JP2011183826A - 車両の旋回制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の走行状態に基づいて左右車輪に制動力を付与することにより車体にヨーモーメントを発生可能な車両の旋回制御装置1であって、横Gセンサ5と車速センサ4の検知信号に基づいて横G規範ヨーレートを算出する横G規範ヨーレート演算部14と、操舵角センサ3と車速センサ4の検知信号に基づいて定常規範ヨーレートを決定する定常規範ヨーレート演算部12と、定常規範ヨーレートに基づいて横G規範ヨーレートを増加方向に補正して限界規範ヨーレートを算出する補正部15と、限界規範ヨーレートとヨーレートセンサ6により検知された実ヨーレートとのヨーレート偏差を算出し、ヨーレート偏差を打ち消す方向へ制動力制御量を決定するFB制御量演算部19と、FB制御量演算部19により決定された制動力制御量に基づいて制動力を制御するブレーキ装置10と、を備える。
【選択図】図1
Description
請求項1に係る発明は、車両の操舵量を検知する操舵量検知手段(例えば、後述する実施例における操舵角センサ3)と、前記車両の車速を検知または推定する車速検知手段(例えば、後述する実施例における車速センサ4)と、前記車両の左右方向の加速度を検知する横加速度検知手段(例えば、後述する実施例における横Gセンサ5)と、前記車両のヨーレートを検知するヨーレート検知手段(例えば、後述する実施例におけるヨーレートセンサ6)とを備え、前記車両の走行状態に基づいて左右車輪に制動力を付与することにより車体にヨーモーメントを発生可能な車両の旋回制御装置(例えば、後述する実施例における車両の旋回制御装置1)であって、
前記横加速度検知手段および前記車速検知手段の検知信号に基づいて第1規範ヨーレート(例えば、後述する実施例における横G規範ヨーレートω_low)を算出する制御量演算部(例えば、後述する実施例における横G規範ヨーレート演算部14)と、
前記操舵量検知手段および前記車速検知手段の検知信号に基づいて車速が低速ほど高ゲインとなる補正基準値(例えば、後述する実施例における定常規範ヨーレートω_high)を決定する補正基準値設定手段(例えば、後述する実施例における定常規範ヨーレート演算部12)と、
前記補正基準値に基づいて前記第1規範ヨーレートを増加方向に補正して第2規範ヨーレート(例えば、後述する実施例における限界規範ヨーレートω_TAR)を算出する補正部(例えば、後述する実施例における補正部15)と、
前記第2規範ヨーレートと前記ヨーレート検知手段により検知された実ヨーレートとのヨーレート偏差を算出し、前記ヨーレート偏差を打ち消す方向へ制動力制御量を決定する制動力制御量演算部(例えば、後述する実施例におけるFB制御量演算部19)と、
前記制動力制御量演算部により決定された制動力制御量に基づいて前記制動力を制御する制動制御手段(例えば、後述する実施例におけるブレーキ装置10)と、
を備えることを特徴とする車両の旋回制御装置である。
請求項3に係る発明によれば、例えば、低中車速のタックイン時の回頭性が向上する。
請求項4に係る発明によれば、前方障害物からの回避操作やレーンチェンジなどのときの操舵の応答性が向上する。
請求項6に係る発明によれば、第2の制動力制御量を加味すると車両挙動の安定性を低下させる虞のある特定の条件下、例えば、高車速時や高操舵速度時やABS作動時などにおいて、第2の制動力制御量を無効とすることができ、車両挙動の安定性を維持することができる。
図1は、実施例の車両の旋回制御装置における制御ブロック図である。
車両の旋回制御装置1は、ブレーキ制御部2と、ブレーキ装置10とを備えている。
ブレーキ制御部2は車両の走行状態に応じて前後左右輪の制動力制御量を決定し、ブレーキ装置10は、ブレーキ制御部2によって決定された各輪の制動力制御量に基づいて、各輪の制動力を制御する。
定常規範ヨーレート演算部12は、定常規範ヨーレートゲインテーブル21を参照して車速に応じた定常規範ヨーレートゲインKvを算出し、舵角規範ヨーレートに定常規範ヨーレートゲインKvを乗じて定常規範ヨーレートω_highを算出する。この実施例における定常規範ヨーレートゲインテーブル21は、横軸が車速、縦軸が定常規範ヨーレートゲインKvであり、車速が大きくなるほど定常規範ヨーレートゲインKvは1に収束し、車速が小さくなるほど定常規範ヨーレートゲインKvが大きくなるように設定されている。この実施例において、定常規範ヨーレートω_highは補正基準値を構成し、定常規範ヨーレートω_highは車速が低いほど高ゲインとなる。
定常ヨーレート偏差演算部13は、定常規範ヨーレートω_highから舵角規範ヨーレートを減算し、定常ヨーレート偏差Δωffを算出する。
補正部15は、定常規範ヨーレートω_highと横G規範ヨーレートω_lowとに基づいて限界規範ヨーレートω_TARを算出する。補正部15における限界規範ヨーレートω_TARの算出方法については後で詳述する。
限界ヨーレート偏差演算部16は、限界規範ヨーレートω_TARからヨーレートセンサ6により検知されたヨーレート(実ヨーレート)を減算し、限界ヨーレート偏差Δωfbを算出する。
図2に示すように、補正部15は、配分係数HB1演算部31、基準限界規範ヨーレート演算部32、補正係数HS1演算部33、補正係数HS2演算部34、補正係数HS3演算部35を備えている。
補正部15では、基準限界規範ヨーレート演算部32において、配分係数HB1演算部31で算出した配分係数HB1と定常規範ヨーレートω_highと横G規範ヨーレートω_lowとに基づいて基準限界規範ヨーレートω_t1が算出される。さらに、この基準限界規範ヨーレートω_t1に、補正係数HS1演算部33および補正係数HS2演算部34で算出した補正係数HS1,HS2を乗じ、さらに補正係数HS3演算部35で算出した補正係数HS3を加算することにより、限界規範ヨーレートω_TARが算出される。
ω_TAR=ω_t1×HS1×HS2+HS3 ・・・ 式(1)
この限界規範ヨーレートω_TARは、フィードバック制御におけるヨーレート目標値となる。
詳述すると、この実施例では、配分係数HB1演算部31により算出された配分係数HB1と、横G規範ヨーレートω_lowと、定常規範ヨーレートω_highに基づいて、式(2)から基準限界規範ヨーレートω_t1を算出する。
ω_t1=HB1×ω_high+(1−HB1)×ω_low ・・・ 式(2)
ここで、配分係数HB1は0から1の数値であり、HB1=0の場合には基準限界規範ヨーレートω_t1は横G規範ヨーレートω_lowとなり、HB1=1の場合には基準限界規範ヨーレートω_t1は定常規範ヨーレートω_highとなる。
配分係数HB1は、車速に応じて算出される配分係数HB1aと、ヨーレート変化率に応じて算出される配分係数HB1bと、ヨーレート偏差積分に応じて算出される配分係数HB1cと、転舵速度に応じて算出される配分係数HB1dとを乗算して算出される。
HB1=HB1a×HB1b×HB1c×HB1d ・・・ 式(3)
各配分係数HB1a,HB1b,HB1c,HB1dは、それぞれ図4に示す配分係数テーブル40,41,42,43を参照して算出される。この実施例における各配分係数テーブル40,41,42,43を説明する。
この配分係数テーブル43は、転舵速度が大きいほど配分係数HB1dが大きくなり、且つ、転舵速度が正の場合には転舵速度が負の場合よりも配分係数HB1dが大きくなるように設定されている。ここで、転舵速度は操舵角センサ3で検知される操舵角の時間変化量と舵角に基づき決定される値であり、操舵角を時間微分して舵角と比較することにより算出することができる。転舵速度が正の場合とは、ステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)から離間する方向に回転操作している状態で同方向に向けた時間変化量が生じているときおよびステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)に向けて回転操作している状態で同方向への時間変化量が生じているときであり、転舵速度が負の場合とは、ステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)から離間する方向に回転操作している状態で中立位置に向く方向に時間変化量が生じているときおよびステアリングホイールを中立位置に戻す方向に回転操作している状態で中立位置から離間する方向に時間変化量が生じているときである。
これにより、前方障害物からの回避操作やレーンチェンジなどのときの操舵の応答性が向上する。
なお、配分係数HB1dは転舵速度に代えて転舵角(転舵量)に基づいて算出してもよい。転舵角が大きいほど、運転者が車両を積極的に曲げたいという操作意志が大きいと推定することができるからである。この場合の、転舵角は操舵角と同義である。
この補正係数HS1は、運転者が車両を前荷重にしてハンドルを切ることにより車両を曲げる操作を行うときなどを想定した補正係数である。
図5に示すように、補正係数HS1は、操舵速度に応じて算出される補正係数HS1aと、車両の前荷重に応じて算出される補正係数HS1bとを乗算して算出される。
HS1=HS1a×HS1b ・・・ 式(4)
車両の前荷重とは車両前方への荷重移動量であり、例えば、車両の前後方向の加速度を検知する図示しない前後加速度センサに基づいて推定することができる。この場合、前後加速度センサは、前後方向への荷重移動量を推定する荷重移動量推定手段と言うことができる。
補正係数HS1aを算出する補正係数テーブル44において、横軸は操舵速度であり、縦軸は補正係数HS1aである。この補正係数HS1aテーブル44は、操舵速度が小さい領域ではHS1a=1で一定で、操舵速度が所定値以上になると操舵速度が大きくなるにしたがって補正係数HS1aが徐々に小さくなっていき、操舵速度が大きい領域ではHS1a=0で一定となる。
補正係数HS1bを算出する補正係数テーブル45において、横軸は前荷重(車両前方への荷重移動量)であり、縦軸は補正係数HS1bである。この補正係数HS1bテーブル45は、前荷重が小さい領域ではHS1b=1で一定で、前荷重が所定値以上になると前荷重が大きくなるにしたがって補正係数HS1bが徐々に小さくなっていき、前荷重が大きい領域ではHS1b=0で一定となる。
補正係数HS1を上述のように算出する結果、操舵速度が小さい領域で且つ前荷重が小さい領域では補正係数HS1は1となるので、限界規範ヨーレートω_TARを大きくすることができ、回頭性を向上することができる。これに対して、操舵速度および前荷重が大きくなるにしたがって補正係数HS1は1よりも小さくなっていくので、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができ、車両挙動の安定性を確保することができる。
この補正係数HS2は、車輪と路面との摩擦係数(以下μと略す)が高い路面(以下、高μ路と略す)でレーンチェンジ(操舵をして、すぐに元の進行方向に戻す操作)をする場合を想定した補正係数である。
補正係数HS2は、1を最大値として、下記の条件を満たした場合に所定の減少カウント値を初期値から減算し、下記のいずれの条件も満たさない場合に1に向けて所定の増加カウント値を加算するよう構成されるゲインである。条件としては、(a)摩擦係数μが高いと判断されたとき(または高摩擦係数の路面走行に対応する前後または横方向加速度が検出されているとき)、(b)操舵角が大きいと判断されたとき、(c)横G減少率が大きいと判断されたとき、(d)ヨーレート減少率が大きいと判断されたときに所定の減少カウント値を減算する。なお、上記条件は、(a)から(d)のうち少なくとも1つまたは複数を任意に組合わせたものであればよい。特に高摩擦係数時の車両挙動収束性を考慮すると、上記(a)と、(b)から(d)のいずれかを組合わせて用いることが好ましい。
なお、摩擦係数μは、μ算出部8により算出される。また、横G減少率とは、横Gの減少速度であり、横Gセンサ5で検知される横Gに基づいて算出することができ、ヨーレート減少率とは、ヨーレートセンサ6で検知される実ヨーレートの減少速度である。
初めに、ステップS01において、摩擦係数μが閾値μthよりも大きいか否かを判定する。
ステップS01における判定結果が「YES」(μ>μth)である場合には、ステップS02に進み、操舵角δが閾値δthよりも大きいか(δ>δth)、あるいは、横G減少率ΔGが閾値ΔGthよりも大きいか(ΔG>ΔGth)、あるいは、ヨーレート減少率γが閾値γthよりも大きいか(γ>γth)のうち1つでも満たすものがあるか否かを判定する。
ステップS02における判定結果が「YES」である場合には、ステップS03に進み、減算処理により補正係数HS2を決定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。この減算処理は、補正係数HS2の初期値から所定の減算カウント値を減算していき、補正係数HS2が0に収束していくようにする。
一方、ステップS01における判定結果が「NO」(μ≦μth)である場合、および、ステップS02における判定結果が「NO」である場合には、ステップS04に進み、加算処理により補正係数HS2を決定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。この加算処理は、所定の増加カウント値を加算していき、補正係数HS2が1に収束していくようにする。
なお、補正係数HS2の初期値は0から1の間の所定値とする。
この補正係数HS3は、運転者がタックインをしたときなどを想定した補正係数である。タックインは、旋回中にアクセルペダルを急に戻したときに車両が前荷重となって旋回内側に入り込む現象であるが、運転者によってはこれを利用して積極的に旋回操作を行う場合がある。しかしながら、このタックインを利用した旋回操作は、車両への要求トルクが大きいとき(換言すると、アクセル開度が大きいとき)からアクセルを開放するときや、車速が大きいときには、車両挙動が不安定になり易い。補正係数HS3は、タックイン時の限界規範ヨーレートω_TARを調整するための補正係数である。
図7に示すように、補正係数HS3は、車速に応じて算出される補正係数HS3aと、車両の要求トルクに応じて算出される補正係数HS3bとを乗算して算出される。
HS3=HS3a×HS3b ・・・ 式(6)
なお、車両の要求トルクは、アクセル開度センサ7で検知したアクセル開度から算出することができる。
補正係数HS3aを算出する補正係数テーブル51において、横軸は車速であり、縦軸は補正係数HS3aである。この補正係数HS3aテーブル51は、車速が所定値よりも小さい領域ではHS3aは正の一定値であり、車速が前記所定値以上になると車速が大きくなるにしたがって補正係数HS3aが徐々に小さくなっていき、所定速度V0を越えると負の値となり、車速が非常に大きい領域ではHS3aは負の一定値となる。
また、要求トルクが所定値T0以下の場合(すなわち、タックイン状態であると判断されるとき)には、車速がV0よりも小さいときには、補正係数HS3が正の値となるので、限界規範ヨーレートω_TARが大きくすることができ、車速がV0以上のときには、補正係数HS3が負の値となるので、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができる。さらに、車速がV0よりも小さい場合、要求トルクが同じときには、車速が小さいほど補正係数H3を正値の大きな値にして、限界規範ヨーレートω_TARを大きくすることができる。これにより、車速が低中速のタックイン時の回頭性を向上させることができる。一方、車速がV0以上の場合、要求トルクが同じときには、車速が大きいほど補正係数H3を負値の大きな値にして、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができる。
前述したように、制御量演算部17は、FF制御量演算部18において定常ヨーレート偏差Δωffに基づいてFF制御量を算出し、FB制御量演算部19において限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいてFB制御量を算出し、FF制御量とFB制御量を加算して各輪に対する総制御量を算出する。
まず、操舵角センサ3で検知された操舵角に基づいて、前輪側の旋回内輪(以下、FR旋回内輪と略す)と後輪側の旋回内輪(以下、RR旋回内輪と略す)に対する増圧配分を決定し、この増圧配分に基づいて、FR旋回内輪に対する増圧係数K1frとRR旋回内輪に対する増圧係数K1rrを算出する。ここで、操舵による荷重移動が大きい場合には、操舵角に応じて、FR旋回内輪に対する増圧係数K1frが大きくなるように設定してもよい。
そして、FR旋回内輪に対する増圧係数K1frとRR旋回内輪に対する増圧係数K1rrに基づいて、FR旋回内輪に対するFF増圧量ΔP1ffの算出と、RR旋回内輪に対するFF増圧量ΔP2ffの算出が、並行して実施される。
定常ヨーレート偏差演算部13で演算された定常ヨーレート偏差Δωffに、RR旋回内輪に対する増加係数K1rrを乗じて、RR旋回内輪に対する定常ヨーレート偏差Δω2ffを算出する。
次に、増圧量テーブル64を参照し、RR旋回内輪に対する定常ヨーレート偏差Δω2ffに応じて、RR旋回内輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkを算出する。増圧量テーブル64は増圧量テーブル60と同じであるので説明を省略する。
次に、リミット処理部65において、RR旋回内輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkが上限値を超えないようにリミット処理を行う。上限値は、上限値算出部66によって算出される。上限値算出部66は上限値算出部62と同じである。
次に、リミット処理されたRR旋回内輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkに、ゲインテーブル67により算出したゲインを乗じて、RR旋回内輪に対するFF増圧量ΔP2ffを算出する。ゲインテーブル67はゲインテーブル63と同じであるので、説明を省略する。この実施例において、ゲインテーブル67は無効化手段を構成する。
内輪減圧量算出部70では、第1減圧率テーブル71を参照して車速に応じた減圧率を算出するとともに、第2減圧率テーブル72を参照して横Gに応じた減圧率を算出し、これら減圧率を乗じることで総減圧率を算出する。
これにより、総減圧率は、走行時の車速および横Gに応じて、0から1の間の値に設定されることとなる。
そして、このようにして求めた総減圧率にブレーキ装置10のマスタシリンダ圧を乗じ、さらにマイナス1を乗じて内輪減圧量ΔPdを求める。
FB制御量演算部19では、限界ヨーレート偏差演算部16で演算された限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいて、FR旋回内輪のFB増圧量ΔP1fb、前輪側の旋回外輪(以下、FR旋回外輪と略す)のFB増圧量ΔP3fb、RR旋回内輪のFB増圧量ΔP2fb、後輪側の旋回外輪(以下、RR旋回外輪と略す)のFB増圧量ΔP4fbを算出する。なお、以降の旋回方向は偏差Δωfbの符号が正で、規範ヨーレートおよび実ヨーレートがともに正の場合を例に説明する。
ブレーキ装置10は、入力した各輪の制御量に応じて、各輪のブレーキ圧を制御する。
また、横G規範ヨーレートω_lowを増加する方向に補正して限界規範ヨーレートω_TARとしているので、FB制御量演算部19における目標値を大きくすることができ、回頭性が向上する。これにより、車両を走路に沿って旋回させることが可能となり、路面追従性能(トレース性)が向上する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、FF制御量とFB制御量を加算して総制御量を算出したが、FF制御量とFB制御量を乗算して総制御量を算出することも可能である。
また、車速センサの検出値に替えて、車輪速センサの検出値に基づき推定される推定車速を用いてもよい。
3 操舵角センサ(操舵量検知手段)
4 車速センサ(車速検知手段)
5 横Gセンサ(横加速度検知手段)
6 ヨーレートセンサ(ヨーレート検知手段)
7 アクセル開度センサ(要求トルク検知手段)
10 ブレーキ装置(制動制御手段)
12 定常規範ヨーレート演算部(補正基準値設定手段)
14 横G規範ヨーレート演算部(第1規範ヨーレート演算部)
15 補正部
18 FF制御量演算部(第2制動力制御量演算部)
19 FB制御量演算部(制動力制御量演算部)
63,67 ゲインテーブル(無効化手段)
Claims (6)
- 車両の操舵量を検知する操舵量検知手段と、前記車両の車速を検知または推定する車速検知手段と、前記車両の左右方向の加速度を検知する横加速度検知手段と、前記車両のヨーレートを検知するヨーレート検知手段とを備え、前記車両の走行状態に基づいて左右車輪に制動力を付与することにより車体にヨーモーメントを発生可能な車両の旋回制御装置であって、
前記横加速度検知手段および前記車速検知手段の検知信号に基づいて第1規範ヨーレートを算出する第1規範ヨーレート演算部と、
前記操舵量検知手段および前記車速検知手段の検知信号に基づいて車速が低速ほど高ゲインとなる補正基準値を決定する補正基準値設定手段と、
前記補正基準値に基づいて前記第1規範ヨーレートを増加方向に補正して第2規範ヨーレートを算出する補正部と、
前記第2規範ヨーレートと前記ヨーレート検知手段により検知された実ヨーレートとのヨーレート偏差を算出し、前記ヨーレート偏差を打ち消す方向へ制動力制御量を決定する制動力制御量演算部と、
前記制動力制御量演算部により決定された制動力制御量に基づいて前記制動力を制御する制動制御手段と、
を備えることを特徴とする車両の旋回制御装置。 - 前記補正部は、車速が大きいほど前記第2規範ヨーレートが小さくなるように補正量を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両の旋回制御装置。
- アクセル開度またはアクセルペダル操作量に基づいて要求トルクの大きさを検知する要求トルク検知手段を備え、
前記補正部は、前記要求トルク検知手段の検知信号が所定値よりも小さいときに、車速が小さいほど前記第2規範ヨーレートが大きくなるように補正量を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の旋回制御装置。 - 前記補正部は、前記操舵量検知手段の検知信号に基づいて算出される転舵速度または転舵量が大きいほど前記第2規範ヨーレートが大きくなるように補正量を決定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の旋回制御装置。
- 前記補正基準値設定手段が決定した補正基準値に基づいて第2の制動力制御量を決定する第2制動力制御量演算部を備え、
前記制動制御手段は、前記制動力制御量演算部が決定した前記制動力制御量と前記第2制動力制御量演算部が決定した前記第2の制動力制御量とを加算または乗算することにより得られる総制動力制御量に基づいて前記制動力を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両の旋回制御装置。 - 所定の運転状態のときに前記第2制動力制御量演算部が決定した前記第2の制動力制御量を無効にする無効化手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両の旋回制御装置。
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