JP2011133190A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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克章 長橋
Ryoji Sato
良次 佐藤
Hiroyasu Yoneyama
裕康 米山
Hideji Ohara
秀司 尾原
Hiroki Ota
裕樹 太田
Taichi Hirano
太一 平野
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Abstract

【課題】室内機据付後の化粧パネルの見栄えを良くすると共に化粧パネルの軽量化及びコスト低減を図る。
【解決手段】空気調和機の室内機は、下面に開口部を有する筐体30、この筐体の内部に収容された熱交換器33及び送風機35を備える室内機本体10と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネル1とを備える。化粧パネルには、室内機本体下面に設けられた吹出口32aに対向する位置に吹出ガイド3を備えている。前記吹出口の部分における室内機本体に設けた本体側嵌合部8と、前記化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部6とは垂直方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な前記両嵌合部の嵌合面隙間には該隙間をシールするパッキンが配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井に取付けられる空気調和機の室内機に関し、特に、天井埋込型室内機の化粧パネルの取付構造に関する。
近年、空気調和機は、材料費の高騰により製品コストが増加する傾向にあり、より一層のコスト低減が望まれている。製品コストを下げる手段としては、使用する部材の薄肉化、軽量化により使用する材料自体を低減することは効果的な手段の一つであり、使用材料低減による地球環境への負荷低減の面からも好ましい。
しかし、化粧パネルなどの薄肉化は強度低下をもたらし、変形などによって製品の見栄えが悪くなったり、最悪の場合破損するなどの課題を生じる。最近の業務用空気調和機の室内機としては、製品本体を天井内に収納すると共に化粧パネルだけを露出させた天井埋込型室内機が主流形態となっている。しかし、このような天井埋込型室内機においては、化粧パネルが変形すると天井面の合せ面との隙間が目立ち、見栄えが悪くなる。また、室内機本体と化粧パネルとの接続部において変形による風漏れが生じた場合、室内機内外の温度差による結露が生じてしまう。このため、従来は、室内機本体と化粧パネルとの合せ面に、風漏れと断熱を兼ねたパッキンを設け、化粧パネルが多少変形してもこれを吸収できる構造としている。
室内機の据付形態は、室内機本体を収納可能な開口部を設けた天井内に本体を吊り下げ、天井の前記開口部は、該開口部よりも一回り大きな化粧パネルにより塞ぐことで、本体と天井開口部が露出しないようにしている。室内機本体は、その下面が天井面と概ね同じ位置となるように吊り下げられ、化粧パネルと天井面との間に隙間が生じないように、その吊り下げ高さ位置が調整されるが、化粧パネルと天井面とを完全に一致させることは極めて難しい。取付調整に多くの時間を費やすと施工期間・費用が増加するため、数ミリ〜十数ミリ程度の調整ばらつきを許容できるように、室内機本体と化粧パネルとの合せ面に弾性変形可能なパッキンが設けられ、このパッキンの変形と化粧パネルの変形分により、ある程度柔軟に対応できるように工夫されている。
なお、この種従来技術としては特許文献1に記載のものなどがある。
特開2004−85002号公報
特許文献1に記載の発明は、化粧パネルを室内機本体に取付けた後でも、室内機本体の高さ調整を可能にするための開口を化粧パネルに備えると共に、高さ調整後に前記開口を塞ぐための化粧蓋を設ける技術が記載されている。このような構成とすることで、化粧パネルと天井面との合せ面の隙間を小さくでき、ある程度見栄えの良い施工は可能である。
しかし、化粧パネルと天井面との合せ面の隙間をなくすためには、生じた隙間を吸収するために、室内機本体と化粧パネルとの合せ面に設けたパッキンを厚いものにし、弾性変形量を大きくとれるようにして、ある程度の調整ばらつきを吸収できるようにする必要がある。即ち、前記パッキンの板厚を予め厚くし、パッキンの圧縮範囲を広くしておく必要がある。
前述したように、化粧パネルの変形も考慮する必要があるため、パッキンは化粧パネルの変形分も吸収して天井面との合せ面に隙間が生じないようにする必要がある。このため、前記パッキンの圧縮量も増大し、この圧縮量に応じて化粧パネルにはパッキンの反発力も加わり、化粧パネルの変形を更に増大させてしまう。
化粧パネルの変形を抑制するためには化粧パネルの強度を上げるのが望ましいが、強度を上げて変形量を減少させるに伴い、前記合せ面の隙間をなくすために、パッキンの圧縮量を増加させる必要があり、このため、パッキンの反発力が増加して、化粧パネルを変形させる荷重が増大する。従って、化粧パネルの強度を上げても、強度アップに見合う効果がパッキンの反発力増加によって打ち消されてしまい、化粧パネルは更に強度アップをしなければならず、化粧パネルの厚肉化や補強部材の追加等、化粧パネルの軽量化・低コスト化の足枷となっている。
本発明の目的は、室内機据付後の化粧パネルの見栄えを良くすることができると共に、化粧パネルの軽量化及びコスト低減も図ることのできる空気調和機の室内機を得ることにある。
本発明の他の目的は、室内機据付時の化粧パネルの高さ調整を容易に行うことができるようにして作業性を向上できる空気調和機の室内機を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、下面に開口部を有する筐体、この筐体の内部に収容された熱交換器及び送風機を備える室内機本体と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネルとを備える空気調和機の室内機において、前記化粧パネルには、前記室内機本体下面に設けられた吹出口に対向する位置に吹出ガイドを備え、前記吹出口の部分における室内機本体に設けた本体側嵌合部と、前記化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部とが垂直方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な前記両嵌合部の嵌合面隙間に該隙間をシールするパッキンを配設することを特徴とする。
本発明の他の特徴は、下面に開口部を有すると共に、内部に熱交換器、ドレンパン及び送風機を収容し、空調対象となる室(部屋)の天井開口部に配置して天井裏に取付け固定される室内機本体と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネルとを備える空気調和機の室内機において、前記ドレンパンは前記熱交換器の下部に配置されて熱交換器で発生するドレンを受けると共に前記送風機により吸込まれ前記熱交換器で熱交換された空気を下方に吹出すための吹出口を備え、前記化粧パネルには、前記ドレンパンの吹出口に対向する位置に、風向ルーバを備えた吹出ガイドを備え、前記吹出口の部分に設けた本体側嵌合部と、前記化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部とが上下方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な前記両嵌合部の嵌合面隙間に、この隙間の大きさに対応して弾性変形可能なパッキンを配設することにある。
上記において、前記筐体は略四角形で、この筐体の天板中央に前記送風機が配置され、この送風機の吹出側の周囲には前記熱交換器が配設され、前記送風機は、前記筐体下面中央に設けられた吸込口から吸込んだ室内空気を前記熱交換器側に吹出して熱交換させた後、前記吹出口及び吹出ガイドを介して前記室内に吹出す構成にすると良い。
また、前記本体側嵌合部を凹形状に構成すると共に、前記パネル側嵌合部を前記凹形状に係合する凸形状に構成すると良い。この場合、前記本体側嵌合部は、前記ドレンパン下面に設けた凹形状部と前記筐体の側板とで形成すると良く、更に、本体側嵌合部内に前記パッキンを配設し、このパッキンの前記筐体側の面は該筐体の側板に接するようにすると共に、このパッキンの吹出口側の面には前記化粧パネルの吹出ガイドに形成した凸形状のパネル側嵌合部を挿入して前記化粧パネルを前記室内機本体に取付けるようにすることが好ましい。
なお、前記本体側嵌合部を凸形状に構成すると共に、前記パネル側嵌合部を前記凸形状に係合する凹形状に構成し、この凹形状のパネル側嵌合部に前記凸形状の本体側嵌合部が挿入されることで前記化粧パネルを前記室内機本体に取付け、且つ前記本体側嵌合部の凸形状部内面を前記吹出ガイドの流路面の少なくとも一部として構成することも可能である。
本発明によれば、吹出口の部分における室内機本体に設けた本体側嵌合部と、化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部とが垂直方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な両嵌合部の嵌合面隙間に該隙間をシールするパッキンを配設する構成としたので、化粧パネルの高さ調節が容易に可能となり、室内機据付時の作業性と見栄えを良好にできると共に、パッキンの変形量で化粧パネルの高さ調整をするものではないから、化粧パネルを薄くしてもその変形を防止することが可能となる。従って、化粧パネルの軽量化が可能となり、コスト低減も図ることができる空気調和機の室内機を得ることができる。
本発明の実施例1を示す空気調和機の室内機の縦断面図。 図1の吹出口付近を拡大して示す要部拡大断面図。 図2に示す吹出ガイドの形状を説明する要部斜視図。 図2に示すドレンパンの吹出口部分の形状を説明するために斜め下方から見た要部斜視図。 本発明の実施例2を示す図で図2に相当する図。 本発明の実施例3を示す図で図2に相当する図。 従来の空気調和機の室内機を説明する縦断面図。 図7の室内機の構成を説明するために室内機を分解して示す下面図。 図7の吹出口付近を拡大して示す断面図。 パッキンの圧縮量に対する反発力を説明するための線図。 化粧パネルの強度(パネル変形量)を変えた場合に対するパッキンに必要な変形量(反発力)を説明するための線図。
本発明の実施例を説明する前に、まず本発明に関連する参考例を図7〜図9を用いて説明する。
図7は室内機の縦断面図で、この室内機は空調対象となる室(部屋)の天井開口部に配置され天井裏に吊り棒21を介して取り付けている状態を示す図である。また、図8は図7に示す室内機の構成を説明するために分解して示す下面図、図9は図7の吹出口付近を拡大して示す断面図である。これらの図において同一符号を付した部分は同一部位を示している。
空気調和機の室内機は、下面に開口部を有する筐体30と、この筐体30の内部に収容された熱交換器33、ドレンパン32及び送風機(ターボファン)35などを備える室内機本体と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネル1とで構成されている。
前記筐体30は略四角形で、この筐体の天板30a中央には、前記送風機35と、これを駆動するためのファンモータ34が設置され、前記送風機30の吹出側の周囲には前記熱交換器33が配設されている。前記ドレンパン32は前記熱交換器33の下部(下面)に配置され、熱交換器で発生するドレンを受けて保水すると共に、前記送風機35により吸込まれ前記熱交換器33で熱交換された空気を下方に吹出すための吹出口32aを備えている。なお、図7において、22は、前記筐体30の外面に取付けられ、室内機全体を吊り棒21を介して天井に吊り下げるための吊り金具、23は前記化粧パネルを取付用ボルト24を介して室内機本体10側に取り付けるための化粧パネル取付部である。また、31は筐体30に内張りされた発泡ケース(断熱材)、36は前記送風機35に空気を導くベルマウス、矢印90は空気の流れを示している。
前記化粧パネル1には、前記ドレンパン32の吹出口32aに対向する位置に、風向ルーバ2を備えた吹出ガイド3を備えている。
前記送風機30は、前記筐体下面中央に設けられた吸込口から吸込んだ室内空気を、図1の矢印90で示すように、前記熱交換器33側に吹出して熱交換させた後、前記吹出口32a及び吹出ガイド3を介して室内に吹出す構成としている。
4は前記化粧パネル1の中央に設けられている開閉可能な吸込グリルで、図7では少し開いた状態を示しているが、この吸込グリルは運転時には閉じた状態で使用される。この吸込グリル4にはエアフィルタ5が取付けられており、このエアフィルタ5を介して吸込グリル4から室内空気が前記送風機35に吸込まれる。
図8に示すように、前記ドレンパン32はドレンパン取付部25及びドレンパン取付用ボルト26を介して前記筐体30に取付けられて該筐体30内に収容されているが、前記化粧パネル1は室内機本体10とは別部品として筐体30の化粧パネル取付部23に化粧パネル取付用ボルト24を介して取付けられている。化粧パネル1と室内機本体10とは天井面20を基準にして、本体側の吹出口32aと化粧パネル側の吹出ガイド3とが接続されるような高さ位置に調整される。しかし、化粧パネル1の自重による変形、室内機本体の設置高さの調整誤差、部品寸法のばらつき等により、室内機本体側の吹出口部分と化粧パネル側の吹出口(吹出ガイド3に形成された吹出口)部分とを隙間無く完全に密着させて接続するのは難しく、この接続部には多かれ少なかれ隙間が生じてしまう。隙間が生じてしまうと、前記熱交換器で冷却された空気が前記隙間を通じて室内機外の天井裏などに漏れ、天井裏の暖かい空気を冷却するため室内機の外側などに結露を発生させ、室内に雫が落下したり、送風機からの吹出空気の一部が熱交換器33を通過せずにドレンパン32の下面から吹出口に漏れてしまう等の問題が発生する。このため、化粧パネルの変形、室内機本体設置高さの調整誤差、部品寸法のばらつき等を吸収できるように、パッキン7が、前記室内機本体側の吹出口部分と化粧パネル側の吹出口部分との間の隙間(化粧パネルとドレンパンとの当り面92や化粧パネルと筐体との当り面93)をシールするように設けられている。
図9により、化粧パネル1の取付構造及びパッキン7の配設位置を説明する。
化粧パネル1の四隅には脱着可能なコーナパネル9が設けられており、このコーナパネル9を取り外して、化粧パネル1は、筐体30の化粧パネル取付部23に取付用ボルト24を用いて固定されている。この化粧パネル1と、筐体30の下面に配設されたドレンパン32との間に隙間が発生しても、パッキン7を設けることで多少の調整誤差を吸収できる構造としている。
パッキン7の材料としては一般に発泡ゴム等が用いられるが、発泡ゴムなどのパッキンは、図10に示すように、圧縮歪みが小さい領域ではパッキンの反発力91(図9参照)は小さいが、圧縮歪が大きくなるに従い急激に反発力91が増加し、パッキン7は硬くなる。このパッキン7の反発力91は化粧パネル1を下方に押す方向に作用するため、化粧パネル1には変形が生じ、天井面20との間に隙間95が発生する。特に、化粧パネル1の外縁部の上下方向の隙間は、水平な天井面20との対比により非常に目立つため、著しく見栄えを損なう。このため、化粧パネル1の強度アップを図り、化粧パネル1を変形し難くする必要がある。なお、図9に示す94は化粧パネル取付用ボルト24の締付力を示している。
図11は、化粧パネルの強度を上げることで前記天井面20と化粧パネルとの間の隙間95(図9参照)をなくすようにした場合の、化粧パネルの変形量(天井面20との隙間)に対するパッキンの反発力の関係を説明する線図である。化粧パネルの強度が上がるほど化粧パネルの変形は小さくなるが、その分パッキン7の圧縮量(変形量)を増加させる必要があり、このため図11に示すように、パッキンの反発力が増加してしまう。結果として、化粧パネルを強度アップした効果の大半は反発力の増加で打ち消されてしまうため、化粧パネルは、パッキンの反発力が増加してもこれに打ち勝つだけの大幅な強度アップが必要となり、化粧パネルの重量が増加し、コストアップにもなってしまう課題が生じる。
以下、この課題を解決するための本発明の具体的実施例を図1〜図6を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1〜図4を用いて説明する。図1は空気調和機の室内機の据付状態を示す縦断面図、図2は図1の吹出口付近(化粧パネルとドレンパンの接続部付近)を拡大して示す要部拡大断面図、図3は図2に示す吹出ガイドの形状を説明する要部斜視図、図4は図2に示すドレンパンの吹出口部分の形状を説明するために斜め下方から見た要部斜視図である。これらの図において、同一符号を付した部分は同一部位を示し、また図7〜図9と同一符号を付した部分はそれらの図と同一又は相当する部分を示し、図7〜図9と同一構造の部分については説明を省略する。
図7に示すものと同様に、室内機本体10の下部にはドレンパン32が設けられ、このドレンパン32は熱交換器33の下部に配置されて熱交換器で発生するドレンを受けると共に、送風機35により吸込まれ熱交換器33で熱交換された空気を下方に吹出すための吹出口32aを備えている。また、化粧パネル1には前記ドレンパン32の吹出口32aに対向する位置に、風向ルーバ2を備えた吹出ガイド3が備えられている。筐体30の天板30a中央に配置された前記送風機35により、筐体下面中央に設けられた吸込口から吸込まれた室内空気は、前記熱交換器33に吹出され熱交換された後、前記吹出口32a及び吹出ガイド3を介して室内に吹出される。
この実施例では、前記ドレンパン32の吹出口32aを形成する下面部が、図2,図4に示すように、凹形状に構成され、この凹形状の部分が前記化粧パネル1と嵌合される本体側嵌合部8となっている。また、前記化粧パネル1における吹出口の流路を形成している吹出ガイド3の上面は、図2,図3に示すように、前記凹形状の本体側嵌合部8と嵌合するように凸形状に構成されたパネル側嵌合部6となっている。前記本体側嵌合部8とパネル側嵌合部6とは垂直方向(上下方向)にスライド可能な嵌め合い構造となっている。
更に、前記パネル側嵌合部6と本体側嵌合部8との嵌合面隙間には、この隙間の大きさに対応して弾性変形可能なパッキン7を配設している。室内機本体側及び化粧パネル側の寸法公差や組立公差内のばらつきにより前記嵌合面隙間の大きさは変わるが、隙間の大きさが変わっても前記パッキン7の変形(圧縮量)で吸収させることができる。
また、前記パネル側嵌合部6と本体側嵌合部8とは完全に嵌め合う必要はなく、数mm程度以上ラップさせれば十分シールできるので、パネル側嵌合部6の凸形状部の高さは、化粧パネル取付け時に必要な据付高さの調整代96(図2参照)を加味して設計することができる。即ち、前記凸形状部の高さを高くすれば、室内機本体側下面と化粧パネル1上面との隙間が大きくなっても、ドレンパンの吹出口32aと化粧パネルの吹出ガイド3との接続部のシールを容易且つ確実に行うことができる。なお、パネル側嵌合部6の凸形状部の高さを高くした場合、これに挿入される本体側嵌合部8の凹形状部の深さは前記凸形状部の高さに対応して深くする必要がある。
本実施例によれば、パッキン7の反発力91(図2参照)は水平方向となるため、パッキンの弾性変形による反発力で化粧パネル1を押し下げることはなく、図7に示すもののように、化粧パネルの変形による天井面20との隙間は殆ど生じない。パッキン7の圧縮量も、化粧パネル取付け時に必要な据付高さの調整代96を加味する必要がないから、両嵌合部6,8部分、即ち吹出ガイド3とドレンパン32の寸法公差と組立公差分だけを考えればよい。このように、パッキン7の圧縮代は現地の据付環境や作業者による設置精度の影響を受けないため、予め設計した公差範囲分だけの圧縮量を考慮すればよく、図2に示すパッキン7の反発力91も非常に小さくすることができる。従って、化粧パネル1の強度は、自重を支える程度の剛性があれば良く、薄肉化して軽量化することが容易に可能となり、軽量化により自重が軽減できるから、更なる軽量化も可能となる。
以上のように、本実施例の構成とすることにより、室内機据付時の室内機本体及び化粧パネルの設置高さ調整作業を効率良く行うことが可能になると共に、化粧パネル1の軽量化及びコスト低減も図ることができる空気調和機の室内機を得ることができる。
なお、図1、図3及び図4において、矢印90は空気の流れを示している。
図5は本発明の実施例2を示すもので、前記図2に相当する部分の図であって、化粧パネル1とドレンパン32との接続部分(吹出口32a付近)を拡大して示す図である。図5において、図1〜図4と同一符号を付した部分は同一又は相当する部分を示している。
この実施例は、前記吹出口32aの部分における室内機本体10に設けた本体側嵌合部8を、ドレンパン32の下面に設けた凹形状部と筐体30の側板30bとで形成するようにしたものである。この本体側嵌合部8内にはパッキン7が配設され、このパッキン7の前記筐体30側の面は該筐体の側板30bに接するようにすると共に、このパッキン7の吹出口側の面には前記化粧パネル1の吹出ガイド3に形成した凸形状のパネル側嵌合部6を挿入し、前記化粧パネル1を前記室内機本体10に取付けるようにしている。
即ち、本実施例では、筐体30の内壁面が、吹出ガイド3との嵌合部となっている。実施例1のものでは、吹出口32aと筐体側板30bの狭い寸法の範囲に凹形状の本体側嵌合部8と凸形状のパネル側嵌合部6とを設ける必要があり、これらの嵌合部の厚さを十分に取ることは難しく、これらの部分が折れ易くなってしまう。しかし、本実施例によれば本体側嵌合部8を筐体側板30bを用いて構成しているので、本体側嵌合部8に薄肉となるところがなくなり、凸形状のパネル側嵌合部6の厚さも十分にとることができるから、強度を著しく向上できる効果が得られる。
なお、本実施例においては、高さ調整代96の範囲内で、化粧パネル1の高さ位置を調整すると、化粧パネル1と室内機本体10との間隔が大きくなった場合には、筐体30の壁面(金属部分)が吹出口32a側に露出してしまうことも考えられる。金属製の筐体壁面が露出してしまうと、筐体30の内外空気の温度差により結露を発生してしまう。この結露を防止するため、本実施例では、パッキン7を化粧パネルの吹出ガイド3側(パネル側嵌合部)ではなく、筐体30側(本体側嵌合部)に設けるようにしている。
図6は本発明の実施例3を示すもので、前記図2、図5に相当する部分の図である。この図6において、図1〜図5と同一符号を付した部分は同一又は相当する部分を示している。
この実施例は、本体側嵌合部8を凸形状に構成すると共に、パネル側嵌合部6を前記凸形状に係合する凹形状に構成し、この凹形状のパネル側嵌合部6に前記凸形状の本体側嵌合部8が挿入されることで化粧パネル1を室内機本体10に取付け、且つ前記本体側嵌合部8の凸形状部内面を前記吹出ガイド3の流路面の少なくとも一部として構成しているものである。即ち、ドレンパン32の吹出口32aの部分に、化粧パネル1の吸込ガイド3側に突出するように突起部(凸形状部)を形成し、この突起部の流路面側を吹出ガイド3の流路の全域または一部として構成している。
近年は、居室空間との調和の観点から、空気調和機はできるだけ目立たないようにデザインされることを好む傾向にあり、化粧パネル1も薄形化する傾向にある。これに伴い、吹出ガイド3も薄形化した場合、パネル側嵌合部6の強度を確保できなかったり、パッキン7の反発力により、吹出ガイド3の位置がずれ易くなる場合がある。これに対し本実施例によれば、ドレンパン32側(本体側嵌合部8側)を凸形状(突起部)に形成し、ドレンパン32側で吹出ガイド側の流路も形成するようにしたことで、吹出ガイド3の強度低下や位置ずれを防ぐことが可能となる。
1 化粧パネル
2 風向ルーバ
3 吹出ガイド
4 吸込グリル
5 エアフィルタ
6 パネル側嵌合部
7 パッキン
8 本体側嵌合部
9 コーナーパネル
10 室内機本体
20 天井面
21 吊り棒
22 吊り金具
23 化粧パネル取付部
24,26 取付用ボルト
25 ドレンパン取付部
30 筐体(30a:天板、30b:側板)
31 発泡ケース
32 ドレンパン(32a:吹出口)
33 熱交換器
34 ファンモータ
35 送風機
36 ベルマウス
90 空気の流れ
91 パッキンの反発力
92 ドレンパンへの当り面
93 筐体への当り面
94 化粧パネル取付用ボルトの締付力
95 化粧パネルと天井面との隙間
96 据付高さの調整代。

Claims (7)

  1. 下面に開口部を有する筐体、この筐体の内部に収容された熱交換器及び送風機を備える室内機本体と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネルとを備える空気調和機の室内機において、
    前記化粧パネルには、前記室内機本体下面に設けられた吹出口に対向する位置に吹出ガイドを備え、
    前記吹出口の部分における室内機本体に設けた本体側嵌合部と、前記化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部とが垂直方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な前記両嵌合部の嵌合面隙間に該隙間をシールするパッキンを配設する
    ことを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 下面に開口部を有すると共に、内部に熱交換器、ドレンパン及び送風機を収容し、空調対象となる室(部屋)の天井開口部に配置して天井裏に取付け固定される室内機本体と、この室内機本体の下面に取付けられる化粧パネルとを備える空気調和機の室内機において、
    前記ドレンパンは前記熱交換器の下部に配置されて熱交換器で発生するドレンを受けると共に前記送風機により吸込まれ前記熱交換器で熱交換された空気を下方に吹出すための吹出口を備え、
    前記化粧パネルには、前記ドレンパンの吹出口に対向する位置に、風向ルーバを備えた吹出ガイドを備え、
    前記吹出口の部分に設けた本体側嵌合部と、前記化粧パネルの吹出ガイド上部に設けたパネル側嵌合部とが上下方向にスライド可能に構成され、このスライド可能な前記両嵌合部の嵌合面隙間に、この隙間の大きさに対応して弾性変形可能なパッキンを配設する
    ことを特徴とする空気調和機の室内機。
  3. 請求項1又は2において、前記筐体は略四角形で、この筐体の天板中央に前記送風機が配置され、この送風機の吹出側の周囲には前記熱交換器が配設され、前記送風機は、前記筐体下面中央に設けられた吸込口から吸込んだ室内空気を前記熱交換器側に吹出して熱交換させた後、前記吹出口及び吹出ガイドを介して前記室内に吹出す構成としたものであることを特徴とする空気調和機の室内機。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体側嵌合部を凹形状に構成すると共に、前記パネル側嵌合部を前記凹形状に係合する凸形状に構成したことを特徴とする空気調和機の室内機。
  5. 請求項4において、前記本体側嵌合部は、前記ドレンパン下面に設けた凹形状部と前記筐体の側板とで形成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
  6. 請求項5において、本体側嵌合部内に前記パッキンを配設し、このパッキンの前記筐体側の面は該筐体の側板に接するようにすると共に、このパッキンの吹出口側の面には前記化粧パネルの吹出ガイドに形成した凸形状のパネル側嵌合部を挿入して前記化粧パネルを前記室内機本体に取付けることを特徴とする空気調和機の室内機。
  7. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体側嵌合部を凸形状に構成すると共に、前記パネル側嵌合部を前記凸形状に係合する凹形状に構成し、この凹形状のパネル側嵌合部に前記凸形状の本体側嵌合部が挿入されることで前記化粧パネルを前記室内機本体に取付け、且つ前記本体側嵌合部の凸形状部内面を前記吹出ガイドの流路面の少なくとも一部として構成したことを特徴とする空気調和機の室内機。
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