JP2011186057A - 半導体マッハツェンダ型光変調器、光伝送装置、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法及び半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法 - Google Patents

半導体マッハツェンダ型光変調器、光伝送装置、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法及び半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体MZ光変調器を備えた光伝送装置であって、消光比が高く、かつ、チャープが少ない形で光を変調できる光伝送装置を提供する。
【解決手段】光伝送装置は、一方のアーム11に、その光吸収係数が他の部分に比べて大きな、出力光の強度が最小となる電圧を各電極15に印加した場合におけるアーム11の伝搬損失とアーム11の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部14が設けられている半導体MZ光変調器10と、半導体MZ光変調器10の各電極15に、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加する駆動回路18とを、備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体マッハツェンダ型光変調器と、半導体マッハツェンダ型光変調器を備えた光伝送装置と、半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法と、半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法とに、関する。
現存する,大部分の光伝送装置(光送信機、光中継器)は、光変調器として、ニオブ酸リチウム(LiNbO:以下、LNと表記する)を用いたマッハツェンダ(Mach-Zehnder)型光変調器を備えたものとなっている。
ここで、マッハツェンダ型光変調器(以下、MZ光変調器と表記する)とは、図8に示したように、2本のアーム(分岐導波路)と、入力光を各アームへの2波に分ける光分配器と、各アームからの光を干渉・合波させる光結合器と、各アームに電圧を印加するための電極とを備えた光デバイスのことである。また、LNを用いたMZ光変調器(以下、LN−MZ光変調器と表記する)とは、LN基板を用いて製造される,各アームの屈折率が,誘電体であるLNの電気光学効果により変化するMZ光変調器のことである。なお、図8に示したMZ光変調器は、光分配器/光結合器としてY分岐導波路が使用されたものであるが、光分配器/光結合器として方向性結合器やMMI(Multi-Mode Interference:マルチモード干渉) カプラが使用されたMZ光変調器も知られている。
そして、一般的な光伝送装置は、LN−MZ光変調器用の駆動回路として、LN−MZ光変調器の各アーム(電極)に、VからV+ΔVまで変化する変調電圧Vと、V−ΔVからVまで、dV/dt=−dV/dtが成立するように変化する変調電圧Vとを印加する回路を備えたものとなっている。
LN−MZ光変調器に対して上記のような変調電圧の印加(以下、プッシュ・プル駆動と表記する)が行われているのは、プッシュ・プル駆動を行えば、LN−MZ光変調器を、光周波数変動(チャープ)の小さな変調器として機能させることが出来るためである。
具体的には、LN−MZ光変調器は、出力光の電界強度Eと、入力光の電界強度Eとの間に、以下の関係がほぼ成立する光デバイスとなっている。
Figure 2011186057
なお、この(1)式及び以下の各式において、κは、両アームを伝搬する光の強度比であり、φ、φは、各アームにおける光の位相変化量である。
従って、LN−MZ光変調器から出力される光は、以下の(2)、(3)式で示される強度I、位相φの光であることになる。
Figure 2011186057
これらの式から、LN−MZ光変調器のαパラメータ(チャープ量の指標)が、φ′(=dφ/dt)、φ′(=dφ/dt)等によって以下のように表せることになる。
Figure 2011186057
この(4)式は、φ′=−φ′である場合、以下のように変形できるものである。
Figure 2011186057
従って、κ=1となっている(光の両アームへの分岐比が1:1となっている)LN−MZ光変調器の各アームに、φ′=−φ′となるように電圧を印加すれば、チャープを理想的に抑制できる(α=0とすることができる)ことになる。
そして、図9(a)、(b)に示してあるように、LN−MZ光変調器の各アームの屈折率は、各アームへの印加電圧に対してほぼ線形に変化するため、LN−MZ光変調器の各アームにおける位相変化量も、各アームへの印加電圧に対してほぼ線形に変化する。
従って、図9(b)、(c)に示してあるように、dV/dt=−dV/dtが成立する、VからV(=V+ΔV)まで変化する変調電圧V及びV(=V−ΔV)からVまで変化する変調電圧Vを、LN−MZ光変調器の各アームに印加してやれば、LN−MZ光変調器を、チャープの小さな変調器(変調時における出力光位相が一定となる変調器)として機能させられることになる。
このように、LN−MZ光変調器は、チャープを抑制できるものとはなっている。ただし、LN−MZ光変調器は、誘電体の電気光学効果を利用するもの(電圧印加時における各アームの屈折率変化量が比較的に小さいもの)であるが故に、モジュールサイズを小さくできないものとなっている。
そして、電圧印加時の屈折率変化量がより大きい半導体を用いれば、より小型かつ消費
電力の小さなMZ光変調器を実現できる。そのため、半導体を用いたMZ光変調器(以下、半導体MZ光変調器と表記する)の開発が進められているのであるが、半導体MZ光変調器は、上記内容のプッシュ・プル駆動では、チャープを充分に小さくできないものとなっている。
具体的には、電界印加時における半導体の屈折率変化に寄与する効果としては、Pockels効果・Franz-Keldysh効果(以下、FK効果と表記する)・Stark効果等が、知られている。Pockels効果は、等方性結晶への電場印加で生じる,複屈折性による屈折率変化現象(効果)である。また、FK効果は、電子・正孔の波動関数が禁止帯へ浸み出すことによる基礎吸収端の変化によって屈折率変化を生じる現象である。Stark効果は、励起子と電界の相互
作用による励起子吸収波長の変化によって屈折率変化を生じる現象である。特に量子井戸構造中では励起子の解離が妨げられることにより、Stark効果が増強され、支配的な屈折
率変化機構となる(非特許文献1参照)。
そして、半導体MZ光変調器としては、上記量子閉じ込めStark効果(Quantum Confined Stark Effect: 以下、QCSEと表記する)を利用したものを中心に検討されているの
であるが、そのような半導体MZ光変調器におけるアームの屈折率変化Δnは、以下の(6)式で表せることが知られている(非特許文献1、2参照)。なお、この(6)式及び
以下の各式において、nは、電界(電圧)印加がない状態での屈折率であり、Eは、量子井戸に印加されている電界の電界強度である。また、sは、半導体材料によって定まる係数(定数)である。
Figure 2011186057
量子井戸に印加される電界の電界強度Eは、半導体内のキャリア拡散に伴うビルトインポテンシャルEと、外部からの電圧印加により生ずる電界の電界強度Eとの和となる。また、外部からの電圧印加により生ずる電界の電界強度Eは、印加電圧Vを、活性層厚dで割った値となる。
従って、(6)式、E=E+E、及び、E=V/dから、電圧Vの印加により生ずる屈折率変化量Δn′(=電圧V印加時の屈折率−電圧未印加時の屈折率)は、以下の(7)式で表せることになる。
Figure 2011186057
そして、各アームにおける位相変化量は、屈折率変化量Δn′に、電極長と、活性層への光閉じ込め係数Γとを乗ずれば得られる値(つまり、Δn′と比例する値)である。従って、半導体MZ光変調器では、各アームにおける光の位相変化量φ、φが、以下の(8)、(9)式に示すように、V、Vに対して非線形に変化することになる。なお、これらの式における“r”とは、“2sE”のこと((7)式参照)である。
Figure 2011186057
このように、半導体MZ光変調器は、各アームにおける光の位相変化量φ、φが、V、Vに対して非線形に変化するものとなっている。そして、φ、φが、V、Vに対して非線形に変化する場合、図10(a)、(b)に模式的に示したように、dV/dt=−dV/dtが成立するV、Vを各アームに印加しても、φ′=−φ′とすることが出来ない。そのため、上記プッシュ・プル駆動では、半導体MZ光変調器のチャープを充分に小さくできないのである。
さらに、半導体MZ光変調器の,半導体のバンド間遷移波長近傍の波長(つまり、QCSEによる屈折率変化を有効に利用できる波長)の光に対する吸光係数の変化量Δαに、以下の(10)式で近似される電圧依存性があることが知られている(非特許文献3参照)。なお、この(10)式におけるK、Rは、半導体材料と量子井戸構造によって定まる定数である。
Figure 2011186057
すなわち、図11に示したように、LN−MZ光変調器が各アームの損失(伝搬損失)が印加電圧によって殆ど変わらないものであるのに対し、半導体MZ光変調器は、各アームの損失が印加電圧によって比較的に大きく変化するものとなっている。
そのため、半導体MZ光変調器のチャープ抑制時には、この損失の変化に起因する消光比の劣化も抑制できることが望まれる。ただし、半導体MZ光変調器によって、消光比が高く、かつ、チャープが少ない形で光を変調できる技術は、未だ、開発されていないのが現状である。
特開2006−309124号公報 特開平7−191290号公報 特開平8−146365号公報 特開平9−49935号公報
J. S. Weiner, et al, Appl. Phys. Lett., vol.50, pp.842-844 (1987) M. Glick, et al, Appl.Phys.Lett.,vol.48, pp.989-991 (1986) Nishimura, et al, IEEE Photon. Technol. Lett., vol.4, pp.1123-1126 (1992) L. B. Soldano, et al, J. Lightwave Technol., vol.13, pp.615-627 (1995)
そこで、開示の技術の課題は、消光比が高く、かつ、チャープが少ない形で光を変調できる光伝送装置、そのような光伝送装置を実現できる半導体MZ光変調器、そのような半導体MZ光変調器を製造できる“半導体MZ光変調器の製造方法”を、提供することにある。
また、開示の技術の他の課題は、半導体MZ光変調器をチャープが少ない形で駆動できる“半導体MZ光変調器の駆動方法”を、提供することにある。
上記課題を解決するために、開示の技術の一態様の半導体マッハツェンダ光変調器は、マッハツェンダ干渉計を成す、半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加するための第1電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加するための第2電極とを備えた構成であって、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部が、設けられている構成を有する。
また、開示の技術の一態様の光伝送装置は、上記のような構成を有する半導体マッハツェンダ光変調器と、当該半導体マッハツェンダ型光変調器の前記第1電極と前記第2電極とに、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加することによって、前記半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動する駆動回路と、を備える。
また、開示の技術の一態様の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法は、半導体基板上に、マッハツェンダ干渉計を成す、半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路を形成する光導波路形成工程と、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部を形成する損失調整部形成工程とを含む。
また、開示の技術の一態様の半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法では、半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動するために、前記半導体マッハツェンダ型光変調器の,マッハツェンダ干渉計を成している2つの光導波路に、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加する。
上記構成を採用しておけば、消光比が高く、かつ、チャープが少ない形で光を変調できる光伝送装置を得ることができる。また、上記構成を有する半導体マッハツェンダ型光変調器を用いておけば、消光比が高く、かつ、チャープが少ない形で光を変調できる光伝送装置を実現でき、上記製造方法によれば、そのような半導体マッハツェンダ型光変調器を製造できる。そして、上記駆動方法によれば、半導体マッハツェンダ型光変調器をチャー
プが少ない形で駆動できる。
実施形態に係る光伝送装置の概略構成図。 実施形態に係る光伝送装置における半導体MZ光変調器の駆動原理の説明図。 既存構成の半導体MZ光変調器を用いた場合に生ずる不具合を説明するための図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の、変調時における両アームの損失量の説明図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための、図5Bの断面図に対応する平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための、図5Fの断面図に対応する平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための、図5Lの断面図に対応する平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための、図5Oの断面図に対応する平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための平面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の製造手順を説明するための断面図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の変形形態の説明図。 実施形態に係る半導体MZ光変調器の他の変形形態の説明図。 マッハツェンダ型光変調器の構成図。 LN−MZ光変調器のプッシュ・プル駆動時の動作内容を説明するための図。 半導体MZ光変調器の駆動時に生ずる問題の説明図。 LN−MZ光変調器と半導体MZ光変調器とについての損失の印加電圧依存性の説明図。
以下、発明者が開発した光伝送装置の一例(以下、実施形態に係る光伝送装置と表記する。)を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る光伝送装置の構成を、説明する。
実施形態に係る光伝送装置は、半導体MZ光変調器10、光源17、駆動回路18を主要構成要素として備えた光送信機である。
この光伝送装置が備える光源17は、レーザー光を出力する半導体レーザー(ダイオードレーザー)である。半導体MZ光変調器10は、光源17からのレーザー光を変調する(パルス化する)ための光変調器(詳細は後述)である。
駆動回路18は、外部から与えられるデータに基づき、そのデータに応じた内容の光信号が半導体MZ光変調器10から出力されるように、半導体MZ光変調器10の各アーム11(X=1,2)上の電極15に変調電圧を印加する回路である。この駆動回路18は、各アーム11(電極15)に、各時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅(電圧の変化範囲)が等しい変調電圧を印加する回路となっている。また、駆動回路18は、各アーム11を伝搬する光におよそ−π/4ラジアン〜+π/4ラジアンの位相変化が生じることになる変調電圧を各アーム11に印加する回路ともなっている。
半導体MZ光変調器10は、2本のアーム11及び11と、光分配器12と、光結合器13と、2つの電極15とを、備えた光変調器である。
光分配器12は、光源17からのレーザー光(以下、入力光と表記する)を、各アーム11への2波に分けるためのデバイスである。この光分配器12は、入力光を、強度が等しい2波に分けて、各アーム11(X=1,2)に供給するもの(本実施形態では、MMIカプラ)となっている。
アーム11、アーム11は、いずれも、半導体量子井戸構造を有する光導波路である。図示してあるように、半導体MZ光変調器10が備えるアーム11は、その一部に、損失調整部14(詳細は後述)を備えたものとなっている。なお、半導体MZ光変調器10が備える各光導波路(アーム11、アーム11以外の各光導波路)は、変調光波長において導波モードが単一となる幅を有するものである。
光結合器13は、アーム11からの光とアーム11からの光とを干渉・合波させ、合波結果を図1における上側の光導波路に出力するデバイスである。半導体MZ光変調器10は、この光結合器13としても、MMIカプラが採用されたものとなっている。
電極15は、アーム11の一部の領域に電圧を印加するための電極である。図示してあるように、半導体MZ光変調器10の各電極15は、アーム11の一部の領域を覆う矩形電極に、駆動回路18からの信号線を接続するためのパッド15aを接続した形状のものとなっている。
損失調整部14は、他の部分(アーム11の損失調整部14以外の部分)よりも、量子井戸の層厚が厚くなるように形成した部分である。量子井戸の層厚を厚くすると、励起子吸収光波長が長波化し、その結果として、光吸収係数が大きくなる。従って、この損失調整部14は、他の部分よりも、光吸収係数が大きな部分となっていることになる。
半導体MZ光変調器10は、この損失調整部14の形状(主としてアーム11の長さ方向の長さ)を、オフ状態におけるアーム11(損失調整部14を含むアーム11全体)の損失(伝搬損失)とアーム11の損失とが一致するように定めたものとなっている。なお、オフ状態とは、出力光の強度が最小となる電圧が各アーム11(電極15)に印加されている状態のことである。
また、半導体MZ光変調器10は、電圧が印加されていない状態にあるアーム11及び11から出力される光の位相差(以下、初期位相差と表記する)が、“π/2+2nπ”ラジアン(nは、整数)となるように設計・製造されたものともなっている。
次に、実施形態に係る光伝送装置に、上記構成を採用している理由を説明する。
上記したように、実施形態に係る光伝送装置は、半導体MZ光変調器10の各アーム11に、各時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加する駆動回路18を備えている。
光伝送装置に、そのような駆動回路18を採用しているのは、各時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を各アーム11に印加すれば、半導体MZ光変調器10をチャープが少ない光変調器として機能させることが出来るためである。
すなわち、半導体MZ変調器10の各アーム11に、上記のように変化する変調電圧を印加した場合、図2に示してあるように、各アーム11における最大位相変化量Δφ、Δφの絶対値が一致することになる。なお、最大位相変化量とは、出力光強度が最大となる電圧(図2における矢印の先端側の電圧)の印加によりアーム11を伝搬する光に生ずる,出力光強度が最小となる電圧(図2における矢印の根本側の電圧)印加時の位相を基準とした位相変化量のことである。
従って、各時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を各アーム11に印加すれば(上記駆動回路18を採用しておけば)、半導体MZ光変調器10をチャープが少ない光変調器として機能させることが出来ることになる。
ただし、既に説明したように、半導体MZ変調器は、各アームの損失が印加電圧によって比較的に大きく変化するもの(図11参照)となっている。そのため、上記内容の制御を既存構成の半導体MZ変調器に対して行った場合には、図3に示してあるように、オフ状態における各アームの損失α、αが大きく異なってしまい、その結果として、オフ状態における出力光の強度がさほど小さくならないことになる。
半導体MZ変調器10のアーム11に、損失調整部14を設けているのは、この不具合が発生しないようにするためである。
すなわち、アーム11に、“光吸収係数が他の部分よりも大きな、オフ状態におけるアーム11の損失とアーム11の損失とが一致するように、その形状を定めた損失調整部14”を設けておけば、図4に模式的に示したように、オフ状態における各アーム11(図では、アームX)の損失α、αを一致させることが出来る。
従って、損失調整部14がアーム11に設けられている半導体MZ光変調器10は、上記不具合が生じない光変調器(換言すれば、消光比が高い光変調器)として機能することになる。
また、損失調整部14を量子井戸の層厚調整により形成しているのは、そのようにしておけば、損失調整部14を簡単に実現(製造)できることになることに加え、両アーム間に、光波長に依存する損失差を付けることが可能になるからである。
具体的には、量子井戸の層厚調整以外の方法、例えば、両アームの形状を非対称にする(例えば、導波路幅を両アーム間で変える)といった方法や、バンドギャップ波長が長波になるように組成を変化させるといった方法によっても、半導体MZ光変調器の両アーム間に損失差をつけることができる。ただし、前者の方法により所望の損失差を有する2アームを製造するためには、導波路幅等を極めて高精度に制御しなければならない。そのため、両アームの形状を非対称にすることによって半導体MZ光変調器の両アーム間に損失
差を付けることは、非現実的である。
また、半導体MZ光変調器では、屈折率変化と吸収変化の関係自体に波長依存性がある。従って、半導体MZ光変調器を広い波長範囲に渡って使用する場合には、両アーム間の損失差についても波長依存性を持たせておかないと、波長毎にオフ状態の損失差を零とすることが出来ない。しかしながら、前者の方法は、両アーム間に、光波長に依存する損失差を付けることができないという欠点を有するものともなっている。
一方、後者の方法によれば、両アーム間に光波長に依存する損失差を付けることができる。ただし、この方法を採用した場合、製造手順が複雑にならざるを得ないが、損失調整部14を量子井戸の層厚調整により形成するようにしておけば、マスクを用いた選択成長(詳細は後述)により、損失調整部14を簡単に実現できる。しかも、量子井戸の層厚調整によれば、両アーム間に、光波長に依存する損失差を付けることも可能である。そのため、損失調整部14を量子井戸の層厚調整により形成しているのである。
さらに、アーム11及び11間の初期位相差を“π/2+2nπ”ラジアン(nは、整数)としておけば、図2に示したように、各アーム11xへの変調電圧の最大値と最
小値を揃えた駆動が出来るため、チャープ量を最小にすることが出来る。そのため、半導体MZ光変調器10を、アーム11及び11間の初期位相差が“π/2+2nπ”ラジアンであるものとした上で、駆動回路18として、各アーム11を伝搬する光に、−π/4ラジアン〜+π/4ラジアンの位相変化を生じさせる変調電圧を出力するものを採用しているのである。
次に、本実施形態に係る半導体MZ変調器10の製造手順の一例を説明する。
上記した半導体MZ変調器10は、例えば、図5A〜図5Sに示した手順で製造できるものである。
すなわち、この手順による半導体MZ変調器10の製造時には、まず(図5A参照)、n−InP基板21上に、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によ
りSiO膜22が形成される。次いで、『SiO膜22上へフォトレジストを塗布し、塗布したフォトレジストを露光し、露光したフォトレジストを現像する』といった手順で、SiO膜22上に所定形状(詳細は後述)のレジストパターン40が形成される。
そして、レジストパターン40をマスクとしてSiO膜22がBHF(Buffered HF
)等によりウェットエッチングされる。その後、レジストパターン40が除去されることにより、n−InP基板21上に、図5B、図5Cに示したような形状の2つの選択成長マスク領域23(SiO膜22の一部)が設けられている構造が製造される。
なお、各選択成長マスク領域23(以下、マスク領域23とも表記する)の形状及び位置(レジストパターン40の形状)は、さまざまなことを考慮して決定しておく。
具体的には、各マスク領域23の幅Wm、マスク領域23間の間隙幅Wgは、2つのマスク領域23に挟まれた領域(以下、“高成長速度領域”と表記する)内の活性層成長速度(平均的なもの:以下、同様)の,他領域における活性層成長速度に対する比が、所望の値(例えば、1.2)となるように決定しておく。また、各マスク領域23の長さLmは、その後に形成されるアーム11の損失と、アーム11の損失とが、オフ状態において一致する長さ(例えば500μm)となるように、活性層組成、井戸層厚、駆動条件等から決定しておく。
マスク領域23の形成後には、n−InP基板21のマスク領域23が形成されている側の面上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成
長法)により、100nm程度の厚さの,n型のInPバッファ層24が積層される(図5D)。次いで、そのInPバッファ層24上に、InGaAsP−井戸とInP−障壁から成るMQW(Multi-Quantum Wells:多重量子井戸)層25が形成される。
なお、QCSEによって実用上十分な大きさの屈折率変化を得るには、MQW層25のバンド端遷移波長と入力光波長とが近いことが望ましい。ただし、入力光波長がバンド端遷移波長に近すぎると吸収の影響も大きくなる。そのため、入力光波長を1.55μm付近とする場合には、バンド端遷移波長が1.4μm程度となるように、MQW層25の組
成(例えば、In(0.6)Ga(0.4)As(0.85)P(0.15))と層厚(例えば10nm)とを決定しておくことが望ましい。この時、上記高成長速度領域では、成長速度比に応じてMQW層厚が大きく(ここでは12nmに)なる。
MQW層25の形成後には、マスク領域23が、BHF等によりウェットエッチングされる。その後、MOCVD法により、p型のInPクラッド層26と、p型のInGaAsコンタクト層27とが、形成される(図5E)。
次いで、マスク領域23形成時と同様の手順で、導波路形成用の,Si0からなるマスクパターン41が形成される(図5F)。そして、形成したマスクパターン41をマスクとした、RIE(Reactive Ion Etching)によるドライエッチングが行われることにより、n−InP基板21上にメサストライプが形成される(図5G)。
なお、上記工程中で形成されるマスクパターン41は、図5Hに示したような形状を有するものである。ただし、上記工程中で実際に形成されるマスクパターン41は、それをマスクとしたドライエッチングによって、図1を用いて既に説明した機能・構成を有する光分配器12、アーム11等が得られるように、その形状が設計されたものである。
メサストライプの形成が完了した場合には、MOCVD法によって、メサストライプ周囲に、SI(Semi-Insulated:高抵抗)−InP層31(図5I)を成長させてから、マスクパターン41が除去される(図5J)。そして、『InGaAsコンタクト層27上へのレジストマスクの形成工程』等を含む一連の工程により、InGaAsコンタクト層27の,Au/Zn/Au電極33′を形成する部分以外の部分がウェットエッチングされる(図5K)。なお、Au/Zn/Au電極33′とは、各アーム11(InPバッファ層24、MQW層25等が積層されたストライプ状部分)の電圧を印加する部分上に形成される,電極15の一部を成す電極(図5O参照)のことである。
InGaAsコンタクト層27のパターニング後には、一連の工程を経たn−InP基板21の,SI−InP層31が形成されている側の全面に、CVD法によりSiO膜32(図5L参照)が形成される。
次いで、Au/Zn/Au電極33′を形成する部分が開口部42aとなっているレジストマスク42(図5M参照)が、SiO膜32上に形成される。
レジストマスク42の形成後には、そのレジストマスク42をマスクとしたエッチングにより、SiO膜32の,Au/Zn/Au電極33′を形成する部分上の部分が除去される(図5L、図5M)。その後、真空蒸着法により、Au/Zn/Au膜33が形成される(図5N)。そして、レジストマスク42を、その上に形成されているAu/Zn/Au膜33と共に除去することにより、各アーム11X上に、Au/Zn/Au電極33′が存在する構造(図5O、図5P)が製造される。
その後、図5Rに示してあるような形状のAu電極34を形成するためのレジストマスク44が形成される(図5Q)。そして、メッキにより、Au電極34が形成されてから(Au電極34とAu/Zn/Au電極33′とからなる電極15(図1参照)が形成されてから)、レジストマスク44が除去される(図5R)。
レジストマスク44の除去後には、裏面電極37が形成される(図5S)。この裏面電極37は、通常、AuGe/Au膜35を蒸着してから、Auメッキ層36を形成するといった手順で形成される。
このような手順を採用しておけば、変調電圧の中心バイアスが−3V程度、変調振幅(全幅)が2V程度の変調電圧により駆動できる、オフ状態における両アーム11、11間のQCSEによる過剰損失差(図3におけるα−α)が、例えば、0.5dBである半導体MZ光変調器10であって、それと同じ伝搬損失が発生する損失調整部14を備えているが故に、消光比が高い半導体MZ光変調器10を、容易且つ確実に製造できることになる。
《変形形態》
上記した光伝送装置は、各種の変形を行うことが出来るものである。例えば、光伝送装置を、図6に示した構成を有する半導体MZ光変調器10を備えた装置、すなわち、光分配器12及び光結合器13として、MMIカプラではなく、Y分岐導波路が使用されている半導体MZ光変調器10を備えた装置に変形することが出来る。また、光伝送装置を、光分配器12及び光結合器13として、方向性結合器が使用されている半導体MZ光変調器10を備えた装置に変形することも出来る。
また、初期位相差が“π/2+2nπ”ラジアン(nは、整数)となるように、アーム11及びアーム11を設計するのではなく、アーム11及び/又はアーム11に、初期位相差を調整(制御)するための位相調整機構を設けておくことも出来る。そのような位相調整機構としては、電圧印加による屈折率変化を利用して位相を調整する機構、電流注入による自由キャリア密度の変化に伴う屈折率変化を利用して位相を調整する機構、温度変化に伴う屈折率変化を利用して位相を調整する機構が考えられる。ただし、電圧/電流を利用する機構は、屈折率変化に伴い吸収の変化が起こるため、制御が難しいものとなる。従って、半導体MZ光変調器10に位相調整機構を実装する場合には、図7に示したように、半導体MZ光変調器10のアーム11上(又は、アーム11上)にヒータ電極19を設けておくことが好ましい。
また、損失調整部14は、“光吸収係数が他の部分よりも大きな、オフ状態におけるアーム11の損失とアーム11の損失とが一致するように、その形状を定めた”ものでありさえすれば良い。従って、形成後の損失調整部14(半導体MZ光変調器10が備える損失調整部14)が、実際に、オフ状態におけるアーム11の損失とアーム11の損失とを完全に一致させるものとなっている必要はない。
また、損失調整部14を、電極15下に設けておくことも出来る。ただし、そのような構成を採用した場合、損失調整部14のサイズを決定するのが困難になる。そのため、損失調整部14は、上記した半導体MZ光変調器10のように、電極15下ではない部分に設けておくことが望ましい。
半導体MZ光変調器10を、InGaAsP/InP量子井戸以外の活性層を備えたもの(例えば、Zn,Cd,Hg,Al,N,Sb,S,Te等のII,III,V,VI族元
素からなる混晶を活性層としたもの)に変形することも出来る。また、半導体MZ光変調
器10を、双方のアーム11及び11に、それぞれ、損失調整部14相当のものが設けられているもの(オフ状態における両アーム11及び11間の損失が一致するように、各アーム11で損失が調整される構成を有するもの)に変形することも出来る。
半導体MZ光変調器10を、上記構造(SI−BH構造)とは異なる構造の導波路(例えば、PNPN型の埋め込み導波路や、半導体での埋め込みを行わないハイメサ型導波路)を備えたものに変形することも出来る。さらに、半導体MZ光変調器10の光結合器13を、合波した光の何%かを図1における下側の光導波路に出力するものとしておいても良いことや、光伝送装置を、光中継器に変形しても良いことなどは、当然のことである。
以上、開示した技術に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) マッハツェンダ干渉計を成す,半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路と、
前記第1の光導波路に電圧を印加するための第1電極と、
前記第2の光導波路に電圧を印加するための第2電極と、
を備え、
前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部が、設けられている
ことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記2) 前記損失調整部が、
前記光導波路の前記他の部分の量子井戸よりも層厚が厚い量子井戸である
ことを特徴とする付記1に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記3) 前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方が、
前記損失調整部として機能する部分を含む、光伝播方向に沿って連続的に厚みの変化する量子井戸構造を有する光導波路である
ことを特徴とする付記1に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記4) 前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間の初期位相差が、π/2+2nπ(nは、整数)ラジアンである
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記5) 第1の光導波路と前記第2の光導波路との間の初期位相差を調整するための位相調整機構を、さらに、備える
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記6) 前記損失調整部が、
前記第1の光伝送路の前記第1電極により覆われていない部分、又は、前記第2の光伝送路の前記第2電極により覆われていない部分に設けられている
ことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
(付記7) 付記1乃至付記6のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調
器と、
前記半導体マッハツェンダ型光変調器の前記第1電極と前記第2電極とに、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加することによって、前記半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動する駆動回路と、
を備えることを特徴とする光伝送装置。
(付記8) 半導体基板上に、マッハツェンダ干渉計を成す,半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路を形成する光導波路形成工程と、
前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部を形成する損失調整部形成工程と、
を含むことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
(付記9) 前記半導体基板の前記損失調整部を形成すべき部分の近傍に,前記第1及び前記第2の光導波路の量子井戸の構成材料がその上に積層されないマスクを形成する工程を、さらに、含み、
前記光導波路形成工程及び前記損失調整部形成工程として、
前記量子井戸の構成材料を堆積させることにより、前記マスクが形成された前記半導体基板上に、少なくとも一方の光導波路の一部に、前記損失調整部として機能する,他の部分の量子井戸よりも層厚が厚い部分が存在する、マッハツェンダ干渉計を成す,半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路を形成する工程が行われる
ことを特徴とする付記8に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
(付記10) 半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法であって、
前記半導体マッハツェンダ型光変調器の,マッハツェンダ干渉計を成している2本の光導波路に、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加することによって、前記半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動する
ことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法。
(付記11) 前記半導体マッハツェンダ型光変調器が、
出力光の強度が最小となる電圧を各光導波路に印加した場合における両光導波路の伝搬損失が等しい変調器である
ことを特徴とする付記10に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法。
10 半導体MZ光変調器
11,11 アーム
12 光分配器
13 光結合器
14 損失調整部
15 電極
15a パッド
17 光源
18 駆動回路
19 ヒータ電極
21 n−InP基板
22,32 SiO
23 選択成長マスク領域
24 InPバッファ層
25 MQW層
26 InPクラッド層
27 InGaAsコンタクト層
31 SI−InP層
33 Au/Zn/Au電極
34 Au電極
35 AuGe/Au膜
36 Auメッキ層
37 裏面電極
40 レジストパターン
41 マスクパターン
42,44 レジストマスク
42a 開口部

Claims (8)

  1. マッハツェンダ干渉計を成す、半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路と、
    前記第1の光導波路に電圧を印加するための第1電極と、
    前記第2の光導波路に電圧を印加するための第2電極と、
    を備え、
    前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部が、設けられている
    ことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器。
  2. 前記損失調整部が、
    前記光導波路の前記他の部分の量子井戸よりも層厚が厚い量子井戸である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  3. 前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方が、
    前記損失調整部として機能する部分を含む、光伝播方向に沿って連続的に厚みの変化する量子井戸構造を有する光導波路である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  4. 前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間の初期位相差が、π/2+2nπ(nは、整数)ラジアンである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器と、
    前記半導体マッハツェンダ型光変調器の前記第1電極と前記第2電極とに、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加することによって、前記半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とする光伝送装置。
  6. 半導体基板上に、マッハツェンダ干渉計を成す、半導体量子井戸構造を有する第1及び第2の光導波路を形成する光導波路形成工程と、
    前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の少なくとも一方の光導波路の一部に、その光吸収係数が当該光導波路の他の部分に比べて大きな損失調整部であって、出力光の強度が最小となる電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加した場合における前記第1の光導波路の伝搬損失と前記第2の光導波路の伝搬損失とが一致するように、その形状が定められた損失調整部を形成する損失調整部形成工程と、
    を含むことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
  7. 半導体基板の前記損失調整部を形成すべき部分の近傍に量子井戸の構成材料がその上に積層されないマスクを設け、その後、前記半導体基板上に量子井戸の構成材料を堆積することにより、前記他の部分の量子井戸よりも層厚が厚くなるように形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体マッハツェンダ型光変調器の製造方法。
  8. 半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法であって、
    前記半導体マッハツェンダ型光変調器の,マッハツェンダ干渉計を成している2つの光
    導波路に、同時刻における時間変化率の正負が逆の,振幅が等しい変調電圧を印加することによって、前記半導体マッハツェンダ型光変調器を駆動する
    ことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調器の駆動方法。
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