字のαは3変数{x,y,z}上を動く。
ここで、変形前曲面の微分ベクトルと変形後曲面の微分ベクトルとの関係について説明する。変形前曲面をs(u,v)、これを変形写像Ψで変形した変形後曲面をs~(u,v)で表すと、次の(式6)に示す関係が成り立つ。
s~(u,v)=Ψ(s(u,v)) ・・・(式6)
つまり、変形後曲面s~を2変数u,vのベクトル値の関数として見ると、これは変形写像Ψと変形前曲面sとの合成関数であると言える。そこで、合成関数の微分法を適用することで、変形後曲面の微分ベクトルを求めることができる。
すなわち、変形写像Ψの1階微分写像を上述の(式5)のように定義し、2階微分写像を(式7)のように定義すると(v,v,vは任意のベクトルであり、添え字のα,βは3変数x,y,z上を動く)、変形後曲面s~(u,v)=Ψ(s(u,v))の接ベクトルである1階微分ベクトルは次の(式8)のように表され、2階微分ベクトルは次の(式9)のように表される。
また、変形写像Ψの1階微分写像を上述の(式5)、2階微分写像を上述の(式7)のように定義し、さらに3階微分写像を次の(式10)のように定義すると(v,v,v,vは任意のベクトルであり、添え字のα,β,γは3変数x,y,z上を動く)、変形後曲面s~(u,v)=Ψ(s(u,v))の3階微分ベクトルは上述の(式4)のように表される。
本実施形態では、次の(式11)に示すように、距離評価値E0と曲率変化率評価値Efairとを重みづけ加算した総合評価値Etotalを定義し、この総合評価値Etotalを最小化するという拘束条件を設定する。なお、重みwは、ユーザが任意に設定することが可能である。距離評価値E0と曲率変化率評価値Efairとのどちらをどの程度重視するかによって、所望の重みwを設定すればよい。
上記(式1)で表される変形写像Ψの中で、この(式11)に示す評価値を最小化するものを求めることにより、未知ベクトルai(i=1,・・・,n)が求められ、目的の変形写像Ψが確定する。このようにして求められる変形写像Ψが、近似変形写像Ψapproxである。
<補間変形写像Ψinterp>
上述のように、近似変形写像Ψapproxは、穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定した拘束条件を満たす変形写像である。しかし、この近似変形写像Ψapproxで写像した位置が必ずしも穴の縁線上の位置に一致することを拘束条件とするものではなく、穴の縁線上の位置にできるだけ近づくという近似的な拘束条件を与えているだけである。そのため、近似変形写像Ψapproxによって生成される変形後曲面は、表面のうねりは極小化されているものの、穴の縁線上をぴったりと通る保証はないものになっている。そこで、生成される穴被覆曲面が穴の縁線上をぴったりと通ることを保証するために適用する変形写像が、補間変形写像Ψinterpである。
補間変形写像Ψinterpを求める際には、まず、第2の変形写像を次の(式12)のように設定する。
そして、この(式12)における未知数a,b,c(aはベクトル)を求めるために、移動元位置のN個の点ξj(j=1,・・・,N)が写像される移動先位置の新しいN個の点Ψ(ξj) (j=1,・・・,N)が、穴の縁線上の位置に一致するような第2の拘束条件を与える。
本実施形態において与える第2の拘束条件は2つある。1つは、物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、移動元位置の点ξjを(式1)の変形写像式で写像した位置Ψ(ξj)と、点ξ~jで表される目標の移動先位置とが一致するための位置連続に関する拘束条件である。位置連続とは、G連続とも呼ばれ、点が一致するレベルの連続性をいう。この位置連続を満たす拘束条件(以下、G拘束条件という)の方程式は、次の(式13)で表される。
Ψ(ξ)=ξ~ (i=1,・・・,N)・・・(式13)
もう1つの拘束条件は、生成される穴被覆曲面と、その周辺の既存曲面である周辺面との接続箇所において折れが生じないようにするための接連続に関する拘束条件である。接連続とは、G連続とも呼ばれ、2つの構成面に関する接続箇所での法線ベクトル(接平面)が一致するレベルの連続性をいう。なお、この接連続を満たす拘束条件(以下、G拘束条件という)については、詳細を後述する。
上記第2の変形写像を表す(式12)において、DΦはRBFの1階導関数である。ここでは、RBF(Φ(x)=φ(||x||))の1階導関数DΦを、任意のベクトルvに対して、次の(式14)のように定義する。
DΦ(x,v)=−(▽Φ(x))・v=−2Φ’(x)x・v ・・・(式14)
ここで、▽Φ(x)はΦ(x)の勾配ベクトルである。この勾配ベクトル▽Φ(x)は、1変数関数f(r)の導関数をf’(r)とし、
Φ’(x)=f’(x・x)=f’(x+y+z)
という記号を導入したとき、▽Φ(x)=2Φ’(x)xと表される。
また、(式12)において、Ψ(x)の項はRBFの1次結合として表されるもので、上述した(式1)と同じであり、NはG拘束点の個数を示している。これに対し、Ψ(x)およびΨ(x)の項は1階導関数DΦの1次結合として表されるものであり、MはG拘束点の個数を示している。すなわち、(式12)に示す変形写像Ψの式は、RBFの1次結合で表わしたG連続に関する項Ψ(x)と、RBFの1階導関数の1次結合で表わしたG連続に関する項Ψ(x),Ψ(x)とを含む変形写像式である。ここで、Ψ(x)の右辺の係数ベクトルa∈R(i=1,・・・,N)と、Ψ(x)およびΨ(x)の右辺の係数b∈R,c∈R(j=1,・・・,M)とがそれぞれ未知数である。
次に、(式12)に示す第2の変形写像式に対して与える第2の拘束条件のうち、接連続を満たすG拘束条件の方程式について説明する。曲面形状を想定したとき、1階微分レベルの重要な幾何的データは法線ベクトル(接平面に直交するベクトル)である。そこで、G拘束条件では、変形後の曲面に対する法線ベクトルを拘束条件として与えることを考える。なお、変形前の法線ベクトルと変形後の法線ベクトルとを拘束条件として与えるという方法では、うまく方程式の形に記述することができない。
そこで、本実施形態では、変形前の接ベクトルと変形後の法線ベクトルとで拘束条件を記述するようにしている。すなわち、図3に示すように、変形前の曲面s上の点ηにおける2つの独立な接ベクトルをs,sとするとき、変形写像Ψによってこれらの接ベクトルが写された先のベクトルが、変形後の曲面s~上の法線ベクトルn~と直交することを拘束条件として設定する。
すなわち、接ベクトルs,sと法線ベクトルn~との拘束条件を、次の(式15)に示す2つの方程式で表す。これは、点ηの変形写像Ψによる移動先位置における接ベクトルと、移動先位置における法線ベクトルとの内積値がゼロになることを表したG連続に関する拘束条件である。
DΨ(η,s)・n~=0、DΨ(η,s)・n~=0 ・・・(式15)
この(式15)において、“・”はベクトルの内積を表す。また、この(式15)において、G拘束条件を満たす変形写像Ψの1階微分写像DΨは、上述の(式5)に示したように定義している。この(式15)を上記(式12)に適用して表現すると、G拘束条件の方程式は、次の(式16)で表される。
上記(式12)で表される変形写像Ψの中で、G拘束条件の(式13)およびG拘束条件の(式16)に満たすものを求めることにより、未知ベクトルai(i=1,・・・,N)および未知数b,c(j=1,・・・,M)が求められ、G拘束条件とG拘束条件とが混在した目的の変形写像Ψが確定する。このようにして求められる変形写像Ψが、補間変形写像Ψinterpである。
以上のように、移動対象とする空間上にあるN個の拘束点ξjについて近似変形写像Ψapproxおよび補間変形写像Ψinterpが求まれば、その空間上の拘束点ではない点についても、それらがどこに移動するかを計算することができるようになる。すなわち、近似変形写像Ψapproxおよび補間変形写像Ψinterpが求まるということは、その合成写像Ψinterp〇Ψapproxによって、空間のどの点に対しても移動先が決まるということである。
図1は、以上に示した処理を実行する本実施形態による穴被覆曲面生成装置の基本的な機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の穴被覆曲面生成装置は、第1の変形写像設定部11、第1の拘束条件設定部12、第1の変形写像確定部13、第2の変形写像設定部21、第2の拘束条件設定部22、第2の変形写像確定部23および形状変形部24を備えて構成されている。
これらの各機能ブロック11〜13,21〜24は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜13,21〜24は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
第1の変形写像設定部11は、上記(式1)に示したような、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項を含む第1の変形写像式を設定する。すなわち、(式1)に対して、未知数ai以外の値であるRBFの中心点χi(i=1,・・・,n)を設定することにより、第1の変形写像式を設定する。なお、n個の中心点χiを指定する方法は、ユーザがこれらを個別に手動で指定する方法と、ユーザにより指定された空間上の範囲の中から第1の変形写像設定部11が内部処理によって自動的に設定する方法とがある。後者の場合、例えば、穴被覆曲面を生成したい物体形状上の穴をユーザが指定して形状変形の実行を指示すると、当該穴に対応する所定領域内にあるn個の中心点χiを第1の変形写像設定部11が自動的に設定する。
第1の拘束条件設定部12は、物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置の点ξjを(式1)に示す第1の変形写像式で写像した位置の点Ψ(ξj)と、目標とする移動先位置の点ξ~jとの距離を表した位置近似の距離評価値E0、および、変形結果形状の曲率変化率評価値Efairを含む第1の拘束条件方程式(上述した(式11))を設定する。すなわち、(式11)に対して、距離評価値E0に含まれるξj,ξ~jと、曲率変化率評価値Efairに含まれるs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvと、重みwとを設定することにより、第1の拘束条件方程式を設定する。
なお、移動元位置であるN個の点ξjおよび目標とする移動先位置であるN個の点ξ~jを指定する方法は、ユーザが各点ξj,ξ~jを個別に手動で指定する方法と、ユーザにより指定された空間上の範囲の中から第1の拘束条件設定部12が内部処理によって自動的に設定する方法とがある。後者の場合、例えば、穴被覆曲面を生成したい物体形状上の穴をユーザが指定して形状変形の実行を指示すると、当該穴の縁線上にあるN個の点ξ~jとそれに対応するN個の点ξjとを第1拘束条件設定部12が自動的に設定する。また、移動先位置における3階微分の接ベクトルs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvは、上述のように指定された空間上の移動先位置ξ~jの情報を用いて第1の拘束条件設定部12が自動的に計算して設定する。
第1の変形写像確定部13は、第1の拘束条件設定部12により設定された第1の拘束条件方程式を解いて、第1の変形写像設定部11により設定された第1の変形写像式に含まれる未知数aiを求めることにより、位置近似および曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)を確定させる。具体的には、第1の変形写像確定部13は、上述の(式11)で示される総合評価値Etotalを最小化するような(式1)の未知数aiを求めることにより、第1の変形写像Ψを確定させる。
第2の変形写像設定部21は、上記(式12)に示したような、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項と、RBFの1階導関数の1次結合で表わした接連続に関する項とを含む第2の変形写像式を設定する。すなわち、(式12)に対して、未知数a,b,c以外の値(移動元位置に関するξ,η,s ,s )と、移動先位置に関するn~)を代入することにより、第2の変形写像式を設定する。
なお、移動元位置であるN個の点ξおよび目標とする移動先位置であるN個の点ξ~は、第2の変形写像設定部21が内部処理によって自動的に設定する。すなわち、本実施形態では、第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)により写像されるN個の点を、第2の変形写像Ψ(補間変形写像Ψinterp)における移動元位置のN個の点ξとして設定する。また、物体形状に存在する穴の縁線上のN個の点(第1の拘束条件設定部12が穴の縁線上に目標の移動先位置として設定したN個の点ξ~と同じ点)を移動先位置の点ξ~として設定する。
また、移動元位置ηにおける接ベクトルs ,s と、移動先位置における法線ベクトルn~は、上述のように指定した空間上の移動元位置ξおよび移動先位置ξ~の情報を用いて自動的に計算して設定する。
第2の拘束条件設定部22は、上述のように穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置点ξjから移動先位置の点ξ~jへの移動を表した位置連続(G連続)、および、当該移動先位置における接ベクトルである1階微分ベクトルと移動先位置における法線ベクトルとの内積値がゼロになることを表した接連続(G1連続)に関する第2の拘束条件方程式(上述した(式13)および(式16))を設定する。
第2の変形写像確定部23は、第2の拘束条件設定部22により設定された第2の拘束条件方程式を解いて、第2の変形写像設定部21により設定された第2の変形写像式に含まれる未知数a,b,cを求めることにより、位置連続および接連続を満たす第2の変形写像Ψ(補間変形写像Ψinterp)を確定させる。具体的には、第2の変形写像確定部23は、上述の(式13)および(式16)で示される拘束条件を満たす(式12)の未知数ai,b,cを求めることにより、第2の変形写像Ψを確定させる。
形状変形部24は、第1の変形写像確定部13により確定された第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)および第2の変形写像確定部23により確定された第2の変形写像Ψ(補間変形写像Ψinterp)を用いて、物体形状の穴に対して仮設定した曲面を変形させる処理を実行することにより、当該穴を覆う穴被覆曲面を生成する。すなわち、形状変形部24は、物体形状の穴に対して仮設定した初期曲面に合成写像Ψinterp〇Ψapproxを適用することにより、第1および第2の拘束条件を満たす穴被覆曲面を生成する。
ここで、穴に対して仮設定する初期曲面は、穴の縁線を境界とし、当該境界の内側に張られた任意の曲面である。この初期曲面の設定には公知の手法を適用することが可能である。形状変形部24は、設定した初期曲面上の各点に対して合成写像Ψinterp〇Ψapproxを適用して移動先位置の点を求めることにより、初期曲面を変形させる。これにより、穴被覆曲面の表面にうねり(曲がり方の変化)がなく、かつ、周辺面との境界部分に不連続点もない、滑らかな構成面となるような形状変形が実行される。
次に、具体的な実施例について説明する。図2は、本実施形態に係る穴被覆曲面生成装置の具体的な機能構成例を示すブロック図である。なお、図2において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図2に示すように、穴被覆曲面生成装置は、その機能構成として、図1に示した構成に加え、穴指定部31、サンプル点抽出部32、近似平面生成部33、投影点算出部34、中心点抽出部35および法線ベクトル算出部36をさらに備えている。
穴指定部31は、物体形状の表面に存在する穴を指定する。この穴の指定は、例えば、画面上に表示された物体形状に対して、ユーザが所望の穴をマウスのクリック操作またはドラッグ操作により指定することによって行う。
サンプル点抽出部32は、穴指定部31により指定された穴の縁線上から複数のサンプル点を抽出する。本実施形態において、サンプル点の抽出法は特に限定しないが、指定された穴の縁線上からほぼ均等に複数のサンプル点を抽出するのが好ましい。図4は、サンプル点の抽出例を示す図である。図4に示すように、サンプル点抽出部32は、指定された穴40の縁線上から等間隔で複数の点を抽出し、それをサンプル点とする。
近似平面生成部33は、サンプル点抽出部32により抽出された複数のサンプル点に対する近似平面を生成する。本実施形態において、近似平面の生成法は特に限定しないが、一例として、複数のサンプル点に最小2乗法を適用して近似平面を生成することが可能である。
投影点算出部34は、複数のサンプル点をそれぞれ近似平面上に投影することにより、複数の投影点を算出する。例えば、投影点算出部34は、サンプル点から近似平面に対して垂線を下し、その垂線と近似平面との交点を投影点として設定する。
図5は、近似平面生成部33および投影点算出部34の処理内容を説明するための図である。図5において、s1〜sNは、サンプル点抽出部32により抽出されたN個のサンプル点を示している。図5に示す例において、変形前の物体形状は、その表面に凹凸を有しているため、N個のサンプル点s1〜sNは波打った位置に存在している。サンプル点抽出部32により抽出されたN個のサンプル点s1〜sNは、第1の拘束条件設定部12に供給される。
近似平面生成部33は、これらN個のサンプル点s1〜sNから最小2乗法により近似平面50を生成する。そして、投影点算出部34は、N個のサンプル点s1〜sNから近似平面50に対してそれぞれ垂線を下ろし、その垂線と近似平面50との交点をN個の投影点p1〜pNとして設定する。投影点算出部34により設定されたN個の投影点p1〜pNは、第1の拘束条件設定部12および第1の変形写像確定部13に供給される。
第1の拘束条件設定部12は、投影点算出部34により算出されたN個の投影点p1〜pNをそれぞれ移動元位置の点ξj(j=1,・・・,N)として指定する。また、第1の拘束条件設定部12は、サンプル点抽出部32により抽出されたN個のサンプル点s1〜sNをそれぞれ、複数の投影点p1〜pNに対する目標の移動先位置の点ξ~j(j=1,・・・,N)として指定して、位置近似および曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件方程式を設定する。
第1の変形写像確定部13は、投影点算出部34により算出された複数の投影点s1〜sNを、確定した第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)により写像することにより、近似写像点を求める。そして、その求めた近似写像点を第2の拘束条件設定部22に供給する。
中心点抽出部35は、近似平面生成部33により生成された近似平面50内から複数のRBFの中心点χi(i=1,・・・,n)を抽出する。上述の第1の変形写像設定部11は、中心点抽出部35により抽出された複数の中心点χiを、(式1)に示す第1の変形写像式における位置連続に関する項Φ(x−χ)に設定する。本実施形態において、中心点χiの抽出法は特に限定しないが、近似平面50上の領域のうち、物体形状の穴に対向する領域内からほぼ均等に複数の中心点χiを抽出するのが好ましい。
図6は、中心点χiの抽出例を示す図である。図6に示すように、中心点抽出部35は、近似平面50上に、穴40に対向する領域(穴40の縁線上から抽出したN個のサンプル点s1〜sNに対応するN個の投影点p1〜pNにより区画される領域)を含む所定領域60を設定し、当該設定した所定領域60内からn個の中心点χiを抽出する。
ここで、所定領域60は、例えば、穴40に対向する領域が内接する矩形領域とすることが可能である。あるいは、穴40に対向する領域が内接する矩形領域よりも上下左右に所定サイズだけ大きい矩形領域を所定領域60として設定するようにしてもよい。中心点抽出部35は、当該設定した所定領域60を格子状の小領域に分割して、各小領域の中から代表点を1つずつ抽出することにより、それをRBFの中心点χiとする。代表点は、例えば図6において×印で示すように、各小領域内の中央点とすることが可能である。
なお、格子の大きさは、所定の大きさの固定値としてもよいし、ユーザが任意に設定可能としてもよい。あるいは、設定される所定領域60の大きさによらず、抽出される中心点χiの数が所定範囲内となるように、所定領域60に合わせて格子の大きさを動的に可変設定するようにしてもよい。また、ここでは各小領域の中央点を中心点χiとして抽出する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、格子状の交点を中心点χiとして抽出するようにしてもよい。
法線ベクトル算出部36は、穴指定部31により指定された穴40の周辺に周辺面が存在する場合は、その周辺面と接する穴の縁線上からサンプル点抽出部32により抽出されたサンプル点における法線ベクトルを算出する。この法線ベクトル算出部36により算出される法線ベクトルは、(式16)に示すG拘束条件の方程式において、変形後の曲面s~上の法線ベクトルn~として用いる。
上述の第2の拘束条件設定部22は、第1の変形写像確定部13より供給される近似写像点(すなわち、投影点算出部34により算出された複数の投影点が、第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)により写像される点)をそれぞれ(式13)における移動元位置の点ξjとして指定し、サンプル点抽出部32により抽出された複数のサンプル点をそれぞれ(式13)、(式16)における移動先位置の点ξ~jとして指定する。また、第2の拘束条件設定部22は、法線ベクトル算出部36により算出された法線ベクトルを(式16)における法線ベクトルn~として指定する。これにより、(式13)、(式16)に示す位置連続および接連続に関する第2の拘束条件方程式を設定する。
図7は、第2の拘束条件設定部22が第2の拘束条件において設定する移動元位置の点ξjおよび移動先位置の点ξ~jを説明するための図である。sはサンプル点抽出部32により抽出されたサンプル点の1つを示し、pはそのサンプル点sの近似平面50への投影点を示す。p~は投影点pが近似変形写像Ψapproxにより写像される近似写像点を示す。ここで、第2の拘束条件設定部22は、近似写像点p~を移動元位置の点ξjとして指定し、サンプル点sを移動先位置の点ξ~jとして指定する。
第2の拘束条件設定部22が設定する第2の拘束条件において、(式13)に示す位置連続の拘束条件(G拘束条件)は、近似写像点p~を補間変形写像Ψinterpで写像した点(Ψinterp(p~))が、穴40の縁線上から抽出したサンプル点sと一致することを条件とするものである。また、(式16)に示す接連続の拘束条件(G拘束条件)は、近似写像点p~を補間変形写像Ψinterpで写像した点(Ψinterp(p~))における法線ベクトルが、穴40の縁線上から抽出したサンプル点sにおける法線ベクトルn~と一致することを条件とするものである。
図8は、上記実施形態で説明した穴被覆曲面生成装置の処理を実際に適用した画像例を示す図である。図8(a)は変形前の物体形状を示し、図8(b)は変更後の物体形状を示している。図8(c)は変更後の物体形状をゼブラシェーディング表示したものである。
この例では、図8(a)において物体形状の表面に存在する穴81を指定し、形状変形処理を行った。その結果、図8(b)に示すように、穴81を覆う穴被覆曲面82が生成された。この穴被覆曲面82は、表面のうねりが殆どなく、かつ、周辺面83との境界も連続な滑らかな曲面となっている。図8(c)のゼブラ表示からも分かるように、穴被覆曲面82と周辺面83との境界においてゼブラの白黒模様が不連続となっておらず、G0連続およびG連続となっていることが読み取れる。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、位置近似および曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件を満たす第1の変形写像Ψ(近似変形写像Ψapprox)と、位置連続および接連続に関する第2の拘束条件を満たす第2の変形写像Ψ(補間変形写像Ψinterp)とを求め、その合成写像Ψinterp〇Ψapproxを用いて、物体形状の穴に対して仮設定した初期曲面の形状変形処理を行うことにより、物体形状の表面にある穴を覆う穴被覆曲面を生成するようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、位置近似および曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像に基づいて、曲がり方の変化の少ない形状、つまり「うねり」のない滑らかな形状への変形が実現されるとともに、位置連続および接連続に関する第2の変形写像に基づいて、「不連続点」のない滑らかな形状への変形が実現される。これにより、物体形状の表面に存在する穴に対して仮設定した曲面について、第1の変形写像および第2の変形写像に基づく形状変形を行うことにより、表面におけるうねり(曲がり方の変化)がなく、かつ、既存曲面との境界部分に不連続点もない、滑らかな形状の穴被覆曲面を生成することができる。
なお、上記実施形態では、近似変形写像Ψapproxと、補間変形写像Ψinterpとの合成写像Ψinterp〇Ψapproxを用いて形状変形処理を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、穴に仮設定した曲面に対して近似変形写像Ψapproxを適用して1回目の形状変形処理を行い、その結果得られた曲面に対して補間変形写像Ψinterpを適用して2回目の形状変形処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態において、形状変形部24により生成された形状データをNURBS形式の形状データに更に変換するようにしてもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 第1の変形写像設定部
12 第1の拘束条件設定部
13 第1の変形写像確定部
21 第2の変形写像設定部
22 第2の拘束条件設定部
23 第2の変形写像確定部
24 形状変形部
31 穴指定部
32 サンプル点抽出部
33 近似平面生成部
34 投影点算出部
35 中心点抽出部
36 法線ベクトル算出部

Claims (6)

  1. 形状データにより表された物体形状を変形させることによって、上記物体形状の表面に存在する穴を覆う穴被覆曲面を生成するための穴被覆曲面生成装置であって、
    放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む第1の変形写像式を設定する第1の変形写像設定部と、
    上記形状データにより表された上記物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置を上記第1の変形写像式で写像した位置と上記目標の移動先位置との距離を表した位置近似、および、上記第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件方程式を設定する第1の拘束条件設定部と、
    上記第1の拘束条件設定部により設定された上記第1の拘束条件方程式を解いて、上記第1の変形写像設定部により設定された上記第1の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置近似および上記曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像を確定させる第1の変形写像確定部と、
    上記放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項と、上記放射基底関数の1階導関数の1次結合で表わした接連続に関する項とを含む第2の変形写像式を設定する第2の変形写像設定部と、
    上記穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置から上記移動先位置への移動を表した上記位置連続、および、当該移動先位置における接ベクトルである1階微分ベクトルと上記移動先位置における法線ベクトルとの内積値がゼロになることを表した上記接連続に関する第2の拘束条件方程式を設定する第2の拘束条件設定部と、
    上記第2の拘束条件設定部により設定された上記第2の拘束条件方程式を解いて、上記第2の変形写像設定部により設定された上記第2の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置連続および上記接連続を満たす第2の変形写像を確定させる第2の変形写像確定部と、
    上記第1の変形写像確定部により確定された上記第1の変形写像および上記第2の変形写像確定部により確定された上記第2の変形写像を用いて、上記穴に対して仮設定した曲面を変形させる処理を実行することにより、上記穴被覆曲面を生成する形状変形部とを備えたことを特徴とする穴被覆曲面生成装置。
  2. 上記形状データにより表された上記物体形状の表面に存在する上記穴の縁線上から複数のサンプル点を抽出するサンプル点抽出部と、
    上記サンプル点抽出部により抽出された上記複数のサンプル点に対する近似平面を生成する近似平面生成部と、
    上記複数のサンプル点をそれぞれ上記近似平面上に投影することにより複数の投影点を算出する投影点算出部とを更に備え、
    上記第1の拘束条件設定部は、上記投影点算出部により算出された上記複数の投影点をそれぞれ上記移動元位置として指定し、上記サンプル点抽出部により抽出された上記複数のサンプル点をそれぞれ上記複数の投影点に対する上記目標の移動先位置として指定して、上記位置近似および上記曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件方程式を設定することを特徴とする請求項1に記載の穴被覆曲面生成装置。
  3. 上記近似平面生成部により生成された上記近似平面上に、上記穴に対向する領域を含む所定領域を設定し、当該設定した所定領域内から上記放射基底関数の複数の中心点を抽出する中心点抽出部を更に備え、
    上記第1の変形写像設定部は、上記中心点抽出部により抽出された上記複数の中心点を用いて上記第1の変形写像式を設定することを特徴とする請求項2に記載の穴被覆曲面生成装置。
  4. 上記第1の変形写像確定部は、上記移動元位置と上記目標の移動先位置との距離を表す値および上記曲率変化率最小化を表す値の合計値を最小化するような上記未知数を求めることにより、上記第1の変形写像を確定させることを特徴とする請求項1に記載の穴被覆曲面生成装置。
  5. 上記第2の拘束条件設定部は、上記投影点算出部により算出された上記複数の投影点が上記第1の変形写像により写像される近似写像点をそれぞれ上記移動元位置として指定し、上記サンプル点抽出部により抽出された上記複数のサンプル点をそれぞれ上記移動先位置として指定して、上記位置連続および上記接連続に関する第2の拘束条件方程式を設定することを特徴とする請求項2に記載の穴被覆曲面生成装置。
  6. 形状データにより表された物体形状を変形させることによって、上記物体形状の表面に存在する穴を覆う穴被覆曲面を生成するための穴被覆曲面生成用プログラムであって、
    放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む第1の変形写像式を設定する第1の変形写像設定手段、
    上記形状データにより表された上記物体形状の表面に存在する穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置を上記第1の変形写像式で写像した位置と上記目標の移動先位置との距離を表した位置近似、および、上記第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した曲率変化率最小化に関する第1の拘束条件方程式を設定する第1の拘束条件設定手段、
    上記第1の拘束条件設定手段により設定された上記第1の拘束条件方程式を解いて、上記第1の変形写像設定手段により設定された上記第1の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置近似および上記曲率変化率最小化を満たす第1の変形写像を確定させる第1の変形写像確定手段、
    上記放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項と、上記放射基底関数の1階導関数の1次結合で表わした接連続に関する項とを含む第2の変形写像式を設定する第2の変形写像設定手段、
    上記穴の縁線上の位置を目標の移動先位置に設定して、空間上の移動元位置から上記移動先位置への移動を表した上記位置連続、および、当該移動先位置における接ベクトルである1階微分ベクトルと上記移動先位置における法線ベクトルとの内積値がゼロになることを表した上記接連続に関する第2の拘束条件方程式を設定する第2の拘束条件設定手段、
    上記第2の拘束条件設定手段により設定された上記第2の拘束条件方程式を解いて、上記第2の変形写像設定手段により設定された上記第2の変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置連続および上記接連続を満たす第2の変形写像を確定させる第2の変形写像確定手段、
    上記第1の変形写像確定手段により確定された上記第1の変形写像および上記第2の変形写像確定手段により確定された上記第2の変形写像を用いて、上記穴に対して仮設定した曲面を変形させる処理を実行することにより、上記穴被覆曲面を生成する形状変形手段
    としてコンピュータを機能させるための穴被覆曲面生成用プログラム。
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