JP2008282624A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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一 井上
康一 ▲崎▼田
Koichi Sakida
Shinya Fukuda
晋也 福田
Minoru Hasegawa
実 長谷川
Kazuki Takagi
一樹 高木
Tomoya Misawa
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Abstract

【課題】輝度を低下させることなく放電遅れを短縮させることができるPDPを提供する。
【解決手段】本発明のPDPは、対向配置された第1基板構体及び第2基板構体を有し、第1基板構体は、複数の表示電極を有し、第2基板構体は、前記表示電極に交差するアドレス電極を有し、前記表示電極のそれぞれは、金属バス電極を含み、第1基板構体は、第2基板構体に対向する側に正面視において前記金属バス電極の範囲内に収まるように配置されたプライミング粒子放出層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と呼ぶ。)に関する。
図10は、従来のPDPの構成を示す斜視図である。PDPは、前面側基板構体1と、背面側基板構体2を貼り合わせた構造をしている。前面側基板構体1は、ガラス基板からなる前面側基板1a上に、透明電極3aと金属バス電極3bからなる表示電極3が配置され、表示電極3は、誘電体層4で覆われている。誘電体層4の上にさらに2次電子放出係数の高い酸化マグネシウム層からなる保護層5が形成されている。背面側基板構体2には、ガラス基板からなる背面側基板2a上に、表示電極と直交するようにアドレス電極6を配置し、かつアドレス電極6間には、発光領域を規定するために隔壁7が設けられ、アドレス電極6上の隔壁7で区分けされた領域には、赤、緑、青の蛍光体層8が形成されている。貼り合わせた前面側基板構体1と背面側基板構体2の内部に形成された気密な放電空間には、Ne−Xeガスからなる放電ガスが封入されている。なお、図示していないが、アドレス電極6は、誘電体層で被覆されており、隔壁7及び蛍光体層8は、この誘電体層上に設けられている。
このようなPDPでは、アドレス電極6と、スキャン電極を兼ねる表示電極3の間に電圧を印加することによって、アドレス放電を生じさせ、対をなす2本の表示電極3の間に電圧を印加することによって、リセット放電や表示のためのサステイン放電を生じさせる。
PDPは、大型薄型テレビとして実用化されており、近年は高精細化が進んでいる。高精細化すると画素数が増えるため、セルの点灯非点灯を決めるアドレス操作の時間が増大する。アドレス操作の時間が増大するのを抑えるためには、アドレス放電用電圧(アドレス電圧ともいう)のパルス幅を小さくする必要がある。しかし、電圧を印加してから放電が起こるまでの時間(放電遅れ)にばらつきがあるため、アドレス電圧のパルス幅が小さ過ぎると放電が起きないことがあり得る。その場合、表示期間においてセルが正しく点灯しないため、画質の劣化を招くという問題がある。
この問題を解決するため、特許文献1では保護膜上に酸化マグネシウム結晶体層を形成することを提案している。酸化マグネシウム結晶体は、アドレス放電前に行なわれるリセット放電によって励起され、その後少しずつ電子を放出すると推測されている。放出された電子が種となるため、アドレス放電が起こりやすくなり放電遅れが短縮されると考えられている。
特開2006−114484号公報
しかし、酸化マグネシウム結晶体層は、蛍光体からの光を完全には透過させないため、酸化マグネシウム結晶体層を形成することによって輝度が低下するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、輝度を低下させることなく放電遅れを短縮させることができるPDPを提供するものである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のPDPは、対向配置された第1基板構体及び第2基板構体を有し、第1基板構体は、複数の表示電極を有し、第2基板構体は、前記表示電極に交差するアドレス電極を有し、前記表示電極のそれぞれは、金属バス電極を含み、第1基板構体は、第2基板構体に対向する側に正面視において前記金属バス電極の範囲内に収まるように配置されたプライミング粒子放出層を有する。
本発明では、元々遮光される部分にプライミング粒子(以下、「P粒子」と呼ぶ。)放出層を配置するため、P粒子放出層を配置することによって輝度が低下することがない。P粒子放出層とは、放電開始のためのP粒子を放出する材料からなる層であり、この層を設けることによって、放電遅れを短縮させることができる。従って、本発明によれば、輝度を低下させることなく放電遅れを短縮させることができる。
前記複数の表示電極は、2本がペアになって表示ラインを構成し、前記ペアの一方は、アドレス電極との間でのアドレス放電に用いられるスキャン電極であり、前記P粒子放出層は、正面視において前記スキャン電極の金属バス電極の範囲内に収まるように配置されてもよい。アドレス放電は、スキャン電極とアドレス電極との間で起こるので、P粒子放出層をこのように配置することによって、アドレス放電の放電遅れの改善効果をあまり損なうことなくP粒子放出材料の使用量を減少させることができる。
前記プライミング粒子放出層は、酸化マグネシウム結晶体(以下、「MgO結晶体」と呼ぶ。)を含んでもよい。この場合、放電遅れの改善効果が大きい。
前記プライミング粒子放出層は、ハロゲン元素が1〜10000ppm添加されたMgO結晶体を含んでもよい。この場合、放電遅れの改善効果が長時間持続する。放電遅れの改善効果が長時間持続する理由は必ずしも明らかではないが、添加したハロゲン元素がMgO結晶体中の酸素と置換され、これが電子トラップとなって、電子放出特性が向上したためであると推測される。また、放電遅れの改善効果が長時間持続するため、比較的少量であっても休止期間が長い場合の放電遅れを効果的に抑制することができ、コスト低減に繋がる。
また、前記P粒子放出層は、前記金属バス電極の範囲内に収まるように配置される代わりに、アドレス放電に用いられるスキャン電極の範囲内に収まるように配置されてもよい。この場合、若干の輝度低下は起こり得る。しかし、アドレス放電に用いられるスキャン電極の比較的広い範囲にP粒子放出層を形成することができるので、輝度低下を最小限に抑えつつアドレス放電の放電遅れの改善効果を大きくすることができる。
ここで示した種々の構成は、互いに組み合わせることができる。
以下、本発明の種々の実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。以下の実施形態では、3電極面放電型PDPを例にとって説明を進めるが、本発明は、これ以外の種類のPDPにも適用可能である。
1.第1実施形態
図1(a)、(b)は、本発明の第1実施形態のPDPの構造を示し、図1(a)は、正面図であり、図1(b)は、図1(a)中のI−I断面図である。
本実施形態のPDPは、対向配置された前面側基板構体1及び背面側基板構体2を有する。前面側基板構体1は、前面側基板1a上にそれぞれが透明電極3aと金属バス電極3bとからなる複数の表示電極3と、複数の表示電極3を覆う誘電体層4と、誘電体層4上に保護層5と、保護層5上にP粒子放出層11とを有する。背面側基板構体2は、背面側基板1b上に表示電極3に交差(好ましくは、直交)する複数のアドレス電極6、複数のアドレス電極6を覆う誘電体層9、誘電体層9上に隔壁7及び蛍光体層8を有する。P粒子放出層11は、正面視において(別の言い方では正面図において)金属バス電極3bの範囲内に収まるように配置されている。
前面側基板構体1と背面側基板構体2とは、周縁部が封着材で貼り合わされており、前面側基板構体1と背面側基板構体2の間の気密な放電空間内には放電ガス(例えば、ネオンに数%程度のキセノンを混合させたもの)が封入されている。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
1−1.基板、表示電極、誘電体層、保護層(前面側基板構体)
前面側の基板1aは、特に限定されず、当該分野で公知の基板をいずれも使用することができる。具体的には、ガラス基板、プラスチック基板等の透明基板が挙げられる。
表示電極3は、例えば、ITO、SnO2 などの幅の広い透明電極3aと、電極の抵抗を下げるための、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等からなる幅の狭い金属バス電極3bとで構成することができる。図1(a)、(b)には、透明電極3a及び金属バス電極3bがストレート形の場合を示しているが、透明電極3a及び金属バス電極3bの形状は、特に限定されず、T字形や梯子形であってもよい。透明電極3aと金属バス電極3bの形状は、同じであっても互いに異なっていてもよい。例えば、透明電極3aをT字形や梯子形にして、金属バス電極3bをストレート形にしてもよい。
複数の表示電極3は、2本がペアになって表示ラインを構成している。このペアは、アドレス電極6との間のアドレス放電に用いられるスキャン電極3Yと、スキャン電極3Yとの間のサステイン放電等に用いられるサステイン電極3Xとで構成される。本発明は表示電極3が2本ずつのペアになっている場合に限定されず、表示電極3が等間隔に並ぶいわゆるALIS構造のPDPにも適用可能である。この場合、金属バス電極3bは、例えば、透明電極3aの中央に配置される。
誘電体層4は、例えば、低融点ガラスフリットにバインダと溶剤を加えた低融点ガラスペーストを、表示電極3形成後の基板上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することによって形成することができる。誘電体層4は、表示電極3形成後の基板上にCVD法などで酸化シリコンを堆積することによって形成してもよい。
保護層5は、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム又は酸化バリウム等の金属(より具体的には2価の金属)酸化物からなり、好ましくは、酸化マグネシウムからなる。保護層5は、蒸着法、スパッタ法又は塗布法等で形成される。
1−2.基板、アドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層(背面側基板構体)
背面側の基板2aは、特に限定されず、当該分野で公知の基板をいずれも使用することができる。具体的には、ガラス基板、プラスチック基板等の透明基板が挙げられる。
アドレス電極6は、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等で構成することができる。
誘電体層9は、誘電体層4と同様の材料及び方法で形成することができる。
隔壁7は、誘電体層9上に低融点ガラスペースト等の隔壁材料層を形成し、この隔壁材料層をサンドブラスト等によりパターニングし、焼成することによって形成することができる。隔壁7は、これ以外の方法で形成してもよい。隔壁7の形状は、限定されず、例えば、ストライプ形、ミアンダ形、格子形又は梯子形にすることができる。
蛍光体層8は、例えば、蛍光体粉末とバインダとを含む蛍光体ペーストを隣接する隔壁7間の溝内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布し、これを各色(R、G、B)毎に繰り返した後、焼成することにより形成することができる。
1−3.プライミング粒子(P粒子)放出層
P粒子放出層11は、前面側基板構体1の背面側基板構体2に対向する側に正面視において表示電極3の金属バス電極3bの範囲内に収まるように配置されている。本実施形態では、このように元々遮光される部分にP粒子放出層11を配置しているので、蛍光体層8からの光が遮られることがなく、輝度が低下することがない。
P粒子放出層11の厚さは、特に限定されない。特に本実施形態では、P粒子放出層11を厚く形成しても輝度が低下することがないので、P粒子放出層11は、比較的厚く形成することができる。これによって、放電遅れの改善効果をより高めることができる。
P粒子放出層11の幅は、金属バス電極3bの範囲内に収まるものであれば特に限定されない。
P粒子放出層11の形状は、特に限定されず、図1(a),(b)に示すようにストレート状に形成してもよく、例えば、放電セル毎に分離した島状に形成してもよい。
P粒子放出層11は、図1(b)では、保護層5上に配置されているが、例えば、図2に示すように、P粒子放出層11を形成する部位に開口を有する保護層5を形成し、この開口内にP粒子放出層11を形成してもよい。この場合、P粒子放出層11を先に形成し、その後に保護層5を形成してもよい。また、P粒子放出層11を先に形成し、P粒子放出層11を覆うように保護層5を形成してもよい。この場合、P粒子放出層11の少なくとも一部が放電空間に露出するように保護層5を形成する。
P粒子放出層11の形成方法は、特に限定されない。例えば、P粒子放出層11の形状に対応した開口部を有するマスクを準備し、この開口部がP粒子放出層11を形成する部位に位置するようにマスクを配置した状態でP粒子放出材料を保護層5上に付着させることによって形成することができる。P粒子放出材料を付着させる方法は、特に限定されないが、例えば、粉体状のP粒子放出材料をそのまま又は分散媒に分散させた状態で保護層5に向けて散布する方法が挙げられる。また、スクリーン印刷によって、P粒子放出材料を保護層5上に付着させてもよい。また、P粒子放出層11は、開口部を有するマスクを用いる代わりに、ディスペンサーやインクジェット装置を用いてP粒子放出層11を形成する部位にP粒子放出材料を含むペーストや懸濁液を付着させることによって形成してもよい。
P粒子放出層11は、P粒子放出材料を含む層である。P粒子放出層11は、P粒子放出材料以外の成分を含んでいてもよく、P粒子放出材料を主成分としてもよく、P粒子放出材料のみからなってもよい。P粒子放出材料とは、過去の放電によって励起され放電開始のためのP粒子(電子などの荷電粒子)を放出する材料であり、その種類は、特に限定されない。P粒子放出材料は、例えば、以下に示す気相法で形成された金属(より具体的には2価の金属)酸化物結晶体(例えば、MgO結晶体、酸化カルシウム結晶体、酸化ストロンチウム結晶体又は酸化バリウム結晶体など)や、このような結晶体にハロゲン元素が添加されたものからなる。上記金属酸化物結晶体は、MgO結晶体に構成が類似しているので同様の効果が得られると考えられる。
以下、P粒子放出材料が、MgO結晶体にハロゲン元素が添加されたもの(以下、「ハロゲン添加MgO結晶体」と呼ぶ。)からなる場合を例にとって説明を進める。また、以下の説明中のMgO結晶体は、無添加のままでもP粒子放出材料として利用可能である。
ハロゲン添加MgO結晶体に添加されるハロゲン元素の種類は、特に限定されない。ハロゲン元素は、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のうちの一種又は二種以上からなる。フッ素の場合に放電遅れの改善効果が長時間持続することが確認されているが、電子状態の類似性からフッ素以外のハロゲンを添加した場合にも同様の効果が得られると考えられる。
ハロゲン元素の添加量は、特に限定されない。ハロゲン元素の添加量は、例えば、1〜10000ppmである。本明細書では、「ppm」は、重量濃度である。
参考実験例では、24〜440ppmの範囲でハロゲン元素の添加量を変化させてもほぼ同様の効果が得られることが確認されていることから、ハロゲン元素の添加量が効果に与える影響は大きくないと考えられ、添加量が1〜10000ppm程度の範囲であれば、放電遅れの改善効果が長時間持続すると考えられる。ハロゲン元素の添加量は、例えば、1,5,10,15,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120,140,160,180,200,250,300,350,400,450,500,600,700,800,900,1000,1500、2000,3000,4000,5000,6000,7000,8000,9000又は10000ppmである。ハロゲン元素の添加量は、ここで例示した何れか2つの数値の間の範囲内であってもよい。ハロゲン元素の添加量は、燃焼−イオンクロマトグラフ分析によって測定することができる。
ハロゲン添加MgO結晶体の製造方法は、特に限定されない。ハロゲン添加MgO結晶体は、一例では、MgO結晶体とハロゲン含有物質を混合して焼成し、解砕することによって製造することができる。MgO結晶体については、後述する。ハロゲン含有物質としては、例えば、マグネシウムのハロゲン化物(フッ化マグネシウム等)やAl,Li,Mn,Zn,Ca,Ceのハロゲン化物が挙げられる。焼成は、1000〜1700℃で行うことが好ましい。焼成の温度は、例えば、1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600又は1700℃である。焼成の温度は、ここで例示した何れか2つの数値の間の範囲内であってもよい。焼成物の解砕を行う方法は、特に限定されないが、例えば、焼成物を乳鉢に入れて、それを乳棒ですり潰して粉体状にする方法が挙げられる。
ハロゲン添加MgO結晶体は、好ましくは、粉体状であり、そのサイズや形状は特に限定されないが、平均粒径が0.05〜20μmであることが好ましい。ハロゲン添加MgO結晶体は、平均粒径が小さすぎると、放電遅れの改善効果が小さく、平均粒径が大きすぎると、P粒子放出層11が均一に形成されにくいからである。
ハロゲン添加MgO結晶体の平均粒径は、次の式に従って求めることができる。
式:平均粒径=a/(S×ρ)
(但し、aは、形状係数で6、Sは、窒素吸着法により求まるBET比表面積、ρは、ハロゲン添加MgO結晶体の真密度である。)
ハロゲン添加MgO結晶体の平均粒径は、具体的には、例えば、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20μmである。ハロゲン添加MgO結晶体の平均粒径の範囲は、上記具体的な平均粒径として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
MgO結晶体は、電子線の照射によって波長域200〜300nm内にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行うという特性を有している。MgO結晶体は、好ましくは、粉体状であり、そのサイズや形状は特に限定されないが、平均粒径が0.05〜20μmであることが好ましい。MgO結晶体は、平均粒径が小さすぎると、放電遅れの改善効果が小さく、平均粒径が大きすぎると、P粒子放出層11が均一に形成されにくいからである。
MgO結晶体の平均粒径は、式1に従って求めることができる。
式1:平均粒径=a/(S×ρ)
(但し、aは、形状係数で6、Sは、窒素吸着法により求まるBET比表面積、ρは、酸化マグネシウムの真密度である。)
MgO結晶体の平均粒径は、具体的には、例えば、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20μmである。MgO結晶体の平均粒径の範囲は、上記具体的な平均粒径として例示した数値の何れか2つの間であってもよい。
MgO結晶体の製造方法は、特に限定されないが、マグネシウム蒸気と酸素とを反応させる気相法で製造することが好ましく、例えば、特開2004−182521号公報に記載された方法や、『材料』昭和62年11月号、第36巻第410号の第1157〜1161頁の『気相法によるマグネシア粉末の合成とその性質』に記載された方法で製造することができる。また、MgO結晶体は、宇部マテリアルズ株式会社から購入してもよい。気相法で製造することが好ましいのは、気相法によりMgO結晶体を製造すると、純度の高い単結晶体が得られるからである。
2.第2実施形態
図3(a)、(b)は、本発明の第2実施形態のPDPの構造を示し、図3(a)は、正面図であり、図3(b)は、図3(a)中のI−I断面図である。
本実施形態のPDPは、第1実施形態のPDPに類似しているが、P粒子放出層11が正面視においてスキャン電極3Yに対してのみそれの金属バス電極3bの範囲内に収まるように配置されている点が異なっている。アドレス放電は、スキャン電極3Yとアドレス電極6の間で行われるので、このようにP粒子放出層11を配置することによって、アドレス放電の放電遅れの改善効果をあまり損なうことなくP粒子放出材料の使用量を減少させることができる。
3.第3実施形態
図4(a)、(b)は、本発明の第3実施形態のPDPの構造を示し、図4(a)は、正面図であり、図4(b)は、図4(a)中のI−I断面図である。
本実施形態のPDPは、第1実施形態のPDPに類似しているが、P粒子放出層11が正面視においてスキャン電極3Yの範囲内に収まるように配置されている点が異なっている。
本実施形態では、P粒子放出層11が金属バス電極3bに正面視において重なる部分以外の部分にも配置されているので、若干の輝度低下が起こり得る。しかし、アドレス放電に用いられるスキャン電極3Y側にのみP粒子放出層11が形成されているので、輝度低下は最小限に抑えられる。また、スキャン電極3Yの比較的広い範囲にP粒子放出層11が形成されているので、アドレス放電の放電遅れの改善効果を大きくすることができる。従って、本実施形態によれば、輝度低下を最小限に抑えつつアドレス放電の放電遅れの改善効果を大きくすることができる。
4.ハロゲン添加MgO結晶体による放電遅れ改善効果を示す参考実験例
以下、ハロゲン添加MgO結晶体による放電遅れ改善効果を示す参考実験例を示す。
以下の実験例では、フッ素が添加されたMgO結晶体(以下、「F添加MgO結晶体」と呼ぶ。)を放電空間に露出するように配置することによる放電遅れ改善効果を調べた。また、フッ素が添加されていない通常のMgO結晶体を放電空間に露出するように配置した場合と比較した。
4−1.F添加MgO結晶体の製造方法
以下の方法でF添加量が互いに異なる5種類のF添加MgO結晶体(サンプルA〜Eと呼ぶ。)を作製した。
まず、MgO結晶体(宇部マテリアルズ株式会社製、商品名:気相法高純度超微粉マグネシア(2000A))と、MgF2(フルウチ化学株式会社製、純度:99.99%)をそれぞれ乳鉢と乳棒を用いて凝集解砕して粉体状にした。
次に、表1に示す混合量になるように、凝集解砕したMgO結晶体とMgF2を秤量し、タンブラー混合機で混合した。
次に、混合したものを大気中1450℃で1時間焼成した。
次に、焼成した粉を凝集解砕して粉体状にして、サンプルA〜EのF添加MgO結晶体を得た。
次に、サンプルAとCのF添加量を燃焼イオンクロマトグラフ分析によって測定した。その結果を表1に示す。また、サンプルAとCのF添加量の測定値から推測されるサンプルB,D,EのF添加量の推定値を図5のグラフに従って求めた。表1ではF添加量の推定値は括弧で囲んで表示した。
Figure 2008282624
4−2.PDPの製造方法
次に、サンプルA、B、C、D又はEのF添加MgO結晶体からなるP粒子放出層11を有する図6(a)〜(c)に示す構造のPDPを以下の方法で製造した。図6(a)〜(c)は、参考実験例のPDPの構造を示す断面図であり、図6(a)は、平面図であり、図6(b)及び(c)は、それぞれ、図6(a)中のI−I断面図及びII−II断面図である。
また、後述する放電遅れ試験の比較例に使用するために、F添加MgO結晶体の代わりにF添加を行っていないMgO結晶体(メーカ,商品名は同上)を用いてPDPを同様の方法及び条件で製造した。
4−2−1.概要
図6(a)〜(c)に示すようにガラス基板1a上に表示電極3、誘電体層4、保護層5、P粒子放出層11を形成することによって前面側基板構体1を作製した。また、ガラス基板2a上にアドレス電極6、誘電体層9、隔壁7及び蛍光体層8を形成することによって背面側基板構体2を作製した。次に、前面側基板構体1と背面側基板構体2を重ね合わせて周縁部を封着材で封止することによって内部に気密な放電空間を有するパネルを作製した。次に、放電空間内を排気後、放電ガスを封入し、PDPを完成させた。
4−2−2.P粒子放出層の形成方法
P粒子放出層11は、詳しくは、以下の方法で形成した。
まず、F添加MgO結晶体をIPA(関東化学株式会社製、電子工業用)1Lに対して2gの割合で混合し、超音波分散機で分散させて凝集解砕させ、スラリーを作製した。
次に、保護層5上に塗装用スプレーガンを用いて上記スラリーをスプレー塗布し、その後にドライエアを吹き付けて乾燥させる工程を数回繰り返すことによってP粒子放出層11を形成した。P粒子放出層11は、F添加MgO結晶体の重量が1m2当り2gとなるように形成した。
4−2−3.その他
その他の条件は、以下の通りにした。
前面側基板構体1:
表示電極3aの幅:270μm
金属バス電極3b幅:95μm
放電ギャップの幅:100μm
誘電体層4:低融点ガラスペーストの塗布焼成により形成、厚さ:30μm
保護層5:電子ビーム蒸着によるMgO層、厚さ:7500Å
背面側基板構体2:
アドレス電極6の幅:70μm
誘電体層9:低融点ガラスペーストの塗布焼成により形成、厚さ:10μm
アドレス電極6の真上での蛍光体層8の厚さ:20μm
蛍光体層8の材料:Zn2SiO4:Mn(緑蛍光体)
隔壁7の高さ:140μm 頂部での幅:50μm
隔壁7のピッチ(図6(a)の寸法A):360μm
放電ガス:Ne96%−Xe4%、500Torr
4−3.放電遅れ試験
次に、製造した各PDPについて放電遅れ試験を行った。放電遅れ試験は、図7に示す測定用の電圧波形によって行った。リセット放電期間ではサステイン電極3Xとスキャン電極3Yの間でリセット放電を起こさせて誘電体層の電荷状態をリセットし、以前の放電の影響を除去した。予備放電期間では特定のセルを選択した後にサステイン電極3Xとスキャン電極3Yの間で放電を起こさせてP粒子放出材料を励起した。その後、10μs〜50msの休止期間を経過した後、アドレス放電期間においてアドレス電極6に電圧を印加し、この電圧印加時から実際に放電が開始されるまでの時間を測定した。放電開始までの時間は1000回測定し、累積放電確率が90%となる時間を放電遅れと定義した。
このようにして得られた結果を表2、図8及び図9に示す。図8は、サンプルCを用いて製造したPDPと、無添加のMgO結晶体を用いて製造したPDPについての、休止期間と放電遅れとの関係を示すグラフである。図9は、表2をプロットしたものである。
Figure 2008282624
図8から明らかなように、サンプルCを用いて製造したPDPでは、無添加MgO結晶体を用いて製造したPDPに比べて、休止期間が長いところでも放電遅れが短いことが分かる。このことは、サンプルCのような、F添加MgO結晶体は、無添加のMgO結晶体に比べて放電遅れを抑制する効果が長く持続することを意味している。F添加MgO結晶体において放電遅れの改善効果が長時間持続する理由は必ずしも明らかではないが、添加したハロゲン元素がMgO結晶体中の酸素と置換され,これが電子トラップとなって,電子放出特性が向上するためであると推測される。
また、表2及び図9から明らかなように、F添加量が24〜440ppmの範囲において、放電遅れの変化が小さいことが分かる。このことは、F元素の添加量が放電遅れの改善効果に与える影響は大きくないことを示しており、添加量が1〜10000ppm程度の範囲であれば、放電遅れの改善効果が長時間持続することを示唆していると考えられる。
(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態のPDPの構造を示し、(a)は、正面図であり、(b)は、(a)中のI−I断面図である。 本発明の第1実施形態のPDPの構造の変形例を示す、図1(b)に対応した断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第2実施形態のPDPの構造を示し、(a)は、正面図であり、(b)は、(a)中のI−I断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の第3実施形態のPDPの構造を示し、(a)は、正面図であり、(b)は、(a)中のI−I断面図である。 参考実験例において、実施例サンプルB,D,EのF添加量の推定値を求めるためのグラフである。 (a)〜(c)は、参考実験例のPDPの構造を示す断面図であり、(a)は、平面図であり、(b)及び(c)は、それぞれ、(a)中のI−I断面図及びII−II断面図である。 参考実験例の放電遅れの測定に用いた電圧波形を示す。 サンプルCを用いて製造したPDPと、無添加のMgO結晶体を用いて製造したPDPについての、休止期間と放電遅れとの関係を示すグラフである。 参考実験例にかかる、F添加量の測定値又は推定値と、放電遅れとの関係を示すグラフである。 従来のPDPの構造を示す斜視図である。
符号の説明
1:前面側基板構体 1a:前面側基板 2:背面側基板構体 2a:背面側基板 3:表示電極 3a:透明電極 3b:金属バス電極 3X:サステイン電極 3Y:スキャン電極 4:誘電体層 5:保護層 6:アドレス電極 7:隔壁 8:蛍光体層 9:誘電体層 11:プライミング粒子放出層

Claims (7)

  1. 対向配置された第1基板構体及び第2基板構体を有し、
    第1基板構体は、複数の表示電極を有し、第2基板構体は、前記表示電極に交差するアドレス電極を有し、
    前記表示電極のそれぞれは、金属バス電極を含み、
    第1基板構体は、第2基板構体に対向する-側に正面視において前記金属バス電極の範囲内に収まるように配置されたプライミング粒子放出層を有するプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記複数の表示電極は、2本がペアになって表示ラインを構成し、前記ペアの一方は、アドレス電極との間でのアドレス放電に用いられるスキャン電極であり、
    前記プライミング粒子放出層は、正面視において前記スキャン電極の金属バス電極の範囲内に収まるように配置される請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 対向配置された第1基板構体及び第2基板構体を有し、
    第1基板構体は、第1方向に延びる複数の表示電極を有し、第2基板構体は、前記表示電極に交差するアドレス電極を有し、
    前記複数の表示電極は、2本がペアになって表示ラインを構成し、前記ペアの一方は、アドレス電極との間でのアドレス放電に用いられるスキャン電極であり、
    第1基板構体は、第2基板構体に対向する側に正面視において前記スキャン電極の範囲内に収まるように配置されたプライミング粒子放出層を有するプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記プライミング粒子放出層は、酸化マグネシウム結晶体を含む請求項1〜3の何れか1つに記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記プライミング粒子放出層は、ハロゲン元素が1〜10000ppm添加された酸化マグネシウム結晶体を含む請求項1〜3の何れか1つに記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記ハロゲン元素は、フッ素である請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記フッ素の添加量は、5〜1000ppmである請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
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JP2012089257A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネル

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