JP2011181413A - 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011181413A
JP2011181413A JP2010045937A JP2010045937A JP2011181413A JP 2011181413 A JP2011181413 A JP 2011181413A JP 2010045937 A JP2010045937 A JP 2010045937A JP 2010045937 A JP2010045937 A JP 2010045937A JP 2011181413 A JP2011181413 A JP 2011181413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective film
substrate
solution
carbon nanotubes
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010045937A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamamoto
伸一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ryukoku University
Original Assignee
Ryukoku University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ryukoku University filed Critical Ryukoku University
Priority to JP2010045937A priority Critical patent/JP2011181413A/ja
Publication of JP2011181413A publication Critical patent/JP2011181413A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R16/00Electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for; Arrangement of elements of electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for
    • B60R16/02Electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for; Arrangement of elements of electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for electric constitutive elements
    • B60R16/0207Wire harnesses
    • B60R16/0215Protecting, fastening and routing means therefor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】製造時の被対象物への影響を低減し、かつ、製造が容易であり、不純物除去および二次電子放出特性の向上が可能な保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】保護膜35の製造方法は、基板上にカーボンナノチューブを散布または結晶成長させ、その上に金属酸化物溶液を塗布する工程と、または、金属酸化物溶液中にカーボンナノチューブを分散し、カーボンナノチューブが分散された溶液を基板上に塗布する工程と、または、金属酸化物溶液を基板上に塗布し、その上にカーボンナノチューブを散布させる工程と、溶液を焼成する工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
近年、大画面で薄型軽量化を実現することが可能なディスプレイとしてプラズマディスプレイが注目されている。プラズマディスプレイパネルには、DC(直流)型とAC(交流)型とがあり、信頼性、画質などの点から、現在のPDPの主流はAC型となっている。
このようなAC型のプラズマディスプレイパネルの各画素を構成するセルは、例えば特許文献3に開示されているように、光を取り出す側の基板である前面基板と、前面基板上に形成された維持電極と、前面基板上に形成された走査電極と、維持電極と走査電極とを覆うように形成された誘電膜と、誘電膜を覆うように形成された保護膜と、前面基板と対向するように設置された背面基板と、背面基板上に形成されたアドレス電極と、アドレス電極上に形成された誘電膜と、誘電膜上に形成されたリブと、リブ間に形成された蛍光体層と、を備える。
このようなプラズマディスプレイパネルのセルでは、走査電極とアドレス電極との間に予備放電を行い、発光させる画素を選択し、選択されたセルで維持電極と走査電極との間で放電を行い、各リブ間に充填されたキセノン等によって紫外線が発生する。この紫外線によって蛍光体層が発光する。
AC型のプラズマディスプレイパネルでは、誘電体層はコンデンサとして機能するため、誘電体層がイオン等の衝撃を受け、厚みが変化すると容量の変化にもつながる。保護膜は、このようなイオン等の衝撃、ダメージから誘電体層を保護するものであり、保護膜には、イオン等に対する耐衝撃性が求められている。さらに、誘電体層がプラズマ放電に必要な二次電子放出の効率が低いため、保護膜は良好な二次電子放出特性が求められている。保護膜としては、例えばMgOが用いられている。
MgOの保護膜を用いた技術について、特許文献1、特許文献3および特許文献4に記載されている。特許文献1の技術は、MgO溶液は、MgO粒子、Mg含有塩、有機バインダーからなるものであることが記載されている。特許文献3には、蒸着によりMgOの保護層を形成することが記載されている。特許文献4には、MgO溶液中に、AlF等の金属フッ化物を分散させて保護膜を形成することが記載されている。
また、二次電子放出特性を良好にするために、電極上に、カーボンナノチューブの層を形成し、そのカーボンナノチューブの層の上に、MgO層を形成するプラズマ表示パネルに用いる二次電子増幅構造体の技術が、特許文献2に記載されている。特許文献5に記載のMgO保護膜にカーボンナノチューブを添加する技術は、カーボンナノチューブは針状結晶体として成長させたものを用いていることが記載されている。
特開平10−233157号公報 特開2001−222944号公報 特開2006−202765号公報 特開2009−283351号公報 国際公開第2005/045872号
ところで、保護膜は、プラズマ中のイオン等の衝突により結晶構造が壊れた場合でも、自己再生能力があり、結晶構造が再生する。しかし、保護膜中に二酸化炭素、水等の不純物を含むと、結晶構造には戻らず非晶質化してしまい、保護膜が劣化するという問題がある。
このため、不純物が良好に除去された保護膜が求められている。また、プラズマディスプレイパネルの発光効率を上昇させるため、良好な二次電子放出特性を備える保護膜が求められている。
また、特許文献2、特許文献3および特許文献5では、MgO保護膜の形成に、スパッタリングや電子ビーム蒸着法を用いている。また、カーボンナノチューブの層の形成においても、プラズマCVD法や、蒸着法などを用いており、製造工程が複雑であることが懸念される。
特許文献1および特許文献4では、MgO保護膜の形成にMgO溶液を用いている。このようなウェットプロセスで製造した膜は、MgOの結晶化のために、高温処理を施す必要が生じる。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、製造時の被対象物への影響を低減し、かつ、製造が容易であり、不純物除去および二次電子放出特性の向上が可能な保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る保護膜の製造方法は、
基板上にカーボンナノチューブを散布または結晶成長させ、該カーボンナノチューブを散布または結晶成長させた基板上に、金属酸化物の溶液を塗布する工程と、または、
金属酸化物の溶液中にカーボンナノチューブを分散し、該カーボンナノチューブが分散された溶液を基板上に塗布する工程と、または、
金属酸化物の溶液を基板上に塗布し、該溶液を塗布した基板上にカーボンナノチューブを散布させる工程と、
前記溶液を焼成する工程と、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする。
好ましくは、前記溶液を焼成する工程は、焼成温度が摂氏500度以下であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る保護膜は、
第1の観点に係る製造方法で製造されることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る保護膜は、
基板上に形成する膜であって、カーボンナノチューブと、金属酸化物と、を含み、
前記カーボンナノチューブを、前記金属酸化物と同等以下の体積比率で含有することを特徴とする。
好ましくは、前記カーボンナノチューブを、前記金属酸化物の20分の1以下の体積比率で含有することを特徴とする。
好ましくは、前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、
基板上に電極を形成する工程と、
前記電極を覆うように前記基板上に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
前記基板に対向する対向基板上に蛍光体層を形成する工程とを備え、
前記保護膜形成工程は、
基板上にカーボンナノチューブを散布または結晶成長させ、該カーボンナノチューブを散布または結晶成長させた基板上に、金属酸化物の溶液を塗布する工程と、または、
金属酸化物の溶液中にカーボンナノチューブを分散し、該カーボンナノチューブが分散された溶液を基板上に塗布する工程と、または、
金属酸化物の溶液を基板上に塗布し、該溶液を塗布した基板上にカーボンナノチューブを散布させる工程と、
前記溶液を焼成する工程と、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする。
好ましくは、前記保護膜形成工程における前記溶液を焼成する工程は、焼成温度が摂氏500度以下であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプラズマディスプレイパネルは、
基板上に形成された電極と、
前記電極を覆うように前記基板上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された保護膜と、
前記基板に対向する対向基板と、
前記対向基板上に形成された蛍光体層と、を備え、
前記保護膜は、カーボンナノチューブを金属酸化物と同等以下の体積比率で含有して形成されることを特徴とする。
本発明によれば、製造時の被対象物への影響を低減し、かつ、製造が容易であり、不純物除去および二次電子放出特性の向上が可能な保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの画素の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す図である。 本発明の実施形態に係る保護膜の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る保護膜の構成の変形例を示す図である。 保護膜のサンプルの構成図である。(a)は実施例、(b)は比較例を示す。 焼成温度の異なるサンプルに対して、TDS測定結果をプロットしたグラフである。 焼成温度の異なるサンプルのTPD測定スペクトルを示す図である。 XRD測定スペクトルを示す図である。(a)は実施例、(b)は比較例を示す。 焼成温度の異なるサンプルに対して、XRD測定結果をプロットしたグラフである。 昇温摂氏50度から摂氏800度および降温摂氏800度から摂氏50度の領域におけるXRD測定結果をプロットしたグラフである。
本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法について図を用いて説明する。なお、本実施形態では、交流(AC)型プラズマディスプレイパネルを例に挙げて説明する。
図1は、プラズマディスプレイパネル10の構成例を模式的に示す図である。また、図2は、画素20の構成例を示す断面図である。
プラズマディスプレイパネル10は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色を発する3つのセル30を有する複数の画素20を備える。複数の画素20は、背面基板上に、行方向に繰り返し複数配列されるとともに、列方向に同一色のセル30が複数配列されているストライプ配列である。なお、RGBのセル30は、互いに隣接することによって三角形の配置となるデルタ配列であってもよい。
セル30は、図2に示すように、前面基板31と、走査電極32と、維持電極33と、誘電体層34と、保護膜35と、背面基板36と、アドレス電極37と、アドレス保護膜38と、隔壁39と、蛍光体層40と、を備える。
前面基板31は、例えば、所定の厚さのガラス基板から構成される。前面基板31の一方の面には走査電極32と、維持電極33と、これらの電極上に形成された誘電体層34と、誘電体層34上に形成された保護膜35が形成される。また、前面基板31の他方の面から光が取り出されるため、前面基板31は透光性を備える材料から形成される。
走査電極32は、導電体から構成され、前面基板31上に形成される。本実施形態では、前面基板31側から光が取り出されるため、透光性を備える材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)等から形成される。さらに走査電極32には、低抵抗化を図るため、例えばクロム/銅/クロムから形成された低抵抗化層(図示せず)が形成されている。なお、点灯させるセル30では、まず走査電極32と、アドレス電極37との間でアドレス放電を行い、セル30内に壁電荷を堆積させる。
維持電極33は、導電体から構成され、前面基板31上に形成される。本実施形態では前面基板31側から光が取り出されるため、維持電極33は、透光性を備える材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)等から形成される。さらに維持電極33には、低抵抗化を図るため、例えばクロム/銅/クロムから形成された低抵抗化層(図示せず)が形成されている。また、走査電極32と維持電極33との間で表示放電を行う。また、走査電極32と維持電極33とは、同一方向に平行に設置される。
誘電体層34は、誘電体、例えばガラス等から構成され、前面基板31上に形成された走査電極32と維持電極33とを覆うように形成される。また、本実施形態では前面基板31から光を取り出す構成であるため、誘電体層34は、光学的な透過率の高い材料から形成される。誘電体層34は、走査電極32と維持電極33とを保護し、さらに放電時に誘電体層34表面に壁電荷を形成してメモリ機能を持たせる。誘電体層34に発生する静電容量は、放電時の電流を制限し、アーク放電へと移行しないように放電状態を制限する機能も有している。
保護膜35は、誘電体層34を保護し、二次電子放出を行う膜であり、前面基板31上に設けられた誘電体層34上に形成されている。前面基板31上に誘電体層34のみが形成されていると、放電によるイオンの衝撃で、膜がダメージを受け、パネルの寿命が短くなるので、寿命が短くなるのを抑えるために、誘電体層34上に保護膜35が形成されている。さらにプラズマ放電に必要な二次電子放出の効率が低下して、放電電圧が高くなるため、誘電体層34上に保護膜35が形成されている。保護膜35は、このような目的で形成されるため、イオン衝撃に強く、二次電子放出の高い材料から形成されることが好ましく、MgO、CaO、BaO、SrCaOから形成される。保護膜35は、Al、TiO、Y、La、CeO、HfO、ZnO、MgF、LiF、SrO、SiO等であってもよい。
さらに、本実施形態では、保護膜35中にカーボンナノチューブが添加されている。このカーボンナノチューブによって保護膜35のガス吸着性が低下する、つまり大気中に存在するCO、HO等の吸着を抑制することができる。このため保護膜35は、成膜工程中の不純物の吸着を抑制し、さらに成膜後も不純物が吸着しにくいため、良好に不純物が除去され、エージング等の不純物除去工程を省略または短縮させることが可能である。さらに、詳細に後述するようにカーボンナノチューブの添加により、保護膜35の二次電子放出特性を向上させることができる。また、金属溶液と接するカーボンナノチューブによって結晶化が促進されるので、充分な強度を得るために必要とされていた温度よりも低い摂氏500度以下の温度で本焼成を行うことができる。
背面基板36は、例えば所定の厚さのガラス基板から構成され、前面基板31と対向するように設置される。背面基板36の上面には、アドレス電極37と、隔壁39と、蛍光体層40と、が形成される。
アドレス電極37は、背面基板36上に形成され、導電材料、例えば、銀、クロム/銅/クロム、アルミニウム等から形成される。アドレス電極37は、図1に示すように、走査電極32、維持電極33と直交する方向に延びるように形成される。アドレス電極37は表示の有無を決めるデータを書き込むために使用される。
アドレス保護膜38は、誘電体、例えばガラス等から構成され、背面基板36上に形成されたアドレス電極37を覆うように形成される。
隔壁39は、背面基板36上に形成され、ストライプ状、またはワッフル状に形成されている。また、隔壁39と、前面基板31と、背面基板36とで囲われた放電空間内には、例えばNe、Xe等を含む混合ガスが封入されている。この混合ガスが放電により、Xeから紫外線が放射され、紫外線によって赤、緑、青の蛍光体が励起され可視光が放射される。
蛍光体層40は、R(赤)G(緑)B(青)のいずれかの色を発する蛍光体から構成される。発光面積を確保するため、蛍光体層40は背面基板36の上面と隔壁39の側面上に形成される。紫外線によって、各蛍光体が励起され、赤、緑、青の光が発生する。青色の蛍光体材料としては、例えばBAM系(BaMgAl1017:Eu)を用い、赤色の蛍光体材料としては、例えばボレイト系((Y.Ga)BO:Eu)、緑色の蛍光体材料としては例えばジンクシリケート系(ZnSiO:Mn)を用いる。
このような構成のプラズマディスプレイパネル10のセル30では、まず、アドレス電極37と走査電極32との間で、アドレス放電を行う。アドレス放電時には、一本の走査電極と全てのアドレス電極間で放電を行う。このとき、走査電極には1ライン分の全セルの電流が流れるが、アドレス電極側には1セル分の電流のみ流れる。アドレス放電に必要な電圧はアドレス電圧とスキャン電圧との組み合わせで決まり、このアドレス放電によりセル内に壁電荷が蓄積する。続いて、走査電極と維持電極との間で100〜200kHzの交流パルス電圧を印加し、表示、発光のための放電を行う。このときの電圧はセル中の混合ガスの組成、圧力などに依存するが、一般に160〜180Vが必要である。これにより、セル内に封入された混合ガスが励起し、紫外線が発生する。この紫外線によって蛍光体層40内の蛍光体が励起されて可視光が発せられる。可視光は前面基板31を介して外部に取り出される。
本実施形態では、保護膜35中にカーボンナノチューブを添加することにより、MgOのみで形成した場合と比較して、CO、HO等の吸着性を低下させることができる。このため、不純物の混入が少なく、保護膜35からは良好に不純物が除去される。さらに、詳細に後述するように、保護膜35の二次電子放出特性を向上させることができ、さらに、充分な強度を得るために必要とされていた温度よりも低い摂氏500度以下の温度で本焼成を行うことができる。
焼成温度が摂氏500度以下に抑えられることで、一般のソーダライムガラスの歪み点以下の温度である500度の温度より低い温度となるので、基板材料にガラスを選択することができる。また、ITO等の導電材料で形成された電極(走査電極や維持電極)の電気抵抗値は温度に比例するので、抵抗値を低くすることができる。
次に、プラズマディスプレイパネルの製造方法について図3および4を用いて説明する。
まず、ガラス基板等からなる前面基板31を用意する。
次に、この前面基板31上に、ITO等の導電材料を、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって成膜する。この膜上にフォトレジストを形成し、フォトレジストを走査電極および維持電極に対応する形状に露光、現像する。続いて、このフォトレジストを用いてエッチングを行い、図3(a)に示すように走査電極32および維持電極33を形成する。なお、導電材料としてSnOを用いる場合は、いわゆるリフトオフ法を用いる。具体的には前面基板31上に査電極および維持電極に対応するパターンを有するレジストを形成し、その上からSnOを成膜し、最後にレジストを除去し、走査電極32および維持電極33を形成する。
また、走査電極32および維持電極33上に、電気抵抗を低下させるための低抵抗化層(図示せず)を形成する。低抵抗化層は、例えば銀を用いる場合は、感光性銀ペーストを印刷し、フォトリソグラフィによって成膜し、クロム/銅/クロムを用いる場合はスパッタリング法等の真空成膜を行った後、フォトリソグラフィ、エッチングを行い、所望のパターンに形成する。また、パネル上の放電していない領域に、感光性材料を用いたフォトリソグラフィ、スクリーン印刷法等によりブラックストライプを形成し、外光反射率を下げてもよい。
次に、走査電極32および維持電極33上に、例えば低融点ガラス粉末とバインダ樹脂とが有機溶剤に分散された誘電体ペーストを、スクリーン印刷法で印刷する方法、ロールコート、カーテンコート、ダイコート等によってコーティングする方法によって塗布し、または、誘電体シートをラミネータ等で貼り付け、誘電体層を形成する。続いて、有機溶剤を揮発させ焼成炉で樹脂成分を除去し、低融点ガラス粉末を溶融・軟化させてガラス化する。これにより、図3(b)に示すように誘電体層34を形成する。
次に誘電体層34上に、有機金属化合物や無機金属塩等の加水分解反応、縮合反応を利用した金属酸化物の金属溶液を塗布する。金属溶液を塗布する方法は、例えば、スクリーン印刷法で印刷する方法、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スピンコート等によってコーティングする方法がある。
この金属溶液を誘電体層34上に塗布し仮焼成を行い、この塗布と仮焼成との工程を複数繰り返すことによって、金属溶液を所定の厚みに形成する。その後、本焼成を行い、図3(c)に示すように保護膜35を形成する。
なお、本実施形態では、金属酸化物の金属溶液を塗布する前に、カーボンナノチューブ溶液(カーボンナノチューブをエタノールに溶かした溶液)を塗布しておく。または、本焼成を行う前に、カーボンナノチューブ溶液(カーボンナノチューブをエタノールに溶かした溶液)を塗布する。または、金属溶液中にカーボンナノチューブが混合された溶液を用いる。上記3つの方法のいずれかの方法により、カーボンナノチューブを添加した保護膜35の形成を行う。
また、カーボンナノチューブを基板に散布せず、直接、基板に結晶成長させたものを用いてもよい。
本実施形態では詳細に後述するようにカーボンナノチューブが添加されている。カーボンナノチューブは、ユニークな電気的・機械的特性を持つ。このカーボンナノチューブの持つ特性によって、保護膜中の水吸着を少なくし、二次電子放出を高め、結晶化度合いを高めることが可能である。特に、金属溶液と接するカーボンナノチューブによって、HO、CO、CO等の吸着性を低下させることが可能である。換言すれば、膜の脱ガス性を向上させることが可能である。このため、HO、CO、CO等の不純物は良好に保護膜中から離脱するため、これまでこれらの不純物を離脱させるために必要とされていた仮焼成、本焼成の時間を減少させることができる。
さらに、金属溶液と接するカーボンナノチューブによって結晶化が促進されるので、摂氏500度以下の低温で焼成を行った場合であっても、結晶化が可能である。このため、充分な強度を得るために必要とされていた温度よりも低い摂氏500度以下の温度で本焼成を行うことができる。
焼成温度が摂氏500度以下に抑えられることで、一般のソーダライムガラスの歪み点以下の温度である500度の温度より低い温度となるので、基板材料にガラスを選択することができる。また、ITO等の導電材料で形成された電極(走査電極や維持電極)の電気抵抗値は温度に比例するので、抵抗値を低くすることができる。
次に、ガラス基板等からなる背面基板36を用意する。
この背面基板36上に、図4(a)に示すようにアドレス電極37を形成する。アドレス電極37として、例えば銀を用いる場合は、感光性銀ペーストを印刷し、フォトリソグラフィによって成膜する。アドレス電極37として、クロム/銅/クロムを用いる場合はスパッタリング法等の真空成膜を行った後、フォトリソグラフィ、エッチングを行い、所望のパターンに形成する。
次に、アドレス電極37上に、例えば低融点ガラス粉末とバインダ樹脂とが有機溶剤に分散された誘電体ペーストを、スクリーン印刷法で印刷する方法、ロールコート、カーテンコート、ダイコート等によってコーティングする方法によって塗布し、または、誘電体シートをラミネータ等で貼り付け、誘電体層を形成する。続いて、有機溶剤を揮発させ焼成炉で樹脂成分を除去し、低融点ガラス粉末を溶融・軟化させてガラス化する。これにより、図4(b)に示すようにアドレス保護膜38を形成する。
次に、アドレス保護膜38上に、例えばサンドブラスト法によって、隔壁39を形成する。具体的には、低融点ガラスペーストを背面基板36の表面全体に塗布し、乾燥させる。続いて、感光性のマスク材をガラスペースト上に貼り付けた後、フォトリソグラフィによってマスクを形成する。ガラスビーズや炭酸カルシウム等からなる研磨剤を吹き付け、マスクに覆われていない部分を削ってリブを形成する。マスクを剥離した後、焼成することによって、図4(c)に示すように隔壁39が形成される。この他に、ウエットエッチング法、感光性リブ、転写法、埋め込み法、積層印刷法等の方法によって隔壁39を形成してもよい。
次に、所定の溶剤に溶解させたR,G,Bの蛍光体をスクリーン印刷法、ディスペンサ等による塗布によって、隔壁39間に塗布し、溶媒を乾燥させ蛍光体層40を形成する。
このように、それぞれ別の工程によって作製された前面基板31または背面基板36上に例えば低融点ガラスからなるシール材を塗布した上で、前面基板31と背面基板36とを重ね合わせる。続いて、焼成によってシール材を溶融させ前面基板31と、背面基板36とを接着させる。次に、パネルを低温化し、排気管を通じてパネル内の大気を排気する。続いて、常温付近まで温度を下げ、ネオン、キセノン等のガスを排気管から導入する。ガスを導入した後、バーナー等によって排気管を封じる。
続いて、エージング工程で、長時間の点灯確認を行う。これにより保護膜35中の不純物をプラズマによって自己洗浄することができる。本実施形態では、上述したように保護膜35を形成する工程で大幅にCO、CO、HO等の不純物の除去が可能であるため、エージング工程の時間を従来と比較して短縮する、または工程そのものを省略することが可能である。
以上の工程から、図2に示すプラズマディスプレイパネル10が製造される。
図5は、本発明の実施形態に係る保護膜の構成例を示す図である。図5(a)は、基板の上に、カーボンナノチューブの溶液を塗布した後に、MgO溶液を塗布して焼成し、保護膜を形成したものである。図5(b)は、基板の上に、MgO溶液を塗布した後に、カーボンナノチューブの溶液を塗布して焼成し、保護膜を形成したものである。図5(c)は、MgO溶液にカーボンナノチューブを分散し、そのカーボンナノチューブが分散された溶液を塗布したのち焼成して、保護膜を形成したものである。
基板にシリコン基板を用いる場合を説明する。基本的な作製工程の条件は等しく、まず、シリコン基板の洗浄はUV照射装置を用いて摂氏150度で10分間のUV照射を行う。溶液の塗布はスピンコートで行い、600rpmを5秒回転し、その後、1800rpmを15秒回転する。溶液の焼成は電気炉で行い、摂氏500度で60分間とする。
図5(a)、(b)、(c)に示す各々の保護膜35の成膜の方法を記す。
図5(a)の場合、まず、シリコン基板の洗浄はUV照射装置を用いて摂氏150度で10分間のUV照射を行う。シリコン基板に、カーボンナノチューブ溶液(カーボンナノチューブをエタノールに溶かした溶液)を塗布し、仮焼成を行う。さらにMgO溶液を塗布する。溶液の塗布はスピンコートで行い、600rpmを5秒回転し、その後、1800rpmを15秒回転する。溶液を塗布し終えたシリコン基板を、電気炉にて摂氏500度の条件で60分間焼成する。
図5(b)の場合、まず、シリコン基板の洗浄はUV照射装置を用いて摂氏150度で10分間のUV照射を行う。シリコン基板に、MgO溶液を塗布し、仮焼成を行う。さらに、カーボンナノチューブ溶液(カーボンナノチューブをエタノールに溶かした溶液)を塗布する。溶液の塗布はスピンコートで行い、600rpmを5秒回転し、その後、1800rpmを15秒回転する。溶液を塗布し終えたシリコン基板を、電気炉にて摂氏500度の条件で60分間焼成する。
図5(c)の場合、まず、シリコン基板の洗浄はUV照射装置を用いて摂氏150度で10分間のUV照射を行う。次に、MgO溶液にカーボンナノチューブを混合し、カーボンナノチューブが分散されたMgO混合溶液を作製する。そして、シリコン基板に、MgO混合溶液を塗布する。溶液の塗布はスピンコートで行い、600rpmを5秒回転し、その後、1800rpmを15秒回転する。溶液を塗布し終えたシリコン基板を、電気炉にて摂氏500度の条件で60分間焼成する。
図6は、本発明の実施形態に係る保護膜の構成の変形例を示す図である。保護膜の成膜については、図5で示した方法と同じである。保護膜の成膜を施す場所は、必ずしも図6(a)のように、電極の上に限らず、図6(b)のような誘電体の上であってもよい。保護膜の成膜は、金属溶液を用いて塗布する方法であり、プラズマCVD法や、蒸着法などと比較して成膜を施す場所への負担を少なくでき、成膜を施す場所の選択肢が広がる。
本実施形態では、上述したように、保護膜35を形成する際に、カーボンナノチューブを塗布、もしくは分散させることにより、製造工程中の保護膜35へのHO、CO、CO等の不純物の混入を抑制することができる。さらに、カーボンナノチューブの特性により、保護膜の二次電子放出特性も向上する。このように、不純物の混入が少なく、良好な二次電子放出特性を有する保護膜を形成することができる。本実施形態の製造方法では、HO、CO、CO等の混入が抑制されるため、保護膜を形成するための焼成工程の時間を短くでき、さらにエージング工程で、これらの不純物を除去する時間を短く、もしくはエージング工程を省略することができる。
また、本実施形態の製造方法では、カーボンナノチューブを用いることで、摂氏500度以下の低温で焼成を行った場合であっても、結晶化が可能である。このため、充分な強度を得るために必要とされていた温度よりも低い摂氏500度以下の温度で本焼成を行うことができる。
焼成温度が摂氏500度以下に抑えられることで、一般のソーダライムガラスの歪み点以下の温度である500度の温度より低い温度となるので、基板材料にガラスを選択することができる。また、ITO等の導電材料で形成された電極(走査電極や維持電極)の電気抵抗値は温度に比例するので、抵抗値を低くすることができる。
さらに、本実施形態では、MgO溶液を用いてMgO保護膜を成膜しているため、良好にカーボンナノチューブを分散させることができる。また、MgO溶液中に分散させずに、カーボンナノチューブ溶液(カーボンナノチューブをエタノールに溶かした溶液)を塗布する場合においても、真空蒸着法などに比べて容易である。また、溶液を塗布し、焼成という、比較的に容易な処理で膜厚を均一に形成することができる。さらに、カーボンナノチューブの塗布を均等に行うことができる。その結果、カーボンナノチューブが分散された保護膜や、カーボンナノチューブがMgOの上部もしくは下部に接触した状態の保護膜、いずれも場合においても、膜の形成を均等に行うことが可能である。
(実施例)
上述した実施形態で示す保護膜の製造方法について、検証した結果を以下に示す。
図7は実施に用いた保護膜であるサンプルの構成図であり、保護膜の作製条件は次の通りである。
本実施形態に係るカーボンナノチューブを添加した保護膜を用いたサンプル(以下、実施例という)は、シリコン基板上にカーボンナノチューブの溶液を塗布した後に、MgO溶液を塗布し、保護膜を成膜したものを用いた。このとき、カーボンナノチューブの溶液を塗布した後に仮焼成を行った。比較のための、カーボンナノチューブを添加しない保護膜を用いたサンプル(以下、比較例という)は、シリコン基板上にMgO溶液を塗布し成膜したものを用いた。実施例の構成図を図7(a)、比較例の構成図を図7(b)に示す。
実施例および比較例の基本的な作製工程の条件は等しく、まず、シリコン基板の洗浄はUV照射装置を用いて摂氏150度で10分間のUV照射を行った。溶液の塗布はスピンコートで行い、600rpmを5秒回転、その後、1800rpmを15秒回転させた。溶液の焼成は電気炉で行い、摂氏500度で60分間とした。
ただし、焼成温度の基本は摂氏500度であるが、図8および図11に示すように、焼成温度を摂氏500度、600度、700度、900度としている場合がある。作製した保護膜の膜厚は、できあがったサンプルを測定した結果、実施例で、230nm程度、比較例で200nm程度であった。サンプルの膜厚の差分より、カーボンナノチューブは、約30nmの厚みに相当する体積を備えていることが分かった。
プラズマディスプレイの保護膜として充分な機能を備えるMgO保護膜の、好ましい厚みは約600nmである。また、MgO保護膜に、約30nmの厚みに相当する体積のカーボンナノチューブを備えることで、詳細に後述するように、不純物の吸着性を低下させ、500度以下の低温条件下において結晶化を促進することがいえる。
結果として、保護膜に用いるカーボンナノチューブの割合は、MgOの体積と同等以下であり、好ましくは、20分の1以下とする。
図8は、焼成温度の異なるサンプルに対して、TDS測定結果をプロットしたグラフである。TDSとは昇温脱離ガス分析法(Thermal Desorption spectroscopy)のことで、ここでは、HOを脱離する第1ピーク、第2ピークと、その温度をプロットしたものである。
(b)MgO onlyは、カーボンナノチューブを添加しない保護膜を用いた、比較対象用の比較例、(a)MgO/CNTは、カーボンナノチューブを添加した保護膜を用いた、本実施の形態の実施例を示す。実施例は、焼成温度の異なる3つのサンプルで、(a)摂氏500度焼成、(a−700)摂氏700度焼成、(a−900)摂氏900度焼成がある。
焼成温度が摂氏500度における(a)実施例と(b)比較例の比較を行った。(a)の実施例の場合は、(b)の比較例の場合と比較して、第1ピーク、第2ピークともに脱離する温度が約30度低下し、より低い温度で、HOの脱離が行われることが分かった。結果として、保護膜にカーボンナノチューブを添加することで、保護膜への不純物の混入を防止しやすいことがいえる。
保護膜にカーボンナノチューブを添加したサンプルであって、焼成温度が異なる3つのサンプル、(a)摂氏500度焼成、(a−700)摂氏700度焼成、(a−700)摂氏900度焼成の比較を行った。焼成温度が高くなればなるほど、より低い温度で、HOの脱離が行われることが分かった。結果として、保護膜にカーボンチューブを添加した場合において、焼成温度が高いほど、保護膜への不純物の混入を防止しやすいことがいえる。
図9は、焼成温度の異なるサンプルのTPD測定スペクトルを示す図である。TPDとは、昇温脱離法(Temperature Programmed Desorption)のことであり、縦軸の強度により、水の脱離挙動を知ることができる。
図9で使用するサンプルは、図7のサンプルとは作製方法の異なるサンプルを用意した。サンプルは、MgO溶液にカーボンナノチューブを混合し、カーボンナノチューブが分散されたMgO混合溶液をシリコン基板に塗布したものを焼成する方法により作製した。焼成温度が摂氏500度の場合と、摂氏900度の場合を用意した。
図9によると、100度付近に第1ピークがあり、500度焼成サンプルでは280度付近に第2ピークがあり、900度焼成サンプルでは230度付近に第2ピークがある。このピークが高いほど、水を放出していることを示す。
500度焼成サンプルと、900度焼成サンプルを比較した場合において、500度焼成サンプルにおいても、水の吸着量が減少していることが分かった。また、測定温度が摂氏300度以下でグラフのピークが現れ、測定温度を上昇するとともに徐々に減少する傾向が見られた。結果として、摂氏300度以下で水の脱離がほとんど行われることから、製造工程を摂氏300度以下にすることができる。
図10は、XRD測定スペクトルを示す図である。XRDとはX線回折(X−ray diffraction)のことで、縦軸の強度は回折強度を表す。2θ/degreesが約43度で示される部分の、MgOの格子面をミラー指数で表すと(2,0,0)となる結晶格子構造を指す。また、約62度の部分は、(2,2,0)となる結晶構造を指す。スペクトル強度が大きいほど、原子がその結晶構造で存在し、MgOの割合が高いことを示す。
(2,0,0)の結晶構造について、(a)実施例では結晶化が行われており、(b)比較例では、ほとんど結晶化が行われてなく、結晶構造が無いに等しいことが分かった。(2,2,0)の結晶構造について、(b)比較例では結晶化が見られるが、(a)実施例に比べて少なく、また、(2,0,0)の結晶構造の強度と比較するとごくわずかであった。全体として、(a)実施例では結晶化が行われており、(b)比較例では、ほとんど結晶化が行われていないことが分かった。
結果として、カーボンナノチューブを添加することで、焼成温度が摂氏500度においても、MgOの結晶化が促進され、性能の高い成膜が行われていることがいえる。また、カーボンナノチューブを添加などせずMgOのみの場合、焼成温度が摂氏500度では、温度が低くMgOの結晶化が不十分であることがいえる。
図11は、焼成温度の異なるサンプルに対して、XRD測定結果をプロットしたグラフである。2θ/degreesが約43度で示される部分の、MgOの結晶構造が(2,0,0)の結晶格子のときの回折強度をプロットしたものである。
カーボンナノチューブを添加する場合、添加しない場合、ともに、焼成温度が高い方が結晶しやすいことが分かった。(a)実施例の強度は、(b−900)比較例の強度より値が大きく、MgOのみで摂氏900度で焼成した場合より、カーボンナノチューブを添加して摂氏500度で焼成した場合の方が、MgOの結晶化が行われていることが分かった。結果として、カーボンナノチューブを添加することで結晶化が行われやすくなり、さらに、焼成温度が高くなるにつれて、結晶化が促進されることがいえる。
図12は、昇温摂氏50度から摂氏800度および降温摂氏800度から摂氏50度の領域におけるXRD測定結果をプロットしたグラフである。2θ/degreesが約43度で示される部分の、MgOの結晶構造が(2,0,0)の結晶格子のときのXRD Peak(Absolube Intensity)をプロットしたものである。
(a)実施例のグラフでは、摂氏50度から徐々に昇温していき、摂氏420度になった箇所で、結晶化が開始されたことが分かった。それに対して、(b)比較例のグラフでは、摂氏797度まで昇温した箇所より、結晶化が開始されたことが分かった。結晶化は一旦開始すると促進され、その後、温度が降温している間も結晶化が行われる。保護膜の成膜は、MgOの結晶化が開始される温度以上で焼成する必要があるので、結果として、カーボンナノチューブを添加した場合、摂氏500度以下の焼成温度の場合でも成膜が行われることがいえる。
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な変形および応用が可能である。例えば、上述した実施形態では、本実施形態の保護膜がAC型のプラズマディスプレイパネルに利用される場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、DC型のプラズマディスプレイパネルの保護膜として用いることも可能である。
10 プラズマディスプレイパネル
20 画素
30 セル
31 前面基板
32 走査電極
33 維持電極
34 誘電体層
35 保護膜
36 背面基板
37 アドレス電極
38 アドレス保護膜
39 隔壁
40 蛍光体層

Claims (11)

  1. 基板上にカーボンナノチューブを散布または結晶成長させ、該カーボンナノチューブを散布または結晶成長させた基板上に、金属酸化物の溶液を塗布する工程と、または、
    金属酸化物の溶液中にカーボンナノチューブを分散し、該カーボンナノチューブが分散された溶液を基板上に塗布する工程と、または、
    金属酸化物の溶液を基板上に塗布し、該溶液を塗布した基板上にカーボンナノチューブを散布させる工程と、
    前記溶液を焼成する工程と、
    を備えることを特徴とする保護膜の製造方法。
  2. 前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の保護膜の製造方法。
  3. 前記溶液を焼成する工程は、焼成温度が摂氏500度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の保護膜の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法で製造された保護膜。
  5. 基板上に形成する膜であって、カーボンナノチューブと、金属酸化物と、を含み、
    前記カーボンナノチューブを、前記金属酸化物と同等以下の体積比率で含有することを特徴とする保護膜。
  6. 前記カーボンナノチューブを、前記金属酸化物の20分の1以下の体積比率で含有することを特徴とする請求項5に記載の保護膜。
  7. 前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする請求項5または6に記載の保護膜。
  8. 基板上に電極を形成する工程と、
    前記電極を覆うように前記基板上に誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記基板に対向する対向基板上に蛍光体層を形成する工程とを備え、
    前記保護膜形成工程は、
    基板上にカーボンナノチューブを散布または結晶成長させ、該カーボンナノチューブを散布または結晶成長させた基板上に、金属酸化物の溶液を塗布する工程と、または、
    金属酸化物の溶液中にカーボンナノチューブを分散し、該カーボンナノチューブが分散された溶液を基板上に塗布する工程と、または、
    金属酸化物の溶液を基板上に塗布し、該溶液を塗布した基板上にカーボンナノチューブを散布させる工程と、
    前記溶液を焼成する工程と、
    を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記金属酸化物は、MgO、CaO、BaO、SrCaOのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記保護膜形成工程における前記溶液を焼成する工程は、焼成温度が摂氏500度以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 基板上に形成された電極と、
    前記電極を覆うように前記基板上に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成された保護膜と、
    前記基板に対向する対向基板と、
    前記対向基板上に形成された蛍光体層と、を備え、
    前記保護膜は、カーボンナノチューブを金属酸化物と同等以下の体積比率で含有して形成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
JP2010045937A 2010-03-02 2010-03-02 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 Pending JP2011181413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010045937A JP2011181413A (ja) 2010-03-02 2010-03-02 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010045937A JP2011181413A (ja) 2010-03-02 2010-03-02 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011181413A true JP2011181413A (ja) 2011-09-15

Family

ID=44692708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010045937A Pending JP2011181413A (ja) 2010-03-02 2010-03-02 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011181413A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102522296A (zh) * 2011-12-30 2012-06-27 四川虹欧显示器件有限公司 等离子显示屏的介质保护膜及其制作方法和含有其的等离子显示屏
JP2016502734A (ja) * 2012-11-06 2016-01-28 オーティーアイ ルミオニクス インコーポレーテッドOti Lumionics Inc. 導電性コーティングを表面に堆積する方法
US10355246B2 (en) 2015-12-16 2019-07-16 Oti Lumionics Inc. Barrier coating for opto-electronics devices
US11152587B2 (en) 2016-08-15 2021-10-19 Oti Lumionics Inc. Light transmissive electrode for light emitting devices

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102522296A (zh) * 2011-12-30 2012-06-27 四川虹欧显示器件有限公司 等离子显示屏的介质保护膜及其制作方法和含有其的等离子显示屏
JP2016502734A (ja) * 2012-11-06 2016-01-28 オーティーアイ ルミオニクス インコーポレーテッドOti Lumionics Inc. 導電性コーティングを表面に堆積する方法
US10439081B2 (en) 2012-11-06 2019-10-08 Oti Lumionics Inc. Method for depositing a conductive coating on a surface
US11145771B2 (en) 2012-11-06 2021-10-12 Oti Lumionics Inc. Method for depositing a conductive coating on a surface
US11532763B2 (en) 2012-11-06 2022-12-20 Oti Lumionics Inc. Method for depositing a conductive coating on a surface
US11764320B2 (en) 2012-11-06 2023-09-19 Oti Lumionics Inc. Method for depositing a conductive coating on a surface
US10355246B2 (en) 2015-12-16 2019-07-16 Oti Lumionics Inc. Barrier coating for opto-electronics devices
US11152587B2 (en) 2016-08-15 2021-10-19 Oti Lumionics Inc. Light transmissive electrode for light emitting devices

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2398306C1 (ru) Плазменная индикаторная панель и способ ее изготовления
KR100709188B1 (ko) 평판 표시 장치 및 그의 제조방법
JP4492638B2 (ja) プラズマディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルの基板構体
JP2011181413A (ja) 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2004119118A (ja) プラズマ表示装置およびその製造方法
JP2008300127A (ja) プラズマディスプレイパネル
WO2011118152A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
US20070152591A1 (en) Plasma display panel
JP2009283351A (ja) 保護膜、保護膜の製造方法、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4337385B2 (ja) ガス放電パネル
JP4102073B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP5113912B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
US8058805B2 (en) Plasma display panel
JP2009301841A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2008287966A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2008282624A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP5115536B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP5337079B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2013008583A (ja) プラズマディスプレイパネルの保護層及びプラズマディスプレイパネル
JP2008282768A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
WO2013018355A1 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
WO2011118151A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
WO2013018335A1 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
WO2011118154A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2009152064A (ja) プラズマディスプレイパネル