JP6634317B2 - 形状変形装置および形状変形用プログラム - Google Patents

形状変形装置および形状変形用プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6634317B2
JP6634317B2 JP2016051971A JP2016051971A JP6634317B2 JP 6634317 B2 JP6634317 B2 JP 6634317B2 JP 2016051971 A JP2016051971 A JP 2016051971A JP 2016051971 A JP2016051971 A JP 2016051971A JP 6634317 B2 JP6634317 B2 JP 6634317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deformation
mapping
shape
unit
constraint condition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016051971A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017167782A (ja
Inventor
博之 中邨
博之 中邨
怜 守屋
怜 守屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Unisys Ltd
Original Assignee
Nihon Unisys Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Unisys Ltd filed Critical Nihon Unisys Ltd
Priority to JP2016051971A priority Critical patent/JP6634317B2/ja
Publication of JP2017167782A publication Critical patent/JP2017167782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6634317B2 publication Critical patent/JP6634317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、形状変形装置および形状変形用プログラムに関し、特に、設計ツールにより生成される形状データにより表された物体の形状を変形させるための技術に関するものである。
今日、製品の設計を行う際には、CAD(Computer Aided Design)によって製品の形状データを生成することが一般的に行われている。伝統的なCADシステムでは、NURBSあるいはBスプライン関数で表された曲線・曲面を用いて物体形状が表されていた。これに対し、最近では、多数の点の集合である点群データ、または、三角形や四角形の形状をした複数のポリゴンの集合(ポリゴンメッシュ)として物体形状を表す形状モデリングシステムが増えてきている。
この種の形状モデリングシステムにおいて、目的とする物体形状に近づけるために、表面形状を適宜変形することは必須である。例えば、物体表面に存在する凹凸をなくすような形状変形を施すことにより、滑らかな曲面形状を生成することが行われる。従来、滑らかな曲面形状を生成するための標準的な技術として、ラプラシアンスムージングと呼ばれる手法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1に記載のラプラシアンスムージング法では、物体表面の凹凸形状を、信号処理でいうところの周波数が高いノイズ部分として捉え、ノイズがない滑らかな表面形状とするために、周波数の高い部分をローパスフィルタ処理によりカットする手法を提案している。具体的には、物体表面形状を表すポリゴンメッシュの各頂点を、その周辺の頂点座標の平均値に近づける処理を行うことで、表面形状を平滑化する。
しかしながら、ラプラシアンスムージング法は、ポリゴンメッシュにより表される物体形状には適用できるが、点群データにより表される物体形状には適用できないという問題があった。ラプラシアンを計算するためには、ポリゴンメッシュのような点と点の繋がりの情報(位相情報)を必要とするからである。すなわち、ポリゴンメッシュの位相情報がなければ、ラプラシアンスムージング法を適用することができない。
また、ラプラシアンスムージング法では、局所的にノイズをなくしていく手法を採用しているため、物体形状の広い領域の「うねり」をなくす大域的な平滑化(フェアリング)ができないという問題もあった。
なお、RBF(Radial Basis Function:放射基底関数)と呼ばれる関数を用いて曲面形状の変形を行う技術が知られている。RBFは、関数補間、特に多変数における不規則なデータの補間および近似に用いられる技術である。形状処理分野への応用としては、2000年頃に測定点群データからの曲面生成の問題に適用され(例えば、非特許文献2参照)、その後2005年頃にポリゴンおよび曲面の変形処理に適用された(例えば、非特許文献3,4参照)。
曲線や曲面、あるいは点群やポリゴンといったCAD・形状処理で扱う形状データは、3次元ユークリッド空間R内に存在しており、空間の各点についてその「行き先」を指定する変形写像Ψ:R→Rを与えることによって、形状を変形することができる。従来、このRBFを用いて、物体形状を滑らかに補間する形状処理に関する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された発明の目的は、異なるCADシステム間で交換されたCADデータの中に存在する傷(修復すべき部分)を自動的に修復できるようにすることにある。この目的を達成するために、特許文献1に記載のシステムは、CSRBF(compactly supported radial basis functions)技術を使用することにより、CADデータに表される構造を部分に分け、解析に不適な形状を探し出して、スムーズな形状となるよう修正している。
具体的には、特許文献1に記載のシステムは、2次元CADデータにより表される2次元画像上の傷の部分を範囲指定する手段と、範囲指定された傷の部分を適度に広げた領域を指定する手段と、当該広げた領域から傷の部分を引いた領域に対して、CSRBF法を用いて関数データを求める手段と、求められた関数データを用いて、傷のついた部分を連続的に滑らかに補間して修復する手段とを備えている。
しかしながら、特許文献1では、傷のついた部分を連続的に滑らかに補間することは記載されているものの、この手法もラプラシアンスムージング法と同様、局所的な傷を探し出して修正する処理を行うものであるため、物体形状の広い領域を一度に平滑化することができない。そのため、物体表面の広い領域の「うねり」をなくす大域的な平滑化(フェアリング)に適した方法ではなかった。
特開2005−190045号公報
Gabriel Taubin, IBM T.J.Watson Research Center, A Signal Processing Approach To Fair Surface Design, 1996 J.C.Carr et.al., Reconstruction and Representation of 3D Objects with Radial Basis Functions, Proceedings of SIGGRAPH 2001, pp.67-76, ACM Express, 2001 M.Botsch, L.Kobbelt, Real-Time Shape Editing using Radial Basis Function, Computer Graphics Forum Vol.24, No.3 (EUROGRAPHICS 2005), pp.611-621, 2005 M. Botch et al.,"Polygon Mesh Processing", A K Peters, Ltd., 2010
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、点群データまたはポリゴンメッシュの何れにより表される物体形状に対しても適用でき、かつ、物体形状の広領域を「うねり」のない(曲がり方の変化が少ない)滑らかな形状に変形できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、放射基底関数(RBF)の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む変形写像式と、移動元位置を変形写像式で写像した位置と目標とする移動先位置との距離を表した「位置近似」および第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した「曲率変化率最小化」に関する拘束条件方程式とを設定し、当該拘束条件方程式を解いて、変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、位置近似および曲率変化率最小化を満たす変形写像を確定させる。そして、確定された変形写像を用いて、形状データにより表された物体形状を変形させる処理を実行するようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、移動元位置および移動先位置という点のデータを用いて、物体形状を近似変形することができる。そのため、物体形状の形状データが点群データにより表される場合は、各点のデータを移動させて物体形状を近似変形させることが可能である。また、物体形状の形状データがポリゴンメッシュにより表される場合は、メッシュの各頂点のデータを移動させて物体形状を近似変形させることが可能である。ここで、物体形状の近似変形は、位置近似および曲率変化率最小化を満たす変形写像に基づき行われるので、曲がり方の変化の少ない形状、つまり「うねり」のない滑らかな形状に変形される。
また、本発明によれば、物体形状の広い範囲に複数の移動元位置が分布しているような場合でも、それら複数の移動元位置を表す各点のデータと、複数の移動元位置に対応する複数の移動先位置を表す各点のデータとを用いて拘束条件方程式を設定し、当該拘束条件方程式を解いて、変形写像式に含まれる未知数を求めれば、物体形状を近似変形することができる。つまり、広領域に含まれる点データを用いて表現した拘束条件方程式を解くだけで、物体形状を近似変形することができる。
以上により、本発明によれば、点群データまたはポリゴンメッシュの何れにより表される物体形状に対しても適用でき、かつ、物体形状の広領域を滑らかな形状に変形することができる。
本実施形態による形状変形装置の基本的な機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態による形状変形装置の具体的な機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態によるサンプル点の抽出例を示す図である。 本実施形態による近似平面生成部および投影点算出部の処理内容を説明するための図である。 本実施形態の形状変形装置による処理を実際に適用した画像例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の形状変形装置では、点群データまたはポリゴンメッシュにより表される物体形状の構成面を滑らかな曲面に変形する処理を、RBFを用いて実現する。RBFは、「定点からの距離によって値が定まる関数」である。一般には、n次元ユークリッド空間Rにおけるノルムを||・||と表すときに、以下の形で表されるn変数実数値関数Φ(x)をRBFと呼ぶ。
Φ(x)=φ(||x−χ||)
ここで、φは1変数の関数である。また、χ∈Rはn次元空間における固定点で、Φ(x)の中心点と呼ぶ。
例えば、n個の点χ(i=1,・・・,n)について、それらが行き先の新しい点χ~(i=1,・・・,n)に移動するように物体形状を変形させる場合、そのための変形写像Ψを、点χを中心点に持つRBF(Φ(x−χ)=φ(||x−χ||))の1次結合として、次の(式1)のように表す。ここで、係数a∈R(i=1,・・・,n)は未知ベクトルである。
一方、移動元のN個の点ξj(j=1,・・・,N)が目標とする行き先の新しい点に移動するものとして、移動後の点で形成される物体形状の構成面が凹凸や波打ちのない滑らかな曲面となるような拘束条件を与える
本実施形態において与える拘束条件は2つある。1つは、移動元位置の点ξjを(式1)の変形写像式で写像した位置Ψ(ξj)と、点ξ~jで表される目標とする移動先位置との距離ができるだけ小さくようにするための位置近似に関する拘束条件である。もう1つは、変形後曲面の曲がり方の変化が少なくなるようにするための曲率変化率最小化に関する拘束条件である。
前者の位置近似に関する拘束条件は、次の(式2)に示す距離評価値E0によって表す。
また、後者の曲率変化率最小化に関する拘束条件は、変形前の曲面S上の移動元位置における2つの独立な接ベクトルをsu,svとして、次の(式3)に示す曲率変化率評価値Efairによって表す。接ベクトルs u,svは、変形前曲面s(u,v)上の点におけるu方向・v方向の1階微分ベクトルである。
ここで、右辺のs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvは、変形後曲面の移動先位置における3階微分ベクトルであり、それぞれ次の(式4)で表される。
上記(式4)において、DΨは変形写像Ψの1階微分写像、D2Ψは2階微分写像、D3Ψは3階微分写像である。このうち、1階微分写像DΨは、次の(式5)のように定義される。なお、vは任意のベクトルであり、添え字のαは3変数{x,y,z}上を動く。
ここで、変形前曲面の微分ベクトルと変形後曲面の微分ベクトルとの関係について説明する。変形前曲面をs(u,v)、これを変形写像Ψで変形した変形後曲面をs~(u,v)で表すと、次の(式6)に示す関係が成り立つ。
s~(u,v)=Ψ(s(u,v)) ・・・(式6)
つまり、変形後曲面s~を2変数u,vのベクトル値の関数として見ると、これは変形写像Ψと変形前曲面sとの合成関数であると言える。そこで、合成関数の微分法を適用することで、変形後曲面の微分ベクトルを求めることができる。
すなわち、変形写像Ψの1階微分写像を上述の(式5)のように定義し、2階微分写像を(式7)のように定義すると(v,v,vは任意のベクトルであり、添え字のα,βは3変数x,y,z上を動く)、変形後曲面s~(u,v)=Ψ(s(u,v))の1階微分ベクトルは次の(式8)のように表され、2階微分ベクトルは次の(式9)のように表される。
また、変形写像Ψの1階微分写像を上述の(式5)、2階微分写像を上述の(式7)のように定義し、さらに3階微分写像を次の(式10)のように定義すると(v,v,v,vは任意のベクトルであり、添え字のα,β,γは3変数x,y,z上を動く)、変形後曲面s~(u,v)=Ψ(s(u,v))の3階微分ベクトルは上述の(式4)のように表される。
本実施形態では、次の(式11)に示すように、距離評価値E0と曲率変化率評価値Efairとを重みづけ加算した総合評価値Etotalを定義し、この総合評価値Etotalを最小化するという拘束条件を設定する。なお、重みwは、ユーザが任意に設定することが可能である。距離評価値E0と曲率変化率評価値Efairとのどちらをどの程度重視するかによって、所望の重みwを設定すればよい。
上記(式1)で表される変形写像Ψの中で、この(式11)に示す評価値を最小化するものを求めることにより、未知ベクトルai(i=1,・・・,n)が求められ、目的の変形写像Ψが確定する。例えば、移動対象とする空間上にあるN個の拘束点ξjについて(式1)の連立1次方程式を解くことによって変形写像Ψが求まれば、その空間上の拘束点ではない点についても、それらがどこに移動するかを計算することができるようになる。すなわち、変形写像Ψが求まるということは、空間のどの点に対しても移動先が決まるということである。
図1は、以上に示した処理を実行する本実施形態による形状変形装置の基本的な機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の形状変形装置は、変形写像設定部11、拘束条件設定部12、変形写像確定部13および形状変形部14を備えて構成されている。
これらの各機能ブロック11〜14は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜14は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
変形写像設定部11は、上記(式1)に示したような、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項を含む変形写像式を設定する。すなわち、(式1)に対して、未知数ai以外の値であるRBFの中心点χi(i=1,・・・,n)を設定することにより、変形写像式を設定する。なお、n個の中心点χiを指定する方法は、ユーザがこれらを個別に手動で指定する方法と、ユーザにより指定された空間上の範囲の中から変形写像設定部11が内部処理によって自動的に設定する方法とがある。後者の場合、例えば、変形対象とする領域をユーザが指定して形状変形の実行を指示すると、当該領域内にあるn個の中心点χiを変形写像設定部11が自動的に設定する。
拘束条件設定部12は、空間上の指定された移動元位置の点ξjを(式1)の変形写像式で写像した位置の点Ψ(ξj)と目標とする移動先位置の点ξ~jとの距離を表した位置近似の距離評価値E0、および、変形結果形状の曲率変化率評価値 fair 含む拘束条件方程式(上述した(式11))を設定する。すなわち、(式11)に対して、距離評価値E0に含まれるξj,ξ~jと、曲率変化率評価値Efairに含まれるs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvと、重みwとを設定することにより、拘束条件方程式を設定する。
なお、移動元位置であるN個の点ξjおよび目標とする移動先位置であるN個の点ξ~jを指定する方法は、ユーザが各点ξj,ξ~jを個別に手動で指定する方法と、ユーザにより指定された空間上の範囲の中から拘束条件設定部12が内部処理によって自動的に設定する方法とがある。後者の場合、例えば、変形対象とする領域をユーザが指定して形状変形の実行を指示すると、当該領域内にあるN個の点ξ~ j とそれに対応するN個の点ξ j とを拘束条件設定部12が自動的に設定する。また、移動先位置における3階微分の接ベクトルs~uuu,s~vvv,s~uuv,s~uvvは、上述のようにユーザにより指定された空間上の移動先位置ξ~jの情報を用いて拘束条件設定部12が自動的に計算して設定する。
変形写像確定部13は、拘束条件設定部12により設定された拘束条件方程式を解いて、変形写像設定部11により設定された変形写像式に含まれる未知数aiを求めることにより、位置近似および曲率変化率最小化を満たす変形写像Ψを確定させる。具体的には、変形写像確定部13は、上述の(式11)で示される総合評価値Etotalを最小化するような(式1)の未知数aiを求めることにより、変形写像Ψを確定させる。
形状変形部14は、変形写像確定部13により確定された変形写像Ψを用いて、形状データにより表された物体形状を変形させる処理を実行する。すなわち、拘束条件方程式を解く際に用いたN個の移動元位置の点ξjに加え、ユーザにより変形対象として指定された領域内の各点に対して変形写像Ψを適用して移動先位置の点を求めることにより、物体形状を変形させる。これにより、指定領域の形状が凹凸や波打ちのない滑らかな構成面となるような形状変形が実行される。
次に、具体的な実施例について説明する。図2は、本実施形態に係る形状変形装置の具体的な機能構成例を示すブロック図である。この図2は、物体形状における移動元位置の点ξjおよび目標とする移動先位置の点ξ~jの具体的な指定方法を説明するものである。なお、図2において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図2に示すように、形状変形装置は、その機能構成として、図1に示した構成に加え、領域指定部21、サンプル点抽出部22、近似平面生成部23、投影点算出部24および中心点抽出部25をさらに備えている。
領域指定部21は、点群データまたはポリゴンメッシュなどの形状データにより表された物体形状の中から変形対象領域を指定する。この領域指定は、例えば、画面上に表示された物体形状に対して、ユーザが所望の領域をマウスのドラッグ操作により指定することによって行う。
サンプル点抽出部22は、領域指定部21により指定された変形対象領域内から複数のサンプル点を抽出する。本実施形態において、サンプル点の抽出法は特に限定しないが、指定された変形対象領域内からほぼ均等に複数のサンプル点を抽出するのが好ましい。
図3は、サンプル点の抽出例を示す図である。図3に示すように、サンプル点抽出部22は、太枠で示す指定された変形対象領域30を格子状の小領域に分割して、各小領域の中から代表点を1つずつ抽出することにより、それをサンプル点とする。代表点は、例えば図3において×印で示すように、各小領域内の中央点とすることが可能である。
なお、格子の大きさは、所定の大きさの固定値としてもよいし、ユーザが任意に設定可能としてもよい。あるいは、指定される変形対象領域30の大きさによらず、抽出されるサンプル点の数が所定範囲内となるように、変形対象領域30に合わせて格子の大きさを動的に可変設定するようにしてもよい。
近似平面生成部23は、サンプル点抽出部22により抽出された複数のサンプル点に対する近似平面を生成する。本実施形態において、近似平面の生成法は特に限定しないが、一例として、複数のサンプル点に最小2乗法を適用して近似平面を生成することが可能である。
投影点算出部24は、複数のサンプル点をそれぞれ近似平面上に投影することにより、複数の投影点を算出する。例えば、投影点算出部24は、サンプル点から近似平面に対して垂線を下し、その垂線と近似平面との交点を投影点として設定する。
図4は、近似平面生成部23および投影点算出部24の処理内容を説明するための図である。図4において、s1〜sNは、サンプル点抽出部22により抽出されたN個のサンプル点を示している。変形前の物体形状は、その表面に凹凸を有しているため、N個のサンプル点s1〜sNは波打った位置に存在している。
近似平面生成部23は、これらN個のサンプル点s1〜sNから最小2乗法により近似平面40を生成する。そして、投影点算出部24は、N個のサンプル点s1〜sNから近似平面40に対してそれぞれ垂線を下ろし、その垂線と近似平面40との交点をN個の投影点p1〜pNとして設定する。
拘束条件設定部12は、投影点算出部24により算出されたN個の投影点p1〜pNをそれぞれ移動元位置の点ξj(j=1,・・・,N)として指定する。また、拘束条件設定部12は、サンプル点抽出部22により抽出されたN個のサンプル点s1〜sNをそれぞれ、複数の投影点p1〜pNに対する目標の移動先位置の点ξ~j(j=1,・・・,N)として指定して、位置近似および曲率変化率最小化に関する拘束条件方程式を設定する。
中心点抽出部25は、近似平面生成部23により生成された近似平面40内から複数のRBFの中心点χi(i=1,・・・,n)を抽出する。本実施形態において、中心点χiの抽出法は特に限定しないが、近似平面40内からほぼ均等に複数の中心点χiを抽出するのが好ましい。
例えば、中心点抽出部25は、変形対象領域30に対応して生成された近似平面40を図3と同様に格子状に分割し、各格子点(格子の隅の各点)を1つずつ抽出する。上述の変形写像設定部11は、中心点抽出部25により抽出されたn個のRBFの中心点χi(i=1,・・・,n)を、(式1)に示す変形写像式における位置連続に関する項Φ(x−χ)に設定する。
図5は、上記実施形態で説明した形状変形装置の処理を実際に適用した画像例を示す図である。図5(a)は変形前の物体形状を示し、図5(b)は変更後の物体形状を示している。この例では、図5(a)において枠線50で示す領域を変形対象領域として指定し、形状変形処理を行った。その結果、図5(b)に示すように、変形対象領域50内に存在していた凹凸が形状変形後には殆どなくなって、滑らかな曲面となっている。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、RBFの1次結合で表わした位置連続に関する項を含む変形写像式(式1)と、移動元位置ξjを変形写像式で写像した位置Ψ(ξj)と目標とする移動先位置ξ~jとの距離を表した位置近似および移動先位置ξ~jにおける曲率変化率最小化に関する拘束条件方程式(式11)とを設定し、当該拘束条件方程式を解いて、変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、位置近似および曲率変化率最小化を満たす変形写像を確定させる。そして、確定された変形写像を用いて、形状データにより表された物体形状を変形させる処理を実行するようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、移動元位置および移動先位置という点のデータを用いて、物体形状を近似変形することができる。そのため、物体形状の形状データが点群データにより表される場合は、各点のデータを移動させて物体形状を近似変形させることが可能である。また、物体形状の形状データがポリゴンメッシュにより表される場合は、メッシュの各頂点のデータを移動させて物体形状を近似変形させることが可能である。ここで、物体形状の近似変形は、位置近似および曲率変化率最小化を満たす変形写像に基づき行われるので、曲がり方の変化の少ない形状、つまり滑らかな形状に変形される。
また、本実施形態によれば、物体形状の広い範囲に複数の移動元位置が分布しているような場合でも、それら複数の移動元位置を表す各点のデータと、複数の移動元位置に対応する複数の移動先位置を表す各点のデータとを用いて拘束条件方程式を設定し、当該拘束条件方程式を解いて、変形写像式に含まれる未知数を求めれば、物体形状を近似変形することができる。つまり、広領域に含まれる点データを用いて表現した拘束条件方程式を解くだけで、物体形状を近似変形することができる。
以上により、本実施形態よれば、点群データまたはポリゴンメッシュの何れにより表される物体形状に対しても適用でき、かつ、物体形状の広領域を滑らかな形状に変形することができる。
なお、上記実施形態では、図3のように変形対象領域30において格子状に設定した各小領域の中央点(サンプル点)s1〜sNと、それらの近似平面40への投影点p1〜pNとをそれぞれ拘束点ξ~j,ξjとする例について説明したが、これに加え、変形対象領域30の境界線上に位置する点群を拘束点とするようにしてもよい。境界線上に位置する点群を拘束点として加えることにより、領域境界で大きな段差が発生するのを防ぐことができる。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 変形写像設定部
12 拘束条件設定部
13 変形写像確定部
14 形状変形部
21 領域指定部
22 サンプル点抽出部
23 近似平面生成部
24 投影点算出部
25 中心点抽出部

Claims (5)

  1. 放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む変形写像式を設定する変形写像設定部と、
    空間上の指定された移動元位置を上記変形写像式で写像した位置と目標とする移動先位置との距離を表した位置近似、および、上記第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した曲率変化率最小化に関する拘束条件方程式を設定する拘束条件設定部と、
    上記拘束条件設定部により設定された上記拘束条件方程式を解いて、上記変形写像設定部により設定された上記変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置近似および上記曲率変化率最小化を満たす変形写像を確定させる変形写像確定部と、
    上記変形写像確定部により確定された上記変形写像を用いて、形状データにより表された物体形状を変形させる処理を実行する形状変形部とを備えたことを特徴とする形状変形装置。
  2. 上記形状データにより表された上記物体形状の変形対象領域を指定する領域指定部と、
    上記領域指定部により指定された上記変形対象領域内から複数のサンプル点を抽出するサンプル点抽出部と、
    上記サンプル点抽出部により抽出された上記複数のサンプル点に対する近似平面を生成する近似平面生成部と、
    上記複数のサンプル点をそれぞれ上記近似平面上に投影することにより複数の投影点を算出する投影点算出部とを更に備え、
    上記拘束条件設定部は、上記投影点算出部により算出された上記複数の投影点をそれぞれ上記移動元位置として指定し、上記サンプル点抽出部により抽出された上記複数のサンプル点をそれぞれ上記複数の投影点に対する上記目標とする移動先位置として指定して、上記位置近似および上記曲率変化率最小化に関する拘束条件方程式を設定することを特徴とする請求項1に記載の形状変形装置。
  3. 上記近似平面生成部により生成された上記近似平面内から上記放射基底関数の複数の中心点を抽出する中心点抽出部を更に備え、
    上記変形写像設定部は、上記中心点抽出部により抽出された上記複数の中心点を用いて上記変形写像式を設定することを特徴とする請求項2に記載の形状変形装置。
  4. 上記変形写像確定部は、上記移動元位置と上記目標とする移動先位置との距離を表す値および上記曲率変化率最小化を表す値の合計値を最小化するような上記未知数を求めることにより、上記変形写像を確定させることを特徴とする請求項1に記載の形状変形装置。
  5. 放射基底関数の1次結合で表わした位置連続に関する項を含む変形写像式を設定する変形写像設定手段、
    空間上の指定された移動元位置を上記変形写像式で写像した位置と目標とする移動先位置との距離を表した位置近似、および、上記第1の変形写像式による写像で得られる変形後曲面における曲がり方の変化を表した曲率変化率最小化に関する拘束条件方程式を設定する拘束条件設定手段、
    上記拘束条件設定手段により設定された上記拘束条件方程式を解いて、上記変形写像設定手段により設定された上記変形写像式に含まれる未知数を求めることにより、上記位置近似および上記曲率変化率最小化を満たす変形写像を確定させる変形写像確定手段、および
    上記変形写像確定手段により確定された上記変形写像を用いて、形状データにより表された物体形状を変形させる処理を実行する形状変形手段
    としてコンピュータを機能させるための形状変形用プログラム。
JP2016051971A 2016-03-16 2016-03-16 形状変形装置および形状変形用プログラム Active JP6634317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051971A JP6634317B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 形状変形装置および形状変形用プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051971A JP6634317B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 形状変形装置および形状変形用プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017167782A JP2017167782A (ja) 2017-09-21
JP6634317B2 true JP6634317B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=59910050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051971A Active JP6634317B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 形状変形装置および形状変形用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6634317B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6717579B1 (en) * 1999-06-10 2004-04-06 Dassault Systemes Reflection line control
JP3829862B1 (ja) * 2005-04-04 2006-10-04 トヨタ自動車株式会社 3次元モデル変形システム及びプログラム
JP4631001B2 (ja) * 2006-02-02 2011-02-16 学校法人金沢工業大学 3次元形状データ生成方法および3次元形状データ生成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017167782A (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107067473B (zh) 用于对3d建模对象进行重构的方法、装置及系统
Han et al. Guided 3D point cloud filtering
Pérez et al. A comparison of hole-filling methods in 3D
Governi et al. 3D geometry reconstruction from orthographic views: A method based on 3D image processing and data fitting
Wang et al. Hole filling of triangular mesh segments using systematic grey prediction
Yoshihara et al. Topologically robust B-spline surface reconstruction from point clouds using level set methods and iterative geometric fitting algorithms
CN115984476A (zh) 一种基于纹理的三维模型裁切方法
Neto et al. Nagata patch interpolation using surface normal vectors evaluated from the IGES file
Aubry et al. A robust conforming NURBS tessellation for industrial applications based on a mesh generation approach
Wang et al. EQSM: An efficient high quality surface grid generation method based on remeshing
Nieser et al. Patch layout from feature graphs
JP6495728B2 (ja) 形状変形装置および形状変形用プログラム
JP7256005B2 (ja) 実オブジェクトのスキンを表すファセットの集合の決定
Santos et al. Integration of CAD Models into Game Engines.
JP6634317B2 (ja) 形状変形装置および形状変形用プログラム
WO2004053741A1 (ja) 三角形と線分の交点計算方法とそのプログラム
JP6449703B2 (ja) 形状変形装置および形状変形用プログラム
JP6727931B2 (ja) 穴被覆曲面生成装置および穴被覆曲面生成用プログラム
JP2006277712A (ja) 3次元モデルのフィッティング装置、方法及びプログラム
Shimada Current trends and issues in automatic mesh generation
Bock et al. Generation of high-order polynomial patches from scattered data
JP6727932B2 (ja) 点群面張りによる曲面生成装置および曲面生成用プログラム
Vieira et al. Smoothing of noisy laser scanner generated meshes using polynomial fitting and neighborhood erosion
EP4099206A1 (en) Processing a cad 3d model of a mechanical part
JP6802702B2 (ja) 形状変形装置および形状変形用プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6634317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250