JP2011182582A - 固定子積層鉄心及びその製造方法 - Google Patents

固定子積層鉄心及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トルク特性の低下を抑制した固定子積層鉄心及びその製造方法を提供する。
【解決手段】回転子鉄心片31の打抜き跡からなる打抜き孔35が設けられた磁性金属板30から、打抜き孔35の周辺部を打抜いて形成した固定子鉄心片20を、かしめ部21を介してかしめ積層した固定子積層鉄心10及びその製造方法であって、固定子鉄心片20の磁極片部24に、厚み方向に押圧して形成された薄肉領域28を設け、かしめ部21は、薄肉領域28に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被加工板(磁性金属板)から歩留まりよく板取りされた固定子鉄心片を複数積層することによって製造される固定子積層鉄心及びその製造方法に関する。
従来、回転子鉄心片を打抜いた状態の金属薄板(被加工板)から、その回転子鉄心片の打抜き箇所の周りの領域に対して打抜き加工を行って、固定子鉄心片を製造する方法がある。この製造方法は、回転子鉄心片と固定子鉄心片を、一つの金属薄板から歩留まりよく板取りできるという利点がある反面、回転子鉄心片と固定子鉄心片のエアギャップが小さい場合には、両鉄心片間の打抜きカスが幅狭となって、打抜き途中で破断したり、打抜き金型のダイ下方に落下せずに2度抜きしたり、あるいは、スクラップの引っ掛かりに起因して金型を破損したりするという問題が発生する。
そこで、出願人は、この問題を解決するための技術として、特許文献1の製造方法を提案している。特許文献1では、回転子鉄心片及び固定子鉄心片の少なくとも一方の表面を板厚方向に押圧して平らに伸ばすことで薄肉領域(溝)を形成して、エアギャップを広げた後に、打抜きを行っているので、打抜きカスの幅は拡張される。
なお、板厚方向の押圧により金属薄板の表面を潰した薄肉箇所の体積分(溝の幅×溝の深さ)だけ金属薄板が延伸することが分かっており、薄肉領域を形成する際は、この延伸量を基準とし、それに合わせて金型(刃物)の押圧幅及び押圧深さを設定している。
特許第2955804号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、図8に示す鉄心片102のように、薄肉領域101がかしめ部100を避けて形成され、その形成幅(溝の幅)は制限されるので、基準とする延伸量を確保するためには、押圧深さ(溝の深さ)を深くする必要があり、トルク特性が低下するという問題が生じていた。なお、押圧深さを深くすると、トルク特性が低下することは実験によって確認している。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、トルク特性の低下を抑制した固定子積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る固定子積層鉄心は、回転子鉄心片の打抜き跡からなる打抜き孔が設けられた磁性金属板から、該打抜き孔の周辺部を打抜いて形成した固定子鉄心片を、かしめ部を介してかしめ積層した固定子積層鉄心であって、前記固定子鉄心片の磁極片部に、厚み方向に押圧して形成された薄肉領域を設け、前記かしめ部は、該薄肉領域に形成されている。
本発明に係る固定子積層鉄心において、前記かしめ部は、前記固定子鉄心片の一面側に窪みが形成され、他面側に前記窪みに対応する突出が設けられ、該突出の突出高は、前記薄肉領域を形成した厚み方向の押圧の押圧深さに比べて高いのが好ましい。なお、一面側は、表面側又は裏面側のいずれかであり、他面側は、一面側の反対側である。
本発明に係る固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁極片部の全体又は一部に形成されているのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁極片部の半径方向外側領域に設けられたストレート片部に形成されているのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁性金属板の厚みの80〜97%の厚みを有するのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心において、前記薄肉領域には、前記磁性金属板を、表面側から厚み方向に押圧して形成した表側溝と、裏面側から厚み方向に押圧して形成した裏側溝とが設けられているのが好ましい。
前記目的に沿う本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法は、回転子鉄心片の打抜き跡からなる打抜き孔が設けられた磁性金属板から、該打抜き孔の周辺部を打抜いて形成した固定子鉄心片を、かしめ積層する固定子積層鉄心の製造方法であって、前記固定子鉄心片の磁極片部に、厚み方向に押圧して薄肉領域を形成し、該薄肉領域にかしめ部を形成する。
本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法において、前記かしめ部は、前記固定子鉄心片の一面側及び他面側にそれぞれ窪み及びその窪みに対応した突出を形成して設けられ、該かしめ部の突出の突出高は、前記薄肉領域を形成した厚み方向の押圧の押圧深さに比べて高いのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を前記磁極片部の全体又は一部に形成するのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を、前記磁極片部の半径方向外側領域に設けられたストレート片部に形成するのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を、前記磁性金属板の厚みの80〜97%の厚みにするのが好ましい。
本発明に係る固定子積層鉄心の製造方法において、前記磁性金属板の異なる範囲を、厚み方向に表面側及び裏面側からそれぞれ押圧し、表面側が窪んだ表側溝と裏面側が窪んだ裏側溝を形成して前記薄肉領域を設けるのが好ましい。
本願発明に係る固定子積層鉄心、及び固定子積層鉄心の製造方法は、固定子鉄心片の磁極片部に、厚み方向に押圧して形成された薄肉領域を設け、かしめ部は、薄肉領域に形成されるので、かしめ部の形成箇所を回避して薄肉領域を設ける必要がなく、比較的広範囲に薄肉領域を形成することができる。従って、押圧の深さを浅くし、薄肉領域に一定以上の厚みを確保した上で、所定の延伸量を設けることができ、薄肉領域が薄くなることに起因するトルク特性の低下を抑制可能である。
また、本発明に係る固定子積層鉄心及び固定子積層鉄心の製造方法において、固定子鉄心片の一面側の窪みに対応して他面側に設けられた突出の突出高が、薄肉領域を形成した厚み方向の押圧の押圧深さに比べて高い場合、上下に配置された固定子鉄心片を、かしめ部を介して安定的に固定することができる。
そして、本発明に係る固定子積層鉄心及び固定子積層鉄心の製造方法において、薄肉領域が、磁極片部の全体又は一部に形成される場合、固定子積層鉄心の設計の自由度を高めることができる。
更に、本発明に係る固定子積層鉄心及び固定子積層鉄心の製造方法において、薄肉領域が、磁性金属板に対して80〜97%の厚みを有する場合、薄肉処理によるトルク特性の低下を抑制しつつ、積層された固定子鉄心片を、かしめ部によって確実に固定可能である。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る固定子積層鉄心及び回転子積層鉄心の斜視図である。 (A)は同固定子積層鉄心に用いる固定子鉄心片の平面図であり、(B)はそのX1−X1矢視断面図である。 同固定子積層鉄心の製造方法を示す工程図である。 (A)は本発明の第2の実施の形態に係る固定子積層鉄心に用いる固定子鉄心片の平面図であり、(B)はそのX2−X2矢視断面図である。 同固定子積層鉄心の製造方法の一部の説明図である。 (A)は本発明の第3の実施の形態に係る固定子積層鉄心に用いる固定子鉄心片の平面図であり、(B)はそのX3−X3矢視断面図である。 同固定子積層鉄心の製造方法の一部の説明図である。 従来例に係る固定子積層鉄心に用いる固定子鉄心片の平面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る固定子積層鉄心10は、ステッピングモータの固定子に使用されるもので、環状のヨーク部11の半径方向内側に複数の磁極部12が設けられている。各磁極部12は、一端がヨーク部11に連結され、捲線を行うストレート部13と、ストレート部13の半径方向内側に設けられた極歯部14とを有し、極歯部14は、半径方向内側に複数の子歯15を備えている。
図1(B)に示すように、固定子積層鉄心10と対となって使用される回転子積層鉄心16は、中央に軸孔17が形成され、外周部に多数の外歯18を備えている。回転子積層鉄心16は、固定子積層鉄心10の中央に設けられた収容孔19に配置された状態で、外歯18が固定子積層鉄心10の子歯15と僅少の隙間を有するように形成されており、収容孔19内で回転可能である。
固定子積層鉄心10は、固定子鉄心片20(図2(A)、(B)参照)を、かしめ部21を介して上下に複数かしめ積層して形成される。
固定子鉄心片20は、図2(A)、(B)に示すように、外周部に環状のヨーク片部23を備え、ヨーク片部23の半径方向内側に配置され、ヨーク片部23に連接された複数の磁極片部24を有している。各磁極片部24には、積層されて固定子積層鉄心10のストレート部13を構成するストレート片部25と、ストレート片部25の半径方向内側部位に連接された極歯片部26が設けられている。ストレート片部25は、周方向の幅が一定となって形成され、また、極歯片部26は、半径方向内側に複数の子歯片27を有し、積層されて固定子積層鉄心10の極歯部14を構成する。
図2(A)、(B)に示すように、磁極片部24にあるストレート片部25には、厚み方向に押圧して半径方向内側に平たく伸ばして形成された薄肉領域28が設けられ、薄肉領域28の表側には、この厚み方向の押圧によって形成された断面矩形の溝29が設けられている。薄肉領域28は、ヨーク片部23の厚みdに対して、80〜97%の厚みa1を有し、溝29は、厚みdの3〜20%の深さb1(b1=d−a1)となっている。厚みdは、本実施の形態では、0.1〜1mmであり、これは、固定子鉄心片20が打抜き形成される被加工板の磁性金属板30(図3参照)の厚みと一致する。
また、薄肉領域28は、ストレート片部25においてヨーク片部23との境界から僅かな間隔、具体的には、ストレート片部25の半径方向長さに対して1〜10%にあたる長さの間隔を設けて形成されるので、薄肉領域28を形成する際の押圧作業にある程度の誤差が生じても、誤ってヨーク片部23の一部を薄肉化しないようにしている。
薄肉領域28の表面側(一面側)中央には、周知の半抜きかしめであるかしめ部21の窪みが形成され、薄肉領域28の裏面側(他面側)中央には、その窪みに対応するかしめ部21の突出が形成されている。そして、かしめ部21の裏面側の突出の突出高は、溝29の深さ(押圧深さ)b1より高く、例えばb1の3倍以上の高さを有するので、上下に積層される固定子鉄心片20を確実に固定することができる。
なお、薄肉領域28は、固定子鉄心片20の中心Oを中心にして円弧状となっている。
次に、固定子積層鉄心10を製造する固定子積層鉄心の製造方法について説明する。
図3に示すように、この固定子積層鉄心の製造方法は、工程A〜Iから構成され、固定子積層鉄心10と共に、回転子積層鉄心16を製造する方法である。
工程Aでは、長尺の磁性金属板30に複数のパイロット孔32を形成し、工程Bでは、パイロット孔32によって位置決めされた磁性金属板30に貫通孔33を形成する。なお、貫通孔33は、後述する複数の回転子鉄心片31が積層されて回転子積層鉄心16の軸孔17に相当するようになる。
工程Cでは、工程Bで形成された貫通孔33の周囲に複数のかしめ部34を形成する。工程Dでは、貫通孔33を中心にして、回転子鉄心片31の外形抜きを行い、その回転子鉄心片31をかしめ部34を介して複数かしめ積層して、回転子積層鉄心16を形成する。
工程Eでは、磁性金属板30に対して、回転子鉄心片31の打抜き跡からなる打抜き孔35の周辺領域に等間隔で打抜きを行って、磁極片部24の輪郭を形成する複数のスロット孔36を形成する。
工程Fでは、隣り合うスロット孔36の各間の薄肉領域28を形成する領域に対して、磁性金属板30の表面側から押圧(コイニング)を行い、磁性金属板30の表面側に溝29を設けて、薄肉領域28を形成する。この工程Fでの押圧によって、薄肉領域28の形成箇所は、打抜き孔35の中心O’に向かって延伸される。
工程Gでは、薄肉領域28の中央に対して、磁性金属板30の表面側から押圧を行い、かしめ部21を形成し、工程Hで、打抜き孔35の周辺部を打抜いて、ストレート片部25及び極歯片部26を備えた磁極片部24を形成する。そして、工程Iで外形抜きを行って、固定子鉄心片20を形成し、その固定子鉄心片20をかしめ部21を介して複数かしめ積層して、固定子積層鉄心10を製造する。
ここで、薄肉領域28の形成箇所は、工程Fで、打抜き孔35の中心O’に向かって延伸されているので、薄肉領域を形成しない場合に比べて、工程Hにおいて、打抜き孔35の周辺部の打抜き面積を広く確保することができる。従って、工程Hでの打抜きによって生じる打抜きカスは、途中で破断せずに所定の場所に落下することになり、打抜きカスを確実に回収することができるため、一つの金型で回転子鉄心片31と固定子鉄心片20の共取りが可能となる。
また、トルク特性の低下を抑制するには、薄肉領域の厚みを厚く形成することが必要であることを実験で確認している。これに対し、本実施の形態では、かしめ部21を薄肉領域28に形成しており、薄肉領域を、かしめ部の形成箇所を回避して設ける必要がなく、従来より広範囲に薄肉領域を形成することが可能となる。従って、工程Fにおいて、工程Hで十分な打抜き面積を確保するために、薄肉領域28の延伸を行っても、薄肉領域28に一定(磁性金属板30の厚みの80%)以上の厚みを確保することができ、トルク特性の低下を抑制することができる。更に、設計デザインの観点からも、薄肉領域を、かしめ部を避けて形成しなくてよいので、固定子鉄心片の設計の自由度も増す。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る固定子積層鉄心の製造に用いる固定子鉄心片40について説明する。なお、固定子鉄心片20と同一の構成要素は同一の符号を付して詳しい説明を省略する(以下の実施の形態についても同じ)。
図4(A)、(B)に示すように、固定子鉄心片40は、ヨーク片部23に連接された複数の磁極片部41を有している。各磁極片部41には、半径方向外側にあるストレート片部42と、ストレート片部42の半径方向内側に配置された極歯片部43が設けられている。極歯片部43は、半径方向内側に複数の子歯片44を有している。
ヨーク片部23から半径方向内側にストレート片部42の半径方向長さに対して1〜10%の部分を除いた、磁極片部41の領域には、薄肉領域45が設けられている。薄肉領域45は、厚み方向に押圧して半径方向内側に平たく伸ばして形成され、薄肉領域45の表側には、この厚み方向の押圧によって形成された段差46が設けられている。薄肉領域45は、ヨーク片部23の厚みdに対して、80〜97%の厚みa2を有している。そして、ストレート片部42の表面側中央に、半抜きかしめからなるかしめ部47の窪みが形成されている。
なお、かしめ部47の裏面側の突出高は、ヨーク片部23の厚みdから薄肉領域45の厚みa2を差し引いた値より大きい(高い)値(例えばd−a2の3倍以上)を有している。また、薄肉領域45は、磁極片部41の全体に形成することもできる。
次に、固定子鉄心片40を用いる固定子積層鉄心の製造方法について説明する。
固定子鉄心片40を用いて製造する固定子積層鉄心は、図3に示す固定子積層鉄心の製造方法に対して、工程Fを除いた工程A〜Iは同じであり、工程Fが図5に示す工程F’に置き換わる。
工程F’では、隣り合うスロット孔36の各間の磁極片部41を形成する領域に対して、磁性金属板30の表面側から押圧を行い、ステレート片部42の形成箇所の半径方向外側部に段差46を設けて、磁性金属板30の表面側に薄肉領域45を形成する。この押圧は磁極片部41を形成する領域に対してなされるので、ストレート片部にのみ薄肉領域を形成する場合と比較して、固定子鉄心片40の中周部に歪みが生じるのを防止することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る固定子積層鉄心の製造に用いる固定子鉄心片50について説明する。
図6(A)、(B)に示すように、固定子鉄心片50は、ヨーク片部23に連接された複数の磁極片部51を有している。各磁極片部51には、半径方向外側にあるストレート片部52と、ストレート片部52の半径方向内側に配置された極歯片部26が設けられている。
ストレート片部52には、磁性金属板30を、表面側から厚み方向に押圧して形成した断面矩形の表側溝53と、磁性金属板30を、裏面側から厚み方向に押圧して形成した断面矩形の裏側溝54とが設けられている。表側溝53は、ストレート片部52の半径方向内側の領域に形成され、裏側溝54は、表側溝53の形成領域より半径方向外側の領域に形成されている。そして、薄肉領域55は、この表側溝53及び裏側溝54が形成されたストレート片部52によって形成されている。ここで、表側溝53及び裏側溝54の形成領域の間には押圧されない部分が設けられており、固定子鉄心片50は、この押圧されない部分を設けない場合と比較して、磁気的特性が高められている。
薄肉領域55の表側溝53及び裏側溝54の各形成領域は、それぞれa3及びa3’の厚みを有し、厚みa3及びa3’はヨーク片部23の厚みdに対して80〜97%の厚みである。そして、表側溝53及び裏側溝54は、それぞれb3(b3=d−a3)及びb3’(b3’=d−a3’)の深さを備え、深さb3及びb3’はそれぞれ厚みdの3〜20%である。
また、表側溝53の形成領域の表面側中央には、半抜きかしめからなるかしめ部56の窪みが形成されている。なお、かしめ部56の裏面側の突出は、表側溝53の深さb3及び裏側溝54の深さb3’より高く、例えばb3及びb3’に対して3倍以上の高さを有している。
次に、固定子鉄心片50を用いる固定子積層鉄心の製造方法について説明する。
固定子鉄心片50を用いて製造する固定子積層鉄心は、図3に示す固定子積層鉄心の製造方法に対して、工程Fを除いた工程A〜Iは同じであり、工程Fが図7に示す工程F1’及び工程F2’に置き換わる。
工程F1’では、隣り合うスロット孔36の各間の表側溝53の形成領域に対して、表面側から押圧を行い、表側溝53を形成する。工程F2’では、表側溝53の形成領域の半径方向外側にある裏側溝54の形成領域に対して裏面側から押圧を行い、裏側溝54を形成する。
この押圧は、磁性金属板30の表面側及び裏面側の両方向から行われるため、表面側又は裏面側のいずれか一方向のみから押圧する場合と比較して、磁極片部51に押圧によって生じる反り(歪み)を防止することができる。
なお、本実施の形態では、工程F1’で表面溝53を形成し、工程F2’で裏面溝54を形成したが、工程F1’で裏側溝54を形成し、工程F2’で表側溝53を形成してもよい。また、かしめ部56は、その窪みが表側溝53の表面側に位置するように形成されているが、窪みが表側溝53の裏面側に位置するようにかしめ部を設けることもできる。更に、かしめ部を裏側溝54に形成してもよく、この場合も、かしめ部の窪みが表面側又は裏面側のいずれかの側に位置するようにかしめ部を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、かしめ部は、各磁極片部で異なる箇所に形成してもよく、また、かしめ部を半抜きかしめでなく、V字かしめにすることもできる。
更に、第1〜第3の実施の形態のいずれにおいても、工程Eでスロット孔36を完全に打抜かずに(図3参照)、スロット孔の仮抜き行い、後の工程(工程F、又は、工程F’、あるいは、工程F1’、F2’)で薄肉領域28、45、55を形成した後に、スロット孔の本抜きを行ってもよく、その場合には、スロット孔の形状精度をより正確にすることができる。
10:固定子積層鉄心、11:ヨーク部、12:磁極部、13:ストレート部、14:極歯部、15:子歯、16:回転子積層鉄心、17:軸孔、18:外歯、19:収容孔、20:固定子鉄心片、21:かしめ部、23:ヨーク片部、24:磁極片部、25:ストレート片部、26:極歯片部、27:子歯片、28:薄肉領域、29:溝、30:磁性金属板、31:回転子鉄心片、32:パイロット孔、33:貫通孔、34:かしめ部、35:打抜き孔、36:スロット孔、40:固定子鉄心片、41:磁極片部、42:ストレート片部、43:極歯片部、44:子歯片、45:薄肉領域、46:段差、47:かしめ部、50:固定子鉄心片、51:磁極片部、52:ストレート片部、53:表側溝、54:裏側溝、55:薄肉領域、56:かしめ部

Claims (12)

  1. 回転子鉄心片の打抜き跡からなる打抜き孔が設けられた磁性金属板から、該打抜き孔の周辺部を打抜いて形成した固定子鉄心片を、かしめ部を介してかしめ積層した固定子積層鉄心であって、
    前記固定子鉄心片の磁極片部に、厚み方向に押圧して形成された薄肉領域を設け、前記かしめ部は、該薄肉領域に形成されていることを特徴とする固定子積層鉄心。
  2. 請求項1記載の固定子積層鉄心において、前記かしめ部は、前記固定子鉄心片の一面側に窪みが形成され、他面側に前記窪みに対応する突出が設けられ、該突出の突出高は、前記薄肉領域を形成した厚み方向の押圧の押圧深さに比べて高いことを特徴とする固定子積層鉄心。
  3. 請求項1又は2記載の固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁極片部の全体又は一部に形成されていることを特徴とする固定子積層鉄心。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁極片部の半径方向外側領域に設けられたストレート片部に形成されていることを特徴とする固定子積層鉄心。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心において、前記薄肉領域は、前記磁性金属板の厚みの80〜97%の厚みを有することを特徴とする固定子積層鉄心。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心において、前記薄肉領域には、前記磁性金属板を、表面側から厚み方向に押圧して形成した表側溝と、裏面側から厚み方向に押圧して形成した裏側溝とが設けられていることを特徴とする固定子積層鉄心。
  7. 回転子鉄心片の打抜き跡からなる打抜き孔が設けられた磁性金属板から、該打抜き孔の周辺部を打抜いて形成した固定子鉄心片を、かしめ積層する固定子積層鉄心の製造方法であって、
    前記固定子鉄心片の磁極片部に、厚み方向に押圧して薄肉領域を形成し、該薄肉領域にかしめ部を形成することを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
  8. 請求項7記載の固定子積層鉄心の製造方法において、前記かしめ部は、前記固定子鉄心片の一面側及び他面側にそれぞれ窪み及びその窪みに対応した突出を形成して設けられ、該かしめ部の突出の突出高は、前記薄肉領域を形成した厚み方向の押圧の押圧深さに比べて高いことを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
  9. 請求項7又は8記載の固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を前記磁極片部の全体又は一部に形成することを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を、前記磁極片部の半径方向外側領域に設けられたストレート片部に形成することを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心の製造方法において、前記薄肉領域を、前記磁性金属板の厚みの80〜97%の厚みにすることを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の固定子積層鉄心の製造方法において、前記磁性金属板の異なる範囲を、厚み方向に表面側及び裏面側からそれぞれ押圧し、表面側が窪んだ表側溝と裏面側が窪んだ裏側溝を形成して前記薄肉領域を設けることを特徴とする固定子積層鉄心の製造方法。
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