JP2011185171A - 排気再循環機構の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】EGR弁22の開度を制御する排気再循環機構20の制御装置において、EGR弁22の目標開度を設定するためのパラメータを目標算出パラメータとし、この目標算出パラメータの変化量に対する目標開度の変化量の割合を開度変化率とし、EGR流量の変化を妨げるために行われるEGR弁22の制御を流量変化低減制御として、開度変化率が開度基準値よりも大きいときには開度変化率が前記開度基準値よりも小さいときと比較して、流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくする低減度合可変制御を行う。
【選択図】図1
Description
一般に排気再循環機構では、吸入空気量及び機関回転速度に基づいて目標EGR開度を設定し、実EGR開度を目標EGR開度に近づける制御を行う。
(1)請求項1に記載の発明は、EGR弁の開度を制御する排気再循環機構の制御装置において、前記EGR弁の目標開度を設定するためのパラメータを目標算出パラメータとし、この目標算出パラメータの変化量に対する前記目標開度の変化量の割合を開度変化率とし、EGR流量の変化を妨げるために行われる前記EGR弁の制御を流量変化低減制御として、前記開度変化率が開度基準値よりも大きいときには前記開度変化率が前記開度基準値よりも小さいときと比較して、前記流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくする低減度合可変制御を行うことを要旨とする。
図1に示すように、エンジン10の燃焼室11では、吸気通路12のスロットルバルブ13を介して供給された空気と燃料噴射弁14により噴射された噴射燃料との混合気に対して点火プラグ15による点火が行われる。そして、混合気の燃焼によりピストン16が往復運動し、この往復運動がクランクシャフト17の回転運動に変換される。燃焼後の混合気は排気として燃焼室11から排気通路18に送り出される。
即ち、図2に示すように、吸入空気量GAと機関回転速度NEと目標EGR開度ETATとの関係を示すマップから、そのときどきの吸入空気量GA及び機関回転速度NEから目標EGR開度ETATを算出する。そして実EGR開度ETARが算出された目標EGR開度ETATになるようにEGR弁22を制御する。
機関回転速度NEのうちの機関回転速度NE1は、運転領域がアイドル運転のときの機関回転速度の値を示している。機関回転速度NE13は、通常運転領域での最高の機関回転速度の値を示している。機関回転速度NE2〜NE12は、一定の間隔で順に増大する値を示している。
また吸入空気量GAの単位変化量当たりの目標EGR開度ETATの変化量(即ち、目標EGR開度ETATと実EGR開度ETARとの差の絶対値)の割合を「開度変化率VR」とする。
VR=|ETA2−ETA1|/|GA10−GA4|
により求められる。
(A)EGR弁22のハンチングの発生のおそれがあるときに実EGR開度ETARを保持する開度保持制御。
(B)開度変化率VRの大きさに応じて開度保持制御が行われるEGR弁22の開度領域の大きさを変更する領域変更制御。
(C)流量変化率VQの大きさに応じてEGR弁22の動作速度Vを変更する速度変更制御。
開度保持制御では、実EGR開度ETARの値を保持するための不感帯幅Hを設定する。不感帯幅Hが設定されることにより、実EGR開度ETARが目標EGR開度ETATから乖離していても実EGR開度ETARはそのときの開度に保持される。
EGR弁22のハンチングの発生のしやすさは開度変化率VRに応じて異なる。即ち、開度変化率VRが大きい運転領域では吸入空気量GAの微小な変化に対して目標EGR開度ETATが大きく変化するため、開度変化率VRが小さい運転領域と比較してEGR弁22のハンチングが生じやすい。
EGR弁22のハンチングのしやすさは流量変化率VQに応じて異なる。即ち、流量変化率VQが大きい運転領域では目標EGR開度ETATの変化に対してEGR流量が大きく変化するため、流量変化率VQが小さい運転領域と比較してEGR弁22のハンチングが生じやすい。
これにより、流量変化率VQが大きい領域にあるとき、即ちEGR弁22のハンチングが発生しやすいときにはEGR弁22の動作速度Vを小さくする。これにより、EGR弁22のハンチングが発生しやすいときにEGR流量の変化が小さくなるため、EGR弁22のハンチングが抑制されるようになる。
図3に示すグラフでは、縦軸を不感帯幅Hとし、横軸を開度変化率VRとしている。そして開度変化率VRを一定の間隔に区画するとともにその区画された領域毎に不感帯幅Hの値を設定している。
開度変化率VRが図3中のグラフの最小値VR1からこの値VR1より大きい値VR2までの領域である第1領域VRXでは、不感帯幅Hを最も小さい値H1として設定している。
開度変化率VRが値VR3から図3中のグラフの最大値VR4までの領域である第3領域VRZでは、不感帯幅Hを最も大きい値H3として設定している(即ち、H1<H2<H3)。なお各領域VRX〜VRZ内において不感帯幅Hの各値はそれぞれ一定である。
図4に示すグラフでは、縦軸をEGR弁22の動作速度Vとし、横軸を流量変化率VQとしている。そして目標EGR開度ETATを一定の間隔に区画するとともにその区画された領域毎にEGR弁22の動作速度Vの値を設定している。
流量変化率VQの値が図4中のグラフの最小値VQ1からこの値VQ1よりも大きい値である値VQ2までの領域である第1領域VQXでは、EGR弁22の動作速度Vを最も大きい値V1に設定している。
(1)本実施形態では、開度変化率VRが第3領域VRZにあるとき、即ちEGR弁22のハンチングが相対的に発生しやすいときには、開度変化率VRが第1領域VRXまたは第2領域VRYにあるとき、即ちEGR弁22のハンチングが相対的に発生しにくいときと比較して、EGR流量の変化を妨げる度合を小さくしている。これにより、吸入空気量GAの僅かな変化に伴いEGR流量が大きく変化する状況が生じにくくなるため、EGR弁22のハンチングが生じる頻度を低減することができる。これは、開度変化率VRが第2領域VRYにあるときと第1領域VRXにあるときとの比較の場合も同様である。
しかしながら、体格の大きいEGR弁を動作させるためのアクチュエータとして上記ステップ式モータを用いた場合には、モータの1ステップ当たりのEGR弁の動作量が大きくなるため、上記1ステップ当たりのEGR量が増大するようになることにより、EGR流量の変化量が大きくなる。その結果、EGR弁22のハンチングが生じやすくなってしまう。
本発明の排気再循環機構の制御装置の具体的な構成は、上記実施形態に例示した構成に限定されることなく、例えば以下のように変更することもできる。また以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
Claims (6)
- EGR弁の開度を制御する排気再循環機構の制御装置において、
前記EGR弁の目標開度を設定するためのパラメータを目標算出パラメータとし、この目標算出パラメータの変化量に対する前記目標開度の変化量の割合を開度変化率とし、EGR流量の変化を妨げるために行われる前記EGR弁の制御を流量変化低減制御として、
前記開度変化率が開度基準値よりも大きいときには前記開度変化率が前記開度基準値よりも小さいときと比較して、前記流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくする低減度合可変制御を行う
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。 - 請求項1に記載の排気再循環機構の制御装置において、
前記流量変化低減制御では、前記EGR弁の目標開度と実開度との差の絶対値が所定値よりも小さいときに前記EGR弁の開度を保持することにより、EGR流量の変化を妨げるものであり、
前記低減度合可変制御では、前記開度変化率が前記開度基準値よりも大きいときの前記所定値を前記開度変化率が前記開度基準値よりも小さいときの前記所定値よりも大きくすることにより、前記流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくするものである
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。 - EGR弁の開度を制御する排気再循環機構の制御装置において、
前記EGR弁の目標開度を設定するためのパラメータを目標算出パラメータとし、この目標算出パラメータの変化量に対する前記目標開度の変化量の割合を開度変化率とし、EGR流量の変化を妨げるために行われる前記EGR弁の制御を流量変化低減制御として、
前記開度変化率が大きくなるにつれて前記流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくする低減度合可変制御を行う
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。 - 請求項3に記載の排気再循環機構の制御装置において、
前記流量変化低減制御では、前記EGR弁の目標開度と実開度との差の絶対値が所定値よりも小さいときに前記EGR弁の開度を保持することにより、EGR流量の変化を妨げるものであり、
前記低減度合可変制御では、前記開度変化率が大きくなるにつれて前記所定値を大きくすることにより、前記流量変化低減制御におけるEGR流量の変化を妨げる度合を大きくするものである
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気再循環機構の制御装置において、
前記目標算出パラメータとして吸入空気量を用いる
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気再循環機構の制御装置において、
前記EGR弁の目標開度の変化量に対するEGR流量の変化量の割合を流量変化率として、
この流量変化率が流量基準値よりも大きいときには、前記流量変化率が前記流量基準値よりも小さいときと比較して、前記EGR弁の動作速度を小さくする
ことを特徴とする排気再循環機構の制御装置。
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