JPH10311551A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機を構成する部品の点数を削減し
て、風漏れ、結露の防止と、軽量化、製造コスト低減を
目的とする。 【解決手段】 本体２内部に、送風機３と、その風下側
に熱交換器４を設け、その熱交換器４の下部にドレンパ
ン５、仕切体３２とを備え、発泡性樹脂材料で成形した
箱状のケーシング６で風路を形成しケーシング６両外側
面に鋼板製の左右セットプレート１０、９を備えること
により、送風機３より吹き出される吹出冷風１３が正規
の吹出口以外の部位から漏れることがないため結露を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ファンコイルユニ
ットなどの空気調和機に関し、特にその構成材料に特徴
を有するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年ファンコイルユニットなどの空気調
和機においては、低コスト、低価格、軽量で、しかも高
性能、高品質な商品が市場で求められている。

【０００３】従来、この種の空気調和機は図５および図
６に示すような構成が一般的であった。

【０００４】以下、その空気調和機の構成について図５
を参照しながら説明する。図に示すように、鋼板製のケ
ーシング１０１は右セットプレート１０２ａと左セット
プレート１０２ｂと側板前１０３と側板後１０４と、天
板１０５とから成り、ケーシング１０１の上部側に送風
機１０６と、この送風機１０６を取り付けるモーター取
付け板１０７が備えられている。

【０００５】そして、モーター取付け板１０７の風下側
に送風機１０６と併設した熱交換器１０８と、この熱交
換器１０８の下側にドレンパン１０９と、さらにその下
側に仕切板１１０を配設し、風路を形成している。

【０００６】また、送風機１０６の風下側の風路のケー
シング１０１には結露防止および風漏れ防止のため断熱
材（図示せず）が全面にわたって貼り付けられており、
鋼板製のドレンパン１０９と、ドレンパン断熱材１０９
ａ、鋼板製の仕切板１１０にも結露防止および風漏れ防
止のため断熱材（図示せず）が貼り付けられていた。

【０００７】一方、天井パネル１１１はケーシング１０
１の内側に嵌入する一体発泡樹脂成型品のスリーブ１１
２と鋼板を組み合わせて、断熱材（図示せず）を外周部
に貼付けたグリル１１３から構成され取付板１１４と取
付ねじ１１５により衝合していた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の空気
調和機では、ケーシングは鋼板部品を組み合わせて構成
していたため、断熱性能が不十分であったり、接合部に
わずかな風漏れを発生しがちで、本体ケーシング外側に
結露を発生しやすいという課題があり、より高い断熱性
能が要求されている。

【０００９】また、ケーシングは鋼板部品を組み合わせ
て構成していたため、充分な断熱性能を確保するために
は鋼板両面に断熱材を貼り付ける必要があり材料費およ
び作業コストがかかるという課題があり、その材料費お
よび作業コストの低減が要求されている。

【００１０】また、ケーシングを鋼板部品を組み合わせ
て構成しているため本体重量が比較的重いという課題が
あり、軽量化が要求されている。

【００１１】また、難燃性能を確保するために、ケーシ
ングを構成する材料を鋼板製としているため、コストが
高いという課題があり、低価格の商品を供給することが
要求されている。

【００１２】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、本体ケーシングを一体構造とすること
で、送風機より吹き出される吹出冷風が正規の吹出口以
外の部位から漏れることがなく、その構成素材が発泡性
樹脂材料であり断熱性能を有するので、ケーシング外側
に結露を生じにくく、材料費および作業コストを低減す
ることができ、さらに軽量化することができる空気調和
機を提供することを目的としている。

【００１３】そして、従来の空気調和機のパネルでは、
鋼板を組み合わせ、断熱材を外周部に貼り付けた構成で
あるため、比較的重量が重く、結露が発生しやすいとい
う課題があり、軽量化および断熱性能の向上が要求され
ている。

【００１４】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、本体重量を軽減することができ、また断
熱性能を向上することができる空気調和機の天井パネル
を提供する事を目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の空気調和機は上
記目的を達成するために、発泡性樹脂材料で成形した箱
状のケーシングで風路を形成したものである。

【００１６】本発明によれば本体ケーシングが一体構造
であるため、送風機より吹き出される吹出冷風が正規の
吹出口以外の部位から漏れることがなく、また、素材自
体が発泡性樹脂材料であり高い断熱性能を有するので、
ケーシング外側に結露を生じにくく、材料費および作業
コストを低減することができ、また、軽量化することが
できる空気調和機を提供できる。

【００１７】また他の手段は、ケーシングの発泡倍率を
内側から外側に順次小さくしたものである。

【００１８】そして本発明によれば、単一の部品で内側
の断熱性能と外側の強度を同時に満足することができ、
材料費および作業コストを低減できる空気調和機を提供
できる。

【００１９】また、他の手段は、本体内部の送風機を構
成するモーター取付板と熱交換器を構成する側板を、ケ
ーシングを貫通し、右左セットプレートと接合すること
により構造体を形成したものである。

【００２０】そして本発明によれば、強度を確保するた
めの鋼板部材を廃止でき、軽量化を図ることができる空
気調和機を提供できる。

【００２１】また、他の手段は、熱交換器にて凝縮され
た低温の凝縮水を排水するドレンパンを断熱するための
断熱体と、吸込空気と吹出冷風を仕切るための仕切体と
を発泡性樹脂材料で一体成形したものである。

【００２２】そして本発明によれば、材料費および作業
コストを、より低減できる空気調和機を提供できる。

【００２３】また他の手段は、送風機の発熱体近傍のケ
ーシング内面に金属箔を貼付したもである。

【００２４】そして本発明によれば、安価に難燃性能を
確保することができ低価格化できる空気調和機を提供で
きる。

【００２５】また本発明の空気調和機の天井パネルは上
記目的を達成するために吸込空気と吹出冷風を仕切り、
本体と嵌合するスリーブ部と、室内側に露出し、吹出冷
風を一定角度で吹出すためのグリル部とを一体の発泡性
樹脂材料で形成したものである。

【００２６】本発明によれば、本体重量を軽減すること
ができ、また断熱性能を向上することができる空気調和
機の天井パネルを提供できる。

【００２７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、本体内部に、送風機と、その風下側に熱交換器を設
け、その熱交換器の下部にドレンパン、仕切体とを備
え、発泡性樹脂材料で成形した箱状のケーシングによっ
て内部の風路と本体の外郭を同時に形成し、ケーシング
両外側面に鋼板製のセットプレートを備えた構成とした
ものであり、送風機より吹出される冷風が正規の吹出口
以外の部位から漏れることがないため結露を防止できる
という作用を有する。

【００２８】請求項２に記載の発明は、ケーシングの発
泡倍率を内側から外側に順次小さくしたものであり、一
部品で内側の断熱性能と外側の強度を同時に満足するこ
とができる。

【００２９】請求項３に記載の発明は、本体内部の送風
機を構成するモーター取付板と熱交換器を構成する側板
を、箱状のケーシングを貫通させながら左右のセットプ
レートと接合することで構造体の強度を確保したもので
あり、強度を確保するための鋼板部材を廃止できるとい
う作用を有する。

【００３０】請求項４に記載の発明は、熱交換器にて凝
縮された低温の凝縮水を排水するドレンパンを断熱する
ための断熱体と、吸込空気と吹出冷風の風路を分割形成
する仕切体とを発泡性樹脂材料で一体成形したものであ
り、簡単な構成で吸込空気と吹出冷風を風路的・熱的に
仕切ることができる。

【００３１】請求項５に記載の発明は、送風機を構成す
るモーター近傍のケーシング内面に金属箔を貼り付ける
ことにより難燃性能を向上させる構成としたものであ
り、発熱体が異常高温になった場合に金属箔により発泡
性樹脂材料を保護するという作用を有する。

【００３２】請求項６に記載の発明は、吸込空気と吹出
冷風の風路を分割形成するとともに本体と嵌合するスリ
ーブ部と、室内側に露出し吹出冷風を一定角度で吹出す
ためのグリル部とを発泡性樹脂材料で一体成形したもの
であり、吸込空気と吹出冷風を仕切る部分や、吹出冷風
が接触する部分が低温にならず、露付を防止するという
作用を有する。

【００３３】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。

【００３４】（実施例１）図１および図２に示すよう
に、風上側より天井パネル１と、本体２の内部上方に送
風機３と熱交換器４とを備え、前記熱交換器４の下側に
その熱交換器４により発生する凝縮水を排水するための
ドレンパン５を配設している。

【００３５】そして天井パネル１部が挿入される下方の
みが開口し、前記各要素部品を取り囲むように発泡性樹
脂材料にて箱形状に成型されたケーシング６を備えてい
る。

【００３６】また、ケーシング６の両側面に、上方に天
井吊下用の穴７および下方に天井パネル１、固定ねじ用
穴８を水平に曲げたフランジ部に備えた右セットプレー
ト９と、同様に加工された左セットプレート１０を備
え、さらに右セットプレート９、左セットプレート１０
を下方で連結させるための補強アングル１１を備えてい
る。

【００３７】上記構成において、発泡性樹脂材料の成型
品で形成した箱状のケーシング６で風路１２を形成する
こととなり、熱交換器４を通過した吹出冷風１３はケー
シング６から漏れることなく、下方の天井パネル１のス
リーブ部１４に導出され天井パネル１の吹出口１５より
室内へ吹出される。

【００３８】このように、本体ケーシングが一体構造で
あるため、送風機より吹き出される吹出冷風が正規の吹
出口以外の部位から漏れることがなく、また、素材自体
が発泡性樹脂材料であり高い断熱性能を有するので、ケ
ーシング外側に結露を生じにくく、材料費および作業コ
ストを低減することができ、また、軽量化することがで
きる。

【００３９】（実施例２）図３は、上記実施例１におけ
る図１および図２のケーシング６の発泡性樹脂材料の内
部断面の粒子２０の発泡倍率の変化による粒子構造を示
しており、本体２の内部側より本体２の外部側へ向かっ
て発泡倍率が徐々に小さくなるよう成形されていること
を示したものである。

【００４０】上記構成において単一部品で内側の断熱性
能と外側の強度を同時に満足することとなり、同一性能
を有するケーシングであれば、より薄肉化することがで
きる。

【００４１】（実施例３）図１に示すように、送風機３
はモーター取付板２５により固定され、このモーター取
付板２５と、熱交換器４に設けた側板２６が、ケーシン
グ６の両側面に設けられた切欠部２７を貫通して右セッ
トプレート９および左セットプレート１０に固定され、
さらに補強アングル１１が締結されている。

【００４２】上記構成において、本体２の強度は、モー
ター取付板２５と熱交換器４、右セットプレート９、左
セットプレート１０、および補強アングル１１により確
保することができ、強度を確保するための鋼板部材を廃
止可能となり、さらなる軽量化を図ることができる。

【００４３】（実施例４）図１および図２で示すよう
に、熱交換器４にて凝縮された低温の凝縮水を排水する
ドレンパン５を断熱するための断熱体３０と、吸込空気
３１と吹出冷風１３を仕切るための仕切体３２を発泡性
樹脂材料で一体成形したものである。なお、仕切体３２
は天井パネル１のスリーブ部１４が挿入されるだけの間
隔をケーシング６内面より確保する位置に設けている。

【００４４】上記構成において、天井パネル１の吸込口
３３より吸込まれ送風機３に誘引される間の風路３４
と、熱交換器４を貫通し冷やされた吹出冷風１３が天井
パネル１のスリーブ部１４に導入される間の風路３５を
完全に仕切ることができる。

【００４５】したがって、材料費および作業コストを、
より低減できる空気調和機を提供できる。

【００４６】（実施例５）図４に示すように、送風機３
を構成するモーター４０近傍のケーシング６の内面のう
ち、側面および天面に金属箔４１を貼り付け、モーター
取付板２５と前記金属箔４１により発熱体であるモータ
ー４０の周囲を金属材料で覆うようにしている。

【００４７】上記構成において、温度ヒューズの不動作
など、何らかの異常により、発熱体であるモーター４０
が異常高温になった場合に、金属箔４１で発泡性樹脂材
料を保護することになり、難燃性を向上することができ
る。

【００４８】なお、本実施例では発熱体近傍のみ処理を
施すこととしたが、内面全面にわたって金属箔の貼付処
理を施せば、安全性をさらに向上させることは言うまで
もない。

【００４９】（実施例６）図１および図２に示すよう
に、本体２ケーシング６の内面に嵌合し、吹出冷風１３
と吸込空気３１を仕切るためのスリーブ部１４と、室内
側に露出し、吹出冷風１３を一定角度で吹出すためのグ
リル部４５とを、一体の発泡性樹脂材料で形成した天井
パネル１と、その外周部に接合された、補強のための略
Ｌ字形状のアングルと、吸込空気３１の風上側より本体
２内部の目隠し用のパネル４６、および室内空気の粗塵
を除去するためのエアーフィルター４７により構成され
ている。

【００５０】上記構成において、天井パネル１を一体の
発泡性樹脂材料で形成したので風漏れがなく、グリル部
も鋼板製ではなく発泡性樹脂材料のため吹出冷風１３が
接触しても低温にならず結露も生じにくくなる。

【００５１】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば送風機より吹出される冷風が正規の吹出口以
外の部分から漏れることがないため結露を防止でき、さ
らに部品点数の削減化ができ、製造コストを下げること
ができ、また鋼板と断熱材料を貼り合わせた他の材料と
の組み合わせがないため、リサイクル性にも富んでい
る。

【００５２】また、本発明によれば本体のケーシングの
発泡倍率を本体内部側より外部側に徐々に小さくし、単
一の部品で内側の断熱性能と外側の強度を同時に満足す
るようにしたから、同等性能のものであればより薄肉化
でき、材料費の削減効果による低価格の空気調和機を提
供できる。

【００５３】また、本発明によれば、送風機を構成する
モーター取付板と熱交換器を構造体の一部分としたか
ら、強度を確保するための鋼板部品を廃止でき、材料費
の削減効果による低価格の空気調和機を提供できる。

【００５４】また、本発明によれば、ドレンパンの断熱
体と仕切体とを発泡性樹脂材料で一体成形したから、風
漏れのない、低コストの空気調和機を提供できる。

【００５５】また、本発明によれば、発熱体近傍のケー
シング内面に金属箔を貼付したから、発泡性樹脂材料の
ケーシングであっても難燃性能のある安全な空気調和機
を提供できる。

【００５６】また、本発明によれば、天井パネルのスリ
ーブ部とグリル部を発泡性樹脂材料で一体成形したか
ら、軽量でグリル部に結露のない、施工性の優れた空気
調和機の天井パネルを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１、実施例３、実施例４、実施
例６の空気調和機および天井パネルの構造を示す断面図

【図２】同斜視による構成部品展開図

【図３】本発明の実施例２の空気調和機の構造断面図お
よびケーシングの詳細断面図

【図４】本発明の実施例５の空気調和機の金属箔の貼付
位置を示す斜視図

【図５】従来の空気調和機および空気調和機の天井パネ
ルを示す一部透視を含む斜視図

【図６】同断面図

【符号の説明】

１ 天井パネル ２ 本体 ３ 送風機 ４ 熱交換器 ５ ドレンパン ６ ケーシング ９ 右セットプレート １０ 左セットプレート １２ 風路 １３ 吹出冷風 １４ スリーブ部 １５ 吹出口 ２５ モーター取付板 ２６ 側板 ３０ 断熱体 ３１ 吸込空気 ３２ 仕切体 ４０ モーター ４１ 金属箔 ４５ グリル部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体内部に、送風機と、その風下側に熱
   交換器を設け、その熱交換器の下部にドレンパン、仕切
   体とを備え、発泡性樹脂材料で成形した箱状のケーシン
   グによって内部の風路と本体の外郭を同時に形成し、ケ
   ーシング両外側面に鋼板製のセットプレートを備え、送
   風機より吹き出される吹出冷風が正規の吹出口以外の部
   位から漏れにくく結露を防止する構成とした空気調和
   機。
2. 【請求項２】 ケーシングの発泡倍率を内側から外側に
   順次小さくし、単一の部品で内側の断熱性能と外側の強
   度を同時に満足し、材料費および作業コストを低減した
   請求項１記載の空気調和機。
3. 【請求項３】 本体内部の送風機を構成するモーター取
   付板と熱交換器を構成する側板を、箱状のケーシングを
   貫通させながら左右のセットプレートと接合することで
   構造体の強度を確保した請求項１記載の空気調和機。
4. 【請求項４】 熱交換器にて凝縮された低温の凝縮水を
   排水するドレンパンを断熱するための断熱体と、吸込空
   気と吹出冷風の風路を分割形成する仕切体とを発泡性樹
   脂材料で一体成形した請求項１記載の空気調和機。
5. 【請求項５】 送風機を構成するモーター近傍のケーシ
   ング内面に金属箔を貼り付けることにより難燃性能を向
   上させる構成とした請求項１記載の空気調和機。
6. 【請求項６】 吸込空気と吹出冷風の風路を分割形成す
   るとともに本体と嵌合するスリーブ部と、室内側に露出
   し吹出冷風を一定角度で吹出すためのグリル部とを発泡
   性樹脂材料で一体成形した空気調和機の天井パネル。