JP2011184173A - シート搬送装置および液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの剛性に応じてローラーの押圧力を変化させることにより、高精度な搬送が実現できるとともに、シートの表面が強い押圧力で擦られて損傷することを抑制できるシート搬送装置、および液体噴射装置を提供する。
【解決手段】用紙を固定ローラー31と変位ローラー32との間に挟持しつつ通過させることで用紙を搬送するシート搬送装置100であって、変位ローラーを固定ローラー側に押し付けて、固定ローラーと変位ローラーとの間に挟持された用紙を押圧するばね35と、用紙の厚さに対応する固定ローラーと変位ローラーとの間の基準離間距離DSを記憶した記憶部52と、用紙が搬送されているときの固定ローラーと変位ローラーとの間の実離間距離DAを測定する実離間距離測定部53と、測定された実離間距離と記憶された基準離間距離との差異に基づいて用紙を押圧する押圧力を制御する押圧力制御部54と、を備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート搬送装置およびこのシート搬送装置を備えた液体噴射装置に関する。
例えば液体噴射ヘッドから液体(例えばインク)を噴射して、噴射対象物となるシート状の記録媒体の表面に所定の画像(文字や図形などを含む)を記録する液体噴射装置が知られている。そして液体噴射装置には、シート状の記録媒体(例えば用紙)を、液体噴射ヘッドに対して相対的に搬送する搬送装置(以降、これを「シート搬送装置」と呼ぶ)が備えられている。このようなシート搬送装置は、通常一対のローラー間にシート状の記録媒体(以降、単に「シート」と呼ぶ)を挟持し、その一対の一方のローラーから他方のローラーに対して押圧力を印加しながら回転することによって、シートを安定して保持しつつローラー間を通過させて搬送するように構成されている。
このような搬送装置において、シートを安定して高精度に搬送するためには、シートの剛性に応じてローラーの押圧力を変化させることが必要であり、シートに対するローラーの押圧力が適当でないと搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定が発生する。また、表面がローラーによって押圧された状態でシートが搬送されると、その押圧力によっては、シートの表面がローラーによって擦られて損傷し、損傷によって剥離したシートの素材粉が表面に発生することがある。例えば、シートが用紙の場合であれば「紙粉」や「紙の削りかす」などが発生する。そして、このような素材粉がシートと共に搬送されると、液体噴射ヘッドから噴射された液体がシート表面へ付着することを妨げたり、あるいは液体噴射ヘッドに付着して液体の噴射を妨げたりすることによって、画像が正しく記録されないことが生じてしまうこともある。
従って、高精度な搬送を実現し、高品位な画像を形成するためには、シート剛性に応じて押圧力を変化させることが重要である。このためには、シート剛性を測定する必要があり、そのような技術の一つとして、特許文献1には紙(シート)の剛性に応じて変位する従動子を用いて剛性を測定する技術が開示されている。
特開2004−83162号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、シートを搬送するローラー部分と離れた位置に設けられた測定手段を用いて、シート剛性を測定するものである。このため、シート剛性の測定位置からローラーに到達する間において、乾燥や吸湿が生じることによりシートに含まれる水分量が変化する場合がある。このような場合、測定されたシート剛性と、シートに対して押圧力を加えるローラーを通過しているときのシート剛性とが異なってしまうことが起きる。従って、ローラーを通過するときのシート剛性を測定し、測定したシート剛性に応じた押圧力でシートを押圧することによって、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができるシート搬送装置が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためなされたものである。その主な目的は、一対のローラー間にシートを挟持し、その一対の一方のローラーから他方のローラーに対して押圧力を印加しながら回転することによって、シートを搬送する構成において、シートの剛性に応じてローラーの押圧力を変化させることにより、高精度な搬送が実現できるシート搬送装置を提供することにある。また、液体噴射ヘッドによるシートへの印刷に対する影響を排除することができる液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のシート搬送装置は、シートを固定ローラーと変位ローラーとの間に挟持しつつ通過させることで前記シートを搬送するシート搬送装置であって、前記変位ローラーを前記固定ローラー側に押し付けて、前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間に挟持された前記シートを押圧する押圧手段と、前記シートの厚さに対応する前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の基準離間距離を記憶した記憶手段と、前記シートが搬送されているときの前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定する測定手段と、測定された前記実離間距離と記憶された前記基準離間距離との差異に基づいて前記押圧手段を制御して前記シートを押圧する押圧力を制御する制御手段と、を備えた。
固定ローラーと変位ローラー間の離間距離は、この間に挟まれたシートの剛性によって変化する。従って、この構成によれば、シートの剛性によって押圧力を制御することができるので、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができる。また、シートの表面が強い押圧力によって擦られて損傷することを抑制できる。
本発明のシート搬送装置において、前記制御手段は、前記実離間距離と前記基準離間距離との前記差異が予め定められた閾値以内であった場合、前記押圧力を弱くするように前記押圧手段を制御する。
この構成によれば、シートが固定ローラーと変位ローラーとの間に挟持される段階において、シートは変位ローラーから強く押し付けられるので、シートの剛性に依存せず強い押圧力で挟持されて搬送される。その後、剛性の低いシートに対しては、搬送中弱い押圧力で押し付けることができるので、シートを確実に搬送するとともに、シートが強い押圧力で擦られて損傷することを抑制できる。
本発明のシート搬送装置において、前記シートの厚さを特定する厚さ特定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記特定された厚さに対応する前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の前記基準離間距離を記憶している。
この構成によれば、搬送されるシート毎に、そのシート厚を特定することができるので、変位ローラーはシート毎に適切な押圧力でシートを押し付けることができる。従って、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制できる。
本発明のシート搬送装置において、前記変位ローラーのローラー回転軸を固定した状態で1つの軸回りに回動可能な保持部を備え、前記測定手段は、前記保持部が前記1つの軸回りに回動することによって前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の距離の変化が増幅して変化する前記保持部の特定部分において、前記特定部分の変位量を測定することによって、前記シートが搬送されているときの前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定する。
この構成によれば、前記シートが搬送されているときの固定ローラーと変位ローラーとの間の実離間距離を、回動する保持板の特定部分の変位量によって容易に測定することができる。
本発明のシート搬送装置において、前記押圧手段は、前記保持部を前記1つの軸回りに回転させる付勢力を与える付勢手段と、前記付勢手段の付勢力を調節する調節機構と、を備え、前記制御手段は、前記調節機構を制御して前記付勢手段の付勢力を調節することによって前記シートを押圧する押圧力を制御する。
この構成によれば、変位ローラーを付勢手段によって直接付勢することなく、保持部を付勢して1つの軸回りに回転させることで、変位ローラーによってシートを押圧することができる。従って、押圧手段のための構成を別途設ける必要がないことから搬送装置を小型化することができるとともに、保持部を回転させる付勢力を調節することで変位ローラーの押圧力を適切に調節することができる。
本発明のシート搬送装置において、前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間を通過した前記シートが、前記固定ローラーと前記変位ローラーとが前記シートを挟持可能な位置よりも前記シートが搬送される方向の下流側において当接する当接部を備え、前記測定手段は、前記シートの少なくとも一部分が前記当接部に当接した状態で、前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定する。
この構成によれば、固定ローラーと変位ローラーに挟持された状態にあるシートにおける少なくとも一部分が、その挟持された位置よりも搬送方向の下流側において当接部に当接した状態となることによって、搬送中におけるその搬送姿勢が凡そ一定となる。従って、前記シートが搬送されているときの固定ローラーと変位ローラーとの間の実離間距離を安定して測定することができるので、変位ローラーはシートをより適切な押圧力で押し付けることができる。従って、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制できる。
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成を有するシート搬送装置と、を備えた液体噴射装置であって、前記シートは用紙であり、前記固定ローラーは駆動ローラーであり、前記変位ローラーは従動ローラーであり、前記当接部は前記シートに対して前記液体噴射ヘッドと反対側に位置するプラテンである。
この液体噴射装置によれば、例えば、プラテンに搬送される直前の吸湿状態に依存した用紙の剛性に応じて、従動ローラーの押圧力を制御することができるので、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができる。また、用紙の表面が強い押圧力によって擦られて損傷したり紙粉などが発生したりするようなことを抑制できる。この結果、駆動ローラーと従動ローラーとの間を通過してプラテン上を搬送される用紙において損傷や紙粉などの発生が抑制されるので、液体噴射ヘッドによるシートへの印刷に対する影響を排除することができる。
液体噴射装置の実施形態となるプリンターの斜視図。 本実施形態のシート搬送装置の構成を説明する説明図。 シート搬送装置における押圧力の制御に関する構成を示した説明図。 プリンターにおいて実際に行われる用紙搬送処理動作を示す処理フロー図。 (a)は用紙の剛性が高い場合の搬送状態、(b)は用紙の剛性が低い場合の搬送状態、を示す説明図。 用紙の押圧力の制御例を示した押圧力テーブル。
本発明を、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」と略す場合もある)が備えるシート搬送装置において具体化した実施形態について、以下図を用いて説明する。
図1は、外装ケースを取り外した状態の本実施形態のプリンター11の斜視図を示す。図示するように、プリンター11は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース12を備え、この本体ケース12内に架設されたガイド軸13にはキャリッジ14が主走査方向(図1におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ14が背面側で固定された無端状のタイミングベルト15は、本体ケース12の背板内面上に配設された一対のプーリー16,17に巻き掛けられている。そして、一方のプーリー16と一体で回動するように連結されたキャリッジモーター18が正逆転駆動されることにより、キャリッジ14は主走査方向Xに往復動する構成となっている。
キャリッジ14の下部には、液体としてのインクを噴射する液体噴射ヘッド19が設けられ、さらに本体ケース12内において液体噴射ヘッド19と対向する下方位置には、液体噴射ヘッド19とシートとしての用紙Sとの間隔を規定するプラテン20が主走査方向Xに延びる状態で配置されている。また、キャリッジ14の上部には、インクが収容されたインクカートリッジ21が着脱可能に装填されている。液体噴射ヘッド19は、インクカートリッジ21から供給されたインクをノズルから噴射する。
プリンター11の背面側には、給紙トレイ23が設けられ、給紙トレイ23上に積重された用紙Sは、給紙ローラー24(図2参照)によって1枚ずつ副走査方向Y(搬送方向の上流側から下流側)に供給されるようになっている。また、図1において右側下部に示したように、本体ケース12には紙送りモーター25が配設され、この紙送りモーター25が駆動されることにより、給紙ローラー24及びシート搬送装置を構成する紙送りローラー31(図2参照)が駆動されて、用紙Sが副走査方向Yへ搬送される。このとき、搬送される用紙Sは、液体噴射ヘッドとの間で所定量離間するように、前述したプラテン20に対して当接しながら搬送されるようになっている。
また、プリンター11には、キャリッジ14の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー26がガイド軸13に沿って延びるように架設されている。このリニアエンコーダー26の出力パルスを用いて、キャリッジ14の移動位置、移動方向及び移動速度に関するデータが求められ、この求められたデータに基づいて、キャリッジ14の主走査方向Xにおける速度制御及び位置制御が行われる。そして、キャリッジ14を主走査方向Xに往復移動させながら液体噴射ヘッド19のノズルから用紙Sに向けてインクを噴射する印刷動作と、用紙Sを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する紙送り動作とによって、用紙Sに文字や画像等の印刷が施されるようになっている。
また、プリンター11には、CPUやASICおよびメモリーなどによって構成され、このような印刷動作と紙送り動作を制御する制御回路が組み込まれた図示しない回路基板が、制御装置50(図3参照)として備えられている。本実施形態のプリンター11では、制御装置は後述するように、シート搬送装置を構成する従動ローラー32(図2参照)の押圧力を制御する。
次に、プリンター11が備えるシート搬送装置100の構成について、図2を用いて説明する。図示するように、シート搬送装置100は、プラテン20に対して搬送方向(副走査方向Y)の上流側となる位置に、紙送りモーター25から動力伝達ベルト27を介して伝達される駆動力によって回転軸31a回りに回転駆動される駆動ローラー及び固定ローラーとしての紙送りローラー31を備えている。また、紙送りローラー31との間で用紙Sを挟持しつつ通過させることによって、紙送りローラー31の回転に従動して回転軸32a回りに回転する従動ローラー32と、用紙Sを搬送時に案内するため副走査方向Yに沿った平坦なガイド面28aを有するガイド28とが設けられている。従動ローラー32は、その回転軸32aが保持部としての保持板33に固定されている。保持板33は、本体ケース12などに固定されるなどにより紙送りローラー31に対して相対固定された回転軸33aを中心に揺動可能に構成されている。従って、従動ローラー32は、この保持板33の揺動に伴って、紙送りローラー31に対して変位する変位ローラーである。
保持板33は、回転軸33aから見て回転軸32aが固定された側と反対側に、軸33bと、所定幅で直線状に細長く延びた延在部33cと、が設けられている。そして延在部33cの先端には、等間隔で複数の開口孔が形成された端部33dが形成されている。なお、本実施形態では、図示するように、保持板33は、回転軸32aと回転軸33aとの間の距離L1に対して、端部33dの略開口孔中心と回転軸33aとの間の距離L2が長くなるように形成されている。従って、保持板33が回転軸33a回りに揺動したとき、端部33dの変位は従動ローラー32の変位に対してL2/L1倍に増幅されるようになっている。
軸33bには、付勢手段としてのコイル状のばね35の一端が回動自在に固定されている。また、ばね35の他端は、本体ケース12に固定されたフレーム34に設けられた案内穴34aに摺接しながら移動可能に設けられた軸36に回動自在に固定されている。そして、ばね35は、常に縮もうとする収縮力が発生するようになっており、保持板33を従動ローラー32が紙送りローラー31側に近づく方向(図2では反時計方向)に回転軸33aを中心にして揺動させる。この結果、従動ローラー32は用紙Sを押圧する。従って、ばね35は、保持板33を揺動させて従動ローラー32を用紙Sに押圧させる押圧手段として機能する。なお、本実施形態では、軸36は用紙Sが紙送りローラー31によって搬送される初期の状態では、収縮力が最大になる位置(図2では案内穴34aの最も左側の位置)に配置される。
また、このシート搬送装置100には発光部と受光部(いずれも不図示)が形成された検出器38が備えられている。検出器38は、端部33dに設けられた開口孔に対して、その両側(図面では表裏側)にそれぞれ発光部と受光部が位置するように配設され、変位を測定する所謂エンコーダーとして機能するようになっている。すなわち、端部33dが変位すると、開口孔が検出器38に対して相対移動するので発光部からの光を遮断させたり通過させたりする。この結果、受光部が受ける光は断続したパルスとなり、このパルス数から変位量が求められるのである。
このように構成されたシート搬送装置100において、用紙Sは次のように搬送される。すなわち、給紙ローラー24によって供給された用紙Sは、その用紙Sにおける搬送方向下流側の先端部分がガイド28のガイド面28aによって案内され、ガイド面28aの面方向に沿って移動して紙送りローラー31と従動ローラー32との間に挿入される。このとき、従動ローラー32は、ばね35によって紙送りローラー31側へ押圧されているので、紙送りローラー31と従動ローラー32との間に挟持された用紙Sは従動ローラー32によって押圧される。すると、図示するように、原理的に従動ローラー32の回転軸32aの中心と紙送りローラー31の回転軸31aの中心とを結ぶ直線Mに対して凡そ直交する方向に搬送される。
このとき、本実施形態のシート搬送装置100では、この直線Mの方向は、ガイド28のガイド面28aの垂直方向から傾いた方向になっている。つまり、紙送りローラー31に対する従動ローラー32の位置が、直線Mと用紙Sの搬送方向(副走査方向Y)との成す角度が90度よりも小さい角度θになるように配置されている。この結果、紙送りローラー31の回転によって搬送された用紙Sは、プラテン20の液体噴射ヘッド19側の用紙支持面20aに対して斜めから当接するようになっている。こうすることによって、用紙Sはこの用紙支持面20aに対して常に押し付ける力が発生するので、用紙支持面20aに安定して支持される。
その後、プラテン20に搬送された用紙Sは、ガイド28のガイド面28aと略平行に形成されたプラテン20の用紙支持面20aに押し付けられつつ移動することによって搬送方向に送られる。このとき、キャリッジ14に設けられた液体噴射ヘッド19から搬送される用紙Sに対してインクが噴射されたのち、同じく紙送りモーター25によって駆動される排紙ローラー41と排紙従動ローラー42とによってプリンター11外へ排紙されるようになっている。
さて、このように用紙Sを搬送するように構成されたシート搬送装置100において、紙送りローラー31によって搬送されるときの用紙Sの剛性に応じて、従動ローラー32の押圧力を制御するように構成されている。この構成について図を用いて説明する。
図3は、シート搬送装置100における押圧力の制御に関する構成を示した説明図である。前述するようにプリンター11に備えられた制御装置50は、CPUやASICおよびメモリーが所定のプログラムやロジックによって回路動作することによって、厚さ特定部51、記憶部52、実離間距離測定部53、および押圧力制御部54として機能する。そして、各部は以下のように動作することによって、従動ローラー32の用紙Sに対する押圧力を制御するように構成されている。
厚さ特定部51は、シート搬送装置100に供給される用紙Sの厚さを特定する厚さ特定手段として機能する。具体的には、例えば、プリンター11に設けられた厚さ測定装置(不図示)によって得られた用紙厚データDTを取得して特定する。あるいは、プリンター11に設けられた入力手段(不図示)によってユーザーが入力した用紙の厚さを指定する用紙厚データDTを取得して特定する。または、使用する用紙サイズ毎に予め用紙厚さを規定した用紙厚データDTを用意し、プリンター11に入力される印刷データに含まれる用紙サイズによって定まる用紙厚データDTを取得して特定するようにしてもよい。
記憶部52は、厚さ特定部51が特定する用紙Sの厚さに対応する紙送りローラー31と従動ローラー32との間の離間距離であって、剛性を考慮しない用紙が容易に曲がる場合の離間距離を基準離間距離DSとして記憶する記憶手段として機能する。具体的には、プリンター11において使用される対象となる用紙Sの厚さと同じ材質と厚さを有する紙片を、各ローラーにおいて当接する部分のみに挟持させたとき、紙片を押圧する従動ローラー32と紙送りローラー31との間の実離間距離を予め測定する。このように測定することによって原理的に用紙Sの剛性による影響が排除されるので、測定された実離間距離を基準離間距離DSとして記憶するのである。なお測定は、次に説明する実離間距離測定部53によって予め行われる。また、本実施形態では、このときの押圧力は、実際に搬送される用紙Sが紙送りローラー31と従動ローラー32との間に挿入開始される初期の状態に発生する従動ローラー32の押圧力としている。
実離間距離測定部53は、実際に用紙Sが搬送されたときの紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離(以降、これを「実離間距離DA」と呼ぶ)を、従動ローラー32の変位が増幅された保持板33の端部33dの変位量によって測定する。具体的には、従動ローラー32が用紙Sを介さず紙送りローラー31に直接当接した状態から、用紙Sが紙送りローラー31と従動ローラー32との間に挟持されている状態に到るまでの変位量を、保持板33の端部33dの変位量によって測定する。すなわち、検出器38から出力されるパルス数を用いて変位量を算出することによって、実離間距離DAを測定するのである。こうすることで、従動ローラー32の変位量を精度よく測定することができる。こうして、実離間距離測定部53は、端部33dの変位と検出器38の出力とを用いることによって測定手段として機能する。
押圧力制御部54は、基準離間距離DSと実離間距離DAとに基づいて、従動ローラー32の押圧力を制御する。具体的には、ばね35の付勢力(ここでは収縮力)を変化させることによって、保持板33の回転軸33a回りの回転トルクを変化させ、従動ローラー32の押圧力を制御する。本実施形態では、ばね35の一端が固定されている軸36の位置を、案内穴34aにおいて偏心カム37を用いて変化させるように構成されている。すなわち、偏心軸37aと一体に回転する図示しないモーターの回転に伴って偏心カム37が回転すると、軸36は、ばね35の収縮力の作用によって、偏心カム37の外形に当接しつつ移動するように構成されている。従って、押圧力制御部54は、基準離間距離DSと実離間距離DAとに基づいて偏心カム37を回転させることで軸36の位置を移動させ、ばね35の収縮力を変更することによって従動ローラー32の押圧力を制御する。
なお本実施形態では、用紙Sが紙送りローラー31によって搬送される初期の状態では、前述するように軸36は収縮力が最大になる位置(図3では案内穴34aの最も左側の位置)に配置される。これは、用紙Sの剛性に関わらず、紙送りローラー31によって確実に用紙Sを搬送できるように、従動ローラー32の初期の押圧力を最大にするためである。そして、偏心カム37の回転に伴って、軸36は、ばね35の収縮力が少なくなる方向(図3では図面右側方向)に移動するようになっている。この結果、保持板33の反時計方向への回転トルクが減少して、従動ローラー32の押圧力が減少するように制御される。従って、偏心カム37と軸36とは、ばね35の収縮力を調節する調節機構を構成するとともに、押圧力制御部54は、この調節機構を動作させて、従動ローラー32の用紙Sに対する押圧力を制御する制御手段として機能する。
次に、このように従動ローラー32の押圧力の制御ができるように機能構成されたシート搬送装置100を備えたプリンター11において、実際に行われる用紙搬送処理の動作を、図4に示した処理フローに基づいて説明する。
図示するように、用紙Sが搬送開始されると、まず用紙厚さを特定する(ステップS101)。ここでは、厚さ特定部51がプリンター11に入力される印刷データに含まれる用紙サイズによって定まる用紙厚データDTを取得して特定する。次に、基準離間距離DSを読出す(ステップS102)。押圧力制御部54は、特定された用紙Sの厚さに対応する基準離間距離DSを、記憶部52に記憶された基準離間距離のデータから読み出す。
次に、実離間距離DAを測定する(ステップS103)。実離間距離測定部53は、搬送される用紙Sにおいて、搬送方向下流側に位置する先端部分が紙送りローラー31と従動ローラー32との間を通過してプラテン20に当接したタイミングで、実離間距離DAを測定する。ここでは、実離間距離測定部53は、用紙Sの先端がプラテン20に当接するタイミングを、紙送りローラー31の外径と回転数、あるいはプリンター11に備えられた図示しない用紙端検出センサーからの出力信号などを用いて算出する。
次に、実離間距離DAと基準離間距離DSとの差異を算出する(ステップS104)。押圧力制御部54は、測定された実離間距離DAと読み出された基準離間距離DSとの差異を算出する。この差異が、用紙Sの剛性が高いか低いかを凡そ表すことになる。この理由を、図5を用いて説明する。なお、図5では、説明の都合上、紙送りローラー31および従動ローラー32を誇張して図示している。
図5において、(a)は用紙Sの剛性が高い場合の搬送状態を示し、(b)は用紙Sの剛性が低い場合の搬送状態を示している。また、(a)、(b)のそれぞれにおいて、左側の図は用紙Sの先端部分がプラテン20に当接を開始した状態を示し、右側の図は用紙Sの先端部分がプラテン20との当接を終了した状態を示している。
図5(a)(b)それぞれにおいて図示するように、用紙Sがプラテン20と当接していれば、いずれの状態においても、搬送中における搬送姿勢が凡そ一定となる。すなわち、紙送りローラー31と従動ローラー32の回転中心を結ぶ直線Mが搬送方向に対して傾いていることから、用紙Sは、その搬送方向下流部分が当接部20cにおいてプラテン20と当接した状態となったとき、搬送中における搬送姿勢が凡そ一定となるのである。
このとき、図5(a)左側の図に示すように、用紙Sが剛性の高い硬い用紙である場合は、次のようになる。すなわち、プラテン20と当接している状態において従動ローラー32の押圧力による用紙Sの変形(曲がり)が少ないことから、用紙Sは、紙送りローラー31に対しては、直線Mから搬送方向の上流側に少し外れた位置31cにおいて当接し、従動ローラー32に対しては、直線Mから搬送方向の下流側に少し外れた位置32cにおいて当接する。従って、紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAは、用紙Sの厚さ、すなわち基準離間距離DSよりも大きな値を有する実離間距離D1となる。言い換えれば、実離間距離DAと基準離間距離DSとの差異が、用紙Sの剛性の高さを凡そ表すことになるのである。
本実施形態では、図5(a)右側に図示した用紙Sの先端部分がプラテン20を通過した状態における紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離D2も、実離間距離D1と凡そ同じであるものとしている。もとより、用紙Sの剛性に起因して、当接部20cの位置が移動するなどによりプラテン20との当接後に用紙Sの曲がり形状が変化する場合は、この変化する形状を考慮して実離間距離DAを測定するタイミングを決定することが好ましい。
一方、図5(b)左側の図に示すように、用紙Sが剛性の低い柔らかい用紙である場合は、プラテン20と当接している状態において従動ローラー32の押圧力によって用紙Sは容易に変形する(曲がる)。この結果、用紙Sは、紙送りローラー31に対しては、ほぼ直線Mの線上近傍の位置31dにおいて当接し、従動ローラー32に対しても、ほぼ直線Mの線上近傍の位置32dにおいて当接する。従って、紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAは、用紙Sの厚さ、すなわち基準離間距離DSにほぼ等しい値を有する実離間距離D3となる。なお、用紙Sが柔らかい用紙の場合は、図5(b)右側に図示した用紙Sの先端部分がプラテン20を通過した状態において、当接部20cの位置も凡そ同じであり、紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離D4も、実離間距離D3と凡そ同じになる。
以上、図5(a)(b)を用いて説明したように、実離間距離DA(D1,D2,D3,D4)と基準離間距離DSとの差異が、搬送される用紙Sの剛性の高さを凡そ表すことになるのである。
図4に戻り、次に差異は閾値以内か否かを判定する(ステップS105)。そして、押圧力制御部54は、算出した差異が閾値以内であれば(YES)、用紙Sは剛性が低い柔らかな用紙であるので、その表面を損傷しないように初期に強く設定されている押圧力を減少する(ステップS106)。このとき用紙Sは剛性が低いので、減少した従動ローラー32の押圧力によっても確実に搬送されるのである。
一方、算出した差異が閾値以内でなければ(NO)、用紙Sは剛性が高い硬い用紙であるので、初期の押圧力であってもその表面が損傷しないことから、押圧力を減少することなく(何もせず)用紙Sを搬送して、この用紙搬送処理を終了する。もとより、剛性の高い用紙Sはプラテン20に対する接触圧も高くなると予測されるので、押圧力を高く保つことによって確実に搬送されるようにすることが好ましい。
なお、判定に用いる閾値は、ここでは、記憶部52が用紙Sの厚さに対応する基準離間距離DSを記憶する際、基準離間距離DSに応じた値(例えば一定比率の値)を同時に記憶することとしている。もとより、プリンター11の使用者が入力手段などから入力したデータを記憶部52が閾値として取得して記憶することとしてもよい。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)紙送りローラー31と従動ローラー32との間に挟まれた用紙Sの剛性によって変化する実離間距離DAと基準離間距離DSとの差異によって押圧力を制御することができるので、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができる。また、用紙表面が、強い押圧力によって擦られて損傷することを抑制できる。また、シート搬送装置100とは別に、シート剛性を測定する機構を別途備える必要がないので、プリンター11の大型化やコスト増加が抑制される。
(2)用紙Sをその剛性に依存せず初期の状態では強い押圧力で挟持して搬送した後、剛性の低い用紙Sに対しては搬送中弱い押圧力で押し付けるように制御するので、用紙Sを確実に搬送するとともに、用紙Sが強い押圧力で擦られて損傷することを抑制できる。
(3)搬送される用紙S毎に、用紙の厚さを特定することができるので、従動ローラー32は用紙S毎に適切な押圧力で用紙Sを押し付けることができる。従って、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができるとともに、用紙Sが押圧力で擦られて損傷することを抑制できる。
(4)従動ローラー32の変位量が増幅した保持板33の端部33dの変位量を測定することによって、用紙Sが搬送されているときの紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAを測定する。従って、用紙Sが搬送されているときの紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAを容易に測定することができる。
(5)ばね35によって保持板33を回転軸33a回りに回転させることによって、保持板33を用いて従動ローラー32を用紙Sに対して押圧させることができるので、押圧手段のための構成を別途必要とせずシート搬送装置100を小型化することができる。また、従動ローラー32の押圧力をばね35の収縮力によって適切かつ容易に調節することができる。
(6)紙送りローラー31と従動ローラー32に挟持された用紙Sにおける搬送方向下流部分がプラテン20に当接した状態となることによって、搬送中におけるその搬送姿勢が凡そ一定となる。従って、用紙Sが搬送されているときの紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAを安定して測定することができるので、従動ローラー32は用紙Sをより適切な押圧力で押し付けることができる。従って、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができるとともに、用紙Sが押圧力で擦られて損傷することを抑制できる。
(7)プラテン20に搬送される直前の用紙Sの剛性に応じて、従動ローラー32の押圧力を制御することができるので、搬送速度のばらつきや搬送姿勢の不安定を抑制することができるとともに、用紙Sの表面が強い押圧力によって擦られて損傷したり紙粉などが発生したりするようなことを抑制できる。この結果、紙送りローラー31を通過してプラテン20上を搬送される用紙Sにおいて損傷や紙粉などの発生が抑制されるので、液体噴射ヘッド19による用紙Sへの印刷に対する影響を排除することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、図4に示した用紙搬送処理におけるステップS105およびステップS106に対応する処理について、押圧力の減少をさらに用紙Sの厚さに応じて区分するようにしてもよい。一般的に用紙Sが厚い方が薄い方より剛性が高いと考えられるからである。従って、こうすることによって、用紙Sに対して、より適切に押圧力を制御することができる。
本変形例の一例として、例えば、図6に示した押圧力テーブルのように押圧力を制御することとしてもよい。図示するように、用紙Sの剛性が低い(つまり差異が閾値以内である)場合、特定した用紙Sの厚さが所定の厚さ(例えば0.1ミリメートル)よりも薄い(例えば0.08ミリメートル)場合は、押圧力を「弱」にする。そして、特定した用紙Sの厚さが所定の厚さよりも厚い(例えば0.16ミリメートル)場合は、薄い用紙Sよりも剛性が高いので、押圧力を「弱〜中」にする。
一方、用紙Sの剛性が高い(つまり差異が閾値より大きい)場合、特定した用紙Sの厚さが所定の厚さ(例えば0.1ミリメートル)よりも厚い(例えば0.16ミリメートルの)場合は、最も剛性が高いので押圧力を「強」にする。そして、特定した用紙Sの厚さが所定の厚さよりも薄い(例えば0.08ミリメートル)場合は、厚い用紙Sよりも剛性が低いので、押圧力を「中〜強」にする。なお、押圧力「弱」「中」「強」の具体的な値については、プリンター11において実際に搬送される用紙Sの特性に応じて設定すればよい。
・上記実施形態において、シート搬送装置100において制御装置50は厚さ特定部51を備えなくても差し支えない。例えば、搬送される用紙Sの厚さが一種類であったり、シート搬送装置100に搬送される用紙Sの厚さについて、その順序が予め決められていたりするなど、用紙Sの厚さが予め判明している場合は、厚さ特定手段としての厚さ特定部51は不要である。
・上記実施形態において、搬送するシートとして、用紙S以外であってもよい。例えばプラスチック製のシートであってもよい。搬送中に吸湿や乾燥などによって剛性が変化する材料を含むシートであれば、本発明を適用することができる。
・上記実施形態において、固定ローラーおよび変位ローラーは、プラテン20から離れた位置にある用紙S(シート)を搬送する搬送駆動ローラーおよび搬送従動ローラーであってもよい。この場合、プラテン20に替わる用紙Sとの当接部を備えることが好ましい。
・上記実施形態において、実離間距離DAの測定を、用紙Sが紙送りローラー31と従動ローラー32との間を通過後であってプラテン20に当接する前の状態において行うようにしてもよい。ガイド面28aに沿って搬送される用紙Sの搬送方向は直線Mに対して斜めになっていることから(図2参照)、用紙Sが剛性を有する場合は、紙送りローラー31と従動ローラー32との離間距離が大きくなる現象(図5参照)が発生する場合がある。このような場合は、用紙Sがプラテン20(当接部)に当接していない状態であっても、その状態における紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAから用紙Sの剛性を判定することができる。
・上記実施形態において、初期の押圧力は、必ずしも最大値でなくてもよい。例えば、搬送対象となる全ての用紙Sを搬送することができる押圧力が、シート搬送装置100が備える押圧力の最大値以下である場合は、搬送対象となる全ての用紙Sを搬送することができる押圧力に設定すればよい。もとより、このように初期の押圧力が最大値でない場合は、実離間距離DAを測定する場合の従動ローラー32の押圧力も、必ずしも最大値でなくてもよい。
・上記実施形態において、記憶部52は、用紙Sの厚さに対する基準離間距離DSの値を、実離間距離測定部53が実測した値でなく計算値を記憶するようにしてもよい。ここでは説明を省略するが、基準離間距離DSの計算値は、紙送りローラー31、従動ローラー32の形状や、回転軸31a、回転軸32a,33aおよび端部33dの位置関係などから理論的に求めることができる。
・上記実施形態において、制御装置50は、印刷動作と紙送り動作を制御する制御回路を有する回路基板とは異なる別の回路基板として、シート搬送装置100に備えられていることとしても差し支えない。こうすれば、シート搬送装置100をプリンター11以外に用いる場合においても、従動ローラー32(図2参照)の押圧力を制御することができる。
・上記実施形態において、ばね35の収縮力の調整を必ずしも偏心カム37を用いて行わなくても良い。例えば、油圧や空気圧を用いたアクチュエーターや、ボールネジなどによって、軸36を移動させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、押圧力の制御を複数の閾値を用いて制御してもよい。こうすれば、用紙Sの剛性に対して細かく押圧力を制御することができるので、表面の損傷をより適切に抑制することができる。
・上記実施形態において、保持板33の形状は他の形状であっても勿論よい。このとき、端部33dの変位による検出器38の出力を用いる方法以外の方法(例えば接触位置に応じた電気的な抵抗値の変化を測る方法)によって、紙送りローラー31と従動ローラー32との間の離間距離を測定する形状であっても差し支えない。また、保持板33も一つの部材でなく、複数の部材で構成されていてもよい。あるいは、紙送りローラー31と従動ローラー32との間の実離間距離DAが精度よく測定できる形状であれば、必ずしも実離間距離DAが増幅される部分を有する形状でなくても差し支えない。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式のプリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…液体噴射装置としてのプリンター、14…キャリッジ、19…液体噴射ヘッド、20…プラテン、20c…当接部、28…ガイド、31…駆動ローラーとしての紙送りローラー、31c,31d,32c,32d…位置、32…従動ローラー、33…保持部としての保持板、33a…回転軸、33b…軸、33d…端部、34…フレーム、34a…案内穴、35…押圧手段としてのばね、36…軸、37…偏心カム、38…検出器、50…制御装置、51…厚さ特定手段としての厚さ特定部、52…記憶手段としての記憶部、53…測定手段としての実離間距離測定部、54…制御手段としての押圧力制御部、100…シート搬送装置、S…シートとしての用紙、D1〜D4…実離間距離、DA…実離間距離、DS…基準離間距離、DT…用紙厚データ、L1,L2…距離。

Claims (7)

  1. シートを固定ローラーと変位ローラーとの間に挟持しつつ通過させることで前記シートを搬送するシート搬送装置であって、
    前記変位ローラーを前記固定ローラー側に押し付けて、前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間に挟持された前記シートを押圧する押圧手段と、
    前記シートの厚さに対応する前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の基準離間距離を記憶した記憶手段と、
    前記シートが搬送されているときの前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定する測定手段と、
    測定された前記実離間距離と記憶された前記基準離間距離との差異に基づいて前記押圧手段を制御して前記シートを押圧する押圧力を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1に記載のシート搬送装置において、
    前記制御手段は、前記実離間距離と前記基準離間距離との前記差異が予め定められた閾値以内であった場合、前記押圧力を弱くするように前記押圧手段を制御することを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載のシート搬送装置において、
    前記シートの厚さを特定する厚さ特定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記特定された厚さに対応する前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の前記基準離間距離を記憶していることを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記変位ローラーのローラー回転軸を固定した状態で1つの軸回りに回動可能な保持部を備え、
    前記測定手段は、前記保持部が前記1つの軸回りに回動することによって前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の距離の変化が増幅して変化する前記保持部の特定部分において、前記特定部分の変位量を測定することによって、前記シートが搬送されているときの前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定することを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項4に記載のシート搬送装置において、
    前記押圧手段は、
    前記保持部を前記1つの軸回りに回転させる付勢力を与える付勢手段と、前記付勢手段の付勢力を調節する調節機構と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記調節機構を制御して前記付勢手段の付勢力を調節することによって前記シートを押圧する押圧力を制御することを特徴とするシート搬送装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシート搬送装置において、
    前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間を通過した前記シートが、前記固定ローラーと前記変位ローラーとが前記シートを挟持可能な位置よりも前記シートが搬送される方向の下流側において当接する当接部を備え、
    前記測定手段は、前記シートの少なくとも一部分が前記当接部に当接した状態で、前記固定ローラーと前記変位ローラーとの間の実離間距離を測定することを特徴とするシート搬送装置。
  7. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    請求項6に記載のシート搬送装置と、を備えた液体噴射装置であって、
    前記シートは用紙であり、
    前記固定ローラーは駆動ローラーであり、
    前記変位ローラーは従動ローラーであり、
    前記当接部は前記シートに対して前記液体噴射ヘッドと反対側に位置するプラテンであることを特徴とする液体噴射装置。
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