JP2011185584A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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【課題】筐体を構成する部品点数を少なくし、組立工数を低減させ、軽量化により据付作業の容易化を実現し、かつ筐体の内面に配置される断熱部材の数を縮小でき、輸送効率と生産性を向上させることができる空気調和機の室内機を得ること。
【解決手段】天板部2aと側板部2dを有する筐体2と、筐体2の下端開口部に室内側から装着され、中央に吸込口4を有し、外周に複数の吹出口5を有する化粧パネル3と、筐体の天板部の中央に設置された遠心ファン9及び遠心ファンを回転させるためのファンモータ10と、遠心ファンの外周に囲うように設置された熱交換器11とを備えた天井埋め込み形の空気調和機の室内機1において、天板部2aと、側板部2dと、側板部2dの内側に配置され、側板部2dと2重構造をなす内側の壁2bと、を有する筐体2が、硬質合成樹脂による一体成型品で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井埋め込み形の空気調和機の室内機に係り、特に筐体構造に関するものである。
一般的に業務用の空気調和機の室内機は、室内への存在感が少なく、据付工事が比較的簡単な天井埋め込み形の空気調和機が多用される傾向にある。
その天井埋め込み形の空気調和機は、天井内に吊り下げられたアンカーボルトに固定することで、天井内あるいは天井近くに埋設される。
空気調和機の吸込口、吹出口はそれぞれ室内に向かって開口しており、風向案内板や埃を除去するフィルターを備えた化粧パネルを取り付けることにより、空気調和機として運転される(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−444333号公報(第1頁、図2)
上記特許文献1に記載の従来の天井埋め込み形の空気調和機の室内機における天板と側板を有する筐体であるケーシングは、ある程度の強度を確保するために鋼板製で構成され、ケーシングの内面と外面に断熱材を備えて構成される室内機本体をアンカーボルトに固定するために、4点の吊り金具と8点の吊り金具固定ボルトの計12点を用いてボルト締めをして室内機本体をアンカーボルトに固定している。
そのため、ボルト締めの作業工数が多く、手間がかかり、しかも室内機本体を構成するケーシングは鋼板製であるため、重量が重く、据付時の室内機本体を持ち上げる際に負担となり作業性を悪化させているといった問題があった。
また、空気調和機の風路と外部を断熱するために発泡スチロールなどの断熱材を筐体の内面と外面に配置し、冷房運転時に筐体が冷やされないようにすることで筐体外郭への結露を防止している。
この断熱材については、その役割上、空気調和機の外郭の内面と外面に沿って配置することになるため、例えば発泡スチロールで一体成形した場合、籠状の形状となる。
このため、成形した断熱材を空調機組み立て場所まで輸送する際の輸送効率が悪いといった問題がある。
また、筐体の各辺ごとに板状の断熱材を貼着する方法もあるが、貼着する箇所が多くなり、組立て工数が増えすぎるといった問題もある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、筐体を構成する部品点数を少なくし、組立工数を低減させ、軽量化により据付作業の容易化を実現し、かつ筐体の内面に配置される断熱材の数を縮小でき、輸送効率と生産性を向上させることができる空気調和機の室内機を得ることを目的とする。
本発明の空気調和機の室内機は、天板部と側板部を有する筐体と、筐体の下端開口部に室内側から装着され、中央に吸込口を有し、外周に複数の吹出口を有する化粧パネルと、筐体の天板部の中央に設置された遠心ファン及び遠心ファンを回転させるためのファンモータと、遠心ファンの外周に囲うように設置された熱交換器とを備えた天井埋め込み形の空気調和機の室内機において、前記天板部と、前記側板部と、該側板部の内側に配置され、前記側板部と2重構造をなす壁と、を有する筐体が、硬質合成樹脂による一体成型品で構成されている。
本発明の空気調和機の室内機においては、筐体の側板部の内側に内側の壁を配置して側面を2重の壁構造とし、空洞部の空気層により断熱性を持たせることで、断熱材を天板部に設けるだけで済み、筐体内部の断熱部材を縮小することができ、輸送効率と生産性を向上させることができるという効果がある。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機の全体構成を示す断面図。 同空気調和機の室内機の化粧パネルの正面図。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室内機の全体構成を示す断面図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機の全体構成を示す断面図、図2は同空気調和機の室内機の化粧パネルの正面図である。
図1において、本発明の実施の形態1に係る天井埋め込み形の空気調和機の室内機1は、天井50の上側に埋設配置される天板部と側板部を有する筐体2と、この筐体2の下端開口部に室内側から装着される矩形平板状の化粧パネル3を備えている。
その化粧パネル3には、図2に示すように、その中央部に位置するようにして吸込口4が形成され、その吸込口4の外周には4つの吹出口5が形成されている。
その筐体2は、天板部2aと、側板部2dと、側板部2dから水平に張り出し、アンカーボルト51に固定されるアンカー用固定部2cと、側板部2dの内側に配置され、側板部2dとで2重の壁構造とする内側の壁2bとを有しており、これらが例えば、ガラス入りのABS樹脂といった硬質合成樹脂による一体成型品で構成されている。
筐体2の内側の壁2bが吹出風路16の外側に配置され、側板部2dは空気層を挟んで内側の壁2bの外側に配置される。
筐体2の天板部2aの中央には遠心ファン9と遠心ファン9を回転させるためのファンモータ10が設置され、その遠心ファン9の外周に囲うように熱交換器11が設置されている。また、筐体2の天板部2aの内面に板状の断熱部材12が設置されている。
また、遠心ファン9と吸込口4の間にはベルマウス13が配置され、吸込口4には吸込グリル14とフィルタ15が装着されている。
また、吹出口5の上部には吹出風路16が形成され、吹出口5の下部には吹き出し風向を調整するベーン17が設置されている。
筐体2のアンカー用固定部2cに天井50の裏から吊り下げられているアンカーボルト51を固定することにより、室内機1が天井50に据え付けられる。
上記のように構成された空気調和機の室内機1は、遠心ファン9が回転することで空気は吸込口4、ベルマウス13を通り、熱交換器11で熱交換された後、吹出風路16を通ってベーン17で風向を調整され、吹出口5から吹き出し空気として吹き出される。
このように実施の形態1の空気調和機の室内機1の筐体2は、天板部2aと、側板部2dと、アンカー用固定部2cと、内側の壁2bとを有しており、これらが硬質合成樹脂による一体成型品で構成されているので、従来の吊り金具の代わりを固定部2cがすることにより、組み立て作業が不要となる。
また、従来の筐体は鋼板製であるが、この実施の形態の筐体2は硬質合成樹脂による一体成型品で構成されているので、軽量化でき、空気調和機の室内機1の据付時や運搬時の作業者の負担を低減できる。
また、筐体2の側面側を側板部2dと、側板部2dの内側に配置された内側の壁2bとの2重の壁構造としたので、側板部2dと内側の壁2bの間の空洞部18内の空気層が断熱材の役割を果たし、冷房運転時の筐体2の外郭の温度低下を抑止し、結露を防止できるため、従来の空気調和機では断熱材が天板部と側板部の両方への配置が必要であったが、この実施の形態1では、図1に示すように断熱部材12は天板部2aのみの配置で済むこととなった。
従って、断熱材は、従来のように籠状の発泡スチロールの一体品もしくは板状の断熱材を複数枚貼り合わせる必要がなくなり、1枚の板状の発泡スチロールで構成できるようになり、輸送効率が向上し、組み立て工数減となり、生産性が向上した。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室内機の全体構成を示す断面図である。
この実施の形態2は、アンカー用固定部2cが万が一破損した場合に備え、筐体2が落下しないように板金製の落下防止部材19をアンカー用固定部2cに取り付けることで、安全性を向上させたものである。なお、この落下防止部材19は、側板部2d及び内側の壁2bと、アンカー用固定部2cとに跨るようにして配置されて固定され、アンカー用固定部2cの破損に備えている。
実施の形態3.
この実施の形態3は、筐体2に難燃性樹脂(例えば難燃化効果を有するハロゲン化合物、リン化合物などを添加した樹脂)を用いることで、筐体2の難燃化を図ったものである。従って、筐体2が燃えにくくなり、安全性が向上した。
また、樹脂で一体成型された筐体2の表面に難燃性塗料、例えば酢酸ビニルや、塩化ビニル、アクリルなどの難燃性バインダーに無機顔料を加えたエマルジョン塗料を塗布し、筐体2の難燃化を図ったものである。従って、筐体2が燃えにくくなり、安全性が向上した。
1 室内機、2 筐体、2a 天板部、2b 内側の壁、2c アンカー用固定部、2d 側板部、3 化粧パネル、4 吸込口、5 吹出口、9 遠心ファン、10 ファンモータ、11 熱交換器、12 断熱部材、13 ベルマウス、14 吸込グリル、15 フィルター、16 吹出風路、17 ベーン、18 空洞部、19 落下防止部材、50 天井、51 アンカーボルト。

Claims (5)

  1. 天板部と側板部を有する筐体と、筐体の下端開口部に室内側から装着され、中央に吸込口を有し、外周に複数の吹出口を有する化粧パネルと、筐体の天板部の中央に設置された遠心ファン及び遠心ファンを回転させるためのファンモータと、遠心ファンの外周に囲うように設置された熱交換器とを備えた天井埋め込み形の空気調和機の室内機において、
    前記天板部と、前記側板部と、該側板部の内側に配置され、前記側板部と2重構造をなす壁と、を有する筐体が、硬質合成樹脂による一体成型品で構成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記側板部から張り出して設けられたアンカー用固定部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
  3. 前記筐体のアンカー固定部に取り付けられた板金製の落下防止部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室内機。
  4. 前記筐体は、難燃性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の空気調和機の室内機。
  5. 前記筐体に難燃性塗料を塗布したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の空気調和機の室内機。
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