JP2011182612A - 単相モータおよびそれを用いた軸流ファン - Google Patents

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【課題】インシュレータに植設した端子ピンに回路基板を接続する際、端子ピンに絡げたコイル端末に断線が生じることなく、巻線作業効率を向上させた単相モータおよび軸流ファンを提供すること。
【解決手段】インシュレータ10は端子ピン12を植設した端子保持部11を備え、ティース4の先端部5は周方向での長さが異なって左右非対称に形成され、先端部5の短い方の側面に端子保持部11を密着配置し、端子ピン12の一方端にコイル6のコイル端末6aを絡げ、端子ピン12の他方端が回路基板と電気的に接続して保持されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、単相モータに関し、特に単相モータのステータ構造およびこの単相モータを用いた軸流ファンに関する。
従来、ステータコアと、ステータコアに装着されるインシュレータと、インシュレータ上に巻回されるコイルとを備えたブラシレスDCモータでは、磁極の位置検出センサの信号に基づいて制御する制御回路を搭載した回路基板を備えた構成となっている。インシュレータ上に巻回されるコイルは、巻き始めのコイル端末と巻き終わりのコイル端末が別々の端子ピンに絡げ、コイル端末を絡げた端子ピンを回路基板のランド部の穴部に挿入して半田付けされる。しかし、端子ピンを回路基板のランド部の穴部に挿入する際、挿入時の接触や半田接続作業時によって、コイル端末が断線する場合がある。
このため、端子ピンを回路基板のランド部の穴部に挿入する際のコイル端末の断線を防止するために、端子ピンの一方端にコイル端末を絡げて接続し、端子ピンの他方端で回路基板に接続する構成が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
図6は特許文献1に記載のコイル巻線方法を示した図、図7は図6に示すインシュレータの平面図である。
図6に示すように、導電ピン38の一端部38aにはコイル39の一端部39aが巻き付けられて電気的に接続され、導電ピン38の他端部38bは回路基板35の孔部36に挿入されて半田付けされて電気的に接続されている。従って、導電ピン38の他端部38bにはコイル39の一端部39aが巻き付けられないので、導電ピン38の他端部38bを回路基板35の孔部36に挿入する際、コイル39の一端部39aが切断される虞はない。
しかしながら、図7に示すように、導電ピン38が挿通された突出部37はスロット中に設けられた構成となっている。このスロットはコイル39を巻回するための空間であることから、コイル39の巻線作業時に突出部37を避ける必要があるため作業性が悪く、また、この突出部37によってコイル39の巻数が制約を受けてしまう。
これに対して、特許文献2に記載の固定子では、コイル端末を絡げる端子をスロット中ではなく、固定子鉄心の磁極の先端に設けている。
図8は特許文献2に記載のコイル巻線方法を示した図、図9は図8に示す固定子鉄心端面側正面を見る部分拡大図である。図8、図9に示すように、絶縁部材48で保持される端子47の一方の端部が回路基板50の小孔51に挿入されて電気的に接続され、端子47の他方の端部に巻線44の巻線端45を絡げた上で絡げ部46が半田付けされて電気的に接続されている。そして、端子47を保持した端子絶縁保持部49が固定子鉄心41の磁極43の先端に設けられた凹部42に保持されている。このように、端子47の一方端にコイル端末を絡げて電気的に接続し、端子47の他方端を回路基板50に挿入して電気的に接続した構成とすることで、回路基板50への接続作業の際、巻線端45の断線が防止できる。また、端子47は固定子鉄心41の磁極43の先端に設けた構成としているため、巻線作業時に阻害されることはなく、また巻線44の巻数が制約を受けることも解消できる。
特許第3459083号公報 特開2002−078271号公報
しかしながら、特許文献2に記載された回転電機の固定子では、端子47は端子絶縁保持部49から突出する構成となっていることから、巻線44を巻回する際、端子47との接触を避けるために巻線軌跡が大きくなり、巻線作業に時間を要し、作業効率が低下する。
また、端子47を保持した端子絶縁保持部49が固定子鉄心41の磁極43の先端の中央部に設けられた凹部42に保持した構成となっており、磁極43の先端は左右対称形状となっている。このため、単相モータでは、磁極43の中心とロータマグネットの磁極中心が一致する位置では回転トルクが生じないデッドポイントが存在するため、起動できない問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インシュレータに植設した端子ピンに回路基板を接続する際、端子ピンに絡げたコイル端末に断線が生じることなく、巻線作業効率を向上させた単相モータおよびそれを用いた軸流ファンを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、複数のティースを有するステータコアと、該ステータコアを覆って装着されたインシュレータと、該インシュレータを介して前記ステータコアに巻回されたコイルと、前記コイルと電気的に接続され前記インシュレータに保持固定される回路基板を備えた単相モータにおいて、前記インシュレータは端子ピンを植設した端子保持部を備え、前記複数のティースのそれぞれの先端部は周方向での長さが異なって左右非対称に形成され、先端部の短い方の側面に前記端子保持部を密着配置し、前記端子の一方端に前記コイルのコイル端末を絡げ、他方端が前記回路基板と電気的に接続して保持されてなることを特徴とする。
本発明の構成によれば、インシュレータに植設した端子ピンに回路基板を接続する際、端子ピンに絡げたコイル端末に断線が生じることなく、巻線作業効率を向上させた単相モータおよびそれを用いた軸流ファンを提供することができる。
本発明による実施形態を示す単相モータであって、単相モータのステータを示す図である。 図1に示すステータで、コイルを省略した状態を示す斜視図である。 本発明による単相モータを用いた軸流ファンを示す図である。 端子ピンの植設が異なる本発明の第2の例を説明する模式図で、コイル端末を端子ピンに絡げた状態を示す図である。 図4に示す状態の後、端子ピンを押し込んだ状態を説明する模式図である。 従来のコイル巻線方法を示した図である。 図6に示すインシュレータの平面図である。 他の従来のコイル巻線方法を示した図である。 図8に示す固定子鉄心端面側正面を見る部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明による一実施形態を示す単相モータであって、単相モータのステータを示す図、図2は図1に示すステータで、コイルを省略した状態を示す斜視図、図3は図1に示す本発明の単相モータを用いた軸流ファンを示す図である。
単相モータ1のステータ2はコアを複数枚積層してなるステータコア3と、ステータコア3に装着されたインシュレータ10と、インシュレータ10に巻回されたコイル6と、円筒状のベアリングライナー7とから構成されている。円筒状のベアリングライナー7の外周にステータコア3が固着され、ベアリングライナー7の内側には所定間隔を隔てて2個の玉軸受8,9が保持されている。軸流ファン20は、図1に示す単相モータ1にて構成され、ステータ2とロータ21に装着されたインペラ22とハウジング25を備えている。ベアリングライナー7はハウジング25と一体形成されたモータベース30に嵌着されて結合している。インペラ22は、円筒部を有するインペラ本体23の外周に複数枚の回転羽根24を回転方向に等間隔で備えている。回転羽根24は前縁と後縁を有する翼型であって、流入する空気を受け入れたり誘導したりするための独特な曲率を備えている。インペラ22は熱可塑性樹脂にて射出成形で一体に成形される。インペラ本体23の円筒部の内周には円筒状のバックヨーク26が填め込み装着されている。バックヨーク26の内周には中空円筒状のロータマグネット27が装着されている。インペラ本体23の中央部にはボス部28を備え、シャフト29の他端はボス部28に嵌合固着している。このため、インペラ22はシャフト29の回転に伴い、シャフト29を中心に回転羽根24が回転することができる。
ステータコア3に装着するインシュレータ10は樹脂製からなる絶縁体で、上側インシュレータと下側インシュレータとからなり、ステータコア3の軸方向両側から被せて装着し、そしてインシュレータ10の上からコイル6が巻回される。インシュレータ10をステータコア3に装着する際、端子保持部11がステータコア3のティ−ス4の先端部5と隣接するティース4の先端部5との間のスロットに配設される。また、ステータコア3のティ−ス4の先端部5はその両端部がそれぞれ周方向に伸長するが、先端部5の両端部は周方向での長さが異なっており、左右非対称となるように形成されている。このため、端子保持部11はティ−ス4の先端部5の短い方の側面に密着配置された状態で装着される。このように、ステータコア3のティ−ス4の先端部5は周方向での長さが異なり、左右非対称となるように形成して大きなリラクタンスギャップ部を設けることで非通電時にデッドポイントで停止しないようにしている。この大きなリラクタンスギャップ部を設けることにより、通電した際にトルクが発生して起動することができる。
端子ピン12はインシュレータ10の端子保持部11に植設されており、端子ピン12は端子保持部11の軸方向両端面から突出している。そして、コイル6のコイル端末6aは端子ピン12の一方端に絡げて電気的に接続し、端子ピン12の他方端は回路基板13のランド部に形成した孔部に挿入して半田付けすることによって電気的に接続する。このように、端子ピン12の他方端を回路基板13のランド部に形成した孔部に挿入して半田付けする際、端子ピン12の他方端にはコイル端末6aを絡げていないため、コイル端末6aが断線することがない。
また、端子ピン12をインシュレータ10の端子保持部11に植設した構成としているため、従来に比べて端子ピン12の軸方向での高さを低くできる結果、巻線軌跡を小さくでき、巻線作業の時間を短縮できると共に、巻線軌跡を小さくできるため、巻き崩れが生じることなく、整列巻きができるため、巻線作業効率を向上できる。
本実施の形態では、端子ピン12の一方端にコイル端末6aを絡げた後は、端子ピン12の他方端を回路基板13に半田付けしているが、図4に示すように端子ピン12の一方端にコイル端末6aを絡げ、その後、図5に示すように端子ピン12の一方端を押し込む手段を用いてもよい。この手段によれば、図1に示した端子ピン12の全長よりも短い端子ピンを用いることができるため、巻線作業時の巻線軌跡をさらに小さくできる結果、さらに巻線作業の時間を短縮できる。また、端子ピン12を押し込むことによって、コイル端末6aにたわみが生じ、コイル端末6aの断線をより防止できる。
1 単相モータ
2 ステータ
3 ステータコア
4 ティース
5 先端部
6 コイル
6a コイル端末
7 ベアリングライナー
8 玉軸受
9 玉軸受
10 インシュレータ
11 端子保持部
12 端子ピン
13 回路基板
20 軸流ファン
21 ロータ
22 インペラ
23 インペラ本体
24 回転羽根
25 ハウジング
26 バックヨーク
27 ロータマグネット
28 ボス部
29 シャフト
30 モータベース

Claims (3)

  1. 複数のティースを有するステータコアと、該ステータコアを覆って装着されたインシュレータと、該インシュレータを介して前記ステータコアに巻回されたコイルと、前記コイルと電気的に接続され前記インシュレータに保持固定される回路基板を備えた単相モータにおいて、
    前記インシュレータは端子ピンを植設した端子保持部を備え、
    前記複数のティースのそれぞれの先端部は周方向での長さが異なって左右非対称に形成され、先端部の短い方の側面に前記端子保持部を密着配置し、
    前記端子ピンの一方端に前記コイルのコイル端末を絡げ、前記端子ピンの他方端が前記回路基板と電気的に接続して保持されてなることを特徴とする単相モータ。
  2. 前記端子ピンが前記コイル端末を絡げた後に押し込まれ、前記コイル端末にたわみを形成してなることを特徴とする請求項1に記載の単相モータ。
  3. 請求項1または2に記載の前記単相モータがロータにインペラを備えたことを特徴とする軸流ファン。
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